明細書 ジェン系ゴム ·無機化合物複合体及びその製造方法 技術分野
本発明は、 ジェン系ゴム ·無機化合物複合体及びその製造方法に関し、 更に詳 しくは、 ジェン系ゴム中における無機化合物の分散性が高く、 凝固時のクラム径 を比較的大きな複合体とすることによって、 ジェン系ゴム ·無機化合物複合体の 製造時の作業性を向上させることのできる製造方法に関する。 また、 本発明は、 水酸化アルミニウムを高純度で且つ均一に分散させたジェン系ゴム ·無機化合物 複合体及びその製造方法に関する。
本発明により得られるジェン系ゴム ·無機化合物複合体は、 タイヤ卜レツド等 のタイヤ用ゴムの他、 ベルト、 ゴムロール、 ホース等の各種ゴム製品の原料とし て利用され、 耐摩耗性に優れる。 背景技術
タイヤ用等のゴム組成物を構成する補強剤として、 シリカ等の無機充填剤が、 カーボンブラック等と組み合わせてよく用いられている。 このような補強剤は、 ゴム成分等とともに乾式混練され、 得られるゴム組成物を用いてタイヤ等のゴム 製品が製造される。
近年、 ジェン系ゴム中に無機化合物が均一に分散されるようなジェン系ゴム · 無機化合物複合体の製造方法 (特開 2 0 0 2 - 2 4 1 5 0 7号公報参照) が開示 されているが、 この方法では、 得られる複合体のクラム径の大きさが 5 0 0 u rn 以下と小さく、 ジェン系ゴム ·無機化合物複合体を得るための製造工程において、 取り扱いに手間を要し、 作業性が悪いという問題がある。
また、 シリカ等の無機充填剤を、 カーボンブラック等と組み合わせた補強剤を 用いて得られるタイヤトレッドは、 転がり抵抗が小さく、 ウエットスキッド抵抗 に代表される操縦安定性に優れる。 しかし、 加硫ゴムの耐摩耗性、 引張強度等に 劣るという問題がある。
近年、 上記のような補強剤の代わりに、 水酸化アルミニウム粉末のみを添加し、 これらを乾式混練して得られたゴム組成物が知られている (特開 2000-20 4197号公報の従来技術欄参照) 。
また、 シリカ及び Z又はカーボンブラックと、 ΤΚ酸化アルミニウムとを併用し たゴム組成物 (特開 2000— 204197号公報、 特開 2000— 30291 4号公報参照) や、 シリカと、 水酸化アルミニウム、 水酸化マグネシウム等を併 用したゴム組成物 (特開平 11— 181155号公報参照) 等も開示されている。 これらのゴム組成物も、 各所定原料粉末を乾式混練することによつて調製されて おり、 水酸化アルミニウム等の分散が十分ではなく、 得られるゴム製品の十分な 耐摩耗性及び引張強度が発現しないという問題がある。
更に、 特開 2002— 241507号に開示される方法では、 水酸化アルミ二 ゥムの生成収率が低く、 耐摩耗性はわずかな改善に留まつてしまう。
また、 国際公開 02/20655号公報には、 ジェン系ゴムの水分散液と、 無 機化合物の水系分散液とを混合することを特徴とするジェン系 ·無機化合物複口 体の製造方法が開示されており、 無機化合物の水系分散液の pHは、 8. 5〜1 1又は 2〜4が好ましいと開示されている。
しかし、 複合体を構成する無機化合物が水酸化アルミニゥムの場合、 合成ゴム の通常の凝固条件である強酸性下、 例えば pH2〜4で凝固を行うと、 ジェン系 ゴムの水分散液と、 無機化合物の水系分散液とを短時間のうちに混合によって、 ジェン系ゴムは軽く水溶液の上に浮き、 一方、 水酸化アルミニウムを含む無機化 合物は重く沈殿し、 水酸化アルミニウムが分散したゴムを共凝固させることが困 難である。 また、 これをうまく共凝固させようとすると撹拌に時間がかかりすぎ 効率的でないという問題があった。
更に、 強酸性下で共凝固を行うと、 硫酸を使用した場合、 酸性にするため多量 の硫酸を使用しなければならず、 目的とする水酸化アルミニウムの他に副生物で ある硫酸アルミニウム等が析出しジェン系ゴムに取り込まれ、 相対的に目的とす る水酸化アルミニウムの純度が低くなるという問題があった。
他方、 アルカリ性下ではジェン系ゴムは凝固し難いため、 ジェン系ゴム .水酸 化アルミニウム複合体を効率よく得ることが困難であつた。
一方、 水酸化アルミニウム溶液は、 弱酸性〜弱アルカリ性の p H領域において 水酸化アルミニウムの一部が析出し、 懸濁状態 (スラリー状態) となることから、 この p H領域での凝固は好ましくないと思われていた。 発明の開示
本発明は、 上記問題を解決するものであり、 ジェン系ゴム中への無機化合物の 分散性が高く、 比較的大きなクラム径とすることによって、 ジェン系ゴム ·無機 化合物複合体の製造時の作業性を向上させることのできる製造方法、 並びに、 耐 摩耗性に一段と優れるゴム製品を与えるジェン系ゴム ·無機化合物複合体及びそ の製造方法を提供することを目的とする。
また、 本発明は、 水酸化アルミニウムが高純度で且つ均一に分散した、 耐摩耗 性に一段と優れるジェン系ゴム ·無機化合物複合体及びこの複合体を効率よく短 時間で製造できる製造方法を提供することを目的とする。 尚、 本発明における 「水酸化アルミニウム」 とは、 A 1 (OH) 3、 A 1 (OH) 4 -、 A 1 , 03 . n H O (nは 0〜4の整数) を含み、 A 1 (OH) 3で換算するものとする。 本発明は、 以下の通りである。
1 . ジェン系ゴムと下記一般式 ( I ) で表される無機化合物とを含む複合体の製 造方法であつて、 上記無機化合物及び Z又は該無機化合物を形成可能な物質と、 ァニオン性化合物と、 上記ジェン系ゴムの分散液とを混合する工程を備えること を特徴とするジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法。
wM · x S i Oy · z H20 ( I )
(式中、 Mは、 A 1ゝ M g、 T i及び C aから選ばれる少なくとも 1種の金属元 素、 金属酸化物又は金属水酸化物であり、 w、 x、 y及び zはそれぞれ:!〜 5の 整数、 0〜 1 0の整数、 2〜5の整数及び 0〜: 1 0の整数である。 )
2 . 上記無機化合物を形成可能な物質は、 金属塩、 金属のォキソ酸塩及び有機金 属化合物から選ばれる少なくとも 1種である上記 1に記載のジェン系ゴム ·無機 化合物複合体の製造方法。
3 . 上記ァニオン性化合物が、 カルボキシル基を有する化合物である上記 1に記
載のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法。
4. 上記カルボキシル基を有する化合物が、 ロジン酸塩及び脂肪酸塩から選ばれ る少なくとも 1種である上記 3に記載のジェン系ゴム ·無撵化合物複合体の製造 方法。
5. 上記ジェン系ゴムの分散液は、 乳化重合によって合成されたジェン系ゴムラ テックスである上記 1に記載のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法。
6. 上記により得られる混合液より、 金属塩を含む電解液を用いて、 ジェン系ゴ ムと上記無機化合物とを共凝固させ、 その後これをろ別し、 次いで乾燥する工程 を備える上記 1に記載のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法。
7. 上記ジェン系ゴムは、 極性基を有するジェン系ゴムである上記 1に記載のジ ェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法。
8. 上記極性基は、 ヒドロキシル基、 ォキシ基、 アルコキシシリル基、 エポキシ 基、 カルボキシル基、 カルボニル基、 ォキシカルボニル基、 スルフィド基、 ジス ルフイド基. スルホニル基、 スルフィニル基、 チォカルボニル基、 イミノ基 ァ ミノ基、 二トリル基 アンモニゥム基、 イミド基、 アミド基、 ヒドラゾ基、 ァゾ 基及びジァゾ基から選ばれる少なくとも 1種である上記 7に記載のジェン系ゴ ム .無機化合物複合体の製造方法。
9. 上記一般式 (I) で表される無機化合物が、 下記一般式 (I I) で表される 無機化合物である上記 1に記載のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法。
A 1203 · mS i 02 · nHaO (I I)
(式中、 mは 0〜4の整数であり、 nは 0〜4の整数である。 )
10. 上記金属塩、 金属のォキソ酸塩又は有機金属化合物を構成する金属は、 ァ ルミニゥムである上記 2に記載のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法。
11. 上記により得られる混合液に、 更に、 ジェン系ゴムの分散液を混合する工 程を備える上記 1に記載のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法。
12. 上記 1に記載の方法で得られたことを特徴とするジェン系ゴム ·無機化合 物複合体。
13. ジェン系ゴム及び水酸化アルミニウムを含む複合体の製造方法であって、 pHを 5. 1-8. 4に調整したアルミニウム含有懸濁液を調製する工程と、 上
記アルミニウム含有懸濁液と、 ジェン系ゴムの分散液と、 を混合し、 ジェン系ゴ ム及び水酸化アルミニウムを共凝固させる工程と、 を順次備えることを特徴とす るジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法。
1 4. 上記共凝固させた混合液に、 更に酸及び凝固促進剤から選ばれる少なくと も 1種を添加して、 共凝固を完結させる工程を備える上記 1 3に記載のジェン系 ゴム .無機化合物複合体の製造方法。
1 5 . 上記アルミニウム含有懸濁液は、 アルミン酸塩を含むアルミニウム塩を用 いて調製されたものである上記 1 3に記載のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の 1 6 . 上記ジェン系ゴムの分散液は、 乳化重合によって合成されたジェン系ゴム ラテックスである上記 1 3に記載のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法。
1 7 . 凝固物を、 ろ別し、 その後、 乾燥する工程を備える上記 1 3に記載のジェ ン系ゴム '無機化合物複合体の製造方法。
1 8 . 上記ジェン系ゴムは 極性基を有するジェン系ゴムである上記 1 3に記載 のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法。
1 9 . 上記極性基は、 ヒドロキシル基、 ォキシ基、 アルコキシシリル基、 ェボキ シ基、 力ルポキシル基、 カルポニル基、 ォキシカルボ二ル基、 スルフィ ド基、 ジ スルフイド基、 スルホニル基、 スルフィニル基、 チォカルボニル基、 イミノ基、 アミノ基、 二トリル基、 アンモニゥム基、 イミド基、 アミド基、 ヒドラゾ基、 ァ ゾ基及びジァゾ基から選ばれる少なくとも 1種である上記 1 8に記載のジェン系 ゴム ·無機化合物複合体の製造方法。
2 0 . 上記 1 3に記載の方法で得られたことを特徴とするジェン系ゴム ·無機化 合物複合体。 発明の実施の形態
以下、 本発明を更に詳しく説明する。
本発明の第 1のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法は、 ジェン系ゴム と下記一般式 ( I ) で表される無機化合物とを含む複合体の製造方法であり、 上 記無機化合物及び Z又はこの無機化合物を形成可能な物質と、 ァニォン性化合物
n
と、 上記ジェン系ゴムの分散液とを混合する工程を備えることを特徴とする。
wM · x S i〇y · z H 20 ( I )
(式中、 Mは、 Aし M g、 T i及び C aから選ばれる少なくとも 1種の金属元 素、 金属酸化物又は金属水酸化物であり、 w、 x、 y及び zはそれぞれ 1〜5の 整数、 0〜 1 0の整数、 2〜 5の整数及び 0〜: I 0の整数である。 )
本発明に係わる 「ジェン系ゴム」 は、 ゴムを構成する単量体単位として共役ジ ェン系単量体単位を有しているもの、 例えば、 共役ジェン系単量体からなる (共) 重合体、 共役ジェン系単量体と、 ビニル芳香族単量体及びォレフィン性不 飽和二トリル単量体から選ばれる単量体とからなる共重合体等であれば、 特に限 定されない。 具体的には、 天然ゴム、 ブタジエンゴム、 イソプレンゴム、 スチレ ン ·ブタジエン共重合ゴム、 ブタジエン ·イソプレン共重合ゴム、 ブタジエン · スチレン 'イソプレン共重合ゴム、 アクリロニトリル ·ブタジエン共重合ゴム、 アクリロニトリル ·スチレン ·ブタジエン共重合ゴム、 クロロプレンゴム等が挙 げられる。 これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることが できる。
本発明で用いるジェン系ゴムとしては、 乳化重合により得られたジェン系ゴム が好ましく、 例えば、 乳化重合ブタジエンゴム、 乳化重合スチレン ·ブタジエン 共重合ゴム、 乳化重合ァクリロニトリル ·ブタジエン共重合ゴム、 乳化重合ァク リロニトリル'スチレン ·ブタジエン共重合ゴム等が挙げられる。
尚、 上記ジェン系ゴムは、 油が添加されてなる油展ゴムであってもよいし、 非 油展ゴムであってもよい。 更には、 これらを組み合わせて用いてもよい。
本発明の製造方法において用いられる 「ジェン系ゴムの分散液」 は、 上記例示 したジェン系ゴムが、 好ましくは水系媒体に分散されたものであり、 特に限定さ れるものではない。 また、 上記例示したジェン系ゴムの分散方法についても同様 である。 分散媒は通常、 水であるが、 水にアルコール等が溶解する水系媒体であ つてもよい。 上記分散液としては、 乳化重合により得られるジェン系ゴムラテツ クスが好ましい。 その形態としては、 天然ゴムラテックス、 ジェン系合成ゴムを 再乳化させたェマルジョン、 水系媒体中で重合することにより生成するジェン系 合成ゴムェマルジヨン、 ジェン系合成ゴム分散液等が挙げられる。 これらは、 そ
れぞれ 1種単独で、 あるいはジェン系ゴムの種類若しくは分散液の種類を問わず、 2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記共役ジェン系単量体 (以下、 「共役ジェン」 ともいう。 ) としては、 1, 3—ブタジエン、 2, 3—ジメチルー 1, 3—ブタジエン、 2—クロロー 1, 3 —ブタジエン、 1 , 3—ペン夕ジェン、 イソプレン等が挙げられる。 これらのう ち、 1 , 3—ブタジエン、 イソプレン等が好ましく、 1 , 3—ブタジエンがより 好ましい。 また、 上記共役ジェンは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせ て用いることができる。
上記ビニル芳香族単量体としては、 スチレン、 α—メチルスチレン、 2—メチ ルスチレン、 3—メチルスチレン、 4ーメチルスチレン、 2 , 4—ジイソプロピ ルスチレン、 2 , 4一ジメチルスチレン、 4 - t e r tーブチルスチレン、 5— t e r t—ブチルー 2—メチルスチレン、 モノクロロスチレン、 ジクロロスチレ ン、 モノフルォロスチレン等が挙げられる。 これらのうち、 スチレンが好ましい。 また、 上記ピエル芳香族単量体は 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて 用いることができる。
上記ォレフィン性不飽和二卜リル単量体としては、 (メタ) アクリロニトリル、 シアン化ビニリデン等が挙げられる。 これらの単量体は、 1種単独であるいは 2 種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の製造方法において用いられるジェン系ゴムとしては、 上記単量体から 形成される単量体単位からなるジェン系ゴムのみならず、 極性基を有するジェン 系ゴムを用いることができる。 この極性基を有するジェン系ゴムを用いる場合に は、 得られる複合体に含まれる無機化合物の分散性及び得られるゴム製品の補強 特性がともに向上する。
上記極性基としては、 周期律表の第 2周期乃至第 4周期にあり、 且つ、 第 5 B 族又は第 6 B族に属する元素、 具体的には、 窒素、 酸素、 硫黄、 リン等の元素、 なかでも、 窒素、 酸素等の元素を含む官能基が好ましい。 このような極性基とし ては、 ヒドロキシル基、 ォキシ基、 アルコキシシリル基、 エポキシ基、 カルポキ シル基、 カルポニル基、 ォキシカルポニル基、 スルフィド基、 ジスルフィド基、 スルホニル基、 スルフィニル基、 チォカルボニル基、 イミノ基、 アミノ基、 ニト
リル基、 アンモニゥム基、 イミド基、 アミド基、 ヒドラゾ基、 ァゾ基、 ジァゾ基、 含酸素複素環基、 含窒素複素環基、 含硫黄複素環基等が挙げられる。 上記ジェン 系ゴムは、 極性基を 1種のみ有してもよいし、 2種以上を有してもよい。 また、 これらの極性基のうち、 ヒドロキシル基、 アルコキシシリル基、 エポキシ基、 力 ルポキシル基、 スルフイド基、 スルホニル基、 アミノ基、 二トリル基、 含窒素複 素環基等が好ましく、 ヒドロキシル基、 アルコキシシリル基、 力ルポキシル基、 アミノ基、 二トリル基、 含窒素複素環基等が更に好ましく、 特に、 ヒドロキシル 基及びアミノ基が最も好ましい。
上記極性基を有するジェン系ゴムとするために、 通常、 共役ジェン等の単量体 と、 上記極性基を有するビエル系単量体とを重合することによって得ることがで さる。
この極性基を有するビニル系単量体は、 上記極性基を分子内に少なくとも 1つ 有する重合性単量体であれば特に限定されない。 即ち、 1分子に 2以上の極性基 を有してもよい。 また、 1分子に異なる極性基を 1種以上有してもよい。
上記極性基を有するピニル系単 ffi体としては.. ヒドロキシル基を有するビニル 系単量体、 アルコキシシリル基を有するピニル系単量体、 エポキシ基を有するビ 二ル系単量体、 力ルポキシル基を有するビニル系単量体、 アミノ基を有するビニ ル系単量体、 二トリル基を有するピニル系単量体等が挙げられる。 これらのビニ ル系単量体は、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。 上記ヒドロキシル基を有するビニル系単量体としては、 1分子中に少なくとも
1つの第 1級、 第 2級又は第 3級ヒドロキシル基を有する重合性単量体等を用い ることができる。 このようなヒドロキシル基を有するビニル系単量体としては、 ヒドロキシル基を有する不飽和カルボン酸系単量体、 ヒドロキシル基を有するビ ニル芳香族単量体、 ヒドロキシル基を有するビニルエーテル系単量体、 ヒドロキ シル基を有するビニルケトン系単量体、 (メタ) ァリルアルコール等が挙げられ る。 これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。 また、 これらのうち、 ヒドロキシル基を有する不飽和カルボン酸系単量体、 ヒド 口キシル基を有するビニル芳香族単量体が好ましい。
ヒドロキシル基を有する不飽和カルボン酸系単量体としては、 アクリル酸、 メ
タクリル酸、 ィタコン酸、 フマル酸、 マレイン酸等のエステル、 アミド、 無水物 等の誘導体が挙げられる。 これらのうち、 アクリル酸、 メタクリル酸等のエステ ルの誘導体が好ましい。
上記ヒドロキシル基を有する不飽和カルボン酸系単量体としては、 2—ヒドロ キシェチル (メタ) ァクリレート、 2—ヒドロキシプロピル (メタ) アタリレー ト、 3—ヒドロキシプロピル (メタ) ァクリレート、 2—ヒドロキシブチル (メ 夕) ァクリレート、 3—ヒドロキシブチル (メタ) ァクリレー卜、 4ーヒドロキ シブチル (メタ) ァクリレート等のヒドロキシアルキル (メタ) ァクリレート類、 ポリエチレングリコ—ル、 ポリプロピレンダリコール等のポリアルキレングリコ —ル (アルキレンダリコール単位数は、 例えば、 2〜2 3 ) のモノ (メタ) ァク リレート類、 N—ヒドロキシメチル (メタ) アクリルアミド、 N— (2—ヒドロ キシェチル) (メタ) アクリルアミド、 N, N—ビス ( 2—ヒドロキシェチル) (メタ) アクリルアミド等のヒドロキシル基を有する不飽和アミド類等が挙げら れる。 これらのうち ヒドロキシアルキル (メタ) ァクリレート類が好ましい。 また、 上記ヒドロキシル基を有するビニル芳香族単量体としては、 o—ヒドロ キシスチレン、 m—ヒドロキシスチレン、 p—ヒドロキシスチレン、 o—ヒドロ キシ— α—メチルスチレン、 m—ヒドロキシーひーメチルスチレン、 p—ヒドロ キシー α—メチルスチレン、 ρ一ビニルベンジルアルコール等が挙げられる。
上記アルコキシシリル基を有するビニル系単量体としては、 (メタ) ァクリロ キシメチルトリメトキシシラン、 (メタ)
シラン、 (メタ) (メタ) ァクリ 口キシメチルトリエ卜キシシラン、 (メタ) ァ:
(メタ) (メタ) ァク
(メタ) 了'.
ロボキシシラン、 (メタ) ァクリロキシメチルジメチルプロボキシシラン、 τ一 プロピルメチルジメトキシシラン、 7 - (メタ) ァクリロキシプロピルジメチル (メタ) ァクリロキシプロピルメチルジェトキシシラン、 Τ一 (メタ) ァクリロ
, r - (メタ) ァクリロキシプロピルトリ プロボキシシラン、 ァー (メタ) ァクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラ ン、 ァー (メタ) ァクリロキシプロピルジメチルプロボキシシラン、 ァ一 (メ 夕) ァクリロキシプロピルメチルジフエノキシシラン、 ァー (メタ) ァクリロキ シプロピルジメチルフエノキシシラン、 r - (メタ) ァクリロキシプロピルメチ ルジベジ口キシシラン、 ァ— (メタ) 'ァクリロキシプロピルジメチルベジロキシ シランや、 特開平 7—1 8 8 3 5 6号公報等で開示されるトリメトキシビニルシ ラン、 トリエトキシビニルシラン、 6—トリメトキシシリル一 1, 2—へキセン、 P—トリメトキシシリルスチレン等が挙げられる。 これらのアルコキシシリル基 を有するビニル系単量体は、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いる ことができる。
上記エポキシ基を有するビニル系単量体としては、 (メタ) ァリルグリシジル ェ一テル、 グリシジル (メタ) ァクリレー卜、 3, 4ーォキシシクロへキシル (メ夕) ァクリレート等が挙げられる。 これらのエポキシ基を有するビニル系単 量体は、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記カルボキシル基を有するビニル系単量体としては、 (メタ) アクリル酸、 マレイン酸、 フマル酸、 ィタコン酸、 テトラコン酸、 けい皮酸等の不飽和力ルポ ン酸類、 フ夕ル酸 コハク酸 アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸と、 (メ 夕) ァリルアルコール、 2—ヒドロキシェチル (メタ) ァクリレート等のヒドロ キシル基を有する不飽和化合物とのモノエステル等の遊離カルボキシル基を有す るエステル類及びその塩等が挙げられる。 これらのうち、 不飽和カルボン酸類が 好ましい。 これらの力ルポキシル基を有するビニル系単量体は、 1種単独である いは 2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アミノ基を有するビニル系単量体としては、 1分子中に第 1級、 第 2級及 び第 3級ァミノ基から選ばれる少なくとも 1つのアミノ基を有する重合性単量体 が挙げられる。 これらのうち、 第 3級アミノ基を有するビニル系単量体 (ジアル キルアミノアルキル (メタ) ァクリレート類、 第 3級ァミノ基を有するビニル芳 香族化合物等) が特に好ましい。 また、 上記アミノ基を有するビニル系単量体は、 それぞれ 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。
第 1級アミノ基を有するビニル系単量体としては、 アクリルアミド、 メタクリ ルアミド、 アミノメチル (メタ) ァクリレート、 アミノエチル (メタ) ァクリレ —ト、 ァミノプロピル (メタ) ァクリレート、 アミノブチル (メタ) ァクリレー ト、 P—アミノスチレン等が挙げられる。
第 2級アミノ基を有するビニル系単量体としては、 ァニリノスチレン類、 ァニ リノフエニルブタジエン類、 N—モノ置換 (メタ) アクリルアミド類等が挙げら れる。
上記ァニリノスチレン類としては、 ァニリノスチレン、 ;3—フエニル一 p—ァ 二リノスチレン、 /3—シァノー p—ァニリノスチレン、 β—シァノ _ β— チル 一 ρ—ァニリノスチレン、 ]3—クロ口一 ρ—ァニリノスチレン、 β— チルー β ーメトキシカルボ二ルー ρ—ァニリノスチレン、 β—力ルポキシー ρ—ァニリノ スチレン、 /3—メトキシカルボニル _ ρ—ァニリノスチレン、 β - ( 2—ヒドロ キシエトキシ) 力ルポニル一 ρ—ァニリノスチレン、 i3—ホルミル _ ρ _ァニリ ノスチレン、 i8—ホルミル一 3—メチルー ρ—ァニリノスチレン、 ο;—カルボキ シー β一カルボキシー ]3—フエ二ルー ρ—ァニリノスチレン等力 S挙げられる。
上記ァニリノフエニルブタジエン類としては、 ァニリノフエニルブタジエン及 びその誘導体等を用いることができ、 1—ァニリノフエ二ルー 1 . 3—ブタジェ ン、 1ーァニリノフエ二ルー 3—メチル一 1 , 3—ブタジエン、 1—ァニリノフ ェニルー 3—クロロー 1, 3—ブタジエン、 3—ァニリノフエ二ルー 2—メチル — 1 , 3—ブタジエン、 1—ァニリノフエ二ルー 2—クロロー 1, 3一ブ夕ジェ ン、 2—ァニリノフエ二ルー 1 , 3—ブタジエン、 2—ァニリノフエニル一 3— メチル一 1 , 3—ブタジエン、 2—ァニリノフエ二ルー 3—クロロー 1, 3 _ブタジエン等が挙げられる。
また、 上記 Ν—モノ置換 (メタ) アクリルアミド類としては、 Ν—メチル (メ 夕) アクリルアミド、 Ν—ェチル (メタ) アクリルアミド、 Ν—メチロールァク リルアミド、 Ν— (4—ァニリノフエニル) (メタ) ァクリルアミド等が挙げら れる。
第 3級アミノ基を有するビニル系単量体としては、 Ν, Ν—ジ置換アミノアル キルァクリレート、 Ν, Ν—ジ置換アミノアルキルアクリルアミド、 Ν, Ν—ジ
置換アミノ芳香族ビニル化合物、 ピリジル基を有するビニル化合物等が挙げられ る。
上記 N, N—ジ置換アミノアクリレートとしては、 N, N—ジメチルアミノメ チル (メタ) ァクリレー卜、 N, N—ジメチルアミノエチル (メタ) ァクリレー ト、 N, N—ジメチルァミノプロピル (メタ) ァクリレート、 N, N—ジメチル アミノブチル (メタ) ァクリレー卜、 N, N—ジェチルアミノエチル (メタ) 7 クリレート、 N, N—ジェチルァミノプロピル (メタ) ァクリレート、 N, N— ジェチルアミノブチル (メタ) ァクリレート、 N—メチルー N _ェチルアミノエ チル (メタ) ァクリレー卜、 N, N—ジプロピルアミノエチル (メタ) ァクリレ —ト、 N, N—ジブチルアミノエチル (メタ) ァクリレー卜、 N, N—ジブチル ァミノプロピル (メタ) ァクリレ一ト、 N, N—ジブチルアミノブチル (メタ) ァクリレート、 N, N—ジへキシルアミノエチル (メタ) ァクリレー卜、 N, N ージォクチルアミノエチル (メタ) ァクリレート、 ァクリロイルモルフオリン等 のアクリル酸又はメ夕アクリル酸のエステル等が挙げられる。 これらのうち、 N, N—ジメチルアミノエチル (メタ) ァクリレー卜、 N, N—ジェチルアミノエチ ル (メタ) ァクリレート、 N, N—ジプロピルアミノエチル (メタ) ァクリレ一 ト、 N, N—ジォクチルアミノエチル (メタ) ァクリレート、 N—メチルー N— ェチルアミノエチル (メタ) ァクリレ一ト等が好ましい。
上記 N, N—ジ置換ァミノアルキルァクリルァミドとしては、 N, N—ジメチ ルァミノメチル (メタ) ァクリルアミド、 N, N—ジメチルアミノエチル (メ 夕) アクリルアミド、 N, N—ジメチルァミノプロピル (メタ) アクリルアミド、 N, N—ジメチルアミノブチル (メタ) アクリルアミド、 N, N—ジェチルアミ ノエチル (メタ) アクリルアミド、 N, N—ジェチルァミノプロピル (メタ) ァ クリルアミド、 N, N—ジェチルアミノブチル (メタ) アクリルアミド、 N—メ チル—N—ェチルアミノエチル (メタ) アクリルアミド、 N, N—ジプロピルァ ミノェチル (メタ) アクリルアミド、 N, N—ジブチルアミノエチル (メタ) 7 クリルアミド、 N, N—ジブチルァミノプロピル (メタ) アクリルアミド、 N, N—ジブチルアミノブチル (メタ) アクリルアミド、 N, N—ジへキシルァミノ ェチル (メタ) ァクリルアミド、 N, N -ジへキシルァミノプロピル (メタ) ァ
クリルアミド、 N, N—ジォクチルァミノプロピル (メタ) アクリルアミド等の ァクリルアミド化合物又はメタァクリルアミド化合物等が挙げられる。 これらの うち、 N, N—ジメチルァミノプロピル (メタ) アクリルアミド、 N, N—ジェ チルァミノプロピル (メタ) アクリルアミド、 N, N—ジォクチルァミノプロピ ル (メタ) アクリルアミド等が好ましい。
上記の N, N—ジ置換アミノ芳香族ビニル化合物としては、 N, N—ジメチル アミノエチルスチレン、 N, N—ジェチルアミノエチルスチレン、 N, N—ジプ 口ピルアミノエチルスチレン、 N, N -ジォクチルァミノェチルスチレン等のス チレン誘導体が挙げられる。
また、 ァミノ基の代わりに含窒素複素環基であってもよく、 この含窒素複素環 としては、 ピロール、 ヒスチジン、 イミダゾール、 トリァゾリジン、 トリァゾ一 ル、 トリアジン、 ピリジン、 ピリミジン、 ピラジン、 ィンドール、 キノリン、 プ リン、 フエナジン、 プテリジン、 メラミン等が挙げられる。 これらの含窒素複素 環は 他のへテロ原子を環中に含んでいてもよい。
含窒素複素環基のうち、 ピリジル基を有するビニル化合物としては、 2—ピニ ルピリジン、 3—ビニルピリジン、 4 _ビニルピリジン、 5—メチルー 2—ビニ ルピリジン、 5ーェチルー 2一ビニルピリジン等が挙げられる。 これらのうち、 2—ピニルピリジン、 4一ビニルピリジン等が好ましい。 また、 これらのピリジ ル基を有するビニル系単量体は、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用 いることができる。
上記二トリル基を有するビニル系単量体としては、 (メタ) アクリロニトリル、 シアン化ビニリデン等が挙げられ、 これらの二トリル基を有する単量体は、 1種 単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ジェン系ゴムを構成する各単量体単位の含有量は、 要求される特性に応じ て適宜選択され、 単量体単位の全量を 1 0 0質量%とした場合、 共役ジェン単量 体単位量が、 通常、 4 0〜1 0 0質量%、 好ましくは 5 0〜9 0質量%、 より好 ましくは 6 0〜8 5質量%の範囲であり、 ビニル芳香族単量体単位量が、 通常、 0〜6 0質量%、 好ましくは 1 0〜5 0質量%、 より好ましくは 1 5〜4 0質 量%の範囲である。 そして、 極性基を有するジェン系ゴムの場合には、 その極性
基を有する単量体の極性の大きさに応じて適宜選択されるが、 その単量体からな る単量体単位の含有量は、 通常、 0 . 0 1〜2 0質量%、 好ましくは 0 . 0 5〜 1 0質量%である。 この単量体単位の含有量が 0 . 0 1質量%未満であると、 た とえ大きな極性を有する単量体を用いた場合であっても、 複合体を構成すること となる無機化合物との相互作用が小さくなることがあり、 それによつて、 本発明 の効果を十分に得られないことがある。 一方、 2 0質量%を超えて含有する場合 には、 無機化合物と強く凝集し加工が困難となる傾向にある。 尚、 この各単量体 単位の含有量を有するジェン系ゴムを用いた場合には、 その中に無機化合物が均 一に分散した複合体、 更には、 耐摩耗性に一段と優れるゴム製品を与えるゴム組 成物を得ることができる。
上記ジェン系ゴムの重合方法は特に限定されず、 ラジカル重合法、 ァニオン重 合法等が挙げられる。 ラジカル重合法としては、 塊状重合、 懸濁重合、 乳化重合 等があるが、 本発明においては、 ジェン系ゴムの分散液を用いるため、 重合終了 時に安定な乳化分散液が得られる乳化重合が特に好ましい。 この乳化重合は、 公 知の方法を適用でき., 所定の単量体を乳化剤の存在下に水系媒体中で乳化させ、 ラジカル重合開始剤により重合を開始し、 所定の重合転化率に達した後、 重合停 止剤にて重合を停止する等によってジェン系ゴムを得ることができる。
上記乳化剤としては、 ァニオン系界面活性剤、 ノニオン系界面活性剤、 カチォ ン系界面活性剤、 両性界面活性剤等が挙げられる。 これらの乳化剤は、 1種単独 であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。 安定な乳化分散液が得 るためには、 通常、 ァニオン系界面活性剤が多用され、 例えば、 炭素数 1 0以上 の長鎖脂肪酸塩、 ロジン酸塩等が用いられる。 具体的には、 力プリン酸、 ラウリ ン酸、 ミリスチン酸、 パルミチン酸、 ォレイン酸、 ステアリン酸等のカリウム塩 又はナ卜リゥム塩等が挙げられる。 また、 ふつ素系の界面活性剤を使用すること もできる。
上記ラジカル重合開始剤としては、 ベンゾィルパーオキサイド、 ラウロイルパ ーォキサイド、 t e r t—ブチルヒドロパーォキサイド、 クメンヒドロパーォキ サイド、 パラメン夕ンヒドロパーォキサイド、 ジ— t e r t —ブチルパーォキサ イド、 ジクミルパ一オキサイド等の有機過酸化物を使用することができる。 また、
ァゾビスィソブチロニトリル等のジァゾ化合物、 過硫酸力リゥム等の無機過酸化 物、 これら過酸化物と硫酸第一鉄との組み合わせ等のレドックス系触媒等を用レ ることもできる。 これらのラジカル重合開始剤は、 1種単独であるいは 2種以上 を組み合わせて用いることができる。
ジェン系ゴムの分子量を調節するために連鎖移動剤を使用することもできる。 この連鎖移動剤としては、 t e r t —ドデシルメルカブタン、 n—ドデシルメル カブタン等のアルキルメルカブタン、 四塩化炭素、 チォグリコール類、 ジテルべ ン、 夕一ピノーレン、 ァ一テルピネン類、 α—メチルスチレンダイマ一等が挙げ られる。
乳化重合によるジェン系ゴムの重合において、 各々の単量体、 乳化剤、 ラジカ ル重合開始剤、 連鎖移動剤等は、 反応容器に全量を一括して投入して重合を開始 してもよいし、 反応継続時に各成分を連続的あるいは間欠的に追加し、 添加して もよい。 本発明に係わるジェン系ゴムの重合は、 酸素を除去した反応器を用いて、 通常., 0〜1 0 0 °Cの温度で.. 好ましくは 0〜 8 0 で行うことができる。 反応 途中で温度あるいは攪拌等の操作条件等を適宜に変更することもできる。 重合方 式は連続式でもよいし、 回分式であってもよい。
また、 重合転化率が大きくなるとゲル化することがあり、 重合転化率は 8 0 % 以下に抑えることが好ましく、 特に、 重合転化率 3 0〜7 0 %の範囲で重合を停 止することが好ましい。 重合の停止は所定の重合転化率に達した時点で、 重合停 止剤を添加することによつて行われる。 重合停止剤としては、 ヒドロキシルアミ ン、 ジェチルヒドロキシルァミン等のアミン化合物、 ヒドロキノン等のキノン化 合物等が挙げられる。 重合停止後、 反応系から必要に応じて水蒸気蒸留等の方法 により未反応単量体を除去し、 ジェン系ゴムが分散するラテツクスとすることが できる。
本発明において、 上記ジェン系ゴムの分散液としては、 上記ラテックスをその まま用いてもよいし、 ゴム用伸展油が添加された油展ゴムとして分散しているも のを用いてもよい。 このゴム用伸展油としては特に限定されず、 例えば、 ナフテ ン系、 パラフィン系、 芳香族系のプロセスオイル等を用いることができる。 油展 ゴムとするためのゴム用伸展油の使用量は、 ラテックスに含まれるジェン系ゴム
を 1 00質量部とした場合、 好ましくは 5〜1 00質量部、 特に好ましくは 1 0 〜60質量部である。
上記ジェン系ゴムの分散液に含有されるジェン系ゴムあるいは油展ゴムのム一 ニー粘度 [ML1+4 (100°C) ] は、 好ましくは 1 0〜200であり、 より好ま しくは 3 0〜 1 50である。 このムーニー粘度が 1 0未満であると、 耐摩耗性を はじめとする物性が十分でなく、 2 00を超える場合には、 作業性が悪く、 混練 することが困難となる。
次に、 本発明に係わる 「一般式 (I) で表される無機化合物」 は、 通常、 微粒 子状であり、 上記ジェン系ゴム中に、 均一に分散して、 ジェン系ゴムとともに複 合体を形成しているものである。
wM · xS i Oy · zH20 (I)
(式中、 Mは、 A l、 Mg、 T i及び C aから選ばれる少なくとも 1種の金属元 素、 金厲酸化物又は金属水酸化物であり、 w、 x、 y及び zはそれぞれ 1〜 5の 整数、 0〜10の整数 2〜5の整数及び 0〜1 0の整数である。 )
尚、 上記無機化合物には、 金属自体は含まれない。
上記無機化合物としては、 ァ一アルミナ、 α—アルミナ等のアルミナ (Α 120 3) 、 ベ一マイト、 ダイァスポア等のアルミナ一水和物 (A 12〇3 · Η20) 、 ギ ブサイト、 バイャライト等の水酸化アルミニウム (A l (ΟΗ) 3) , 酸化マグネ シゥム (MgO) 、 水酸化マグネシウム (Mg (OH) 2) 、 酸化カルシウム (C aO) 、 水酸化カルシウム (C a (OH) 2) 、 酸化アルミニウムマグネシウム (MgO · A 12〇3) 、 ルチル、 アナ夕一ゼ等のチタン白 (T i〇2) 、 チタン黒 (T i 02n_,) 、 焼成クレー (A 1203 · 2 S i 02) 、 力オリン (A 1203 · 2 S i〇2 · H20) 、 パイロフイライト (A 12〇3 · 4 S i 02 · H2〇) 、 ベン 卜ナイト (A 12〇3 · 4S i 02 · 2H20) 、 タルク (3MgO · 4 S i 02 · H 20) 、 ァタパルジャイト (5Mg〇 * 8 S i 02 · 9H20) 、 ケィ酸マグネシゥ ムカルシウム (C aMg S i 04) 、 ケィ酸アルミニウム (A 1 2S i 205 (〇 H) 4、 A 1203 · 2 S i 02 · 2H20等) 、 ケィ酸マグネシウム (Mg S i O 3) 、 ケィ酸カルシウム (C aO · S i 02 · yH2〇) 、 各種ゼォライトのように 電荷を補正する水素、 アル力リ金属又はアル力リ土類金属を含む結晶性アルミノ
ケィ酸塩等が挙げられる。 これらの無機化合物は、 1種単独であるいは 2種以上 を組み合わせて用いることができる。
上記無機化合物のうち、 下記一般式 ( I I ) で表される無機化合物であること が好ましい。
A 1 203 · mS i〇2 · n H2〇 (I I )
(式中、 mは 0〜4の整数であり、 nは 0〜4の整数である。 )
この無機化合物としては、 ァーアルミナ、 α—アルミナ等のアルミナ、 ベーマ イト、 ダイァスポア等のアルミナ一水和物、 ギブサイト、 バイャライト等の水酸 化アルミニウム、 焼成クレー、 カオリン、 パイロフイライト、 ベントナイ卜等が 挙げられる。 これらの無機化合物は、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせ て用いることができる。
上記無機化合物は、 その好ましい粒径は 1 0 m以下であり、 更に好ましくは 3 x m以下である。 この無機化合物の粒径が大きすぎると、 ゴム製品の耐破壊特 性、 耐摩耗性が悪化することがある。
上記無機化合物の使用量は、 上記ジェン系ゴムの分散液に含有されるジェン系 ゴム 1 0 0質量部に対し、 好ましくは 5〜2 0 0質量部、 より好ましくは 5〜 6 7質量部、 更に好ましくは 7〜6 0質量部である。 この使用量が少なすぎると、 タイヤ製品とした場合に、 濡れた路面でのダリップ性能の向上が得られにくい。 一方、 使用量が多すぎると、 複合体の製造が困難となることがあり、 製造できた としても、 ジェン系ゴム中への無機化合物の分散性が悪化する、 複合体が著しく 固くなる等の問題が生じるので、 好ましくない。
上記無機化合物を用いて、 ジェン系ゴム ·無機化合物複合体を製造するために は、 上記無機化合物は、 他の材料と予め混合する等の目的のためにそのまま用い てもよいし、 水等の水性媒体中に溶解あるいは分散させたものを用いてもよい。 後者の場合、 コロイドミル、 振動ミル、 ホモジナイザー、 ダイノーミル、 ポール ミル、 チューブミル、 スーパーミキサー等を用いることができる。
本発明においては、 複合体を構成する無機化合物を上記一般式 ( I ) で表され る無機化合物とするために、 上記無機化合物を形成可能な物質 (以下、 「無機化 合物形成物質」 ともいう。 ) を製造原料として用いることもできる。
上記無機化合物形成物質としては、 無機物質、 有機系物質のいずれでもよい。 この無機物質としては、 金属塩、 金属のォキソ酸塩等が挙げられ、 (1 ) 塩化ァ ルミ二ゥム、 硝酸アルミニウム、 硫酸アルミニウム、 塩基性塩化アルミニウム、 塩基性硫酸アルミニウム、 ポリ塩ィ匕アルミニウム等のアルミニウム塩等、 ( 2 ) 亜硝酸カルシウム、 硝酸カルシウム、 塩化カルシウム、 塩化マグネシウム (六水 和物) 、 硝酸マグネシウム (六水和物) 、 硫酸マグネシウム、 三塩化チタン、 四 塩化チタン等、 (3 ) アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸塩 (アルミニウムの ォキソ酸塩) 等が挙げられる。 これらの化合物は、 1種単独であるいは 2種以上 を組み合わせて用いることができる。
これらの化合物は、 水、 酸、 アルカリ等に溶解又は分散した形で用いることが できる。
また、 これらの化合物に、 ケィ素塩 (塩化ケィ素等) 及び z又はケィ素のォキ ソ酸塩 (ケィ酸ナトリゥム等のケィ酸塩) を加えることもできる。 その際、 ケィ 酸塩とアルミニウム塩もしくはアルミン酸塩は 同一の水溶液として用いてもよ いし、 それぞれ別の水溶液を調製して用いてもよい。
上記有機系物質としては、 有機金属化合物が挙げられ、 各金属のアルコキシド が好ましい。 例えば、 トリエトキシアルミニウム、 トリプロポキシアルミニウム、 ジエトキシマグネシウム、 ジプロポキシマグネシウム、 テトラエトキシチタン、 テトラプロボキシチ夕ン、 又はそれらの少なくとも 1つが塩素等の加水分解可能 なハロゲン等が置換された化合物等が挙げられる。 これらの化合物は、 1種単独 であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、 これらの有機金属化合物は、 通常、 エタノール、 メタノール、 イソプロ ピルアルコール等の水溶性アルコールに例示される有機溶媒に溶解した状態で用 いられる。 従って、 この有機金属化合物の溶解液に水を加えることにより、 有機 金属化合物を加水分解させ、 次いで、 その加水分解物を縮合することにより、 無 機化合物形成物質を含む溶液が得られる。 有機金属化合物と水との反応において は、 縮合反応を促進するために、 必要に応じて酸性物質又はアルカリ性物質を添 加してもよい。 これらは、 酸又はアルカリの水溶液として添加することもできる。 上記のようにして得られた有機系物質、 あるいはこの有機系物質を含む溶液又
は分散液は、 上記無機物質を含む溶液又は分散液と混合して用いることもできる。 使用時には、 必要に応じて p H等の調整を行ってもよい。
更に、 上記無機化合物形成物質は、 上記無機化合物と組み合わせて用いること もできる。
尚、 上記無機化合物として、 上記一般式 ( I I ) で表される無機化合物とする ためには、 無機酸塩及び Z又は有機酸塩のアルミニウム塩、 有機アルミニウム塩 等が水、 酸、 アルカリ等に溶解あるいは分散したアルミニウム含有溶液を用いる ことができる。 尚、 これらの化合物のほとんどは、 上記無機化合物形成物質に相 当するものである。
上記無機酸塩及び有機酸塩としては、 アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸塩、 硫酸塩、 亜硫酸塩、 次亜硫酸塩、 硝酸塩、 亜硝酸塩、 次亜硝酸塩、 塩素酸塩、 亜 塩素酸塩、 次亜塩素酸塩、 臭素酸塩、 亜臭素酸塩、 次亜臭素酸塩、 リン酸塩、 亜 リン酸塩、 次亜リン酸塩、 酢酸塩、 コハク酸塩、 フタル酸塩、 へキサン酸塩等の ォキソ酸塩や、 塩酸塩 (塩化物、 ポリ塩化物) 等の水素酸塩、 アルミノゲイ酸塩 等が挙げられる。 また、 これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて 用いることができる。
上記化合物のうち、 水、 酸、 アルカリ等の媒体に溶解しないものは、 これらの 媒体中で分散させた状態で用いることができる。 その際には、 上記で例示したコ ロイドミル、 ホモジナイザー等を用いることができる。
また、 上記化合物の分散液としては、 以下のような方法で調製したもの等を用 いることもできる。
( 1 ) 塩基性アルミニウム塩を加熱ゲル化し、 これを塩基で中和したもの。
( 2 ) 塩ィ匕アルミニウム等のアルミニウム塩とアルミン酸塩とを加えて中和して 得られるようなアルミナゲル。
( 3 ) アルミン酸塩を鉱酸類と反応させる力 硫酸アルミニウム等のアルミニゥ ム塩を水酸化ナトリゥム等のアル力リと反応させることにより生成する水酸化ァ ルミ二ゥムの沈殿を、 同様に水等の水性媒体中にせん断攪拌により微細に分散さ せたもの。
( 4 ) 特公昭 4 0— 8 4 0 9公報等に開示されているような、 アルミン酸ナトリ
ゥムゃ硫酸アルミニウム等から調製したアルミナゲルを解膠して調製したアルミ ナゾル。
また、 上記有機アルミニウム塩としては、 上記で例示したアルミニウムアルコ キシドが好ましく、 例えば、 トリメトキシアルミニウム、 トリエトキシアルミ二 ゥム、 トリプロポキシアルミニウム、 トリブトキシアルミニウム等が挙げられる。 また、 これら化合物を構成するアルコキシル基が塩素等のハロゲン原子によって 置換されたものであってもよい。 これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組み 合わせて用いることができる。
上記のようにして得られたアルミニゥム含有溶液は、 1種単独であるいは 2種 以上を組み合わせて用いることができる。 また、 上記アルミニウム塩を用いて調 製されたものと、 上記有機アルミニウム塩を用いて調製されたものとを組み合わ せ (例えば、 アルミン酸塩を用いて調製された溶液と、 有機アルミニウム塩を用 いて調製された溶液とを任意の割合で混合したもの) て用いてもよい。
また、 上記無機化合物形成物質としては、 上記一般式 ( I ) を構成する金属元 素の単体金属 (A l、 M g、 T i又は C a ) をアル力リ処理して得られたもので あってもよい。
上記無機化合物形成物質の使用量は、 上記ジェン系ゴムの分散液に含有される ジェン系ゴム 1 0 0質量部に対し、 形成される一般式 ( I ) あるいは (I I ) の 無機化合物の生成量が好ましくは 5〜 2 0 0質量部、 より好ましくは 5〜 6 7質 量部、 更に好ましくは?〜 6 0質量部となるように選択される。 上記無機化合物 形成物質を用いて上記無機化合物を含有する複合体とする場合には、 副生成物を 含有することがあるため、 それを考慮して使用量を選択すればよい。 また、 この 無機化合物形成物質と、 上記無機化合物と、 を併用する場合も同様の手法で両者 の使用量を選択すればよい。
本発明のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法の特徴は、 上記ジェン系 ゴムの分散液と、 上記無機化合物及び Z又は上記無機化合物形成物質と、 更にァ 二オン性化合物と、 を混合する工程を備えることである。
上記ァニオン性化合物としては、 負の電荷を有するものであれば特に限定され ないが、 力ルポキシル基、 スルホン酸基、 リン酸基等を有するァニオン性界面活
性剤等が挙げられる。 本発明においては、 力ルポキシル基を有する化合物が特に 好ましい。 ここで、 「力ルポキシル基」 とは、 一 C OOH及び一 C OO—を示す。 また、 この力ルポキシル基が、 この化合物 1分子中に有する数も、 特に限定され ない。 この化合物としては、 上記ジェン系ゴムの説明において、 ァニオン系界面 活性剤 (乳化剤) として例示したロジン酸塩や、 脂肪酸塩、 ナフテン酸塩、 エー テルカルボン酸塩、 アルケニルコハク酸塩、 N—ァシルサルコシン塩、 N—ァシ ルグルタミン酸塩等を用いることができる。 これらは、 それぞれ 1種単独である いは 2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ロジン酸塩としては、 ロジン酸のアルカリ金属塩、 アルカリ土類金属塩、 アンモニゥム塩等が挙げられる。 アルカリ金属原子としては、 リチウム、 ナトリ ゥム、 カリウム等が挙げられる。 本発明で使用するロジン酸塩としては、 力リウ ム塩が好ましい。
上記脂肪酸塩としては、 炭素数 1 0〜 2 0の脂肪酸の力リゥム塩、 ナトリウム 塩 リチウム塩 アンモニゥム塩、 低級アミン塩等が挙げられる。 これらのうち パルミチン酸塩、 ステアリン酸塩-. ラウリン酸塩、 リノール酸塩及びリノレン酸 塩が好ましい。
上記ァニオン性化合物は、 そのままの状態 (固形等) で用いてもよいし、 上記 ジェン系ゴムの分散液、 上記無機化合物の分散液あるいは溶解液、 又は、 上記無 機化合物形成物質の分散液あるいは溶解液を構成する水系媒体に溶解あるいは分 散させた状態で用いてもよい。
上記ァニオン性化合物の使用量は、 上記ジェン系ゴムの分散液に含有されるジ ェン系ゴム 1 0 0質量部に対して、 好ましくは 0 . 5〜1 0質量部であり、 より 好ましくは 1〜 6質量部である。 このァニォン性化合物の使用量が少なすぎると、 得られるジェン系ゴム ·無機化合物複合体が小さくなりすぎることがある。
尚、 このァニオン性化合物は、 上記のように、 ジェン系ゴムの分散液の製造の ためにも用いられるため、 ジェン系ゴムの製造時に過剰のァニオン性化合物を使 用する方法でもよい。
本発明の製造方法における、 「上記無機化合物及び Z又は上記無機化合物形成 物質と、 上記ァニオン性化合物と、 上記ジェン系ゴムの分散液とを混合するェ
程」 では、 その混合方法は特に限定されない。 即ち、 各成分を一括して混合して もよいし、 分割混合したものを最後に一括して混合してもよい。 好ましい混合方 法は、 (1 ) 上記無機化合物及び Z又は上記無機化合物形成物質と、 上記ァニォ ン性化合物との混合の後、 上記ジェン系ゴムの分散液と混合する方法、 (2 ) 上 記無機化合物及び/又は上記無機化合物形成物質と、 上記ジェン系ゴムの分散液 の一部との混合の後、 この混合物と上記ァニオン性化合物とを混合し、 更に、 残 りのジェン系ゴムの分散液と混合する方法、 (3 ) 上記ジェン系ゴムの分散液と 上記ァニオン性化合物とを混合の後、 上記無機化合物及び Z又は上記無機化合物 形成物質を更に混合する方法等が挙げられる。
次いで、 上記混合物から、 ジェン系ゴム ·無機化合物複合体を取り出すには、 ラテックスからゴム成分を凝固させる一般的な方法を適用して凝固物として取り 出すことができ、 また、 加熱、 減圧等の方法により水系媒体を除去して取り出し てもよい。 より均一なジェン系ゴム ·無機化合物複合体とするためには前者の方 法が好ましい。 ジェン系ゴムの分散液に予めゴム用伸展油が配合されている場合 には、 この凝固によって、 油展ゴム ·無機化合物複合体として取り出すことがで さる。
凝固方法は、 例えば、 電解液構成成分である (1 ) 塩化ナトリウム、 塩化カリ ゥム、 ( 2 ) カルシウム、 マグネシウム、 亜鉛、 アルミニウム等の多価金属の塩、 例えば塩化カルシウム、 塩化マグネシウム、 塩化亜鉛、 塩化アルミニウム、 硝酸 カルシウム、 硝酸マグネシウム、 硝酸亜鉛、 硝酸アルミニウム、 硫酸マグネシゥ ム、 硫酸亜鉛、 硫酸アルミニウム等の水溶液、 及び/又は、 ( 3 ) 必要に応じ塩 酸、 硝酸、 硫酸等を添加するものであり、 これによつて、 ジェン系ゴム ·無機化 合物複合体をクラムとして凝固させることができる。 これらは、 1種単独である いは 2種以上を組み合わせて用いることができる。 この際に、 微細の無機化合物 を高分子凝集剤 (ァニオン系、 ノニオン系及びカチオン系のうち、 特にァニオン 系、 ノニオン系) 等を用いて凝固させることもできる。 この共凝固の際の温度、 P H等は特に限定されないが、 製造されるジェン系ゴム ·無機化合物複合体に残 留する無機塩を低減するためには、 温度を 1 0で以上、 好ましくは 1 0〜8 0 °C、 より好ましくは 1 0〜5 0 とし、 p H値 (2 5 °Cにおける p H値) を 2〜1 4
(好ましくは P H 4〜1 1 ) の範囲内に制御することが好ましい。 1 0 °C未満で は、 工業的に適さない傾向にあり、 一方、 温度が高すぎると、 大きなクラムが得 られないことがある。 上記好ましい温度範囲のうち、 より低い温度範囲内で共凝 固することにより、 大きな複合体を得ることができる。
ジェン系ゴム及び無機化合物を共凝固させた後、 通常、 凝固物を水洗する等に より、 乳化剤、 電解質等を除去し、 次いで、 熱風乾燥、 真空乾燥等により水分を 除去して乾燥を行う。 以上より、 ジェン系ゴム中に無機化合物が均一に分散した 複合体が得られる。
本発明によって製造されたジェン系ゴム ·無機化合物複合体の数平均粒子径は、 通常、 1〜5 0 mmであり、 好ましくは 3〜2 0 mmである。 このジェン系ゴ ム ·無機化合物複合体の粒径が上記範囲であれば、 製造時の作業性を向上させる クラムを得ることができる。
本発明の第 2のジェン系ゴム ·無機化合物複合体 (以下、 「ジェン系ゴム ·水 酸化アルミニウム複合体」 ともいう。 ) の製造方法は., ジェン系ゴム及び水酸化 アルミニウムを含む複合体の製造方法であり、 p Hを 5 . 1〜8 . 4に調整した アルミニウム含有懸濁液を調製する工程と、 上記アルミニウム含有懸濁液と、 ジ ェン系ゴムの分散液と、 を混合し、 ジェン系ゴム及び水酸化アルミニウムを共凝 固させる工程と を順次備えることを特徴とする。
上記ジェン系ゴムは、 第 1のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法の説 明におけるジェン系ゴムと同様である。
次に、 「アルミニウム含有懸濁液」 について説明する。
上記アルミニウム含有懸濁液としては、 p Hが 5 . 1〜8 . 4、 好ましくは 5. 5〜8 . 3、 より好ましくは 6 . 0〜8 . 0、 特に好ましくは 6 . 5〜7 . 5で あり、 水酸化アルミニウムを形成可能な成分を含むものであれば特に限定されず、 A 1成分が溶解しているもの (アルミニウムイオン、 アルミニウム化合物のィォ ン等) であってもよいし、 アルミニウム化合物が分散して含まれているものであ つてもよい。
上記アルミニウム含有懸濁液の具体例としては、 アルミニウム塩が水、 酸、 ァ ルカリ等に溶解又は分散したもの、 有機金属化合物 (有機アルミニウム化合物)
が溶解した液等を p H 5. 1〜8 . 4に調整したものが挙げられる。 p Hの調整 は、 酸 (硫酸、 塩酸) 又はアルカリ ·(水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム) 等を 用いることができる。
尚、 含有される A 1成分の存在状態 (化学状態) を問わず、 ジェン系ゴムの分 散液と混合する前にアルミニウム含有懸濁液の P Hを 5 . 1〜8 . 4に調整して おくことが必要である。 また、 アルミニウム含有懸濁液は、 一部沈殿することが あり、 p H調整中あるいは p H調整後に沈殿物の生成を防ぐため、 攪拌すること が好ましい。
上記アルミニウム含有懸濁液の p Hが 5 . 1より低いと、 得られる複合体中の 水酸化アルミニウムの歩留まりが低くなり、 一方、 p Hが 8 . 4を超えると、 ジ ェン系ゴムの凝固が不完全となり、 凝固を完結させるために酸を添加しても、 ジ ェン系ゴムと、 水酸化アルミニウムを含むアルミニウム化合物と、 が分離する傾 向がある。
上記アルミニウム塩としては.. 無機酸塩 有機酸塩のいずれでもよい。 その例 としては、 アルミン酸ナトリゥム等のアルミン酸塩、 硫酸塩、 亜硫酸塩、 次亜硫 酸塩、 硝酸塩、 亜硝酸塩、 次亜硝酸塩、 塩素酸塩、 亜塩素酸塩、 次亜塩素酸塩、 臭素酸塩、 亜臭素酸塩、 次亜臭素酸塩、 リン酸塩、 亜リン酸塩、 次亜リン酸塩、 酢酸塩、 コハク酸塩、 フタル酸塩、 へキサン酸塩等のォキソ酸塩や、 塩酸塩 (塩 化物、 ボリ塩化物) 等の水素酸塩、 ァ一アルミナ、 «—アルミナ等のアルミナ (A 1 2〇3) 、 ベーマイト、 ダイァスボア等のアルミナ 1水和物 (A 1 2〇3 · H2
O) 、 ギブサイト、 バイャライト等の水酸化アルミニウム (A 1 (OH) 3) 、 酸 化アルミ二ゥムマグネシゥム (M g〇 · A 1 203) 、 ケィ酸アルミニウム (A 1 2 S i 05、 A 1 203 · 2 S i 02 · 2 H20等) 、 アルミノケィ酸塩等が挙げられる。 また、 これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができ る。
上記アルミニウム塩のうち、 水、 酸、 アルカリ等の媒体に溶解しないものは、 これらの媒体中でせん断攪拌等により微細に分散させた状態で用いることができ る。 その際には、 コロイドミル、 振動ミル、 ホモジナイザ一、 ダイノーミル、 ポ —ルミル、 チューブミル、 スーパーミキサ一等を用いることができる。
また、 上記アルミニウム塩の分散液としては、 以下のような方法で調製したも の等を用いることもできる。
( 1 ) 塩基性アルミニウム塩を加熱ゲル化し、 これを塩基で中和したもの。
( 2 ) 塩化アルミニウム等のアルミニウム塩とアルミン酸塩とを加えて中和して 得られるようなアルミナゲル。
( 3 ) アルミン酸塩を鉱酸類と反応させる力 硫酸アルミニウム等のアルミニゥ ム塩を水酸化ナトリゥム等のアル力リと反応させることにより生成する水酸化ァ ルミ二ゥムの沈殿を、 同様に水等の水性媒体中にせん断攪拌により微細に分散さ せたもの。
( 4 ) 特公昭 4 0— 8 4 0 9公報等に開示されているような、 アルミン酸ナトリ ゥムゃ硫酸アルミニウム等から調製したアルミナゲルを解膠して調製したアルミ ナゾル。
上記アルミニウム塩のうち、 水に易溶なアルミン酸塩 (アルミン酸ナトリウ ム) が好ましい。 このアルミン酸ナトリウムは水に溶けると強アルカリ性を示す が、 硫酸、 塩酸等の酸を添加することによって p Hを容易に調整することができ る。
また、 上記有機アルミニウム化合物としては、 アルミニウムアルコキシドが好 ましく-. 例えば、 トリメトキシアルミニウム、 トリエトキシアルミニウム、 トリ プロボキシアルミニウム、 トリブトキシアルミニウム等が挙げられる。 また、 こ れら化合物を構成するアルコキシル基が塩素等のハロゲン原子によって置換され たものであってもよい。 これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて 用いることができる。
尚、 有機アルミニゥム化合物は、 通常、 エタノール、 メタノール、 イソプロピ ルアルコール等の水溶性アルコールに例示される有機溶媒に溶解した状態で用い られる。 従って、 この有機金属化合物の溶解液に水を加えることにより、 有機金 属化合物を加水分解させ、 次いで、 その加水分解物を縮合することにより、 A 1 成分を含む溶液が得られる。 有機金属化合物と水との反応においては、 縮合反応 を促進するために、 必要に応じて酸又はアルカリを添加してもよい。 これらは、 酸又はアル力リの水溶液として添加することもできる。 上記溶液の p Hを調整し
て、 本発明に係わるアルミニウム含有懸濁液を調製することができる。
上記のようにして得られたアルミニウム含有懸濁液は、 1種単独であるいは 2 種以上を組み合わせて用いることができる。 また、 上記アルミニウム塩を用いて 調製されたものと、 上記金属アルミニウム化合物を用いて調製されたものとを組 み合わせ (例えば、 アルミン酸塩を用いて調製された懸濁液と、 有機アルミニゥ ム化合物を用いて調製された懸濁液とを任意の割合で混合したもの) て用いても よい。
また、 上記アルミニウム含有懸濁液は、 p H 5 . 1〜8 . 4の範囲にある場合、 スラリー状を示すことがある。 この状態であっても、 完全に溶解した状態であつ ても、 上記ジェン系ゴムの分散液との混合を進めることができる。
本発明の 「アルミニウム含有懸濁液と、 ジェン系ゴムの分散液と、 を混合し、 ジェン系ゴム及び水酸化アルミニウムを共凝固させる工程」 において、 ジェン系 ゴムの分散液と、 アルミニウム含有懸濁液とを混合する方法は特に限定されない。 全液を一括して混合してもよいし、 分割添加しながら混合してもよい。 バッチ生 産の場合、 アルミニウム含有懸濁液に、 ジェン系ゴムの分散液を連続的に加える 方法が好ましい。 また、 連続生産の場合、 複合体を構成する水酸化アルミニウム 及びジェン系ゴムが所定の含有割合を維持できるように、 アルミニウム含有懸濁 液に、 ジェン系ゴムの分散液を連続的に加える方法が好ましい。 混合時の温度は、 通常、 1 0〜8 0で、 好ましくは 2 0〜6 0 °C、 更に好ましくは 3 0〜5 0 °Cで ある。
尚、 混合の際には、 ジェン系ゴムの分散液に含有されるジェン系ゴムの固形分 と、 アルミニウム含有懸濁液に含有される A 1 (A 1 203換算) 量とを下記範囲 に調整しておくことが好ましい。 即ち、 ジェン系ゴム 1 0 0質量部に対して、 A 1 203を好ましくは 3〜1 3 0質量部、 より好ましくは 5〜1 0 0質量部の範囲 とするものである。 この量が少なすぎると、 フィラーとしての効果が十分でなく、 一方、 多すぎると、 ゴムの効果が十分でなくなる傾向にある。
尚、 上記アルミニウム含有懸濁液と、 上記ジェン系ゴムの分散液とを混合した 時点で凝固が始まり、 ジェン系ゴム ·水酸化アルミニウム複合体からなる凝固物 (以下、 「クラム」 ともいう。 ) が得られるが、 通常、 アルカリ性であるジェン
ム I 系ゴムの分散液の影響で、 混合液の p Hが高くなつた場合には、 凝固が完結しな いことがある (混合液に濁りが残る) 。 このような場合には、 凝固を完結させる ために、 酸、 凝固促進剤等を添加することが好ましい。 酸を添加する場合には、 硫酸、 塩酸を、 好ましくは硫酸を用い、 p Hを 5 . 0〜8 . 0に調整することが 好ましい。 このとき、 p Hを 5 . 0よりも低くすると、 生成する水酸化アルミ二 ゥムの純度が低下することがある。 尚、 凝固が完結した後 (混合液の濁りがなく なった後) は、 p Hを 5 . 0より低くしてもよい。 また、 凝固促進剤としては、 電解質溶液等が挙げられる。
上記電解質溶液としては、 (1 ) 塩化ナトリウム、 塩化カリウム、 (2 ) カル シゥム、 マグネシウム、 亜鉛、 アルミニウム等の多価金属の塩、 例えば塩化カル シゥム、 塩化マグネシウム、 塩化亜鉛、 塩化アルミニウム、 硝酸カルシウム、 硝 酸マグネシウム、 硝酸亜鉛、 硝酸アルミニウム、 硫酸マグネシウム、 硫酸亜鉛、 硫酸アルミニウム等の水溶液、 及び,/又は、 ( 3 ) 必要に応じ塩酸、 硝酸、 硫酸 等を添加するものである。 これらのうち、 カルシウム マグネシウム、 アルミ二 ゥム等の多価金属の塩が好ましく、 特に塩化カルシウム 塩化マグネシウム、 硫 酸マグネシウム等が好ましい。 これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合 わせて用いることができる。 この際に、 微細の水酸化アルミニウムを高分子凝集 剤 (ァニオン系、 ノ二オン系及び力チオン系のうち -. 特にァニオン系, ノニオン 系) 等を用いて凝固させることもできる。
次いで、 凝固物であるジェン系ゴム ·水酸化アルミニウム複合体を取り出すェ 程に移る。
ジェン系ゴム及び水酸化アルミニウムを共凝固させた後、 通常、 ろ別し、 更に 凝固物を水洗する等により、 乳化剤、 電解質等を除去し、 次いで、 熱風乾燥、 真 空乾燥等により水分を除去して乾燥を行う。 以上より、 ジェン系ゴム中に水酸化 アルミニウムが均一に分散した複合体が得られる。
また、 混合物から水系媒体を除去する方法としては、 混合液をキャスト乾燥さ せた後、 真空乾燥する方法、 ドラムドライヤ一による乾燥方法等も挙げられる。 本発明によって製造されたジェン系ゴム ·水酸化アルミニウム複合体に含有さ れる水酸化アルミニウムの含有量は、 ゴム成分 1 0 0質量部に対し、 好ましくは'
ΔΟ
5〜200質量部、 より好ましくは 7〜150質量部である。 7酸ィ匕アルミニゥ ム以外の無機化合物は、 通常、 上記アルミニウム含有懸濁液の ρΗ調整に用いた 陰イオンとアルミニウムイオンとからなる塩であり、 例えば、 硫酸アルミニウム である。
また、 上記ジェン系ゴム '水酸化アルミニウム複合体の粒径は、 通常、 10 m〜5 Ommであり、 好ましくは、 50 m〜2 Ommである。
また、 本発明によって製造されたジェン系ゴム ·無機化合物複合体を構成する 水酸化アルミニウムの数平均粒子径は、 500 nm以下とすることができ、 好ま しくは l〜300 nm、 より好ましくは 5〜 100 nm、 更に好ましくは 5〜5 0 nmとすることができる。
本発明の第 1及び第 2のジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造方法によつて 製造されたジェン系ゴム ·無機化合物複合体を、 添加剤等とともに用いてゴム組 成物を調製することができる。 添加剤としては、 加硫剤を含む架橋剤、 補強用充 填剤 他の充填剤 カップリング剤 加硫促進剤、 脂肪酸類等が配合される。 更 に、 必要に応じて、 他のゴム成分、 他のジェン系ゴム ·無機化合物複合体を配合 することができる。
上記架橋剤には、 硫黄、 含硫黄化合物等の加硫剤、 又は過酸化物等の非硫黄系 架橋剤が含まれ、 前者の加硫剤 そのうち特に硫黄が好ましい。 この加硫剤の配 合量は、 ゴム成分の全量を 100質量部とした場合、 通常、 0. 5〜10質量部 であり、 特に好ましくは 1〜 6質量部である。
上記補強用充填剤としては、 力一ボンブラック、 シリカ等が挙げられる。
力一ボンブラックとしては、 製造方法によりチャンネルブラック、 ファーネス ブラック、 アセチレンブラック、 サーマルブラック等があるが、 いずれのものも 使用することができる。 また、 この力一ボンブラックは窒素吸着比表面積 (AS TM D 3037— 88に準拠して測定した BET値) が 70m2/g以上であり、 且つジブチルフタレート吸油量 (J I S K6221-1982 (A法) に準拠 して測定した DB P値) が 90ミリリットル Z 100 g以上のものが好適である。 上記 BET値が 70m2/g未満では十分な耐摩耗性が発現しにくく、 BET値 が大きすぎるとタイヤとした場合に低燃費性が悪化する原因となる。 耐摩耗性及
び低燃費性を考慮すると、 この BET値のより好ましい範囲は、 90〜180m2 Zgである。
また、 上記 D B P値が 90ミリリットル 100 g未満では十分な耐摩耗性が 得られにくく、 D BP値が大きすぎるとゴム製品の破断時の伸びが悪化する原因 となる。 耐摩耗性及び低燃費性を考慮すると、 この DBP値のより好ましい範囲 は、 100〜180ミリリットル Z100 gである。
シリカとしては、 従来からゴム補強用として使用されているもの、 例えば、 乾 式法シリカ、 湿式法シリカ (含水ケィ酸) 等を用いることができるが、 湿式法シ リカが好適である。 このシリカは、 耐摩耗性、 低燃費性等を考慮すると、 窒素吸 着比表面積 (BET値) が 100〜300m2Zgの範囲にあるものが好適である。 尚、 この B E T値は、 300 で 1時間乾燥後、 ASTM D4820— 93に 準拠して測定した値である。
上記補強用充填剤としては、 カーボンブラックのみを用いてもよいし、 シリカ のみを用いてもよい。 更には、 力一ポンプラックとシリカを併用してもよい。 ま た、 上記補強用充填剤の配合量は、 耐摩耗性、 ウエット性能及び低燃費性のバラ ンス等の面から、 ゴム成分の全量を 100質量部とした場合、 好ましくは 5〜1 00質量部、 より好ましくは 30〜 85質量部である。
上記他の充填剤としては.. クレー、 炭酸カルシウム、 炭酸マグネシウム等が挙 げられる。 これらは、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることが でさる。
上記力ップリング剤としては特に限定されないが、 シラン力ップリング剤が好 ましい。 シランカップリング剤としては、 ビニルトリクロロシラン、 ビニルトリ エトキシシラン、 ビニルトリス (]3—メトキシーェ卜キシ) シラン、 β - (3, 4—エポキシシク口へキシル) ーェチルトリメトキシシラン、 ァーグリシドキシ ン、 ァ一メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、 Ν— (β—アミノエチ ル) 一 τーァミノプロビルトリメトキシシラン、 Ν— アミノエチル) -r —アミノプロピルトメチルジメトキシシラン、 N—フエ二ルーァ一ァミノプロピ ルトリメトキシシラン、 アークロロプロビルトリメトキシシラン、 ァ一メルカプ
^
一 (3— (トリエトキシシリル) プロピル) テトラスルフイド、 ビス一 (3— (トリエトキシシリル) プロピル) ジスルフィド、 アートリメトキシシリルプロ ピルジメチルチオ力ルバミルテトラスルフィド、 rートリメトキシシリルプロピ ルペンゾチアジルテトラスルフイド等が挙げられる。 これらは、 1種単独である いは 2種以上を組み合わせて用いることができる。 これらのカップリング剤を配 合すると、 耐摩耗性あるいは t a η δがより向上する。
上記力ップリング剤の配合量は、 ゴム組成物に含有される無機化合物の全量を、 又は補強用充填剤等の無機充填剤が追加して配合される場合にはこれとの合計量 を 1 0 0質量部とした場合に、 好ましくは 2 0質量部以下、 特に好ましくは 1 5 質量部以下 (通常、 1質量部以上) である。
上記加硫促進剤としては、 アルデヒドアンモニア系、 グァニジン系、 チォウレ ァ系、 チアゾ一ル系、 ジチォカルバミン酸系の各化合物等が挙げられる。 これら は、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。 また 上 記加硫促進剤の配合量は、 ゴム成分の全量を 1 0 0質量部とした場合、 好ましく は 0 . 5〜 1 5質量部、 特に好ましくは 1〜 1 0質量部である。
上記脂肪酸類としては、 脂肪酸、 そのエステル化合物等が挙げられる。 これら は、 1種単独であるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪酸としては高級脂肪酸が好ましく、 通常、 炭素数が 1 0以上 (好ましくは 1 2以上、 通常 2 0以下) のモノカルボン酸であり、 飽和脂肪酸でも不飽和脂肪 酸でもよいが、 耐候性の点で飽和脂肪酸が好ましい。 この脂肪酸としては、 パル ミチン酸、 ステアリン酸、 ラウリン酸、 ォレイン酸、 リノール酸、 リノレン酸等 が挙げられる。
また、 脂肪酸のエステル化合物としては、 上記高級脂肪酸のアルコール化合物 とのエステルが好ましい。 このアルコール化合物の炭素数は、 1〜1 0程度のも のが好ましい。 また、 低級脂肪酸 (炭素数が 1〜1 0程度) の高級アルコール (炭素数が 1 0以上程度、 2 0以下程度) のエステルを用いることもできる。
上記 「他のゴム成分」 とは、 複合体でない他のゴムを意味し、 公知の方法で得 られるスチレン ·ブタジエン共重合ゴム、 ブタジエンゴム、 イソプレンゴム、 ブ
夕ジェン 'イソプレン共重合ゴム、 ブタジエン ·スチレン ·イソプレン共重合ゴ ム、 アクリロニトリル ·ブタジエン共重合ゴム、 アクリロニトリル ·スチレン · ブタジエン共重合ゴム、 アクリルゴム、 ブチルゴム、 天然ゴム、 クロロブレンゴ ム等を使用することができる。 上記ゴム成分は、 極性基を有するものであっても よい。 これらのゴム成分は、 ゴム用伸展油によって油展ゴムとなったものであつ てもよい。
上記添加剤に加え、 ゴム用伸展油、 亜鉛華、 加硫助剤、 老化防止剤、 加工助剤 等を適量配合することもできる。
本発明によって製造されたジェン系ゴム ·無機化合物複合体を用い、 以下の要 領でゴム製品を製造することができる。 即ち、 先ず、 上記複合体、 必要に応じて 他のゴム成分、 シリカ、 カーボンブラック、 カーボン—シリカデュアル-フェイ ズフイラ一等の補強剤、 ゴム用伸展油、 その他の配合剤等をバンバリ一ミキサ等 の混練機を使用して 7 0〜1 8 0 °Cの温度で混練する。 その後、 混練物を冷却し、 硫黄等の加硫剤 加硫促進剤等を、 バンバリ一ミキサあるいはミキシングロール 等を用いて配合してゴム組成物とした後、 所定の形状に成形する。 次いで、 1 4 0〜1 8 0での温度で加硫し 所要の加硫ゴム、 即ち、 ゴム製品を得る。
上記ゴム組成物は良好な加工性を有し、 得られる加硫ゴムは、 優れた引張強度、 耐摩耗性、 耐ウエットスキッド性、 反発弹性等を有しており、 特に、 タイヤトレ ッドとして好適である。 発明を実施するための最良の形態
以下に、 突施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。 尚、 実施例及び比較 例において、 部及び%は特に断らない限り質量基準である。
1 . ジェン系ゴム (油展ジェン系ゴム及び非油展ジェン系ゴム) の調製
1 - 1 . 油展ジェン系ゴム
窒素置換した重合容器に、 水 2 0 0部、 ロジン酸石鹼 4. 5部、 ブタジエン及 び表 1に示す他の単量体の所定量 (単量体の合計量は 1 0 0部) 並びに t e r t —ドデシルメルカブタン 0 . 3部を仕込んだ。 その後、 重合容器の温度を 5 °Cに 設定し、 重合開始剤としての p—メンタンハイド口パーオキサイド 0 . 1部、 ェ
:酢酸ナトリウム 0. 07部、 硫酸第 1鉄 7水和物 0. 05部及
'—ト 0. 15部を添加して重合を開始 した。 重合転化率が 60%に達した時点でジェチルヒドロキシァミンを添加して 重合を停止した。 次いで、 スチームストリツビングにより未反応単量体を回収し て、 固形分濃度 21%程度のジェン系ゴムを含有する水系分散液を得た。
その後、 表 1に示す単量体を用いて得られたジェン系ゴムの水系分散液につい ては、 含有されるジェン系ゴムの固形分 100部に対して 37. 5部のァロマオ ィル (富士興産社製、 商品名 「フッコール ·ァ口マックス #3」 ) を配合して乳 化物とし、 これを、 硫酸及び塩化ナトリウムにより凝固させてクラムを得た。 次 いで、 このクラムを水洗後、 熱風乾燥機で乾燥させ、 油展ジェン系ゴム (表 1の a〜j) を得た。
上記のようにして得られた油展ジェン系ゴムを構成する単量体単位の含有量及 びム一二一粘度を、 以下に示す方法により測定し、 その結果を表 1に併記した。
(a) 結合スチレン量 (質量%) ;赤外吸収スペクトル法により検量線を作成し て求めた。
(b) カルボキシル基を有する単量体結合量 (質量%) ;ゴムをトルエンに溶解 し、 メタノールで再沈殿させる操作を 2回行って精製し、 真空乾燥した後、 ゴム をクロ口ホルムに溶解し、 中和滴定により求めた。
(c) ァミノ基及び二トリル基を有する単量体結合量 (質量%) ;ゴムをトルェ ンに溶解し、 メタノールにより再沈殿させる操作を 2回行って精製し、 真空乾燥 した後、 元素分析を行い、 窒素含有量から算出した。
(d) ヒドロキシル基を有する単量体結合量 (質量%) ;ゴムをトルエンに溶解 し、 メタノールで再沈殿させる操作を 2回行って精製し、 真空乾燥した後、 27 0 MHz iH— NMRで測定した。
(e) ブチルァクリレート結合量 (質量%) ;ゴムをトルエンに溶解し、 メタノ 一ルで再沈殿させる操作を 2回行って精製し、 真空乾燥した後、 270MHz 13C— NMRで測定した。
(f) アルコキシシリル基を有する単量体結合量 (質量%) ;ゴムをトルエンに 溶解し、 メタノールで再沈殿させる操作を 2回行って精製し、 真空乾燥した後、
(量質仕量結合込; 油展ジェン系ゴム a b c d e f g h
ブタジエン 58 57.5 57 57 66 57 57 51
スチレン 42 42 42 42 26 42 42 42
2ーヒドロキシェチルメタクリレート 0.5
ジェチルアミノエチルメタタリレート 1
4—ビエルピリジン 1
メタクリル酸 1
ィタコン酸 1
ブチルアタリレート 7
メタクリルアミド
γ—メタクリロキシプロピ /レメタタリレート
スチレン 35 35 35 35 20 35 35 35
アクリロニトリル 10
2—ヒドロキシェチルメタタリレート 0.3
Q 。\ ジェチルアミノエチノレメタタリレート 0.7
剩
4一ビニルピリジン 0.6
綱メタクリル酸 0.8
ィタコン酸 0.6
yーメタクリロキシプロピゾレメタクリレ 十
伸展油 (質量部) 37.5 37.5 37.5 37.5 37.5 37.5 37.5 37.5
油展ジェン系ゴムのムーユー粘度 50 48 51 52 52 49 48 53
„ ,
34
1 - 2. 非油展ジェン系ゴム
窒素置換した重合容器に、 水 2 0 0部、 ロジン酸石鹼 4. 5部、 ブタジエン及 び表 2に示す他の単量体の所定量 (単量体の合計量は 1 0 0部) 並びに t e r t —ドデシルメルカブタン 0 . 3部 (スチレン使用の場合) 又は 0 . 7部 (スチレ ン不使用の場合) を仕込んだ。 その後、 重合容器の温度を 5 °Cに設定し、 重合開 始剤としての p—メンタンハイドロパ一オキサイド 0 . 1部、 エチレンジァミン 4酢酸ナトリウム 0 . 0 7部、 硫酸第 1鉄 7水和物 0 . 0 5部及びソジゥムホル ムアルデヒドスルホキシレ一ト 0 . 1 5部を添加して重合を開始した。 重合転化 率が 6 0 %に達した時点でジェチルヒドロキシルアミンを添加して重合を停止し た。 次いで、 スチ一ムストリッピングにより未反応単量体を回収して、 固形分濃 度 2 1 %のジェン系ゴムを含有する水系分散液を得た。
その後、 この水系分散液を、 硫酸及び塩化ナトリウムにより凝固させてクラム を得た。 次いで、 このクラムを水洗後、 熱風乾燥機で乾燥させ、 ジェン系ゴム (表 2の k〜t ) を得た。 そして-. 上記油展ジェン系ゴムと同様にして、 ジェン 系ゴムの単量体単位量及びム一二一粘度を測定し、 その結果を表 2に併記した。
n
36
2. ジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製造 ( I )
上記で得られた油展ジェン系ゴムと、 非油展ジェン系ゴムと、 天然ゴムラテツ クス 「NR」 (フェルダーラバー社製、 商品名 「HA」 、 固形分 62%) と、 を それぞれゴム成分の合計量を 1 00部となるように用い、 表 3に示す 5種類の複 合体構成 (i ) 〜 (V) とするために、 ゴム成分と、 含有される各無機化合物と の含有割合が表 3に示す値になるように、 ジェン系ゴム ·無機化合物複合体の製 造を行った。 例えば、 表 3の (i) の場合、 ジェン系ゴム 1 00部を含む油展ジ ェン系ゴム 1 37. 5部に対し、 無機化合物 3 0部を含有する複合体が製造され るように ¾ 調整した。
尚、 無機化合物としては、 以下に示すものを用いた。
(1) 水酸化アルミニウム (ギブサイト) ;昭和電工社製、 商品名 「ハイジライ ト H - 43M」 、 平均粒子径 0. 6 、
(2) アルミナ一水和物 (ベーマイト) ;コンデァジャパン社製、 商品名 「PU RAL 200」 、 平均粒子径 0. 14 、
(3) r—アルミナ; B a i k o w s k i社製、 商品名 「B a i k a 1 o x C R 1 25」 、 平均粒子径 0. 3 、
(4) 焼成クレー; J. M. HUBER社製、 商品名 「ポリフィル 40」 、 平均 粒子径 1. 2 ,"m、
(5) カオリン; J. M. HUBER社製、 商品名 「ポリフィル DL」 、 平均粒 子径 1. 0 fim,
(6) 水酸化マグネシウム;協和化学工業社製、 商品名 「キスマ 5A」 、 平均粒 子径 0. 8 rn,
(7) 酸化チタン (アナターゼ) ;石原産業社製、 商品名 「タイべ一ク A— 1 0 0」 、 平均粒子径 0. 1 5 。
表 3
*内ジェン系ゴム 100質量部
2 - 1 . ホモミキサーによる方法
実施例 1
表 3に示した複合体構成 ( i ) とするために、 上記で得られた油展ジェン系ゴ ム 1 3 7 . 5部 (うち、 ジェン系ゴム 1 0 0部) を含む乳化物 5 3 9部と、 無機 化合物として上記水酸化アルミニウム (ギブサイト) 3 0部を水 2 0 0部にホモ ミキサーを用いて分散させた分散液と、 ロジン酸カリウム 2部とを、 2 5 で攪 挣混合した。
その後、 得られた混合物に硫酸を加えて 混合分散液を p H 4〜5に調整しな がら、 塩化ナトリゥムにより凝固させクラムを形成させた。 このクラムの大きさ は、 8 mm以上であり、 通常の乳化重合により製造されるスチレン ·ブタジエン ゴムからなるクラムの大きさと同等であつた。
次いで、 得られたクラムを水洗後、 熱風乾燥機で乾燥させ、 油展ジェン系ゴム •無機化合物複合体を得た (表 5参照) 得られた複合体を、 電気炉を用い、 6 4 0 °Cで 8時間加熱し灰化させ、 灰分から算出される無機化合物の含有量は、 ジ ェン系ゴム 1 0 0部に対して無機化合物換算で 3 0部であった。
尚、 表 5における 「凝固クラム粒径」 は、 数平均粒子径が 5 mm以上である場 合、 「〇」 で示した。 以下も同様である。 実施例 2〜4 0
表 3に示した複合体構成 (i ) とするために、 油展ジェン系ゴム及び無機化合 物の種類を変え、 上記実施例 1と同様にして、 油展ジェン系ゴム ·無機化合物複 合体を製造した。 得られたクラムの大きさは、 いずれも 5 mm以上であった。 実施例 1 3 6〜 1 5 5
表 3に示した複合体構成 (i v) とするために、 油展ジェン系ゴム及び無機化 合物の種類を変え、 上記実施例 1と同様にして、 油展ジェン系ゴム ·無機化合物 複合体を製造した。 得られたクラムの大きさは、 いずれも 5 mm以上であった。 表 3に示した複合体構成 (i ) において、 水酸ィ匕アルミニウムを用いた実施例 1〜 1 0を表 5に、 アルミナ一水和物を用いた実施例 1 1〜1 5を表 6に、 丁一 アルミナを用いた実施例 1 6〜2 0を表 7に、 焼成クレーを用いた実施例 2 1〜 2 5を表 8に、 カオリンを用いた実施例 2 6〜 3 0を表 9に、 水酸化マグネシゥ ムを用いた実施例 3 1〜3 5を表 1 0に、 酸化チタンを用いた実施例 3 6〜4 0 を表 1 1にそれぞれ示した。
また、 表 3に示した複合体構成 (i v) において.. 水酸化アルミニウムを用い た実施例 1 3 6〜1 4 0を表 2 4に、 アルミナ一水和物を用いた実施例 1 4 1〜 1 4 5を表 2 5に、 ァーアルミナを用いた実施例 1 4 6〜1 5 0を表 2 6に、 焼 成クレーを用いた実施例 1 5 1〜 1 5 5を表 2 7にそれぞれ示した。 比較例 1
上記実施例 1において、 口ジン酸力リゥムを未添加とした以外は同様にして油 展ジェン系ゴム ·無機化合物複合体を製造し、 光散乱式粒径分布測定装置 (堀場 製作所社製) によりクラムの大きさを測定したところ、 7 0 0 mであった。 実施例 7 1〜 1 0 5、 実施例 1 1 6〜 1 2 5及び実施例 1 6 6〜 1 7 5 表 3に示した複合体構成 (i i ) 又は (i i i ) とするために、 上記で得られ た非油展ジェン系ゴム 1 0 0部を含む水系分散液 4 7 6部と、 上記各無機化合物 2 0部又は 5 0部を水 2 0 0部にホモミキサーを用いて分散させた分散液と、 口 ジン酸カリウム 3部とを、 2 5 で攪枠混合した。
その後、 得られた混合物に硫酸を加えて、 混合分散液を pH4〜 5に調整しな がら、 塩ィ匕ナトリウムにより凝固させクラムを形成させた。 このクラムの平均粒 子径は、 5mm以上であり、 通常の乳化重合により製造されるスチレン,ブ夕ジ ェンゴムからなるクラムの大きさと同等であった。 以下の操作は、 上記実施例と 同様にして行い、 非油展ジェン系ゴム ·無機化合物複合体を得た。 得られた複合 体を、 電気炉を用い、 640°Cで 8時間加熱し灰化させ、 灰分から算出される無 機化合物の含有量は、 いずれもジェン系ゴム 100部に対して無機ィヒ合物換算で 20部又は 50部であった。
表 3に示した複合体構成 (i i) において、 τΚ酸化アルミニウムを用いた実施 例 71〜 75を表 13に、 アルミナ一水和物を用いた実施例 76〜 80を表 14 に、 ァーアルミナを用いた実施例 81〜85を表 1 5に、 焼成クレーを用いた実 施例 86〜 90を表 16に、 力オリンを用いた実施例 91〜 95を表 17に、 水 酸化マグネシウムを用いた実施例 96〜100を表 18に、 酸化チタンを用いた 実施例 101〜 105を表 19にそれぞれ示した。
表 3に示した複合体構成 ( i i i) において、 水酸化アルミニウムを用いた実 施例 1 16〜 120を表 21に、 アルミナ一水和物を用いた実施例 121〜12 5を表 22にそれぞれ示した。
また、 表 3に示した複合体構成 (V) において-. 水酸化アルミニウムを用いた 実施例 166〜 170を表 29に、 アルミナ一水和物を用いた実施例 171〜1 75を表 30にそれぞれ示した。
2-2. i n - s i t u ( I ) による方法
実施例 41
表 3に示した複合体構成 (i) とするために、 2. 4%のアルミン酸ナトリウ ム水溶液 (A 1203換算では 0. 9%) 2570部に 10%の硫酸 380部を添 加し、 pH 7に調整して水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム含有ス ラリー溶液を得た。 その後、 ロジン酸カリウム 3部を添加し、 25°Cで十分に攪 拌した。 次いで、 この混合液と、 ジェン系ゴム 100部及びァロマオイル 37. 5部を含有する固形分濃度 21%の乳化物と、 を攪拌しながら混合し、 クラムス
ラリーを生成させた。 このクラムの大きさは、 10mmであった。
得られたクラムを水洗後、 熱風乾燥機で乾燥させ、 油展ジェン系ゴム '無機化 合物複合体を得た。 得られた複合体の灰分から算出される無機化合物の導入量は 、 水酸化アルミニウム (A l (OH) 3) 換算において 30部であった。 実施例 42 50、 実施例 106 110、 実施例 126 130、 実施例 156-160及び実施例 176 180
表 3に示した 5種類の複合体構成 (i ) (V) とするために、 油展ジェン系 ゴム乳化液又は非油展ジェン系ゴムの水系分散液 (それぞれジェン系ゴム 100 部を含むもの) を用い、 上記実施例 41と同様にして油展ジェン系ゴム '無機化 合物複合体又は非油展ジェン系ゴム ·無機化合物複合体を得た。
表 3に示した複合体構成 ( i ) の実施例 41 50を表 12に、 複合体構成 ( i i ) の実施例 106 1 10を表 20に、 複合体構成 ( i i i) の実施例 12 6 130を表 23に 複合体構成 ( i V) の実施例 156 160を表 28に 、 複合体構成 (v) の実施例 176 180を表 31にそれぞれ示した。 比較例 2
ロジン酸カリウムを未添加とした以外は 上記実施例 41と同様にして油展ジ ェン系ゴム ·無機化合物複合体を製造した。 上記粒径分布測定装置によりクラム の大きさを測定したところ、 320 X mであつた。
2-3. i n— s i tu (I I) による方法
実施例 51
表 3に示した複合体構成 (i) とするために、 2. 4%のアルミン酸ナトリウ ム水溶液 (A 1203換算では 0. 9%) 2570部に 10%の硫酸 380部を添 加し、 pH 7に調整して水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム含有ス ラリー溶液を得た。 その後、 ジェン系ゴム 100部及びァロマオイル 37. 5部 を含有する固形分濃度 21 %の乳化物の所定量の 30 %を、 25°Cで攪拌しなが ら、 上記アルミニウム含有スラリー溶液と混合し、 ジェン系ゴム ·無機化合物複
合体スラリーを生成させた。 次いで、 ロジン酸カリウム 3部、 及び、 先の残りの 70%を添加、 更に混合してクラムを生成させた。 このクラムの大きさは 9mm であった。 得られたクラムを上記実施例と同様に処理し、 油展ジェン系ゴム ·無 機化合物複合体を得た (表 12参照) 。 実施例 52〜 60
表 1に示す油展ジェン系 b〜 jを含有する乳化液 (ジェン系ゴム 100部を含 むもの) を用い、 上記実施例 51と同様にして油展ジェン系ゴム ·無機化合物複 合体を得た (表 12参照) 。 比較例 3
ロジン酸カリウムを未添加とした以外は、 上記実施例 51と同様にして油展ジ ェン系ゴム ·無機化合物複合体を製造した。 上記粒径分布測定装置によりクラム の大きさを測定したところ、 280 mであつた。
2-4. i n—s i t u (I I I) による方法
実施例 61
表 3に示した複合体構成 (i) とするために 3. 4? の硫酸アルミニウム水 溶液 ( A 12 O 3換算では 0. 9 %) 2660部に水酸化ナトリウム 95部を添加 して pHl 4に調整した水溶液に、 10%硫酸 500部を添加し、 p H 7に調整 して水酸化アルミ二ゥムを主成分とするアルミニゥム含有スラリ一溶液を得た。 その後、 ロジン酸カリウム 3部を添加し、 25でで十分に攪拌した。 次いで、 こ の混合液と、 ジェン系ゴム 100部及びァロマオイル 37. 5部を含有する固形 分濃度 21%の乳化物と、 を攪拌しながら混合し、 クラムスラリーを生成させた 。 このクラムの大きさは、 8mmであった。 得られたクラムを上記実施例と同様 に処理し、 油展ジェン系ゴム ·無機化合物複合体を得た (表 12参照) 。 実施例 62〜 70、 実施例 1 1 1〜 115、 実施例 131〜 135、 実施例 161〜 165及び実施例 181〜 185
Jn
42 表 3に示した 5種類の複合体構成 (i ) 〜 (V) とするために、 油展ジェン系 ゴム乳化液又は非油展ジェン系ゴムの水系分散液 (それぞれジェン系ゴム 100 部を含むもの) を用い、 上記実施例 61と同様にして油展ジェン系ゴム ·無機化 合物複合体又は非油展ジェン系ゴム ·無機化合物複合体を得た。
表 3に示した複合体構成 ( i ) の実施例 61〜 70を表 12に、 複合体構成 ( i i ) の実施例 111〜 115を表 20に、 複合体構成 ( i i i ) の実施例 13 1〜 135を表 23に、 複合体構成 ( i V) の実施例 161〜 165を表 28に 、 複合体構成 (V) の実施例 181〜 185を表 31にそれぞれ示した。 比較例 4
ロジン酸カリウムを未添加とした以外は、 上記実施例 61と同様にして油展ジ ェン系ゴム ·無機化合物複合体を製造した。 上記粒径分布測定装置によりクラム の大きさを測定したところ、 250 mであった。 3. ゴム組成物の調製
上記実施例 1〜 185において製造された複合体と、 以下に示す配合剤とを用 い、 表 4の配合処方 A〜E、 及び以下に説明する 2段階の混練工程に従ってゴム 組成物を得た。 尚、 表 4における 「無機化合物」 は、 複合体に含有される各種無 機化合物を意味する。
(1) ΓΝ339J ;東海カーボン社製カーボンブラック、 商品名 「シ一スト K
H」 、
(2) 「シリカ」 ;日本シリカ工業社製シリカ、 商品名 「二プシル AQ」 、
(3) 「ァロマオイル」 ;富士興産社製、 商品名 「フッコール. ァロマックス # 3」 、
(4) 「ステアリン酸」 ;花王社製、 商品名 「ルナック S— 30」 、
(5) 「6C」 ; N— (1, 3ージメチルブチル) — N, 一フエ二ルー p—フエ 大内新興化学工業社製老化防止剤、 商品名 「ノクラック 6 C」
(6) 「S i 69」 ;ビス (トリエトキシシリルプロピル) テトラスルファン、
_
43 デグサ社製シランカップリング剤、 商品名 「S i 69」、
(7) 「DPG」 ;ジフエニルダァニジン、 大内新興化学工業社製加硫促進剤、 商品名 「ノクセラ一 D」、
(8) 「DM」 ;ジベンゾチアジルスルフイド、 大内新興ィ匕学工業社製加硫促進 剤、 商品名 「ノクセラ一 DM」 、
(9) 「NS」 ; N— t e r t—ブチル—2—べンゾチアゾィルスルフェンアミ ド、 大内新興化学工業社製加硫促進剤、 商品名 「ノクセラー NS_F」。
(第 1段階の混練方法)
表 4に示す配合処方により、 1段目の配合剤を混練装置 (東洋精機社製、 商品 名 「ラボプラス卜ミル」 ) により、 最高温度 160°Cで混練した。
(第 2段階の混練方法)
上記で得られた混練物に、 2段目の配合剤を添加し、 上記装置により混練した 。 伹し、 混練時の最高温度を 100でとした。 また、 比較例 5〜 119として、 油展ジェン系ゴム a〜 j又は非油展ジェン系 ゴム k〜tと、 市販の水酸化アルミニウム粉末 (昭和電工社製、 商品名 「ハイジ ライ卜 H_43M」 、 平均粒径 0. 6. m) とを用いて表 6の配合処方に従い、 :ょり調製したゴム組成物を得た。
4. 性能評価
上記で得られたゴム組成物を 160°Cで 15分間熱処理を行い、 加硫物を得た 。 この加硫物を測定試料として、 以下の性能評価を行った。
(1) TB; J I S K6251-1993に準拠し、 3号型試験片を用い、 測定 温度 25。C、 引張速度 500mm/分の条件で引張強度を測定した。 単位は MP aである。
(2) 耐摩耗性;ランボーン型摩耗試験機を使用し、 スリップ率が 25%での摩 耗量を算出した。 測定温度は 25°C、 摩耗量の逆数を、 同系列の比較例を 100 として指数表示をした。 指数が大きレほど耐摩耗性は良好である。
以上の結果を表 5〜表 31に示す。
表 4の配合処方 Aにおいて、 無機化合物として、 水酸化アルミニウムを用いた 実施例 1〜 10及び実施例 41〜 70を表 5及び表 12に、 アルミナ一水和物を 用いた実施例 11〜15を表 6に、 ァーアルミナを用いた実施例 16〜20を表
Λ ^
45
7に、 焼成クレーを用いた実施例 21〜25を表 8に、 カオリンを用いた実施例 26〜 30を表 9に、 水酸化マグネシウムを用いた実施例 31〜 35を表 10に 、 酸化チタンを用いた実施例 36〜40を表 11にそれぞれ示した。
表 4の配合処方 Bにおいて、 無機化合物として、 水酸化アルミニウムを用いた 実施例 71〜75及び実施例 106〜115を表 13及び表 20に、 アルミナ一 水和物を用いた実施例 76〜80を表 14に、 ァ—アルミナを用いた実施例 81 〜85を表 15に、 焼成クレーを用いた実施例 86〜 90を表 16に、 カオリン を用いた実施例 91〜 95を表 17に、 水酸^ ί匕マグネシウムを用いた実施例 96 〜 100を表 18に、 酸化チタンを用いた実施例 101〜 105を表 19にそれ ぞれ示した。
表 4の配合処方 Cにおいて、 無機化合物として、 水酸化アルミニウムを用いた 実施例 116〜 120及び実施例 126〜 135を表 21及び表 23に、 アルミ ナ一水和物を用いた実施例 121〜 125を表 22にそれぞれ示した。
表 4の配合処方 Dにおいて、 無機化合物として、 水酸化アルミニウムを用いた 実施例 136〜 140及び実施例 156〜 165を表 24及び表 28に、 アルミ ナ一水和物を用いた実施例 141〜 145を表 25に、 r—アルミナを用いた実 施例 146〜 150を表 26に、 焼成クレ一を用いた実施例 151〜 155を表 27にそれぞれ示した。
また、 表 4の配合処方 Eにおいて、 水酸化アルミニウムを用いた実施例 166 〜 170及び実施例 176〜 185を表 29及び表 31に、 アルミナ一水和物を 用いた実施例 171〜 175を表 30にそれぞれ示した。
〔水酸化アルミニウムを用 、た複合体構成 (i)〕 水分散法 実施例 1 実施例 2 実施例 3 実施例 4 実施例 5 実施例 6 実施例 7 油展ジェン系ゴム a b c d e f g 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 O 〇 〇 〇 評 TB (MPa) 21.5 23.2 23.6 23.1 23.4 23.1 23.8 価耐摩耗性 122 130 128 130 138 134 132 ドライブ、レンド 比較例 5 比較例 6 比較例 7 比較例 8 比較例 9 比較例 10 比較例 1 油展ジェン系ゴム a b c d e f g
TB (MPa) 20.1 21.7 21.4 21.3 21.6 21.0 21.4 価耐摩耗性 100 110 109 108 115 107 109
表 6
〔アルミナ -水和物を用レ、た複合体構成 (i)〕
表 7
. Ύ -アルミナを用 Vヽた複合体構成 (i) ] 水分散法 実施例 16 実施例 17 実施例 18 実施例 19 実施例 20 油展ジェン系ゴム a b c e g 凝固クラム粒径 〇 O 〇 O 〇
TB (MPa) 22.8 24.3 24.4 24.9 24.1 価耐摩耗性 109 115 113 124 122 ドライブレンド 比較例 20 比較例 21 比較例 22 比較例 23 比較例 24 油展ジェン系ゴム a b c e g
TB (MPa) 21.2 22.4 22.6 22.1 22.5 価耐摩耗性 100 107 107 110 108
〔焼成クレーを用 Vヽた複合体構成 ω〕
水分散法 実施例 21 実施例 22 実施例 23 実施例 24 実施例 25 a b . c 1 j 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 o 〇 評 T (MPa) 23.5 25.1 24.7 24.9 24.4 価耐摩耗性 111 120 118 122 114 'ライブレンド 比較例 25 比較例 26 比較例 27 比較例 28 比較例 29 a b c i j 評 TB(MPa) 21.5 22.6 22.3 22.3 22.4 価耐摩耗性 100 107 106 111 108
表 9
〔カオリンを用 V、た複合体構成 (i)〕 水分散法 実施例 26 実施例 27 実施例 28 実施例 29 難例 30 油展ジェン系ゴム a b c e g 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇 評 TB (MPa) 23.4 24.6 24.0 24.4 24.1 価耐摩耗性 113 118 114 117 113 'ライブ 'レンド 比較例 30 比較例 31 比較例 32 比較例 33 比較例 34 油展ジェン系ゴム a b c e g 評 TB (MPa) 21.5 22.6 22.3 22.3 22.3 価耐摩耗性 100 107 106 111 108
表 10
〔τ1く酸ィ匕マグネシウムを用いた複合体構成 (i)〕
表 11
〔酸ィ匕チタンを用いた複合体構成 (i)〕 水分散法 実施例 36 実施例 37 実施例 38 実施例 39 実施例 40 油展ジェン系ゴム a b c i j 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇 評 TB (MPa) 23.6 24.0 23.9 24.2 24.1 価耐摩耗性 111 125 118 121 125 ドライブレンド 比較例 40 比較例 41 比較例 42 比較例 43 比較例 44 油展ジェン系ゴム a b c 1 j 評 |TB (MPa) 22.5 23.4 23.4 23.5 24.1 価 1耐摩耗性 100 107 108 111 106
表 12
〔水酸化アルミニウムを含む複合体構成 (0〕 m— sim (I) 実施例 41 実施例 42 実施例 43 実施例 44 実施例 45 実施例 46 実施例 47 油展ジェン系ゴム a b c d e f g 凝固クラム粒径 〇 〇 O 〇 o 〇 o 評 TB (MPa) 25.0 26.2 25.3 25.6 25.0 24.3 25.2 価耐摩耗性 191 218 211 212 240 210 208 msitu (II) 実施例 51 実施例 52 実施例 53 実施例 54 実施例 55 実施例 56 実施例 57 油展ジェン系ゴム a b c d e f g 凝罔クラム粒径 o 〇 O 〇 o 〇 O 評 TB (MPa) 24.7 24.8 25,0 25.3 25.1 24.0 24.9 価耐摩耗性 188 216 210 213 237 208 205 in- situ (III) 実施例 61 実施例 62 実施例 63 実施例 64 実施例 65 実施例 66 実施例 67 a b c d e f g 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 O 〇 〇 〇 評 TB (MPa) 23.8 26.6 26.1 25.4 25.7 25.0 25.7 価耐摩耗性 170 175 185 182 195 176 184
表 13
〔水酸化アルミニウムを用いた複合体構成 (ii) ] 水分散法 実施例 71 実施例 72 実施例 73 実施例 74 実施例 75 油展ジェン系ゴム k 1 m n o 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇 評 TB (MPa) 23.2 25.2 25.0 24.3 24.7 価耐摩耗性 114 126 123 135 127 ライブレンド 比較例 45 比較例 46 比較例 47 比較例 48 比較例 49 油展ジェン系ゴム k 1 m n o 評 TB (MPa) 22.1 23.8 23.6 23.4 23.3 価耐摩耗性 100 115 113 118 ' 113
表 14
〔アルミナ一水和物を用レ、た複合体構成 (ii)〕 水分散法 実施例 76 実施例 77 実施例 78 実施例 79 実施例 80 油展ジェン系ゴム k 1 m n o 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇
TB (MPa) 26.2 27.7 27.0 26.7 27.4 価耐摩耗性 109 120 126 124 ドライプレンド 比較例 50 比較例 51 比較例 52 比較例 53 比較例 54 油展ジェン系ゴム k 1 m n o 評 TB (MPa) 24.1 25. Δ 24.9 25.0 24.9 価耐摩耗性 100 109 110 114 109
表 15
ί Ύ -アルミナを用レヽた複合体構成 (ii)〕 水分散法 実施例 8丄 実施例 82 実施例 83 実施例 84 実施例 85 油展ジェン系ゴム k 1 m n o 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇
TB (MPa) 24.8 26.5 25.7 25.7 25.5 価耐摩耗性 107 123 119 126 122 ライブレンド 比較例 55 比較例 56 比較例 57 比較例 58 比較例 59 油展ジェン系ゴム k 1 m n o 評 TB (MPa) 23.5 24.7 24.6 24.4 24.5 価耐摩耗性 100 108 107 111 107
表 16
〔焼成クレーを用 、た複合体構成 (ii)〕 水分散法 1実施例 86 実施例 87 実施例 88 実施例 89 実施例 90 油展ジェン系ゴム k 1 m n o 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇 評 Tn(MPa) 24.7 26.6 26.3 26.0 26.1 価耐摩耗性 108 125 122 127 123
、"ライブレンド 比較例 60 比較例 61 比較例 62 比較例 63 比較例 64 油展ジェン系ゴム k 1 m n o 評 TB (MPa) 23.9 25.0 24.9 24.9
価耐摩耗性 100 109 108 113 109
表 17
〔カオリンを用いた複合体構成 (ii)〕 水分散法 実施例 91 実施例 92 実施例 93 実施例 94 実施例 95 油展シェン系ゴム k 1 m n o 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇 評 TB (MPa) 25.5 26.3 26.1 26.6 25.9 価耐摩耗性 114 126 123 132 123 、ライブレンド 比較例 65 比較例 66 比較例 67 比較例 68 比較例 69 油展ジェン系ゴム k 1 m n o 評 TB (MPa) 23.3 24.2 24.5 24.1 24.4 価耐摩耗性 100 110 109 114 110
表 18
〔水酸化マグネシウムを用いた複合体構成 (H)〕 水分散法 実施例 96 実施例 97 実施例 98 実施例 99 実施例 100 油展ジェン系ゴム k 1 m n o 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇 評 TB (MPa) 24.4 25.4 24.7 25.1 25.5 価耐摩耗性 118 141 139 146 1 8 ライプレンド 比較例 70 比較例 71 比較例 72 比較例 73 比較例 74 油展ジェン系ゴム k 1 m n o 評 Trj (MPa) 24.2 24.2 24.1 23.8 価耐'摩耗性 100 120 119 126 118
表 19
〔酸化チタンを用いた複合体構成 (ii) ]
表 20
〔水酸化アルミ ゥムを含む複合体構成 (ii)〕 in— situ (I) 実施例 106実施例 107実施例 108実施例 109実施例 110 k 1 m 11 o 凝固クラム粒径 O 〇 〇 〇 〇 評 TB (MPa) 26.2 27.0 26.9 26.3 26.4 価耐摩耗性 146 173 168 172 169
In situ (III) 実施例 111実施例 112実施例 113実施例 114実施例 115 油展ジェン系ゴム k 1 m n o 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇 評 TB (MPa) 25.3 0 - J 26.4 26.3 26.4 価耐摩耗性 145 161 162 169 166
表 21
〔水酸化アルミニウムを用いた複合体構成 (iii)〕
〔アルミナ一水和物を用レ、た複合体構成 oii)〕 水分散法 実施例 121実施例 122実施例 123実施例 124実施例 125 油展ジェン系ゴム b c e g 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇 評 TB (MPa) 18.7 20.7 21.5 20.2 21.2 価耐摩耗性 150 167 172 iS 167 ライプレンド 比較例 85 比較例 86 比較例 87 比較例 88 比較例 89 油展ジェン系ゴム a b c e g 評 TB (MPa) 11.9 14.1 14.3 13.7 14.0 価耐摩耗性 100 140 139 149 137
表 23
〔水酸化アルミニウムを含む複合体構成 ( )〕
表 24
〔水酸化アル ΐ :ゥムを用いた複合体構成 (iv)〕 水分散法 実施例 136実施例 137実施例 138実施例 139実施例 140 油展ジェン系ゴム ' a b c e g 凝罔クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇
TB (MPa) 23.8 24.6 25.3 24.7 24.4 価耐摩耗性 119 130 135 142 126 ライブレンド 比較例 90 比較例 91 比較例 92 比較例 93 比較例 94 油展ジェン系ゴム a b c e g 評 TB (MPa) 21.7 23.0 22.9 22.5 23.1 価耐摩耗性 100 118 115 124 114
表 25
〔アルミナ一水和物を用いた複合体構成 (iv) 3 水分散法 実施例 141実施例 142実施例 143実施例 144実施例 145 油展ジェン系ゴム a b c e g 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇 評 TB (MPa) 25.5 26.4 26.2 26.3 26.5 価耐摩耗性 115 133 137 141 113 ドライブレンド 比較例 95 比較例 96 比較例 97 比較例 98 比較例 99 油展ジェン系ゴム a b c e g
TB (MPa) 24.1 25.1 25.2 24.9 25.1 価耐摩耗性 100 115 112 120 113
'お 26
〔 y -ァルミナを用レ、た複合体構成 (iv)〕 水分散法 実施例 146実施例 147実施例 148実施例 149実施例 150 油展ジェン系ゴム a b c e g 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇 評 TB (MPa) 24.8 25.5 26.0 26.4 26.1 価耐摩耗性 1 111 128 133 139
ドライブレンド 比較例 100比較例 101比較例 102比較例 103比較例 104 a b c e g
TB (MPa) 2Δ. 23.9 24.1 23.8 24.0 価耐摩耗性 100 114 110 116 111
表 27
〔焼成クレーを用いた複合体構成 (iv)〕 水分散法 実施例 151実施例 152実施例 153実施例 154実施例 155 油展ジェン系ゴム a b c e g 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇
TB (MPa) 24.6 25.8 25.7 25.6 26.0 価耐摩耗性 107 129 120 136 135 ドライブレンド 比較例 105比較例 106比較例 107比較例 108比較例 109 a b c e g 評 TB (MPa) 22.7 24.2 24.0 23.8 24.0 価耐摩耗性 100 112 110 116 113
表 28
〔水酸ィ匕アルミニウムを含む複合体構成 (iv)〕 in situ (I) 実施例 156実施例 7実施例 158実施例 159実施例 160 油展ジェン系ゴム a b c e g 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 o 〇 評 TB (MPa) 25.3 27.0 26.7 26.4 26.4 価 耐摩耗性 149 175 176 185 169
In situ (III) 実施例 161実施例 162実施例 163実施例 164実施例 165 油展ジェン系ゴム a b c e g 凝固クラム粒径 〇 〇 〇 〇 〇 評 Tn (MPa) 25.5 26.3 26.4 26.3 26.5 価耐摩耗性 138 163 162 171 173
表 29
〔水酸ィ匕アルミニウムを用いた複合体構成 (v)〕
表 30
〔アルミナ一水和物を用いた複合体構成 (V)〕 水分散法 実施例 171実施例 172実施例 173実施例 174実施例 175
P q r s t 凝固クラム粒径 〇 O 〇 〇 〇
TB (MPa) 18.7 20.7 21.5 20.2 21.2 価耐摩耗性 150 167 172 183 167 ドライブ'レンド 比較例 115比較例 116比較例 117比較例 118比較例 119 油展ジェン系ゴム P q r s t
TB (MPa) 20.4 21.5 21.5 21.4 価耐摩耗性 100 107 108 110 107
表 31
〔水酸化アルミニウムを含む複合体構成 (V)〕
5. 実施例 1〜185の効果
5-1. ジェン系ゴム ·無機化合物複合体の大きさについて
表 5〜 31より-. ホモミキサーを用いた製造方法によっても、 i 11- s i t u (I) 、 (I I) 及び (I I I) による方法によっても、 各種無機化合物の分散 性が高く 平均粒子径が 5 mm以上のクラムを得ることができた。
5-2. 加硫ゴムの性能評価について
表 5〜31に示した評価結果をまとめたものを表 32〜 34に示した。 これら の表より、 対応する比較例と比べて、 本実施例の場合は、 いずれも、 無機化合物 の分散性の高い複合体を用いているために、 TB値 (引張強度) が高く、 耐摩耗性 に優れることが分かる。
表 32
(注)耐摩耗性について、ドライブレンドのデータを INDEX= 100として各配合
表 33
(注)耐摩耗性について、ドライブレンドのデータを ΙΝϋΕΧ= 100として各配合処方におけるデー
表 34
(注)耐摩耗性について、ドライブレンドのデータを INDEX= 10Oとして各配^処方におけるデ
6. ジェン系ゴム ·水酸化アルミニウム複合体の製造 (I I)
上記で得られた油展ジェン系ゴム a又は e (表 1) と、 非油展ジェン系ゴム k (表 2) と、 をそれぞれゴム成分の含有量が 100部となるように水系分散液と して用い、 表 35に示す 2種類の複合体構成 (V i) 及び (V i i) で、 ゴム成 分と生成する水酸化アルミニウムとの含有割合が表 35に示す値になるように、 ジェン系ゴム '水酸化アルミニウム複合体の製造を行った。 例えば、 表 35の ( V i ) の場合、 ジェン系ゴム 100部を含む油展ジェン系ゴム 137. 5部に対 し、 水酸化アルミニウム 30部を含有する複合体が製造されるように適宜調整し た。
3¾35
*内ジェン系ゴム 100質量部
6-1. i n— s i t u (IV) による方法
実施例 186
表 35に示した複合体構成 (v i) とするために-. 2. 4%のアルミン酸ナト リウム水溶液 (A 12〇3換算では 0. 9%) 2570部に、 10%の硫酸 380 部を添加し、 H7に調整して水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム 含有懸濁液を得た。 その後、 このアルミニウム含有懸濁液に、 油展ジェン系ゴム aの乳化分散液 (ジェン系ゴム 100部及びァロマオイル 37. 5部を含有する ) 538. 5部を添加し、 攪拌機を用いて混合し、 クラムを生成させた。 このと きの混合液の ρΗは 7. 5であった。 次いで、 10%の硫酸を添加して混合液の pHを 7とし、 凝固を完結させた。 このとき pH調整に要した時間は約 3分であ つた。 得られたクラム含有溶液の上澄みは透明であり、 凝固物は全て沈降し、 ジ ェン系ゴムと水酸化アルミニウムが共凝固していることが確認できた。
得られた凝固物をろ別、 更に水洗後、 熱風乾燥機で乾燥させ、 油展ジェン系ゴ ム,水酸化アルミニウム複合体を得た。 得られた複合体を灰化させ、 灰分から算
bo 出される無機化合物の含有量と X線マイクロアナライザー (XMA) の測定結果 から、 水酸化アルミニウム/硫酸アルミニウム =30 10 (ph r) であった (表 36参照) 。 実施例 187
表 35に示した複合体構成 (v i) とするために、 上記油展ジェン系ゴム aに 代えて、 油展ジェン系ゴム eを用いた以外は、 上記実施例 186と同様にして、 油展ジェン系ゴム '水酸化アルミニウム複合体を得た (表 36参照) 。 実施例 188
表 35に示した複合体構成 (v i i) とするために、 上記油展ジェン系ゴム a に代えて、 非油展ジェン系ゴム kを用いた以外は、 上記実施例 186と同様にし て、 非油展ジェン系ゴム ·τΚ酸化アルミニウム複合体を得た (表 36参照) 。 実施例 189
アルミニゥム含有懸濁液の ρ Ηを 5. 5とした以外は、 上記実施例 186と同 搽にして、 複合体構成 (v i) の油展ジェン系ゴム ·水酸化アルミニウム複合体 を得た (表 36参照) 実施例 190
上記油展ジェン系ゴム aに代えて、 油展ジェン系ゴム eとした以外は、 上記実 施例 189と同様にして、 複合体構成 (V i ) の油展ジェン系ゴム ·水酸化アル ミニゥム複合体を得た (表 36参照)
表 36
比較例 120
2. 4%のアルミン酸ナトリウム水溶液 (A 1203換算では 0. 9%、 pHは 約 13) 2570部に、 油展ジェン系ゴム aの乳化分散液 (ジェン系ゴム 100 部及びァロマオイル 37. 5部を含有する) 538. 5部を添加し、 攪拌機を用 いて混合した。 このときの混合液の pHは 12〜 13であった。 その後、 10% の硫酸を添加して、 pH4に調整し、 凝固を完結させた。 このとき pH調整に要 した時間は約 5分であった。 得られたものは、 浮遊物 (ジェン系ゴム) が多量に 存在し、 一方、 凝固物は不均一なものであった。 比較例 121
10%の硫酸の添加時間を 20分にした以外は、 上記比較例 120と同様にし
n
67 て凝固した。 この場合、 ジェン系ゴムの浮遊物がわずかに見られるものの、 凝固 物の大半は沈降していた。 また、 上記実施例 186と同様にして、 水酸化アルミ ニゥム Z硫酸アルミニウム =30 20 (ph r) を得た (表 36参照) 。 比較例 122及び比較例 123
上記油展ジェン系ゴム aに代えて、 油展ジェン系ゴム e又は非油展ジェン系ゴ ム kとした以外は、 上記比較例 121と同様にして、 油展ジェン系ゴム '水酸化 アルミニウム複合体又は非油展ジェン系ゴム ·水酸化アルミニウム複合体を得た (表 36参照)
6-2. i n - s i t u (V) による方法
実施例 191
表 35に示した複合体構成 (V- i ) とするために、 2. 4%のアルミン酸ナト リゥム水溶液 ( A 1203換算では 0. 9 %) 2570部に、 10 %の硫酸 380 部を添加し、 pH 7に調整して水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム 含有懸濁液を得た。 その後、 油展ジェン系ゴム aの乳化分散液 (ジェン系ゴム 1 00部及びァロマオイル 37. 5部を含有する) 538. 5部を所定量としたと きのその 30%に相当する量 (21%のジェン系ゴム 143部及びァロマオイル 11. 3部) の乳化分散液を攪拌しながら、 上記アルミニウム含有懸濁液を添加 して混合し、 クラムを生成させた。 次いで、 先の残りの 70%に相当する量の乳 化分散液を添加、 混合して更にクラムを得た。 このときの混合液の pHは 7. 7 であった。 その後、 10 %の硫酸を添加して混合液の p Hを 7とし、 凝固を完結 させた。 このとき pH調整に要した時間は約 3分であった。 得られたクラム含有 溶液の上澄みは透明であり、 凝固物は全て沈降し、 ジェン系ゴムと水酸化アルミ 二ゥムが共凝固していることが確認できた。
得られた凝固物をろ別、 更に水洗後、 熱風乾燥機で乾燥させ、 油展ジェン系ゴ ム ·水酸化アルミニウム複合体を得た。 上記実施例 186と同様にして、 水酸化 アルミニウム/硫酸アルミニウム =30Z10 (ph r) を得た (表 37参照)
比較例 124
2. 4%のアルミン酸ナトリウム水溶液 (A 12〇3換算では 0. 9%) 257 0部に、 油展ジェン系ゴム aの乳化分散液 (ジェン系ゴム 100部及びァロマオ ィル 37. 5部を含有する) 538. 5部を所定量としたときのその 30%に相 当する量 (ジェン系ゴム 30部及びァロマオイル 11. 3部を含有) の乳化分散 液を添加して混合し、 クラムを生成させた。 その後、 先の残りの 70%に相当す る量の乳化分散液を添加、 混合して更にクラムを生成させた。 このときの混合液 の pHは 12であった。 次いで、 10%の硫酸を添加して pHを 4とし、 凝固を 完結させた。 このとき pH調整に要した時間は約 5分であった。 得られたものは 、 浮遊物 (ジェン系ゴム) が多量に存在し、 一方、 凝固物は不均一なものであつ た。 比較例 125
10 %の硫酸の添加時間を 20分にした以外は 上記比較例 124と同様にし て凝固した。 この塲合、 ジェン系ゴムの浮遊物がわずかに見られるものの、 凝固 物の大半は沈降していた。 上記と同様にして水酸化アルミニウム Z硫酸アルミ二 ゥム =30Z21 (phr) を得た (表 37参照) 。
表 37
insitu (V―), pH7 実施例 191
油展ジェン系ゴム a
水酸ィ匕アルミニウム (phr) 30
硫酸アルミニウム (phr) 10
歩留まり(%) 75
評 TB(MPa) 24.5
価耐摩耗性 187
insitu (V), pH4 比較例 125
a
水酸化アルミニウム (phr) 30
硫酸アルミニウム (phr) 21
歩留まり(%) 59
評 TB(MPa) 22.4
価耐摩耗性 144
by
6-3. i n—s i t u (V I) による方法
実施例 192
表 35に示した複合体構成 (v i) とするために、 3. 0%の硫酸アルミニゥ ム水溶液 ( A 12〇 3換算 = 0. 9%) 2660部に水酸化ナトリウム 95部を添 加して pHl 4に調整した水溶液に、 10%の硫酸 500部を添加し、 pH7に 調整して水酸化アルミニウムを主成分とするアルミニウム含有懸濁液を得た。 そ の後、 このアルミニウム含有懸濁液に、 油展ジェン系ゴム aの乳化分散液 (ジェ ン系ゴム 100部及びァロマオイル 37. 5部を含有する) 538. 5部を添加 し、 攪拌機を用いて混合し、 クラムを生成させた。 このときの混合液の pHは 7 . 7であった。 次いで、 10%の硫酸を添加して混合液の pHを 7とし、 凝固を 完結させた。 このとき pH調整に要した時間は約 3分であった。 得られたクラム 含有溶液の上澄みは透明であり、 凝固物は全て沈降し、 ジェン系ゴムと水酸化ァ ルミ二ゥムが共凝固していることが確認できた。
得られた凝固物をろ別、 更に水洗後、 熱風乾燥機で乾燥させ、 油展ジェン系ゴ ム ·水酸化アルミニゥム複合体を得た。 上記実施例 186と同様にして水酸化ァ ルミニゥム /硫酸アルミニウム =30/13 (ph r) を得た (表 38参照) 。 比較例 126
3. 0%の硫酸アルミニウム水溶液 (A 1203換算=0. 9%) 2660部に 水酸化ナトリウム 95部を添加して p HI 4に調整した水溶液に、 油展ジェン系 ゴム aの乳化分散液 (ジェン系ゴム 100部及びァロマオイル 37. 5部を含有 する) 538. 5部を添加し、 攪拌機を用いて混合した。 このときの混合液の p Hは 12 13であった。 その後、 10%の硫酸を添加して、 pH4に調整し、 凝固を完結させた。 このとき p H調整に要した時間は約 5分であつた。 得られた ものは、 ジェン系ゴムと思われる浮遊物が多量に存在し、 不均一なものであった
比較例 127
0 %の硫酸の添加時間を 20分にした以外は、 上記比較例 126と同様にし
て凝固した。 この場合、 ジェン系ゴムの浮遊物がわずかに見られるものの、 凝固 物の大半は沈降していた。 上記と同様にして水酸化アルミニウムノ硫酸アルミ二 ゥム =30 25 (phr) を得た (表 38参照) 。 表 38
7. ゴム組成物の調製
上記実施例 186〜 192並びに比較例 121〜 123, 125及び 127に おいて製造された複合体と、 上記配合剤とを用い、 表 4の配合処方 Α及び Β、 並 びに上記 2段階の混練工程に従ってゴム組成物を得た。 尚、 本ゴム組成物におい て、 表 4における 「無機化合物」 は、 複合体に含有される水酸化アルミニウムを 意味する。 比較例 128〜 130
油展ジェン系ゴム a、 e、 又は非油展ジェン系ゴム kと、 市販の水酸化アルミ ニゥム粉末 (昭和電工社製、 商品名 「ハイジライト H— 43 M」 、 平均粒径 0. 6 rn) と、 を用いて表 4の配合処方に従い、 ドライブレンドによりゴム組成物 を得た。
8. 性能評価
上記で得られたゴム組成物を上記 4と同様の評価を行い、 その結果を表 36 39に示した。
表 39
9. 実施例 186〜 192の効果
9-1. 水酸化アルミニウムの純度について
表 36より、 油展ジェン系ゴムを用いた i n— s i t u (IV) による製造に おいて、 pH4に調整されたアルミニウム含有液を用いた比較例 121及び比較 例 122は、 7K酸化アルミニウム 30部に対する硫酸アルミニウムの生成量が 2 0〜21部と多く、 歩留まりが 60¾ '程度であった。 また, H5. 5に調整さ れたアルミニウム含有懸濁液を用いた実施例 189及び実施例 190は、 水酸化 アルミニウム 30部に対する硫酸アルミニウムの生成量が 15部とわずかに改善 された。 一方、 p H 7に調整されたアルミニウム含有溶液を用いた実施例 186 及び実施例 187は、 水酸化アルミニウムの純度が増大し、 その 30部に対する 硫酸アルミニウムの生成量が 10部と少なかった。
また、 非油展ジェン系ゴムを用いた場合においても、 比較例 123では、 pH 4に調整されたアルミニウム含有液を用い、 歩留まりは 61 %と低かったのに対 し、 pH 7とした実施例 188では、 77 %にまで増大した。
表 37より、 i n— s i t u (V) による製造において、 pH4に調整された アルミニウム含有液を用いた比較例 125は、 水酸化アルミニウム 30部に対す る硫酸アルミニウムの生成量が 21部と多かった。 一方、 pH7に調整されたァ ルミニゥム含有溶液を用いた実施例 191は、 硫酸アルミニウムの生成量が 10 部と少なく、 水酸化アルミニウムの純度が増大した。 また、 表 38より、 i n— s i t u (V I) による製造において、 PH4に調整されたアルミニウム含有溶
液を用いた比較例 1 2 7は、 水酸化アルミニウム 3 0部に対する硫酸アルミニゥ ムの生成量が 2 5部と多かった。 一方、 PH 7に調整されたアルミニウム含有溶 液を用いた実施例 1 92は、 硫酸アルミニウムの生成量が 1 3部と少なく、 7j酸 化アルミニウムの純度が増大した。
9-2. 加硫ゴムの性能評価について
表 36〜3 9に示した評価結果をまとめたものを表 40に示した。 この表 40 より、 対応する比較例と比べて、 本実施例の場合は、 いずれも、 不純物である硫 酸アルミニウムが少ないために、 TB値 (引張強度) が高く、 耐摩耗性に優れるこ とが分かる。 例えば、 i n— s i t u (I V) による製造において得られた油展 ジェン系ゴム aを用い、 表 4の配合処方 Aにより調製したゴム組成物から得られ た加硫ゴムは、 pHが高くなるほど TBが 2 1. 1→24. 2→24. 8MP aと 向上し、 同時に、 耐摩耗性も 146→1 69→1 8 8 (ドライブレンドのデ一タ を 1 00とした指数) と向上した。 他の実施例についても同様の傾向が確認され る。
発明の効果
本発明によれば、 無機化合物の分散性の高いジェン系ゴム ·無機化合物複合体 を高い生産性をもって製造することができる。 凝固工程によって得られる複合体
のクラム径の大きさが 5 mm以上と大きいため、 ジェン系ゴム .無機化合物複合 体の製造時の作業性が一層向上する。 また、 本製造:^法により得られたジェン系 ゴム ·無機化合物複合体を用いることによって、 耐摩耗性等ゴム特性に優れたゴ ム製品を与えるゴム組成物を提供することができる。
また、 他の本発明によれば、 水酸化アルミニウムが高純度で且つ均一に分散す るジェン系ゴム ·無機化合物複合体を高い生産性をもって製造することができる。 アルミニウム含有懸濁液の p Hを 5 . 1〜8 . 4 (弱酸性〜中性〜弱アルカリ 性) に調整することで、 作業性、 安全性に優れ、 硫酸アルミニウム (A l 2 ( S O 4) 3) 等の不純物の生成量を低下させ、 水酸化アルミニウムを高純度で生成させ ることができる。 産業上の利用可能性
本発明により得られるジェン系ゴム ·無機化合物複合体は、 タイヤトレツド等 のタイヤ用ゴムの他 ベルト、 ゴムロール、 ホース等の各種ゴム製品の原料等と して好適である。