WO2008010265A1

WO2008010265A1 - piÈce soudée par friction et procédé de soudage par friction

Info

Publication number: WO2008010265A1
Application number: PCT/JP2006/314216
Authority: WO
Inventors: Shinichiro Sumi; Kou Mizuguchi; Hiroyuki Mochizuki; Kazuhiro Nakakura
Original assignee: Nippon Light Metal Company, Ltd.; Nikkeikin Aluminium Core Technology Company Ltd.
Priority date: 2006-07-19
Filing date: 2006-07-19
Publication date: 2008-01-24
Also published as: US20100040900A1; JPWO2008010265A1; JP5081153B2; US8740042B2

Description

明細書

摩擦圧接部品および摩擦圧接方法

技術分野

[0001] 本発明は、摩擦圧接部品および摩擦圧接方法に関する。

背景技術

[0002] アツパリンク、ロアリンク、ラジアスロッドなどサスペンションを構成する棒状部品（以下、「サスペンション部品」という。）には、鉄鋼材料が用いられていた力車両の軽量化という観点から、近年では、アルミニウム合金材料が用いられることも多ぐ例えば特開平 11— 156562号公報には、アルミニウム合金製のパイプ状部材の両端にァルミ-ゥム合金製のエンド部材を摩擦圧接してなるサスペンション部品が開示されている。

[0003] なお、摩擦圧接は、固相接合の一種であることから、溶融溶接に見られる欠陥が発生せず、 MIG溶接や TIG溶接のような特殊な技能を必要とせずに種々の部材をー定の品質で接合できることから、広範な分野で使用されている。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 摩擦圧接をすると、圧接時の摩擦熱によって、母材の強度と異なる強度'材質を有する熱影響部（HAZ = Heat Affected Zone)が接合界面の周辺に不可避的に発生するところ、この熱影響部が応力集中の生じ易い断面変化部 (断面形状が変化している部位）に及んでいると、サスペンション部品の設計が煩雑になってしまう。つまり、断面変化部に熱影響部が及んでいると、断面変化による応力の変化と、熱影響による強度の変化とを考慮しなければならず、サスペンション部品の設計が難しくなつてしまつ。

[0005] なお、前記した問題は、パイプ状部材とエンド部材とを摩擦圧接してなるサスペンシヨン部品に限らず、第一部材と第二部材とを摩擦圧接してなる摩擦圧接部品にも共通して当てはまる問題である。

[0006] このような観点から、本発明は、設計が容易な摩擦圧接部品および摩擦圧接方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0007] このような課題を解決する本発明に係る摩擦圧接部品は、断面変化のない等断面部を有するアルミニウム合金製の第一部材と、断面変化のな!、等断面部を有するァルミ-ゥム合金製の第二部材とを摩擦圧接してなる摩擦圧接部品であって、前記等断面部同士が摩擦圧接されており、かつ、摩擦圧接により生じた熱影響部が、前記等断面部のみに形成されていることを特徴とする。なお、本発明は、上記のように一般的な摩擦圧接部品に利用されるが、特に、乗用車のサスペンションロッド等のサスペンション部品に最適に利用されるものである。

[0008] 要するに、本発明は、摩擦圧接される第一部材および第二部材の各々に等断面部を設けるとともに、摩擦圧接により生じる熱影響部が等断面部以外の部位に及ばないようにしたところに意義がある。このようにすると、熱影響による強度の変化が等断面部のみに発生することになるので、第一部材または第二部材に断面変化部が存在する場合であっても、その設計が容易になる。すなわち、本発明に係る摩擦圧接部品によれば、摩擦圧接部品の断面変化部を設計する際に、熱影響による強度の変化を考慮する必要がなくなるので、その分だけ設計が容易になる。

[0009] なお、前記第一部材の前記等断面部および前記第二部材の前記等断面部が、それぞれ円筒状を呈して、る場合には、両等断面部を同一の断面形状とすることが望ましい。等断面部を円筒状にすると、等断面部同士を摩擦圧接したときに、等断面部の端面 (突合面）に形成されている酸ィ匕皮膜がバリとともに排出され易くなる。また、両等断面部を同一の断面形状とすると、接合界面で発生した摩擦熱が各等断面部に均等に伝達し、強度分布が左右対称になるので、設計がより一層容易になる。さらに、ノリの形状を左右同じにすることが容易となり、その結果、接合部の有効接合面積を得るための摩擦圧接条件を容易に設定できることになる。

[0010] 本発明者らは、第一部材の等断面部と第二部材の等断面部が円筒状を呈しており

、かつ、断面寸法が同一である場合には、摩擦圧接後における前記各等断面部の長さを 5mm以上確保すれば、断面変化部に熱影響部が及ばないとの知見を得た。すなわち、摩擦圧接後における等断面部の長さが 5mm以上になっている摩擦圧接部品であれば、断面変化部を設計する際に、熱影響による強度の変化を考慮する必要がなくなるので、その分だけ設計が容易になる。

[0011] 特に、等断面部が円筒状で、その肉厚 tが 2〜5mmの範囲にある場合には、摩擦圧接後における前記各等断面部の長さを 5mm以上にすると、摩擦圧接により生じる熱影響部がより一層確実に等断面部のみに形成されることになる。

[0012] なお、摩擦圧接前の前記各等断面部の長さが（6mm+tZ2)以上である場合には、摩擦圧接によって等断面部の長さを少なくとも tZ2だけ縮めることで、摩擦圧接後における等断面部の長さを 5mm以上にするとよい。このようにすると、摩擦圧接により生じる熱影響部が等断面部のみに形成されるだけでなぐ等断面部の端面に形成された酸ィ匕皮膜が接合界面に存在しなくなるので、接合強度にばらつきが無くなる。

[0013] 本発明においては、第一部材および第二部材の形態等に特に制限はないが、摩擦圧接部品をサスペンションロッド等のサスペンション部品として使用する場合などにおいては、ノイブ状の押出形材を前記第一部材とし、押出形材を利用して形成したエンド部材を前記第二部材とすることができる。前記第二部材の前記等断面部は、円筒状とし、摩擦圧接前における長さを、当該等断面部の外径以下とすることが望ましい。なお、第二部材の等断面部は、前記押出形材の一部に切削加工と穴あけ加工とを施すことで形成することができる。前記第二部材の前記等断面部の摩擦圧接前における長さを、その外径以下とすると、切削加工や穴あけ力卩ェに力かる時間や費用が増大することを防止することができ、また、取り除かれるアルミニウム合金の容積が少なくなるので、材料が無駄になることがない。換言すれば、第二部材の等断面部の摩擦圧接前における長さを、外径よりも大きくすると、切削加工や穴あけ加工にか力る時間や費用が増大し、また、取り除かれるアルミニウム合金の容積が多くなるので、材料が無駄になってしまう。

[0014] 前記した課題を解決する本発明に係る摩擦圧接方法は、肉厚 tが 2〜5mmの範囲にあり、長さが（6mm+tZ2)以上である筒状の等断面部を有するアルミニウム合金製の第一部材と、前記第一部材の前記等断面部と同一断面形状を有し、かつ、長さが（6mm+tZ2)以上である円筒状の等断面部を有するアルミニウム合金製の第二部材と、を摩擦圧接する方法であって、前記第一部材と前記第二部材とを相対回転させつつ前記等断面部同士を突き合せて摩擦圧力を付与する摩擦過程と、前記相対回転を停止し始めた時点力 0. 5秒以内に、前記摩擦圧力よりも大きなアブセット圧力を付与するアブセット過程と、を含み、全寄り代を t以上とし、かつ、摩擦圧接後における前記各等断面部の長さを 5mm以上とすることを特徴とする。

[0015] このようにすると、摩擦圧接により生じる熱影響部が等断面部のみに形成されるだけでなぐ等断面部の端面に形成された酸ィ匕皮膜が接合界面に存在しなくなるので、接合強度にばらつきが無くなる。

[0016] 本発明に係る摩擦圧接方法においても、第一部材および第二部材の形態等に特に制限はな、が、得られた摩擦圧接部品をサスペンションロッド等のサスペンション部品として使用する場合などにおいては、パイプ状の押出形材を前記第一部材とし、押出形材を利用して形成したエンド部材を前記第二部材とすることができる。前記第二部材の前記等断面部は、円筒状とし、摩擦圧接前における長さを、当該等断面部の外径以下とすることが望ましい。なお、第二部材の等断面部は、前記押出形材の一部に切削加工と穴あけ加工とを施すことで形成することができる。前記第二部材の前記等断面部の摩擦圧接前における長さを、その外径以下とすると、切削加工や穴あけ加工に力かる時間や費用が増大することを防止することができ、また、加工により取り除かれるアルミニウム合金の容積が少なくなるので、材料が無駄になることがない。

発明の効果

[0017] 本発明に係る摩擦圧接部品によれば、その設計が容易になる。また、本発明に係る摩擦圧接方法によれば、設計が容易な摩擦圧接部品を得ることが可能となる。図面の簡単な説明

[0018] [図 1] (a)は本発明の実施形態に係る摩擦圧接部品を示す断面図、（b)は摩擦圧接前における第一部材および第二部材を示す断面図である。

[図 2] (a)は摩擦圧接された部位の周辺を示す拡大断面図、 (b)は摩擦圧接により発生したノリを切除した状態を示す拡大断面図である。

[図 3]本発明の実施形態に係る摩擦圧接方法を説明するためのタイムチャートである圆 4] (a)等断面部を具備する第一部材と等断面部を具備しな!、第二部材を示す断面図、 (b)は (a)に示す第一部材と第二部材とを摩擦圧接した状態を示す断面図である。

[図 5] (a)等断面部を具備する第一部材と等断面部を具備しな!、第二部材を示す断面図、 (b)は (a)に示す第一部材と第二部材とを摩擦圧接した状態を示す断面図である。

[図 6] (a)〜 (c)は第二部材の成形手順を示した説明図である。

符号の説明

[0019] 1 摩擦圧接部品

10 第一部材

11 等断面部

20 第二部材

21 等断面部

H 熱影響部

J 接合界面

発明を実施するための最良の形態

[0020] 本発明を実施するための最良の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態においては、摩擦圧接部品がサスペンション部品の一種であるサスペンションロッドである場合を例示するが、本発明に係る摩擦圧接部品の用途を限定する趣旨ではない。

[0021] 図 1の（a)に示すように、本実施形態に係る摩擦圧接部品 1は、パイプ状部材である第一部材 10の両端にエンド部材である第二部材 20, 20を摩擦圧接してなるものであり、第一部材 10と第二部材 20の接合界面 Jの周囲には、熱影響部 Hが形成されている。

[0022] 第一部材 10は、図 1の (b)に示すように、円管状を呈するアルミニウム合金製の押出形材力なり、本体部 12と、この本体部 12の両端部の各々に形成された等断面部 11とを備えている。

[0023] 摩擦圧接前における等断面部 11は、押出方向に断面変化のない円筒状を呈している。摩擦圧接前においては、等断面部 11の肉厚 tが 2〜5mmの範囲にあることが望ましぐ長さ Lが（6mm+tZ2)以上であることが望ましい。等断面部 11の外径は、乗用車のサスペンションロッド等のサスペンション部品に最適に利用される寸法でもある 20〜28mmの範囲にあることが望ましい。また、図 1の（a)に示すように、摩擦圧接後においては、接合界面 Jおよびその近傍における等断面部 11の肉厚 t' (図 2の（ a)参照）が摩擦圧接前における肉厚 tの 1. 4倍以上になっていることが望ましぐ長さ L，が 5mm以上確保されていることが望ましい。なお、本実施形態では、本体部 12 も押出方向に断面変化のない円筒状を呈していて、等断面部 11と同じ断面形状を備えている。

[0024] 第二部材 20, 20は、それぞれ、アルミニウム合金製の押出形材を利用して形成されたものであり、等断面部 21と断面変化部 22とを備えている。なお、二つの第二部材 20, 20の主要な構成は同様であるので、以下の説明においては、一方（図 1にお V、て右側）の第二部材 20につ、てのみ説明を行、、他方の第二部材 20につ、ては、その詳細な説明を省略する。

[0025] 図 1の (b)に示すように、摩擦圧接前における等断面部 21は、断面変化のない円筒状を呈しており、かつ、第一部材 10の等断面部 11と同一の断面形状に成形されている。摩擦圧接前における等断面部 21の長さ Lは、（6mm

2 +tZ2)以上外径以下であることが望ましい。また、図 2の（a)に示すように、摩擦圧接後においては、接合界面 Jにおける等断面部 21およびその近傍の肉厚 t'が摩擦圧接前における肉厚 t の 1. 4倍以上になっていることが望ましぐ長さ L 'が 5mm以上であることが望ましい

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。なお、摩擦圧接前における等断面部 21の断面形状 (肉厚、外径、内径)を第一部材 10の等断面部 11と異ならせる場合であっても、摩擦圧接前における等断面部 21 の肉厚 tは、 2〜5mmの範囲にあることが望ましぐ摩擦圧接後においては、接合界面 Jおよびその近傍における等断面部 21の肉厚 t'が摩擦圧接前における肉厚 tの 1 . 4倍以上になっていることが望ましい。

[0026] 第二部材 (エンド部材） 20は、図 6の（a)に示すように、押出方向に長く形成されたアルミニウム合金製の押出形材 200を、所定の寸法に切り出してこれに力卩ェを施すことにより形成される。なお、押出形材 200から切り出された状態の第二部材 20は、等断面部 21が角柱状となっているので、これに対して切削加工を施すことで等断面部 21を円柱状に成形し（図 6の (b)参照）、さらに、円柱状に成形された等断面部 21に穴あけ加工を施すことで、等断面部 21を有底円筒状に成形する（図 6の（c)参照)。なお、穴あけ加工を施してカゝら切削加工を施しても勿論差し支えなヽ。

[0027] 熱影響部 Hは、摩擦熱による熱履歴によって母材の強度'材質と異なる強度'材質に変質した部位であって、例え «JIS規格の 6000系アルミニウム合金 (Al—Mg— Si 系合金）の摩擦圧接である場合には、 300度以上に昇温し、強度が母材の強度より低下して所定の強度に達しない部位が相当する。熱影響部 Hは、等断面部 11, 21 のみに形成されていて、断面変化部 22には及んでいない。なお、熱影響部 Hの強度は、第一部材 10および第二部材 20が熱処理型合金 (JIS規格の 2000系アルミ-ゥム合金（A1— Cu— Mg系合金）、 JIS規格の 6000系アルミニウム合金（A1— Mg— Si 系合金）、 JIS規格の 7000系アルミニウム合金 (Al— Zn— Mg系合金） )力らなる場合には、母材よりも小さくなり、非熱処理型合金 CFIS規格の 1000系アルミニウム合金（純アルミニウム系）、 JIS規格の 3000系アルミニウム合金 (Al—Mn系合金）、 JIS規格の 5000系アルミニウム合金 (Al— Mg系合金) )力もなる場合には、母材よりも大きくなる。

[0028] 接合界面 Jは、等断面部 11, 21の突合面である。接合界面 Jの面積は、摩擦圧接前における等断面部 11, 21の端面 11a, 21aの面積の 1. 4倍以上になっている。なお、端面 11a, 21aの面積が異なる場合には、接合界面 Jの面積は、小さい方の面積の 1. 4倍以上とすればよい。

[0029] なお、アルミニウム合金の種類に特に制限はないが、摩擦圧接部品 1をサスペンシヨン部品として用いる場合には、 T6処理をした Al—Mg— Si系合金 (JIS規格の 600 0系アルミニウム合金であって溶体ィ匕処理後に焼入れ処理をし、その後に人工時効処理をしたもの）であることが望ましい。特に、 T6処理をした Al—Mg— Si系合金 (JI S規格のアルミニウム合金 6061— T6)であれば、強度が高く（0. 2%耐力が 245M Pa以上)、耐久性 (応力腐食割れ性ゃ耐候性など)も高いので、より一層望ましい。

[0030] 次に、第一部材 10と第二部材 20とを摩擦圧接する方法 (すなわち、摩擦圧接部品 1の製造方法)を、図 1〜図 3を参照して詳細に説明する。なお、後記する摩擦寄り代 x、アブセット寄り代 yおよび全寄り代 zは、 1回の製造工程での接合箇所が 1箇所である場合 (すなわち、一つの第二部材 20を第一部材 10に摩擦圧接する場合)を想定したものであるので、二つの第二部材 20, 20を同時に第一部材 10に摩擦圧接する場合 (すなわち、 1回の製造工程での接合箇所が 2箇所の場合)の摩擦寄り代 X '、アブセット寄り代 y'および全寄り代 z'は、それぞれ、 2x、 2y、 2zとなる。

[0031] 本実施形態に係る摩擦圧接方法は、準備過程と摩擦過程とアブセット過程とを含んでいる。

[0032] 準備過程では、第一部材 10を図示せぬ摩擦圧接装置のクランプで把持するとともに、第二部材 20を、その等断面部 21の中心軸線が第一部材 10の等断面部 11の中心軸線と同軸となるように図示せぬ摩擦圧接装置の主軸のチャックで把持する。

[0033] 摩擦過程では、第一部材 10と第二部材 20とを相対回転させつつ、第二部材 20を第一部材 10に向力つて前進させて第一部材 10の等断面部 11の端面 11a (図 1の (b )参照）と第二部材 20の等断面部 21の端面 21a (図 1の (b)参照）とを突き合せ、突合面 (すなわち、等断面部 11の端面 11aおよび等断面部 21の端面 21a)に摩擦圧力 Pを付与する。等断面部 11, 21を相対回転させつつ突合面に圧力を付与すると、摩擦熱によって突合面の周囲に母材よりも軟らかい軟化部が形成される。そして、軟ィ匕部の流動性が高まると、等断面部 11, 21の内外へ押し出されてバリとなり、その結果、接合界面 J付近の肉厚が増加することになる（図 2の (a)参照)。なお、摩擦圧接前の等断面部 11, 21の端面 11a, 21aに存在している酸ィ匕皮膜や付着物などは、ノリととち〖こ出されること〖こなる。

[0034] 図 3に示すように、相対回転数 (主軸の回転数）は、第一部材 10と第二部材 20とを突き合せた時点（時刻 T )からの相対変位量 (主軸の前進量)が摩擦寄り代 Xに達す

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る時刻 Tまで一定に保ち、その後、減少させ始める。摩擦圧力 Pは、少なくとも、第一部材 10と第二部材 20とを突き合せて相対回転数 Nを保持している間、一定に保つ。なお、本実施形態では、相対回転を停止し始めた後（すなわち、摩擦寄り代 Xに達した後)も、時刻 Tまでは突合面に摩擦圧力 Pを付与している。

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[0035] 突合面の温度が摩擦圧接に必要な温度に昇温するまでの時間は、主軸の回転数（第一部材 10と第二部材 20の相対回転数)が小さいほど、また、摩擦圧力 P力、さい (すなわち、摩擦寄り速度が小さい）ほど長くなるが、時間をかけて突合面を昇温させると、摩擦熱が突合面から母材側に放散されるため、摩擦圧接に利用される摩擦熱の割合が低下するば力りでなぐ熱影響部 Hの範囲が増大することになる。このような観点から、好適には、主軸の回転数を毎分 1000回転以上に設定するとともに、摩擦圧力 Pを 15MPa以上に設定することが望ましい。また、摩擦圧力 Pは、 40MPaを超えると、回転力によって等断面部 11, 21等をねじ切ってしまう虞があるので、 40M Pa以下に設定することが望ましい。なお、第一部材 10の等断面部 11および第二部材 20の等断面部 21の肉厚が 2〜5mmの範囲にある本実施形態においては、主軸の回転数を毎分 1800回転程度に設定し、摩擦圧力 Pを 30MPa程度に設定すると、昇温した突合面の温度分布が安定し、かつ、熱影響部 Hの範囲が小さくなる。

[0036] 摩擦寄り速度は、相対回転数 Nと摩擦圧力 Pで定まる。相対回転数 Nを毎分 1000 回転以上に設定し、摩擦圧力 Pを 15〜40MPaに設定すると、摩擦寄り速度は、 2. 5〜8.0mmZ秒になる。

[0037] 摩擦寄り代 Xは、等断面部 11, 21の肉厚 t以上とすることが望ましい。摩擦寄り代 X が t未満である場合には、等断面部 11, 21の端面 11a, 21a (図 1の（b)参照）に存在して、る酸ィ匕皮膜や付着物等が完全に排出されな、まま圧接が終了する虞がある。接合界面 Jに酸ィ匕皮膜等が残存していると、引張強さが不足する虞がある。また、摩擦寄り代 Xが 2tを超えると、摩擦による発熱量が多ぐ第一部材 10および第二部材 2 0への入熱が過剰になるため、材質の軟ィ匕によって必要以上のバリが発生したり、熱影響部 Hが広範に広がる虞がある。なお、第一部材 10の等断面部 11および第二部材 20の等断面部 21の肉厚が 2〜5mmの範囲にある本実施形態においては、摩擦寄り代 Xを 1. 5t程度に設定するとよい。

[0038] アブセット過程は、アブセット圧力 Pを付与する過程である。本実施形態では、相

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対回転を停止し始める時刻 T (すなわち、摩擦寄り代 Xに達した時点)よりも後であつて相対回転がゼロになる時刻 Tよりも前の時刻 T力突合面の圧力をアブセット圧

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力 Pに向けて増力！]させ始めている。圧力がアブセット圧力 Pに達したら、これを所定

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時間保持して等断面部 11, 21を圧着する。なお、アルミニウム合金などの熱伝導率が高い材料は、鉄系材料に比べて部材の温度が低下し易いので、相対回転を停止し始める時刻 Tからアブセット圧力 Ρに達するまでの時間（すなわち、 Τ—Τ )が長

1 2 4 1 いと、急激な温度低下に伴う収縮により接合部に隙間が発生し、当該隙間に空気が入り込んで酸ィ匕皮膜が形成される虞がある。このような観点から、第一部材 10と第二部材 20との相対回転を停止し始めた時点（時刻 Τ )から 0. 5秒以内に、予め規定されたァプセット圧力 Ρを付与することが望ましい。

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[0039] アブセット圧力 Ρを付与すると、摩擦過程に引き続き、摩擦過程で形成された軟ィ匕

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部が等断面部 11, 21の内外へ押し出され、その結果、酸ィ匕皮膜等のない接合界面 J が形成される。軟化部が等断面部 11, 21の内外へ押し出されることで、接合界面 Jの面積力摩擦圧接前における等断面部 11, 21の端面 11a, 21aの面積の 1. 4倍以上に増加する。

[0040] ァプセット圧力 Pは、摩擦圧力 Pよりも大きければよいが、 50MPa未満とすると、

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温度低下に伴う熱収縮が発生して接合界面に隙間が生じ、当該隙間に空気が入り込んで酸ィ匕皮膜が形成される虞があるため、 50MPa以上とすることが望ましい。また、アブセット圧力 Pを 200MPaよりも大きくすると、大型の摩擦圧接装置が必要にな

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るだけでなぐ母材の座屈や変形が発生する虞があることから、望ましくは、 200MPa 以下とすることが望ましい。なお、第一部材 10の等断面部 11および第二部材 20の等断面部 21の肉厚が 2〜5mmの範囲にある本実施形態においては、ァプセット圧力 Pを l lOMPa程度に設定すると、酸ィ匕皮膜等が確実に排出されるので、引張強

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度の高、接合部を形成することが可能となる。

[0041] なお、摩擦寄り代 Xが肉厚 t未満である場合には、アブセット圧力 Pを高めることで

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アブセット寄り代 yを大きくして、摩擦寄り代 Xとアブセット寄り代 yとの合計である全寄り代 zを肉厚 t以上となるようにするとよい。つまり、摩擦寄り代 Xを肉厚 t未満に設定した場合には、アブセット寄り代 yを、 t—x以上に設定して、全寄り代 z ( = x +y)を等断面部 11, 21の肉厚 t以上とし、等断面部 11, 21の長さを、それぞれ tZ2以上縮めることが望ましい。ちなみに、全寄り代 zを等断面部 11, 21の肉厚 t未満とすると、等断面部 11, 21の端面 11a, 21aに存在する酸ィ匕皮膜等が接合界面 Jに残存する虞がある。なお、本発明者らは、第一部材 10の等断面部 11と第二部材 20の等断面部 21が円筒状を呈しており、かつ、断面寸法が同一である場合には、摩擦圧接後における等断面部 11, 21の長さを 5mm以上確保すれば、断面変化部 22に熱影響部 Hが及ぶ可能性が極めて小さいとの知見を得た。したがって、全寄り代 zは、摩擦圧接後における等断面部 11, 21の長さが 5mm以上となるように設定することが望ましい。

[0042] なお、図 2の (b)に示すように、アブセット過程が終了した後に、必要に応じて、接合部の外周側に形成されたバリを切除し、接合部を滑らかに成形してもよいが、バリの切除後においても、接合界面 Jの面積を、摩擦圧接前における等断面部 11, 21の端面 11a, 21aの面積の 1. 4倍以上とすることが望ましい。

[0043] このような摩擦圧接方法を実施することにより得られた摩擦圧接部品 1においては、摩擦圧接後における等断面部 11, 21の長さを 5mm以上確保したので、摩擦圧接により生じた熱影響部 Hは、等断面部 11, 21のみに形成されることになる。つまり、熱影響部 Hが等断面部 11, 21以外の部位に及ぶことがない。このような摩擦圧接部品 1によると、熱影響による強度の変化が等断面部 11, 21のみに発生することになる。つまり、この摩擦圧接部品 1によれば、断面変化部 22を設計する際に、熱影響による強度の変化を考慮する必要がなくなるので、その分だけ設計が容易になる。なお、摩擦圧接後における等断面部 11, 21の少なくとも一方の長さが 5mm未満である場合には、摩擦熱によって軟化される領域が等断面部 11, 21とで不均一になるので、バリの排出量も等断面部 11, 21とで不均一になってしまう。

[0044] なお、円筒状に形成される接合部の片側のみを図示した図 4の（a)に示すように、等断面部 11を有する第一部材 10と、端面 21a'付近の断面積が漸増する第二部材 20' (等断面部を具備しない第二部材 20' )とを摩擦圧接した場合には、第二部材 2 0'側で多くの摩擦熱が伝熱 (拡散)するので、図 4の（b)に示すように、第二部材 20' 側に発生するバリの排出量が第一部材 10側に発生するバリの排出量よりも少なくなり、場合によっては、接合界面に酸ィ匕皮膜 Fが残置される虞がある。つまり、継手効率が低下する虞がある。第二部材 20'側のバリの排出量を多くすれば、酸化皮膜を無くすことができるが、この場合には、第一部材 10側のノリの排出量も多くなつてしまうので、歩留まりが悪くなつてしまう。これに対し、第二部材 20にも等断面部 21を設けた本実施形態では、第二部材 20側に発生するバリの排出量が第一部材 10側に発生するバリの排出量と同等になるので (図 1の (a)参照）、接合界面 Jに酸ィ匕皮膜が残置され難くなり、また、バリの排出量も適正な量となるので、歩留まりも良好になる。

[0045] また、本実施形態にぉ、ては、第一部材 10および第二部材 20のそれぞれに断面積が変わらない等断面部 11, 21を形成したので、等断面部 11, 21を摩擦圧接したときに、両部材 10, 20より同じ形状のバリが排出され、等断面部 11, 21の端面 11a, 21aに存在する酸ィ匕皮膜等がバリとともに排出され易くなる。また、等断面部 11, 21 を同一の断面形状としたので、突合面で発生した摩擦熱が等断面部 11, 21に均等に伝導し、強度分布が左右対称になるので、設計がより一層容易になる。さらに、バリの形状を左右同じにすることが容易となり、その結果、接合部の有効接合面積を得る摩擦圧接条件を容易に設定できることになる。

[0046] なお、図 5の（a)に示すように、等断面部 21"の端面 21a"の断面積を等断面部 11 の端面 11aの断面積よりも大きくすると、第二部材 20"により多くの摩擦熱が伝熱 (拡散)するので、図 5の (b)に示すように、第二部材 20"側に発生するバリの排出量が第一部材 10側に発生するバリの排出量よりも少なくなり、場合によっては、接合界面に酸ィ匕皮膜 Fが残置される虞がある。つまり、継手効率が低下する虞がある。第二部材 20"側のノリの排出量を多くすれば、酸ィ匕皮膜を無くすことができるが、この場合には、第一部材 10側のノリの排出量も多くなつてしまうので、歩留まりが悪くなつてしまう。これに対し、等断面部 11, 21を同一の断面形状とした本実施形態では、第二部材 20側に発生するバリの排出量が第一部材 10側に発生するバリの排出量と同等になるので (図 1の (a)参照）、接合界面 Jに酸ィ匕皮膜が残置され難くなり、また、バリの排出量も適正な量となるので、歩留まりも良好になる。

[0047] また、熱影響部における熱処理型アルミニウム合金の強度は、母材よりも低下する 1S 接合界面 Jにおいて最も強度が低下する。接合界面 J付近の 0. 2%耐カは、母材の 0. 2%耐力の 0. 7倍（ = 1Z1. 4)程度に低下するが、接合界面 Jの面積を摩擦圧接前における等断面部 11, 21の端面 11a, 21aの面積の 1. 4倍以上に増大させたので、接合界面 J付近の降伏荷重は熱影響のない母材部分と同等になり、肉厚が増カロし始める部位 K付近の降伏荷重はそれ以下となる。したがって、摩擦圧接時の熱影響によって、接合界面 J付近の強度が母材の強度よりも高くなる場合は勿論のこと、低くなる場合であっても、接合界面 J付近が弱点となる (設計基準を下回る)ことはない。つまり、本実施形態に係る摩擦圧接部品 1においては、接合界面 J付近の強度を設計基準にして等断面部 11, 21の肉厚を設定する必要がなぐ接合界面 J付近以外の熱影響部 Hにおける強度を基に等断面部 11, 21の肉厚を設定することができるので、等断面部 11, 21の肉厚が必要以上に大きくなることはない。すなわち、摩擦圧接部品 1の軽量ィ匕を実現することが可能となる。

[0048] また、本実施形態においては、第二部材 20の等断面部 21の摩擦圧接前における長さ Lを、等断面部 21の外径以下としたので、切削加工や穴あけ力卩ェに力かる時間

2

や費用が増大することを防止することができ、また、加工により取り除かれるアルミ- ゥム合金の容積が少なくなるので、材料が無駄になることがな!、。

[0049] なお、第一部材 10および第二部材 20は、押出形材である必要はなぐ铸造品 (ダイカストを含む)であっても差し支えない。ちなみに、铸造品力もなる第一部材 10および第二部材 20を用いてサスペンション部品を構成する場合には、 AC4C系合金や A DC3系合金を用いることが望まし、。

実施例

[0050] 1.熱影響部の範囲

第一部材 10と第二部材 20とを摩擦圧接したときに形成される熱影響部 Hの範囲を調査する目的で実験を行った。摩擦圧接に用いた第一部材 10および第二部材 20 は、 T6処理 (溶体化処理後に焼入れ処理をし、その後に人工時効処理)を施して調質した A1— Mg— Si系合金 (JIS規格の 6061アルミニウム合金）であり、両部材とも押出形材カもなる。なお、第一部材 10は、パイプ状の押出形材を切断して形成し、第二部材 20は、押出形材を切断した後、切削加工を施して形成した。なお、実験においては、第一部材 10の等断面部 11と第二部材 20の等断面部 21を円筒状とし、かつ、断面寸法を同一とした。ちなみに、等断面部 11, 21の長さ L , Lは、 10mm以

1 2

上確保されている。

[0051] 等断面部 11, 21の諸元、摩擦圧接条件および熱影響部 Hの範囲を表 1に示す。

本実施例においては、ビッカース硬度が 100 (Hv)以下となる領域が熱影響により母材の所定の強度に達しない部分 (熱影響部 Η)であると判定した。なお、各ケースとも、摩擦過程における相対回転数 Νを毎分 1800回転、摩擦圧力 Ρを 30MPaとし、ァプセット圧力 Pは lOOMPaとした。

2

[表 1]

[0053] 表 1に示すように、第一部材 10の等断面部 11と第二部材 20の等断面部 21が円筒状を呈しており、かつ、断面寸法が同一である場合には、熱影響部 Hの範囲が 5mm 未満となる。すなわち、摩擦圧接後における等断面部 11, 21の長さを 5mm以上確保すれば、本体部 12や断面変化部 22に熱影響部 Hが及ぶ可能性が極めて小さくなる。なお、 No. 1—3以外のケースでは、いずれも、全寄り代 zが肉厚はりも大きくなつており、表 1には記載してないが、充分な接合強度（55kN以上）が得られた。一方、全寄り代 zが肉厚 t (3mm)よりも小さい No. 1—3のケースでは、他のケースよりも接合強度が小さくなつた (43kN程度)。これは、ノリの排出量が小さいために、端面 11 aの酸ィ匕皮膜が充分に排出されず、接合界面 Jに酸ィ匕皮膜が巻き込まれて、るからである。

[0054] 2.接合部の品質と摩擦圧接条件との関係

摩擦圧接条件の差異が接合部の品質に及ぼす影響を調査する目的で実験を行つた。本実施例では、摩擦圧接後に、接合部の外周面および内周面における隙間の有無を調査することで、接合部の品質の良否を判定することとした。なお、摩擦圧接に用いた第一部材 10および第二部材 20は、 T6処理 (溶体ィ匕処理後に焼入れ処理をし、その後に人工時効処理)を施して調質した A1— Mg— Si系合金 (JIS規格の 60 61アルミニウム合金)であり、両部材とも押出形材カもなる。なお、第一部材 10は、パイブ状の押出形材を切断して形成し、第二部材 20は、押出形材を切断した後、切削加工を施して形成した。等断面部 11, 21は、肉厚 3mmの円筒状とし、その内径を 16mm、外径を 22mmとした。

表 2に、アブセット圧力 Pと接合部の隙間との関係を示す。なお、表 2中の「T」は、

2

相対回転を停止し始めて力もアブセット圧力を付与するまでの時間である。

[表 2]

[0056] 表 2の No. 2— 2〜2— 6に示すように、ァプセット圧力 Pが摩擦圧力 Pよりも大きく

2 1

、かつ、 50MPa以上であれば、接合部に隙間が発生することがなぐ良好な接合品質を得ることができる。

[0057] 表 3に、相対回転を停止し始めて力アブセット圧力 Pを付与するまでの時間丁と

2

接合部の隙間との関係を示す。

[0058] [表 3]

[0059] 表 3に示すように、摩擦圧力 Pが 15MPaであっても、 30MPaであっても、回転停止を停止し始めて力ァプセット圧力 Pを付与するまでの時間 Tが 0. 45秒以内であ

2

れば、接合部に隙間が発生することがなぐ接合状態が良好であることが実証された。また、回転停止を停止し始めて力ァプセット圧力 Pを付与するまでの時間 Tが 0.

2

50秒であっても、摩擦圧力 Pが 15MPaである場合 (No. 3— 6)には、接合部に隙間は発生せず、摩擦圧力 Pが 30MPaである場合 (No. 3— 5)でも、内周面には隙間が発生しないことから、比較的良好な接合状態を得ることができる。なお、接合部の外周側に形成されたバリを切除すれば (図 2の (b)参照）、接合部の外周面の隙間を除去することができる。このように、第一部材 10と第二部材 20との相対回転を停止し始めた時点から 0. 50秒以内、より好適には 0. 45秒以内にアブセット圧力 Pを付

2 与すれば、良好な接合状態を得ることができる。

Claims

請求の範囲

[1] 断面変化のな、等断面部を有するアルミニウム合金製の第一部材と、断面変化のない等断面部を有するアルミニウム合金製の第二部材とを摩擦圧接してなる摩擦圧接部品であって、

前記等断面部同士が摩擦圧接されており、かつ、摩擦圧接により生じた熱影響部力前記等断面部のみに形成されていることを特徴とする摩擦圧接部品。

[2] 前記第一部材の前記等断面部および前記第二部材の前記等断面部は、それぞれ円筒状を呈しており、かつ、断面寸法が同一であることを特徴とする請求の範囲第 1 項に記載の摩擦圧接部品。

[3] 摩擦圧接後における前記各等断面部の長さが、 5mm以上であることを特徴とする請求の範囲第 2項に記載の摩擦圧接部品。

[4] 前記各等断面部の肉厚が 2〜5mmの範囲にあり、

摩擦圧接後における前記各等断面部の長さが、 5mm以上であることを特徴とする請求の範囲第 2項に記載の摩擦圧接部品。

[5] 摩擦圧接前における前記各等断面部の長さが（6mm+tZ2)以上であることを特徴とする請求の範囲第 4項に記載の摩擦圧接部品。

[6] 前記第一部材は、パイプ状の押出形材よりなり、

前記第二部材は、押出形材を利用して形成したエンド部材よりなり、

前記第二部材の前記等断面部は、前記押出形材の一部に切削加工と穴あけ加工とを施すことで形成されたものであり、円筒状を呈しており、かつ、摩擦圧接前における長さが、外径以下であることを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 5項のいずれか一項に記載の摩擦圧接部品。

[7] 肉厚 tが 2〜5mmの範囲にあり、長さが（6mm+tZ2)以上である円筒状の等断面部を有するアルミニウム合金製の第一部材と、

前記第一部材の前記等断面部と同一断面形状を有し、かつ、長さが（6mm+tZ2 )以上である円筒状の等断面部を有するアルミニウム合金製の第二部材と、を摩擦圧接する方法であって、

前記第一部材と前記第二部材とを相対回転させつつ前記等断面部同士を突き合せて摩擦圧力を付与する摩擦過程と、

前記相対回転を停止し始めた時点から 0. 5秒以内に、前記摩擦圧力よりも大きなアブセット圧力を付与するアブセット過程と、を含み、

全寄り代を t以上とし、かつ、摩擦圧接後における前記各等断面部の長さを 5mm以上とすることを特徴とする摩擦圧接方法。

前記第一部材は、パイプ状の押出形材よりなり、

前記第二部材の前記等断面部は、前記押出形材の一部に切削加工を施すことで形成されたものであり、円筒状を呈しており、かつ、摩擦圧接前における長さが、外径以下であることを特徴とする請求の範囲第 7項に記載の摩擦圧接方法。