WO2006106929A1

WO2006106929A1 - 樹脂組成物及び成形体

Info

Publication number: WO2006106929A1
Application number: PCT/JP2006/306851
Authority: WO
Inventors: Kyoichi Kubomura; Takehiko Nishijima
Original assignee: Zeon Corporation
Priority date: 2005-03-31
Filing date: 2006-03-31
Publication date: 2006-10-12
Also published as: JPWO2006106929A1; JP4985397B2

Abstract

　透明性及び耐高温高湿性により優れた樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体を提供する。　ビニル脂環式炭化水素重合体（Ａ）と、芳香族ビニル－共役ジエンブロック共重合体（ｂ）の水素化物（Ｂ）とを含有してなり、水素化前の芳香族ビニル－共役ジエンブロック共重合体（ｂ）が、１）芳香族ビニル化合物由来の繰返し単位からなる重合体ブロック（ｉ）と共役ジエン化合物由来の繰返し単位からなる重合体ブロック（ｉｉ）とからなり、２）重合体ブロック（ｉｉ）は、それを構成する共役ジエン化合物由来の繰返し単位の中に、１，２－付加重合及び３，４－付加重合した繰返し単位を併せて４０重量％以上有し、且つ３）主鎖の末端に水酸基を有するものである、ことを特徴とする樹脂組成物。

Description

明細書

樹脂組成物及び成形体

技術分野

[0001] 本発明は、榭脂組成物及び成形体に関し、更に詳しくは、透明性及び耐高温高湿性に優れた榭脂組成物及びそれを成形してなる成形体に関する。

背景技術

[0002] ビニル脂環式炭化水素重合体は、透明性、低吸湿性、耐薬品性、耐熱性、低複屈折性に優れており、レンズや光ディスク基板などの光学部材に用いられている。ところ力ビニル脂環式炭化水素重合体のみからなる成形体は、長時間高温高湿度環境下に置かれた後で急に常温下に置かれると白濁する（耐高温高湿性に劣る）場合がある。そこで、ビュル脂環式炭化水素重合体に配合剤を添加することにより耐高温高湿性の改良が試みられている。例えば、特許文献 1や特許文献 2には、ビニル脂環式炭化水素重合体に、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体などの軟質重合体を配合した榭脂組成物が開示され、それを成形することによって、透明性及び耐高温高湿性が実用レベルにあるピックアップレンズ等の小型レンズが得られることが開示されていた。

[0003] 特許文献 1 :特開 2002— 148401号公報

特許文献 2：米国特許 6965003号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 榭脂製レンズは力卩ェが容易で、軽量であると!/ヽうことから、榭脂製レンズをピックアツプレンズなどの小型レンズだけでなぐプロジェクター用レンズやカメラ用レンズなど大型の画像用レンズに適用することが検討されている。画像用レンズには、曇りの無い、透明性に優れた大型レンズが要求される。

ところが、大型の画像用レンズを、特許文献 1や 2に記載のビュル脂環式炭化水素重合体及び軟質重合体を含有する榭脂組成物で成形するとレンズに曇りがわずかに生じることがあった。本発明者はレンズの曇りの原因を追究したところ、特許文献 1 等に記載の榭脂組成物は、耐高温高湿性が実用レベルにあるものの、透明性が大型レンズ用としては不十分であることがわ力つた。

本発明の目的は、上記の状況に鑑み、透明性及び耐高温高湿性により優れた榭脂組成物及びそれを用いた成形体を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0005] 本発明者は、上記目的を達成すベぐビニル脂環式炭化水素重合体 (A)に配合する軟質重合体について鋭意検討したところ、主鎖の末端に水酸基を有し、且つ共役ジェンィ匕合物を 1, 2—付加重合又は 3, 4—付加重合して得られる繰り返し単位を特定の割合以上有する芳香族ビュル—共役ジェンブロック共重合体 (b)を、特定割合で水素化したもの (B)を軟質重合体として用いることによって、透明性に著しく優れ、且つ高温高湿下に放置した後、室温に戻したときにも白濁が生じない大型レンズが得られることを見出した。本発明者は、これらの知見に基づいてさらに検討を重ね本発明を完成するに至った。

[0006] 力べして本発明は、ビュル脂環式炭化水素重合体 (A)と、芳香族ビュル—共役ジェンブロック共重合体 (b)の水素化物（B)とを含有してなり、

水素化前の芳香族ビニルー共役ジェンブロック共重合体 (b)は、

1)芳香族ビ-ルイ匕合物由来の繰返し単位力なる重合体ブロック (i)と共役ジェン化合物由来の繰返し単位力なる重合体ブロック (ii)とからなり、

2)重合体ブロック (ii)は、それを構成する共役ジェン化合物由来の繰返し単位の中に 1, 2—付加重合及び 3, 4—付加重合した繰返し単位を併せて 40重量％以上有し、且つ

3)主鎖の末端に水酸基を有するものである、

ことを特徴とする榭脂組成物である。

また本発明は、該榭脂組成物を成形してなる成形体である。

発明の効果

[0007] 本発明の榭脂組成物は、透明性及び耐高温高湿性に著しく優れる。この榭脂組成物を成形して得られる大型レンズは曇りが無、。

本発明の榭脂組成物によって曇りの無い大型レンズを得ることができる理由は定かでないが、重合体 (B)又は水素化物（B)中の重合体ブロック (Π)の分子鎖に有する一定量以上の分岐構造 (共役ジェン化合物の 1, 2—付加重合又は 3, 4—付加重合で形成される繰り返し単位)が、凝集エネルギー密度を低下させ、重合体 (A)中に重合体 (B)又は水素化物 (B)を均一に分散でき、非常に小さなサイズのドメインを形成できるので、透明性が著しく向上するのであろうと考えられる。

また、重合体 (B)又は水素化物 (B)の末端に有る水酸基が、吸湿した水分の凝集を防ぎ、ミクロクレーズの発生を抑制するので、レンズを高温高湿下に放置した後、室温に戻しても白濁を発生させないと考えられる。

発明を実施するための最良の形態

[0008] 本発明の榭脂組成物は、ビュル脂環式炭化水素重合体 (A)と、芳香族ビュル—共役ジェンブロック共重合体 (b)の水素化物（B)とを含有してなるものであり、

水素化前の芳香族ビニルー共役ジェンブロック共重合体 (b)が、

3)主鎖の末端に水酸基を有するものである。

[0009] (ビニル脂環式炭化水素重合体 (A) )

本発明に用いるビニル脂環式炭化水素重合体 (A)は、ビニル脂環式炭化水素化合物をビニル付加重合して得られる繰返し単位を、すなわち側鎖に脂環式構造を有する繰り返し単位を有する重合体である。このビニル脂環式炭化水素化合物由来の繰返し単位は、重合体中、通常 50重量％以上、好ましくは 70重量％以上、より好ましくは 80%重量以上含有する。なお、ビニル脂環式炭化水素化合物由来の繰返し単位には、ビュル脂環式炭化水素化合物をビュル付加重合して得られる繰返し単位と同一構造となるので、芳香族ビニル化合物をビニル付加重合し、次いでその芳香環を水素化することによって得られる繰返し単位を含むものとする。

[0010] 脂環式構造を構成する炭素原子数は、通常 4〜30個、好ましくは 5〜20個、より好ましくは 5〜 15個の範囲であり、最も好ましくは 6個である。脂環式構造を構成する炭素原子数がこの範囲にあると、得られる榭脂組成物の耐熱性及び成形加工性、並びに得られる成形体の機械的強度が優れる。

[0011] 本発明に用いられる重合体 (A)のガラス転移温度 (Tg)は、好ましくは 80〜250°C 、より好ましくは 90〜200°C、特に好ましくは 100〜150°Cの範囲である。ブロック共重合によって得られる重合体 (A)では、通常、高温側の Tgが上記範囲であることが好ましい。 Tgが上記範囲にあるときに、得られる成形体の強度特性及び耐熱性並びに得られる榭脂組成物の成形加工性のバランスに優れる。

本発明においてガラス転移温度 (Tg)は、示差走査熱量計を用いて 10°CZ分の条件で測定した値である。

[0012] 重合体 (A)の重量平均分子量（Mw)は、好ましくは 10, 000〜500, 000、より好まし <は 30, 000〜350, 000、更に好まし <は 50, 000〜200, 000の範囲である。 Mw力、さ過ぎると得られる成形体の強度特性に劣り、大き過ぎると得られる榭脂組成物の成形性に劣り、得られる成形体の複屈折が大きくなる。複屈折が大きくなると、成形体を通して見る像に虹状の色歪みを生じる等の不具合が発生するため好ましくない。本発明において重量平均分子量（Mw)は、ゲルパーミエーシヨンクロマトダラフィー（GPC)により測定されるポリスチレン換算値である。

[0013] また、重合体 (A)の分子量分布 (MwZMn)は、好ましくは 5以下、より好ましくは 4 以下、特に好ましくは 3以下、最も好ましくは 2以下である。この MwZMnが大き過ぎると、得られる成形体の機械特性や耐熱性が低下する。特に得られる成形体の機械強度、耐熱性、及び得られる榭脂組成物の成形性を高度にバランスさせるには、 Mw ZMnが 2以下であることが更に好ましぐ 1. 7以下がより好ましぐ 1. 5以下が最も好ましい。本発明において数平均分子量 (Mn)は、テトラヒドロフラン (THF)を溶媒にしたゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー（GPC)により測定されるポリスチレン換算値である。

[0014] 重合体 (A)の MwZMnを上記好ましい範囲にするためには、前記重合方法の中でも、リビングァ-オン重合等のリビング重合方法が好ましい。例えば、リビングァ- オン重合は、重合開始剤の存在下、通常 0°C〜150°C、好ましくは 10°C〜100°C、特に好ましくは 20°C 80°Cの温度範囲において行う。開始剤としては、 n—プチルリチウム、 sec ブチルリチウム、 tーブチルリチウム、へキシルリチウム、フエ-ルリチウムなどのモノ有機リチウム、ジリチオメタン、 1 , 4ージリチォブタン、 1 , 4ージリチォー 2—ェチルシクロへキサン等の多官能性有機リチウム化合物などが挙げられる。

[0015] このような重合体 (A)としては、飽和脂環族ビニル化合物の付加重合体、不飽和脂環族ビニル化合物の付加重合体及びその水素化物、芳香族ビニル化合物の付加重合体の芳香環水素化物などが挙げられる。

[0016] 飽和脂環族ビュル化合物としては、ビュルシクロへキサン、 3 メチルイソプロべ- ルシクロへキサン、これらにハロゲン基、アルコキシ基、ヒドロキシル基等の置換基を有するものなどが挙げられる。

[0017] 不飽和脂環族ビュル化合物としては、 4 ビュルシクロへキセン、 4 イソプロべ- ルシクロへキセン、 1ーメチルー 4 ビュルシクロへキセン、 2—メチルー 4 ビュルシクロへキセン、 1ーメチノレー 4 イソプロぺニルシクロへキセン、 2—メチノレー 4 イソプロべ-ルシクロへキセン、これらにハロゲン基、アルコキシ基、ヒドロキシル基等の置換基を有するものなどが挙げられる。

[0018] 芳香族ビュル化合物としては、スチレン、 atーメチルスチレン、 atーェチルスチレンプロピノレスチレン、 α イソプロピノレスチレン、 α— tーブチノレスチレン、 2—メチノレスチレン、 3—メチノレスチレン、 4—メチノレスチレン、 2, 4 ジイソプロピルスチレン、 2, 4 ジメチルスチレン、 4—tーブチルスチレン、 5—t ブチルー 2—メチルスチレン、 4—モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、 4—モノフノレオロスチレン、 4—フエニルスチレン、これらにハロゲン基、アルコキシ基、ヒドロキシル基等の置換基を有するものなどが挙げられる。

[0019] これらの飽和脂環族ビニル化合物、不飽和脂環族ビニル化合物及び芳香族ビニルイ匕合物は、それぞれ単独で、あるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる

[0020] 本発明に用いられる重合体 (A)は、 50重量％以下の範囲で飽和脂環族ビニルイ匕合物、不飽和脂環族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物以外の共重合可能な単量体由来の繰り返し単位を有するものであってもよい。共重合可能な単量体としては、直鎖状ビニル化合物、直鎖状共役ジェンィ匕合物などが挙げられる。直鎖状ビニルイ匕合物及び直鎖状共役ジェンィ匕合物は直鎖が分岐したものであってもよい。

[0021] 直鎖状ビュル化合物としては、エチレン、プロピレン、 1ーブテン、 1 ペンテン、 4 ーメチルー 1 ペンテン等の鎖状ォレフィンなどが挙げられ、中でも、エチレン、プロピレン、 1 -ブテンが最も好ま、。

[0022] 直鎖状共役ジェン化合物としては、 1, 3 ブタジエン、 1, 2 ブタジエン、イソプレン、 2, 3 ジメチルー 1, 3 ブタジエン、 1, 3 ペンタジェン、及び 1, 3 へキサジェンなどが挙げられる。これら直鎖状ビニルイヒ合物及び直鎖状共役ジェンの中でも直鎖状共役ジェンィ匕合物が好ましぐ 1, 3 ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。これらの直鎖状ビニル化合物及び直鎖状共役ジェンは、それぞれ単独で、あるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。

[0023] 重合体 (A)は、前述の単量体を、ラジカル重合、ァニオン重合、カチオン重合、リビングァユオン重合、リビングカチオン重合、配位ァ-オン重合、配位カチオン重合、リビングラジカル重合等の公知の重合方法を用いて単独重合または共重合し、必要に応じて水素化することによって得られる。

[0024] 重合体 (A)は、共重合の形態によって制限されず、ランダム共重合体、擬似ランダム共重合体、ブロック共重合体、傾斜ブロック共重合体等の何れでも良い。ブロック共重合によって得られた重合体 (A)は、そのブロックの数によって制限されず、例えばジブロック構造、トリブロック構造、テトラブロック構造、ペンタブロック構造、へキサブロック構造、ヘプタブロック構造等が挙げられる。また、各ブロックのブロック長が互 V、に同じでも異なって!/、てもよ!/、。

[0025] また、芳香族ビュル化合物の付加重合を経て得られた重合体 (A)は、芳香環を含む全ての炭素炭素不飽和結合の水素化率が通常 80モル％以上、好ましくは 95 モル％以上、より好ましくは 99〜： LOOモル％である。すなわち、芳香族ビュル化合物の付加重合及び水素化を経て得られた重合体 (A)は、芳香環を有する繰返し単位の割合が、脂環式構造を有する繰返し単位と芳香環を有する繰返し単位との合計に対して、通常 20モル％以下、好ましくは 5モル％以下、より好ましくは 1モル％以下である。 [0026] 本発明に用いられる重合体 (A)の立体配置については、ァタクティック、ァイソタクティック、シンジォタクティックの何れでも良ぐ例えば、ダイアツド表示によるシンジォタクティシティ一で、 0〜100%の何れのものも用いることができる。

[0027] 重合は溶液重合、スラリー重合等の方法を用いることができる力反応熱の除去を考慮すると、溶液重合が好ましい。溶液重合では、重合体及びその水素化物を溶解できる不活性溶媒を用いる。不活性溶媒としては、 n—ブタン、 n—ペンタン、イソペンタン、 n—へキサン、 n—ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロへキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロへキサン、デカリン、ビシクロ [ 4. 3. 0]ノナン、トリシクロ [4. 3. 0. I²' ⁵]デカン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類などが挙げられ、中でも脂環式炭化水素類を用いると、水素化反応にも不活性な溶媒としてそのまま使用することができるため好ましい。これらの不活性溶媒は、それぞれ単独で、或いは 2種類以上を組み合わせて使用でき、通常、全使用単量体 100重量部に対して 200〜2, 000重量部となるような割合で用いられる。

[0028] (芳香族ビュル一共役ジェンブロック共重合体 (b)の水素化物（B) )

本発明に用いる芳香族ビニル -共役ジェンブロック共重合体 (b)の水素化物 (B) は、芳香族ビニルー共役ジェンブロック共重合体 (b)を水素化したものであり、該水素化前の芳香族ビュル一共役ジェンブロック共重合体 (b)が、

3)主鎖の末端に水酸基を有するものである。

[0029] 共重合体 (b)の重合体ブロック (i)を構成する芳香族ビ-ルイ匕合物としては、スチレン、 a—メチルスチレン、 1—ビュルナフタレン、 p—メチルスチレン、 4—プロピルスチレン、 t—ブチルスチレン、 4—シクロへキシルスチレン、 4—ドデシルスチレン、 2—ェチル一 4—ベンジルスチレン、 4— (フエ-ルブチル）スチレン、ジビュルベンゼン、 N , N—ジメチルー p—アミノエチルスチレン、 N, N ジェチルー p—アミノエチルスチレン、ビュルピリジンなどが挙げられる。中でも、スチレン、 a—メチルスチレンが好ましぐスチレンがより好ましい。

これらの芳香族ビニルイ匕合物は、それぞれ単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いられる。

芳香族ビ-ルイ匕合物を 2種以上組み合わせて用いた場合、芳香族ビニル化合物由来の繰返し単位力なる重合体ブロック (i)は、 2種以上の芳香族ビュル化合物をランダム共重合したものであっても、ブロック共重合したものであっても、テーパード共重合したものであってもよ、。

[0030] 共重合体 (b)の重合体ブロック (ii)を構成する共役ジェンィ匕合物としては、 1, 3— ブタジエン、イソプレン、 2, 3 ジメチルー 1, 3 ブタジエン、 1, 3 ペンタジェン、 2 ーメチルー 1, 3 ペンタジェン、 1, 3 へキサジェン、 4, 5 ジェチルー 1, 3—オタタジェン、 3 ブチルー 1, 3—ォクタジェン、クロ口プレンなどが挙げられる。中でも、 1, 3 ブタジエン、イソプレン、 1, 3 ペンタジェンが好ましぐ 1, 3 ブタジエン、ィソプレンがより好ましぐイソプレンが特に好ましい。

[0031] これらの共役ジェン化合物は、それぞれ単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いられる。

共役ジェンィ匕合物を 2種以上組み合わせて用いた場合、共役ジェン化合物由来の繰返し単位力もなる重合体ブロック (ii)は、 2種以上の共役ジェンィ匕合物をランダム共重合したものであっても、ブロック共重合したものであっても、テーパード共重合したものであってもよい。

[0032] 共役ジェン化合物の組み合わせとしては、特に限定されないが、イソプレンと 1, 3 ブタジエンの組み合わせが好まし、。

また、共役ジェン化合物の組み合わせがイソプレンと 1, 3 ブタジエンである場合

、共役ジェンブロック（ii)の全繰返し単位中の、イソプレン由来の繰返し単位の割合は、 60%以上であると好ましい。

[0033] 芳香族ビュル一共役ジェンブロック共重合体 (b)のブロックの態様は特に限定されず、ジブロック、トリブロック、またはそれ以上のマルチブロックなどが挙げられる。具体的には、重合体ブロック (i)と重合体ブロック (ii)力 ( (i)一（ii) 、 (ii)一（ (i)一 (ii

) ) 、（(i) (ii) ) 一（i)で示されるブロック態様が挙げられる。ここで、 nは 1以上の整数である。これらの中でも、 (i) - (ii) - (i)で示されるブロック態様の芳香族ビュル一共役ジェンブロック共重合体 (b)が好まし、。

[0034] 重合体 (b)中の重合体ブロック (i)の割合は、好ましくは 15〜55重量％、より好ましくは 20〜50重量％、特に好ましくは 25〜45重量％の範囲である。

[0035] 重合体ブロック (ii)は、それを構成する共役ジェン化合物由来の繰返し単位の中に、 1, 2 付加重合及び 3, 4 付加重合した繰返し単位を併せて 40重量％以上有している。 40重量％以上有することによって榭脂組成物の透明性がより優れたものになる。

共役ジェンィ匕合物を付加重合させると共役ジェン化合物の重合反応部位によって、 1, 2 付加重合由来の繰返し単位、 3, 4 付加重合由来の繰返し単位、及び 1, 4—付加重合由来の繰返し単位のいずれかが形成される。例えば、共役ジェン化合物として 2—メチル 1, 3 ペンタジェンを用いた場合、 1, 2—付加重合によって、（ 1ーメチルー 1一（1一プロピレン））エチレンで示される繰返し単位が形成され、 3, 4 付加重合によって、 1 イソプロべ-ルー 2—メチルエチレンで示される繰返し単位が形成され、 1, 4—付加重合によって、 1, 3 ジメチルー 2 ブテ-レンで示される繰返し単位が形成される。重合体ブロック (ii)中の、共役ジェンィ匕合物由来の繰返し単位中の 1, 2 付加重合及び 3, 4 付加重合した繰返し単位の割合は、赤外分析法を用い、モレロ法により算出することができる。

[0036] 重合体 (b)は、主鎖の末端に水酸基を有する。重合体 (b)は、主鎖末端に水酸基を有するものが含まれていればよぐ通常、主鎖末端の 30%以上、好ましくは 50% 以上、より好ましくは 70%以上に水酸基を有するものであればよい。

[0037] 本発明に用いられる、芳香族ビニル—共役ジェンブロック共重合体 (b)は、ァ-ォン重合ゃカチオン重合などのイオン重合法、シングルサイト重合法、ラジカル重合法などにより、重合体 (b)の基本骨格 (主鎖)を形成し、次いで主鎖末端を水酸基に変 '性すること〖こよって得られる。

例えば、有機リチウム化合物を開始剤として、 n—へキサンやシクロへキサンなどの不活性有機溶媒中で、芳香族ビニル化合物を重合し、次いで共役ジェンィ匕合物を重合させる逐次重合法によって、所望の分子構造および分子量の主鎖を形成し、次いで、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド等のォキシラン骨格を有する化合物などを付加させ、次いで、アルコール類、カルボン酸類、水などの活性水素含有ィ匕合物を添加して重合を停止させることにより得ることができる。

[0038] 末端水酸基の量は、変性率により調整でき、その変性率は、例えば、リビングァニオン重合に用いる触媒量と、エチレンオキサイドの使用量により調整することができる

[0039] 有機リチウム化合物としては、メチルリチウム、ェチルリチウム、ペンチルリチウム、ブチルリチウムなどのモノリチウム化合物；ナフタレンジリチウム、ジリチォへキシルベンゼンなどのジリチウム化合物；などが挙げられる。

有機リチウム化合物の使用割合は特に限定されないが、通常、単量体 100重量部に対し、 0. 005〜0. 2重量部である。

[0040] 重合反応は、溶媒中で行うことが好ましい。

溶媒としては重合開始剤に対し不活性な有機溶媒であれば特に限定されないが、へキサン、ヘプタン、シクロへキサン、メチルシクロへキサン、ベンゼンなどが挙げられる。

[0041] 重合反応の反応温度は特に限定されな!、が、通常 0〜80°Cである。また、重合反応の反応時間は特に限定されないが、通常 0. 5〜50時間である。

[0042] 共役ジェンブロック（ii)の、共役ジェン化合物由来の繰返し単位中の、 1, 2—および 3, 4—付加重合由来の繰返し単位の割合は、共役ジェン化合物の重合の際に、ルイス塩基を共触媒として用いることにより調整することができる。

ルイス塩基としてはジメチルエーテル、ジェチルエーテル、テトラヒドロフラン等のェ一テル類；エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のグリコールエーテル類；トリェチルァミン、 N, N, N' , N' —テトラメチルエチレンジァミン (TMEDA)、ピリジン、トリブチルァミン、 N—メチルモルホリン等のアミン系化合物；などが挙げられる。

これらのルイス塩基の使用量は重合開始剤のリチウム 1モルに対して通常 0. 1〜1 000モルの範囲で用いられる。

[0043] この様にして得られた重合体 (b)を水素化して本発明に用いる重合体 (B)を得ることがでさる。

重合体 (b)を水素化する方法は、特に制限されず、例えば、不活性有機溶媒中で、水素化触媒の存在下に、重合体 (b)と水素とを接触させる方法がある。

不活性有機溶媒としては n—へキサン、シクロへキサンなどが好ましく用いられる。

[0044] 水素化触媒としては、ラネーニッケル、あるいは Pt、 Pd、 Ru、 Rh、 Ni等の金属を力一ボン、アルミナ、珪藻土等の担体に担持させたもの等の不均一触媒、または遷移金属とアルキルアルミニウム化合物やアルキルリチウム等との組み合わせ力なるチ一ダラー系の触媒などが挙げられる。これらのうち、アルキルアルミニウム化合物とコバルト、ニッケル等の遷移金属とからなるチーグラー触媒が好まし、。

水素化反応時の水素圧は好ましくは大気圧〜 20MPa、より好ましくは 0. 1〜15M Paである。反応温度は好ましくは常温〜 250°C、より好ましくは 20〜150°Cである。反応時間は好ましくは 0. 1〜： L00時間である。

[0045] 重合体ブロック (ii)中の炭素炭素二重結合の水素化率は、通常 60%以上、好ましくは 70%以上、より好ましくは 80%以上である。

また、重合体ブロック (i)中の芳香族環の水素化率は、通常 40%未満、好ましくは 3 0%未満、より好ましくは 10%未満、最も好ましくは 5%未満である。

重合体ブロック (ii)中の炭素炭素二重結合の水素化率及び重合体ブロック (i)中の芳香族環の水素化率がこの範囲にあると、得られる成形体の透明性、機械的強度、耐熱性、耐候性に優れる。

[0046] 以上のようにして、芳香族ビュル一共役ジェンブロック共重合体 (b)の水素化物（B )が得られる。この水素化物（B)は、芳香族ビ-ルイ匕合物由来の繰返し単位を有する重合体ブロック (I)と、共役ジェン化合物由来の水素化された繰返し単位を有する重合体ブロック (Π)とからなり、重合体ブロック (Π)は、該ブロック (Π)を構成する共役ジェンィ匕合物由来の水素化された繰返し単位の中に 1, 2 付加重合及び 3, 4 付加重合した繰返し単位を併せて 40重量％以上有し、且つ主鎖の末端に水酸基を有する重合体 (B)である。 [0047] 本発明に用いられる好適な重合体 (B)は、主鎖の末端に、好ましくは 30%以上、好ましくは 50%以上、特に好ましくは 70%以上の水酸基を有する。

また、本発明に用いられる好適な重合体 (B)は、重合体 (B)中の重合体ブロック (I

)の割合が好ましくは 15〜55重量％、より好ましくは 20〜50重量％、特に好ましくは

25〜45重量⁰ /₀の範囲である。

[0048] 重合体ブロック (Π)中の共役ジェンィ匕合物由来の水素化された繰返し単位の割合は、共役ジェンィ匕合物由来の水素化されて!/、な!、繰返し単位と共役ジェンィ匕合物由来の水素化された繰返し単位との合計量に対して通常 60%以上、好ましくは 70% 以上、より好ましくは 80%以上である。

重合体ブロック (I)中の芳香族ビニル化合物由来の繰返し単位は、通常 40%未満

、好ましくは 30%未満、より好ましくは 10%未満、最も好ましくは 5%未満で芳香環が水素化された繰返し単位を含んで、てもよ、。

[0049] 本発明に用いられる重合体 (B)のガラス転移温度は、通常 30°C以下である。 Tgが複数存在する場合には最も低い Tgが 30°C以下である重合体である。

[0050] (榭脂組成物）

本発明の榭脂組成物は、前述の重合体 (A)と水素化物 (B)又は重合体 (B)を含有してなるものである。

[0051] 本発明の榭脂組成物中の重合体 (A)と水素化物 (B)又は重合体 (B)の割合は特に限定されないが、重合体 (A) 100重量部に対して、水素化物（B)又は重合体 (B) が 0. 001〜50重量部であると好ましぐ 0. 01〜10重量部であるとより好ましぐ 0. 0 5〜5重量部であると特に好ましぐ 0. 2〜0. 8重量部であると最も好ましい。

[0052] 本発明の榭脂組成物は、用いる重合体 (A)の屈折率 (n (A) )と、用いる水素化物

D

(B)又は重合体 (B)の屈折率 (n (B) )との差（ I n (A)— n (B) | )が 0. 01以下で

D D D

あることが好ましく、（ I n (A) -n (B) | )が 0. 007以下であるとより好ましぐ 0. 00

D D

4以下であるとさらに好ましい。 ( I n (A) -n (B) | )が小さいことは、用いる重合体

D D

(A)の屈折率と、用いる重合体の水素化物 (B)の屈折率との差が小さ!/、ことを意味する。 ( I n (A) -n (B) | )がこの範囲にあると、榭脂組成物の透明性がより優れる [0053] 本発明において屈折率とは、 JIS K 0062の 5.個体試料の測定方法に従って、

25°Cにお、て測定した値である。

[0054] 本発明の榭脂組成物には、必要に応じて、更に他の添加剤を添加することができる。

他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤などの安定剤;離型剤、可塑剤などの榭脂改質剤;染料、顔料などの着色剤；帯電防止剤、光拡散剤などを挙げることができる。

[0055] 酸ィ匕防止剤としては、フエノール系酸ィ匕防止剤、リン系酸化防止剤、ィォゥ系酸ィ匕防止剤などが挙げられる。これらの酸化防止剤は、単独又は 2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中で、フエノール系酸ィ匕防止剤、特にアルキル置換酸ィ匕防止剤を好適に用いることができる。酸化防止剤の添加量は、重合体 (A) 100 重量部に対して、 0. 01〜2重量部であることが好ましぐ 0. 02〜1重量部であること力り好ましい。

[0056] 耐光安定剤としては、ヒンダードアミン系耐光安定剤 (HALS)、ベンゾエート系耐光安定剤などが挙げられる。これらの耐光安定剤は、単独又は 2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中で、ヒンダードアミン系耐光安定剤を特に好適に用いることができる。耐光安定剤の添加量は、重合体 (A) 100重量部に対して、 0. 0 1〜2重量部であることが好ましぐ 0. 02〜1重量部であることがより好ましぐ 0. 05 〜0. 5重量部であることが更に好ましい。

[0057] 離型剤としては、ノ《ラフィン類、ナフテン類、芳香族類、低分子ポリエチレンワックス、低分子ポリプロピレンワックス、低分子ポリスチレンワックスまたはそれらの酸化物や、カルボン酸、水酸基、エステル基などの変性物等、炭化水素系離型剤;ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベへ-ン酸、ヒドロキシステアリン酸、エル力酸、ォレイン酸、ヤシ脂肪酸、フタル酸、アジピン酸、トリメリット酸、ヒドロキシヘプタデカン酸、ヒドロキシォクタデカン酸、ヒドロキシエイコサン酸、ヒドロキシドコサン酸、ヒドロキシへキサコサン酸、ヒドロキシトリアコンタン酸などの脂肪酸系離型剤；グリセ口一ノレ、トリメチローノレプロパン、ペンタエリスリトーノレ、ジグリセローノレ、トリグリセローノレ、ジペンタエリスリトール、エチレングリコール、ステアリルアルコール、 1, 6, 7—トリヒドロキシ一 2, 2 ジ（ヒドロキシメチル） 4—ォキソヘプタン、ソルビタン、ソルビトール、ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンソルビトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、 2—メチノレ 1, 6, 7 トリヒドロキシー 2 ヒドロキシメチノレー 4一才キソヘプタン、 1, 5, 6 トリヒドロキシー 3—ォキソへキサン、へキサデ力ノール、ヘプタデカノール、ォクタデカノール、デシルテトラデカノール、へキサコサノール、トリアコンタノール、 1, 2—へキサデカンジオール、 2, 3 へプタデカンジオール、 1, 3—ォクタデカンジオール、 1, 2 デシルテトラデカンジオールなどのアルコ一ル系離型剤；

[0058] グリセリンステアレート、ブチルステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、 12—ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、 12—ヒドロキシステアリン酸ステアリルアルコール、ペンタエリスリトールーテトラー 12—ヒドロキシステァレート、エチレングリコールージ 12—ヒドロキシステアレート、プロピレングリコールージー 12—ヒドロキシステアレート等、前記脂肪酸とアルコール系化合物の縮合体である脂肪族エステル系離型剤;ステアリン酸アマイド、 n—ォレイルステアリン酸ァマイド、 n—ステアリルステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、ェチレンビス才レイン酸アマイド、へキサンメチレンビスべヘン酸アマイド、 N—ステアリノレステアリン酸アマイド、 N—ォレイルステアリン酸アマイドなど、前記脂肪酸とアンモニァゃエチレンジァミンなどとの縮合体である脂肪酸アマイド系離型剤;ステアリン酸力ルシゥムなど金属と前記脂肪酸との金属塩である脂肪酸金属石鹼系離型剤;シリコ一ン系離型剤等が挙げられる。

[0059] 中でも、配合量が少なくてよぐブリードアウトによる金型汚れが抑制され、成形体の白濁が抑制される点で、脂肪酸アマイド系離型剤が好ましぐエチレンビスステアリン酸アマイド、へキサメチレンビスべヘン酸アマイドが特に好まし、。

[0060] 離型剤の量は、発明の効果を損なわない範囲であれば格別な制限はないが、重合体 (A) 100重量咅に対し、 0. 01〜5重量咅の範囲にあると好ましく、 0. 03〜3重量部の範囲にあるとより好ましぐ 0. 05〜2重量部の範囲にあると特に好ましい。離型剤の割合力 Sこの範囲にあると、離型性が改善され、ブリードアウトによる金型汚れが抑制され、更に成形体の白濁が抑制されるので好ましい。

[0061] 本発明の榭脂組成物を製造する方法としては、重合体 (A)、水素化物 (B)又は重合体 (B)、及び必要に応じて添加する添加剤等とを混練りすることによりペレット状の重合体組成物を得る方法;適当な溶媒中で重合体 (A)、水素化物 (B)又は重合体（ B)、及び必要に応じて添加する添加剤等を混合し、溶媒を除去することにより重合体組成物を得る方法；などが挙げられる。

[0062] 混練は、単軸押出機、二軸押出機、バンバリ一ミキサー、ニーダー、フィーダールーダ一などの溶融混練機等を用いることができる。混練り温度は、 200〜350°Cの範囲であると好ましぐ 240〜300°Cの範囲であるとより好ましい。混練り温度がこの範囲にあると、重合体組成物の熱分解物の発生が防げるので好ましい。また、混練りするに際しては、各成分を一括添加して混練りしても、数回に分けて添加しながら混練りしてちょい。

[0063] 本発明の榭脂組成物は、透明性及び耐高温高湿性が著しく優れて!/、るので、各種成形体にすることができる。

[0064] (成形体）

本発明の成形体は、前記の榭脂組成物を周知の熱可塑性榭脂の成形法、例えば、射出成形法、押し出し成形法、キャスト成形法、インフレーション成形法、ブロー成形法、真空成形法、プレス成形法、圧縮成形法、回転成形法、カレンダー成形法、圧延成形法、切削成形法等によって成形加工することによって得ることができる。中でも、寸法精度に優れ、非球面形状などが成形可能な射出成形法又はプレス成形法が好ましぐ特に射出成形法が好適である。

[0065] (用途）

本発明の榭脂組成物は、従来の榭脂組成物が有する低吸湿性、耐薬品性、耐熱性、低複屈折性を有している。従って本発明の榭脂組成物は各種成形体の成形材料として広範な分野において有用である。例えば、光ディスク、光学レンズ、プリズム、光拡散板、光カード、光ファイバ一、光学ミラー、液晶表示素子基板、導光板、偏光フィルム、位相差フィルム等の光学材料;液体、粉体、または固体薬品の容器 (注射用の液体薬品容器、アンプル、バイアル、プレフィルドシリンジ、輸液用バッグ、密封薬袋、プレス 'スルー'パッケージ、固体薬品容器、点眼薬容器等)、サンプリング容器 (血液検査用サンプリング試験管、薬品容器用キャップ、採血管、検体容器等)、医療器具 (注射器等)、医療器具等の滅菌容器 (メス用、鉗子用、ガーゼ用、コンタクトレンズ用等)、実験 ·分析器具 (ビーカー、シャーレ、フラスコ、試験管、遠心管等)、医療用光学部品（医療検査用プラスチックレンズ等)、配管材料 (医療用輸液チューブ、配管、継ぎ手、バルブ等）、人工臓器やその部品義 (歯床、人工心臓、人造歯根等)等の医療用器材;処理用または移送用容器 (タンク、トレイ、キャリア、ケース等)、保護材 (キャリアテープ、セパレーシヨン'フィルム等）、配管類 (パイプ、チューブ、バルブ、流量計、フィルター、ポンプ等）、

[0066] 液体用容器類 (サンプリング容器、ボトル、アンプルバッグ等）の電子部品処理用器材;被覆材 (電線用、ケーブル用等)、民生用 ·産業用電子機器匡体 (複写機、コンビユーター、プリンター、テレビ、ビデオデッキ、ビデオカメラ等）、構造部材 (パラボラァンテナ構造部材、フラットアンテナ構造部材、レーダードーム構造部材等)等の電気絶縁材料;一般回路基板 (硬質プリント基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント配線板等)、高周波回路基板 (衛星通信機器用回路基板等)等の回路基板;透明導電性フィルム (液晶基板、光メモリー、面発熱体等)の基材;半導体封止材 (トランジスタ封止材、 IC封止材、 LSI封止材、 LED封止材等）、電気 ·電子部品の封止材 (モーター封止材、コンデンサ一封止材、スィッチ封止材、センサー封止材等）の封止材；ルームミラーやメーター類のカバーなど自動車用内装材料；ドアミラー、フェンダーミラー、ビーム用レンズ、ライト'カバーなど自動車用外装材料;等が挙げられる。中でも、本発明の榭脂組成物を成形した成形体は、透明性及び耐高温高湿性が著しく優れているので、レンズに好適である。

実施例

[0067] 本発明を、参考例、実施例及び比較例を示しながら、更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお部及び％は特に断りのない限り重量基準である。各種の物性の測定は、下記の方法に従って行った。

〔屈折率〕

JIS K 0062の 5.個体試料の測定方法に従い、 25°Cにおいて測定した。〔重合転化率〕

反応液をガスクロマトグラフィーで測定し、未反応単量体を定量することにより算出した。

〔水素化率〕

¹H— NMRにより算出した。

〔1, 2—および 3, 4—付加重合由来の繰返し単位の割合〕

赤外分析法を用い、モレロ法により算出した。

〔透明性試験〕

成形体を用いて、光路長 65mmの 700nmにおける光線透過率を日本電色工業株式会社製 ASA— 300Aにて測定し、比較例 1で得られた試験片との光線透過率の差を求めた。値が小さい程、透明性が高いことを示す。

[0068] 〔耐高温高湿性試験〕

成形体を用いて、光路長 65mmの 700nmにおける光線透過率を日本電色工業株式会社製 ASA— 300Aにて測定し、次いで、成形体を高温高湿試験器内 60°C、 95 %相対湿度の環境下に 120時間保持し、急激に室温環境 (試験器外）に取り出して、 24時間室温内に置いた後、光線透過率を測定し、高温高湿試験後の光線透過率から高温高湿試験前の光線透過率を引いた値を、高温高湿試験前後の光線透過率の低下量とした。高温高湿試験前後の光線透過率の低下量が小さ、ほど耐高温高湿性が優れていることを示す。また、光学顕微鏡で高温高湿試験後の成形体を観察し、ミクロクレーズが発生しているかを確認した。

[0069] [重合体製造例]

窒素置換したステンレス製耐圧容器に、スチレン 76. 8部とイソプレン 3. 2部を添カロして混合攪拌し混合モノマーを調製した。次いで、窒素置換した電磁撹拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブに、脱水シクロへキサン 320部、混合モノマー 4部及びジブチルエーテル 0. 1部を仕込み、 50°Cで撹拌しながら n—ブチルリチウムのへキサン溶液 (濃度 15%) 0. 454部を添加して重合を開始し、重合させた。重合開始から 0. 5時間経過（この時点での重合転化率は約 96%であった)後、混合モノマ一 76部を 1時間かけて連続的に添加した。混合モノマーの添加終了（この時点での重合転化率は約 95%であった）から 0. 5時間経過後、イソプロピルアルコール 0. 1 部を添加して反応を停止させ、スチレン一イソプレンランダム共重合体が溶解した重合反応溶液を得た。

[0070] 次、で、上記重合反応溶液 400部に、安定ィ匕ニッケル水素化触媒 E22U (日揮ィ匕学工業社製； 60%ニッケル担持シリカ―アルミナ担体) 3部を添加混合し混合液を得、それを電熱加熱装置と電磁撹拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレープに仕込ん 7こ。

該オートクレープに水素ガスを供給し、撹拌しながら、オートクレープ内を 160°C、 4. 5MPaを保つようにして 6時間水素化反応を行った。水素化反応終了後、ラジオライト # 800を濾過床として備える加圧濾過器 (石〗 11島播磨重工社製、フンダフィルター）を使用して、圧力 0. 25MPaで加圧濾過して、ビュル脂環式炭化水素重合体を含む無色透明な溶液を得た。水素化前の共重合体中の全炭素炭素結合 (芳香環を含む)数に対する水素化後の炭素炭素二重結合数の割合は 0. 02%以下であった。 Tgは 126. 5。C、屈折率は 1. 5070であった。

[0071] [実施例 1]

重合体製造例で得られたビュル脂環式炭化水素重合体 100部に対し、表 1に示される主鎖の末端が水酸基に変性された芳香族ビニルー共役ジェンブロック共重合体の水素化物 (E1) 0. 3部、および酸ィ匕防止剤としてテトラキスー〔メチレン 3— (3' , 5，一ジ一 ——ブチル 4，一ヒドロキシフエ-ル）プロピオネート〕メタン（チノく'スぺシャリティ'ケミカルズ社製ィルガノックス 1010) 0. 1部、離型剤として 12—ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド 1. 0部をそれぞれ添加し、 2軸混練機 (東芝機械社製、 TE M— 35B、スクリュー径 37mm、 L/D= 32,スクリュー回転数 150rpm、榭脂温度 2 40°C、フィードレート lOkgZ時間）で混練し、ストランド状に押し出した。これを水冷してペレタイザ一で切断し、ペレツトイ匕した。

[0072] 得られたペレットを、窒素を流通させた熱風乾燥器を用いて 100°Cで 4時間乾燥した後、射出成形機（ファナック社製、 AUTOSHOT MODEL 30A)により、シリンダー温度 240°C、金型温度 115°C、一次射出圧力 98. lMPa、二次射出圧力 78. 4 MPaにて、長さ 65mm、幅 65mm、厚さ 3mmの成形体 1を得た。得られた成形体 1 を用いて、透明性試験及び耐高温高湿性試験を行った。結果を表 2に示した。

[0073] [実施例 2]

表 1に示される芳香族ビュル一共役ジェンブロック共重合体の水素化物 (E2)を用いた以外は、実施例 1と同様にして、成形体 2を得、透明性試験及び耐高温高湿性試験を行った。結果を表 2に示した。

[0074] [実施例 3]

表 1に示される芳香族ビュル一共役ジェンブロック共重合体の水素化物 (E3)を用いた以外は、実施例 1と同様にして、成形体 3を得、透明性試験及び耐高温高湿性試験を行った。結果を表 2に示した。

[0075] [実施例 4]

表 1に示される芳香族ビュル一共役ジェンブロック共重合体の水素化物 (E4)を用いた以外は、実施例 1と同様にして、成形体 4を得、透明性試験及び耐高温高湿性試験を行った。結果を表 2に示した。

[0076] [比較例 1]

主鎖の末端が水酸基に変性された芳香族ビニルー共役ジェンブロック共重合体の水素化物を用いない以外は、実施例 1と同様にして、成形体 5を得、透明性について評価を行った。得られた成形体 5を用いて、光路長 65mmの 700nmにおける光線透過率を日本電色工業株式会社製 ASA— 300Aにて測定したところ、光線透過率は、 88. 8%であった。又、得られた成形体 5を用いて、耐高温高湿性試験を行った。結果を表 2に示した。

[0077] [比較例 2]

表 1に示される芳香族ビュル一共役ジェンブロック共重合体の水素化物 (E5)を用いた以外は、実施例 1と同様にして、成形体 6を得、透明性試験及び耐高温高湿性試験を行った。結果を表 2に示した。

[0078] [比較例 3]

表 1に示される芳香族ビュル一共役ジェンブロック共重合体の水素化物 (E6)を用いた以外は、実施例 1と同様にして、成形体 7を得、透明性試験及び耐高温高湿性試験を行った。結果を表 2に示した。 [0079] [表 1]

[0080] [表 2] 表 2

* 1：波長 700nmにおける比較例 1の光線透過率との差

[0081] 表 2から以下のことが分かる。

本発明の榭脂組成物、すなわち、ビニル脂環式炭化水素重合体 (A)と、芳香族ビ二ルー共役ジェンブロック共重合体 (b)の水素化物（B)とを含有してなり、

2)重合体ブロック (ii)は、それを構成する共役ジェン化合物由来の繰返し単位の中に、 1, 2—付加重合及び 3, 4—付加重合した繰返し単位を併せて 40重量％以上有し、且つ

3)主鎖の末端に水酸基を有するものである、榭脂組成物を成形してなる成形体は透明性及び耐高温高湿性に優れる（実施例 1〜4)。

[0082] それに対して、ビニル脂環式炭化水素重合体 (A)だけで成形してなる成形体は、透明性には優れるが、耐高温高湿性が著しく劣る（比較例 1)。また、水酸基で変性されていない芳香族ビニルー共役ジェンブロック共重合体の水素化物 (E5)を用いた榭脂組成物を成形してなる成形体は、透明性には優れるが、耐高温高湿性に劣る（比較例 2)。更に、共役ジェンブロック (Π)の、共役ジェンィ匕合物由来の繰返し単位中の、 1, 2—および 3, 4—付加重合由来の繰返し単位の割合力 0重量％以上のものではない芳香族ビニルー共役ジェンブロック共重合体の水素化物 (E6)を用いた榭脂組成物を成形してなる成形体は、耐高温高湿性には優れるが、透明性が劣る（比較例 3)ことがわかる。

産業上の利用可能性

[0083] 本発明の榭脂組成物は、透明性及び耐高温高湿性にすぐれるので、光学用成形材料として好適である。

Claims

請求の範囲

[1] ビュル脂環式炭化水素重合体 (A)と、芳香族ビニル—共役ジェンブロック共重合体 (b)の水素化物 (B)とを含有してなり、

2)重合体ブロック (ii)は、それを構成する共役ジェン化合物由来の繰返し単位の中に 1, 2 付加重合及び 3, 4 付加重合した繰返し単位を併せて 40重量％以上有し、且つ

3)主鎖の末端に水酸基を有するものである、

ことを特徴とする榭脂組成物。

[2] 重合体 (A)は 50重量％以上のビニル脂環式炭化水素化合物由来の繰返し単位を有する請求項 1に記載の榭脂組成物。

[3] 重合体 ( A)は芳香族ビニル化合物由来の繰返し単位を有する重合体 (a)中の芳香環を含む全ての炭素炭素不飽和結合の 80モル％以上が水素化されたものである請求項 1に記載の榭脂組成物。

[4] 重合体 (A)はガラス転移温度が 80〜250°Cである請求項 1に記載の榭脂組成物。

[5] 重合体 (A)は重量平均分子量が 10, 000〜500, 000、分子量分布（=重量平均分子量 Z数平均分子量)が 5以下である請求項 1に記載の榭脂組成物。

[6] ブロック共重合体 (b)は主鎖の末端に 50モル％以上の水酸基を有する請求項 1に記載の榭脂組成物。

[7] ブロック共重合体 (b)が重合体ブロック (i) 重合体ブロック (ii) 重合体ブロック (i

)の構成力なるものである請求項 1に記載の榭脂組成物。

[8] ブロック共重合体 (b)中の重合体ブロック (i)の割合が 15〜55重量％である請求項

1に記載の榭脂組成物。

[9] 水素化物（B)はブロック共重合体 (b)の重合体ブロック (i)中の芳香環の 40モル％未満が水素化され、且つ重合体ブロック (ii)中の炭素炭素二重結合の 60モル％以上が水素化されたものである請求項 1に記載の榭脂組成物。

[10] 水素化物（B)はガラス転移温度が 30°C以下である請求項 1に記載の榭脂組成物。

[11] 重合体 (A) 100重量部に対して、水素化物（B)が、 0. 001〜50重量部である請求項 1に記載の榭脂組成物。

[12] 重合体 (A)の屈折率 n (A)と、水素化物（B)の屈折率 n (B)との差の絶対値が 0

D D

. 01以下である請求項 1に記載の榭脂組成物。

[13] 請求項 1記載の榭脂組成物を成形してなる成形体。

[14] レンズである請求項 13記載の成形体。