WO2006011658A1

WO2006011658A1 - インクジェット用イエローインク、インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置

Info

Publication number: WO2006011658A1
Application number: PCT/JP2005/014242
Authority: WO
Inventors: Jun Yoshizawa; Shinichi Sato; Kunihiko Nakamura
Original assignee: Canon Kabushiki Kaisha
Priority date: 2004-07-29
Filing date: 2005-07-28
Publication date: 2006-02-02
Also published as: EP1783181B1; JP4794936B2; JP2006063329A; EP1783181A1; US20060119683A1; EP1783181A4; ATE491002T1; US7241332B2; DE602005025230D1; CN101006143B; CN101006143A

Abstract

耐光性及び耐環境ガス性に優れたインクと共に用いられる、光、環境ガスに対する褪色バランスを揃えたインクジェット用イエローインクの提供。　色材として一般式（１）で表される化合物、または、一般式（２）で表される化合物を含有するイエローインクシアンインクと共に画像形成に用いられるインクジェット用イエローインクであって、色材として、下記Ａ群から選ばれる少なくとも１種類、及び、下記Ｂ群から選ばれる少なくとも１種類、を含有することを特徴とするインクジェット用イエローインク。Ａ群：Ｃ．Ｉ．ダイレクトイエロー１３２、Ｃ．Ｉ．ダイレクトイエロー１７３Ｂ群：Ｃ．Ｉ．ダイレクトイエロー１４２、Ｃ．Ｉ．ダイレクトイエロー８６、一般式（３）で表される化合物。

Description

明細インクジェット用イェローインク、インクット、インクジエツト記録方法、インク力一卜リッジ、記録ュニット及びィンクジェット記録装置

.

技術分野

本発明は、画像保存性、特に耐環境ガス性、耐光性に優れた画像を与えるィンクジェット用イエロ rンク、インクセット、インクジエツト記録方法、ィンクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置に関する。背景技術

インクジエツト記録方法は、インク小滴を普通紙、及び、光沢メディア等の記録媒体上に付与して、画像を形成する記録方法であり、の低価格化、'記録. 速度の向上により、急速に普及が進んでいる。また、その記録画像の高画質化が進んだことに加えて、デジタルカメラの急速な普及に伴い、銀塩写真に匹敵する写真画像の出力方法として広く一般的になっている。

近年、インク滴の極小液滴化や、多色インクの導入に伴う色域の向上等により、今まで以上に高画質化が進んでいる。しかしその反面、色材ゃインクに対する要求はより大きくなり、発色性の向上や、目詰まり、吐出安定性等の信頼性においてより厳しい特性が要求されている。

一方で、インクジェット記録方式の問題点には、得られた記録物の画像保存性が挙げられる。一般に、インクジェット記録方法により得られた記録物は銀塩写真と比較して、その画像保存性が低く、記録物が光、湿度、熱、空気中に存在する環境ガス等に長時間さらされた際に、記録物上の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しゃすいといつた問題があつた。

画像保存性の中で、耐光性を向上させるためには、従来から数多くの提案が + なされている。シアンインク、マゼンタインク、イエロ Γンクの中でも特に耐光性が低い、イエロ一インクやマゼン夕インクにおいては、耐光性を向上させるための、新たな色材に関する提案がある。イエロ一色材については、 C. I . ダイレクトイエロー 86 (例えば、特開平 04— 233975号公報参照）が、また、 C. I. ダイレクトイェロー 173 (例えば、特開平 02— 233 78 1号公報参照）が提案されている。マゼン夕色材について.は、新規モノァゾ染料（例えば、特開平 05— 073791号公報参照）や、新規アントラピリドン染料（例えば、特開平 11— 209673号公報参照）が提案されている。

インクジエツト記録物における画像保存性の中で最大の問題である、空気中に存在する微量のオゾン、 NO_x、 S0₂等の環境ガスに対する堅牢性、即ち耐環境ガス性は、最もその影響を受けやすいシアンインクの色材について積極的な検討が行われてきた。その一例として、新規フタロシアニン染料の提案がある（例えば、特開 2002— 249677号公報及び特開 2000— 3030

09号公報参照)。

各色のインクによるカラ一バランスを考慮したインクセッ卜においては、耐光性を向上するために、各色に堅牢性の高い特定の色材を用いることに関する提案がある（例えば、特開 2001— 288392号公報、牿開 2002— 3 38853号公報、特開 2002-2941 1 1号公報、及び特開 2003 -

1 38169号公報参照）。また、耐オゾン性を向上するための提案がある（例えば、特開 2003— 238850号公報及び特開 2003— 286423号公報参照)。

しかしながら、従来、イエロ一インクと他の色のインクとの相関関係、という観点から褪色バランスを考慮した技術は確立されていなかった。発明の開示

こおまで、耐環境ガス性の評価は、オゾンガスのみに対する評価が行われていた。しかし、本発明者らが検討を行ったところ、オゾンガスのみに対する評価では、実際の写真等の画像を印字した記録物を保存した際の画像保存性と対応しない場合があることがわかった。これは、写真等の画像を印字した記録物は、オゾンガスの他に、 N O_x、 S 0₂等の酸性ガスが多く存在する室内等の環境で保存されることが多いため、画像保存性の評価は、'オゾンガスの他に、 N O _x、 S〇₂等の酸性ガスが多く存在する雰囲気下で画像保存性の評価を行うことで、実際の写真等の画像を印字した記録物の画像保存性を評価できることを見出した。この結果、本発明者らは、オゾンガスの他に、 NO_x、 S 0₂等の酸性ガスが多く存在する雰囲気で写真等の画像を印字した記録物の画像保存性を向上することができるィンクが必要であるどいう認識を得るに至つた。また、本発明者らが検討を行つたところ、例えば、イェローインク、マゼン夕インク、シアンィンク等の従来のィンクを用いて印字した記録物を、環境ガスに長時間さらした場合、記録物全体が黄変することにより、画像の劣化が顕著になるという知見を得た。この理由は、（1 ) イエロ一インク、マゼンタインク、シアンィンクの各色における褪色の程度が、シアンインク〉マゼンタインク〉イエロ一インク、の順となっていること、 ( 2 ) シアンィンクの色材が劣化すると、一般に黄色味を帯びた色に変色すること、 '（3 ) 環境ガス中の N O _x等の影響により、記録媒体が黄変すること、等の原因が考えられる。

従って、シアンインクの色材の変色、記録媒体の黄変も加味した上で、記録物におけるイェローインク、マゼン夕インク、シアンインクの褪色バランスを揃えることで、褪色が起きた際にもカラーバランスを維持することが、耐環境ガス性を向上させるためには有効な手段である。つまり、イェローインクを中心として、少なくとも他の 1種のィンクとの相関関係を満足させることが重要となる。

更に、本発明者らが検討を行ったところ、写真等の画像を印字した記録物における画像保存性として問題となる、室内に掲示する状態をより正確にシミュレートした加速試験を行う場合には、室内環境の雰囲気に存在する環境ガスを用いた加速試験が必須であるという知見を得た。従って、従来からインクジェット記録方法を用いて得られた画像に対して、最も大きな影響を与えると考えられているオゾンガス単独でなく、一般的な窒内環境の雰囲気において、ォゾンょりも高い濃度で存在している N O_x等の酸性ガスの影響を考慮した混合ガス系での加速試験を行う必要がある。このため、本発明においては、耐環境ガス性として、オゾンガスに、 N〇_x、 S 0₂の酸性ガスを加えた 3種の混合ガスに対する画像保存性を向上させることが、記録物を室内に掲示する状態における画像保存性を向上するために必須であるという結論を得るに至った。

従って、本発明の目的は、耐光性及び耐環境ガス性に優れた特定の色材を含有するインクジエツト用シアンインクと共に用いられる、光、環境ガスに対する褪色バランスを揃えたインクジエツ卜用イェローインクを提供することにめる。

また、本発明の別の自的は、耐光性及び耐環境ガス性に優れた特定の色材を含有するィンクジエツト用マゼンタインクと共に用いられる、光、環境ガスに対する褪色バランスを揃えたインクジエツト用イエロ一インクを提供することにある。

また、本発明の別の目的は、特定の色材を含有するインクジェット用マゼンインク、インクジェット用シアンインクと共に用いられる、光、環境ガスに対する 3色の褪色パランスを揃えたインクジエツト用イエロ rンクを提供することにある。

また、本発明の別の目的は、特定の色材を含有するインクジェット用マゼン夕インク、インクジエツト用シアンインク、インクジエツ卜用イエロ一インク、を少なくとも含む、光、環境ガスに対する 3色の褪色バランスを揃えたインクセットを提供することにある。

また、本発明の別の目的は、上記インクジェット用インクを用いて記録媒体に画像を形成する場合に、光、環境ガスによって褪色しない画像を得ることができるインクジエツト記録方法を提供することにある。

•また、本発明の別の目的は、上記インクジェット用インクを用いたインク力一卜リッジ、記録ュニット及びインクジエツト記録装置を提供することにある。上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかるインクジェット用イエロ一インクは、色材として下記一般式 (1) で表される化合物、または、下記一般式 (2) で表される化合物を含有するイエロ一インクシアンインクと共に画像形成に用いられるインクジエツト用イエロ一インクであって、色材として、下記 A群から選ばれる少なくとも 1種類、及び、下記 B 群から選ばれる少なくとも 1種類、を含有することを特徴とする。

A群： C. I. ダイレクトイエロ一 132、 C. I . ダイレクトイエロ一 17 3 ' B群： C. I . ダイレクトイエロ一 142、 C. I . ダイレク卜イェロー 86、下記一般式 (3) で表される化合物

.一般式（1)

(一般式 (1) 中、 Mはアルカリ金属またはアンモニゥムであり、 R₂はそれぞれ独立に水素原子、スルホン酸基、力ルポキシル基（但し、 Rい R₂が同時に水素原子となる場合を除く）であり、 Ύは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基であり、 1、 m、 nはそれぞれ 1 = 0〜2、 m= 1〜3 n= 1〜3 (但し、 l +m+n=3〜4) であり、置換基の置換位置は 4位若しくは 4' 位である。） '

一般式（2)

(一般式（2) 中、 Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニゥム或いは有機ァンモニゥムである。)

一般式 (3)

(一般式 (3) 中、 Mはそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機ァミンのカチオンまたはアンモニゥムイオンであり、 nはそれぞれ独立に 1または 2である。）

また、本発明の別の実施態様にかかるインクジエツト用イエロ一インクは、色材として下記一般式（4) で表される化合物またはその塩を含有するイエロ

いられるインクジエツト用イエ口一インクであって、色材として、下記 A群から選ばれる少なくとも 1種類、及び、下記 B群から選ばれる少なくとも 1種類、を含有することを特徴とする。

A群： C. I . ダイレクトイェロー 132、 C. I . ダイレクトイエロ一 17

B群： C. I . ダイレクトイエロー 1 2、 C. I . ダイレク卜イエロ下記一般式 (3) で表される化合物

一般式（4)

(一般式 (4) 中、は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロへキシル基、モノまたはジアルキルアミノアルキル基、またはシァノ低級アルキル基であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基（アルキル基上にスルホン酸基、カルボキシル基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい）であり、 R₂、 R₃、 R₄、 R₅及び R₆はそれぞれ独立に水素原子、炭素数 1〜8のアルキル基、またはカルボキシル基（但し、 R₂、 R₃、 R₄、 R₅及び尺₆のすべてが水素原子である場合を除く) である。)

一般式 (3)

(一般式（3) 中、 Mはそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機ァミンのカチオンまたはアンモニゥムイオンであり、 nはそれぞれ独立に 1または 2である。）

また、本発明の別の実施態様にかかるインクジエツト用イエロ rンクは、色材として下記一般式（1) で表される化合物、または、下記一般式（2) で表される化合物を含有するインクジエツト用シアンインク、及び、少なくとも、色材として、下記一般式（4) で表される化合物またはその塩を含有するインクジエツト用マゼン夕インク、と共に画像形成に用いられるインクジェット用イエロ一インクであって、色材として、下記 A群にから選ばれる少なくとも 1 種類、及び、下記 B群から選ばれる少なくとも 1種類、を含有することを特徴とする。

A群： C. I . ダイレクトイェロー 132、 C. I. ダイレクトイエロ一 17 3

B群： C. I. ダイレクトイェロー 142、 C. I. ダイレクトイエロ一 86、下記一般式 (3) で表される化合物

一般式 (1)

(一般式 (1) 中、 Mはアルカリ金属またはアンモニゥムであり、 R₂はそれぞれ独立に水素原子、.スルホン酸基、カルボキシル基（但し、 R₂が同時に水素原子となる場合を除く）であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基であり、 1、 m、 nはそれぞれ 1= 0〜2、 m=l〜3、 n=l〜3 (但し、 l +m+n=3〜4) であり、置換基の置換位置は 4位若しくは 4' 位である。）

一般式 (2)

(一般式 (2) 中、 Mは水素原子、アル力リ金属、アンモニゥム或いは: ンモニゥムである。)

一般式 (3)

一般式 (4)

(一般式 (4) 中、は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロへキシル基、モノまたはジアルキルアミノアルキル基、またはシァノ低級アルキル基であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基 (アルキル基上にスルホン酸基、力ルポキシル基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい）であり、

R₂、 R₃、 R₄、 R ₅及び R ₆はそれぞれ独立に水素原子、炭素数 1〜8のアルキル基、またはカルボキシル基 (但し、 R₂、 R₃、 R₄、 R₅及び R₆のすベてが水素原子である場合を除く）である。） ' ·

また、本発明の別の実施態様にかかるインクセットは、複数のインクからなるインクセットにおいて、色材として下記一般式 (1) で表される化合物、または、下記一般式 (2) で表される化合物を含有するインクェット用シアンインク、及び、色材として、下記 A群から選ばれる少なくとも 1種類、及び、下記 B群から選—ばれる少なくとも 1種類、を含有するインクジェット用イエロ一インク、を少なくとも含むことを特徴とする。 '

A群： C. I. ダイレクトイエロ一 132、 C. I. ダイレクトイェロー 17 3

B群： C. I . ダイレクトイェロー 142、 C. I. ダイレクトイエロ一 86、下記一般式 (3) で表される化合物

一般式 (1)

(一般式（1) 中、 Mはアルカリ金属またはアンモニゥムであり、 Rp R₂はそれぞれ独立に水素原子、スルホン酸基、カルボキシル基（但し、 Rい R₂が同時に水素原子となる場合を除く）であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基であり、 1、 m、 nはそれぞれ 1 = 0〜2、 m=l〜3、 n=l〜3 (但し、 l +m+n=3〜4) あり、置換基の置換位置は 4位若しくは 4' 位である。）

一般式 (2)

(一般式（2 ) 中、 Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニゥム或いは有機ァンモニゥムである。）

一般式 ( 3 )

(一般式（3 ) 中、 Mはそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機ァミンのカチオンまたはアンモニゥムイオンであり、 nはそれぞれ独立に 1または 2である。）

また、本発明の別の実施態様にかかるインクセットは、複数のインクからなるインクセットにおいて、色材として、下記一般式（4 ) で表される化合物またはその塩を含有するインクジェット用マゼン夕インク、及び、色材として、下記 A群から選ばれる少なくとも 1種類、及び、下記 B群から選ばれる少なくとも l種類、' を含有するインクジエツト用イエロ一^ rンクを少なくとも含むことを特徴とする。

B群： C. I . ダイレク卜イエロ一 142、 C. I. ダイレクトイェロー 86、下記一般式（3) で表される化合物

—般式（4)

(一般式（4) 中、は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロへキシル基、モノまたはジアルキルアミノアルキル基、またはシァノ低級アルキル基であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基（アルキル基上にスルホン酸基、カルボキシル基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい）であり、 R₂、 R₃、 R₄、 R₅及び R₆はそれぞれ独立に水素原子、炭素数 1〜8のアルキル基、またはカルボキシル基（但し、 R₂、 R₃、 R₄、 R₅及び R₆のすベてが水素原子である場合を除く）である。）

一般式（3)

(一般式 (3) 中 < Mはそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機ァミンのカチオンまたはアンモニゥムイオンであり、 nはそれぞれ独立に 1または 2である。）

また、本発明の別の実施態様にかかるインクセットは、複数のインクからなるインクセットにおいて、色材として、下記一般式 (1) で表される化合物、または、下記一般式（2) で表される化合物を含有するインクジェット用'シァンインク、及び、色材として、下記一般式 (4) で表される化合物またはその塩を含有するインクジェット用マゼンタイン^、及び色材として、下記 A群から選ばれる少なくとも 1種類、及び、下記 B群から選ばれる少なくとも 1種類、を含有するインクジエツト用イェローインクを少なくとも含むことを特徴とする。

A群： C. I. ダイレクトイエロ一 132、 C. I. ダイレクトイエロ一 17 3

B群： C. I. ダイレクトイエロ一 142、 C. I . ダイレクトイェロー 86、下記一般式 (3) で表される化合物

一般式 (1)

(一般式 (1) 中、 Mはアルカリ金属またはアンモニゥムであり、 Rい R₂はそれぞれ独立に水素原子、スルホン酸基、カルボキシル基（但し、 Rい R₂が同時に水素原子となる場合を除く）であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルァミノ基であり、 1 m nはそれぞれ 1 = 0 2 m=l 3 n=l 3 (但し、 l +m+n=3 4) であり、置換基の置換位置は 4位若しくは 4' 位である。）

一般式 (2)

(一般式（2) 中、 Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニゥム或いは有機ァンモニゥムである。) ' ' 一般式（3) ,

一般式（4)

(一般式 ( 4 ) 中、 R !は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロへキシル基、モノまたはジアルキルアミノアルキル基、またはシァノ低級アルキル基であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基 (アルキル基上にスルホン酸基、カルボキシル基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい）であり、

R ₂、 R ₃、 R ₄、 R ₅及び R ₆はそれぞれ独立に水素原子、炭素数 1〜8のアルキル基、または力ルポキシル基 (但し、 R ₂、 R ₃、 R ₄、 R ₅及び R ₆のすベてが水素原子である場合を除く) である。）

また、.本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録方法は、インクをインクジエツト方法で吐出して記録媒体に記録を行う工程を有するィンクジエツト記録方法において、前記インクが、上記構成のインクジェット用イエロ —インクであるインクジエツト記録方法。

また、.本発明の別の実施態様にかかるィンクカー卜リッジは、ィンクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが、上記構成のインクジエツト用イエロ一インクであることを特徴とする。

また、本発明の別の実施態様にかかるインクカートリッジは、複数のインクからなるィンクセットを収容するィンク収容部を備えたィンクカートリッジにおいて、前記インクセットが、上記構成のインクセットであることを特徴とする。

また、本発明の別の実施態様にかかる記録ユニットは、インクを収容するィク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットにおいて、前記インクが、上記構成のインクジェット用イェローインクであることを特徴とする。 .

また、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録装置は、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録へッドとを備えたィンクジェット記録装置において、前記インクが、上記構成のインクジェット用ィンクであることを特徵とする。

発明の効果

本発明によれば、耐光性及び耐環境ガス性に優れた特定の色材を含有するィ ' ンクジエツト用シアンインクと共に用いられる、光、境ガスに対する褪色バランスを揃えたィンクジェット用イエローインクを提供することができる。また、本発明の別の実施態様によれば、耐光性及び耐環境ガス性に優れた特定の色材を含有するインクジエツト用マゼン夕インクと共に用いられる、光、環境ガスに対する褪色バランスを揃えたインクジエツト用イエロ一インク.を提供することができる。

また、本発明の別の実施態様によれば、特定の色^ ·を含有すインクジェット用るマゼン夕インク、インクジェット用シアンインクと共に用いられる、光、環境ガスに対する 3色の褪色バランスを揃えたインクジエツト用イエローインクを提供することができる。

また、本発明の別の実施態様によれば、特定の色材を含有するインクジエツト用マゼンタインク、インクジェット用シアンインク、インクジェット用イエ口 rンク、を少なくとも含む、光、環境ガスに対する 3色の褪色バランスを揃えたインクセットを提供することができる。

また、本発明の別の実施態様によれば、上記インクジェット用インクを用いて記録媒体に画像を形成する場合に、光、環境ガスによって褪色しない画像を得ることができるィンクジェッ卜記録方法、を提供することができる。また、本発明の別の態様によれば、上記インクジェット用インクを用いたィンクカートリッジ、記録ュニット及びィンクジエツト記録装置を提供することができる。図面の簡単な説明 +

図 1は、画像濃度の経時劣化のイメージ図である。

図 2は、記録装置の斜視図である。

図 3は、記録装置の機構部の斜視図である。

図 4は、記録装置の断面図である。

図 5は、ヘッドカートリッジにインクタンクを装着する状態示した斜視図である。

図 6は、へッドカ一卜リッジの分解斜視図である。 ' 図 Ίは、へッドカ一トリッジにおける記録素子基板を示す正面図である。図 8は、記録ヘッドの分解図である。

図 9は、記録ヘッドの分解図である。発明を実施するための最良の形態

以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。

尚、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、ィンクジェット用インクを、単に「インク J と呼ぶことがある。

<インク >

以下、本発明にかかるインクを構成する成分等について詳細に述べる。

(イエロ一インクの色材）

上記で述べたように、本発明にかかるイエロ一^ rンクに求められる性能は、環境ガス及び光に対する褪色の程度が、シアンィンク及びマゼンタインクの褪 2 色の程度と合っていることである。本発明においては、イエロ一インクの耐光性が高く、また、耐環境ガス性がマゼンタインク、シアンインクと同程度になるように色材を選択している。上記に挙げた色材をイエロ一ィンクの色材として用いた場合、耐光性は全て同等の性能を有するが、耐環境ガス性はその特性が異なる。具体的には、 A群の色材のみを用いた場合は、後述するマゼンタインク、シアンインクよりも耐環境ガス性が高く、 B群の色材のみを用いた場合は、後述するシアンインクよりも耐環境ガス性が低い。従って、 A群の色材から少なくとも 1種類、 B群の色材から少なくとも 1種類を選択し、好ましい比率で混合して用いることで、後述するマゼン夕インク、シアンインクと同等の耐環ガス性を得ることができ、褪色バランスに優れたイエロ一^ Γンクを得ることができる。

本発明にかかるイエロ一^ rンクは、 A群に記載の化合物から少なくとも Ί種類、 B群に記載の化合物から少なくとも 1種類、の色材を組み合わせて用いることが必須である。

A群： C. I . ダイレクトイエロ一 1 3 2、 C. I . ダイレクトイエロ一 1 7 3

B群： C. I . ダイレクトイエロ一 1 4 2、 C . I . ダイレクトイエロー 8 6、下記一般式 ( 3 ) で表される化合物

一般式 ( 3 )

前記一般式 (3) で表される色材の具体例は、下記表 1の構造となる化合物が挙げられる。勿論、本発明はこれに限られるものではない。尚、表 1においては、便宜上、卞記一般式 (5) に示すように A環、 B環として、スルホン基の置換位置を示す。スルホン基の置換位置は下記一般式 (5) で定義した通りである。

一般式 (5)

(一般式（5) 中、 Mはそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機ァミンのカチオンまたはアンモニゥムイオンであり、 nはそれぞれ独立に 1または 2である。) ' 表 1

前記一般式 (5) で表される色材の好ましい具体例は、下記例示化合物 Y1 が挙げられる。勿論、本発明はこれに限られるものではない。

例示化合物 Υ 1

イェローインクにおける、前記色材の含有量（質量％) は、インク全質量に対して 1 . 0質量％以上 1 0 . 0質量％以下であることが好ましく、更には、 1 . 5質量％以上 6 . 0質量％以下であることがより好ましい。含有量が 1 . 0質量％未満であると、褪色バランス等の本発明の効果が十分に得られない場合があり、含有量が 1 0 . 0質量％を超えると、耐固着性等のインクジェット特性が得られない場合がある。また、イェローインクにおける、 A群の色材の含有量（質量％) 及び B群の色材の含有量（質量％) の比率（％) は、 A群の色材の含有量（質量％) ： B群の色材の含有量（質量％) = 1 ： 1 0〜1' 0 ： 1であることが好ましい。前記範囲とすることで、本発明の効果である優れた褪色バランスが効果的に得られるためである'。

(マゼンタインクの色材）

本発明にかかるマゼンタインクに求められる性能は、耐光性が高く、上述のイエロ fンクと同等の耐環境ガス性を有することである。このため、マゼン夕インクの色材は、下記一般式（4 ) で表される化合物またはその塩を用いることが好ましい。前記色材をマゼンタインクの色材として用いた場合、而恍性は全て高い性能を有するが、耐環境ガス性は、環境ガス中の単独のオゾンガスに対する性能と、オゾンガスと N O _xや S 0₂等の酸性ガスを混合した、混合ガスに対する性能が異なる。具体的には、いずれの色材も、単独のオゾンガスに対する性能は低いが、オゾンガスと酸性ガスを混合した、混合ガスに対しては強い性能を示す。

一般式（4 )

(一般式（4) 中、は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロへキシル基、モノまたはジアルキルアミノアルキル基、またはシァノ低級アルキル基であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基 (アルキル基上にスルホン酸基、力ルポキシル基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい）であり、 R₂、 R₃、 R₄、 R ₅及び R ₆はそれぞれ独立に水素原子、炭素数 1〜8のアルキル基、または力ルポキシル基（但し、 R₂、 R₃、 R₄、 R ₅及び R ₆のすベてが水素原子である場合を除く）である。）

前記一般式（4) で表される化合物の好ましい具体例は、下記の例示化合物 M1〜M7が挙げられる。勿論、本発明はこれに限られるものではない。

2'5

マゼン夕インクにおける、前記色材の含有量（質量％) は、インク全質量に対して 1. 0質量％以上 10. 0質量％以下であることが好ましく、更には、 1. 5質量％以上 6. 0質暈％以下であることがより好ましい。含有量が 1. 0質量％未満であると、褪色バランス等の本発明の効果が十分に得られない場合があり、含有量が 10. 0質量％を超えると、耐固着性等のインクジェット特性が得られない場合がある。

. (シアンインクの色材)

本発明にかかるシアンインクに求められる性能は、イエロ一インク、マゼンタインクと同等の高い耐環境ガス性を有することである。このため、シアンィンクの色材は、'下記一般式 (1) で表される化合物、或いは一般式（2) で表される化合物を用いる'ことが好ましい。尚、一般式（1) で表される化合物、或いは、一般式（2) で表される化合物から選択される 1種のみを用いることも、または 2種以上を混合して用いることも可能である。

一般式 (1)

(一般式（1) 中、 Mはアルカリ金属またはアンモニゥムであり、 ' Rい R₂はそれぞれ独立に水素原子、スルホン酸基、カルボキシル基（但し、 R₂が同時に水素原子となる場合を除く）であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基であり、 1、 m、 nはそれぞれ 1 = 0〜2、 m=l〜3、 n= 1-3 (伹し、 l +m+n=3〜4) であり、置換基の置換位置は 4位若しくは 4 ' 位である。）。

本発明において用いる色材は、一般式（1 )における 4位及び 4 '位のみに、無置換スルファモイル基 (- S 0₂ NH₂) または置換スルファモイル基（下記一般式（6 )で表される基）を選択的に導入したフタ pシァニン誘導体である。本発明者らは、かかる化合物を含有するインクを用いて得られだ記録物が、極めて耐環境ガス性に優れることを見出した。

尚、一般式（1 ) で表される化合物またはその塩の合成には、 4ースルホフタル酸誘導体、または、 4ースルホフタル酸誘導体及び（無水）フタル酸誘導体を、金属化合物の存在下で反応させることで得られるフタロシア二ン化合物を原料に用いる。更に、前記フタロシアニン化合物におけるスルホン酸基をクロロスルホン酸基に変換した後、有機アミンの存在下でァミノ化剤を反応させて得られる。 ' 一般式（6 )

一般式（6 ) で表される置換スルファモイル基の好ましい具体例を以下に示す。勿論、本発明に用いられる置換スルファモイル基は、これに限られるものではない。尚、一般式 ( 6 ) で表される置換スルファモイル基は、遊離酸の形で示す。中でも、例示置換基 1が置換した化合物が、その発色性と耐環境ガス性のバランスから最も好ましい化合物である。

S sI

(一般式 ( 2 ) 中、 Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニゥム或いは有機ァンモニゥムである。) ' シアンインクにおける、前記色材の含有量（質量％) は、インク全質量に対して 1 . 0質量％以上 1 0. 0質量％以下であることが好ましく、更には、 1 . 5質量％以上 6 . 0質量％以下であることがより好ましい。含有量が 1 . 0質量％未満であると、褪色バランス等の本発明の ¾1果が十分に得られない場合があり、含有量が 1 0 . 0質量％を超えると、耐固着性等のインクジェット特性が得られない場合がある。

(その他のインクの色材）

本発明にかかるイェローインク、前記イェローインクと共に用いるマゼン夕インク及びシアンインクには、上記した色材の他に、更に別の色材を含有しても良い。色材の具体例を下記に挙げる。勿論、.本発明はこれに限られるものではない。

本発明にかかるイェローインク、前記イェローインクと共に用いるマゼン夕 'ィンク及びシアンィンクに、更に別の色材を含有させる場合の色材の含有量 (質量％) は以下の通りである。イエロ一インクについて^;、色材の含有量の合計に対して、 A群及び B群以外の色材の含有量の比率が 20%未満であることが好ましい。マゼンタインクについては、色材の含有量の合計に対して、一般式（4) で表される化合物またはその塩以外の含有量の比率が 20%未満であることが好ましく、シアンインクについては、色材の含有量の合計に対して、一般式（1)で表される化合物、または、一般式 (2) で表される化合物の含有量の比率が 20%未満であることが好ましい。前記含有量とするのは、本発明の効果の一つである褪色^ランスを優れたものとするためである。

また、本発明にかかるイェローインクは、上記したマゼンタインクやシアンインクの他に、更に別のインクと組み合わせて用いてもよい。本発明にかかるイエロ一インクと組み合わせて用いることのできるインクに含有される色材の具体例を下記に挙げる。勿論、本発明はこれ.に限られるものではない。 ' 〔イェロー色材〕

C. I. ダイレクトイエロ一： 8、 11、 12、 27、 28、 33、 39、 4 4、 50、 58、 85、 86、 87、 88、 89、 98、. 100、 110、 1 32、 173等

C. I. ァシッドイェロー： 1、 3、 7、 11、 17、 23、 25, 29、 3 6、 38、 40、 42、 44、 76、 98、 99等

C. I. ビグメントイエロー： 1、 2、 3、 12、 13、 14、 15、 16、

17、 73、 74、 75、 83、 93、 95、 97、 98、 114、 128、 138、 180等

〔マゼンタ色材〕

C. I . ダイレクトレッド： 2、 4、 9、 11、 20、 23、 24、 31、 3 9、 46、 62、 75、 79、 80、 83、 8.9、 95、 197、 201、 2

18、 220、 224、 225、 226、 227、 228、 229、 230等 C. I . ァシッドレッド： 6、 8、 9、 13、 14、 18、 26、 27、 32、 35、 42、 5 1、 52、 80、 83、 87、 89、 92、 106、

1 15 、 133、 134、 145, 1 58、 198、 249、 265、 c . I . フードレツド： 87、 92、 94等

c . I . ダイレクトバイオレツト： 1 07等

c . I . ビグメントレツド： 2、 5、 7、 .12、 48 : 2、 48 : 4、

1 、 1 12、 122、 123、 168 、 184、 202等

〔シアン色材〕

C. I . ダイレク卜ブルー : 1、 1 5、 22、 25、 41、 76、 77、 80、 86、 90、 98、 106、 108、 120、 158、 163、 168、 19 9、 226、 307等

C. I . ァシッドブル一： 1、 7、 9、 15、 22、 23、 25、 29、 40、 43、 59、 62、 74、 78、 80、 90、 100、 102、 104、 1 1 2、 1 17、 127、 138、 1 58、 161、 203、 204、 221、 2 44等 .

C. I . ピグメントブルー： 1、 2、 3、 15、 15 : 2、 15 : 3、 1 5 ： 4、 16、 22、 60等

〔その他の色調の色材〕 '

本発明は上記のインクの他にも、必要に応じてブラック、レツド、グリーン、ブル一といった所謂特色インクと共に使用することができる。以下にこれらのインクに含有することができる色材の例を挙げるが、本発明はこれらに限られるものではない。

C. I . ァシッドオレンジ： 7、 8、 10、 12、 24、 33、 56、 67、 74、 88、 94、 116 142等

C. I . ァシッドレッド： 1 1 1、 1 14、 266、 374等

C. I . ダイレクトオレンジ： 26、 29、 34、 39、 57、 102、 1 1 8等 C I. フードオレンジ： 3等

C. I . リアクティプオレンジ： 1、 4、 5、 7、 12、 13、 14、 15、 16、 20、 29、 30、 84、 107等

C. I . デイスパースオレンジ： 1、 3、 11、 13、 20、 25、 29、 3 0、 31、 32、 47、 55、 56等

C. I. ピグメントオレンジ： 43等

C. I . ビグメントレッド： 122、 170、 177、 194、 209、 22 4等

C. I . アシッドグリーン： 1、 3、 5、 6、 9、 12、 15、 16、 19、 21、 25、 28、 81、 84等

C. I . ダイレクトグリーン： 26、 59、 67等

C. I . フードグリーン： 3等

C. I . リアクティブグリーン： 5、 6、 12、 19、 21等

C. I. ディスパ一スグリーン： 6、 9等

C. I. ピグメントグリーン ·· 7、 36等

C. I . ァシッドブル一： 62、 80、 83、 90、 104、 112、 113、 142、 203、 204、 221、 244^

C. L. リアクティブブル一： 49等

C. I . ァシッドバイオレツト： 17、 19、 48、 49、 54、 129等 C. I . ダイレクトバイオレツト： 9、 35、 47、 51、 66、 93、 95、

99等 ' .

C. I. リアクティブバイオレット： 1、 2、 4、 5、 6、 8、 9、 22、 3 4、 36等

C. I. デイスパースバイオレット： 1、 4、 8、 23、 26、 28、 31、 33、 35、 38、 48、 56等

C. I . ビグメントブルー： 15 ： 6等 C. I . ピグメントバイオレツト： 19、 23、 37等

C. I . ダイレクトブラック： 17、 19、 22、 31、 32、 51、 62、

71、 74、 112、 113, 154、 168、 195等

C. I. アシッドブラック： 2、 48、 51、 52、 110、 115、 156 等

C. I . フードブラック： 1、 2等

カーボンブラック

(ブラックインク）

本発明にかかるイェローインクは、上記したマゼンタインクやシアンインクの他に、別のインクと組み合わせて用いることがでぎる。本発明においては特に、ブラックインクと組み合わせて用いることが好ましい。これは、黒色の画像形成を行う場合に、ブラックインクを用いると、画像濃度が高く、優れた色相の黒色の画像を形成できるためである。

ブラックィンクの色材は、下記一般式（7)で表される化合物またはその塩、下記一般式 (8) で表される化合物またはその塩、下記一般式 (9) で表される化合物と下記一般式（10) で表される化合物との縮合染料、の少なくとも 1つであることが好ましい。これは、これらの色材が、堅牢性、色相、画像濃度に共に優れているためである。

一般式（7)

(一般式 (7) 中、 Rい R₂、 R₃、 R₄はそれぞれ独立に水素原子；ヒドロキシル基；アミノ基；力ルポキシル基；スルホン酸基；炭素数 1〜4のアルキル基；炭素数 1〜4のアルコキシ基；ヒドロキシル基、炭素数 1〜4のアルコキシ基、スルホン酸基若しくは力ルポキシル基で置換されているアルコキシ基；カルボキシル基またはスルホン酸基で更に置換されてもよい炭素数 1〜4のアルコキシ基；フエニル基、アルキル基、またはァシル基によって置換されているアミノ基であり、 nは 0または 1である。）

一般式 ( 8 )

(一般式（8 ) 中、及び R ₂はそれぞれ独立に水素.原子； 'ヒドロキシル基；アミノ基;力ルポキシル基 f スルホン酸基；炭素数 1〜4のアルキル基；炭素数 1〜4のアルコキシ基であり、 R ₃及び R ₄はそれぞれ独立に水素原子；炭素数 1〜4のアルキル基；炭素数 1〜4のアルコキシ基；ヒドロキシル基；ヒド口キシル基若しくは炭素数 1〜4のアルコキシ基で置換されても良い炭素数 1〜4のアルキル基；ヒドロキシル基、炭素数 1〜4のアルコキシ基、スルホン酸基若しくは力ルポキシル基で置換されてもよい炭素数 1〜4のアルコキシ基；アルキル基若しくはァシル基によって置換されているアミノ基であり、 nば 0まだは 1である。）

一般式 ( 9 )

(一般式（9 ) 中、 Mは水素原子またはアルカリ金属原子である。) 一般式 ( 1 0 )

(一般式（1 0 ) 中、 Rい R ₂、 R ₃、 R ₄、 R ₅はそれぞれ独立に水素原子；ハロゲン原子；ヒドロキシル基；スルホン酸基；カルボキシル基；炭素数 1〜 4のアルキル基；炭素数 1〜4のアルコキシ基である。）

(レッドインク、ブルーインク、グリーンインク）

本発明にかかるイエロ一インクは、上記したマゼン夕インクやシアンインクの他に、別のインクと組み合わせて用いることができる。本発明においてば更に、レッドインク、ブル一インクまたはグリーンインクと組み合わせて用いることが好ましい。これは、画像形成を行う場合に、色域が広く、鮮やかな画像を形成できるためである。

レツドインクの色材には、少なくとも、 C : I . フードイエロ一 3を含むことが好ましい。これは、この色材が、発色性に優れており、画像形成を行う場合に、色域が広く、鮮やかな画像を形成できるためである。

ブル一ィンクの色材には、少なくとも、 C . I . ダイレク卜ブルー 1 9 9を含むことが好ましい。これは、この色材が、発色性に優れており、画像形成を行う場合に、色域が広く、鮮やかな画像を形成できるためである。

グリーンインクの色材には、少なくとも、下記一般式 ( 1 1 ) で表される化合物またはその塩、下記一般式（1 2 ) で表される化合物またはその塩を含むことが好ましい。これは、これらの色材が、発色性に優れており、画像形成を行う場合に、色域が広く、鮮やかな画像を形成できるためである。

一般式（1 1 )

(一般式（11) 中、及び R₂はそれぞれ独立に、置換若しくは未置換の、アルキル基、ァリール基、ァリールアルキル基、または水素原子の何れかであり、 R₃及び R₅はそれぞれ独立に、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその塩、及びこれらの基で置換されたアルキル基であり、 R ₄及び R ₆はそれぞれ独立に、 R ₃及び R₅に対して定義した以外の基であり、 p及び rはそれぞれ独立に 1〜5の整数であり、 Q及び sはそれぞれ独立に 0〜4の整数であり、且つ、 p + Q≤5、 r + s≤5である。）一般式 (12)

(一般式（1.2) 中、 Mはアルカリ金属（例えば、 L i、 Na、 K、 Rb、 C s、 F r等）またはアンモニゥムであり、 R₇は OH、 COOM、 R₈CO〇M (R₈は炭素数 4〜9のアルキル基、 Mはアルカリ金属またはアンモニゥム）であり、 x、 y、 zはそれぞれ独立に 0、 1、 2、 3または 4である。) (水性媒体）

本発明のインクセットを構成する各インクは、水、或いは水と各種水溶性有機溶剤との混合溶媒である水性媒体を使用することができる。

水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限は無ぐ、アルコール、多価アルコール、ポリダリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒等が挙げられる。下記に、本発明のインクで使用することができる水溶性有機溶剤について例示するが、これらの水溶性有機溶剤に限定されるものではない。具体的には例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、 n—プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、 n—ブチルアルコール、 s e cーブチルアルコール、 t e r t -ブチルアルコ一ル等の炭素数 1〜 4のアルキルァルコール類；ジメチルホルムアミド、ジメチルァセ卜アミド等のアミド類；ァセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類；テトラヒドロフラン、ジォキサン等のエーテル類；ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ一ル等のポリアルキレングリコ一ル類；エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、 1 , 2 , 6一へキサントリオール、チォジグリコ一ル、へキシレングリコ一ル、ジェチレンダリコ一ル等のアルキレン基が 2〜 6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類；ポリエチレングリコールモノメチルエーテルァセテ一ト等の低級アルキルエーテルァセテ一卜；エチレングリコールモノメチル (またはェチル) エーテル、ジエチレングリコールメチル（またはェチル）エーテル、トリェチレングリコールモノメチル（またはェチル）エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類；トリメチロールプロパン、トリメチロールェ夕ン等の. 多価アルコール；グリセリン、 N—メチルー 2—ピロリドン、 2—ピロリドン、 1 , 3—ジメチルー 2—イミダゾリジノン等を用いることができる。勿論、本発明はこれらに限られるものはない。尚、上記水溶性有機溶剤は、単独で用いても、或いは 2種以上の混合物として用いてもよい。一

これちの水溶性有機溶剤の含有量は、ィンク全質量に対して好ましくは 5質量％〜9 0質量％、より好ましくは 1 0質量％〜 5 0質量％である。含有量が 5質量％より少ない場合、インクジエツト用インクとして本発明のインクを用いる際に吐出性等の信頼性が悪化することがあり、含有量が 9 0質量％より多い場合、ィン、クの粘度が上昇することによるィンク供給不良が発生することがあ o .

また、水は脱イオン水（イオン交換水）を用いることが好ましい。水の含有量は、インク全質量こ対して 1 0質量％〜9 0質量％であることが好ましい。

(その他の添加剤）

本発明においては、必要に応じて、インクセットを構成する各インクに、界面活性剤、 p H調整剤、防锖剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び、水溶性ポリマー等の添加剤を含有させても良い。

<インクセット>

本発明で、インクセットとは、本発明を構成するイェローインクを、本発明を構成する前記特定のシアンインク、マゼンタインクと共に用いる状態をいう。例えば、インクタンク部を複数一体になつているインクタンク自体は無論のこと、単独のインクタンクを複数共に使用する場合の状態をも含み、更にそれらにへッド部を一体にしたものも含まれるものである。

<記録媒体〉

本発明のィンクを用いて画像を形成する際に用いる記録媒体は、ィンクを付与して記録を行う記録媒体であれば何れのものでも使用することができる。本発明は、染料や顔料などの色材をィンク受容層内の多孔質構造を形成する微粒子に吸着させて、少なくともこの吸着した微粒子から画像が形成される記録媒体に適用され、インクジェット法を利用する場合に特に好適である。このようなインクジェット用の記録媒体は支持体上のィンク受容層に形成された空隙によりインクを吸収するいわゆる吸収タイプであることが好ましい。

吸収夕イブのインク受容層は、微粒子を主体とし、必要に応じて、パインダ —やその他の添加剤を含有する多孔質層として構成される。微粒子の具体例は、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、アルミナあるいはアルミナ水和物等の酸化アルミニウム、珪藻土、酸化チタン、ハイドロタルサイ卜、酸化亜鉛等の無機顔料や尿素ホルマリン樹脂、エチレン樹脂、スチレン樹脂等の有機顔料が挙げられ、これらの 1種以上が使用される。バインダーとして好適に使用されているものには水溶性高分子やラテックスを挙げることができる。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、アラビアゴム、カルポキシメチルセルロース、ヒドロキシェチルセルロース、ヒドロキシプロオイルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、 S B Rラテックス、 N B Rラテックス、メチルメ夕クリレートーブタジエン共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ボリピニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体などが使用され、必要に応じて 2種以上を組み合わせて用いることができる。その他、添加剤を使用することもでき、例えば、必要に応じて分散剤、増粘剤、 P H調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが使用される。

特に、本発明において好ましく用いられる記録媒体は、平均粒子径が 1 m 以下の微粒子を主体として、インク受容層を形成した記録媒体が好ましい。上記の微粒子として、特に好ましいものは、例えばシリカ微粒子や酸化アルミ二ゥム微粒子等が挙げられる。シリカ微粒子として好ましいものは、コロイダルシリ力に代表されるシリ力微粒子である。コロイダルシリ力自体は市場より入手可能であるが、特には、例えば特許第 2 8 0 3 1 3 4号、同 2 8 8 1 8 4 7 号公報に掲載されたものが好ましい。酸化アルミニウム微粒子として好ましいものは、アルミナ水和物微粒子等である。このようなアルミナ水和物微粒子の一つとして下記一般式により表されるアルミナ水和物を挙げることができる。

A 1 0₃ - n (OH) _{2 n} · mH₂0

(上記式中、 nは 1、 2または 3の整数の何れかを表し、 mは 0〜1 0、好ましくは 0〜 5の値を表す。但し、 mと nは同時には 0にはならない。 mH ₂0 は、多くの場合 mH ₂0結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相をも表すものであるため、 mは整数または整数でない値を取ることもできる。またこの種の材料を加熱すると mは 0の値に達することがありうる。）

アルミナ水和物は、米国特許第 4 , 2 4 2 , 2 7 1号、米国特許第 4， 2 0 2 , 8 7 0号に記載のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミン酸ナトリウムの加水分解、また、特公昭 5 7— 4 4 6 0 5号公報に記載のアルミン酸ナトリゥム等の水溶液に硫酸ナトリゥム、塩化アルミニゥム等の水溶液を加えて中和を行う方法など、公知の方法で製造ずることができる。

記録媒体は上記したインク受容層を支持するための支持体を有することが好ましい。支持体は、インク受容層が、上記多孔質の微粒子で形成することが可能であつ'て、且つインクジエツトプリンタ等の搬送機構によって搬送可能な剛度を与えるものであれば、特に制限はなく、何れのものでも使用できる。具体的には、例えば、天然セルロース繊維を主体としてパルプ原料から成る紙支' 持体、ポリエステル (例：ポリエチレンテレフ夕ラート）、セル口一ストリアセテート、ポリ力一ポネート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリイミド等の材料からなるプラスチック支持体、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフイン樹脂被樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙（例： R Cベーパー）が挙げられる。

<インクジェット記録方法〉

本発明 tかかるインクは、インクをインクジエツト方法で Rh出する工程を有するインクジエツ卜記録方法に用いることが特に好適である。インクジエツト記録方法は、インクに力学的エネルギーを作用させてインクを吐出させる記録方法、及びインクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出させる記録方法等がある。特に、本発明においては、熱エネルギーを利用するインクジェット記録方法を好ましく用いることができる。

<インクカートリッジ >

本発明にかかるィンクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジは、これらのィンクを収容するィンク収容部を備えたィンク力一トリッジが挙げられる。

本発明においては、インクセットを構成する各インクの各液室からの蒸発量の差が、実質的に等しいインク力一トリッジを好ましく用いることができる。インクセットを構成する各インクの各液室からの蒸発量の'差が、実質的に等しいとは、例えば、各液室に水を含有させて各液室からの蒸発速度を測定した塲合に、蒸発速度の差が 1 %程度以下となることをいう。

図 8は、本発明に用いることができる記録ヘッドの分解図である。図 8に示される記録へッドは、インクタンク一体構成となっている。記録へッド 1 0 0 1は、ィンクジェット記録装置本体に載置されているキヤリッジめ位置決め手段及び電気的接点によって支持固定されるとともに、キャリッジに対して *脱可能となっており、搭載したインクが消費されると交換される。

記録へッド 1 0 0 1はインクを吐出させるためのもので、インク供給口が並列して形成された記録素子基板 1 1 0 0、インクを吐出するための電気信号を印加する電気信号経路を形成する電気配線テープ 1 3 0 0、樹脂成形により形成されたインク供給保持部材 1 4 0 0、インクを保持するための負 JBEを発生するインク吸収体 1 5 0 0、蓋部材 1 6 0 0から構成されている。

インク供給保持部材 1 4 0 0は、内部にシアン、マゼンタ、イェローのインクを保持ずるための負压を発生するための吸収体 1 5 0 0を保持するための空間を有することでインクタンクの機能と、記録素子基板 1 1 0 0のインク供給口にィンクを導くための独立したィンク流路を形成することでィンク供給機能とを備えている。インク流路の下流部には、記録素子基板 1 1 0 0にインクを供給するためのインク供給口 1 2 0 0が形成されており、記録素子基板 1 1 0 0のインク供給口がインク供給保持部材 1 4 0 0のインク供給口 1 2 0 0に連通するよう、記録素子基板 1 1 0 0がィンク供給保持部材 1 4 0 0に対して固定される。また、インク供給口 1 2 0 0付近周囲の平面には、電気配線テープ 1 3 0 0の一部の裏面が固定される。蓋部材 1 6 0 0は、インク供給保持部材 1 4 0 0の上部開口部に溶着されることで、インク供給保持部材 1 4 0 0内部の空間を閉塞するものである。蓋部材 1 6 0 0は記録へッドをインクジエツト記録装置に固定するための係合部 1 7 0 0を有している。

図 9は、本発明に用いることができる別の一例である記録へッドの分解図である。図 9に示される記録へッドは、図 8の場合と同様に、インクタンク一体構成となっている。記録へッド 1 0 0 1は、異なる複数の色のィンク（例えば、シアンインク、マゼン夕インク、イェローインク）を搭載することができ、搭載したインクが消費されると交換される。

記録ヘッド 1 0 0 1は異なる複数の色のインク（例えば、シアンインク、マゼン夕インク、イェローインク）を吐出させるためのもので、シアン、マゼン夕、イエロ一用のインク供給口が並列して形成された記録素子基板 1 1 0 0等から構成されている。インク供給保持部材 1 4 0 0は、内部にシアン、' マゼン夕、イエロ一のインクを保持するための負圧を発生するための吸収体 1 5 0 1、 1 5 0 2、 1 5 0 3をそれぞれ独立して保持するための空間を有することでィンクタンクの機能と、記録素子基板 1 1 0 0のインク供給口にそれぞれのインクを導くための独立したィンク流路を形成することでィンク供給機能とを備えている。

ぐ記録ュニッ卜 > 本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適な記録ュニットは、これらのインクを収容するインク収容部と、記録へッドとを備えた記録ュニッ卜が挙げられる。特に、前記記録ヘッドが、記録信号に対応した熱エネルギーをィンクに作用させ、前記エネルギーによりインク液滴を発生させる記録ュニットが挙げられる。 '

<インクジエツト記録装置 >

本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適な記録装置は、これらのィンクが収容されるィンク収容部を有する記録へッドの室内のインクに、記録信号に対応した熱エネルギーを与え、前記エネルギーによりインク液滴を発生させる装置が挙げられる。

以下に、インクジェット記録装置の機構部の概略構成を説明する。記録装置本体は、各機構の役割から、給紙部、用紙搬送部、キャリッジ部、排紙部クリ一ニング部及びこれらを保護し、意匠性を持たす外装部から構成されている。以下、これらの概略を説明していく。

図 2は、記録装置の斜視図である。また、図 3及び図 4は、記録装置本体の内部機構を説明するための図であり、図 3は右上部からの斜視図、図 4は記録装置本体の側断面図をそれぞれ示したものである。 '

. 記録装置において給紙を行う際には、まず給紙トレイ M 2 0 6 0を含む給紙部において記録媒体の所定枚数のみが給紙ローラ M 2 0 8 0と分離ローラ M 2 0 4 1から構成されるニップ部に送られる。送られた記録媒体はニップ部で分離され、最上位の記録媒体のみが搬送される。用紙搬送部に送られた記録媒体は、ピンチローラホルダ M 3 0 0 0及びべ一パーガイドフラッパー M 3 0 3 0に案内されて、'搬送ローラ M 3 0 6 0とピンチローラ M 3 0 7 0との口一ラ対に送られる。搬送ローラ M 3 0 6 0とピンチローラ M 3 0 7 0とからなる口 —ラ対は、 L Fモータ E 0 0 0 2の駆動により回転され、この回転により記録媒体がプラテン M 3 0 4 0上を搬送される。キヤリッジ部では記録媒体に画像を形成する場合、記録へッド H 1 0 0 1 (図 5 ) を目的の画像形成位置に配置させ、電気基板 E 0 0 1 4からの信号に従って、記録媒体に対しインクを吐出する。記録へッド H 1 0 0 1についての詳細な構成は後述するが、記録へッド H 1 0 0 1により記録を行いながらキヤリッジ M 4 0 0 0が列方向に走査する記録主走査と、搬送口一ラ M 3 0 6 0により記録媒体が行方向に搬送される副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体上に画像を形成していく構成となっている。

最後に画像を形成された記録媒体は、排紙部で第 1の排紙ローラ M 3 1 1 0 と拍車 M 3 1 2 0との二ップに挟まれ、搬送されて排紙トレイ M 3 1 6 0に排出される。

尚、クリ一ニング部において、画像記録前後の記録へッド H 1 0 0 1をクリ一二ングする目的のために、キャップ M 5 0 1 0を記録へッド H I 0 0 Γのィンク吐出口に密着させた状態で、ポンプ M 5 0 0 0を作用させると、記録へッド H I 0 0 1から不要なインク等が吸引されるようになっている。また、キヤップ M 5 0 1 0を開けた状態で、キャップ M 5 0 1 0に残っているインクを吸引することにより、残ィンクによる固着及びその後の弊害が起こらないように配慮されている。

(記録ヘッド構成）

へッドカ一トリッジ H 1 0 0ひの構成について説明する。へッドカ一卜リッジ H I 0 0 0は、記録へッド H I 0 0 1と、インクタンク H I 9 0 0を搭載する手段、及びインクタンク H I 9 0 0から記録ヘッドにインクを供給するための手段を有しており、キヤリッジ M 4 0 0 0に対して着脱可能に搭載される。図 5は、へッドカ一トリッジ H 1 0 0 0に対し、インクタンク H 1 9 0 0を装着する様子を示した図である。記録装置は、イエロ一、マゼン夕、シアン、ブラック、淡マゼン夕、淡シアン、及びグリーンインクによって画像を形成し、従ってインクタンク H I 9 0 0も 7色分が独立に用意されている。上記において、少なくとも一種のインクに、本発明にかかるインクを用いる。そして、図に示すように、それぞれがへッドカ一トリッジ HI 000に対して着脱自在となっている。尚、インクタンク HI 900の着脱は、キャリッジ M4000にへッドカートリッジ HI 000が搭載された状態で行えるようなつている。図 6は、ヘッドカートリッジ H 1000の分解斜視図を示したものである。図において、へッドカ一トリッジ H 1000は、第 1の記録素子基板 H 110 0及び第 2の記録素子基板 H 1101、第 1のプレート H1200、第 2のプレート HI 400、電気配線基板 HI 300、タンクホルダー HI 500、流路形成部材 H 1600、フィルタ H 1700、シールゴム H 1800などから構成されている。

第 1の記録素子基板 H.l 100及び第 2の記録素子基板 HI 101は S i 基板であり、 fの片面にインクを吐出するための複数の記録素子.（ノズル）がフォトリソ技術により形成されている。各記録素子に電力を供給する A 1等の電気配線は、成膜技術により形成されており、個々の記録素子に対応した複数のインク流路もまた、フォトリソグラフィ技術により形成されている。更に、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。

図 7は、第 1の記録素子基板 H 1100及び第 2の記録素子基板 H 1101 の構成を説明するための正面拡大図である。 H2000〜H260ひは、それぞれ異なるインク色に対応する記録素子の列（以下ノズル列ともいう）であり、第 1の記録素子基板 HI 100には、イエロ一インクの供給されるノズル列 H 2000、マゼン夕インクの供給されるノズル列 H 2100、及びシアンインクの供給されるノズル列 H 2200の 3色分のノズル列が構成されている。第 2の記録素子基板 HI 101には、淡シアンインクの供給されるノズル列 H 2 300、ブラックインクの供給されるノズル列 H2400、オレンジインクの供給されるノズル列 H2500、及び淡マゼンタインクの供給されるノズル列 H2600の 4色分のノズル列が構成されている。 .

各ノズル列は、記録媒体の搬送方向に 1200dp i (do t/i nch ; 参考値）の間隔で並ぶ 768個の'ノズルによって構成され、約 2ピコリットルのインク滴を吐出させる。各ノズル出口における開口面積は、およそ 100 平方 m²に設定されている。また、第 1の記録素子基板 H 1100及び第 2 の記録素子基板 H 1 101は第 1のプレート H 1200に接着固定されており、ここには、第 1の記録素子基板 HI 100及び第 2の記録素子基板 H 11 01にインクを供給するためのインク供給口 H 1201が形成されている。更に、第 1のプレート HI 2Ό 0には、開口部を有する第 2のプレー卜 H 1 400が接着固定されており、この第 2のプレート HI 400は、電気配線基板 H 1300と第 1の記録素子基板 H 1100及び第 2の記録素子基板 H 1 101とが電気的に接続されるように、電気配線基板 HI 300を保持している。

電気配線基板 H 1300は、第 1の記録素子基板 H 1100及び第 2の記録素子基板 H 1101に形成されている各ノズルからインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、 .第 1の記録素子基板 HI 100及び第 2の記録素子基板 HI 101に対応する電気配線と、この電気配線端部 ίこ位置し記録装置本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子 HI 301とを有している。外部信号入力端子 HI 301は、タンクホルダー HI 500の背面側に位置決め固定されている。

一方、インクタンク HI 900を保持するタンクホルダー HI 500には、流路形成部材 HI 600が例えば超音波溶着により固定され、インクタンク H 1900から第 1のプレート HI 200に通じるインク流路 HI 501を形成している。 - インクタンク H1900と係合するインク流路 H 1501のインクタンク側端部には、フィルタ HI 700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクタンク H I 9 0 0との係合部にはシールゴム H I 8 0 0が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになつている。

更に、前述のようにタンクホルダー H I 5 0 0、流路形成部材 H I 6 0 0、フィルタ H 1 7 0 0及びシールゴム H 1 8 0 0から構成されるタンクホルダ一部と、第 1の記録素子基板 H 1 1 0 0及び第 2の記録素子基板 H 1 1 0 1、第 1のプレート H I 2 0 0、電気配線基板 H I 3 0 0及び第 2のプレート H I 4 0 0から構成される記録へッド部 H I 0 0 1とを、接着等で結合することにより、へッドカートリッジ H I 0 0 0が構成されている。

尚、ここでは記録ヘッドの一形態として、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体 (記録素子) を,用いて記録を行うバブルジェット（登録商標）方式の記録ヘッドについて一例を挙げて述べた。

この代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第 4 , 7 2 3 , 1 2 9号明細書、同第 4 , 7 4 0， 7 9 6号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニユアス型の何れにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）が保持されているシートや液流路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱ェネルギ一を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸縢を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体（インク）内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体（インク）を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長'収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体（ィンク）の吐出が達成でき、より好ましい。また、第二の力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の形態として、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジエツト記録へッドを挙げることができる。

また、インクジエツト記録装置は、上述のようにヘッドとインクタンクとが別体となったものに限らず、それらが分離不能に一体になつたものを用いるものでもよい。また、インクタンクはヘッドに対し分離可能または分離不能に一体化されてキヤリッジに搭載されるもののほか、装置の固定部位に設けられて、インク供給部材、例えばチューブを介して記録へッドにインクを供給する形態のものでもよい。更に、記録ヘッドに対し好ましい負圧を作用させるためめ構成をインクタンクに設ける場合には、インクタンクのインク収納部に吸収体を配置した形態、あるいは可撓性のインク収容袋とこれに対しその内容積を拡張する方向の付勢力を作用するばね部とを有した形態などを採用することができる。また、記録装置は、上述のようにシリアル記録方式を採る,もののほか、記録媒体の全幅に対応した範囲にわたって記録素子を整列させてなるラインプリンタの形態をとるものであってもよい。

(褪色バランス)

本発明における褪色バランスとは、本発明にかかるイェローインク、及び前記イェローインクと共に用いるシアンインクやマゼン夕インクの画像、並びに前記ィンクで形成した二次色または三次色の画像における、画像濃度及び色相の経時劣化のことである。

本発明における画像濃度の経時劣化のイメージを図 1に示す。図 1において、横軸は各インクで形成した画像の保存期間、縦軸は各インクで形成した画像の画像濃度である。通常、どのようなインクを用いて形成した画像であっても、その保存期間が長くなれば、画像濃度は低下する傾向がある。このとき、インクセットを構成する各インクにより形成された画像の画像濃度の経時変化が、各インクにより大きく異なると、褪色バランスは悪くなるということができる。ここで、図 1に示す通り、本発明にかかるイエロ一インク（図 1中の△)、及び前記イェローインクと共に用いるシアンインク、マゼン夕インク（図 1中の◊)、並びに、前記インクで形成した二次色または三次色（図 1 Φの口）の各画像における、経時変化による画像濃度の低下が、常に一定範囲内（図 1中の破線の範囲内）にあることが、本発明の特徴である。つまり、本発明の構成を取ることで、画像を保存している期間の、どの時点においても、褪色バランスが揃った画像が得られる。

【実施例】

以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、特に指定の無い限り、実施例、比較例のインク成分は「質量部」を意味する。

<色材の合成 >

(イェローインク用色材）

ジァゾ化した 4—ニトロ一 4 ' 一アミノスチルベン 2 2—ジスルホン酸と 3—ァミノナフタレン一 1ースルホン酸とをカツプリングさせ、これをトリァゾ一ル化し、ニトロ基をァミノ基に還元する公知の方法で製造したアミノスチルベン一トリァゾールを水に溶解し、亜硝酸ナトリウム、塩酸を滴下しジァゾ化を行った。これを、下記式（α ) の化合物の水溶液に滴下して、カツプリングした後、塩化ナトリウムで塩祈した。この化合物を、亜硝酸ナトリウム水溶液でジァゾ化を行い、この混濁液に、 6—ァミノナフタレン一 2—スルホン酸水溶液を添加し、これをトリァゾール化したものを塩化ナ卜リゥムで塩析することにより、下記式（Υ— a ) の色材を得た。式 ( a)

式（Y— a)

(マゼン夕インク用色材)

キシレン中で、下記式（i3) の化合物、炭酸ナトリウム、ベンゾィル酸ェチルエステルを反応させ、反応物を濾過、洗浄した。これを、 N， N—ジメチルホルムアミド中で、メタアミノアセトァ二リド、酢酸銅、炭酸ナトリウムを順次添加して反応を行い、反応物を濾過、洗浄した。更にこれを、発煙硫酸中でスルホン化を行った後、濾過、洗浄し、これを、水酸化ナトリウムの存在下で、シァヌルクロライドと縮合反応を行った。この反応液中に、アンスラニル酸を添加し、水酸化ナトリウムの存在下で縮合反応を行った。これを濾過、洗浄を行うことにより、下記の式（M— a) を得た。

式 (β)

式（Μ— a)

(シアンインク用色材）

スルホラン、 4—スルホフタル酸モノナトリウム塩、塩化アンモニゥム、尿素、モリブデン酸アンモニゥム、塩化銅（Π ) を混合し、攙拌した後、メ夕ノールで洗浄を行った。その後、水を加え、水酸化ナトリゥム水溶液を用いて、溶液の p Hを 1 1に調整した。得られた溶液に攪拌下で塩酸水溶液を加え、更に塩化ナトリウムを徐々に加え、結晶を析出させた。得られた結晶を濾別'したものを、 2 0 %塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、続いてメタノールを加え、析出した結晶を濾別し、 7 0 %メタノール水溶液で洗浄した後に乾燥させ、銅フ夕口シァニンテトラスルホン酸テトラナトリゥム塩を青色結晶として得た。 . クロロスルホン酸中に、上記で得られた銅フタロシアニンテトラスルホン酸テトラナトリウム塩を徐々に加え、更に、.塩化チォニルを滴下し、反応を行つた。その後、反応液を冷却し、析出した結晶を濾過し、銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライドのウエットケーキを得た。

氷水中に、リパール OH、塩化シァヌル、ァニリン— 2， 5—ジスルホン酸モノナトリゥム塩を加え、水酸化ナトリゥム水溶液を添加しながら反応を行つた。次に、反応液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、反応液の p Hを 1 0に調整した。この反応液に、 2 8 %アンモニア水、エチレンジァミンを加え、反応を行った。得られた反応液に、塩化ナトリウム、濃塩酸を滴下して、結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分取し、 2 0 %塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、. ウエットケーキを得た。得られたウエットケーキに、メタノール及び水を加え、更に濾過し、メタノールで洗浄を行った後、乾燥させて、式（ァ）の化合物を得た。

氷水中に、上記で得られた銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライドのウエットケーキを加え、攪拌を行って懸濁させ、更に、アンモニア水、上記で得られた式（ァ）の化合物を添加して、反応を行った。これに、水、塩化ナトリウムを加えて、結晶を析出させた。得られた結晶を濾過し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、再度濾過を行った後、洗浄、乾燥させて、青色結晶として式

(C-a) の色材を得た。上記反応から、式（C一 a) における置換基数の平均が1 =0、 111=1. 0〜2. 0、 n = 2. 0〜3. 0の範囲.で示される色材であると推定される。式（ァ）

式（C—a)

<インクの調製 >

(イエロ一インクの調製） .

下記表 2に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ 0. 2 m のメンブランフィルタ一にて加圧濾過を行い、イエロ一ィンク Y 1〜Y 5を調製した。

表 2

(*)アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物

(川研ファインケミカル製:界面活性剌)

(マゼン夕インクの調製）

下記表 3に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ 0 . 2 m のメンブランフィルタ一にて加圧濾過を行い、マゼンタインク M lを調製した。

表 3

(*)アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物

, (川研ファインケミカル製:界面活性剤）

(シアンインクの調製）

下記表 4に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ 0 . 2 のメンブランフィルタ一にて加圧濾過を行い、シアンインク C 1及び C 2を調製した。

表 4

(*)アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物

(川研ファインケミカル製:界面活性剤）尚、例示化合物 C 1は下記に示す構造の色材である。

例示化合物 C 1

く評価ィンク及び評価ィンクと共に用いられるィンクの組み合わせ〉上記で得られたイェローインク Y 1〜Y 5、マゼン夕インク M l、シアンィンク C 1及び C 2を、下記表 5のように組み合わせた。表 5

<耐環境ガス性の評価 > ' ィンクジェット記録装置（商品名： P i xus 950 i ;キヤノン製）に、上記で得られた各インクを表 5の組み合わせで充填し、記録媒体（商品名： P R-101 ；キャノン製）に、イエロ一インク単色の初期反射濃度が 1. 0となるように印字した画像、イエロ一インク及びシアンインクを各 50%デューティ、合計 100%デューティとなるように印字した画像、イエロ一インク及びマゼンタインクを各 50%デュ一ティ、合計 100%デューティとなるように印字した画像、さらに、イエロ一^ Γンク、マゼンタインク及びシアンィンクの 3色でコンポジットブラックの初期反射濃度が 1. 0となるように印字した画像、をそれぞれ作成し、試験サンプルとした。

上記で得られた試験サンプルを、ガス腐食試験機 GH_ 180 (山崎精機製）の試験槽中に置き、温度 24^、湿度 60%で、オゾンガス濃度 1. 2ppm、 NO_x濃度 1. 25ppm、 S0₂濃度 0. 3 p pm、ガス流量 2 LZm i nの条件で、 432時間暴露を行った。 ,

暴露'試験後の、イエロ一^ Γンク単色の濃度残存度、イェローインク及びシァンインクの二次色、イエロ rンク及びマゼン夕インクの二次色、コンポジットブラックにおける褪色バランスを測定した。反射濃度の測定には、 Sp e c t o r i no (Gr e t ag M a c b e t h製）を用いた。

濃度残存率は下式で算出した。

濃度残存率 = (暴露試験後の反射濃度暴露試験前の反射濃度） X 100

( )

また、褪色バランスを、下式で示すイエロ一^ Γンク及びシアンインクの二次色の画像、イェローインク及びマゼン夕インクの二次色の画像、コンポジットブラックの画像、における ΔΟϋ値で評価を行った。 ΔΟΕ)値とは、二次色の画像またはコンポジットブラックの画像における、イエロ一成分、シアン成分、マゼンタ成分それぞれの濃度残存率の最大値と最小値との差である。 AOD値が大きいことは、イェロー成分、シアン成分、マゼン夕成分の何れかに色相が大きくずれるため、褪色バランスが悪いことを示す。

△ OD値は下式で算出した。

△ OD= (二次色の画像またはコンポジットブラックの画像における各色成分の濃度残存率の最大値）一（二次色の画像またはコンポジットブラックの画像における各色成分の濃度残存率の最小値）

上記で得られた濃度残存率と△ OD値により、以下の基準で耐環境ガス性の評価を行った。

(1) イェローインク単色の濃度残存率

A：濃度残存率が 70 %以上である。

B：濃度残存率が 65%以上 70%未満である。

C：濃度残存率が 65 %未満である。

(2) 褪色バランス

A： A〇Dが 10未満である。

B：厶〇0が10以上 15未満である。 C： A ODが 1 5以上である。

表 6

以上より、イェローインクの色材として、 A群の色材のみを用いた比較例 1、 3及び 5では、イェローインクの褪色率が、

比べて低くため、褪色バランスが崩れ、全体的に黄味の強い画像に変色する傾向があることがわかった。また、イェローインクの色材として、 B群の色材のみを用いた比較例 2、 4及び 6では、褪色の程度は、マゼン夕インク >シアンインク >イエロ一インク、の赠となり、褪色バランスは良好であるが、イエローィンク単色の濃度残存率が低く、画像全体のイェロー部の褪色が目立った画像となった。また、各インクの色材を本発明で規定するものを使用することで、優れた画像の耐光性が得られた。

, この出願は 2 0 0 4年 7月 2 9日に出願された日本国特許出願第 2 0 0 4 - 2 2 1 8 3 6号及び 2 0 0 5年 7月 2 6日に出願された日本国特許第 2 0 0 5 - 2 1 6 2 2 8号からの優先権を主張するものであり、その内容を引用してこの出願の一部とするものである。

Claims

- 請求の範囲

1. 色材として下記一般式 (1) で表される化合物、または、下記一般式 (2) で表される化合物を含有するイエロ一ィンクシアンィンクと共に画像形成に用いられるインクジエツト用イェローインクであって、

該色材として、下記 A群から選ばれる少なくとも 1種類、及び、下記 B群から選ばれる少なくとも 1種類、を含有することを特徴とするインクジエツト用イエローインク： ■

A群： C. I . ダイレクトイェロー 132、 C. I . ダイレクトイェロー 17 3

B群： C. I . ダイレクトイエロ一 142、 C. I . ダイレク卜イェロー 86、下記一般式（3) で表される化合物

一般式 (1) '

(一般式（1) 中、 Mはアルカリ金属またはアンモニゥムであり、 Rp R₂はそれぞれ独立に水素原子、スルホン酸基、カルボキシル基（但し、、 R.₂が同時に水素原子となる場合を除く）であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基であり、 1、 m、 nはそれぞれ 1 = 0〜2、 m=l〜3、 n=l〜3 (但し、 l +m+n = 3〜4) であり、置換. 基の置換位置は 4位若しくは 4' 位である。）

一般式 (2)

(一般式（2) 中、 Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニゥム或いは有機ァンモニゥムである。）

一般式（3)

(一般式（3) 中、 Mはそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機ァミンのカチオンまたはアンモニゥムイオンであり、 nはそれぞれ独立に 1または 2である。）。

2. 色材として下記一般式（4) で表される化合物またはその塩を含有するイェローインクマゼン夕インクと共に画像形成に用いられるインクジエツ卜用イェローインクであって、 ' 該色材として、下記 A群から選ばれる少なくとも 1種類、及び、下記 B群から選ばれる少なくとも 1種類、を含有することを特徴とするインクジエツト用イエロ fンク：

A群： C. I. ダイレクトイェロー 132、 C. I. ダイレクトイェロー 17 3

B群： C. I . ダイレクトイエロ一 142、 C. I . ダイレクトイェロー 86、下記一般式 (3) で表される化合物

一般式（4) , '

(一般式（4) 中、は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロへキシル基、モノまたはジアルキルァミノアルキル基、またはシァノ低級アルキル基であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基（アルキル基上にスルホン酸基、カルボギシル基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい）であり、 R₂、 R₃、 R₄、 R₅及び R₆はそれぞれ独立に水素原子、炭素数 1〜8のアルキル基、または力ルポキシル基（但し、 R₂、 R₃、 R₄、 R₅及び R₆のすベてが水素原子である場合を除く）である。）一般式 (3)

(一般式 (3) 中、 Mはそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機ァミンのカチオンまたはアンモニゥムイオンであり、 nはそれぞれ独立に 1または 2である。）。

3. 色材として下記一般式 (1) で表される化合物、または、下記一般式（ 2 )で表される化合物を含有するィンクジェット用シアンインク、及び、少なくとも、色材として、下記一般式（4) で表される化合物またはその塩を含有するインクジエツト用マ.ゼン夕インク、と共に画像形成に用いられるインクジエツ卜用イェローインクであって、

' 該色材として、下記 A群にから選ばれる少なくとも 1種類、及び、下記 B群から選ばれる少なくとも 1種類、を含有することを特徴とするインクジエツト用イエロ fンク：

A群： C. I. ダイレクトイェロー 132、 C. I . ダイレクトイエロ一 17 3

B群： C. I . ダイレクトイェロー 142、 C. I . ダイレクトイェロー 86、下記一般式（3) で表される化合物

一般式 (1)

(一般式 (1) 中、 Mはアルカリ金属またはアンモニゥムであり、； R₂はそれぞれ独立に水素原子、スルホン酸基、力ルポキシル基（但し、 Rp R₂が同時に水素原子となる場合を除く）であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基であり、 1、 m、 nはそれぞれ 1 = 0〜2、 m=l〜3、 n=l〜3 (但し、 l +m+n=3〜4) であり、置換基の置換位置は 4位若しくは 4' 位である。) ·

一般式 (2)

(一般式 (2) 中、 Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニゥム或いは有機ァンモニゥムである。) ' 一般式 (3)

一般式（4)

(一般式 (4) 中、は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロへキシル基、モノまたはジアルキルァミノアルキル基、またはシァノ低級アルキル基であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基 (アルキル基上にスルホン酸基、カルボキシル基、及びヒドロキシル基からなる群から^!択される置換基を有していてもよい）であり、 R₂、 R₃、 R₄、 R ₅及び R ₆はそれぞれ独立に水素原子、炭素数 1〜 8の'アルキル基、または力ポキシル基（但し、 R₂、 R₃、 R₄、 R₅及び R₆のすベてが水素原子である場合を除く) である。）。

4. 複数のインクからなるインクセットにおいて、

色材として下記一般式 (1) で表される化合物、または、下記一般式 (2) で表される化合物を含有するインクジェット用シアンインク、及び、色材として、下記 A群から選ばれる少なくとも 1種類、及び、下記 B群から選ばれる少なくとも 1種類、を含有するインクジエツト用イエロ一インク、を少なくとも含むことを特徴とするインクセット：

A群： C. I . ダイレクトイエロ一 132、 C. I. ダイレクトイエロ一 17 3

B群： C. I . ダイレクトイエロ一 142、 C. I . ダイレクトイェロー 86、下記一般式（3) で表される化合物

一般式（1)

(一般式（1) 中、 Mはアルカリ金属またはアンモニゥムであり、 Rい R₂はそれぞれ独立に水素原子、スルホン酸基、力ルポキシル基 ' (但し、 R₂が同時に水素原子となる場合を除く）であり、 Ύは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基であり、 1、 m、 nはそれぞれ 1 = 0〜2、 m=l〜3、 n=l〜3 (但し、 l +m+n=3〜4) であり、置換基の置換位置は 4位若しくは 4' 位である。）

一般式 (2)

(一般式 (2) 中、 Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニゥム或いは有機ァンモニゥムである。） ' 一般式 (3)

(一般式（3) 中、 Mはそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機ァミンのカチオンまたはアンモニゥムイオンであり、はそれぞれ独立に 1または 2である。）。 '

5. 複数のインクからなるインクセットにおいて、

色材として、下記一般式（4) で表される化合物またはその塩を含有するィンクジェット用マゼタインク、及び、

色材として、下記 A群から選ばれる少なくとも 1種類、及び、下記 B群から選ばれる少なくとも 1種類、を含有するインクジエツ卜用イエロ一インクを少なくとも含むことを特徴とするインクセット：

A群： C. I. ダイレクトイエロ一 132、 C.. I. ダイレクトイエロ一 17 3

B群： C. I . ダイレクトイエロ一 142、 C. I . ダイレクトイエロ一 86、下記一般式 (3) で表される化合物

一般式 (4)

(一般式（4) 中、は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロへキシル基、モノまたはジアルキルアミノアルキル基、またはシァノ低級アルキル基であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ碁（アルキル基上にスルホン酸基、カルボキシル基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい）であり、 R₂、 R₃、 R₄、 R ₅及び R ₆はそれぞれ独立に水素原子、炭素数 1〜8のアルキル基、またはカルボキシル基（但し、 R₂、 R₃、'R₄、 R₅及び R₆のすベてが水素原子である場合を除く）である。） - 一般式（3)

6.. 複数のインクからなるインクセッ卜において、

色材として、下記一般式（1) で表される化合物、または、下記一般式（2) で表される化合物を含有するインクジエツト用シアンインク、及び、 ' 色材として、下記一般式 (4) で表される化合物またはその塩を含有するィンクジエツト用マゼン夕インク、及び

色材として、下記 A群から選ばれる少なくとも 1種類、及び、下記 B群から選ばれる少なくとも 1種類、を含有するインクジエツト用イエロ一インクを少なくとも含むことを特徴とするインクセット：

A群： C. I . ダイレクトイエロ一 132、 C. I . ダイレクトイェロー 17 3

一般式 (1)

(一般式（1) 中、 Mはアルカリ金属またはアンモニゥムであり、 Rい R₂はそれぞれ独立に水素原子、スルホン酸基、力ルポキシル基（但し、 Rい R₂が同時に水素原子となる場合を！^く）であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基であり、 1、 m、 nはそれぞれ 1 = 0〜2、 m=l〜3、 n=l〜3 (但し、 l +m+n=3〜4) であり、置換基の置換位置は 4位若しくは 4' 位である。）

一般式 (2)

(一般式 (2) 中、 Mは水素原子、アルカリ.金属、アンモニゥム或いは有機ァンモニゥムである。）

一般式（3)

一般式（4)

(一般式 (4) 中、は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロへキシル基、モノまたはジアルキルァミノアルキル基、またはシァノ低級アルキル基であり、 Yは塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基 (アルキル基上にスルホン酸基、力ルポキシル基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい）であり、 R₂、 R₃、 R₄、 R₅及び R₆はそれぞれ独立に水素原子、炭素数 1〜8の'アルキル基、またはカルボキシル基（但し、 R₂、 R₃、 R₄、 ₅及び ₆のすべて ' が水素原子である場合を除ぐ）である。）。

7. インクをインクジエツト方法で吐出して記録媒体に記録を行う工程を有するインクジェット記録方法において、前記インクが、請求項 1〜3 の何れか 1項に記載のインクジエツト用イェローインクであるインクジエツト記録方法。

8. インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが、請求項 1〜3の何れか 1項に記載のインクジェット用イエロ一インクであることを特徴とするィンク力一トリッジ。

9. 複数のインクからなるインクセットを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクセットが、請求項 4〜6の何れか 1項に記載のィンクセットであることを特徴とするィンクカートリツジ。

10. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットにおいて、前記インクが、請求項 1〜3の何れか 1項に記載のインクジ.エツト用イエロ一インクであることを特徴とする記録ュニット。 . . . '

1 1 . ィンクを収容するィンク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置において、前記インクが、請求項 1〜3の何れか 1項に記載のインクジエツト用イェローインクであることを特徴とするインクジエツト記録装置。