WO2006006599A1

WO2006006599A1 - 折畳式携帯無線機

Info

Publication number: WO2006006599A1
Application number: PCT/JP2005/012848
Authority: WO
Inventors: Hiroyuki Uejima; Yutaka Isoda; Nobuharu Mashima; Masayoshi Hirai; Nobuhiro Iwai; Yutaka Saitoh; Kenichi Maeda
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2004-07-12
Filing date: 2005-07-12
Publication date: 2006-01-19
Also published as: EP1770824A4; US20080300028A1; EP1770824A1; US7787915B2; JP4358084B2; JP2006054843A

Abstract

　折畳式携帯無線機において、広帯域、高利得を目的とし、開き時に上筐体を直接励振させアンテナとして用いた場合に、閉じ時は大幅に利得が劣化する。　折畳式携帯無線機は、第一の筐体と、第二の筐体と、第一の筐体と第二の筐体を開閉可能に接続する連結部と、第一の筐体内に配置された導体素子と、第二の筐体内に配置された給電素子とを備える。そして、連結部による開き状態においては、導体素子と給電素子が互いに近接して給電時に電磁的結合可能であり、連結部による閉じ状態においては、導体素子と給電素子が、開き状態よりも距離的に離れ、給電時に電磁的結合されない。

Description

明細書

折畳式携帯無線機

技術分野

[0001] 本発明は、高いアンテナ性能を有する小型の折畳式携帯無線機に関するものである。

背景技術

[0002] 近年、携帯無線機の一種である携帯電話機が広く普及しているが、この携帯電話機には、各種さまざまなタイプのものが開発されている。その中でも、使用しないときには上下の筐体を折畳んで携帯性を高めたコンパクトな折畳式のものが広く用いられている。このように使用状態により、その形態を変えることができる構造を持っため、そのそれぞれの状態におけるアンテナ性能の確保が重要である。また、この折畳式携帯無線機においても小型化と多機能化が進んでおり、近年の多機能化のひとつとして、デザイン性向上のためアンテナの内蔵化が進んでいる。

[0003] 一般に、折畳式携帯電話において、開き閉じ共に、良好なアンテナ性能を得る手段として以下に三つの例を示す。

[0004] 一つ目の例は下筐体のヒンジ側に突起型のアンテナを搭載した折畳式携帯無線機である。この突起型アンテナは、一般にへリカルアンテナや伸縮式モノポールアンテナが用いられており、開いた状態ではアンテナが上筐体の回路基板上の接地電位をもつ導体パターンであるグランドパターンを励振させる共振素子となり、上筐体の回路基板上のグランドパターンと下筐体の回路基板上のグランドパターンを放射素子とするダイポールアンテナとして動作し、アンテナ部が筐体力突起して、るので、携帯電話機を手で保持した状態のアンテナ利得を高くできると、つた利点がある。また閉じた場合はへリカルアンテナ等の放射素子により波長を短縮し、 λ /4系のモノポ一ルアンテナとして動作する。

[0005] しかし、上述の構成はアンテナの突起部が携帯無線機としての概観を損ねることになり、近年のアンテナ内蔵化に反する。また、ホイップアンテナは筐体内に収納するスペースを必要とし、携帯無線機の小型化、薄型化の妨げになる。また、アンテナ部が筐体力突起して、るので、携帯電話機を手で保持した状態のアンテナ利得を高くできるといった利点がある力放射素子として、アンテナ部に電流が集中するため、通話時に手や顔による影響が大きぐ通話時特性の変動が大きくなつてしまう。

[0006] 二つ目の例として、突起部をなくしアンテナを内蔵した構成として、 L字アンテナや逆 Fアンテナなどがあり、これらのアンテナは筐体内部に完全に内蔵した形で動作する。下筐体ヒンジ側に L字アンテナを構成した場合、ヘリカルアンテナを用いた場合と同様に上筐体を励振させる共振素子として動作するが、内蔵するモノポールアンテナとしての長さに限界があるため、開き時に上筐体との電気的結合が弱く開き時の特性が劣る。また、上筐体に逆 Fアンテナを構成する場合、その特性を確保するには、上筐体内の基板との高さを取る必要があり、またその板状アンテナの面積も広くする必要があり、携帯無線機の小型化、薄型化の妨げとなる。

[0007] 三つ目の例として、一つ目の例としてあげた、開き時に上筐体内の導体を放射素子として用いる原理を応用する事で、突起物のないアンテナ構成として、上筐体内の導体を開き時に直接励振し、放射素子として用いる方法がある。例えば特許文献 1に開示されて、るような、上部ケース内のシールドボックスにフレキシブルケーブルで接続し上部シールドボックスをアンテナとして使用する構造を備えた折畳み式無線機がある。この方法は放射する筐体に高さといった制限もなぐアンテナの実効面積を広くとる事が可能となるため、広帯域、高利得なアンテナ性能を得る事ができる。

[0008] しかし、このアンテナ構成は開き時には理想的な λ /2系のダイポールアンテナとして動作するが、閉じ時はその電流の流れが互いに打ち消し合い、原理的に動作しない。上筐体 101と下筐体 102が開閉ヒンジ 103により接続されたモデルにおいて、図 1 (a)に示されているように、その電流の流れ 105は開き時にダイポールアンテナとして動作するが、図 1 (b)に示されているように、閉じ時はその電流の流れ 105が打ち消し合ヽ放射抵抗が低下する。図 2はこうしたアンテナ性能の変化を示したものである。この比較実験では、使用周波数を 900MHz帯とし、横軸に周波数 (MHz)、縦軸に VSWR( Voltage Standing Wave Ratio :電圧定在波比）とした。この図 2にぉ、て、開き状態のアンテナ特性 (VSWR)の変化を示すグラフを (X、閉じ状態アンテナ特性 (VSWR)の変化を示すグラフを j8で示して!/ヽる。この図 2に示す実験結果から分かるように、良好なアンテナ特性を得るための要件の一つである VSWR< 3 ( 反射波の電圧が 50%以下となる）を満たす周波数帯域の幅について開き状態は 35 0MHz以上の広さを有するが、閉じの状態では VSWR< 3の周波数帯が存在せず、大幅な特性の変化を確認する事ができる。よって、閉じ時に動作する別のアンテナを必要とし、その回路構成が複雑になる。

[0009] 上述の問題は、折畳式携帯電話に限られず、一般の折畳式携帯無線機についてち生じ得る。

[0010] 特許文献 1 :特開 2002— 335180号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0011] 上述したように、小型の折り畳み携帯無線機において、広帯域、高利得を目的とし

、開き時に上筐体内の導体を直接励振させアンテナとして用いた場合には、閉じ時は大幅に利得が劣化するおそれがある。

[0012] 本発明は、一つのアンテナで、大きなスペースを必要とせず、開閉共に高いアンテナ性能を発揮し、小型化に好適な折畳式携帯無線機を提供する事を目的とする。課題を解決するための手段

[0013] 本発明の折畳式携帯無線機は、第一の筐体と、第二の筐体と、第一の筐体と第二の筐体を開閉可能に接続する連結部と、第一の筐体に配置された導体素子と、第二の筐体に配置された給電素子とを備える。そして、（A)連結部による開き状態においては、導体素子と給電素子が互いに近接して給電時に電磁的結合可能であり、 (B) 連結部による閉じ状態においては、導体素子と給電素子が、（A)の状態よりも距離的に離れ、給電時に電磁的結合されない。尚、「給電時の電磁的結合」とは、近接した二つの導体の電磁的結合及び二つの導体の直接接触 (直列的接続）による電磁的結合の双方を少なくとも含み得る。

給電素子を、略 4分の 1波長の電気長を有するよう、構成することができる。

[0014] 導体素子を、第一の筐体内に配置された導体板に接続されるよう、構成することができる。

[0015] 導体素子は第一の筐体に取り付けられた導体カバーにより代用する事も可能であり、導体カバーを第一の筐体に配置された導体板に少なくとも一つの接点を介して接続する構成としてもよい。

[0016] 導体素子及び給電素子各々に平面部を設け、上記 (A)の状態において各平面が近接して対向するよう構成してもよヽ。

[0017] 導体素子を、第一の筐体の連結部に隣接した端部に配置し、給電素子を、第二の筐体の連結部に隣接した端部に配置し、上記 (A)の状態においては、導体素子及び給電素子は、連結部に隣接して互いに対向して配置され、上記 (B)の状態においては、導体素子及び給電素子は、連結部を隔てて配置されるよう、構成してもよい。導体素子及び給電素子の主要部が、連結部の回転軸に略平行となるよう、構成してもよい。

導体素子が、略 4分の 1波長の電気長を有するよう、構成してもよい。

導体素子の一端が第一の筐体に配置された導体板または第一の筐体に取り付けられた導体カバーに接続され、他端が開放端であるよう、構成してもよい。

導体素子の一端と、第一の筐体に配置された導体板または第一の筐体に取り付けられた導体カバーとの接続位置が、給電素子の給電部近傍であるよう、構成してもよい。

第一の筐体の内部に配置された回路部品と第二の筐体の内部に配置された回路部品とを電気的に接続する複数の導電線からなる配線束を備え、配線束を給電素子の給電部から所定の間隔を隔てて配置するよう、構成してもよ、。

[0018] 上記 (A)の状態において、導体素子と、給電素子が接触するよう構成してもよい。

[0019] 導体素子が、第一の筐体に形成された導通孔力露出し、給電素子がピン状に形成され第二の筐体力も突出した接点部を有し、上記 (A)の状態において、導体素子が接点部に直接接触するよう構成してもよい。

導体素子または給電素子の少なくとも一方を、電気長の異なる複数の素子で構成してちよい。

導体素子の一端を、第一の筐体に配置された導体板または第一の筐体に取り付けられた導体カバーに接続するか開放とするかを切り換える第一切換部と、導体素子の他端を、第一の筐体に配置された導体板または第一の筐体に取り付けられた導体カバーに接続するか開放とするかを切り換える第二切換部とを備えるよう構成してもよい。

[0020] 本発明の携帯無線機は、第一の筐体を上筐体とし、第二の筐体を下筐体とした折畳式携帯電話に利用することが可能である。

発明の効果

[0021] 本発明によれば、一つのアンテナで、大きなスペースを必要とせず、開閉共に高いアンテナ性能を発揮し、小型化に好適な折畳式携帯無線機を提供する事ができる。図面の簡単な説明

[0022] [図 1]上筐体を直接励振させるアンテナ構成の動作説明図であり、図 1 (a)は開き時、図 1 (b)閉じ時の折畳式携帯電話の状態を示す。

[図 2]従来技術のアンテナ性能の説明図である。

[図 3]第 1実施形態に係る折畳式携帯電話を示した説明図であり、図 3 (a)は正面図、図 3 (b)は側面図である。

[図 4]第 1実施形態に係る折畳式携帯電話を示した説明図であり、図 4 (a)は開き時の側面図、図 4 (b)は閉じ時の側面図である。

[図 5]第 1実施形態に係る折畳式携帯電話を示した説明図であり、図 5 (a)は開き時の側面図、図 5 (b)は閉じ時の側面図である。

[図 6]本提案による閉じ時のアンテナ性能の説明図である。

[図 7]第 2実施形態に係る折畳式携帯電話を示した説明図であり、図 7 (a)は開き時の正面図、図 7 (b)は開き時の側面図、図 7 (c)は閉じ時の側面図である。

[図 8]第 3実施形態に係る折畳式携帯電話を示した説明図であり、図 8 (a)は開き時の背面図、図 8 (b)は開き時の側面図である。

[図 9]第 3実施形態に係る折畳式携帯電話を示した説明図であり、閉じ時の側面図である。

[図 10]第 3実施形態に係る折畳式携帯電話のアンテナ動作説明図であり、図 10 (a) は導体素子と上基板のグランドパターンとの接続点を給電素子の給電部近傍とした場合のアンテナ動作説明図、図 10 (b)は導体素子の開放端を給電素子の給電部近傍とした場合のアンテナ動作説明図である。圆 11]第 3実施形態に係る折畳式携帯電話の通話状態を示す説明図であり、図 11 ( a)は使用者が折畳式携帯電話の下筐体を左手で保持して受話部を左耳にあてた通話状態の説明図、図 11 (b)は使用者が折畳式携帯電話の下筐体を右手で保持して受話部を右耳にあてた通話状態である。

圆 12]第 3実施形態に係る別の折畳式携帯電話を示した説明図である。

圆 13]第 3実施形態に係る別の折畳式携帯電話を示した説明図である。

圆 14]第 3実施形態に係る別の折畳式携帯電話を示した説明図である。

圆 15]第 4実施形態に係る折畳式携帯電話を示した説明図である。

圆 16]第 4実施形態に係る折畳式携帯電話のアンテナ動作説明図である。

圆 17]第 5実施形態に係る折畳式携帯電話を示した説明図である。

圆 18]第 5実施形態に係る折畳式携帯電話の保持状態を示した説明図である。符号の説明

101 上筐体

102 下筐体

103 ヒンジ

104 下基板

105 電流の流れ

301 上筐体

302 下筐体

303 ヒンジ

304 上基板

305 下基板

306 LCD

307 給電板金

308 板状導体素子

309 整合回路

310 無線回路

401 高周波結合の流れ 501 上筐体の背面側のケース

502 回路基板との接点部

503 回路基板との接点部

701 グランドピン

702 直流電流の流れ

703 接点部

704 導通孔

800 (a)、 800 (b) 折畳式携帯電話

801、 806、 807 導体素子

802、 808 給電素子

803 受話部 (スピーカ）

804 送話部（マイク）

805 導体板

809 フレキシブルケーブル

810、 811 接続コネクタ

812、 813 高周波スィッチ

901、 902、 903、 904、 905、 906、 907、 908 アンテナ電流

1000 人体

1001 左手

1002 右手

1003 頭咅

発明を実施するための最良の形態

[0024] 以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。

[0025] (第 1実施形態）

図 3は本発明の実施形態に係る折畳式携帯無線機を示すものであり、折畳式携帯電話に応用した例を示す。この折畳式携帯電話は、第一の筐体を構成する上筐体 3 01及び第二の筐体を構成する下筐体 302が、連結部を構成するヒンジ部 303を介して連結されており、ヒンジ部 303を中心として回動することにより開いた状態と閉じた状態の 2つの状態を取り得る。

[0026] 上筐体 301には、液晶表示部（LCD) 306および図示外の受話部 (スピーカ）などを設けているほか、上基板 (第一の基板) 304などを内部に配置しており、背面側に上基板 304と接続された、導体素子を構成する板状導体素子 308を配置してヽる。板状導体素子 308は、上筐体 301のヒンジ部 303寄りの一端部に配置されている。

[0027] 一方、下筐体 302には、操作部及び図示外の送話部（マイク)などを設けているほ力下基板 (第二の基板） 305を内部に配置している。この下基板 305には、図示外の制御回路を含む各種の回路、例えば後述する整合回路 309及び無線部 310などが実装されている。

[0028] さらに、下筐体 302にはヒンジ部 303寄りの一端部に、給電素子を構成する給電板金 307を備え、開き時には、上基板 304と接続された、板状導体素子 308とお互いの平面同士で近接対向する。閉じ時には、板状導体素子 308は、下筐体 302から見てヒンジ部 303の上側部に存在することとなり、給電板金 307から引き離される。この給電板金 307の一端部は、整合回路 309を介して無線部 310に接続されている。

[0029] 図 4 (a)に示すように、この給電板金 307は、下筐体上部に存在するため、開き時は構造的に上筐体 301に近接する位置に存在する。そして、板状導体素子 308と給電板金 307は、ヒンジ部 303に隣接した位置で、互いに対向近接し、給電時に容量結合され得る。さらに、その形状が板状である、上基板グランドに接続された板状導体素子 308と給電板金 307は、面的に近接する。すなわち、板状導体素子 308と給電板金 307各々の平面部が、近接して対向する。平面部の対向は、容量を持ちコンデンサとして置き力える事ができ、高周波領域では低インピーダンスとなり、導通状態 401と考える事ができる。これにより、上筐体内の導体が上側のアンテナ素子として動作し、そのインピーダンスを無線回路 310の入力インピーダンスに整合する機能を整合回路 309が果たし、下基板 305上のグランドパターンが下側のアンテナ素子として動作する。すなわち、上筐体 301のグランドパターンと下基板 305上のグランドパターンとがダイポールアンテナとして動作するため、直接上筐体を励振したアンテナ構成と同等の特性を得る事ができる。

[0030] 一方、図 4 (b)に示されているように、閉じ時には板状導体素子 308が、給電板金 3 07から引き離されるため、高周波領域での容量結合 401は消失する。すなわち、閉じ状態においては、板状導体素子 308と給電板金 307は開き状態状態よりも距離的に離れ、通電時においても電気的に結合されない。本例では、板状導体素子 308と給電板金 307は、ヒンジ部 303を隔てて配置される。この結果、図 1 (b)に示されているような、電流の流れ 105の打ち消し合いが起こることはなぐ給電板金 307が、 λ /4 系のモノポールアンテナとして動作し、良好なアンテナ性能が確保される。

[0031] また、閉じ時には給電板金 307がその下基板 305との高さ（図 3における h)を調節する事で、 L字型を有する L字アンテナとして動作し、エレメント長が短くとも、板状に折り曲げ実効面積を大きくとる事で、その周りを包む榭脂材等の波長短縮効果により、共振周波数を下げる事ができる。図 6に本構造と従来構造による閉じ時のアンテナ性能の比較を示す。この比較実験では、使用周波数を 900MHzとし、横軸に周波数 (MHz)、縦軸に VSWR( Voltage Standing Wave Ratio：電圧定在波比）とした。この図 6において、従来構造の閉じ時のアンテナ特性 (VSWR)の変化を示すグラフを β、本提案による構造の閉じ時のアンテナ特性 (VSWR)の変化を示すグラフを γで示している。この図 6に示す実験結果力分力るように、 VSWRく 3を満たす周波数帯域の幅について従来構造の閉じ状態では存在せず、本提案によるアンテナ構造により 140MHzの帯域を得る事ができた。

[0032] また、上筐体 301の板状導体素子 308と、下筐体 302の給電板金 307は、開き時に、容量結合するため、板状導体素子 308のサイズは大きくすることも可能である。図 5はそのような変形の具体例を示す。上筐体 301の背面側のケース 501 (導体カバ一）を金属にて形成し、板状導体素子 308として使用した。この場合、背面側ケース 5 01は、上基板グランドと同じ電流の流れを持つ必要があり、上基板 304のグランドと接点 502、 503を多くとる事で高周波領域において一体物とした筐体に見えることがアンテナ性能上望ましい。尚、ケース 501に金属メツキを施し、板状導体素子 308及び上基板 304と導通を確保する構成としてもよい。尚、本例では導体カバーを背面側のケースにより構成した力導体カバーの配置位置は特に限定されな、。

[0033] 上述した構造により、開き時閉じ時共に良好なアンテナ特性を得る事ができる。また、これらの結合部は、アンテナ給電点となり、電流の分布が多くなるため、その給電位置を開き時には内部に配置し、給電部と手との距離を離す事で、通話時の手による影響を小さくする事ができる。

[0034] また、閉じ時は板状に折り曲げた給電板金を包む樹脂の波長短縮効果により、このアンテナはさまざまな周波数で共振させる事が可能であり、使用周波数によって形状、高さ、榭脂の誘電率を最適に選ぶ事により、閉じ時のアンテナとして使用することができる。

[0035] 上記説明のように、本実施形態の折畳式無線機では、従来の突起型のアンテナ構成とは異なり、アンテナを内蔵した形態とする事が可能であり、内蔵型の L字アンテナや逆 Fアンテナよりも高いアンテナ性能を確保する事ができる。また、開き、閉じ共に一つのアンテナで機能するため、回路構成をシンプルにする事ができ、筐体の小型ィ匕、製造コストの削減を図る事が可能となる。

[0036] (第 2実施形態）

図 7は本発明に係る第 2実施形態の折畳式携帯電話を示す図である。図 7において、図 3に示す符号と同一の符号を付すものは同一の構成要素を示しており、その詳細な説明を省略する。

[0037] 図 7に示す本実施形態の折畳式電話は、上筐体 301及び下筐体 302がヒンジ部 3 03を介して連結されており、下筐体 302のヒンジ部 303寄りの一端部に給電板金 30 7を配置された構成は図 3と同様である。さらに、給電板金 307は、ピン状に形成された接点部 703を有し、この接点部 703が、下筐体 302から突出し、露出した構造を持つ。また、上筐体 301には背面側に上基板 304と接続された、グランドピン 701が設けられ、上筐体 301に形成された導通孔 704を通じて下筐体 302から露出して、る。この構造により、開き時は構造的に上筐体 301に近接する位置にくる給電板金の接点部 703が、上筐体 301下部に存在する上筐体内の基板グランドと接続されたダランドピン 701と直列に接続される。すなわち、板状導体素子 308と給電板金 307各々の少なくとも一部力上筐体 301と下筐体 302各々力も露出されればよい。

[0038] これにより、第 1の実施の形態と同様に、上筐体 301のグランドパターンが上側のァンテナ素子として動作し、そのインピーダンスを無線回路 310の入力インピーダンスに整合する機能を整合回路 309が果たし、下基板 305上のグランドパターンが下側のアンテナ素子として動作する。すなわち、上筐体 301のグランドパターンと下基板 3 05上のグランドパターンとがダイポールアンテナとして動作する。

[0039] また、直列に接続するため、給電構造を小さく構成することができる。その際の接触抵抗値はアンテナ特性上、例えば 1 Ω以下に小さくする事が望まれる。また、この構成は上基板 304グランドと下基板 305グランドを直接直列的に結合する事になるため、上下基板の直列的結合によるグランドを強化することになり、使用人体から受ける静電気による、画面フリーズや、電源断といった不具合に強くなり、製品の品質向上につながる。

[0040] (第 3実施形態）

図 8および図 9は本発明に係る第 3実施形態の折畳式携帯電話を示す図である。図 8 (a)は開き時の背面図、図 8 (b)は開き時の側面図、図 9は閉じ時の側面図である。図 8および図 9において、図 3に示す符号と同一の符号を付すものは同一の構成要素を示しており、その詳細な説明を省略する。なお、アンテナの動作周波数は 2G Hz帯として説明する。

[0041] 図 8および図 9に示す本実施形態の折畳式携帯電話は、上筐体 301に、導体素子 801、上基板 304、液晶表示部 306、受話部 (スピーカ） 803備える。さらに、下筐体 302に、給電素子 802、下基板 305、図示外の整合回路や無線回路、送話部 (マイク） 804を備える。

[0042] 導体素子 801は、上筐体 301のヒンジ部 303近傍において、上基板 304に対して受話部 803と反対側に配置され、導体素子 801と上基板 304とは厚み方向に例えば 3mmの間隔に設定される。導体素子 801は、その主要部が筐体の幅方向（Y軸方向）に平行であり、言い換えればヒンジの回転軸に平行である。導体素子 801は、 2G Hz帯において略 4分の 1波長の長さ（自由空間で略 37. 5mm)を有し、その一端が上基板 304のヒンジ部 303近傍のグランドパターンに電気的に接続され他端は開放端である。筐体の幅は一般に 50mm程度であり、導体素子 801は、その主要部が筐体の幅方向となり得る。導体素子 801の幅は、例えば 2mm乃至 5mm程度である。

[0043] 給電素子 802は、下筐体 302のヒンジ部 303近傍において、閉じ時に筐体長手方向（Z軸方向）にヒンジ部 303から伸張するように配置され、無線回路に整合回路を介して接続される。給電素子 802の給電部近傍は筐体長手方向（Z軸方向）に平行である。給電素子 802の主要部となる先端部が筐体の幅方向（Y軸方向）に平行であつて、言い換えればヒンジの回転軸に平行である。給電素子 802は全体として、 L字形状をなし、 2GHz帯において略 4分の 1波長の長さ（自由空間で略 37. 5mm)を有する。給電素子 802の幅は、例えば 2mm乃至 5mm程度である。

[0044] 閉じ時には、図 9に示すように、導体素子 801が、給電素子 802から引き離されるため、電磁的に結合されず、給電素子 802が 4分の 1波長のモノポールアンテナとして動作し、広い帯域、高いアンテナ効率が確保される。

[0045] 一方、開き時には、図 8に示すように、導体素子 801と給電素子 802は、ヒンジ部 3 03に隣接した位置で、例えば 5mm以下の間隔で互いに対向近接し、給電時に電磁的に結合され得る。

[0046] 次に、開き時の動作について図 10の概略斜視図を用いてより詳細に説明する。

[0047] 図 10において、矢印は主要部のアンテナ電流を示している。図 10 (a)は、導体素子 801と上基板 304のグランドパターンとの接続点を給電素子 802の給電部近傍とした場合の折畳式携帯電話 800 (a)、図 10 (b)は、導体素子 801の開放端を給電素子 802の給電部近傍とした場合の折畳式携帯電話 800 (b)である。導体素子 801の長さを 2GHz帯における 4分の 1波長とすることで、給電素子 802との電磁的結合が強くなり、導体素子 801および上基板 304にアンテナ電流が集中する。

[0048] このとき、導体素子 801および上基板 304上のグランドパターンが上側のアンテナ素子として動作し、下基板 305上のグランドパターンが下側のアンテナ素子として動作する。すなわち、ダイポールアンテナとして動作するため、直接上筐体を励振したアンテナ構成と同等の特性を得る事ができる。

[0049] また、図 10 (a)と図 10 (b)では、導体素子 801に流れるアンテナ電流の向きが 903 と 904に示すように反転する。図 11は通話状態を示しており、一般に、筐体長手方向（Z軸方向）と地面との角度 αは 30° 程度である。図 10 (a)の放射特性に対しては筐体長手方向（Z軸方向）のアンテナ電流 901と筐体幅方向（Y軸方向）のアンテナ電流 903が支配的であり、図 11 (a)に示すように、使用者が折畳式携帯電話 800 (a )の下筐体 302を左手 1001で保持して受話部 803を左耳にあてた通話状態において、合成されたアンテナ電流 905によって垂直偏波成分が増加する。一方、図 10 (b )の放射特性に対しては筐体長手方向（Z軸方向）のアンテナ電流 901と筐体幅方向 (—Y軸方向）のアンテナ電流 904が支配的であり、図 11 (b)に示すように、使用者が折畳式携帯電話 800 (b)の下筐体 302を右手 1002で保持して受話部 803を右耳にあてた通話状態において、合成されたアンテナ電流 906によって垂直偏波成分が増加する。陸上移動通信の多重波環境における一般的な交差偏波電力比は 4〜9d Bであり、到来波の垂直偏波の電力が水平偏波の電力より 4〜9dB高いことが知られている。これは、上述した通話状態における折畳式携帯無線機 800 (a)および 800 ( b)のアンテナの主偏波が地面に対して垂直であることで、高い通話品質を確保できることを示してヽる。

[0050] さらには、通話状態において、筐体の背面、すなわち人体 1000から離隔した部位、特に上筐体 301の導体素子 801にアンテナ電流が集中するため、頭部 1003や手 1001および 1002の影響によるアンテナ性能の劣化を抑制することができる。

[0051] なお、図 10 (a)の状態では、導体素子 801のアンテナ電流 903と給電素子 802のアンテナ電流 902が同相であることから、図 10 (b)に比べて図 10 (a)の方力すなわち、導体素子 801と上基板 304のグランドパターンとの接続点を給電素子 802の給電部近傍とした方が、筐体幅方向の電流によって、より高いアンテナ利得を得ることができる。

[0052] 以上のように、通話する場合、使用者は、単に筐体を開いて受話部を耳に当てる通常の操作をするだけで、頭部や手の影響によるアンテナ性能の劣化を抑制することができ、高いアンテナ利得を得ることができる。

[0053] なお、上記実施形態では、導体素子 801の接続先が上基板 304上のグランドバターンである場合について述べた力例えば図 12に示すように、上筐体 301の内部において、上基板 304に対して受話部とは反対側に上基板 304と同等以上の大きさを有する導体板 805を別途備えて、導体素子 801の一端を接続して導体板 805および導体素子 801を上筐体 301の榭脂ケースに貼り付けるように構成してもよい。あるいは、上筐体 301のケースがマグネシウム合金などの導電性材料の場合は、導体素子 801と導体板 805を一体成型してもよヽ。 [0054] また、導体素子 801と上基板 304または導体板 805を同一平面上に構成することも可能である力導体素子 801と給電素子 802を近接させることによる電磁結合の強化や、頭部 1003の影響によるアンテナ性能劣化の抑制の点で、厚み方向において導体素子 801と上基板 304または導体板 805との距離を所定の間隔で配置することが望ましい。

[0055] また、上記実施形態では導体素子 801が 2GHz帯に対応する場合について述べた力例えば、図 13に示すように、上基板 304のグランドパターンとの接点から異なる長さの導体素子 806および 807 (導体素子片ある!/、は導体素子要素）を備え、それぞれ 2GHzと 1. 8GHzにおける 4分の 1波長に設定して複数の周波数帯に対応する構成としてもよい。

[0056] また、上記実施形態では給電素子 802が 2GHz帯に対応する場合について述べたが、例えば、図 14に示すように、給電素子 802の給電部力も異なる長さの給電素子 808を別途備え、 900MHzにおける 4分の 1波長に設定して複数の周波数帯に対応する構成としてもよい。この場合、高いアンテナ性能が要求される周波数帯、例えば 2GHz帯に対応する給電素子 802の方が導体素子 801に近接対向するように構成すればよい。

[0057] (第 4実施形態）

図 15および図 16は本発明に係る第 4実施形態の折畳式携帯電話を示す図である。図 15は開き時の側面図、図 16は開き時の斜視図である。図 15および図 16において、図 8乃至図 14に示す符号と同一の符号を付すものは同一の構成要素を示しており、その詳細な説明を省略する。なお、アンテナの動作周波数は 2GHz帯として説明する。

[0058] 図 15および図 16に示す本実施形態の折畳式携帯電話は、フレキシブルケーブル 809、接続コネクタ 810および接続コネクタ 811を備える。

[0059] フレキシブルケーブル 809は、上筐体 301内部に配置されて上基板 304に実装された液晶表示部 306や受話部 803に代表される回路部品と、下筐体 302内部に配置されて下基板 305に実装された図示外の制御回路とを電気的に接続する複数の導電線力もなる配線束であり、その片端が接続コネクタ 810で上基板 304に接続され、他端が下基板 305に接続される。上基板 304および下基板 305の幅は一般に 40 mm程度であり、フレキシブルケーブル 809および接続コネクタ 810、接続コネクタ 8 11は、折畳式携帯電話の幅方向において、給電素子 820の給電部から例えば 30m m離隔した位置に配置され、接続コネクタ 810は、導体素子 801と上基板 304との接続位置からも例えば 30mm離隔している。また、フレキシブルケーブル 809の長さは例えば 20mmである。なお、フレキシブルケーブル 809は、ヒンジ部 303内を通すため、回動機構に対応できるように一般に柔軟性を有しており、閉じ時に十分な長さを確保するために開き時にはヒンジ部 303内で弛みが生じ、図 11に示す通話状態においてフレキシブルケーブル 809は人体側頭部に近接する。

[0060] 次に、動作について図 16の斜視図を用いて説明する。

図 16において、矢印は主要部のアンテナ電流を示している。導体素子 801の開放端、導体素子 801と上基板 304との接続位置、フレキシブルケーブル 809、給電素子 802の給電部、給電素子 802の開放端を結ぶ経路は全長が 2GHz帯において略 1波長となる。導体素子 801の開放端および給電素子 802の開放端ではアンテナ電流がゼロであり、導体素子 801と上基板 304との接続位置および給電素子 802の給電部ではアンテナ電流が腹、すなわち電流振幅が極大値となり、フレキシブルケーブル 809ではアンテナ電流が節、すなわち電流振幅が極小値となる。

[0061] 一般的に、アンテナ電流分布と局所平均 SAR (Specific Absorption Rates : 比吸収率）は対応関係にあり、アンテナ電流の極大点が 1箇所に集中し、その極大点が人体近傍に存在すると局所平均 SARは高くなることが知られている。

[0062] 導体素子 801がな、場合、通話状態にお!、て人体側頭部に近接するフレキシブルケーブル 809にアンテナ電流が集中して極大値となり、局所平均 SARが高くなる力導体素子 801を装荷することによって、フレキシブルケーブル 809のアンテナ電流は導体素子 801および上基板 304の下端 (ヒンジ 303寄りの一辺）に分散されて、フレキシブルケーブル 809のアンテナ電流が略半減することで局所平均 SARも略半減する。

[0063] 以上のように、通話する場合、使用者は、単に筐体を開いて受話部を耳に当てる通常の操作をするだけで、頭部や手の影響によるアンテナ性能の劣化を抑制することができ、高いアンテナ利得を得ることができるとともに、局所平均 SARを低減することができる。

[0064] なお、折畳式携帯電話の幅方向のサイズ、フレキシブルケーブル 809と給電素子 8 02の給電部との離隔距離、フレキシブルケーブル 809の長さは上記実施例の数値に限るものではなぐ例えば、フレキシブルケーブル 809と給電素子 802の給電部との離隔距離が 20mm以上あればある程度の効果が得られ、更には、折畳式携帯電話の幅方向のサイズ、フレキシブルケーブル 809と給電素子 802の給電部との離隔距離、フレキシブルケーブル 809の長さに応じて、導体素子 801の長さを適宜設定することで所望の効果が得られる。

[0065] (第 5実施形態）

図 17は本発明に係る第 5実施形態の折畳式携帯電話を示す概略斜視図である。図 17において、図 8乃至図 16に示す符号と同一の符号を付すものは同一の構成要素を示しており、その詳細な説明を省略する。

[0066] 図 17に示す本実施形態の折畳式携帯電話 800 (c)は、導体素子 801の一端と上筐体 301の上基板 304のグランドパターンとの間には第一切換部を構成する高周波スィッチ 812、導体素子 801の他端と上筐体 301の上基板 304のグランドパターンとの間には第二切換部を構成する高周波スィッチ 813を備える。

[0067] 高周波スィッチ 812および高周波スィッチ 813は、導通または遮断の 2つの状態が存在する。高周波スィッチ 812が導通、高周波スィッチ 813が遮断の場合には、第 3 実施形態で説明した図 10 (a)の状態となり、左手で保持して受話部を左耳にあてた通話状態において、高いアンテナ性能を得ることができる。一方、高周波スィッチ 81 2が遮断、高周波スィッチ 813が導通の場合には、第 3実施形態で説明した図 10 (b) の状態となり、右手で保持して受話部を右耳にあてた通話状態において、高いアンテナ性能を得ることができる。

[0068] 一方、図 18は、折畳式携帯電話 800 (c)を液晶表示部 306あるいは図示外の操作部が見えるように使用者が下筐体 302を右手で保持した状態を示す図であり、データ通信時、テレビ電話時あるいは操作時の状態である。高周波スィッチ 812、高周波スィッチ 813が同時に導通、あるいは同時に遮断の時は、導体素子 801のアンテナ電流が減少して筐体長手方向のアンテナ電流が増加する。このため、図 18に示す保持状態において、垂直偏波成分が増加し、高いアンテナ性能を得ることができる。

[0069] 以上のように、通話状態や保持状態に応じて、高周波スィッチ 812と高周波スイツチ 813を制御することで、高、アンテナ性能を得ることができる。

[0070] なお、高周波スィッチ 812および高周波スィッチ 813を制御する方法としては、例えば、図示外の無線回路において受信電界強度を検出して受信電界強度が高くなるように制御すればよい。あるいは、図示外の加速度センサーを備えて筐体の傾斜を検出し、その結果力も左右の通話状態を判断して制御してもよい。また、図示外の通信制御装置が、通話モードか、データ通信モードかによつて、保持状態に対応するように制御してもよい。

[0071] なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなぐその要旨を逸脱しな、範囲にぉ、て種々の形態で実施し得るものである。

[0072] 本出願は、 2004年 7月 12日出願の日本特許出願（特願 2004-204343)及び 2004年 1

1月 8日出願の日本特許出願 (特願 2004-324136)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0073] 本発明によれば、アンテナを突出させることなぐ一つのアンテナで開閉の状態に係らず、高いアンテナ性能を得る事ができ、小型化に適した折畳式携帯無線機を提供できる。また、複数のアンテナを必要とせず、シンプルな回路構成で、筐体の小型ィ匕、製造コストの削減を図ることが可能となる。本発明は、筐体を折畳む事ができる携帯電話や PHSなどの折畳式携帯無線機器などに有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 第一の筐体と、

第二の筐体と、

前記第一の筐体と前記第二の筐体を開閉可能に接続する連結部と、

前記第一の筐体に配置された導体素子と、

前記第二の筐体に配置された給電素子とを備え、

(A)前記連結部による開き状態においては、前記導体素子と前記給電素子が互いに近接し、給電時に電磁的結合可能であり、（B)前記連結部による閉じ状態においては、前記導体素子と前記給電素子が、（A)の状態よりも距離的に離れ、給電時に電磁的結合されない、折畳式携帯無線機。

[2] 前記給電素子が、略 4分の 1波長の電気長を有する、請求項 1に記載の折畳式携帯無線機。

[3] 前記導体素子が、前記第一の筐体に配置された導体板に接続された、請求項 1又は請求項 2に記載の折畳式携帯無線機。

[4] 前記導体素子が、前記第一の筐体に取り付けられた導体カバーに接続され、前記導体カバーは前記第一の筐体に配置された導体板に少なくとも一つの接点を介して接続された、請求項 1又は請求項 2に記載の折畳式携帯無線機。

[5] 前記導体素子及び前記給電素子各々は平面部を有し、前記 (A)の状態にお、て各平面が近接して対向する、請求項 1から請求項 4のいずれか 1項に記載の折畳式携帯無線機。

[6] 前記導体素子は、前記第一の筐体の前記連結部に隣接した端部に配置され、前記給電素子は、前記第二の筐体の前記連結部に隣接した端部に配置され、前記 (A )の状態においては、前記導体素子及び前記給電素子は、前記連結部に隣接して互いに対向して配置され、前記 (B)の状態においては、前記導体素子及び前記給電素子は、前記連結部を隔てて配置される、請求項 1から請求項 5のいずれか 1項に記載の折畳式携帯無線機。

[7] 前記導体素子及び前記給電素子の主要部が、前記連結部の回転軸に略平行である、請求項 1から請求項 6のいずれか 1項に記載の折畳式携帯無線機。

[8] 前記導体素子が、略 4分の 1波長の電気長を有する、請求項 1から請求項 7のいずれか 1項に記載の折畳式携帯無線機。

[9] 前記導体素子の一端が前記第一の筐体に配置された前記導体板または前記第一の筐体に取り付けられた前記導体カバーに接続され、他端が開放端である、請求項

1から請求項 8のいずれか 1項に記載の折畳式携帯無線機。

[10] 前記導体素子の一端と、前記第一の筐体に配置された前記導体板または前記第一の筐体に取り付けられた前記導体カバーとの接続位置が、前記給電素子の給電部近傍である、請求項 9に記載の折畳式携帯無線機。

[11] 前記第一の筐体の内部に配置された回路部品と前記第二の筐体の内部に配置された回路部品とを電気的に接続する複数の導電線からなる配線束を備え、前記配線束を前記給電素子の給電部から所定の間隔を隔てて配置する、請求項 10に記載の折畳式携帯無線機。

[12] 前記 (A)の状態において、前記導体素子と、前記給電素子が接触する、請求項 1 から請求項 11のいずれか 1項に記載の折畳式携帯無線機。

[13] 前記導体素子が、前記第一の筐体に形成された導通孔から露出し、前記給電素子がピン状に形成されかつ前記第二の筐体力も突出した接点部を有し、前記 (A)の状態において、前記導体素子が前記接点部に直接接触する、請求項 12に記載の折畳式携帯無線機。

[14] 前記導体素子または前記給電素子の少なくとも一方が、電気長の異なる複数の素子で構成される、請求項 1から請求項 13のいずれか 1項に記載の折畳式携帯無線機。

[15] 前記導体素子の一端を、前記第一の筐体に配置された前記導体板または前記第一の筐体に取り付けられた前記導体カバーに接続するか開放とするかを切り換える第一切換部と、前記導体素子の他端を、前記第一の筐体に配置された前記導体板または前記第一の筐体に取り付けられた前記導体カバーに接続するか開放とするかを切り換える第二切換部とを更に備える、請求項 1から請求項 14のいずれか 1項に記載の折畳式携帯無線機。

[16] 前記第一の筐体が上筐体であり、前記第二の筐体が下筐体であり、前記携帯無線機が折畳式携帯電話である、請求項 1から請求項 15のいずれか 1項に記載の折畳式携帯無線機。