ispace、6日未明に月面着陸へ 成功ならアジアの民間企業で初
宇宙スタートアップのispace(アイスペース)は6日未明、月着陸船「ミッション2」の月への到着に挑戦する。2025年1月に打ち上げた着陸船は、月面着陸に向けて月周回軌道に到達し、5月に軌道制御を完了した。着陸に成功すればアジアの民間企業としては初めてで、日本の宇宙産業にとって大きな一歩となる。
アイスペースの袴田武史・最高経営責任者(CEO)は4日、「ミッション2では非常にスムーズかつ効率的な開発・運用を実現できている」との声明を発表した。同社は月面への到着時間について当初予定していた6日午前4時24分から、午前4時17分に更新した。
同社は23年4月に民間企業として初めて月面着陸に挑戦したが、着陸船が高度を誤認識したことで着陸目前でミッションは失敗した。今回のミッションでは、月面着陸を成功させるだけではなく、水の電気分解の実証実験や、米航空宇宙局(NASA)と月の砂「レゴリス」の取引や月面探査を目指す。
月には水やアルミニウムなど多様な資源が存在するとされる。月での通信インフラの整備や資源開発などを目指して、各国で技術開発が活発になっている。
袴田CEOは「(地球と月の間の空間に実現を目指す経済基盤)シスルナ経済圏の構築が目標だ」と話す。アイスペースの月着陸船にはスズキや高砂熱学工業など国内外の技術が結集する。ミッションの成否は今後の宇宙産業にとってターニングポイントとなる。
(大西綾、桑村大、黒田愛奈)
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