清掃用具
技術分野
[0001] 本発明は、清掃用具に係り、詳しくは室内や車内の被清掃部を拭き清掃するため のシート状の清掃体を備える清掃用具の構築技術に関するものである。
背景技術
[0002] 従来、被清掃面の拭き清掃を行うシート状の清掃体を備える清掃用具が種々提案 されている。例えば、特開 2004— 242799号公報では、清掃フレームの底部に剤透 過底部を備え、この剤透過底部に清掃シートを巻き付ける構成の清掃用具が開示さ れている。この清掃用具では、清掃用剤を剤透過底部の上方から散布して、清掃作 業中において清掃シートを湿潤状態として拭き清掃を行うことによって、乾燥状態の 清掃シートでは除去しにくい床面付着の汚れを拭き取る可能性を有するが、シート状 の清掃体を備えるこの種の清掃用具の設計に際しては、更なる清掃効果向上を図る 技術に対する要請がある。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] そこで、本発明は、力かる点に鑑みてなされたものであり、被清掃面の拭き清掃を 行うシート状の清掃体を備える清掃用具において、清掃効果向上を図るのに有効な 技術を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0004] 上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。これら各請求項に 記載の発明は、一戸建て、マンション、ビル、工場、車両等の屋内や屋外における被 清掃面 (床面、壁面、天井面、外壁面、家具面、衣類、カーテン、寝具など)や、人体 の各構成部位における被清掃面等をシート状の清掃体によって拭き清掃する清掃 用具の構成に適用され得る。
[0005] 前記課題は、本発明に係る清掃用具を通じて解決される。この清掃用具は、清掃 体、保持部、把持部、連結部、洗浄液供給部を少なくとも備える。
[0006] 本発明の清掃体は、被清掃面を拭き清掃するシート状の清掃体として構成される。 ここでいう「シート状の清掃体」とは、保持部に取り付けた状態或いは取り外した状態 において板状とされ、その板厚に比して縦寸法及び横寸法が相当に大きい形状もの を広く含む主旨である。この清掃体の表面は、平面として構成されてもよいし、或いは 曲面、凹凸面、段差面として構成されてもよい。この清掃体は、一回使用を目安とし た使 、捨てタイプのものであってもよ 、し、或 、は洗濯などを行ったうえで繰り返し使 用することが可能なタイプのものであってもよい。この清掃体は、典型的には合成榭 脂製の不織布、この不織布の積層体、或いは発泡榭脂材料などによって構成される 。一方、被清掃面については、平面として構成されてもよいし、或いは曲面、凹凸面 、段差面として構成されてもよい。
[0007] 本発明の保持部は、清掃体に取り付けられてこの清掃体を着脱自在に保持する機 能を有する部位として構成される。これにより、清掃体の汚れ具体に応じてこの清掃 体を適宜保持体力も取り外して新たな清掃体に交換することが可能となる。
[0008] 本発明の把持部は、作業者によって把持される長尺状の部位として構成される。作 業者は、この把持部を手で掴んで清掃体による拭き作業を行うことが可能となる。 なお、好ましくは、清掃体を長方形状に構成するとともに、長尺状の把持部は、その 長尺方向線上に長方形状の清掃体の長辺が延在するように構成する。このような構 成によれば、作業者による拭き清掃効率が向上し易い。
[0009] 本発明の連結部は、保持部と把持部との間に介在してこれら保持部及び把持部を 固定状に連結する機能を有する部位として構成される。すなわち、保持部と連結部 が固定状に連結され、且つ把持部と連結部が固定状に連結され、全体として保持部 、連結部、把持部の三者が一体固定状に構成されることとなる。この場合、保持部、 連結部及び把持部のうちの複数を一体成型とする構成であってもよいし、或いは保 持部、連結部及び把持部の各々を独立して成型されたものを固定状に組み付ける 構成であってもよい。なお、本発明において「固定状」とは、清掃用具の少なくとも使 用時において一体的な固定状態或いは保持状態を形成すれば足り、保持部と連結 部との間の連接箇所や、把持部と連結部との間の連接箇所での相対移動が不能とさ れた構造以外に、これらの連接箇所での相対移動が一時的に可能とされた可動構
造をも広く包含する。この可動構造に関し、具体的には保持部と連結部との間の連 接箇所や、把持部と連結部との間の連接箇所にヒンジ機構及び固定機構を設け、清 掃用具の使用前後においては、保持部と連結部との間の角度や、把持部と連結部と の間の角度がヒンジ機構によってー且調節可能とされ、清掃用具の使用時において は、当該角度が固定機構によって所定の角度に固定可能或いは保持可能とされる 構成を採用することができる。
[0010] 本発明の洗浄液供給部は、被清掃面に向けて洗浄液を供給する供給ノズルを有 するとともに、保持部、把持部及び連結部のうちの少なくとも一つに取り付けられる部 位として構成される。ここでいう「洗浄液」には、汚れを除去する清掃作業を可能とす る液体を広く含み、典型的には床面洗浄用の洗剤、つや出しワックスを含む洗剤、芳 香剤を含む洗浄液、消臭剤を含む洗浄液のほか、これら各液を水で希釈したもの、 或いは水自体を、洗浄液として用いることができる。また、「洗浄液の供給」に関して は、洗浄液を清掃体を介さずに直接に被清掃面に向けて供給する構成であるならば 、洗浄液を噴射状或いは噴霧状に噴き付ける供給態様、洗浄液を滴下する供給態 様などを用いることができる。また、本発明において、この洗浄液供給部は、保持部、 把持部及び連結部のうちの 、ずれかに取り付けられるものであってもよ 、し、或いは 保持部、把持部及び連結部のうちの複数に延在して取り付けられるものであってもよ
Vヽ。この洗浄液を供給した状態の被清掃面を清掃体で一度拭き取る作業をすること によって、その後、当該清掃体は、シート表面が湿潤状態とされたウエットタイプの清 掃体として使用され得る。勿論、被清掃面にこの洗浄液を供給しない状態で清掃体 を用いる場合には、シート表面が常時乾き状態とされたドライタイプの清掃体として使 用することちでさる。
[0011] なお、この洗浄液供給部の具体的な構成に関しては、ポンプ機構によって洗浄液 を加圧して加圧状態の洗浄液を供給ノズルへと吐出する構成、ガス圧を利用して加 圧状態の洗浄液を供給ノズルへと供給する 、わゆる「エアゾール」式の構成、洗浄液 をその自重によって供給ノズルカゝら滴下させる構成、洗浄液供給部の外部の洗浄液 供給元にて加圧された洗浄液を供給ノズルへと供給する構成などを適宜採用するこ とができる。また、洗浄液供給部は、洗浄液を貯留する領域及びこの洗浄液が流通
する経路を備える構成であってもよ ヽし、或いは洗浄液供給部の外部の洗浄液供給 元カゝら供給された洗浄液が流通する領域のみを備える構成であってもよい。
[0012] また、本発明では、把持部の長尺方向の延在線と清掃体のシート平面に関する法 線とが所定の交差角度をもって交差する構成とされる。本構成、及び前述の保持部、 連結部、把持部の三者を一体固定状とする構成とによって、本発明の清掃用具は、 把持部から連結部を介して保持部までの長さが所定の範囲に限られ作業者が片方 の手で保持しつつ清掃作業が可能な、 V、わゆる「ハンディ型」の清掃用具として特定 される。
[0013] このような構成によれば、洗浄液供給部の供給ノズル力 被清掃面に向けて洗浄 液を供給したうえで、この洗浄液供給部分を、清掃体を介して拭き取ることによって、 ドライタイプの清掃体では拭き取ることが難し力つた、こびりつ!、た汚れや砂埃などを 容易に拭き取ることが可能となる。特に、本発明では、被清掃面に直に洗浄液を供給 する構成であり、洗浄液自体が持つ洗浄効果を最大限に引き出して使用することが できるため、被清掃面ではなく清掃体自体に洗浄液を供給するような構成の清掃用 具に比して、清掃効果向上を図るうえで有利である。
[0014] 上記清掃用具における洗浄液供給部は、把持部の下方であって連結部の後方に 供給ノズルが位置するように構成するのが好ま 、。
これにより、供給ノズル力 被清掃面へと洗浄液を供給するに際し、当該供給が長 尺状の把持部や連結部によって阻害されにくぐまた作業者は洗浄液の供給部分を 後方力も確認し易いため、洗浄液の供給操作を円滑に遂行することが可能となる。
[0015] 上記清掃用具は、保持部と連結部との連接領域が清掃体の後端に合致する構成 とするのが好ましい。すなわち、連結部の後方に位置する供給ノズルは、清掃体の後 端よりも後方に位置させるのが好ましい。
これにより、供給ノズル力 被清掃面へと洗浄液を供給するに際し、当該供給が清 掃体によって阻害されにくい構造が実現される。
[0016] 上記清掃用具における供給ノズルは、更に設置高さ方向に関し、清掃体のシート 下面よりも上方であって、且つ保持部の延在線と連結部の延在線とが交差する高さ 領域に位置するように構成とするのが好ましい。すなわち、把持部の下方であって連
結部の後方、更に清掃体のシート下面よりも上方であって、且つ保持部の延在線と 連結部の延在線とが交差する高さ領域に供給ノズルが位置する構成が好ましい。 これにより、被清掃面に清掃体が当接した状態において、供給ノズルが被清掃面 に干渉するのを防止することができ、また被清掃面に極力近接させることによって洗 浄液を被清掃面の所望の部位に確実且つ速やかに供給することが可能となる。
[0017] 上記清掃用具における洗浄液供給部は、供給ノズル力 清掃体の下方領域に向 けて前斜め下方へと洗浄液を供給する構成とするのが好ましい。
これにより、供給ノズル力 洗浄液を供給したのち、そのまま清掃体を下方へと移動 させて拭き清掃操作を行うことができるため、洗浄液供給操作カゝら洗浄液供給後に おける清掃体の拭き清掃操作までの一連の作業の円滑ィ匕を図ることが可能となる。
[0018] 上記清掃用具における洗浄液供給部は、供給ノズルの向きが連結部の延在方向と 合致する構成とするのが好ましい。なお、連結部の延在方向とは、連結部が把持部 力も保持部へと向けて延在する方向であり、連結部が曲線状である場合には、当該 連結部での所定位置での接線を当該連結部の延在方向として規定することができる 供給ノズルの向きを連結部の延在方向と合致させることによって、被清掃面に対す る洗浄液供給操作、及び清掃体による拭き清掃操作がやり易 ヽ構造が実現される。
[0019] 上記清掃用具における洗浄液供給部は、作業者による操作部の手動操作によって 洗浄液を加圧し、加圧状態の洗浄液を供給ノズルへと吐出するポンプ機構を用いて 構成するのが好ましい。このポンプ機構に関しては、作業者による操作部の手動操 作における押圧力を用いて駆動される機械式ものや、作業者による操作部の手動操 作に連動して作動する電動モータの駆動力によって駆動される電動式のものを適宜 採用することができる。また、操作部の手動操作に関しては、押圧ボタン式に構成さ れた操作部を押圧操作或いは引き操作する態様、スライドスィッチ式に構成された操 作部をスライド操作する態様などが挙げられる。
これにより、洗浄液を供給ノズルへと供給する手段としてポンプ機構を用いることが 可能となる。
[0020] 上記清掃用具における操作部は、把持部の下部に設け、当該把持部を把持した
作業者の指による引き操作によってポンプ機構が作動する構成とするのが好ましい。 ポンプ機構を作動させるのに作業者の指による引き操作を用いれば、操作部に加重 を付与し易い。また、把持部を把持する把持操作は、指による引き操作の延長線上 にあることから、把持部を把持した作業者は指による引き操作を円滑に行うことが可 能となる。なお、本構成に関しては、作業者が把持部を把持した際、当該作業者の 人差し指の腹に相当する部位に操作部が位置するように構成されるのが好ましい。 これにより、ポンプ機構を作動させる操作を作業者の指による操作部の引き操作に よって行うことが可能となる。
[0021] 上記清掃用具における操作部は、作業者の指が触る操作ボタンとして構成し、当 該操作ボタンと把持部との間に、作業者の指の侵入を防止する指侵入防止領域を備 える構成とするのが好ましい。ここでいう「指侵入防止領域」とは、操作ボタンと把持部 との間に作業者の手や指が引っ掛力つたり入り込んだりして作業に支障をきたすよう な凹みや空間が形成されないようにする領域として規定される。指侵入防止領域を 備える本構成は、典型的には、操作ボタンの把持部側に位置する基端の大きさが先 端の大きさよりも同じか若干大きくなるように構成し、且つ操作ボタンの基端の外縁部 分が先端の外縁部分に向けて概ね直線状に延在するように構成することによって実 現される。特に、ハンディ型の清掃用具においては、被清掃面の種類などが異なると 、把持部を把持する作業者の手や指の位置、手や指に加える把持力等が変化する こととなるゆえ、操作ボタンと把持部との間に不要な空間が形成された構成において は、作業者の手や指が操作ボタンに引っ掛力つたり当該空間に入り込んだりして、作 業に支障をきたすことが想定される。そこで操作ボタンと把持部との間に指侵入防止 領域を設けることが好適である。
これにより、作業に支障をきたすのを防止することが可能となる。
[0022] 上記清掃用具におけるポンプ機構は、操作部の一回の手動操作によって所定量 の洗浄液を供給ノズルへと吐出する構成とするのが好ましい。
これにより、作業者は操作部の一回の手動操作によって所定量の洗浄液を供給ノ ズルカ 被清掃面へと供給することが可能となる。なお、操作部の一回の手動操作あ たりの洗浄液吐出量の設定に関しては、被清掃面への洗浄液供給量の微調整が可
能となるように最小限度の吐出量とするのが好ましい。このような構成によれば、所望 量の洗浄液が被清掃面に供給されるまで手動操作を繰り返すことで、洗浄液が必要 以上に被清掃面に供給されるのを防止することができる。
[0023] 上記清掃用具における洗浄液供給部は、更に可変機構を備える構成とするのが好 ましい。この可変機構は、供給ノズル力 被清掃面に向けて供給する洗浄液の供給 態様を可変とする機能を有するのが特に好ま 、。ここで 、う「洗浄液の供給態様」と しては、洗浄液の供給量、供給範囲 (角度)、供給距離、供給面積などが挙げられ、 例えば洗浄液が供給ノズルカゝら噴射される構成にあっては、洗浄液の噴射量、噴射 範囲 (角度)、噴射距離、噴射面積などが、ここでいう洗浄液の供給態様に相当する 。可変機能の具体的な構成に関しては、スィッチ等の切り換えによって供給ノズル内 部の絞り孔の断面積が変更され、これによつて洗浄液の供給態様を変えるような構成 を採用することができる。
可変機構を用いることにより、被清掃面の汚れ度合い等の状況に応じて洗浄液の 供給態様を変更することができ、使い勝手のよい清掃用具を提供することが可能とな る。
[0024] 上記清掃用具における洗浄液供給部は、当該洗浄液供給部の外郭を形成するハ ウジングと、洗浄液を貯留する貯留タンクを備え、これらハウジング及び貯留タンクが アセンブリとして一体状に構成するのが好ましい。この貯留タンクは、ハウジングに専 用として設けられ洗浄液がタンク内に都度補充されるタイプのタンクとして構成されて もよいし、或いはタンクがハウジングに着脱自在に取り付けられる構成としておき、洗 浄液が無くなったとき貯留タンクごと新たな貯留タンクに交換が可能なカートリッジ式 のタンクとして構成されてもよい。このカートリッジ式のタンクの具体的な構成としては 、硬質榭脂によって成型された貯留容器のほか、バウチシート材料などによって形成 されたバウチタイプのボトル、更には洗浄液の貯留残量を視認可能な透明或 、は半 透明の榭脂材料によって形成された貯留容器などが挙げられる。
これにより、洗浄液供給部の外郭を形成するハウジングと、洗浄液を貯留する貯留 タンクが一体状に構成された清掃用具を提供することが可能となる。
[0025] 上記清掃用具における洗浄液供給部は、ハウジングの外周部分と貯留タンクの外
周部分とが面的に連続するように構成するのが好ま U 、。
ノ、ウジングの外周部分力も貯留タンクの外周部分にわたって面的に連続した形状 によって、ハウジングと貯留タンクとの一体感が高まる。
[0026] 上記清掃用具における洗浄液供給部は、ハウジングの断面形状と貯留タンクの断 面形状とが合致するように構成するのが好ま 、。
ハウジングの断面形状と貯留タンクの断面形状とが合致する形状によって、ハウジ ングと貯留タンクとの一体感が高まる。
[0027] 上記清掃用具における洗浄液供給部は、ハウジングの外表面と貯留タンクの外表 面とが同系色とされた構成とするのが好ましい。ここでいう「同系色」に関しては、同一 の色はもちろん、同種の色であれば、本発明における同系色の範疇に含まれる。具 体的には、暖色同士、寒色同士、白色と乳白色、透明と半透明などを、互いに同系 色として規定することができる。
ノ、ウジングの外表面と貯留タンクの外表面とを同系色とする構成によって、ハウジン グと貯留タンクとの一体感を更に高めることが可能となる。
[0028] 上記清掃用具における洗浄液供給部は、当該洗浄液供給部の外郭を形成する長 尺状のハウジングを備える構成とするのが好ましい。そして、この長尺状のハウジング は、把持部に取り付けられることでこの把持部に補助的に付加される補助把持部とし て構成するのが特に好ましい。
これにより、把持部とこの把持部に設けられる補助把持部とによって、作業者が把 持可能な領域を広範囲に確保することが可能となる。
[0029] 上記清掃用具における長尺状のハウジングは、把持部に対し着脱自在とされた構 成とするのが好ましい。そして作業者による清掃作業に際し、第 1の使用モードと、第 2の使用モードに設定可能とするのが好ましい。第 1の使用モードは、把持部に装着 された長尺状のハウジングの補助把持部を、作業者が把持して使用する使用モード として規定される。この第 1の使用モードでは、当該清掃用具が洗浄液供給機能を有 するため、洗浄液を供給した被清掃面を清掃体で一度拭く事で、その後、当該清掃 体はそのシート表面が湿潤状態とされたウエットタイプの清掃体として使用される。一 方、第 2の使用モードは、長尺状のハウジングが脱着された把持部を、作業者が把持
して使用する使用モードとして規定される。この第 2の使用モードでは、当該清掃用 具が洗浄液供給機能を有しな 、ため、清掃体はそのシート表面がドライタイプの清掃 体として使用される。
これにより、被清掃面の汚れの種類等の状況に応じて使用モードを使い分けること ができ、使い勝手のよい清掃用具を提供することが可能となる。また、第 2の使用モ ードで用いる、長尺状のハウジングが把持部力 脱着された状態の清掃用具を最終 製品とした場合には、この清掃用具を第 1の使用モードで用いる洗浄液供給機能付 きの製品に転用することができ合理的である。
[0030] 上記清掃用具における把持部は、当該把持部の長尺方向に沿って形成される二 つの係止部を備える一方、長尺状のハウジングは、当該ハウジングの長尺方向に配 設されて各係止部に係止が可能とされた二つの係止フックを備える構成とするのが 好ましい。そして、これら二つの係止フックを各係止部に係止することで、長尺状のハ ウジングが把持部に装着された状態が形成される構成とするのが好ましい。なお、こ こでいう「係止」に関しては、一方が他方に対し引っ掛かる、或いは嵌まり合う等によ つて、互いに止着される態様を広く包含する。従って、係止フックが係止される係止 部の具体的な構成に関しては、穴、溝、スリットなどが挙げられる。また、二つの係止 部は、各々が別個の穴のように独立した構成であってもよいし、或いは単一の穴の縁 部によって兼用とされた構成であってもよい。また、上記清掃用具は、少なくとも二つ の係止部と、少なくとも二つの係止フックを備える構成であればよぐ更に別の係止部 や係止フックが追加された構成としてもよ!/、。
把持部の長尺方向に沿って形成される二つの係止部を設けることによって、長尺 状のハウジングが把持部に装着された状態を安定させることが可能となる。
[0031] 上記清掃用具の構成において、二つの係止部のうちの一方の係止部に係止される 第 1の係止フックと、他方の係止部に係止される第 2の係止フックを備えるのが好まし い。そして、他方の係止部における第 2の係止フックの係止解除の状態で一方の係 止部に第 1の係止フックを係止させたのち、当該係止状態を維持しつつ第 2の係止フ ックが他方の係止部に近接する方向に長尺状のハウジングを回動させ、この回動動 作によって第 2の係止フックが他方の係止部に係止される構成とするのが好ましい。
一方の係止部に第 1の係止フックを係止させて把持部に対する長尺状のハウジン グの位置決めを行ったのち、当該係止状態を維持しつつ長尺状のハウジングを回動 させることによって、第 2の係止フックを他方の係止部に係止させることができるため、 長尺状のハウジングを把持部に装着する操作を簡便且つ確実に遂行することが可 能となる。
[0032] 上記清掃用具における一方の係止部は、把持部の長尺方向に沿って長手状に形 成される長穴として構成し、第 1の係止フックは、その先端が長穴の長手方向に沿つ て突出する構成とするのが好ましい。そして、第 1の係止フックを長穴の長手方向に 相対移動させ、この相対移動動作によって当該第 1の係止フックが長穴に係止される 構成とするのが好ましい。
第 1の係止フックを長穴の長手方向に相対移動させることによって、第 1の係止フッ クを長穴に係止させることができるため、把持部に対する長尺状のハウジングの位置 決め操作を簡便且つ確実に遂行することが可能となる。
[0033] 上記清掃用具の構成において、一方の係止部としての長穴は、一端側の縁部にて 第 1の係止フックを係止するとともに、更に他端側の縁部にて第 2の係止フックを係止 する構成とするのが好ましい。すなわち、第 2の係止フックを係止する他方の係止部 は、一方の係止部としての単一の長穴の縁部を用いて構成するのが好まし 、。
これにより、単一の長穴の縁部によって二つの係止部を兼用させることができ合理 的である。
[0034] 上記清掃用具において、連結部は曲線状に形成され、長尺状のハウジングは、供 給ノズル側が最低所となるとともに連結部の形状に倣った曲線状となるように構成す るのが好ましい。特に、連結部は、清掃体の上部方向に向かって凸状となるように、 換言すれば、当該連結部の下方に凹状空間が形成されるような曲線状に形成する のが好ましい。このような構成によれば、連結部の下方に洗浄液供給部を配置する 場合に、供給ノズルの配置が容易となるので合理的である。
そして長尺状のハウジングを連結部の形状に倣った曲線状とすることによって清掃 用具の外形内に不要な空間が形成されるのを抑えることでき、清掃用具全体のコン パクトイ匕を図るのに有効である。
[0035] 上記清掃用具における保持部、把持部及び連結部は、いずれも榭脂成型によって 構成するのが好ましい。これにより清掃用具全体の軽量ィ匕向上を図ることが可能とな る。
[0036] 上記清掃用具における保持部、把持部及び連結部は一体成型するのが好ましい。
これにより、清掃用具の製造に関するコストを抑えることが可能となる。
[0037] 本発明によれば、被清掃面の拭き清掃を行うシート状の清掃体を備える清掃用具 にお 、て、特に被清掃面に向けて直に洗浄液を供給可能な供給ノズルを有する洗 浄液供給部を取り付けることによって、清掃効果向上を図ることが可能となった。 発明を実施するための最良の形態
[0038] 以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図 1〜図 5 を用いて、本発明における「清掃用具」の一実施の形態である清掃用具 10の構成に つき説明する。
[0039] 本実施の形態の清掃用具 10の側面図が図 1に示され、図 1中の清掃用具 10の平 面図が図 2に示される。図 1及び図 2に示すように、清掃用具 10は、互いに組み付け が可能な第 1構成体 100及び第 2構成体 200に大別される。詳細については後述す るが、第 1構成体 100は、清掃シート 110が清掃シート保持体 120の先端側に取り付 けられた構成とされる。
[0040] 一方、第 2構成体 200のハウジング 200aは、概ね筒状に形成されており、後端側 力 順に、タンクハウジング 210、ポンプハウジング 230、吐出ハウジング 250に大別 される。この第 2構成体 200の外郭を形成するハウジング 200aは、清掃用具 10を用 Vヽて清掃作業を行う作業者が手で掴んで操作する操作部分 (ハンドル部分)として構 成される。詳細については後述する力 ポンプハウジング 230には、ハウジング下部 に設けられた操作ボタン 232に手動操作に伴って、タンクハウジング 210内の貯留タ ンクに貯留された洗浄液を吸入して高圧化し、吐出するポンプ機構が搭載されて ヽ る。このポンプ機構から吐出された洗浄液は、吐出ハウジング 250に形成された吐出 経路を通じて噴射ノズル 252から噴射される。ここでいう噴射ノズル 252が、本発明に おける「供給ノズル」に相当する。噴射ノズル 252から噴射される洗浄液として、床面 洗浄用の洗剤、つや出しワックスを含む洗剤、芳香剤を含む洗浄液、消臭剤を含む
洗浄液のほか、これら各液を水で希釈したもの、或いは水自体などを用いることがで きる。
[0041] 本実施の形態において、ハンドル本体 141の長尺方向の延在線 L1と清掃シート 1 10のシート平面に関する法線 L2とが所定の交差角度をもって交差するように構成さ れている。図 1中に示す例では、この交差角度がほぼ 90度となるように構成されてい る。また、本実施の形態では、保持体本体部 130と連結部 141a (ハンドル本体 141) との連接領域が清掃シート 110の後端(図 1中の清掃シート 110の右端)に概ね合致 する構成とされる。また本構成にカ卩えて、保持体本体部 130、連結部 141a、ハンドル 本体 141の三者が一体固定状として構成されており、これにより本実施の形態の清 掃用具 10は、ハンドル本体 141から連結部 141a介して保持体本体部 130までの長 さが所定の範囲に限られ作業者が片方の手で保持しつつ清掃作業が可能な、いわ ゆる「ハンディ型」の清掃用具として特定される。
[0042] また、本実施の形態にお!、て、噴射ノズル 252は、ハンドル本体 141の下方であつ て連結部 141aの後方に位置し、更に設置高さ方向に関しては、清掃シート 110のシ ート下面よりも上方であって、且つ保持体本体部 130の延在線 L3と連結部 141aの 延在線 L4とが交差する高さ領域に位置するように構成されている。更に、本実施の 形態では、噴射ノズル 252の向きが連結部 141aの延在線 L4 (本発明における連結 部の延在方向に相当する)と合致する構成とされる。本発明においてこの噴射ノズル 252の数、設置位置、向きなどは、必要に応じて適宜変更可能である。例えば、噴射 ノズル 252に相当する供給ノズルを、連結部 141aよりも前方に配置する構成や、保 持体本体部 130の先端や後端に設ける構成などを採用することもできる。
[0043] また、この第 2構成体 200のハウジングの上部には、第 1の係止フック 201及び第 2 の係止フック 202が前後方向に直線状に設けられて 、る。これら第 1の係止フック 20 1及び第 2の係止フック 202は、第 1構成体 100の清掃シート保持体 120に長手状に 貫通された長穴 (被係合穴) 142との係合が可能な構成になっている。本構成によつ て、単一の長穴 142に第 1の係止フック 201及び第 2の係止フック 202を係止させる ことによって、第 1構成体 100の清掃シート保持体 120が第 2構成体 200側に保持さ れることとなる。
[0044] 具体的には、第 1の係止フック 201及び第 2の係止フック 202は、いずれもゴムゃ榭 脂などの弾性材料力もなるとともに、第 1の係止フック 201が先端部 201a側へと突出 し、第 2の係止フック 202が後端部 202a側へと突出している。また、第 1の係止フック 201の基端部前面と第 2の係止フック 202の基端部背面との間の距離 (図 1中の距離 d2)は、長穴 142の長手方向の長さ(図 2中の距離 dl)とほぼ同じか若干大きぐ第 1 の係止フック 201の先端部 201aと第 2の係止フック 202の後端部 202aとの間の距離 (図 1中の距離 d3)は、長穴 142の長手方向の長さ(図 2中の距離 dl)よりも大きくな るように構成されている。
[0045] 従って、第 1構成体 100の清掃シート保持体 120を第 2構成体 200側に取り付ける 場合には、第 1の係止フック 201を長穴 142の前端 142aに係止させ、第 2の係止フッ ク 202を長穴 142の後端 142bに係止させることによって、第 1の係止フック 201及び 第 2の係止フック 202の弾性付勢力が清掃シート保持体 120の前後方向及び下方に 作用し、加締作用によって当該清掃シート保持体 120を第 2構成体 200側に確実に 保持することが可能となる。
[0046] ここでいう第 1の係止フック 201が、本発明における「係止フック」及び「第 1の係止フ ック」に相当し、第 2の係止フック 202が、本発明における「係止フック」及び「第 2の係 止フック」に相当する。また、長穴 142が、本発明における「長穴」に相当し、長穴 14 2の前端 142aが「係止部」及び「一方の係止部」に相当し、長穴 142の後端 142bが「 係止部」及び「他方の係止部」に相当する。
[0047] ここで、上記の第 2構成体 200の内部構造を図 3を用いて説明する。図 3は、本実 施の形態の第 2構成体 200の内部構造の概要を示す図である。なお、この図 3は、操 作ボタン 232が押圧操作されて 、な 、初期状態を示して!/、る。
[0048] 図 3に示すように、タンクハウジング 210には、洗浄液を貯留するための貯留タンク 212、この貯留タンク 212の洗浄液をポンプハウジング 230のポンプ機構 240へと供 給する供給用チューブ 214、貯留タンク 212を密閉するとともに、後端に空気孔 217 を備えるタンクキャップ 216、タンクキャップ 216に取り付けられた弁機構 220が設け られている。ここでいぅ貯留タンク 212が、本発明における「貯留タンク」に相当する。 この貯留タンク 212は、第 2構成体 200の外郭を形成するハウジング 200a或いはタ
ンクハウジング 210とともにアセンブリとして一体状に構成される。
[0049] また、本実施の形態では、タンクハウジング 210の外周部分と貯留タンク 212の外 周部分とが面的に連続し、またタンクハウジング 210の断面形状とタンクハウジング 2 10の断面形状が、円或いは楕円形状として概ね合致するように構成されるのが好ま しい。更に、本実施の形態では、タンクハウジング 210の外表面と貯留タンク 212の 外表面とが同系色とされた構成であるのが好ましい。こでいう「同系色」に関しては、 同一の色はもちろん、同種の色であれば、ここでいう同系色の範疇に含まれる。具体 的には、暖色同士、寒色同士、白色と乳白色、透明と半透明などを、互いに同系色と して規定することができる。このような好ましい構成によれば、タンクハウジング 210と 貯留タンク 212との一体感を高めることが可能となる。
[0050] タンクキャップ 216は、タンクハウジング 210のハウジング本体との間で螺合式とさ れており、タンクキャップ 216をねじ込み方向へと回転させることでノヽウジング本体に 装着が可能とされる一方、ねじ込み方向と反対方向へと回転させることによってハウ ジング本体力もの脱着が可能とされる。なお、タンクキャップ 216の螺合部分をはじめ 、ポンプ機構 240や噴射ノズル 252などにぉ ヽて洗浄液が流れる部位での連結部分 には、洗浄液の漏れ防止用のオーリング(図示省略)が装着されるのが好ましい。こ のオーリングの材質は、使用する洗浄液の耐液性などに基づいて適宜設定され、典 型的にはゴム材料ゃ榭脂材料とすることができる。弁機構 220は、タンクキャップ 216 の空気孔 217と連通する連通孔 221と、この連通孔 221を開閉可能な弁体 222を備 える。この弁体 222は、典型的にはシリコン材料やゴム材料によって成型された弁体 として構成される。
[0051] また、図 3に示すように、ポンプノヽウジング 230に収容されたポンプ機構 240は、吸 入口 241、流通路 242、加圧部材 243、吐出口 244、金属製或いは榭脂製の第 1ボ ール体 245及び第 2ボール体 246、金属製或いは榭脂製のコイルパネ 247, 248, 2 49を少なくとも備える。このポンプ機構 240は、操作ボタン 232の手動操作時におけ る加重によって作動する機械式のポンプ機構であり、「手動式ポンプ」或いは「機械 式ポンプ」とも称呼される。このポンプ機構 240が、本発明における「ポンプ機構」に 相当する。
[0052] 吸入口 241は、供給用チューブ 214を通じて供給された洗浄液を流通路 242へと 吸入する部位として構成される。流通路 242は、吸入口 241から吸入された洗浄液 が流通する流通部分として構成される。加圧部材 243は、流通路 242の洗浄液を操 作ボタン 232に押圧操作に伴って加圧(「圧縮」とも 、う)するための部材として構成さ れる。吐出口 244は、加圧部材 243によって加圧された洗浄液を流通路 242から吐 出する部位として構成される。コイルパネ 247は、第 1ボール体 245を吸入口 241の 閉鎖方向(図 3中の右方向)へと弾性付勢するためのパネ部材として構成される。コィ ルバネ 248は、加圧部材 243を操作ボタン 232の押圧操作解除方向(図 3中の下方 向)へと弾性付勢するためのパネ部材として構成される。コイルパネ 249は、第 2ボー ル体 246を吐出口 244の閉鎖方向(図 3中の右方向)へと弾性付勢するためのパネ 部材として構成される。従って、操作ボタン 232が押圧操作されていない初期状態で は、第 1ボール体 245は、コイルパネ 247の弾性付勢力にしたがって吸入口 241を 閉鎖する一方、第 2ボール体 246は、コイルパネ 249の弾性付勢力にしたがって吐 出口 244を閉鎖する。
[0053] また、図 3に示すように、吐出ハウジング 250には、吐出口 244から吐出された洗浄 液を、ハウジング先端に取り付けられた噴射ノズル 252へと誘導する誘導用チューブ 251を備える。この誘導用チューブ 251及び前記の供給用チューブ 214は、柔軟性 を有する材料、典型的には、シリコン榭脂、ポリウレタン榭脂 (PU)、ポリエチレン榭脂 (PE)などを用いて構成されるのが好ましい。この誘導用チューブ 251を通じて噴射 ノズル 252へと誘導された洗浄液は、噴射ノズル 252内の絞り孔 253を通じて所望の 被清掃部分へと噴射されることとなる。この噴射ノズル 252内の絞り孔 253は、斜め前 方へ向けて配置されている。
[0054] 上記のよう【こ、貯留タンク 212、ポンプ機構 240、噴射ノズノレ 252のよう【こ、タンクノヽ ウジング 210、ポンプハウジング 230、吐出ハウジング 250に収容され或いは取り付 けられた各構成部材によって、本発明における「洗浄液供給部」が構成される。
[0055] 次に、第 1構成体 100の詳細な構成を、図 4及び図 5を参照しながら説明する。図 4 は、本実施の形態の第 1構成体 100の構成を示す斜視図であり、図 5は、図 4中の清 掃シート保持体 120を保持体本体部 130とハンドル部 140に分離した状態を示す斜
視図である。
[0056] 図 4に示すように、第 1構成体 100は、清掃シート 110と清掃シート保持体 120に大 別される。
[0057] 清掃シート 110は、清掃シート本体 111の上面に接合シート 112が接合された構成 とされる。また、この清掃シート 110は、洗浄液をはじめとする液体を吸収する液体吸 収機能と、拭き清掃にお!ヽて被清掃面 S上の汚れを搔き取る汚れ搔き取り機能を有 するシート状の清掃体として構成されるのが好ましい。清掃シート 110を構成する清 掃シート本体 111及び接合シート 112に関しては、典型的には熱溶融性繊維からな る不織布を使用することができる。熱溶融繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン 、ポリエチレンテレフタレート等を使用することができる。不織布としては、エアースル 一法、スパンボンド法、スパンレース法等によるものを使用することができる。また、清 掃シート 110を構成する液体吸収機能を有するシートに関しては、典型的には水分 を含んで膨潤する性質のある、ノルプ、レーヨン、コットン等のセルロース系繊維等を 使用することができる。この際、清掃シート本体 111と熱融着により接合する必要のあ る場合は、例えば、パルプ繊維と熱溶融繊維とをエアレイド法で積層してなる不織布 を使用することができる。また、清掃シート 110を構成する汚れ搔き取りシートに関し ては、典型的にはトウを開繊してなる繊維束や、分割性繊維による不織布を使用する ことができる。なお、この清掃シート 110の構成要素の種類や数等に関しては、上記 の例に限定されるものではなぐ必要に応じて種々選択が可能である。この清掃シー ト 110は、長方形状に構成されるとともに、その長辺がハンドル本体 141 (ハウジング 200a)の尺方向線上に延在するように配置される。この清掃シート 110が、本発明に おける「シート状の清掃体」に相当する。
[0058] また、清掃シート本体 111及び接合シート 112は、清掃シート 110の中央部分を前 後方向へと長手状に延在する中央溶着線 113と、この中央溶着線 113の両側に間 隔 W1を空けて平行状に延在する左右一対の側部装着線 114, 114にて溶着接合さ れている。これによつて、中央溶着線 113と各側部装着線 114との間には、前後方向 へと長手状に延在する保持空間 115が形成されている。この各保持空間 115は、後 側が後方開口端 115aにて開口され、前側が前方開口端 115bにて開口された空間
として構成される。各保持空間 115は、後述する保持体本体部 130の保持板 132が 挿入される空間部分となる。更に、清掃シート本体 111及び接合シート 112は、中央 溶着線 113と各側部装着線 114との間に形成された狭幅溶着線 116にて溶着接合 されている。これにより、各保持空間 115には、前後方向に関する中央領域において 間隔 W2 «W1)の狭幅部 117と、その前後の領域にお!、て間隔 W1の広幅部 118 が形成される。
[0059] なお、清掃シート 110は、洗浄液を用いて清掃作業を行う、或 、は液体の存在する 部位の清掃作業を行う場合と、洗浄液を用いないで清掃作業を行う、或いは乾いた 部位の清掃作業を行う場合とで取り替えるのが好まし 、。洗浄液を用いて清掃作業 を行う、或いは液体の存在する部位の清掃作業を行う場合には、この清掃シート 110 として、被清掃面 Sに洗浄液や他の液体が存在する湿式条件下にお ヽて汚れを効 果的に落とすのに有効な湿式タイプの清掃シートを用いることができる。一方、洗浄 液を用いないで清掃作業を行う、或いは乾いた部位の清掃作業を行う場合には、こ の清掃シート 110として、被清掃面 Sに液体が殆ど存在しな 、乾式条件下にお 、て 汚れを効果的に落とすのに有効な乾式タイプの清掃シートを用いることができる。こ の清掃シート 110により拭き清掃される被清掃面 Sとしては、一戸建て、マンション、ビ ル、工場、車両等の屋内や屋外における被清掃面 (床面、壁面、天井面、外壁面、 家具面、衣類、カーテン、寝具など)や、人体の各構成部位における被清掃面等が 挙げられる。ここでいう被清掃面 Sが、本発明における「被清掃面」に相当する。
[0060] 清掃シート保持体 120は、保持体本体部 130及びノヽンドル部 140からなる。ハンド ル部 140は、長尺状に延在するハンドル本体 141と、このハンドル本体 141と保持体 本体部 130との間に介在する連結部 141aを備える。このハンドル本体 141に前記の 長穴 142が設けられている。連結部 141aは、ハンドル本体 141と保持体本体部 130 を固定状に連結する部位であり、この連結部 141aが、本発明における「連結部」を構 成している。詳細については後述する力 本実施の形態では、榭脂材料にて成型さ れた保持体本体部 130と、榭脂材料にて成型されたノヽンドル部 140 (ハンドル本体 1 41及び連結部 141a)力 成型後に一体状に組み付けられた構造になっている。本 構成によれば、清掃用具全体の軽量ィ匕向上を図るとともに、清掃用具の製造に関す
るコストを抑えることが可能となる。なお、本構成にかえて、保持体本体部 130及びハ ンドル部 140 (ハンドル本体 141及び連結部 141a)を一体成型とする構成や、保持 体本体部 130、ハンドル本体 141及び連結部 141aのいずれか二つを一体成型とす る構成を採用したり、或いは各々を独立して成型されたものを固定状に組み付ける構 成を採用してもよい。
[0061] また、この連結部 141aは、保持体本体部 130側が最低所となるような曲線状に形 成されている。本実施の形態では、この連結部 141aの形状に倣って、第 2構成体 20 0のハウジング 200aの形状が構成されている。具体的には、ハウジング 200aを構成 する吐出ハウジング 250は、噴射ノズル 252側が最低所となるような曲線状に構成さ れている(図 1参照)。本構成によれば、ハウジング 200aを連結部 141aの形状に倣 つた曲線状とすることによって清掃用具 10の外形内に不要な空間が形成されるのを 抑えることでき、清掃用具 10全体のコンパクトィ匕を図るのに有効である。また、連結部 141aは、清掃シート 110の上部方向に向力つて凸状となるように、換言すれば、当 該連結部 141aの下方に凹状空間が形成されるような曲線状に形成されている。この ような構成によれば、連結部 141aの下方に洗浄液供給部分を配置する場合に、噴 射ノズル 252の配置が容易となるので合理的である。
[0062] 保持体本体部 130は、清掃シート 110に取り付けられたこの清掃シート 110を着脱 自在に保持する機能を有する部位であり、本発明における「保持部」に相当する。こ の保持体本体部 130には、ハンドル部 140側の基部 131に左右一対の保持板 132 , 132、及び押え板 134が設けられている。左右一対の保持板 132, 132は、基部 1 31から前方に向けて所定の間隔を空けて平行状に延在する長手状の板部材として 構成される。すなわち、保持体本体部 130は、その先端が二股状に分かれたフォー ク形状となっている。各保持板 132の横幅は、長手方向に関し一定或いは先端に向 けて狭幅状に設定される。また、各保持板 132には、その外側縁部の前後 2箇所に 突部 133, 133が設けられている。各突起 133は、保持板 132の外側に向けて突出 しており、その突出面が凸曲線形状とされている。押え板 134は、左右一対の保持板 132, 132に間において前方へと延在するとともに、下側に向けて凸形状となるように 湾曲して形成される板状部材として構成され、更にその下面に係止突起(図示省略)
を備える。
[0063] 各保持板 132は、前記の各保持空間 115に挿入が可能とされており、この挿入状 態において清掃シート 110を保持する機能を有する。また、各保持板 132は、突起 1 33が設けられている部位の横幅が広幅部 118の間隔 W1に相当する寸法とされてお り、突起 133が設けられて 、な 、部位の横幅が狭幅部 117の間隔 W2に相当する寸 法とされており、この挿入状態においては、各保持板 132が各保持空間 115内に密 着状に摺接して嵌まり込み、清掃シート 110に対し止着作用を付与する。更に、この 挿入状態においては、押え板 134が清掃シート 110を上方力も押えつけるとともに、 その下面に設けられた係止突起が清掃シート 110の抜け止めとして作用する。これ により、各保持板 132を各保持空間 115に挿入した挿入状態では、清掃シート 110 が保持体本体部 130によって確実に保持されることとなる。
[0064] また、図 5に示すように、上記の保持体本体部 130及びノヽンドル部 140は、各々が 榭脂成型後に一体状に組み付けられるように構成されており、また互いに分離可能 に構成されている。保持体本体部 130は、基部 131の後端側に被嵌合板 131aを備 える一方、ハンドル部 140は、ハンドル本体 141の前端側に第 1嵌合板 143及び第 2 嵌合板 144を備える。また、第 1嵌合板 143と第 2嵌合板 144との間には、被嵌合板 13 laが嵌まり込み可能な嵌合空間 145が形成されるとともに、この嵌合空間 145に は、第 1嵌合板 143の凹部 131bに係合可能な凸部(図示省略)が設けられている。 このような構成において、被嵌合板 131aを嵌合空間 145に嵌め込んだ場合には、こ の被嵌合板 131aを第 1嵌合板 143及び第 2嵌合板 144が上下から挟持し、更に第 1 嵌合板 143の凹部 131bに嵌合空間 145の凸部が係合することで、保持体本体部 1 30とハンドル部 140との間に止着作用が付与される。一方、保持体本体部 130及び ハンドル部 140が互いに止着された状態において、当該止着力よりも大きい引っ張り 力にて両者を離間方向に引っ張ることによって、これら保持体本体部 130及びノヽンド ル部 140を分解することが可能となる。
[0065] なお、上記清掃用具 10を構成する構成部材の材質に関しては、清掃作業におけ る作業者の操作性等を勘案した場合、軽量の榭脂材料を主体として用いるのが好ま しい。例えば、清掃シート保持体 120、タンクハウジング 210、ポンプハウジング 230
、操作ボタン 232、吐出ハウジング 250、噴射ノズル 252を、ポリプロピレン榭脂(PP) 、ポリエチレン榭脂(PE)、アクリロニトリル 'ブタジエン 'スチレン榭脂(ABS)、ポリア セタール榭脂(POM)、ポリアミド榭脂(PA)、ポリカーボネート榭脂(PC)等によって 構成することができる。
[0066] ここで、上記清掃用具 10を構成する第 2構成体 200の動作を図 6〜図 8を用いて説 明する。図 6は、本実施の形態の清掃用具 10の側面図であって、操作ボタン 232が 押圧操作された場合の第 2構成体 200の内部構造をあわせて示す図である。また、 図 7は、本実施の形態の清掃用具 10の平面図であって、操作ボタン 232が押圧操 作された場合の第 2構成体 200の内部構造をあわせて示す図である。また、図 8は、 本実施の形態の清掃用具 10の側面図であって、操作ボタン 232が押圧操作解除さ れた直後の第 2構成体 200の内部構造をあわせて示す図である。
[0067] 図 6に示すように、作業者によって操作ボタン 232が手動操作 (指による「押圧操作 」或いは「引き操作」とも ヽぅ)されると、コイルパネ 248の弾性付勢力に抗して移動す る加圧部材 243によって流通路 242の洗浄液が加圧される。この操作ボタン 232は、 作業者の指が触る操作ボタンとして構成され、更に操作ボタン 232とポンプハウジン グ 230 (ハウジング 200a)との間に、作業者の指の侵入を防止する指侵入防止領域 を備える構成とされる。指侵入防止領域を備える本構成は、典型的には、操作ボタン 232のポンプハウジング 230側に位置する基端の大きさが先端の大きさよりも同じか 若干大きくなるように構成し、且つ操作ボタン 232の基端の外縁部分が先端の外縁 部分に向けて概ね直線状に延在するように構成することによって実現される。このよう な構成によれば、操作ボタン 232の先端と基端との間に、作業者の手や指が引っ掛 力つたり入り込んだりして作業に支障をきたすような不要な凹みや空間が形成されな いため、作業に支障をきたすのを防止することが可能となる。ここでいう操作ボタン 23 2が、本発明における「操作部」及び「操作ボタン」に相当する。なお、この操作ボタン 232の構成に関し、作業者による手動操作性を考慮した場合、 10[N]程度の加重に よって操作ボタン 232が作動するように構成するのが好ましい。本構成は、加圧部材 243を操作ボタン 232の押圧操作解除方向へと弾性付勢するコイルパネ 248の弾性 付勢力を適宜設定することによって可能となる。
[0068] 加圧部材 243による洗浄液の加圧状態では、流通路 242の圧力が貯留タンク 212 及び誘導用チューブ 251よりも高圧化される。これにより、第 1ボール体 245は、コィ ルバネ 247の弾性付勢力にしたがって吸入口 241を閉鎖している。また、弁機構 22 0に関しては、操作ボタン 232が押圧操作されている場合には、連通孔 221は弁体 2 22によって閉鎖される。この弁機構 220は、貯留タンク 212内に空気を供給すること ができるが、貯留タンク 212内の洗浄液が漏れ出すのを防止する機能を有している。 従って、この弁機構 220における構造は、「逆止弁構造」或いは「逆流防止弁構造」と も称呼される。従って、流通路 242にて加圧された洗浄液は、吐出口 244から誘導用 チューブ 251へと吐出されこの誘導用チューブ 251を通じて噴射ノズル 252へと誘導 されて、絞り孔 253から被清掃面 Sに向けて噴射される。この場合、操作ボタン 232の 1回の手動操作に対応したほぼ一定量の洗浄液が噴射されることとなる。このときの 洗浄液の噴射量は、清掃シート 110による一回の拭き操作に応じて設定されるのが 好ましぐ例えば 1. 0[cc]程度を目安として噴射量を適宜設定することができる。 絞り孔 253から噴射されたこの洗浄液は、図 6及び図 7に示すように、被清掃面 Sの うち清掃シート保持体 120の先端側に取付けられた清掃シート 110下方の噴射領域 (「噴霧領域」ともいう) S1に向けて前斜め下方へと噴射される。
[0069] その後、作業者による操作ボタン 232の押圧操作が解除(「解放」とも 、う)されると 、加圧部材 243がコイルパネ 248の弾性付勢力にしたがって移動することで流通路 2 42の圧力が低下する。この状態では、流通路 242の圧力が貯留タンク 212及び誘導 用チューブ 251よりも低圧化される。これにより、図 8に示すように、第 1ボール体 245 は、コイルパネ 247の弾性付勢力に抗して吸入口 241の開放方向(図 8中の左方向) へと移動して当該吸入口 241を開放する一方、第 2ボール体 246は、コイルパネ 249 の弾性付勢力にしたがって吐出口 244の閉鎖方向(図 8中の右方向)へと移動して 当該吐出口 244を閉鎖する。また、弁機構 220に関しては、操作ボタン 232が押圧 操作解除された直後は、弁体 222が連通孔 221を開放し、タンクキャップ 216の空気 孔 217及び連通孔 221を通じて外部の空気が貯留タンク 212内へと導入される。従 つて、貯留タンク 212内の洗浄液は、噴射された量に相当する量が流通路 242へと 導入され、貯留タンク 212内には外部から導入された空気による空間が形成されるこ
ととなる。そして、操作ボタン 232が図 3に示す初期状態をまで復帰すると、流通路 2 42の圧力が貯留タンク 212及び誘導用チューブ 251の圧力とほぼ均等になり、連通 孔 221は弁体 222によって再び閉鎖される。
[0070] 力べして、被清掃面 Sの噴射領域 S1に所望量の洗浄液が噴射されることとなる。な お、操作ボタン 232の上記押圧操作及び押圧解除操作を繰り返すことによって、洗 浄液の噴射量が足りな 、場合などにおける追加の洗浄液噴射が可能となる。その後 、作業者は、洗浄液が噴射された噴射領域 S1及びその周辺領域を清掃シート 110 によって拭き取る作業を作業者が行うことによって、被清掃面 Sに付着した汚れや砂 埃などの清掃作業が可能となる。
[0071] なお、上記構成の清掃用具 10は、第 1構成体 100に第 2構成体 200が装着(「組み 付け」ともいう)された第 1の使用モードと、第 1構成体 100から第 2構成体 200が脱着 (「分離」ともいう)された第 2の使用モードに設定可能である。ここで、図 9〜図 12を用 いて、本実施の形態の清掃用具 10の第 1の使用モード及び第 2の使用モードについ て説明する。図 9には、第 1構成体 100から第 2構成体 200が脱着された状態を側方 カゝらみた様子が示される。また、図 10〜図 12には、第 1構成体 100に第 2構成体 20 0が装着される過程を側方からみた様子が示される。
[0072] 本実施の形態の清掃用具 10は、前述の図 1〜図 8を用いて前述した第 1の使用モ ードと、図 9に示すような第 2の使用モードに設定可能とされる。第 1の使用モードに おいては、第 1構成体 100及び第 2構成体 200を互いに装着状態として用い、ハンド ル本体 141に装着された第 2構成体 200のハウジング 200aを作業者が把持すること によって清掃作業を行うことが可能となる。特に、ハンドル本体 141とこのハンドル本 体 141に設けられる第 2構成体 200のハウジング 200aとによって、作業者が把持可 能な領域を広範囲に確保することが可能となる。一方、第 2の使用モードにおいては 、第 1構成体 100自体を単独で用い、第 2構成体 200のハウジング 200aが脱着され たハンドル本体 141を作業者が把持することによって清掃作業を行うことが可能とな る。この清掃作業に際しては、清掃シート 110として乾式タイプの清掃シートを用いる のが好ましい。
なお、この場合のハンドル本体 141が本発明における「把持部」に相当する一方、
第 2構成体 200のハウジング 200aは、ハンドル本体 141に補助的に付加される把持 領域を形成するものであり、この第 2構成体 200のハウジング 200aが、本発明におけ る「補助把持部」に相当する。
[0073] 分離状態の第 1構成体 100及び第 2構成体 200を互いに組み付ける場合には、ま ず図 10に示すように、第 2構成体 200を第 1構成体 100の下方に配置したうえで、第 1構成体 100の長穴 142に第 1の係止フック 201及び第 2の係止フック 202が近接す るように第 2構成体 200を前斜め上方へと移動させる(第 1ステップ)。
そして、図 11に示すように、長穴 142の後端 142bにおける第 2の係止フック 202の 係止解除の状態で長穴 142の前端 142aの縁部にて第 1の係止フック 201を係止さ せる(第 2ステップ)。この係止動作に関しては、第 1の係止フック 201の各部位のうち 前方へと突出する先端部 201aが、長穴 142の前端 142aの後方から引っ掛力るよう に、第 1構成体 100及び第 2構成体 200を相対移動させる。この相対移動動作によつ て第 1の係止フック 201が、長穴 142の前端 142aの縁部にて係止される。
[0074] 更に、当該係止状態を維持しつつ第 2の係止フック 202が長穴 142の後端 142bに 近接する方向(図 11中の矢印方向)に第 2構成体 200を回動させる (第 3ステップ)。 第 2の係止フック 202が長穴 142の後端 142bに近接したとき、長穴 142の前端 142a に第 1の係止フック 201が更に押し付けられるように第 2構成体 200を後方力も押圧 し、第 2の係止フック 202の後端部 202aをその弾性付勢力に抗して前方へと押し倒 しつつ、当該第 2の係止フック 202を長穴 142の後端 142bに係合させる(第 4ステツ プ)。このとき図 12に示すように、第 2の係止フック 202の上部が長穴 142の後端 142 bに係合するため、更に図 12中の矢印方向に第 2構成体 200を回動させることによつ て、図 1等に示すように第 1の係止フック 201が長穴 142の前端 142aの縁部にて係 止され、且つ第 2の係止フック 202が長穴 142の後端 142bの縁部にて係止された状 態が形成される (第 5ステップ)。カゝくして、第 1構成体 100及び第 2構成体 200を互い に組み付けられることとなる。
[0075] 反対に第 1構成体 100及び第 2構成体 200を互いに分離する場合には、上述の第 1ステップ〜第 5ステップを、分離状態の第 1構成体 100及び第 2構成体 200を互い に組み付ける場合とは逆の順で遂行することによって、当該分離作業が可能とされる
[0076] 以上のように、本実施の形態によれば、噴射ノズル 252から被清掃面 Sに向けて洗 浄液を供給したうえで、この噴射領域 S1を清掃シート 110を介して拭き取ることによ つて、ドライタイプの清掃体では拭き取ることが難し力 た、こびりついた汚れや砂埃 などを容易に拭き取ることが可能となる。特に、本実施の形態では、被清掃面 Sに直 に洗浄液を供給する構成であり、洗浄液自体が持つ洗浄効果を最大限に引き出して 使用することができるため、被清掃面ではなく清掃体自体に洗浄液を供給するような 構成の清掃用具に比して、清掃効果向上を図るうえで有利である。
[0077] また、本実施の形態によれば、噴射ノズル 252は、ハンドル本体 141の下方であつ て連結部 141aの後方に位置し、更に設置高さ方向に関しては、清掃シート 110のシ ート下面よりも上方であって、且つ保持体本体部 130の延在線 L3と連結部 141aの 延在線 L4とが交差する高さ領域に位置するため、噴射ノズル 252から被清掃面 Sへ と洗浄液を供給するに際し、当該供給が長尺状のハンドル本体 141や連結部 141a によって阻害されにくぐまた作業者は洗浄液の供給部分を後方力も確認し易いため 、洗浄液の供給操作を円滑に遂行することが可能となる。また、本実施の形態によれ ば、保持体本体部 130と連結部 141a (ハンドル本体 141)との連接領域が清掃シー ト 110の後端に概ね合致する構成であるため、噴射ノズル 252から被清掃面 Sへと洗 浄液を供給するに際し、当該供給が清掃シート 110によって阻害されにくい。また、 被清掃面 Sに清掃シート 110が当接した状態において、噴射ノズル 252が被清掃面 Sに干渉するのを防止することができ、また被清掃面 Sに極力近接させることによって 洗浄液を被清掃面 Sの所望の部位に確実且つ速やかに供給することが可能となる。 また、噴射ノズル 252から清掃シート 110の下方領域に向けて前斜め下方へと洗浄 液を供給する構成であるため、噴射ノズル 252から洗浄液を供給したのち、そのまま 清掃シート 110を下方へと移動させて拭き清掃操作を行うことができるため、洗浄液 供給操作力も洗浄液供給後における清掃シート 110の拭き清掃操作までの一連の 作業の円滑ィ匕を図ることが可能となる。また、噴射ノズル 252の向きを連結部 141aの 延在方向と概ね合致させることによって、被清掃面 Sに対する洗浄液供給操作、及び 清掃シート 110による拭き清掃操作がやり易い構造が実現される。
[0078] また、本実施の形態によれば、洗浄液を噴射ノズル 252へと供給する手段としてポ ンプ機構 240を用いることが可能となる。また、ポンプ機構 240を作動させる操作を 作業者の指による操作ボタン 232の引き操作によって行うことが可能となる。ポンプ機 構 240を作動させるのに作業者の指による引き操作を用いれば、操作ボタン 232に 加重を付与し易い。また、第 2構成体 200のハウジング 200aを把持する把持操作は 、指による引き操作の延長線上にあることから、ハウジング 200aを把持した作業者は 指による引き操作を円滑に行うことが可能となる。なお、本構成に関しては、作業者 力 Sハウジング 200aを把持した際、当該作業者の人差し指の腹に相当する部位に操 作ボタン 232が位置するように構成されるのが好ま U、。
[0079] また、本実施の形態によれば、第 1構成体 100及び第 2構成体 200を互いに装着 状態として用いるウエット条件下での第 1の使用モードと、第 1構成体 100自体を単独 で用いるドライ条件下での第 2の使用モードに設定可能であるため、被清掃面 Sの汚 れの種類等の状況に応じて使用モードを使 、分けることができ、使 、勝手のょ 、清 掃用具を提供することが可能となる。また、第 2の使用モードで用いる、ノ、ウジング 20 Oaがハンドル本体 141から脱着された状態の清掃用具を最終製品とした場合には、 この清掃用具を第 1の使用モードで用いる洗浄液供給機能付きの製品に転用するこ とができ合理的である。
[0080] また、本実施の形態によれば、ハンドル本体 141の長尺方向に沿って形成される 二つの係止フック 201, 202を用いることによって、第 2構成体 200のハウジング 200 aがハンドル本体 141に装着された状態を安定させることが可能となる。また、長穴 1 42の前端 142aに第 1の係止フック 201を係止させてハンドル本体 141に対するハウ ジング 200aの位置決めを行ったのち、当該係止状態を維持しつつハウジング 200a を回動させることによって、第 2の係止フック 202を長穴 142の後端 142bに係止させ ることができるため、ハウジング 200aをノヽンドル本体 141に装着する操作を簡便且つ 確実に遂行することが可能となる。また、第 1の係止フック 201を長穴の長手方向に 相対移動させることによって、第 1の係止フック 201を長穴 142の前端 142aに係止さ せることができるため、ハンドル本体 141に対するハウジング 200aの位置決め操作を 簡便且つ確実に遂行することが可能となる。また、単一の長穴 142の縁部によって、
第 1の係止フック 201及び第 2の係止フック 202に対する係止部を兼用させることが でき合理的である。
[0081] また、本実施の形態によれば、雑巾を用いた清掃作業のような煩雑さや、清掃作業 における手あれの心配を解消するのに有効である。
また、本実施の形態によれば、清掃シート 110を使い捨てとすることによって、当該 清掃シート 110を常に衛生的な状態で使用することが可能となる。
[0082] (他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなぐ種々の応用や 変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することも できる。
[0083] 上記実施の形態では、機械式のポンプ機構 240によって洗浄液を加圧して加圧状 態の洗浄液を噴射ノズル 252へと吐出する構成にっ 、て記載した力 本発明では、 電動モータの駆動力によって駆動される電動式のポンプを用いた第 1の構成、ガス 圧を利用して加圧状態の洗浄液を噴供給ノズルへと供給する 、わゆる「エアゾール」 式の第 2の構成、洗浄液をその自重によって供給ノズルカゝら滴下させる第 3の構成、 清掃用具の外部に配置された洗浄液供給元にて加圧された洗浄液を供給ノズルへ と供給する第 4の構成などを適宜採用することができる。第 4の構成においては、ハウ ジング内に洗浄液の加圧機構及び貯留機構を有して 、な 、清掃用具とされる。
[0084] また、上記実施の形態では、ポンプ機構 240を作動させる操作部として、押圧ボタ ン式に構成された操作ボタン 232を採用したが、本発明においては、スライド操作式 の操作部を用いることもできる。また、操作ボタン 232を、ポンプノヽウジング 230のハ ウジング下部以外の部位、例えばノ、ウジング上部ゃノ、ウジング側部などに配置する ように構成してもよい。
[0085] また、上記実施の形態において、噴射ノズル 252から被清掃面 Sに向けて供給する 洗浄液の供給態様を可変とする可変機構を設けるようにしてもよい。具体的には、ス イッチ等の切り換えによって供給ノズル内部の絞り孔の断面積が変更され、これによ つて洗浄液の供給態様、例えば洗浄液の供給量、供給範囲 (角度)、供給距離、供 給面積などを変えるような構成を採用することができる。このような構成を用いれば、
被清掃面 sの汚れ度合い等の状況に応じて洗浄液の供給態様を変更することができ
、使い勝手のよい清掃用具を提供することが可能となる。
[0086] また、上記実施の形態では第 2構成体 200のハウジング 200a内に専用の貯留タン ク 212を備える構成について記載したが、本発明では、洗浄液が無くなったとき貯留 タンクごと新たな貯留タンクに交換が可能なカートリッジ式のタンクを用いることもでき る。このカートリッジ式のタンクの具体的な構成としては、硬質榭脂によって成型され た貯留容器のほか、バウチシート材料などによって形成されたバウチタイプのボトル、 更には洗浄液の貯留残量を視認可能な透明或いは半透明の榭脂材料によって形 成された貯留容器などが挙げられる。
[0087] また、上記実施の形態では、第 1構成体 100及び第 2構成体 200互いに装着状態 にある第 1の使用モードでは、ハンドル本体 141に係止されたハウジング 200aが作 業者によって把持される把持部を構成する場合にっ 、て記載したが、本発明にお ヽ ては、第 1の使用モードの際にハンドル本体 141以外の箇所にハウジング 200aが係 止されるように構成することもできる。本構成において、依然としてハウジング 200aが 作業者によって把持される把持部を構成してもよいし、或いはハンドル本体 141が作 業者によって把持される把持部を構成してもよ ヽ。
[0088] また、上記実施の形態では、係止部としての単一の長穴 142に対し、第 1の係止フ ック 201及び第 2の係止フック 202が係止される構成について記載した力 本発明に おいては、係止部や係止フックの数、係止態様、係止構造については必要に応じて 適宜変更可能である。本発明においては、長穴 142にかえて二つの穴を設け、一方 の穴に第 1の係止フック 201を係止させ、他方の穴に第 2の係止フック 202を係止さ せる構成を用いるようにしてもよい。また、係止態様に関しては、一方が他方に対し引 つ掛かる、或いは嵌まり合う等の係止態様を適宜採用することができる。また、係止部 の構造に関しては、穴、溝、スリットなどを適宜採用することができる。
[0089] また、上記実施の形態では、清掃シート保持体 120は一体成型とされており、保持 体本体部 130とハンドル部 140との間の連接箇所は相対移動が不能とされた構造と なっているが、本発明では、この連接箇所での相対移動が一時的に可能とされた可 動構造を採用することもできる。具体的には、保持体本体部 130とハンドル部 140と
の間の連接箇所にヒンジ機構及び固定機構を設け、清掃用具 10の使用前後におい ては、保持体本体部 130とハンドル部 140との間の角度がヒンジ機構によってー且調 節可能とされ、清掃用具 10の使用時においては、当該角度が固定機構によって所 定の角度に固定可能或いは保持可能とされる構成を採用することができる。
図面の簡単な説明
[0090] [図 1]本実施の形態の清掃用具 10の側面図である。
[図 2]図 1中の清掃用具 10の平面図である。
[図 3]本実施の形態の第 2構成体 200の内部構造の概要を示す図である。
[図 4]本実施の形態の第 1構成体 100の構成を示す斜視図である。
[図 5]図 4中の清掃シート保持体 120を保持体本体部 130とハンドル部 140に分離し た状態を示す斜視図である。
[図 6]本実施の形態の清掃用具 10の側面図であって、操作ボタン 232が押圧操作さ れた場合の第 2構成体 200の内部構造をあわせて示す図である。
[図 7]本実施の形態の清掃用具 10の平面図であって、操作ボタン 232が押圧操作さ れた場合の第 2構成体 200の内部構造をあわせて示す図である。
[図 8]本実施の形態の清掃用具 10の側面図であって、操作ボタン 232が押圧操作解 除された直後の第 2構成体 200の内部構造をあわせて示す図である。
[図 9]第 1構成体 100から第 2構成体 200が脱着された状態を側方カゝらみた様子を示 す図である。
[図 10]第 1構成体 100に第 2構成体 200が装着される過程を側方からみた様子を示 す図である。
[図 11]第 1構成体 100に第 2構成体 200が装着される過程を側方からみた様子を示 す図である。
[図 12]第 1構成体 100に第 2構成体 200が装着される過程を側方からみた様子を示 す図である。
符号の説明
[0091] 10· ··清掃用具
100…第 1構成体
110…清掃シート 111…清掃シート本体 112…接合シート 113…中央溶着線 114…側部溶着線 115…保持空間 115a…後方開口端 115b…前方開口端 116…狭幅溶着線 117…狭幅空間部 118…広幅空間部 120···清掃シート保持体 130…保持体本体部 131…基部
131a…被嵌合板 131b…凹部
132…保持板
133…突部
134…押え板
140···ノヽンドル部 141···ハンドル本体 141a…連結部
142…長穴
142a'-,端
142b…後端
143…第 1嵌合板 144…第 2嵌合板 145···嵌合空間
200…第 2構成体
200a…ハウジング
201…第 1の係止フック 201a…先端部
202···第 2の係止フック 202a…後端部
210···タンクハウジング 212···貯留タンク
214…供給用チューブ 216···タンクキャップ
217…空気孔
220···弁機構
221…連通孔
222…弁体
230…ポンプハウジング
232…操作ボタン
240···ポンプ機構
241···吸入口
242…流通路
243…加圧部材
244···吐出口
245…第 1ボール体
246···第 2ボーノレ体
247, 248, 249···コイルノくネ
250···吐出ハウジング
251···誘導用チューブ
252…噴射ノズル
253···絞り孔
S…被清掃面 SI…噴射領域