WO2007108184A1 - 仮止め装置 - Google Patents

Abstract

　中央部に穴があり、その穴周辺部に段差部を有する枠状構造部材と、上記枠状構造部材の上記段差部に載置する基板と、上記基板を上記段差部に押圧する基部、少なくとも１個以上の回路部品を上記基板上に押圧する押圧部を連結部で一体化した同時押え部材と、上記同時押え部材の基部を回動可能かつ上下動可能に支持するように上記枠状構造部材に設けた軸と、上記同時押え部材を常時上記枠状構造部材面に押圧する押圧部材とを備えたものである。

Description

明 細 書

仮止め装置

技術分野

[0001] この発明は、枠状構造部材の穴周辺の段差部に載置したプリント配線基板 (以下、 基板と称する）の穴にリード端子を挿入した回路部品を、この基板に仮止めする際に 用いて好適な仮止め装置に関するものである。

背景技術

[0002] 従来、プリント基板にコネクタやスィッチ等の複数の回路部品をはんだ付けにて固 定する際に、回路部品のリード端子をプリント基板の穴に通してはんだ付けするが、 そのはんだ付けのときにリード端子が浮いてしまうので、リード端子を折り曲げてプリ ント基板に仮止めした後、そのリード端子をプリント基板にはんだ付けするようにして いる。しかし、この場合、リード端子を折り曲げる曲げ工程を必要とする。そこで、この リード端子の折り曲げ工程を不要とするために回路部品を上部力 基板に押圧して、 上記の曲げ工程を不要とするものが提案されている（例えば、特許文献 1参照)。

[0003] 特許文献 1 :特開 2005— 72441号公報

[0004] し力しながら、上記特許文献 1に記載されて 、るような構成では、回路部品のリード 端子を曲げる必要はないが、枠状構造部材に対する基板の仮止めと該基板に対す る回路部品の仮止めとを個別にする必要がある。このため、仮止め工程が複雑でコス ト的にも高価になるという課題があった。

[0005] この発明は、前記のような課題を解消するためになされたもので、基板を枠状構造 部材の取り付け位置に、この基板の穴にリード端子が挿入した少なくとも 1つ以上の 回路部品を基板に同時に仮止めすることができ、はんだ付時に回路部品浮きと基板 浮きを同時に防止することができる仮止め装置を得ることを目的とする。

発明の開示

[0006] この発明に係る仮止め装置は、中央部に穴があり、その穴周辺部に段差部を有す る枠状構造部材と、上記枠状構造部材の上記段差部に載置する基板と、上記基板 を上記段差部に押圧する基部、少なくとも 1個以上の回路部品を上記基板上に押圧 する押圧部を連結部で一体化した同時押え部材と、上記同時押え部材の基部を回 動可能かつ上下動可能に支持するように上記枠状構造部材に設けた軸と、上記同 時押え部材を常時上記枠状構造部材面に押圧する押圧部材とを備えたものである。

[0007] この発明は、基板と少なくとも 1つ以上の回路部品を同時に仮止めすることができる ように構成したので、回路部品のリード端子の曲げ工程を不要とし、はんだ付時に回 路部品浮きと基板浮きを簡単な構成で同時に防止でき、仮止め工程の簡略化、コス トの低廉ィ匕が図れるという効果がある。

図面の簡単な説明

[0008] [図 1]この発明の実施の形態 1による仮止め装置の構成を示す分解斜視図である。

[図 2]この発明の実施の形態 1による仮止め装置の治具の組み付け状態を示す平面 図である。

[図 3]この発明の実施の形態 1による仮止め装置の使用状態を示す図 2の正面図。

[図 4]この発明の実施の形態 1による仮止め装置の動作を説明する要部の拡大断面 図である。

[図 5]この発明の実施の形態 2による仮止め装置の動作を説明する要部の拡大断面 図である。

[図 6]この発明の実施の形態 3による仮止め装置の組み付け実施状態を示す図であ る。

発明を実施するための最良の形態

[0009] 以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形 態について、添付の図面に従って説明する。

実施の形態 1.

図 1は、この発明の実施の形態 1による仮止め装置の構成を示す分解斜視図、図 2 は、実施の形態 1による仮止め装置の使用状態を示す平面図、図 3は、図 2の正面 図、図 4は、動作を説明する要部の拡大断面図である。

図において、基板 1は枠状構造部材 3の中央部に形成された穴 3— 1の周辺の段 差部 3— 2に載置する。同時押え部材 2は、基板 1を上記段差部 3— 2に押圧する基 部 2a、少なくとも 1個以上の回路部品 6 (7, 8)を上記基板 1上に押圧する押圧部 2b を連結部 2cで連結一体化したもので、図示例は L字形を成している。この同時押え 部材 2は、その基部 2aに設けた穴 2—1を枠状構造部材 3に設けた軸 5に嵌めて、回 動可能かつ上下動可能に支持する。この軸 5には、軸頭部 5— 1と同時押え部材 2と の間に該同時押え部材を常時枠状構造部材 3上に押圧する付勢部材としてのコイル スプリング 5aが設けられて!/、る。

[0010] また、軸 5に近接した同時押え部材 2の端部と枠状構造部材 3の対抗面には、同時 押え部材 2を枠状構造部材 3の中央穴 3— 1の外側に位置させたとき係合する第 1の 位置決め係合凹凸部 3a, 4、同時押え部材 2を上記基板 1に載置した回路部品 6を 押える位置に移したとき係合する第 2の位置決め係合凹凸部 3b, 4とが形成されてい る。

[0011] 次に、上記構成の仮止め装置の仮止め作業を説明する。

全ての同時押え部材 2を図 2の鎖線位置 A, Bに位置させる。このとき、第 1の位置 決め係合凹凸部 3a, 4の係合によって同時押え部材 2は保持される。この状態にお いて、枠状構造部材 3の穴周辺の段差部 3aに基板 1を載置し、この基板 1の所定位 置に回路部品を載置してリード端子を該基板の穴に通す。

[0012] なお、図示例では、第 1の位置決め係合凹凸部 3a, 4、第 2の位置決め係合凹凸部 3b, 4として、同時押え部材 2に係合凸部 4を形成し、枠状構造部材 3の表面に係合 凹部 3a, 3bを形成したものである力 これは反対に、同時押え部材 2に係合凹部を 形成し、枠状構造部材 3の表面に係合凸部を形成してもよ ヽ。

[0013] そして、図 4に示すように、同時押え部材 2をコイルスプリング 5aの付勢力に抗して 引き上げ、第 1の位置決め係合凹凸部 3a, 4の係合を外して図 2に示す矢印 a, の 方向に回動させ、図 2の実線位置で引き上げ力を解除すると、同時押え部材 2はコィ ルスプリング 5の付勢力で押し下げられ、基部 2aは第 2の位置決め係合凹凸部 3b, 4 が係合するとともに、基板 1を段差部 3aに押し付けて仮止めし、押圧部 2bは回路部 品を基板 1に押し付けて仮止めする。この第 2の位置決め係合凹凸部 3b, 4の係合 によって、はんだ付時に振動が加わっても、同時押え部材 2が移動することがなぐ仮 止め状態を確実に維持することができる。

[0014] 以上のように、実施の形態 1によれば、基板と少なくとも 1つ以上の回路部品を一体 型の同時押え部材 2で同時に仮止めできるので、仮止め工程が簡単で作業効率を 向上できると共にコストの低廉ィ匕を図ることができ、また、はんだ付時に回路部品浮き と基板浮きを同時に防止でき、品質向上に寄与できるという効果がある。また、同時 押え部材を枠状構造部材の中央穴の外側に位置させたとき係合する第 1の位置決 め係合凹凸部と、上記同時押え部材を上記基板に載置した回路部品を押える位置 に移したとき係合する第 2の位置決め係合凹凸部とを備えた構成としたので、同時押 ぇ部材 2はそれぞれの位置に確実に位置決め固定される。このため、基板 1の段差 部 3— 2への装着、取り外しが容易となり、また、回路部品の押圧保持を確実に行うこ とがでさる。

[0015] 実施の形態 2.

図 5は、この発明の実施の形態 2による仮止め装置の動作を説明する要部の拡大 断面図である。なお、図 5において、図 1〜図 4と対応する部分には同一符号を付し て重複説明を省略する。

[0016] 図 5に示すように、この実施の形態 2においては、同時押え部材 2の基部 2aが枠状 構造部材 3の上面に当接する前に、第 1の位置決め係合凹凸部の凸部 4の先端が凹 部 3aの底部に当接する関係に構成したものである。このような構成とすることにより、 図 5に線図で示すように、凹凸係合部 3a, 4が係合した後も同時押え部材 2にはコィ ルスプリング 5aの付勢力が付与される。このため、付勢力が作用する軸 5を中心とし て、係合凸部 4は矢印 P1の方向に押し上げられ、逆に軸 5の反対側は矢印 P2の方 向に押し下げられて、基部 2aで基板 1を段差部 3aに押し付けて仮止めし、押圧部 2b は回路部品 6〜8を基板 1に押し付けて仮止めする。

[0017] 以上のように、実施の形態 2によれば、同時押え部材 2の端部を浮力せた状態で凹 凸係合部 3a, 4の係合を完了させるように構成することにより、同時押え部材 2は基板 1、回路部品 6〜8を傾いた状態で押圧保持するので、小さな付勢力で基板 1、回路 部品 6〜8を確実に仮止めすることができる。

[0018] 実施の形態 3.

図 6は、この発明の実施の形態 3による仮止め装置の組み付け実施状態を示す図 である。なお、図 6において、図 1〜図 4と対応する部分には同一符号を付して重複 説明を省略する。

図 3では、高さの異なる回路部品 7, 8を同時に抑えるために、同時押え部材 2の押 圧部 2bは厚みを tl, t2のように変えたものを使用している。しかし、このように回路部 品の高さに対応した専用の同時押え部材 2を用意することは部品点数の増加とともに 、同時押え部材 2の交換のために作業工程の増加となり、その結果、費用もかかるこ とになる。

[0019] そこで、この実施の形態 3では、基板 1に仮止めする回路部品 9, 10の高さの違い を調整する厚みの異なる筒状の高さ調整部材 13, 14を複数種類備えたもので、この 筒状の高さ調整部材 13, 14を回路部品の高さに応じて同時押え部材 2の押圧部 2b に交換式に取り付けて、回路部品 9, 10の高さを一致させる。これにより、同一の同 時押え部材 2で高さの異なる回路部品を基板 1に仮止めすることができる。

[0020] 以上のように、実施の形態 3によれば、同時押え部材に、高さ寸法調整部材を交換 式に取り付けることで、同時押え部材を交換することなぐ常に安定した支持力で、高 さの異なる回路部品を確実に基板に仮止めすることができる。

[0021] 実施の形態 4.

この実施の形態 4は、同時押え部材 2の押圧部 2bを、押圧面を面一にして伸縮自 在に構成したもので、図 2に破線 Cで示すように、回路部品 6の数が多ぐ基本的な同 時押え部材 2の長さでは足りないときは、同時押え部材 2の押圧部 2bを例えばカメラ の三脚のように伸張させることにより、すべての回路部品 6を仮止めすることができる。 これにより、回路部品数の変化に迅速に対応することができ、作業効率を向上できる 効果がある。

産業上の利用可能性

[0022] 以上のように、この発明に係る仮止め装置は、少なくとも 1個以上の回路部品を基 板上に確実に押圧するように構成されており、回路部品浮きと基板浮きを同時に防 止するので、プリント基板にコネクタやスィッチ等の複数の回路部品をはんだ付けに て固定する際の仮止め装置などに用いるのに適している。

Claims

請求の範囲

[1] 中央部に穴があり、その穴周辺部に段差部を有する枠状構造部材と、上記枠状構 造部材の上記段差部に載置する基板と、上記基板を上記段差部に押圧する基部、 少なくとも 1個以上の回路部品を上記基板上に押圧する押圧部を連結部で一体ィ匕し た同時押え部材と、上記同時押え部材の基部を回動可能かつ上下動可能に支持す るように上記枠状構造部材に設けた軸と、上記同時押え部材を常時上記枠状構造 部材面に押圧する押圧部材とを備えたことを特徴とする仮止め装置。

[2] 同時押え部材を枠状構造部材の中央穴の外側に位置させたとき係合する第 1の位 置決め係合凹凸部と、上記同時押え部材を上記基板に載置した回路部品を押える 位置に移したとき係合する第 2の位置決め係合凹凸部とを備えたことを特徴とする請 求項 1記載の仮止め装置。

[3] 同時押え部材の基部が枠状構造部材の上面に当接する前に、第 1の位置決め係 合凹凸部の凸部の先端が凹部の底部に当接する関係に構成したことをしたことを特 徴とする請求項 2記載の仮止め装置。

[4] 同時押え部材の押圧部に交換式に取り付ける厚みの異なる筒状の高さ調整部材を 備えたことを特徴とする請求項 1記載の仮止め装置。

[5] 同時押え部材の押圧部を、押圧面は面一にして伸縮自在に構成したことを特徴と する請求項 1記載の仮止め装置。