WO2003037725A1 - Blow-molded container - Google Patents

Description

プロ一成形容器

技術分野 明

本発明は、 定形の外殻を形成する外層内に、 変形自在な内袋を形成す 田

る内層を剥離自在に積層形成し、 外観形^を変化させることなく、内容 液の注出使用を可能とした積層剥離合成樹脂製プロ一成形容器に関する ものである。

背景技術

定形の外殻を形成する外層内に、 変形自在な内袋を形成する内層を剥 離自在に積層して構成した、 一般にデラミポトルと称されるブロー成形 壜体である積層剥離合成樹脂製容器が知られている。

このプロ一成形された積層剥離合成樹脂製容器は、 相溶性の殆どない 外層パリソンと内層パリソンとを共押出しで積層パリソンに押出し成形 し、 この積層パリソンをブロー成形して得られるが、 ブロー金型のピン チオフ部で押し潰し成形される底シール部分は、 基本的には相溶性の殆 どない外層部分と内層部分との積層構造となるため、 外層部分に容易に 底割れが発生すると云う不満があつた。

この不満を解消する従来技術として、 ブロー金型のピンチオフ部によ り偏平に押し潰されて成形される底シール部を、 一対のリプ片を重合圧 着してパーテイングラインに沿った突条状に成形し、この突条状物に、 一対のリブ片の一方から他方に食い込む食い込み部を複数設けて構成し た技術 （特開平 8— 2 1 6 2 3 8号公報参照） がある。

この従来技術は、 底シール部を高さ幅を有する突条状とすることによ り、 底シール部における外層と内層との圧着面積を大きくし、 また複数 の食い込み部を設けることにより、外層と内層との圧着面積をさらに増 大させるばかりでなく、 圧着面に平行する剪断力に対する抗カを飛躍的 に高め、 これにより底割れの発生し難い、 機械的強度の高い底シール部 を得ることを可能としている。

しかしながら、 上記した従来技術にあっては、容器のブロー成形完了 後における底部の経時収縮の影響により、 底シール部に底割れが発生す る場合があり、 特に大型の容器にあっては、 内容液を充填した状態で落 としたり、衝撃を与えたりすると、底割れがしばしば発生する、 と云う問 題があった。

それゆえ、 この種のブロー成形容器は、 金型内で収縮、 すなわち冷却 収縮を完了させる必要があるが、 底シール部は大きな高さ幅と厚みとを 有するので、 その体積が大きなものとなり、 このため冷却に長時間を要 し、 容器の生産効率をきわめて低いものとしてしまう、 と云う問題があ つた。

そこで、 本発明は、 上記した従来技術における問題点を解消すべく創 案されたもので、 底シール部の体積を増大させることなく、 底シール部 における外層同士の強固な接着を達成することを技術的課題とし、 もつ て底部の座機能の低下のない、 また生産効率を高くし、 強度おょぴ経済 性に優れた積層剥離合成樹脂製プロ一成形容器を提供することを目的と する。 発明の開示

本発明のうち、 請求項 1記載の発明の手段は、 ブロー成形により、 定形の外殻を形成する合成樹脂製の外層と、 この外 層と剥離自在に積層され、 内袋を形成する可撓性合成樹脂製の内層と、 外層と内層とを、 全高さ範囲に亘つて接着固定し、 容器の中心軸に関し て略対称に、 かつ外層に形成された、 外層と内層との間に外気を侵入さ せる吸気孔を避けて位置した縦帯状の一対の接着帯とから形成すること、 一対の接着帯を、 パーテイングラインを境として、 互いに反対側に位置 させると共に、 容器の底部のプロ一割金型のピンチオフ部により扁平に 押し潰されて成形される底シール部において、 両接着帯の下端縁を突き 合わせ状に対向位置させること、 にある。

請求項 1記載の上記構成により、 容器は、 通常のピンチオフ部構造を 有するプロ一金型、 すなわちプロ一成形割り金型でブ口一成形されるの で、 底部に形成される喰い切り部である底シール部は、 通常のブロー成 形品と同様に、 低い突出高さの突条状となる。

このように、 この底シール部の体積は、 通常のプロ一成形品の底シー ル部と同様に、 充分に小さいので、 容器の離型に際しての、 底シール部 に対する冷却は、 速やかにかつ充分に達成できることになる。

両接着帯は、 その下端縁を、 底部の底シール部に位置させているので、 この接着帯の下端縁が位置した底シール部部分では、 接着帯の下端縁の 幅範囲で外層と内層とが強固に接着固定された状態となる。

ここで、 底シール部において両接着帯の下端縁を突き合わせ状に対向 位置させているので、 底シール部の中央部において両接着帯の下端縁の 位置する部分と、 両接着帯の間の部分を合わせた範囲全体において外層 と内層が固定され、 外力による変形が規制される。

この中央部の両接着帯の下端縁の位置する範囲全体と底シール部の左 右端部が、 外層と内層からなる積層体の底シール部における変形に対し て結節点の機能を果たし、 底シール部の、 接着帯のない部分においても、 外層および内層単独での変形は抑制され、 その結果、 底シール部になん らかの力が負荷された状態でも、 この力に対抗することができ、 底シー ル部の割れを確実に防止することが可能となる。

請求項 2記載の発明の手段は、 請求項 1記載の発明において、 両接着 帯の下端縁を、 最大で、 間に撓み変形をほとんどしない程度の内層部分 が形成するまでずらして対向位置させること、 にある。

請求項 2記載の上記構成により、 両接着帯の下端縁は、 底部の底シー ル部に、 最大で、 間に撓み変形を殆どしない程度の内層部分が位置する までずらして位置しているので、 底部の底シール部において、 接着帯に より接着固定される外層と内層の幅は、 一つの接着帯の幅ではなく、 両 接着帯のずれた下端縁が位置する範囲全体となり、 底シール部の広い範 囲を接着固定部分とすることができる。

上記のような接着固定部分と底シール部の左右端部の 3ケ所が、 外層 と内層からなる積層体の底シール部における変形に対して結節点の機能 を果たし、 底シール部の、 接着固定部分以外の部分においても、 外層お よび内層単独での変形は抑制され、 その結果、 底シール部になんらかの 力が負荷された状態でも、 この力に対抗することができ、 底シール部の 割れを防止することが可能となるが、 広い範囲を接着固定部分とするこ とが可能であり、 結節点としての機能が確実に発揮され、 外層おょぴ内 層単独での変形を効果的に抑制するので、 充分な割れ防止効果を得るこ とができる。

底部の底シール部における両接着帯の下端縁のずれは、 この両下端縁 がその一部を突き合せなければならない、 と云うことはなく、 最大で、 間に橈み変形を殆どしない程度の内層部分が位置するまで許容される。 すなわち、 底部の底シール部において、 両接着帯の下端縁が、 その間 に、 撓み変形を殆どしない程度の内層部分を位置させてずれた場合、 両 下端縁の間に位置した内層部分が殆ど撓み変形しないのであるから、 各 接着帯で接着固定された部分は、この殆ど撓み変形しない内層部分で略 不動に結合されることになり、 接着帯で接着固定される底シール部部分 の姿勢を、 妄りに変形させることなく、 安定して一定に保持する。 なお、 底部の底シール部における両接着帯の下端縁のずれが、 その間 に、 橈み変形が容易である程度の内層部分が位置するまで拡大すると、 各接着帯で接着固定された部分の、 間に位置した内層部分による不動な 結合が不可能となり、 底シール部の姿勢が不安定となる。

請求項 3記載の発明の手段は、 請求項 1記載の発明において、 一方の 接着帯の下端縁全幅を反対側の接着帯の下端縁と一対一で突き合わせ状 となるように対向位置させること、 にある。

請求項 3記載の上記構成により、 2本の接着帯を、 パーティングライ ンを境として、 互いに反対側に位置させると共に、底シール部における 一方の接着帯の下端縁全幅を、 反対側の接着帯の下端縁と一対一で突き 合わせ状に位置させており、 この突き合わせ部分では、 パーティングラ ィンの両側の外層とこの両外層に挟まれる内層は、 接着帯の下端縁の幅 の範囲で、 接着帯を介して強固に接着固定された状態となる。

上記のように、 内層と外層が強固に接着した部分を形成することによ り、 この接着部分と底シール部の左右端部の 3ケ所が、 外層と内層から なる積層体の底シール部における変形に対して結節点の機能を果たし、 底シール部の、 接着帯のない部分においても、 外層および内層単独での 変形は抑制され、 その結果、 底シール部になんらかの力が負荷された状 態でも、 この力に対抗することができ、 底シール部の割れを確実に防止 することが可能となる。

また、 全高さ範囲に！:つて略軸対称に位置した接着帯は、 内層の萎み 変形を規制する機能を果たし、 また接着帯によって、 左右対称に一対の 接着されていない内層部分 （以下、 内層非接着部と記す） ができるが、 この内層非接着部の萎み変形を対称的に進行させることが可能となり、 内容物の注出をスムーズに達成することができる。

請求項 4記載の発明の手段は、 請求項 1、 2または 3記載の発明にお いて、 接着帯を容器の中心軸に関して、 パーテイングラインの位置から 略 9 0 ° 変位した位置に形成することにある。

請求項 4記載の上記構成により、 接着帯を底シール部の長さ方向の略 中央部に位置させることにより、 結節点としての機能が最も効果的に発 揮され、 外層おょぴ内層単独での変形をより効果的に抑制するので、 割 れ防止の効果を大きくすることができる。

請求項 5記載の発明の手段は、 請求項 1、 2、 3または 4記載の発明 において、 吸気孔を、 容器の中心軸に関して略軸対称に、 パーティング ラィン近傍の 2箇所の外層部分に設けること、 にある。

請求項 5記載の上記構成により、 外気がパーティングライン近傍に設 けられた吸気孔から浸入するので、 内層非接着部の萎み変形をより対称 的に進行させることが可能となり、 内容物の注出をスムーズに達成する ことができる。

請求項 6記載の発明の手段は、 請求項 1、 2、 3、 4または 5記載の 発明において、 吸気孔を、 口筒部の外層部分に設けること、 にある。 請求項 6記載の上記構成により、 吸気孔を、 キャップで覆われる口筒 部に開設するので、この吸気孔が容器の外観を劣化させることがなく、ま たこの吸気孔を後加工で切り取り成形するに際して、 口筒部における内 層部分の肉厚が大きいので、 この吸気孔の切り取り成形を、 内層部分に 穴を開けることなく、 容易に行うことができる。 図面の簡単な説明 図 1は、 本発明の第 1実施例を示す、 一部破断した全体斜視図である _c 図 2は、 図 1に示した実施例の、 平断面図である。

図 3は、 図 1に示した実施例の、 底面図である。

図 4は、 図 1に示した実施例の、 底部拡大縦断面図である。

図 5は、 図 4中の、 底シール部の拡大図である。

図 6は、 本発明の第 2実施例を示す、 底面図である。

図 7は、 図 6中の、 底シール部の拡大図である。

図 8は、 本発明の第 3実施例を示す、 一部破断した全体斜視図である _c 図 9は、 図 8に示した実施例の、 平断面図である。

図 1 0は、 図 8に示した実施例の、 底面図である。

図 1 1は、 図 8に示した実施例の、 底部拡大縦断面図である。

図 1 2は、 図 1 1の、 底シール部の拡大図である。

図 1 3は、 図 1 0中の、 底シール部の拡大図である。

図 1 4は、 図 9に示した平断面図で、 内層の変形の推移を示した説明 図である。 発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明の実施の形態を、 図面を参照しながら説明する。

図 1ないし図 5は、 本発明による容器 1の第 1実施例を示すもので、 この容器 1は、 ポリエチレン、 ポリプロピレン等の合成樹脂材料で、 必 要とする自己形状保持能力を持たせた外殻体として成形された外層 2と、 ナイロン、 エチレンビニノレアノレコーノレ共重合体、 ポリエチレンテレフタ レート等の外層 2に対して相溶性の低い合成樹脂材料で、 撓み変形が自 在な袋状に成形された内層 3と、 外層 2および内層 3に対して充分な接 着性を発揮する接着性樹脂で成形され、 容器 1の全高さ範囲に亘つて設 けられた縦細帯状の一対の接着帯 4とを積層させたブロー成形容器であ る。

この容器 1の胴部 6は円筒形状をしており、 胴部 6の上端に起立連設 され、 外周面に螺条を刻設した口筒部 7の左右の外層 2部分には、 外気 を外層 2と内層 3との間に導入するための吸気孔 9が開設されており、 両接着帯 4は、 この吸気孔 9に対して略中心角 9 0 ° 変位した箇所に位 置しており、 胴部 6の下端には、 球弧状に陥没した底壁を有する底部 8 が連設されている。

底部 8 (図 3、 図 4参照） は、 底壁の周囲に、 容器 1の脚部を形成し、 この底壁の下面中央に、 パーティングライン 5上に位置して底壁を略横 断する、 ブロー金型のピンチオフ部で押し潰し喰い切り成形された、 底 シール部 1 0を形成した構成となっている。

容器 1のブロー成形は、外層 2となる外筒と、 この外筒の内側に位置 する内層 3となる內筒と、 外筒と内筒との間の、 対称位置に一対設けら れた縦細帯状の接着帯 4とを共押出ししてパリソンを押出し成形し、 こ のパリソンをプロ一成形割り金型で容器 1にブロー成形する。

この容器 1のプロ一成形に際して、 ノ リソンは、 その中心軸から略プ ロー成形割り金型の型締め方向に、 一対、 2本の接着帯 4を位置させる ように、 プロ一成形割り金型に対する姿勢が設定されているので、 図 3 に示すように、 両接着帯 4は、 底部 8のパーテイングライン 5上に位置 する底シール部 1 0まで達することになり、 このため図 4および図 5に 示すように、 喰い切り部である底シール部 1 0の、 両接着帯 4が位置す る中央部分における外層 2と內層 3とは、 接着帯 4により強固に接着固 定される。

本第 1実施例の場合は図 3に示されるように、 底シール部 1 0におけ る両接着帯 4は、 互いに隣接する位置にずれているので、 底シール部 1 0において、 接着帯 4の接着固定作用により、 相互に不動となる外層 2 部分と内層 3部分の幅は、 接着帯 4の幅の 2倍となる。

図 6およぴ図 7は本発明による容器 1の第 2実施例を示すもので、 底 シール部 1 0における両接着帯 4を、 その下端縁間に撓み変形を殆どし ない程度の内層部分 1 1を位置させるまでずらして配置したもので、 内 層部分 1 1が殆ど橈み変形しないのであるから、 底シール部 1 0におい て、 各接着帯 4で別々に接着固定される部分は、 この殆ど橈み変形しな い内層部分 1 1により、 殆ど一体的に連結されることになる。

なお、 吸気孔 9は、 周方向に沿って、 両接着帯 4から等距離となる、 略パーティングライン 5上に位置させるのが、 内層 3の萎み変形を円滑 にかつ良好に行わせるのに有利である。

図 8ないし図 1 4は、 本発明による容器 1の第 3実施例を示すもので、 この容器 1は、 ポリエチレン、 ポリプロピレン等の合成樹脂材料で、 必 要とする自己形状保持能力を持たせた外殻体として成形された外層 2と、 ナイ口ン、 ェチレンビュルアルコール共重合体、 ポリエチレンテレフタ レート等の外層 2に対して相溶性の低い合成樹脂材料で、 撓み変形が自 在な袋状に成形された内層 3と、 外層 2および内層 3に対して充分な接 着性を発揮する接着性樹脂で成形され、 容器 1の全高さ範囲に亘つて設 けられた縦細帯状の 1対、 計 2本の接着帯 4とを積層させたブロー成形 容器である。

この容器 1の胴部 6は円筒形状をしており、 胴部 6の上端に起立連設 され、 外周面に螺条を刻設した口筒部 7の左右のパーティングライン 5 の位置の外層 2部分には、 外気を外層 2と内層 3との間に導入するため の吸気孔 9が開設されている。

パーテイングライン 5に対して略中心角 9 0 ° 変位した箇所に、 一対、 2本の接着帯 4が位置している。

胴部 6の下端には、 球弧状に陥没した底壁を有する底部 8が連設され ており、 この底部 8 (図 1 0、 図 1 1参照） は、 底壁の周囲に、 容器 1 の脚部を形成し、 この底壁の下面中央に、 パーテイングライン 5上に位 置して底壁を略横断する、 プロ一金型のピンチオフ部で押し潰し喰い切 り成形された、 底シール部 1 0を形成した構成となっている。

容器 1のブロー成形は、外層 2となる外筒と、 この外筒の内側に位置 する内層 3となる内筒と、 外筒と内筒との間の、 軸対称位置に一対設け られた縦細帯状の接着帯 4とを共押出ししてパリソンを押出し成形し、 このパリソンをブロー成形割り金型で容器 1にプロ一成形する。

この容器 1のブロー成形に際して、 パリソンは、 その中心軸からプロ 一成形割り金型の型締め方向に、 一対、 2本の接着帯 4を位置させるよ うに、 プロ一成形割り金型に対する姿勢が設定されおり、 図 1 0に示す ように、 接着帯 4は、 底部 8のパーテイングライン 5上に位置する底シ ール部 1 0まで達する。

また、 パーテイングライン 5を境として互いに反対側に位置する、 2 本の接着帯 4は、 図 1 0およぴ図 1 3に示すように、 底シール部 1 0の 略中央部において、 その一方の下端縁の全幅が反対側の下端縁に一対一 で突き合わせ状に位置する （以下、 この 2本の接着体が突き合わせ状に 位置する部分を、 突き合わせ部 1 2と記す） 。

このため、 図 1 2およぴ図 1 3に示すように、 喰い切り部である底シ ール部 1 0の、 突き合わせ部 1 2部分における、 パーテイングライン 5 の両側の外層 2とこの両外層 2に挟まれる内層 3とは、 接着帯 4により 強固に接着固定されおり、 またその位置が底シール部 1 0の略中央部に 位置しているので、 底シール部 1 0全域に亘つて、 内層 3あるいは外層 2の単独の変形は抑制され、 その結果、 底シール部 1 0の割れの発生を 確実に防止することができる。

また、 本第 3実施例では、 一対の吸気孔 9を、 軸対称に、 口筒部 7の パーテイングライン 5上に位置させており、 内圧の減少、 あるいは内容 物 1 3の減少等による内層 3の萎み変形は、 パーテイングライン 5に対 して略中心角 9 0 ° 変位した位置に形成される一対の接着帯 4が変形を 規制する機能を果たしながら、 2つの内層非接着部 1 4で対称的に進行 するので、 流動通路を確保しスムーズな注出性を保持しながら、 内容物 1 3を略使い切ることが可能となる （図 1 4参照） 。

なお、 上記した第 1実施例〜第 3実施例においては、 2ケの吸気孔 9 を軸対称に口筒部 7のパーテイングライン 5上に配置した構成であるが、 本発明はこの配置に限定されるものでなく、 使用目的、 加工性の難易度 からその個数、 場所を選択することができる。

また、 上記した第 1実施例〜第 3実施例においては、 容器 1を外層 2 と内層 3との二層構造として説明したが、内層 3は単層構造に特定され るものではなく、例えば外側に外層 2との剥離性を有する合成樹脂製の 層を、 そして内側に耐内容液性に優れた合成樹脂製の層を積層したもの としても良いことは云うまでもない。 発明の効果

本発明は、 上記した構成となっているので、 以下に示す効果を奏する。 請求項 1記載の発明にあっては、 容器の底部の底シール部に対する冷 却を、 速やかにかつ充分に達成できるので、 容器の生産サイクルを、 通 常のプロ一成形製品と同程度まで高めることができる。

また、 金型冷却効率を考慮した、 特殊な金型を用いる必要がなく、 通 常の金型を使用することができるので、 設備費の大幅な低減を達成でき る。

また、 底シール部の外層と內層とを、 接着帯の幅あるいは接着帯の幅 以上の幅範囲で、 接着帯により接着固定することができるので、 外層と 内層とを剥離自在な合成樹脂材料で成形したことによる、 底部の機械的 強度の低下を確実に防止することができる。

請求項 2記載の発明にあっては、 底シール部の外層と内層とを、 接着 帯の幅以上の幅範囲で、 接着帯により接着固定することができるので、 外層と内層とを剥離自在な合成樹脂材料で成形したことによる、 底部の 機械的強度の低下を確実にそして十分に防止することができる。

請求項 3記載の発明にあっては、 底シール部において外層と内層とを、 接着帯で強固に接着固定することができるので、 外層と内層とを剥離自 在な合成樹脂材料で成形したことによる、 底シール部の機械的強度の低 下を確実に防止することができる。

請求項 4記載の発明にあっては、 接着帯を容器の中心軸に関して、 パ 一ティングラインの位置から略中心角 9 0 ° 変位した位置に形成するこ とにより、 接着帯を底シール部の長さ方向の略中央部に位置させること ができ、 接着による底シール部の割れ防止の効果を大きくすることがで さる。

請求項 5記載の発明にあっては、外気がパーティングライン近傍に設 けられた吸気孔から浸入するので、 内層非接着部の萎み変形をより対称 的に進行させることが可能となり、 内容物の注出をスムーズに達成する ことができる。

請求項 6記載の発明にあっては、 容器の外観体裁に悪影響を与えるこ となく、 吸気孔を開設することができると共に、この吸気孔を安全にか つ簡単に、 後加工により開設成形することができる。

Claims

請求の範囲

1 . プロ一成形により、 定形の外殻を形成する合成樹脂製の外層 (2)と、 該外層 (2)と剥離自在に積層され、 内袋を形成する可撓性合成樹脂製の 内層 (3)と、 前記外層 (2)と內層 (3)とを、 全高さ範囲に亙って接着固定し、 容器 (1)の中心軸に関して略対称に、 かつ前記外層 (2)に形成された、 該 外層 (2)と内層 (3)との間に外気を侵入させる吸気孔 (9)を避けて位置した 縦帯状の一対の接着帯 (4)とから形成され、 該一対の接着帯 (4)を、 パー ティングライン (5)を境として、 互いに反対側に位置させると共に、 前記容器 (1)の底部 (8)のプロ一割金型のピンチオフ部により扁平に押し 潰されて成形される底シール部 (10)において、 前記両接着帯 (4)の下端 縁を突き合わせ状に対向位置させた、 プロ一成形容器。

2 . 両接着帯 (4)の下端縁を、 最大で、 間に橈み変形をほとんどしない 程度の内層部分 (11)が形成するまでずらして対向位置させた、 請求項 1 記載のブロー成形容器。

3 . 一方の接着帯 (4)の下端縁全幅を反対側の接着帯 (4)の下端縁と一対 一で突き合わせ状となるように対向位置させた、 請求項 1記載のブロー 成形容器。

4 . 接着帯 (4)を容器 (1)の中心軸に関して、 パーテイングライン (9)の位 置から略 9 0 ° 変位した位置に形成した、 請求項 1、 2または 3記載の ブロー成形容器。

5 . 吸気孔 (9)を、 容器 (1)の中心軸に関して略軸対称に、 パーティング ライン (5)近傍の 2箇所の外層 (2)部分に設けた請求項 1、 2、 3または 4記載のブロー成形容器。

6 . 吸気孔 (9)を、 口筒部 (7)の外層 (2)部分に設けた請求項 1、 2、 3、 4または 5記載のプ口一成形容器。