WO2005111993A1 - キャビンの制音構造 - Google Patents

Abstract

　作業機等のキャビンの寸法を変更することなく、またキャビン内に仕切り板を設けることなく、キャビン内の空洞共鳴周波数を変更可能にする。そして、こもり音を低減して作業者の居住性、快適性を向上させたキャビンの制音構造を提供する。 　空洞共鳴が生じた場合の高圧部に、その周波数に合致した共鳴器を設け、作業機等のエンジン５０の回転数を計測する回転センサ４４と、開口部分の仕切りの開閉を行うアクチュエータ４６と、該回転センサ４４より得られた回転数に応じて、該アクチュエータ４６を介して該仕切りを制御する制御部４５と、を設けた。

Description

明 細 書

キャビンの制音構造

技術分野

[0001] 本発明は、走行時のエンジンの回転振動等に起因して作業機のキャビン内に発生 する騒音、特に低周波の音、すなわちこもり音を低減し、キャビン内の居住性を向上 させるための制音構造に関する。

背景技術

[0002] 従来、トラクタ、コンバイン等の農作業機や、ピックアップトラックやクレーンやダンプ 等の建設機械や、エンジン等の振動源を付設した荷室や作業室の振動源側部に空 間を有する部屋等を例とするキャビンにおいて、該キャビン内に発生するこもり音の 低減には、キャビン構造体支持部及びエンジン支持部におけるパネ常数の変更によ る振動絶縁や、こもり音と周波数が同じで逆位相の音をスピーカで発生させて、こもり 音を消音するアクティブノイズコントロール等がある。

また、キャビン構造体の天井部を構成するルーフパネルに形成した前後方向の補 強用ビード間の隙間を利用して、吸気レゾネータを構成し、この吸気レゾネータから 導出される吸気レゾネータパイプを、キャビン構造体のバックパネル付近で開口させ てなる技術も公知となっている（例えば、特許文献 1参照。 ) o

そして、キャビンは、通常、フロントピラーやリアビラ一等力 なるフレームによりその 骨格が形成され、上面にはルーフが設けられる。また、キャビンの前後面および左右 側面の開口部に、ガラスゃ榭脂製の透明な風防 (フロントガラスやリアガラス等)ある いはドアを設け、ボンネットからキャビン内への騒音や外気の侵入を遮断している（例 えば、特許文献 2参照。）。

特許文献 1：特開平 6— 44681号公報

特許文献 2 :特開 2003— 175860号公報

[0003] しかし、従来のトラクタ、コンノイン等の農作業機や、ピックアップトラックやクレーン やダンプ等の建設機械や、エンジン等の振動源を付設した荷室や作業室の振動源 側部に空間を有する部屋等を例とするキャビンに関しては、空洞共鳴周波数が空間 を形成する壁面の形状、寸法によって決定されおり、これを変更するには、寸法の変 化若しくは空間内への仕切り板を設ける等の所作が必要であった。そして、キャビン の寸法の変更は実質上困難であり、仕切り板もキャビン内等に設けると邪魔である。 また、音響的な動吸振効果を利用した空洞共鳴周波数移動においては、その移動 量を制御することが必要であった。

また、音響的な動吸振効果を利用した空洞共鳴周波数移動においては、共鳴管若 しくは共鳴箱の寸法によって空間内の共鳴周波数が決まってしまい、起振周波数が 移動した場合は、移動した周波数で共鳴現象が生じて ヽた。

また、音響的な動吸振効果を利用したセミアクティブ制御においては、起振周波数 の変化を知ることが困難であった。

また、作業機等のエンジン (またはモータ）の回転数を制御するスロットル部に開閉 機構を設けた構造においては、負荷が変動したときにエンジン回転とのずれが生じ た。

また、作業機等のエンジンの回転に依存しない起振周波数に対応できていなかつ た。

また、音場が変化した場合、特に起振源が不明のとき等には、エンジンの回転数に 応じた制御だけでは音圧が逆に上昇する場合があった。

また、音場が変化した場合、特に窓の開放等による場合には、エンジンの回転数に 応じた制御だけでは音圧が逆に上昇する場合があった。

また、共鳴部の開口部分の開閉だけでは、固定された周波数への移動しか不可能 であった。また、キャビンの形状による影響から、共鳴器の周波数に変化が生じ、目 標の周波数に合致させることが困難であった。

また、共鳴管若しくは共鳴箱の設置場所によっては、居住空間としてのキャビン内 において、共鳴管や共鳴箱が邪魔となった。

また、従来の共鳴管若しくは共鳴箱では、対象とする共鳴周波数が一つに限られ てしまっていた。

また、共鳴管若しくは共鳴箱の設置場所によっては、共鳴管若しくは共鳴箱内部の スペースが十分に得られず、共鳴周波数の移動量が不十分であった。 また、空洞共鳴周波数は空間を形成する壁面の形状、寸法によって決定されてお り、これを変更するには、寸法の変化若しくは空間内への仕切り板の設置等の所作 が必要であった。しかし、寸法の変更は実質上は困難であり、仕切り板も空間内では 邪魔であった。

また、共鳴管若しくは共鳴箱を用いて、動吸振構造により、音場を変化させており、 設計が複雑であった。

また、従来の作業機等のキャビンの開口部に設けられた左右のドアやリアガラス、あ るいはルーフに設けられた換気用のノ、ツチ等の「開閉部材」は、その一端をヒンジに よりフレームに取り付けるとともに、他端側に係止部材 (例えばドアノブ)を設け、開閉 部材を閉じた状態でフレーム等に係止可能としている。

しかし、このような構成の開閉部材は、キャビン内に「こもり音」を発生させる場合が ある。こもり音は、作業機等が悪路を走行する際に発生する揺れ、あるいはエンジン や作業機が発生する振動がキャビンのフレームを経て上記開閉部材に伝播し、該開 閉部材が振動してキャビン内の容積が変化することによりキャビン内の空気圧が変化 し、該空気圧の変化が作業者の耳に音圧として感知されるものである。

このようなこもり音はキャビン内の作業者にとって不快なものであり、作業者の疲労 の原因の一つとして挙げられる。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 解決しょうとする課題は、作業機等のキャビンの寸法を変更することなぐまたキヤビ ン内に仕切り板を設けることなぐキャビン内の空洞共鳴周波数を変更可能にするこ とである。そして、こもり音を低減して作業者の居住性、快適性を向上させたキャビン の制音構造を提供するものである。

課題を解決するための手段

[0005] 本発明のキャビンの制音構造は、キャビンにおいて、空洞共鳴が生じたときの音圧 の大きい位置に、該空洞共鳴の周波数で共鳴を生じる共鳴管もしくは共鳴箱を具備 したものである。

[0006] また、本発明のキャビンの制音構造は、同一共鳴周波数で容積が異なる前記共鳴 管若しくは前記共鳴箱を付け替え可能に具備したものである。

[0007] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記共鳴管若しくは前記共鳴箱の開口部 分に仕切りを設け、該仕切りを開閉することにより共鳴周波数が調節できるものである

[0008] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記キャビンを備えた作業機等のエンジン の回転数を制御するスロットル部と、前記共鳴管若しくは前記共鳴箱の開口部分の 仕切りと、を連動連結し、スロットル部の変位に応じて仕切りが開閉するものである。

[0009] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記キャビンを備えた作業機等のエンジン の回転数を計測する回転センサと、前記開口部分の仕切りの開閉を行うァクチユエ ータと、該回転センサより得られた回転数に応じて、該ァクチユエータを介して該仕切 りを制御する制御部と、を設けたものである。

[0010] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記キャビンの所定位置の振動を計測する 振動センサと、計測された振動数力 得られた該空洞共鳴の周波数に応じて、前記 仕切りの開閉を調節する制御部を設けたものである。

[0011] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記開口部分付近の音圧を計測するマイ クと、該開口部分付近の音圧が最も低くなるようにァクチユエータを介して前記仕切り の開閉を行う制御部と、を具備したものである。

[0012] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記キャビンのドアや窓等の開閉が行われ る部分をセンシングするセンサを設け、開口されている部分がある場合は、前記共鳴 管若しくは共鳴箱の開口部分を閉じるようにするものである。

[0013] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記キャビンを備えた作業機等のエンジン の回転数か、前記開口部分の音圧か、前記キャビンの所定位置の振動数力を計測 するセンサと、前記共鳴管の長さ若しくは前記共鳴箱の壁面を調節するァクチユエ一 タと、該センサより得られた回転数か音圧か振動数かに応じて、該底面若しくは壁面 を移動させるベく該ァクチユエータを制御する制御部とを設けたものである。

[0014] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記キャビン内の隅部または角部または端 辺部に、前記共鳴管若しくは前記共鳴箱を設けるものである。

[0015] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記キャビン内であって、少なくとも 2箇所 以上の音圧が大きく振動数が異なる場所に、該振動数と同じ共鳴周波数をもつ前記 共鳴管若しくは共鳴箱を配設したものである。

[0016] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記キャビン内であって、少なくとも 2箇所 以上の音圧が大きく振動数が同じ場所に、該振動数と同じ共鳴周波数をもつ前記共 鳴管若しくは共鳴箱を配設したものである。

[0017] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記キャビンの一部に開口部を設け、該開 口部を共鳴部として利用したものである。

[0018] また、本発明のキャビンの制音構造は、作業機等のキャビンの中であって、音圧が 大きい部分に薄膜等の動吸振部材を配設したものである。

[0019] また、本発明のキャビンの制音構造は、キャビンの空洞共鳴に起因する寸法部分 の端部に空洞部を設け、該空洞部の開口部分に仕切りを設け、該仕切りの開閉によ り音場を変化させるものである。

[0020] また、本発明のキャビンの制音構造は、操縦部を覆う被覆部材の一部に開口部を 設け、該開口部に開閉部材を設けた作業機等のキャビンにおいて、

開閉部材の一端をヒンジにより被覆部材に取り付け、

開閉部材の他端を係止部材により被覆部材に係止可能とし、

開閉部材の周縁部に単数または複数の被拘束部材を設けるとともに、 被覆部材において、開閉部材を閉じたときに該被拘束部材と対向する位置に拘束 用ァクチユエータを設け、

該被拘束部材を拘束用ァクチユエータにより拘束するものである。

[0021] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記拘束用ァクチユエータを電磁石とする とともに被拘束部材を磁性体として、該電磁石への電力の供給は作業機等の駆動源 と連動する発電機により行うものである。

[0022] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記係止部材が開閉部材を被覆部材に係 止したことを検知する手段を設け、該検知手段と電磁石とを連動させるものである。

[0023] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記開閉部材の形状が略多角形である場 合において、前記被拘束部材を開閉部材の角部に設けたものである。

[0024] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記開閉部材の形状が略多角形である場 合において、前記被拘束部材を開閉部材の辺の略中央部に設けたものである。

[0025] また、本発明のキャビンの制音構造は、前記被拘束部材と開閉部材との間に弾性 部材を介装したものである。

発明の効果

[0026] 即ち、キャビンにおいて、空洞共鳴が生じたときの音圧の大きい位置に、該空洞共 鳴の周波数で共鳴を生じる共鳴管もしくは共鳴箱を具備したので、

音響的な動吸振効果により、空洞共鳴周波数を移動させることが可能となり、壁面 形状の大幅な変化なく空洞共鳴に起因する騒音の増加を避けられ、こもり音の低減 を図ることができる。

[0027] また、同一共鳴周波数で容積が異なる前記共鳴管若しくは前記共鳴箱を付け替え 可能に具備したので、

容積の増加に伴い、周波数の移動量を増加させて、効果的に共鳴現象を低減する ことができる。つまり、共鳴周波数の移動を大きなものとし、こもり音の低減効果を顕 著なものとすることができる。

[0028] また、前記共鳴管若しくは前記共鳴箱の開口部分に仕切りを設け、該仕切りを開閉 することにより共鳴周波数が調節できるので、

共鳴管若しくは共鳴箱の開口部分の仕切りの開閉によって、空洞共鳴周波数は変 化するので、起振周波数の変化に伴って開閉を行うことで、共鳴現象を効果的に回 避することができる。

[0029] また、前記キャビンを備えた作業機等のエンジンの回転数を制御するスロットル部と 、前記共鳴管若しくは前記共鳴箱の開口部分の仕切りと、を連動連結し、スロットル 部の変位に応じて仕切りが開閉するので、

作業機等のエンジンの回転に起因する起振周波数は既知であるので、これに連動 して共鳴周波数を変化させることで、共鳴現象を効果的に回避することができる。

[0030] また、前記キャビンを備えた作業機等のエンジンの回転数を計測する回転センサと 、前記開口部分の仕切りの開閉を行うァクチユエータと、該回転センサより得られた 回転数に応じて、該ァクチユエータを介して該仕切りを制御する制御部と、を設けた ので、 負荷変動に伴う作業機等のエンジンの回転数の変化に追従して効果的に共鳴周 波数を変化させることができる。

[0031] また、前記キャビンの所定位置の振動を計測する振動センサと、計測された振動数 から得られた該空洞共鳴の周波数に応じて、前記仕切りの開閉を調節する制御部を 設けたので、

起振源が不明であっても、空洞共鳴による共鳴を回避することができる。

[0032] また、前記開口部分付近の音圧を計測するマイクと、該開口部分付近の音圧が最 も低くなるようにァクチユエータを介して前記仕切りの開閉を行う制御部と、を具備し たので、

起振源が不明であっても、空洞共鳴による共鳴を回避することができる。

[0033] また、前記キャビンのドアや窓等の開閉が行われる部分をセンシングするセンサを 設け、開口されている部分がある場合は、前記共鳴管若しくは共鳴箱の開口部分を 閉じるようにするので、

ドアや窓などの開口部分が発生した場合に共鳴管若しくは共鳴箱が逆に騒音を発 生することを回避することができる。

[0034] また、前記キャビンを備えた作業機等のエンジンの回転数力 前記開口部分の音 圧か、前記キャビンの所定位置の振動数かを計測するセンサと、前記共鳴管の長さ 若しくは前記共鳴箱の壁面を調節するァクチユエータと、該センサより得られた回転 数か音圧か振動数かに応じて、該底面若しくは壁面を移動させるベく該ァクチユエ一 タを制御する制御部とを設けたので、

共鳴管若しくは共鳴箱の基本周波数を変化させることで、周波数の移動量が変化 する、つまり空洞共鳴周波数に対して少し低い周波数の共鳴管若しくは共鳴箱を用 いると低周波側に大きく移動し、その逆だと高周波数側に移動するため、起振周波 数に合わせたマッチングが可能となる。

[0035] また、前記キャビン内の隅部または角部または端辺部に、前記共鳴管若しくは前記 共鳴箱を設けるので、

人の居住空間を邪魔することなぐ共鳴管若しくは共鳴箱の設置が可能であり、特 に低周波数の共鳴に効果的であり、結果騒音低減に有効である。 [0036] また、前記キャビン内であって、少なくとも 2箇所以上の音圧が大きく振動数が異な る場所に、該振動数と同じ共鳴周波数をもつ前記共鳴管若しくは共鳴箱を配設した ので、

2以上の共鳴周波数についても、上記と同様に、低周波数の共鳴に効果的であり、 結果騒音低減に有効である。

[0037] また、前記キャビン内であって、少なくとも 2箇所以上の音圧が大きく振動数が同じ 場所に、該振動数と同じ共鳴周波数をもつ前記共鳴管若しくは共鳴箱を配設したの で、

周波数の移動量を多く得ることができ、改善効果を向上させられる。この場合は、キ ャビンの端に小さい共鳴管若しくは共鳴箱をたくさん固設することが可能となるので、 作業者の居住空間を邪魔することなぐこもり音の低減効果が得られる。

[0038] また、前記キャビンの一部に開口部を設け、該開口部を共鳴部として利用したので 人の居住空間を邪魔することなぐ共鳴管若しくは共鳴箱の設置が可能となる。共 鳴管若しくは共鳴箱を別途設ける必要が無ぐコストダウンが可能となる。

[0039] また、作業機等のキャビンの中であって、音圧が大き!/、部分に薄膜等の動吸振部 材を配設したので、

構造系の共鳴が動吸振器として作用し、空洞共鳴周波数を移動することが可能と なる。

[0040] また、キャビンの空洞共鳴に起因する寸法部分の端部に空洞部を設け、該空洞部 の開口部分に仕切りを設け、該仕切りの開閉により音場を変化させるので、

新たな共鳴管若しくは共鳴箱を用いることなぐ音場を変化させる事が可能となり、 設計が単純ィ匕できる。

[0041] また、操縦部を覆う被覆部材の一部に開口部を設け、該開口部に開閉部材を設け たキャビンの制音構造にぉ 、て、

開閉部材の一端をヒンジにより被覆部材に取り付け、

開閉部材の他端を係止部材により被覆部材に係止可能とし、

開閉部材の周縁部に単数または複数の被拘束部材を設けるとともに、 被覆部材において、開閉部材を閉じたときに該被拘束部材と対向する位置に拘束 用ァクチユエータを設け、

該被拘束部材を拘束用ァクチユエータにより拘束するので、

キャビン内のこもり音の発生を低減し、キャビン内の作業者の居住性、快適性を向 上させることが可會である。

[0042] また、前記拘束用ァクチユエータを電磁石とするとともに被拘束部材を磁性体として 、該電磁石への電力の供給は作業機等の駆動源と連動する発電機により行うので、 電力の供給が無いときは、作業者が小さい力で開閉部材の開閉を行うことが可能 である。

[0043] また、前記係止部材が開閉部材を被覆部材に係止したことを検知する手段を設け 、該検知手段と電磁石とを連動させるので、

作業者は特別な操作をせずとも、エンジンが作動している状態で開閉部材を閉め れば電磁石が被拘束部材を拘束するので、作業性に優れる。

[0044] また、前記開閉部材の形状が略多角形である場合において、前記被拘束部材を開 閉部材の角部に設けたので、

拘束用ァクチユエ一タが被拘束部材を拘束することにより開閉部材をキャビンの被 覆部材に固定する位置の数を最小限として、効果的にこもり音の発生を低減すること が可能である。

[0045] また、前記開閉部材の形状が略多角形である場合において、前記被拘束部材を開 閉部材の辺の略中央部に設けたので、

拘束用ァクチユエ一タが被拘束部材を拘束することにより開閉部材をキャビンの被 覆部材に固定する位置の数を最小限として、効果的にこもり音の発生を低減すること が可能である。

[0046] また、前記被拘束部材と開閉部材との間に弾性部材を介装したので、

開閉部材の振動を低減し、こもり音の発生を防止することが可能である。 図面の簡単な説明

[0047] [図 1]図 1は従来のキャビン 1の概略斜視図である。

[図 2]図 2は本発明のキャビンの制音構造の第 1の実施例に係るキャビン 1の概略斜 視図である。

[図 3]図 3は同じく概略右側面図である。

[図 4]図 4は別実施例を示すキャビン 1の概略右側面図である。

[図 5]図 5は別実施例を示すキャビン 1の概略右側面図である。

[図 6]図 6は別実施例を示すキャビン 1の概略右側面図である。

[図 7]図 7は別実施例を示すキャビン 1の概略右側面図である。

[図 8]図 8は第 2の実施例に係るキャビン 1の概略右側面図である。

[図 9]図 9は別実施例を示すキャビン 1の概略右側面図である。

[図 10]図 10は第 3の実施例に係る仕切り 41が開放された状態のキャビン 1の概略右 側面図である。

圆 11]図 11は同じく仕切り 41が閉じられた状態のキャビン 1の概略右側側面図であ る。

圆 12]図 12は別実施例に係る仕切り 41が開放された状態のキャビン 1の概略右側 面図である。

[図 13]図 13は同じく仕切り 41が閉じられた状態のキャビン 1の概略右側面図である。

[図 14]図 14は第 5の実施例に係るキャビン 1周辺の概略右側面図である。

[図 15]図 15は別実施例を示すキャビン 1の概略右側面図である。

[図 16]図 16は別実施例を示すキャビン 1の概略右側面図である。

圆 17]図 17は別実施例を示す概略右側面図である。

[図 18]図 18は第 6の実施例に係るキャビン 1の概略右側面図である。

[図 19]図 19は同じく壁面 30aを移動させた状態キャビン 1の概略右側面図である。

[図 20]図 20は別実施例を示すキャビン 1の概略右側面図である。

[図 21]図 21は同じく底面 31aを移動させた状態のキャビン 1の概略右側面図である。

[図 22]図 22は別実施例を示すキャビン 1の概略右側面図である。

[図 23]図 23は同じく摺動筒 32aを移動させたキャビン 1の概略右側面図である。

[図 24]図 24は第 1の音場を示すキャビン 1の概略斜視図である。

[図 25]図 25は第 2の音場を示すキャビン 1の概略斜視図である。

[図 26]図 26は第 3の音場を示すキャビン 1の概略斜視図である。 [図 27]図 27は第 7の実施例に係るキャビン 1の概略斜視図である。

圆 28]図 28は別実施例を示すキャビン 1の概略斜視図である。

圆 29]図 29は別実施例を示すキャビン 1の概略斜視図である。

圆 30]図 30は別実施例を示すキャビン 1の概略斜視図である。

圆 31]図 31は別実施例を示すキャビン 1の概略斜視図である。

[図 32]図 32は第 8の実施例に係るキャビン 1の概略右側面図である。

[図 33]図 33は別実施例を示す概略右側面図である。

圆 34]図 34は別実施例を示す概略右側面図である。

[図 35]図 35は別実施例を示す概略右側面図である。

[図 36]図 36は別実施例を示す概略右側面図である。

圆 37]図 37は別実施例を示す概略右側面図である。

[図 38]図 38は第 9の実施例に係る概略右側面図である。

[図 39]図 39はこもり音の周波数に影響する寸法方向を示すキャビン 1の概略図であ る。

[図 40]図 40は第 10の実施例に係るキャビン 3の概略右側面図である。

[図 41]図 41は別実施例を示すキャビン 3の概略右側面図である。

圆 42]図 42は本発明の第 11の実施例に係るキャビンを有する作業機等の実施の一 形態であるトラクタの左側面図である。

[図 43]図 43はキャビンのフレームを示す分解斜視図である。

[図 44]図 44はキャビンのドアの第 1実施例を示す側面図である。

[図 45]図 45はキャビンのドアの第 1実施例を示す正面模式図である。

[図 46]図 46はキャビンのドアの第 2実施例を示す正面模式図である。

[図 47]図 47はキャビンのドアの第 3実施例を示す正面模式図である。

符号の説明

1 キャビン

3 キャビン

2a サイドブランチ型共鳴管

2b ヘルムホルツ型共鳴箱 41 仕切り

42 アクセル

43 ワイヤー

44 回転センサ

45 制御部

46 ァクチユエータ

47 開閉センサ

49 動吸振部材

51 振動センサ

51a マイク

63 係止部材

65a- 65b - 65c - 65d- 65e - 65f 被拘束部材

75a- 75b · 75c · 75d- 75e · 75f 永久磁石（拘束用ァクチユエータ）

112 キャビン

150 ドア（開閉部材）

162 ヒンジ

201 トラクタ (作業機等）

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。

操縦部をキャビンで覆ったトラクタ等の作業機等において、エンジンが始動すると、 エンジンの回転振動によりキャビン 1は防振支持されていても振動は避けられず加振 される。また、騒音も発生する。それ等の振動が騒音の原因となり、キャビン 1内には 定在波が生じ、こもり音が発生する。定在波は、それぞれのキャビンの寸法に応じて 発生する。つまり、キャビン内側の縦方向の長さや横方向の長さによって、定在波の 周波数は異なるのである。

本実施例では、キャビン 1を用いて説明を行うが、トラクタ、コンバイン等の農作業機 に限定するものではなぐピックアップトラックやクレーンやダンプ等の建設機械や、 エンジン等の振動源を付設した荷室や作業室の振動源側部に空間を有する部屋等 を例とするキャビンにおいても本実施例の効果が得られる。

実施例 1

[0050] キャビン 1内に定在波が生じこもり音が発生すると、図 1に示すように、箱型のキヤビ ン 1の場合は壁面付近の音圧が最も大きくなり、キャビン 1の中心部の音圧は小さくな る。

この際、図 2乃至図 4に示すように、共鳴管 2a若しくは共鳴箱 2b等の共鳴器 2を壁 面に配設すると、共鳴器 2の共鳴周波数と同じ周波数でキャビン 1内の壁面付近で 振動して!/、る音圧レベルの大き!/、空気によって、共鳴器 2内部の空気が加振されて 振動を始める。その結果、キャビン 1内の空気は、共鳴器 2内の空気に振動を伝達し た分、エネルギーを消費することになる。そして、消費されたエネルギー分だけ、キヤ ビン 1内の振動が減衰され、こもり音が低減される。

[0051] そして、キャビン 1に共鳴器 2を配設したため、配設前のキャビン 1のみの場合に比 ベて、共鳴器の影響によって、共鳴周波数も配設前のキャビン 1のみの場合力も変 化する。例えば、図 1の共鳴器 2を具備していないキャビン 1のみのときの共鳴周波数 力 S 131Hzであった場合、図 2のように共鳴管 2aを付け加えたことで、共鳴周波数が 1 17Hzと 136Hzに変化する等である。このような場合は、上述したように、キャビン 1内 の空気のエネルギーが共鳴器 2内の空気に伝達され、共鳴周波数は 2種類に増える 力 該 2種類の 117Hzと 136Hzの共鳴周波数での音圧は、計測場所によっては前 記 131Hzの共鳴周波数の音圧よりも小さくなる場合がある。

[0052] 図 3は、共鳴器 2をサイドブランチ型の共鳴管 2aとし、共鳴管 2aの長軸をキャビン 1 の音圧レベルの大き 、壁面に対して垂直方向になるように、キャビン 1の外部に配設 したものである力 図 4に示すように、共鳴箱 2bの長軸をキャビン 2の壁面と平行にな るようにキャビン 1の外部に配設しても良い。また、図 5に示すように、サイドブランチ 型の共鳴器 22の長軸をキャビン 1の音圧レベルの大きい壁面と平行になるように、キ ャビン 1の内部に配設しても良 、。

また、図 6に示すように、共鳴器 23をヘルムホルツ型のものとし、共鳴器 23をキヤビ ン 1の音圧レベルの大きい壁面の外部に配設しても良いし、図 7のように、ヘルムホル ッ型の共鳴器 24をキャビン 1の音圧レベルの大きい壁面の内部に配設しても良い。 なお、音圧レベルの大きい壁面は前後または左右または上下の両側に現れるもので あり、キャビン形状や材質やエンジンの位置等により異なるものである。

[0053] このように、空洞共鳴が生じたときの音圧の大き 、位置に、該空洞共鳴の周波数で 共鳴を生じる共鳴管 2aもしくは共鳴箱 2bを具備したので、

音響的な動吸振効果により、空洞共鳴周波数を移動することが可能となり、壁面形 状の大幅な変化なく空洞共鳴に起因する騒音の増加を避けられ、こもり音の低減を 図ることができる。

実施例 2

[0054] 次に本発明のキャビンの制音構造に係る第 2の実施例について説明する。作業機 等のキャビンに前記共鳴器 23を配設しこもり音を低減しても、こもり音が所望のレべ ルまで下がらない場合がある。この場合には、図 8に示すように、共鳴周波数は同一 で容積のより大きな共鳴器 25を交換可能に、つまり、付け替え可能にキャビン 1に配 設することにより、周波数の移動量を大きくすることができる。

ここで、図 9に示すように、ヘルムホルツ型の共鳴器 26をキャビン 1に配設する場合 は、共鳴器 26の開口部分 26aの面積も共鳴器 26の容積に伴い変更するものとする

[0055] このように、同一共鳴周波数で容積が異なる前記共鳴管若しくは前記共鳴箱 26と 付け替え可能に構成したので、

容積の増加に伴い、周波数の移動量を増加させて、効果的に共鳴現象を低減する ことができる。つまり、共鳴周波数の移動を大きくし、こもり音の低減効果を顕著なも のとすることができる。

実施例 3

[0056] 次に第 3の実施例として、図 10乃至図 13を参照しながら、キャビン 1とヘルムホルツ 型の共鳴器 27の接続部分である、共鳴器 27の開口部分について説明する。

図 10及び図 11に示すように、共鳴器 27の開口部分には仕切り 41が開閉自在に 配設されている。仕切り 41を開閉自在にするためには、仕切り 41をスライド式に開口 部に配設しても良いし、開口部分の端を支点に回転扉型に配設してもよい。これによ つて、共鳴器 27の開閉を変化させる。 [0057] ところで、サイドブランチ型の共鳴器の共鳴振動数 fsは、

fs = C/41

C =音速、 1=共鳴器の長さ (奥行き）

であり、また、円形の首部を有するヘルムホルツ型共鳴器の共鳴周波数 fhは、 ¾= (θ/2 π ) · (Α/νΐ) ^1/2

C =音速、 A=開口部分面積、 1=共鳴器のくび部の等価長さ (奥行き)、 V=共鳴器 容禾 M "ある。

そのため、ヘルムホルツ型の共鳴器 27をキャビン 1に配設する場合は、開口部分 の面積 Aを変化させることで、該共鳴器 27によって、低減できる周波数を変化させる ことができるのである。

[0058] 本実施例では、図 10及び図 1 1に示すように、仕切り 41をスライドする等して、開口 部分の開閉を可能とした。これにより、通常は共鳴器 27を閉じておくが、エンジン起 振周波数がキャビン内空洞共鳴周波数に合致しかけた時に共鳴器 27を開けること で、空洞共鳴周波数自体を変化させ、空洞共鳴が起きないように構成するのである。 さらに、開口部分の面積 Aを変化させることも可能であり、車両外部の気温や車両の 重量そしてエンジンの回転数等によりエンジン力もの起振周波数が移動した場合に おいても、開口部分の面積 Aを調節することによりこもり音の低減効果を高めることが できる。

具体的には、空洞共鳴周波数に比較して起振周波数が高くなつてきた場合は、 fh を増加させる、すなわち開口部分の面積 Aを大きくすべぐ仕切り 41を開放させる方 向へ移動することでこもり音の低減効果を高め、逆に起振周波数が低くなつてきた場 合には、 fhを低下させる、すなわち開口部分の面積 Aを小さくすべぐ仕切り 41を閉 じる方向へ移動することでこもり音の低減効果を高めることができる。なお、具体例と して、仕切り 41をスライドさせるために、壁の開口部に上下にレールを設けて仕切り 4 1を摺動自在に移動可能とし、該仕切り 41と壁との間にハンドル等を介装して、該ハ ンドルを回動することにより所望の位置に移動させて開口面積を変更可能とする等の 方法がある。

[0059] このように、前記共鳴管若しくは前記共鳴箱 27の開口部分に仕切り 41を設け、該 仕切り 41を開閉することにより共鳴周波数が調節できるようにしたので、 共鳴現象を効果的に回避することができる。

実施例 4

[0060] 次に本発明のキャビンの制音構造に係る第 4の実施例について説明する。

開口部分の仕切り 41の開閉は、キャビン内の作業者が直接行っても良いが、図 12 及び図 13に示すように、エンジン等の回転数を制御するアクセル部 42にワイヤー 43 の一端を連結し、他端を該仕切り 41に連結して、回転数に応じて開口部分の面積 A が変化するようにしてもよい。

そして、エンジンの回転数が増えれば起振周波数も高くなり、エンジンの回転数が 減れば起振周波数も低くなるので、アクセルを踏み込めば開口部分の面積 Aが大き くなるように、アクセルを話せば開口部分の面積 Aが小さくなるように、ワイヤー 43の 連結を行えばよい。若しくは、空洞共鳴の生じるエンジン回転においてのみ、共鳴器 力 く機構を備えても良い。

[0061] このように、前記作業機等のエンジンの回転数を制御するスロットル部 42と、前記 共鳴管若しくは前記共鳴箱 28の開口部分の仕切り 41と、を連動連結し、スロットル 部 42の変位に応じて仕切り 41が開閉するので、

作業機等のエンジンの回転に起因する起振周波数は既知であるので、これに連動 して共鳴周波数を変化させることで、共鳴現象を効果的に回避することができる。 実施例 5

[0062] 次に、第 5の実施例として、仕切り 41の開閉動作をより正確に、起振周波数に対応 させる技術について説明する。図 14を参照しながら、エンジン 50の回転数を計測す る回転センサ 44と、仕切り 41の開閉を行うァクチユエータ 46を利用した制御方法を 説明する。

トラクタ等の作業機等の場合、キャビン 1の前方若しくは下方にエンジン 50が配設さ れていることが多い。前記エンジン 50に回転センサ 44を装備して、常時エンジンの 回転数を計測する。そして、仕切り 41にはソレノイドまたはモータ等を利用したァクチ ユエータ 46を連結し、ァクチユエータ 46により、仕切り 41の開閉を行うものとする。前 記回転センサ 44とァクチユエータ 46は、間に制御部 45を介して連動連結されており 、エンジン 50の回転数に応じて、制御部 45がァクチユエータ 46を動作させて仕切り 41の開閉を行う。

[0063] 本実施例においても、回転センサ 44によって計測されたエンジン 50の回転数が高 くなると、制御部 45はァクチユエータ 46が仕切り 41を開放する方向に動作するように 命令し、エンジン 50の回転数が低くなると制御部 45はァクチユエータ 46が仕切り 41 を閉じる方向に動作するように命令しても良 、。

[0064] このように、前記作業機等のエンジン 50の回転数を計測する回転センサ 44と、前 記開口部分の仕切り 41の開閉を行うァクチユエータ 46と、該回転センサ 44より得ら れた回転数に応じて、該ァクチユエータ 46を介して該仕切り 41を制御する制御部 45 と、を設けたので、

負荷変動に伴う作業機等のエンジン 50の回転数の変化に追従して効果的に共鳴 周波数を変化させることができる。

[0065] また、キャビン 1内に振動が生じても、起振源がどこであるか不明である場合もある。

そこで、図 15に示すように、直接キャビン 1内の代表点の振動を計測するものとする。 キャビン 1内の代表点に振動センサ 51 · 51を配設し、共鳴器がな 、場合の空洞共鳴 周波数の振動が大きい場合に、開口部分の仕切り 41を開放し、空洞共鳴周波数自 体を変化させるのである。この場合も、計測されたキャビン 1内の代表点の振動周波 数が大きい場合は、仕切り 41を大き目に開放し開放部分の面積 Aを大きくし、振動 周波数が小さい場合は、仕切り 41を調節して開放部分の面積 Aを小さくするようにし ても良い。

[0066] このように、前記キャビン 1内の所定位置の振動を計測する振動センサ 51と、計測 された振動数に応じて、前記仕切りの開閉を調節する制御部 45を設けたので、 起振源が不明であっても、空洞共鳴による共鳴を回避することができる。

[0067] また、起振源がわ力もない場合と同様に、音場の変化がわ力もない場合もある。そ こで、図 16のように、共鳴器 28の開口部分付近の音圧を測定しながら、開口部分の 仕切り 41の開閉動作を行う。さらに、最もこもり音が低減されるような仕切り 41の位置 を求めてもよい。この場合は仕切り 41の開閉を一定時間ごとに行って、その都度、最 もこもり音が低減される仕切り 41の位置を求めても良いし、作業者がこもり音をうるさ いと感じたとき等、作業者の好みにより任意の時点で仕切り 41を開閉させる力、最も こもり音が低減される仕切り 41の位置を求めても良い。

[0068] このように、前記開口部分付近の音圧を計測するマイク 5 laと、該開口部分付近の 音圧が最も低くなるようにァクチユエータ 46を介して前記仕切り 41の開閉を行う制御 部 45と、を具備したので、

起振源が不明であっても、空洞共鳴による共鳴を回避することができる。

[0069] 前記音場の変化は、ドア 61や窓 62を開閉したときには特に顕著に起こるものであ る。そのため、窓の開放による音場の変化を捉え、こもり音の低減を効率良く行うこと が重要である。そこで、図 17に示すように、ドア 61や窓 62等の可動部分に開閉セン サ 47·47を配設し、キャビン 1の空間の開閉をセンシングし、全閉状態においてのみ 共鳴器 29が作動する、つまり仕切り 41が開放される、ようにする。

共鳴器 29の作動は、上述したように、開閉センサ 47·47によってセンシングされた 結果が制御部 45に送られ、制御部 45にて全閉状態力否かを判断し、全閉状態の場 合にはァクチユエータ 46により、仕切り 41を開放する。若しくは、最もこもり音が低減 される位置を求めるものとする。そして、開閉センサ 47·47のうちの少なくとも 1っ以 上力 可動部分の開放を検知すると、制御部 45とァクチユエータ 46によって仕切り 4 1は閉じられる。

[0070] このように、前記キャビン 1のドア 61や窓 62等の開閉が行われる部分をセンシング する開閉センサ 47 ·47を設け、開口されている部分がある場合は、前記共鳴管若し くは共鳴箱 29の開口部分を閉じるようにするので、

ドア 61や窓 62などの開口部分が発生した場合に共鳴管若しくは共鳴箱 29が逆に 騒音を発生することを回避することができる。

実施例 6

[0071] 次に、第 6の実施例として、共鳴周波数を変化させる技術について説明する。

上述の技術では、最も大きな音圧や振動を起こして 、る周波数に対してこもり音の 低減を行うことが可能であつたが、共鳴周波数を予め決められた周波数にし力移動 できないものであった。本実施例では、共鳴管 31の長さ若しくは共鳴箱 30の一部の 壁面を可変とすることで、共鳴周波数を変化させるものである。 また、共鳴器の共鳴周波数はキャビン内部の空気の影響を受けて、開放状態とは 若干異なってくる。これを解消する為に、共鳴器の共鳴周波数を調整できる機構が 必要となる。

具体的には、図 18及び図 19に示すように、共鳴箱 30の 1つの壁面 30aを可変とし 、キャビン 1側に近づけたり遠ざけたりすることで、共鳴周波数に影響を与える寸法を 変更し、共鳴周波数を変化させる方法が挙げられる。また、図 20及び図 21に示すよ うに、共鳴管 31の底面 31a (キャビン 1の壁面力も最も遠ぐキャビン 1の壁面と平行 な共鳴管の底面 31a)を可変とし、キャビン 1側に近づけたり、遠ざけたりすることで、 共鳴周波数を変化させることも可能である。

[0072] 本実施例では、共鳴箱 30若しくは共鳴管 31の内部に壁面 30aや底面 31aが摺動 自在に配設された構成となっているが、図 22及び図 23に示すように、共鳴管 32の外 側に、共鳴管 32に覆い被せるように、一方向を開放した円柱状もしくは多角柱状の 摺動筒 32aを嵌めて込む構成としても良い。

また、本実施例の場合も、上述の第 5の実施例の場合と同じぐキャビン 1内の代表 点や共鳴器 30 · 31 · 32付近にぉ 、て、センサ 51により振動や音圧や周波数を測定 して、キャビン 1内の振動数を求め、壁面 30aや底面 31aや摺動筒 32aをァクチユエ ータ 46にて移動可能とし、センサ 51に制御部 45を介してァクチユエータ 46と接続し て、共鳴周波数を変化させるものとする。

[0073] このように、前記作業機等のエンジンの回転数力、前記開口部分の音圧か、前記キ ャビンの所定位置の振動数かを計測するセンサ 44 · 51と、前記共鳴管 31の底面 31 a若しくは前記共鳴箱 30の壁面 30aを調節するァクチユエータ 46と、該センサ 44 · 5 1より得られた回転数か音圧か振動数かに応じて、該底面 3 la · 32a若しくは壁面 30 aを移動させるベく該ァクチユエータ 46を制御する制御部 45とを設けたので、 共鳴管 31 · 32若しくは共鳴箱 30の基本周波数を変化させることで、周波数の移動 量が変化するため、つまり空洞共鳴周波数に対して少し低い周波数の共鳴管 31 · 3 2若しくは共鳴箱 30を用いると低周波側に大きく移動し、その逆だと高周波数側に大 きく移動するため、起振周波数に合わせたマッチングが可能となる。

実施例 7 [0074] 次に、共鳴箱若しくは共鳴管の設置箇所について説明する。

エンジンを作動させると、キャビン 1内にはこもり音が発生するが、該こもり音は上述 したように、壁面付近の音圧や振動が大きなものとなる。例えば、図 24に示すように、 キャビン 1内の左右両端の音圧が大きくなり、左右方向において真中付近の音圧が 低くなつたり（パターン 1)、図 25に示すように、キャビン 1の前下部及び後上部の音 圧が大きくなり、キャビン 1の前後方向と上下方向において真中付近の音圧が低くな つたりする (パターン 2)。また、以上の性質全てを反映する場合、すなわち図 26に示 すように、キャビン 1の前上部の右端及び、後下部の左端の音圧が大きくなり、前後 方向及び上下方向及び左右方向の全てにおいて真中付近の音圧が低くなつたりす る場合もある（パターン 3)。

[0075] そこで、第 7の実施例として、図 27に示すように、ヘルムホルツ型の共鳴器 33をキ ャビン 1の天井の右端辺近傍 (端辺部）に固設する。このように、キャビン 1の端に共 鳴器 33を固設すると、作業者がキャビン 1内に乗り込んでいる場合にも、居住空間と して邪魔にならない。ここで、共鳴器 33はキャビン 1の天井の左端に固設しても良い また、図 28に示すように、 2つのヘルムホルツ型の共鳴器 33 · 33をキャビン 1の天 井の右端と左端の両側端辺部、または対角方向、または対辺方向に固設しても良い 。これらの設置方法は、上述のパターン 1の場合に特に有効である。

そして、図 29に示すように、天井の後部に同じくヘルムホルツ型の共鳴器 34を固 設しても良し、図 30に示すように、天井の左右方向の中心付近にサイドブランチ型の 共鳴器 35を固設しても良い。サイドブランチ型の共鳴器 35は最後部に開口部を設 ける。これらの後上部に共鳴器 34· 35を固設する方法は、上述のパターン 2の場合 に特に有効である。なお、パターン 3の場合は、図 31のように、共鳴器 34をキャビン 1 の前上部に固設すると有効である。

[0076] このように、前記キャビン 1内の隅部または角部または端辺部に、前記共鳴管若しく は前記共鳴箱 33 · 34 · 35を設けるので、

人の居住空間を邪魔することなぐ共鳴管若しくは共鳴箱 33 · 34 · 35の設置が可能 であり、特に低周波数の共鳴に効果的であり、結果騒音低減に有効である。 実施例 8

[0077] 次に、第 8の実施例として、 2つ以上の共鳴周波数を低減する技術について、説明 する。

キャビン 1内にこもり音が発生した場合に、大きな振動及び音圧を生じさせる 2種類 の共鳴周波数 Α·Β (二つのピーク Α·Β)が存在するときに、それぞれの共鳴周波数 Α·Βをもつ共鳴器 36Α· 37Βをキャビン 1内に固設する。ここで、大きな振動及び音 圧を生じる 2種類の共鳴周波数は、他の共鳴周波数に比べて目立って大きな振動や 音圧を生じる共鳴周波数でなくとも、キャビン 1内に生じたこもり音の様々な共鳴周波 数の中で比較的振動や音圧が大きなものを選択すれば良!、。

[0078] そして、共鳴器 36Α· 36Βの固設箇所は、それぞれの共鳴周波数の腹、すなわち それぞれの共鳴周波数において振動や音圧が大きくなる場所、とする。この場合の 2 つの共鳴器 36Α.36Βは、図 32に示すように、ヘルムホルツ型共鳴器 36ΗΑとヘル ムホルツ型共鳴器 36ΗΒの組み合わせでも良いし、図 33に示すように、サイドブラン チ型共鳴器 36SAとサイドブランチ型共鳴器 36SBの組み合わせでも良いし、図 34 に示すように、ヘルムホルツ型共鳴器 36ΗΑとサイドブランチ型共鳴器 36SBの組み 合わせでも良い。

また、共鳴器は 2つに限らず、 3つ以上の共鳴周波数の振動や音圧を低減させるベ ぐ 3つ以上の共鳴器を固設しても良い。

[0079] このように、前記キャビン 1内であって、少なくとも 2箇所以上の音圧が大きく振動数 が異なる場所に、該振動数と同じ共鳴周波数をもつ前記共鳴管若しくは共鳴箱 36 · 36を配設したので、

2以上の共鳴周波数についても、上記と同様に、低周波数の共鳴に効果的であり、 結果騒音低減に有効である。

[0080] また、キャビン 1内に発生したこもり音の 1つの共鳴周波数の振動や音圧を低減させ るために、 2つ以上の共鳴器 37· 38を配設しても良い。具体的には、図 35に示すよう に、 2つの同型のヘルムホルツ型共鳴器 37· 37を固設しても良いし、図 36のように、 2つの同型のサイドブランチ型共鳴器 38 · 38を固設しても良いし、図 37のように、 1 つのヘルムホルツ型共鳴器 37と 1つのサイドブランチ型共鳴器 38を固設しても良い また、共鳴器 37· 38は 2つに限らず、更に効果を高めるために、 3つ以上の共鳴器 を固設しても良い。

[0081] このように、前記キャビン 1内であって、少なくとも 2箇所以上の音圧が大きく振動数 力 S同じ場所に、該振動数と同じ共鳴周波数をもつ前記共鳴管若しくは共鳴箱 37· 38 を配設したので、

周波数の移動量を多く得ることができ、改善効果を向上させられる。この場合は、キ ャビンの端に小さい共鳴管若しくは共鳴箱をたくさん固設することが可能となるので、 作業者の居住空間を邪魔することなぐこもり音の低減効果が得られる。

[0082] また、わざわざ共鳴管や共鳴箱を配設しなくても、ある程度の厚みを持ち、また、強 度を求められることがない天井部を、共鳴器として利用しても良い。すなわち、天井 部を中空にして、キャビン 1内から天井に穴を開けるのである。天井に穴を開ける事 で、天井部がサイドブランチ型共鳴器、若しくはヘルムホルツ型共鳴器の役割を果た す構造となる。また、天井部に限らず、中空のフレームやエアコンのダクトを利用して も良い。

[0083] このように、前記キャビン 1の一部に開口部を設け、該開口部を共鳴部として利用し たので、

人の居住空間を邪魔することなぐ共鳴管若しくは共鳴箱の設置が可能となる。共 鳴管若しくは共鳴箱を別途設ける必要が無ぐコストダウンが可能となる。

実施例 9

[0084] 次に、実施例 9として、構造系の共鳴を利用して空洞共鳴周波数の移動を為す方 法について説明する。

図 38のように、音圧の腹となる部分の近くに薄膜等の構造の動吸振部材 49を配設 する。該動吸振部材 49はゴム等の薄い弾性部材が適している。予め、キャビン 1内に 発生するこもり音の共鳴周波数を求めておき、キャビン 1内の該共鳴周波数により生 じる振動や音圧の大き 、箇所に、該共鳴周波数にて共鳴する構造の動吸振部材 49 を配設する。

[0085] このように、前記キャビン 1の中で、音圧が大きい部分に薄膜等の動吸振部材 49を 配設したので、

構造系の共鳴が動吸振器として作用し、空洞共鳴周波数を移動することが可能と なる。

実施例 10

[0086] 次に、実施例 10として、キャビンの一部を変形させて、共鳴管若しくは共鳴箱を配 設するのと同じ効果が得られる技術について説明する。

例えば、キャビン 1が図 39に示すような形状をしている場合において、エンジンから の振動によるこもり音がキャビン 1内の前下部及び後上部の音圧が大きぐ前後方向 及び上下方向にお!、ての真中付近の音圧が小さ!/、ときは、図中の矢印方向の寸法 に関する共鳴周波数の振動及び音圧の影響が大きいと考えられる。この場合は、図 40に示すように、キャビン 3の後上部を若干凹ませる (外側に凸の形状とする。）こと によって、矢印方向の寸法を大きくする。これによつて、共鳴周波数を移動させて、こ もり音の低減を図るのである。

[0087] また、図 40のように、キャビン 3の後上部の凹部 3aの下方に仕切り 48を回動自在に 配設し、矢印方向の寸法を調節できるようにして、エンジンの回転数の変化による共 鳴周波数の変化に対応させる。本実施例では、キャビン 3の後上部を凹ませる構成と したが、前下部の方を凹ませても良い。

凹部の形状としては、図 41のように、開口部分が入り糸且んだ形状となっても良い。

[0088] このように、前記キャビン 3の空洞共鳴に起因する寸法部分の端部に空洞部（凹部 ) 3aを設け、該空洞部 3aの開口部分に仕切り 48を設け、該仕切り 48の開閉により音 場を変化させるので、

新たな共鳴管若しくは共鳴箱を用いることなぐ音場を変化させるが可能となり、設 計が単純ィ匕できる。

実施例 11

[0089] 以下では、図 42を用いて本発明に係るキャビンの制音構造を有する作業機の実施 例としてトラクタ 201の全体構成について説明する。

なお、前述したように、本発明に係るキャビンの制音構造は、コンバイン等の農作業 機や、ピックアップトラックやクレーンやダンプ等の建設機械や、エンジン等の振動源 を付設した荷室や作業室の振動源側部に空間を有する部屋等を例とするキャビンに 広く適用可能である。

また、以下の説明では図 42中の矢印 Aの方向をトラクタ 201の前方とし、図 42中の 紙面手前側をトラクタ 201の左側面とする。

[0090] トラクタ 201の前後には前輪 101 · 101および後輪 102· 102が支承され、前部のボ ンネット 106内部にはエンジン 105が配置される。該ボンネット 106の後方にはキヤビ ン 112が設けられる。該キャビン 112の内部にはステアリングハンドル 110が配設され 、その後方には座席 111が配設される。また、座席 111の側部には主変速レバー、 副変速レバー、 PTO操作レバー等の操作レバー群が配設される。

ここで、作業者が作業機等 (本実施例ではトラクタ 201)を操縦するために操作する もの（本実施例においては、ステアリングノヽンドル 110、操作レバー群等）を総称して 「操縦部」とする。

エンジン 105の後部にはクラッチハウジング 107が配置され、クラッチハウジング 10 7の後部にミッションケース 109が配設され、エンジン 105からの駆動力を前輪 101 · 1および後輪 102· 2に伝達して駆動する。

[0091] 以下では、図 42および図 43を用いて本発明に係るキャビンの制音構造の実施の 一形態であるキャビン 112の詳細構成にっ 、て説明する。

図 42および図 43に示す如ぐキャビン 112はトラクタ 201の座席 111 (より厳密には 、作業機等の操縦部)の周囲を覆って風雨や直射日光等カゝら作業者を保護するもの であり、主に左右一対のサイドフレームユニット 120· 120、ロアフレームユニット 121 、フロントアッパーフレーム 123、リアアッパーフレーム 124、フロントセンターフレーム 81等力 なるフレームと、前面風防 113と、左右一対のドア 150· 50と、後面風防 15 1と、キャビン 112の上面に設けられたルーフ 141等で構成される。

[0092] 図 43に示す如ぐ左右一対のサイドフレームユニット 120· 120はキャビン 112の側 面を成す構造体である。なお、本実施例のサイドフレームユニット 120· 120は左右 略対称に構成されていることから、以下の説明ではキャビン 112の左側面側のサイド フレームユニット 120についてのみ説明を行う。

サイドフレームユニット 120は主にフロントピラー 140、リアピラー 114、サイドアツパ 一フレーム 144、サイドステップフレーム 142、フェンダ 133等で構成される。

[0093] フロントピラー 140はサイドフレームユニット 120の前部を成す部材であり、キャビン

112のルーフ 141の右前端または左前端を支持する。フロントピラー 140はノイブ状 の部材であり、側面視で中途部において略「く」の字型に屈曲している。

[0094] リアピラー 114はサイドフレームユニット 120の後部を成す部材であり、キャビン 112 のルーフ 141の右後端または左後端を支持する。

[0095] サイドアッパーフレーム 144はサイドフレームユニット 120の上部を成す部材であり

、その前端はフロントピラー 140の上端部に固設され、その後端はリアピラー 114の 上端部に固設される。

[0096] サイドステップフレーム 142はサイドフレームユニット 120の下前半部を成す部材で あり、その前端はフロントピラー 140の下端部に固設され、その後端はフェンダ 133の 前端部に固設される。サイドステップフレーム 142は乗降時に作業者が足をかけるス テツプとしての機能を兼ねる。

[0097] フェンダ 133はサイドフレームユニット 120の下後半部を成す部材であり、その一端 はサイドステップフレーム 142の後端部に固設され、その後端はリアピラー 114の下 端部に固設される。フェンダ 133は後輪 102 · 102と対向し、後輪 102· 102により跳 ね上げられる土や泥等がキャビン 112に侵入することを防止している。

[0098] ロアフレームユニット 121はキャビン 112の下面を構成する構造体である。ロアフレ ームユニット 121は主に左右一対のダウンフレーム 126 · 126、リアセンターフレーム 130、ダス卜カノ一 129、シート固定部材 138、エアカツ卜プレー卜 139、フロン卜マウン トステー 127、リアマウントステー 128等で構成される。

[0099] ダウンフレーム 126 · 126は側面視で略「く」の字型に屈曲され、ロアフレームュ-ッ ト 121の下部から後部にかけての部位を成す部材である。ダウンフレーム 126 · 126 の前端部はそれぞれエアカットプレート 139の左右の下端部に固設され、後端部は それぞれリアセンターフレーム 130の左右端部に固設される。

[0100] リアセンターフレーム 130はロアフレームユニット 121の後部を成す部材であり、ダ ゥンフレーム 126 · 126の後端部に固設される。

[0101] ダストカバー 129はロアフレームユニット 121の後面を成す部材であり、ダウンフレ ーム 126 · 126の後部およびリアセンターフレーム 130に固設されてロアフレームュ- ット 121の剛性を向上させるとともに、キャビン 112の後面下部を閉塞してキャビン 11 2内に土や泥等が侵入することを防止している。

[0102] シート固定部材 138はダウンフレーム 126 · 126の上方かつリアセンターフレーム 1 30の前方に配置される部材であり、その上面には座席 111および操作レバー群が 配設される。

[0103] エアカットプレート 139はロアフレームユニット 121の前面を成す部材であり、その下 端部はダウンフレーム 126 · 126の前端部に固設される。エアカットプレート 139はボ ンネット 6からキャビン 112へ騒音や外気が侵入することを防止する機能と、ステアリ ングノヽンドル 110やその他の計器類、操作ペダル等が設けられる取付部材としての 機能を兼ねる。

[0104] フロントマウントステー 127· 127はそれぞれダウンフレーム 126 · 126の前端部に固 設される部材であり、ロアフレームユニット 121の前部と前記サイドフレームユニット 12 0の前部（サイドステップフレーム 142· 142)とを固定する機能と、防振部材を介して キャビン 112をトラクタ 201本体に固定する機能とを兼ねる。

[0105] リアマウントステー 128 · 128はそれぞれダウンフレーム 126 · 126の屈曲部に固設 される部材であり、ロアフレームユニット 121の後部と前記サイドフレームユニット 120 • 120の後部（フェンダ 133 · 133)とを固定する機能と、防振部材を介してキャビン 11 2をトラクタ 201本体に固定する機能とを兼ねる。

[0106] 図 42に示す如ぐ前面風防 113は、キャビン 112のフレームを構成する部材のうち 、フロントアッパーフレーム 123、フロントピラー 140· 140、およびフロントセンターフ レーム 80で囲まれたキャビン 112の前面の開口部に固定される。前面風防 113はガ ラスゃ榭脂等、透明な材料で構成される。

[0107] 後面風防 151は、キャビン 112のフレームを構成する部材のうち、リアアッパーフレ ーム 124、リアピラー 114· 114、およびリアセンターフレーム 130で囲まれたキャビン 112の後面の開口部に固定される。後面風防 151はガラスゃ榭脂等、透明な材料で 構成される。

[0108] 以下の説明では、キャビンを構成する部材のうち、操縦部を覆う部材を「被覆部材」 とし、該被覆部材の一部に設けられた開口部に開閉可能に設けられた部材を「開閉 部材」とする。

本実施例の場合、フレーム群やルーフ 141等、キャビン 112の構造体を成す部材 またはそれに固定されている部材が被覆部材に相当し、ドア 150 · 50が開閉部材に 相当する。

また、前面風防 113および後面風防 151については、開閉可能な構成とした場合 には開閉部材に相当し、フレームに固定される構成とした場合には被覆部材に相当 する。

[0109] 以下では、図 42、図 44および図 45を用いて、本発明に係る開閉部材の第 1実施 例である

左右一対のドア 150· 50の詳細構成について説明する。

ドア 150.50は、キャビン 112のフレームを構成する部材のうち、フロントピラー 140 、リアピラー 114、サイドアッパーフレーム 144、サイドステップフレーム 142、およびフ ェンダ 133で囲まれたキャビン 112の左右側面の開口部にそれぞれ設けられる。 なお、本実施例のドア 150· 50は左右略対称に構成されていることから、以下の説 明にお 、てはキャビン 112の左側面に設けられたドア 150につ!/、てのみ説明する。

[0110] ドア 150は、主に月同体咅 161、ヒンジ 162· 162、係止咅材 63、ウエザーストリップ 64 等で構成される。

[0111] 胴体部 161は、キャビン 112内の作業者が側方の視界を確保可能とするために、 透明なガラスゃ榭脂等の材料で構成される。

[0112] ヒンジ 162· 162はドア 150の後端を回動可能にキャビン 112のフレーム（本実施例 にお ヽてはリアピラー 114)に取り付けるものである。

なお、本実施例においてはヒンジ 162· 162によりドア 150の後端をキャビン 112の フレームに取り付けている力 ヒンジによりドアの前端を取り付けても、ドアの上端を取 り付けても良い。

[0113] 係止部材 63はドア 150の前端、すなわち、ドア 150においてヒンジ 162 · 162力取り 付けられている方の端部 (後端)の反対側の端部に設けられ、ドア 150が閉じた状態 において、該ドア 150の前端をキャビン 112のフレーム（本実施例の場合、フロントピ ラー 140)〖こ係止可能とするものである。

係止部材 63はドアノブ 63a、係止爪収容部 63b、係止爪 63c、ボタン 63d等で構成 される。

[0114] ドアノブ 63aは、作業者が手で握ってドア 150の開閉を行うための取手であり、ドア

150の外面（キャビン 112の外部と対向する面）に設けられる。

[0115] 係止爪収容部 63bはドア 150の内面（キャビン 112の内部空間と対向する面）に設 けられる。係止爪収容部 63bは、係止爪 63cを収容可能に構成され、該係止爪 63c を係止爪収容部 63bから突出、および係止爪収容部 63bに収容するための機構（図 示せず)が設けられる。

[0116] 係止爪 63cは係止爪収容部 63bから突出可能に構成され、ドア 150が閉じた状態 において、キャビン 112のフレーム (本実施例の場合、フロントピラー 140)側に設け られた係合部材（図示せず）と係合し、該ドア 150の前端部をキャビン 112のフレーム (本実施例の場合、フロントピラー 140)に係止するための部材である。

[0117] ボタン 63dは係止爪 63cを係止爪収容部 63b内に収容 (退避)させる、すなわち、ド ァ 150を開ける際に係止爪 63cとキャビン 112のフレーム（本実施例の場合、フロント ピラー 140)側に設けられた係合部材（図示せず)との係合を解除するためのボタン である。ボタン 63dは作業者がドアノブ 63aを握った手で操作可能な位置に設けられ 、ドア 150の内側及び外側に設けられる。

[0118] ウエザーストリップ 64はゴムゃ榭脂等の弾性材料で構成され、ドア 150の周縁部を 被覆している。ウエザーストリップ 64はドア 150を閉じたときにキャビン 112の開口部 の周縁部と当接して風雨の侵入を防止するとともに、キャビン 112に伝播した振動に よりドア 150が小刻みにフレームと衝突し、不快な振動音を発生させるのを軽減する ものである。

[0119] 本実施例のドア 150の内面には、計六個の被拘束部材 65a ' 65b ' 65c ' 65d' 65e •65fが設けられている。

被拘束部材 65a' 65b · 65c · 65d- 65e · 65fは、磁石と磁力により吸着可能な材料 ( 例えば鉄等の金属片カゝらなる磁性体や永久磁石等)で構成され、いずれもドア 150 の周縁部に設けられる。 [0120] 一方、キャビン 112のフレームにおいて、ドア 150を閉じた状態で被拘束部材 65a' 65b · 65c · 65d- 65e · 65fと対向する位置には、それぞれ拘束用ァクチユエータとし て永久磁石 75a' 75b · 75c · 75d- 75e · 75fが設けられて!/、る。該永久磁石 75a' 75 b - 75c - 75d- 75e - 75fは磁石の実施の一形態であり、フェライト磁石等の永久磁石 からなる。

永久磁石 75a · 75b · 75c · 75(1· 75Θ · 75fはドア 150を閉じたときに被拘束咅材 65a

• 65b · 65c · 65d- 65e · 65fと吸着する（すなわち、被拘束部材 65a · 65b · 65c · 65d- 65e · 65fは永久磁石 75a · 75b · 75c · 75d · 75e · 75fに拘束される）。

[0121] なお、開閉部材は本実施例の如くドア 150 · 50に限定されず、フレームの開口部に 開閉可能に設けられ、開閉可能な構成とした場合のキャビン 112の前面風防 (フロン トガラス） 113や後面風防 (リアガラス） 151、あるいはルーフ 141に設けられた換気用 のハッチ（図示せず)等も開閉部材に含まれる。

[0122] 以上の如ぐ本発明に係るキャビンの制音構造を形成するキャビン 112は、

ドア 150 · 150の一端 (後端）をヒンジ 162 · 162によりリアピラー 114に取り付け、 ドア 150 · 150の他端 (前端)を係止部材 63 · 63によりフロントピラー 140に係止可 能とし、

各ドア 150の周縁部に単数または複数の (本実施例の場合、六個の)被拘束部材 6 5a · 65b · 65c · 65d- 65e · 65fを設けるととちに、

該フレームにお ヽて、各ドア 150を閉じたときに該被拘束咅材 65a · 65b · 65c · 65d

• 65e · 65fと対向する位置に永久磁石 75a' 75b · 75c · 75d- 75e · 75fを設け、 各ドア 150を閉じたときに被拘束部材 65a · 65b · 65c · 65d · 65e · 65fを永久磁石 7 5a · 75b · 75c · 75d- 75e · 75fにより拘束させるものである。

[0123] このように構成することは、以下の如き利点を有する。

すなわち、従来のキャビンは、ドアを閉じたときに、ヒンジが取り付けられている部分 、および係止部材が係止されている部分のみが被覆部材に固定されている。そのた め、作業機等が悪路を走行することにより発生する揺れや、エンジンや作業機が発 生する振動がキャビンのフレームを経てドアに伝播すると、ドアにおいて被覆部材に 固定されていない部分が振動してキャビン内の容積が変化する。そして、ドアにおい て被覆部材に固定されていない部分が振動することによりキャビン内の空気圧が変 化して「こもり音」が発生する。

[0124] これに対して、本発明に係るキャビン 112は、ドア 150を閉じたときに、ヒンジ 162 · 162が取り付けられている部分、および係止部材 63が係止されている部分に加えて 、永久磁石 75a · 75b · 75c · 75d · 75e · 75f力被拘束部材 65a · 65b · 65c · 65d · 65e

• 65fを拘束して 、る部分もキャビン 112の被覆部材と固定されて 、る。

そのため、作業機等が悪路を走行することにより発生する揺れや、エンジンや作業 機が発生する振動がキャビンの被覆部材を経てドアに伝播しても、ドア 150において 被覆部材に固定されていない部分の長さ（すなわち、ドア 150の周縁部において被 覆部材に固定されている部分で挟まれた長さ）が短ぐドア 150の振動によるキャビン 112内の容積の変化量が小さい (言い換えれば、振動時の開閉部材の振幅が小さ い)。従って、「こもり音」の発生を低減し、キャビン 112内の作業者の居住性、快適性 を向上させることが可能である。

[0125] また、ドア 150をキャビン 112の被覆部材に固定する箇所が多くなることにより、従 来よりもドア 150とキャビン 112のフレームとの密着性が増し、外部の騒音がキャビン 112内に侵入することを防止することが可能である。

[0126] なお、開閉部材に設けられる被拘束部材の個数については、本実施例の如く六個 には限定されず、開閉部材の形状や材質、厚さ等に応じて適宜選択することが望ま しい。

[0127] また、本実施例に示す如ぐドア 150の形状が略多角形である場合には、被拘束部 材をドア 150の角部（被拘束部材 65a' 65b ' 65c ' 65dに相当する）、または、ドア 15 0の辺の略中央部（被拘束部材 65e · 65fに相当する）に設けることが好ま U、。 このように構成することにより、開閉部材がキャビンの被覆部材へ固定される位置の 数を最小限として、効果的にキャビン 112内の容積の変化量を小さくし (言い換えれ ば、振動時の開閉部材の振幅を小さくして）、こもり音の発生を低減することが可能で ある。

[0128] なお、被拘束部材が設けられる開閉部材の周縁部は、本実施例の如く「開閉部材 の内面側かつ開閉部材の端面近傍」に限定されず、「開閉部材の端面 (上端面や側 端面、下端面等)」や、「開閉部材の外面側かつ開閉部材の端面近傍」も含まれる。

[0129] 以下では、図 46を用いて、本発明に係るキャビンの制音構造を形成する開閉部材 の第 2実施例であるドア 160の詳細構成について説明する。

なお、ドア 160を構成する部材のうち、前記ドア 150と略同じ構成の部材には同じ 部材番号を付して説明を省略するものとし、前記ドア 150との相違点についてのみ説 明する。

[0130] ドア 160が前記ドア 150と異なる点は、被拘束部材 65a' 65b ' 65c ' 65d' 65e ' 65f

(図 46においては被拘束部材 65a ' 65bのみ図示）と胴体部 161との間にゴムゃ榭脂 等の弾性材料力もなる弾性部材 66 · 66…を介装したことである。

このように構成することにより、ドア 160の振動をさらに低減し、こもり音の発生を防 止することが可能である。

[0131] 以下では、図 47を用いて、本発明に係るキャビンの制音構造を形成する開閉部材 の第 3実施例であるドア 250の詳細構成について説明する。

なお、ドア 250を構成する部材のうち、前記ドア 150と略同じ構成の部材には同じ 部材番号を付して説明を省略するものとし、前記ドア 150との相違点についてのみ説 明する。

[0132] ドア 250力 S前記ドア 150と異なる点、は、被拘束咅材 65a · 65b · 65c · 65d， 65e · 65f

(図 47においては被拘束部材 65a ' 65bのみ図示）を拘束する拘束用ァクチユエータ を、電磁石 175a， 175b - 175c - 175d- 175e， 175f (図 47【こお!ヽて ίま電磁石 175a， 175bのみ図示;)とし、該電磁石 175a， 175b， 175c， 175d， 175e， 175fに、発電機 67力ら酉己線 68、スィッチ機構 69、酉己線70&' 701^ 70₍^ 70(1' 706 ' 70 図47にぉ1ヽ ては配線 70a ' 70bのみ図示）を経て電力を供給する構成としたことである。

ここで、発電機 67は、トラクタ 201のエンジン 105と連動して電力を発生する（ェン ジン 105が回転駆動されているときのみ電力を発生させる)ものである。

なお、電磁石への電力供給源として、発電機 67に換えてトラクタ 201に具備される 蓄電池 (バッテリー）等を用いることも可能である。

[0133] このように構成することは以下の如き利点を有する。

すなわち、被拘束部材 65a' 65b · 65c · 65d- 65e · 65fを拘束する拘束用ァクチュ エータを永久磁石とした場合には、被拘束部材 65a · 65b · 65c · 65d · 65e · 65fと永 久磁石との距離が近くなる (すなわち、ドアが閉じた状態となる）と、両者の間に常に 磁力が作用する。そのため、ドアの開閉が多少重くなる (作業者がドアの開閉に要す る力が大きくなる）という問題がある。

これに対して、ドア 250の如く、被拘束部材 65a'65b'65c'65d'65e'65fを拘束 する拘束用ァクチユエータを電磁石 175a' 175b' 175c' 175d' 175e' 175fとした 場合には、ドア 250の開閉時には通電を停止して、電磁石 175a' 175b' 175c' 175 d · 175e · 175fと被拘束部材 65a -65b-65c-65d-65e- 65fとの間に磁力を作用さ せずに拘束を解除し、ドア 250をキャビン 112のフレームに固定するときにのみ通電 して、電磁石 175a， 175b-175c-175d- 175e， 175fと被拘束部材 65a，65b，65c， 65d-65e · 65fとの間に磁力を作用させて拘束することが可能である。

従って、ドア 250の開閉が容易である（言い換えれば、電力の供給が無い時は、作 業者が小さい力でドア 250の開閉を行うことが可能である)。

[0134] また、拘束用ァクチユエータを永久磁石とした場合には、当該永久磁石と被拘束部 材との間に作用させ得る磁力の大きさは、作業者によるドアの開閉が可能な範隨こ 規制される。

これに対して、ドア 250の如く、被拘束部材 65a'65b'65c'65d'65e'65fを拘束 する拘束用ァクチユエータを電磁石 175a' 175b' 175c' 175d' 175e' 175fとした 場合には、当該拘束用ァクチユエ一タと被拘束部材との間に作用させ得る磁力の大 きさを、作業者によるドアの開閉が不可能な範囲としても (すなわち、強い力で拘束し ても）特に問題はない。従って、磁石と被拘束部材との磁力による吸着力をより強固 にして、ドアの振動を抑制することが可能である。

[0135] また、本実施例におけるスィッチ機構 69は、係止部材 63の係止爪 63cがフレーム（ フロントピラー 140)と係合する部分に設けられる。スィッチ機構 69は、発電機 67から 配線 68を経て該スィッチ機構 69に供給された電力を、係止爪 63cが被覆部材と係 合した (係止部材 63がドア 250をフレーム側に係止した)ことを検知した場合にのみ 酉己線 70a · 70b · 70c · 70d-70e · 70f (図 47【こお!ヽて ίま酉己線 70a · 70bのみ図示）を 経て電磁石 175a， 175b-175c-175d- 175e， 175fに供給する構成として!/、る。つ まり、ボタン 63dを押すことによりスィッチ (検知手段）がオフとなり、該スィッチに連動 して電磁石 175a' 175b - 175c - 175d- 175e ' 175fへの通電が停止され、電磁石 1 75a- 175b - 175c - 175d- 175e « 175f力 ^作動しな!ヽようにして!/ヽる。

このように構成することにより、作業者は特別な操作をせずともドア 250を閉めれば 電磁石 175 175 175 175(1，1756，175 被拘束部材65&，65 65 65(1， 65e ' 65fを拘束するので、作業性に優れる。

[0136] なお、スィッチ機構 69の構成については、係止部材により開閉部材が被覆部材に 係止されたこと、または、開閉部材がフレームの開口部を閉じた状態であること、を検 知した場合に電磁石に通電する構成であれば他の構成でも良い。また、係止部材に より開閉部材が被覆部材に係止されたこと、または、開閉部材が被覆部材の開口部 を閉じた状態であること、を検知する検知手段としては光センサ等のセンサ類、ある いはタツチスィッチ等が挙げられる。

[0137] 本実施例の場合、電磁石への電力の供給源がエンジン 105と連動する発電機であ るため、

エンジン 105が作動して!/、な!/、ときには電磁石への通電は行われな!/、が、キャビン 1 12に振動が伝播するときは、通常はエンジンが作動している状態であるから特に問 題はない。

[0138] また、本実施例においては、ヒンジおよび係止部材の他に開閉部材をキャビンのフ レームに固定する手段として、キャビンのフレーム側に拘束用ァクチユエータとして永 久磁石または電磁石を設け、開閉部材側に永久磁石または電磁石に磁力により拘 束される磁性体カゝらなる被拘束部材を設ける構成としたが、 (1)キャビンのフレーム 側にエア吸弓 I可能な吸盤を設け、開閉部材側に該吸盤が吸着可能な平滑面を形成 する構成、または、（2)キャビンのフレーム側にソレノイド (摺動するピンを有する）また はエアシリンダまたは油圧シリンダまたは電動シリンダ力 なるァクチユエータを設け

、該開閉部材の周縁部をフレーム側に押し付ける（または引きつける）、あるいは、外 方向へ押しつける、若しくは、該開閉部材の周縁部を保持する（または面の中央側に 面と平行に押しつける)構成、または、（3)中空のチューブをドア外周に貼設して (例 えばウエザーストリップ 64の代わりにチューブを用いて）該チューブの中空部にエア を送る構成、としても同様の効果を奏する。

産業上の利用可能性

本発明は、作業機等のキャビンの寸法を変更することなぐまたキャビン内に仕切り 板を設けることなぐキャビン内の空洞共鳴周波数を変更可能とするものである。そし て、こもり音を低減して作業者の居住性、快適性を向上させたキャビンの制音構造を 提供する。

Claims

請求の範囲

[1] キャビンにおいて、空洞共鳴が生じたときの音圧の大きい位置に、該空洞共鳴の周 波数で共鳴を生じる共鳴管もしくは共鳴箱を具備したことを特徴とするキャビンの制 曰 λΗο

[2] 同一共鳴周波数で容積が異なる前記共鳴管若しくは前記共鳴箱と付け替え可能 に構成したことを特徴とする請求項 1に記載のキャビンの制音構造。

[3] 前記共鳴管若しくは前記共鳴箱の開口部分に仕切りを設け、該仕切りを開閉する ことにより共鳴周波数が調節できることを特徴とする請求項 1若しくは請求項 2に記載 のキャビンの制音構造。

[4] 前記キャビンを備えた作業機等のエンジンの回転数を制御するスロットル部と、前 記共鳴管若しくは前記共鳴箱の開口部分の仕切りと、を連動連結し、スロットル部の 変位に応じて仕切りが開閉することを特徴とする請求項 3に記載のキャビンの制音構 造。

[5] 前記キャビンを備えた作業機等のエンジンの回転数を計測する回転センサと、前記 開口部分の仕切りの開閉を行うァクチユエータと、該回転センサより得られた回転数 に応じて、該ァクチユエータを介して該仕切りを制御する制御部と、を設けたことを特 徴とする請求項 3若しくは請求項 4に記載のキャビンの制音構造。

[6] 前記キャビン内の所定位置の振動を計測する振動センサと、計測された振動数か ら得られた該空洞共鳴の周波数に応じて、前記仕切りの開閉を調節する制御部を設 けたことを特徴とする請求項 3乃至請求項 5に記載のキャビンの制音構造。

[7] 前記開口部分付近の音圧を計測するマイクと、該開口部分付近の音圧が最も低く なるようにァクチユエータを介して前記仕切りの開閉を行う制御部と、を具備したこと を特徴とする請求項 3乃至請求項 6に記載のキャビンの制音構造。

[8] 前記キャビンのドアや窓等の開閉が行われる部分をセンシングするセンサを設け、 開口されている部分がある場合は、前記共鳴管若しくは共鳴箱の開口部分を閉じる ようにすることを特徴とする請求項 3乃至請求項 7に記載のキャビンの制音構造。

[9] 前記キャビンを備えた作業機等のエンジンの回転数か、前記開口部分の音圧か、 前記キャビンの所定位置の振動数かを計測するセンサと、前記共鳴管の長さ若しく は前記共鳴箱の壁面を調節するァクチユエータと、該回転センサより得られた回転数 か音圧か振動数かに応じて、前記仕切りの開閉を行う該ァクチユエータを制御する制 御部とを設けたことを特徴とする請求項 3乃至請求項 8に記載のキャビンの制音構造

[10] 前記キャビン内の隅部または角部または端辺部に、前記共鳴管若しくは前記共鳴 箱を設けることを特徴とする請求項 1乃至請求項 9に記載のキャビンの制音構造。

[11] 前記キャビン内であって、少なくとも 2箇所以上の音圧が大きく振動数が異なる場所 に、該振動数と同じ共鳴周波数をもつ前記共鳴管若しくは共鳴箱を配設したことを特 徴とした請求項 1乃至請求項 10に記載のキャビンの制音構造。

[12] 前記キャビン内であって、少なくとも 2箇所以上の音圧が大きく振動数が同じ場所に 、該振動数と同じ共鳴周波数をもつ前記共鳴管若しくは共鳴箱を配設したことを特 徴とした請求項 1乃至請求項 11に記載のキャビンの制音構造。

[13] 前記キャビンの一部に開口部を設け、該開口部を共鳴部として利用したことを特徴 とする請求項 1乃至請求項 12に記載のキャビンの制音構造。

[14] 作業機等のキャビン中であって、音圧が大きい部分に薄膜等の動吸振部材を配設 したことを特徴とするキャビンの制音構造。

[15] キャビンの、空洞共鳴に起因する寸法部分の端部に空洞部を設け、該空洞部の開 口部分に仕切りを設け、該仕切りの開閉により音場を変化させることを特徴とするキヤ ビンの制音構造。

[16] 操縦部を覆う被覆部材の一部に開口部を設け、該開口部に開閉部材を設けた作 業機等のキャビンにおいて、

開閉部材の一端をヒンジにより被覆部材に取り付け、

開閉部材の他端を係止部材により被覆部材に係止可能とし、

開閉部材の周縁部に単数または複数の被拘束部材を設けるとともに、 被覆部材において、開閉部材を閉じたときに該被拘束部材と対向する位置に拘束 用ァクチユエータを設け、

該被拘束部材を拘束用ァクチユエータにより拘束することを特徴とするキャビンの制 曰 λΗο

[17] 前記拘束用ァクチユエータを電磁石とするとともに被拘束部材を磁性体として、該 電磁石への電力の供給は作業機等の駆動源と連動する発電機により行うことを特徴 とする請求項 16に記載のキャビンの制音構造。

[18] 前記係止部材が開閉部材を被覆部材に係止したことを検知する手段を設け、該検 知手段と電磁石とを連動させることを特徴とする請求項 17に記載のキャビンの制音 構造。

[19] 前記開閉部材の形状が略多角形である場合において、前記被拘束部材を開閉部 材の角部に設けたことを特徴とする請求項 16から請求項 18までのいずれか一項に 記載のキャビンの制音構造。

[20] 前記開閉部材の形状が略多角形である場合において、前記被拘束部材を開閉部 材の辺の略中央部に設けたことを特徴とする請求項 16から請求項 19までのいずれ か一項に記載のキャビンの制音構造。

[21] 前記被拘束部材と開閉部材との間に弾性部材を介装したことを特徴とする請求項 1

6から請求項 20までのいずれか一項に記載のキャビンの制音構造。