WO2003008160A2 - Stapler apparatus - Google Patents

Description

【書類名】 明細書

【発明の名称】 ステ一ブル装置

【発明の詳細な説明】

【 0 0 0 1】

【発明の属する技術分野】

本発明は、 所定枚数積載されたシート束を、 モータ駆動による針打ち手段で綴 じ込むステ一ブル装置に関するものである。

【 0 0 0 2】

【従来の技術】

一般にシート束を緩じ針で自動的に綴じ合わせるステ一プル装置は、 固定フレ ームとこれに摇動自在に取り付けた可動フレームのどちらか一方に針打ち手段を、 他方に針の先端を折り曲げる針折曲げ手段を設け、 この固定フレームと可動フレ —ムがシ一ト束をクランプする過程で前記針打ち手段によって直線状の針をコ字 状に成形した後、 シート束に差し込み、 シート束を貫通した綴じ針の先端を針折 曲げ手段によって折り曲げるようになつている。 このような可動フレームがシー ト束をクランブする動作と、 針打ち手段が綴じ針をシ一ト束に差し込む動作とを 駆動モ一夕に連結したカム部材で行っている。 つまり、 所定の間隔を隔てて位置 する可動フレームを固定フレーム側に接近させ、 シート束の表面に接した後、 綴 じ針を揷入させるようになつていて、 この可動フレームには針打ち手段が装備さ れる場合と針折曲げ手段が装備される場合とがそれそれ知られている。

[ 0 0 0 3】

前記:いずれの場合であっても、 可動フレームは固定フレームに対して所定の閬 隔.を設けて位置し、 シート束を固定フレーム上にセッ ト した後、 固定フレーム側 に接近し、 シート束の表面に当接した状態で辍じ針を差し込む必要があり、 この シート束を挟むクランプ動作をカム部材で実行させている。 したがって、 この力 ム部材と可動フレームとはレバーなどの伝動部材を介して連結する必要があるが、 常に一定であるカム部材のス トロ一クに対し、 可動フレーム側はホームポジショ ン （初期位置） からシート束表面に接するまでの移動量がシート束の厚さによつ て異なり、 厚い場合は小さく、 薄い場合は大きくなる。 従来このカム部材と可動 フレームとの連結は、 例えば、 特開平 9一 1 6 9 0 0 6号公報に開示されている ように、 カム部材に一端を係合し、 他端を可動フレームに係合した伝動部材を設 け、 この伝動部材でカムの変位を他端の可動フレームに伝達している。 そこで、 この伝動部材に通常はレバー部材を固定フレームに回転自在に軸で取り付ける際 に、 伝動部材の軸を固定フレームに形成した長溝に挿入し、 この長溝内でこの軸 をスプリングによってカム面側に付勢している。 したがって、 可動フレームは何 の抵抗もないときは固定フレームの支軸を中心にカムによって揺動回転する。 こ のときのカムの変位は伝動部材がその軸を中心に回転して可動フレームに伝えら れ、 可動フレームのクランプ運動を生起させる。 前記可動フレームがシート束の 表面に当接してそれ以上動かなくなると、 上述のカム面の余剰の変位は、 伝動部 材の軸が長溝内をスプリングの力に抗して移動し、 可動フレームはシ一ト束と当 接した端部を中心にカム面と係合する他、 端部のみが移動するようになつている _c 【 0 0 0 4】

【発明が解決しょうとする課題】

このように、 従来の方法は駆動カムの変位を伝動部材の摇動で可動フレームに 伝える際に、 揺動する中心の軸を長溝内でスラス ト移動させることによってシー ト束の厚さによる移動量を調整しているため、 この軸が長溝内を円滑に移動せず に駆動系が口ヅクしてしまう欠点があった。 これは駆動カムから可動フレームの シ一ト柬に当接するまでの各部材のがたつきとシート束と可動フレームとの当接 状態によって伝動部材が回転運動とスラスト方向への運動を円滑に行えない現象 が頻発するためである。 特に駆動カムと伝動部材と駆動カムを支持する長溝を左 右に一対設けたものにあっては、 左右の長溝内に伝動部材の軸を貫通して回転の 中心とスラスト移動を行わせているため、 左右--対の各構成部品のばらつきによ つて、 先の不具合が助長される。

【 0 0 0 5】

そこで、 本発明は上述の欠点に鑑みてなされたもので、 シート束をクランプし て針打ち動作を行う際、 シ一ト束の厚さに閼係なく円滑にクランプ動作から針打 ち動作に移行できると共に、 故障の少ないステ一プル装置を提供することにある [ 0 0 0 6 ]

【課題を解决するための手段】

上記課題を解袂するために、 本発明の請求項 1に係るステ一プル装置は、 固定 フレームと、 この固定フレームに摇動自在に軸承した可動フレームと、 この固定 フレームと可動フレームの一方に装備した針打ち手段及び他方に装備した針の先 端を折り'曲げる針折曲げ手段と、 上記可動フレームを往復動させる駆動カム手段 とを備え、 上記固定フレームと可動フレームとの間にシート束をクランプして鏺 じるステ一プル装置において、 上記可動フレームに回動可能に軸承して取り付け られ、 一端が該フレームと当接する当接部を有する伝動部材と、 上記駆動カム手 段に連結され、 該駆動カム手段によって往復動する作動部材と、 前記伝動部材を 当接部が可動フレームに当接するよう付勢する付勢手段とをそれそれ設けると共 に、 この伝動部材に前記作動部材を該作動部材によって上記当接部が可動フレー ムから付勢手段に抗して離反するよう係合せしめたことを特徴とする。

【 0 0 0 7】

請求項 2に係る発明は、 固定フレ一ムと、 この固定フレームに揺動自在に軸承 した可動フレームと、 この固定フレームと可動フレームの一方に装備した針打ち 手段及び他方に装備した針の先端を折り曲げる針折曲げ手段と、 上記可動フレー ムを往復動させる駆動カム手段とを備え、 上記固定フレームと可動フレ一ムとの 間にシート束をクランプして綴じるステ一プル装置において、 上記固定フレーム に上記可動フレームを一点を中心に回動可能に軸支持し、 この可動フレームと当 接する当接部を有する伝動部材を適宜フレームに一点を中心に回動可能に軸支持 して設けると共に、 この伝動部材を上記当接部が可動フレームに当接するよう付 勢する付勢手段を設け、 この伝動部材に上記駆動カムを上記当接部が付勢手段に 抗して可動フレームから離反するように連結したことを特徴とすることを特徴と する。

【 0 0 0 8】

上記請求項 1及び 2の発明によれば、 シート束の厚みに応じた移動量調整を可 動フレームの揺動支点軸を移動せずに、 可動フレームに揺動可能に軸承した伝動 部材の回動を利用することで、 上記従来例のように可動フレームの摇動支点軸を 長溝内でスラスト移動する必要がなくなる。 このため、 軸が長溝内を円滑に移動 せずに駆動系がロヅクしてしまうといったことがない。 また、 単に摇動できさえ すればよいことから、 各構成部品のばらつき等に影響されずに円滑な作動を行う ことができる。

【 0 0 0 9】

請求項 3に係る発明は、 請求項 1記載のステ一プル装置において、 前記付勢.手 段を前記可動フレームと伝動部材との間に設けたバネ部材で構成したことを特徴 とする。

【 0 0 1 0】

この発明によれば、 可動フレームと伝動部材との間に設けたパネ部材が、 シ一 ト束の厚みによる移動量調整により引き延ばされ、 その反力がシ一ト束の挾持力 となる。 したがって、 一枚のシートを挟持した場合であっても、 そのシートに針 を打ち込むときにシ一トが逃げないよう最低必要な挟持力を同時に得ることがで ぎる。

【 0 0 1 1】

請求項 4に係る発明は、 請求項 1記載のステ一プル装置において、 前記付勢手 段を前記伝動部材と固定フレームとの間に設けたパネ部材で構成したことを特徴 とする。

【 0 0 1 2】

この発明によれば、 バネ部材が可動フレームと共に揺動することがないので配 置スペースが限られた場所でも容易に配設が可能である。

【 0 0 1 3】

請求項 5に係る発明は、 請求項 1又は 2記載のステーブル装置において、 前記 可動フレームと伝動部材とを前記固定フレームに距離を隔ててそれぞれ一対設け たことを特徴とする。

【 0 0 1 4】

この発明によれば、 一対の可動フレームと伝動部材とが固定フレームを挟んで 設けられ、 これらがパネ部材でそれそれ付勢されるので、 偏りがなく円滑な摇動 動作を行わせることができる。 【 0 0 1 5】

【発明の実施の形態】

以下、 添付図面に基づいて、 本発明に係るステ一プル装置の実施形態を詳細に 説明する。 ここで、 図 1は本発明に係るステ一プル装置全体を示す斜視図、 図 2 は前記ステ一プル装置の側面図、 図 3はドライパユニッ トの構成を示す要部斜視 図、 図 4は前記ドライバユニッ トの分解斜視図である。 また、 図 5はドライパュ ニヅ トとアンビルュニヅトの構成を示す要部斜視図、 図 6乃至図 8はアンビルュ ニッ トの駆動構成を示す要部図である。

【 0 0 1 6】

この実施形態におけるステ一プル装置 1 0は、 図 1及び図 2に示すように、 ス テープル装置 1 0の外形を構成するコ字状の固定フレーム 1 1と、 この固定フレ —ム 1 1に組み込まれ、 針打ち部材及び針折曲げ部材を駆動させる駆動カム手段 を備えたドライバュニヅト 2 0と、 固定フレーム 1 1に対して回転可能に支持さ れる可動フレームを備えたアンビルュニヅ ト 3 0と、 固定フレ一ム 1 1の後方に 着脱可能に配置されるステ一プル補給ュニヅト 4 0とを備えている。 前記ドライ パュ二、ソ ト 2 0は、 多数の綴じ針が帯状に連結されたシ一ト状の針帯から綴じ針 を 1個ずつ分離すると共に、 この分離された綴じ針をコ字状に成形し、 これを上 方に位翳するアンビルュニヅト 3 0との間に送り込まれたシート束を厚さ方向に 貫通して打込む構造となっている。 一方、 前記ドライパユニット 2 0に対向配置 されたアンビルユニッ ト 3 0は、 シート束に打込まれた綴じ針の両脚部を受け、 その両端を互いに内側に折り曲げるように成形して、 シート束を最終的に綴じ込 むように構成されている。

[ 0 0 1 7 ]

前記固定フレーム 1 1の後端には、 ステ一プル補給ュニヅ ト 4 0を装着するた めの装着部 1 2が設けられ、 また、 先端にはシー ト束を載置するためのシート台 1 3が設けられている。 さらに、 固定フレ一ム 1 1の内部には前記ステ一プル補 給ュニッ ト 4 0から送り出されるシ一ト状の辍じ針を打込むドライバュニヅ ト 2 0及びこのドライバュニヅ ト 2 0の駆動源となる駆動モータが組み込まれている _c 前記ステープル補給ュニッ ト 4 0は、 シ一ト状に連結された辍じ針を収めたカセ ット部 4 1 と、 このカセヅ ト部 4 1を収容するホルダ部 4 2とで構成され、 前記 固定フレーム 1 1の装着部 1 2に着脱可能に取り付けられる。 前記ドライパュニ ット 2 0を図 3乃至図 5に基づいて詳細に述べると、 このドライバュニヅト 2 0 は、 駆動モ一夕 2 1 , 減速ギア群 2 2、 第 1カム部材 2 3 , 第 2カム部材 2 4及 びドライバ部 6 0等で構成され、 前記減速ギア群 2 2、 第 1 カム部材 2 3及び第 2カム部材 2 4が隔壁によって内部が仕切られた筐体 2 5内に組み込まれ、 且つ 筐体 2 5の外壁及び隔壁に揺動可能に軸支持されている。 前記駆動モータ 2 1は 単一の ϋ Cモータで構成され、 その出力歯車 2 1 aに前記減速ギア群 2 2が取り 付けられる。 この減速ギア群 2 2は、 前記出力歯車 2 1 aに接する方から第 1減 速歯車 2 2 aと第 2減速歯車 2 2 b、 第 3減速歯車 2 2 cと第 4減速歯車 2 2 d、 第 5減速歯車 2 2 eと第 6減速歯車 2 2 f 及び第 7減速歯車 2 2 gとからなり、 前記第 6減速歯車 2 2 ΐが第 1カム部材 2 3を揺動するための最終段歯寧となつ ており、 前記第 7減速歯車 2 2 gが第 2カム部材 2 4を揺動するための最終段歯 車となっている。

【 0 0 1 8】

前記第 1カム部材 2 3， 第 2カム部材 2 4は、 いずれも同一部材で構成され、 駆動モー夕 2 1に対して並列に軸支持される。 これら第 1カム部材 2 3及び第 2 カム部材 2 4は、 前記最終段歯車である第 6減速歯率 2 2 f及び第 7減速歯車 2 2 gからの方向の異なった回転トルクを受ける駆動歯車 2 3 a , 2 4 aと、 シャ フ ト 2 3 b , 2 4 bを介して嵌合された偏心カム 2 3 c , 2 4 cと、 ドライバ部 6 0の往復動に変換するための回転カム 2 3 e , 2 4 eとで構成される。 前記偏 心カム 2 3 c， 2 4 cは略半円形状をしており、 その周面がアンビルユニッ ト 3 0を捣動させる駆動面となっている。 また、 この偏心カム 2 3 c , 2 4 cにはァ ンビルュニット 3 0内に設けられるクリンチ部を揺動するクリンチ摇動軸 2 3 d ₌ 2 4 dが突出して設けられる。一方、 前記回転カム 2 3 e , 2 4 eは、 前記偏心 カム 2 3 c , 2 4 cと係合ピン 2 3 f , 2 4 f によって軸支持され、 前記駆動歯 車 2 3 a , 2 4 aに同期して回転する。 この回転カム 2 3 e , 2 4 eの前面には 中心から離れた位懾にドライバ揺動ピン 2 3 g , 2 4 gが左右対称位置に立設さ れ、 このドライパ描動ピン 2 3 g , 2 4 gが、 ドライバ本体部 6 1に開設された スリヅ ト 6 2 a， 6 2 bに係合する。 以上説明したように、 前記第 1カム部材 2 3 , 第 2カム部材 2 4によって、 アンビルュニヅト 3 0、 クリンチ部 5 0、 ドラ ィバ部 6 0の動作を同時に行う。

[ 0 0 1 9 }

ドライバ部 6 0は図 3乃至図 5に示したように、 同一形状の横長スリッ ト 6 2 a , 6 2 bが左右一対形成されたドライバ本体部 6 1 と、 このドライバ本体部 6 1に直交して設けられる縦長形状のドライバへッ ド部 6 3とで構成されている。 前記ドライバへッド部 6 3は、 先端部 6 4が綴じ針の太さと略同じ厚みを有した 板状部材で形成され、 中心部の長手方向に後述する針成形部材 7 7を係合するた めの長孔 6 5と、 針打込みに際し針成形部材 7 7に係合して押し込むためのガイ ド用の板パネ 6 6 a , 6 6 bが設けられる。

[ 0 0 2 0 ]

上記構成からなるドライバ部 6 0は、 ドライバ本体部 6 1の各スリッ ト 6 2 a , 6 2 "bに係合しているドライバ摇動ピン 2 3 g , 2 4 gがー回転する間にドライ パへヅ ド部 6 3が上下に一往復してステ一プル動作を完了する。 このドライバ摇 動ピン 2 3 g , 2 4 gは、 ドライバ部 6 0に及ぼす作用点に偏りが起きないよう に左右対称に罱かれる。 このように、 ドライバ部 6 0は、 左右均等に配置された 回転カム 2 3 e , 2 4 eの回転によって順次作用点を移動しながら押し上げたり、 押し下げたりするので、 ドライバへヅ ド部 6 3が左右にぶれることがない。 この ため、 大量のシート束に対しても確実に辍じ針を貫通させることが可能である。

[ 0 0 2 1】

アンビルユニット 3 0は、 前記図 5で示したように、 シート束を押えるアンビ ル部 3 1 と、 このアンビル部 3 1の両端から延び、 前記固定フレーム 1 1の両サ イ ドを挾む一対の可動フレーム （以下、 アンビルアーム 3 2 a , 3 2 bという） とで構成されている。 前記アンビル部 3 1は平坦なシート押え面 3 3と、 このシ ―ト押え面 3 3の上にカパ一 3 4で覆われたクリンチ部とを備えている。 前記ァ ンビルアーム 3 2 a , 3 2 bは、 固定フレーム 1 1に軸支持される第 1の揺動支 点 3 5 a , 3 5 bを中心に揺動可能となっている。 なお、 このアンビル部 3 1は 通常の状態ではシ一ト束を挟み込めるよう前述したシ一ト台 1 3に対して開いた 位置に置かれるように、 アンビルアーム 3 2 a, 32 bの下端部と固定フレーム 1 1の下端部とが図 1及び図 2に示したような第 1パネ 3 6 a， 3 6 bによって 付勢されている。

【 0 0 2 2】

前記構成によるアンビルユニッ ト 3 0は、 図 3乃至図 5に示したように、 ドラ ィハ'ュニヅト 2 0内の偏心カム 2 3 c , 2 4 cの外周面に当接して揺動するアン ビル摇動軸 3 7と、 このアンビル摇動軸 3 7に当接される略くの字形状の伝動部 材 （以下、 作動レバ一 2 7 a, 2 7 bという） とを備える。 前記作動レハ'一2 7 a， 2 7 bは、 図 5及び図 6に示すように、 第 2の揺動支点 3 8 a, 3 8 bにァ ンビルアーム 3 2 a, 3 2 bの一端が軸承される。 そして、 前記作動レパ一 2 7 a, 2 7 bの一端は、 第 2パネ 3 9 a , 3 9 b付勢によって、 アンビルアーム 3 2 a, 3 2 bの一端に突出して設けた係合突起 2 8 a, 28 bに係合させている _£ 前記作動レバ一 2 7 a, 2 7 bの揺動は、 図 7に示すように、 偏心カム 2 3 c ,

24 cの外周面に当接するアンビル摇動軸 3 7によって行われる。 このアンビル 摇動軸 3 7は、 前記偏心カム 2 3 c , 24 cの- 回転によって前記偏心カム 2 3 c , 2 4 cの外周面に接しながら上下方向に一往復する。 このような上下方向の 往復動によって作動レパ一 27 a, 2 7 bが固定フレーム 1 1に付勢された第 1 パネ 3 6 a, 3 6 bに抗して押し下げられ、 前記第 1の摇動支点 3 5 a， 3 5 b を中心にアンビルアーム 3 2 a, 32 bが下降してシート台 1 3に積載されたシ 一ト束を挾持する。

【 0 0 2 3】

図 8はアンビル摇動軸の他の実施形態を示したものである。 この実施形態にお けるアンビル摇動軸 3 7 aは、 一対のシャフ ト 2 3 b, 2 4 bと平行に小型の口 —ラ 2 3 k， 2 4kを組み込み、 このローラ 2 3 k， 2 4 kを偏心カム 23 c , 24 cの外周面に接するように支持したものである。 このようなアンビル摇動軸

3 7 aにおいては、 ローラ 2 3 k， 2 4 kを配設したことで、 偏心カム 2 3 c， 2 4 cの回転がさらに円滑になると共に、 駆動時の騒音もさらに減少する。

【 0 0 2 4】

次に前記アンビルユニット 3 0の動作を図 9に基づいて説明する。 図の （a) - ( e ) は、 シート束をクランプする動作を一対のアンビルァ一ム 3 2 a及び作 動レバー 2 7 aの動きを中心に模式的に表したものである。 ここでは、 片側の構 成部材及び符号に従って説明するが、 他方の構成部材の動作も同様である。 次に 示す （a ) ~ ( G ) は、 シート束を挟持する際の動作を説明したものである。 ( a ) この状態はシート柬をクランプする前の状態で、 アンビル部 3 1がシ一 ト台 1 3から最も離れた位置で停止している。 この状態のアンビルアーム 3 2 a は、 アンビル摇動軸 3 7が前述した偏心カム 2 3 cのカム面から逃げた位置にあ るため、 第 1の揺動支点 3 5 aを中心に時計方向に第 1バネ 3 6 aで揺動付勢さ れる。 アンビル摇動軸 3 7は、 前記アンビルァ一ム 3 2 aと共に第 2の揺動支点 3 8 aを中心に軸承され、 第 2パネ 3 9 aによりアンビルアーム 3 2 aの係合突 起 2 8 aに当接状態にある作動レバ一 2 7 aによって最も高い位置に持ち上げら れる。 このように、 第 1のパネ 3 6 aによりアンビルアーム 3 2 aが図示せぬ装 置フレームの係止部に当接し、 ステ一プル可能な最大許容のシート束がセッ トさ れるスペース分の間口を広げた初期状態に維持されている。

( b ) 前記 （a ) の状態でシート束がシート台 1 3にセヅ 卜された後に外部の 装置からステープル開始信号を受けると、 前記偏心カム 2 3 cが回転を始めると 同時にアンビル摇動軸 3 7が作動レバー 2 7 aを押し下げ、 第 1パネ 3 6 aに抗 して第 1の揺動支点 3 5 aを中心にアンビルアーム 3 2 aがシー卜台 1 3に向け て回動を開始する。 このとき、 第 2パネ 3 9 aにより作動レバ一 2 7 aとアンビ ルアーム 3 2 aとは一体となって回動し、 ステーブル可能な最大許容範囲のシー ト柬を挾持した状態となる。

( c ) 前記アンビルアーム 3 2 aがさらに回動し、 シート束をゼロ枚から数枚 挟持した状態を示したものである。

【 0 0 2 5】

次に示す （d ) 及び （e ) は、 上記の動作 （b ) 及び （c ) において、 シート 束をクランプした後の偏心カム 2 3 cの回動により、 シート束の厚みによる移動 量の調整をするための紙厚吸収動作を示したものである。

( d ) まず、 上記の動作 （b ) の状態でアンビル部 3 1が所定厚みのシ一ト柬 を挟持すると、 アンビルアーム 3 2 aの揺動がこの状態で一旦停止される'。 この 状態においても偏心カム 2 3 cはさらに回転を維続するため、 アンビル摇動軸 3 7を下方に押し続ける。 これによつて、 作動レバ一 2 7 aは第 2パネ 3 9 aの付 勢に杭して反時計方向に回転され、 偏心カム 23 cは一回転することができると 共に、 この第 2バネ 3 9 aの付勢力の反力に抗し作動レバー 2 7 aを回転させる ことで得られる反力でシート束がアンビル部 3 1で挟持される。 このように、 下 方から打ち込まれる綴じ針に対し、 シ一ト束が逃げないよう十分な力でクランプ 動作が完了する。 これによつて、 作動レバー 27 aや偏心カム 2 3 c等の破損を 防止することもできる。

( e ) クランプするシート束の厚みが上記 （d) に比べて小さい場合の動作状 態を示したものであり、 動作そのものは上記 （d) と同様であるので説明は省略 する。

以上説明したように、 上記機構を有するアンビルユニッ ト 3 0においては、 シ —ト束の厚みに関わらずに確実な挟持動作を行うことができる。

[ 0 0 2 6 ]

前記アンビル部 3 1のカパ一 3 4内には、 クリンチ部 5 0が設けられる。 この クリ ンチ部 50は、 ドライバ部 6 0内のドライバへヅ ド部 6 3によってシート束 を貫通した綴じ針の先端を折り曲げるための機構であり、 図 1 0に示すように、 鏺じ釙の両端部をガイ ドしながら開閉する一対のクリンチヤ 5 1 a， 5 1 bと、 このクリンチヤ 5 1 a, 5 1 bの中心部を押圧して綴じ針の両端部を折り曲げる クリ ンチ板 5 2 と、 アンビルアーム 3 2 a， 32 bの第 1の揺動支点 3 5 a , 3 5 bに摇動自在に支持されたコ字状のクリ ンチアーム 5 3とで構成されている。 クリ ンチア一ム 5 3は、 前記第 1の揺動支点 3 5 a , 3 5 bでアンビルアーム 3 2 a, 3 2 bと共に固定フレーム 1 1に回転支持されている。 このクリンチア一 ム 5 3は、 アンビルアーム 32 a, 3 2 bがシート束を挟持した後は単独でクリ ンチ揺動ピン 2 3 d, 24 dに連動したジョイントレバ一 2 6 a, 2 6 bによつ て、 第 1の揺動支点 3 5 a, 3 5 bを中心に摇動し、 前記ク リンチア一ム 5 3に 連結されたクリンチ板 5 2を上下動させる。 このジョイント レパ一 2 6 a， 2 6 bは、 図 2に示したように、 アンビルアーム 32 a, 3 2 bとクリンチア一ム 5 3の各揺動ま点に軸ま持され、 ドライバュニ ヅ ト 20内の第 1カム部材 2 3及び 第 2カム部材 2 4の揺動を前記アンビルュニヅト 3 0及びクリンチ部 5 0へ伝達 する役目をなしている。

【 0 0 2 7】

図 1 1はステ一プル補給ュニヅ ト 4 0内に装着された帯状の綴じ針 4 3を順次 ドライバ部 6 0及びクリンチ部 5 0に向けて送り出すための針送り機構 7 0を示 したものである。 この針送り機構 7 0は、 固定フレーム 1 1に針送り揺動軸 7 3 を介して摇動可能に軸支持された針送りレパ一 7 1と、 針送りレバ一 7 1の先端 に設けた針送り爪 7 2と、 針送りレバー 7 1を所定位置に付勢するための扳バネ 7 4とを備えている。 帯状の綴じ針 4 3を前に送り出すには、 駆動歯車 2 3 a , 2 4 aを駆動モータ 2 1で回転させることによって行う。 この回転によって駆動 歯車 2 3 a , 2 4 aに立設された針送りピン 2 3 h , 2 4 hが板バネ 7 4に抗し て支持された針送りレパ一 7 1を右方向に押し出すことによって辍じ針 4 3を針 送り爪 7 2で引っ掛ける。 さらに、 駆動歯車 2 3 a , 2 4 aが回転すると針送り ピン 2 3 h , 2 4 hが針送りレバー 7 1から外れ、 板パネ 7 4の力で今度は左方 向に押し戻される。 この間に綴じ針 4 3が針送り爪 7 2によって後述するペンデ ィングブ口ヅク Ί 5に向けて送り出されることになる。

【 0 0 2 8】

前記針送り機構 7 0によって順次前進する鎵じ針 4 3は、 図 1 2に示すように、 固定フレーム 1 1の前面部に設けられた四角形状のペンディングブ口ック 7 5の 針係止溝に当接する。 そして、 ドライバヘッ ド部 6 3の長孔 6 5にホ一マピン 7 6を介して取り付けられた針成形部材 7 7がドライバへヅド部 6 3の上昇によつ て辍じ針 4 3をコ字状に成形する。 その後、 ドライバへヅド部 6 3の両サイ ドの 板バネ 6 6 a , 6 6 bがガイ ド台 7 8 a , 7 8 bに乗り上げられることで、 この 板バネ 6 6 a， 6 6 bによって針成形部材 7 7との係合が解かれ、 ドライパへヅ ド部 6 3のみが前記コ字状に成形された綴じ針 4 3をさらに上方に位置するアン ビル部 3 1に押し上げてシ一ト束を貫通させ、 クリンチ部 5 0で綴じ針 4 3の両 脚部が折り曲げられてステーブル動作が完了する。

【 0 0 2 9】

図 1 3は一連のステープル動作をステープル装置 1 0の正面側から表したもの である。 次に図に示した順にしたがって各動作状態を説明する。

® <初期状態 >

この状態は前記図 1 1及び図 1 2に基づいて説明した手段によって、 ベンディ ングブ口ヅク 7 5の下端に綴じ針 4 3が送り込まれ、 ステ一プル動作の開始する 直前の状態である。 シート束 7 9はシート台 1 3上に揃えて置かれる。 ドライノヽ' 部 6 0は最下端のホームポジションに置かれ、 一方のアンビル部 3 1はシート束 7 9から離れて開放状態となっている。

②くシート束挾持状態 >

前記①の状態でステープル動作開始信号を受けると、 一対の回転カム 2 3 e , 2 4 eが矢印方向に回転を開始する。 この回転カム 2 3 e , 2 4 eの回転運動に よってドライパ摇動ピン 2 3 g , 2 4 gがドライバ部 6 0を上方に押し上げる。 これと同時に前記図 9に示した一連の動作を経てアンビル部 3 1は下方に下がり シート束 7 9をシート台 1 3に挟み込む。

③く辍じ針成形状態 >

前記②のドライバ部 6 0の上昇に連動して針成形部材 7 7がベンディングブ口 、ソク Ί らに gかれた緩じ針 4 3の両端を上方に押し曲げコ字状に成形する。

@ <針打開始状態 >

前記③の状態から ドライバ部 6 0と針成形部材 7 7との係合が解かれ、 ドライ パ部 6 0のみが上昇すると、 前記コ字状に成形された綴じ針 4 3にドライバへヅ ド部 6 3の先端部 6 4が当接し、 綴じ釙 4 3をシート束 7 9に打込む直前の状態 となる。

⑤く針打込完了状態 >

前記④の状態からさらにドライバ部 6 0が上昇すると、 コ字状に成形された綴 じ針 4 3の両先端がシート束 7 9を貫通してクリンチヤ 5 l a , 5 l bに突き当 たってクリンチ開始状態となる。

© <ク リ ンチ状態 >

最後にクリンチ板 5 2が下方に押し下がり、 綴じ針の両端が内側に折れ曲がつ て一逮のステ一プル動作が売了する。

以上①〜⑥までの動作は、 回転カム 2 3 e , 2 4 eに立設されたドライバ揺動ピ ン 2 3 g , 2 4 gの一回転周期で行われる。 以上説明したように、 本発明のステ 一プル装犀 1 0の各駆動部は、 同一部材からなる 2系統のカム部材 2 3 , 2 4に よって駆動されるため、 安定性に優れている。 特にドライバ部 6 0を駆動する回 転カム 2 3 e , 2 4 e及びドライバ揺動ピン 2 3 g , 2 4 gにあっては、 形状及 び配設位置が左右均等であるため、 駆動がスムーズに行える。

【 0 0 3 0】

図 1 4は同ステ一プル装置の一連動作を説明するタイ ミングチヤ一トである。 この図 1 4と先の図 2及び図 3乃至図 5を用いてその一連の動作を説明する。 駆 動モータ 2 1が図示せぬ装笸本体からステ一プル動作開始信号を受け回転を開始 し、 図 3で示すように駆動モータ 2 1から減速ギア群 2 2を介して第 1カム部材 2 3及び第 2カム部材 2 4に回転トルクを伝達する。 これら第 1カム部材 2 3及 び第 2カム部材 2 4によって、 まず摇動量の大きなアンビルュニッ ト 3 0が揺動 を開始し、 シ一ト枚数が 2枚の場合の摇動幅 （第 6減速歯車 2 2 f の回転角 8 5 ° ) 及び図中点線で示すシート枚数が 5 0枚の場合の揺動幅の範囲内で挟持さ れる。 その際、 アンビルュニヅ ト 3 0がシ一卜束に挟持状態になりそれ以上揺動 できないために、 偏心カム 2 3 c , 2 cに当接するアンビル摇動軸 3 7の摇動 は第 2パネ 3 9 a , 3 9 bにより吸収される。 一方、 回転カム 2 3 e ， 2 4 eに より駆動される ドライバ部 6 0がァンビルュニヅ ト 3 0の揺動に多少遅れて動き 出しており、 ドライバ部 6 0に連動した針成形部材 7 7が綴じ針 4 3をコ字状に 成形後、 引き続きドライバヘッ ド部 6 3により前記コ字状に成形された先の綴じ 針 4 3をシー ト束の適宜位置に打ち込む。 この打ち込み後、 最初にクリンチ部 5 0がカム部材の退避と共にパネ付勢で上昇復帰し、 遅れてアンビルュニッ ト 3 0 もカム部材の退避と共にパネ付勢により上昇復帰する。 同時にドライハ'ュニット 2 0もカム部材の退避により下降復帰することでホーム位置にリセヅ 卜される。

【 0 0 3 1】

なお、 上記の実施形態ではアンビルュニッ ト 3 0側を摇動させて所定位置にあ るドライバュニヅ ト 2 0との でシート隶もクランプする場合について説明しも が、 ドライパユニッ ト 2 0側を ¾動させることができることは勿諭のこと、 ドラ ィバュニヅ ト 2 0及びアンビルュニヅ ト 3 0の相方も互いに摇動させることがで きるのは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図 1】

本発明に係るステープル装置の全体構成を示す斜視図である。

【図 2】

上記図 1のステ一プル装置の側面図である。

【図 3】 ¹ ドライバュニヅトの構成を示す要部斜視図である。

【図 4】

前記ドライバユニッ トの分解斜視図である。

【図 5】

ドライバュニヅ ト及びアンビルュニットの構成を示す要部斜視図である。 【図 6 】

カム部材及び作動レバ一の構成を示す要部断面図である。

[図 7】

偏心カムとアンビル摇動軸の構成を示す要部図である。

【図 8】

偏心カムとアンビル摇動軸の他の構成例を示す要部図である。

【図 9】

シ一ト隶のクランプ動作を示す説明図である。

【図 1 0】

クリンチ部の構成を示す要部斜視図である。

【図 1 1 】

針送り機構の構造を示す要部斜視図である。

【図 1 2】

鏺じ針の成形構造を示す説明図である。

[図 1 3 】

ステ一プルの一連の動作を示す説明図である。

[図 1 4】 前記ステープル動作のタイミングチヤ一トである.

【符号の説明】

1 0 ステープル装置

2 0 ドライバュニヅ ト

2 1 駆動モータ

2 3 第 1カム部材

24 第 2カム部材

2 7 a, 2 7 b 作動レバ一

2 8 a, 2 8 b 係合突起

3 0 アンビルュニヅ ト

3 2 a, 3 2 b アンビルァ一ム

3 8 a, 3 8 b 第 2の揺動支点

3 9 a, 3 9 b 第 2パネ

40 ステープル補給ユニッ ト

5 0 クリンチ部

6 0 ドライバ部

7 0 針送り機構

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項 1】 固定フレームと、 この固定フレームに摇動自在に軸承した可 動フレームと、 この固定フレームと可動フレームの一方に装備した針打ち手段及 び他方に装備した針の先端を折り曲げる針折曲げ手段と、 上— g3可動フレームを往 復動させる駆動カム手段とを備え、 上記固定フレームと可動フレームとの間にシ —ト束をクランプして緩じるステープル装置において、

上記可動フレームに回動可能に軸承して取り付けら.れ、 一端が該フレームと当 接する当接部を有する伝動部材と、 上記駆動カム手段に連結され、 該駆動カム手 段によって往復動する作動部材と、 前記伝動部材を当接部が可動フレームに当接 するよう付勢する付勢手段とをそれそれ設けると共に、 この伝動部材に前記作動 部材を該作動部材によって上記当接部が可動フレームから付勢手段に抗して離反 するよう係合せしめたことを特徴とするステ ,一プル装置。

【請求項 2】 固定フレームと、 この固定フレームに揺動自在に軸承した可 動フレームと、 この固定フレームと可動フレームの一方に装備した針打ち手段及 び他方に装備した針の先端を折り曲げる針折曲げ手段と、 上記可動フレームを往 後動させる駆動カム手段とを備え、 上記固定フレームと可動フレームとの間にシ —ト束をクランプして緩じるステ一プル装置において、

上記固定フレームに上記可動フレームを一点を中心に回動可能に軸支持し、 こ の可動フレームと当接する当接部を有する伝動部材を適宜フレームに一点を中心 に回動可能に軸支持して設けると共に、 この伝動部材を上記当接部が可動フレー ムに当接するよう付勢する付勢手段を設け、 この伝動部材に上記駆動力ムを上 S3 当接部が付勢手段に抗して可動フレームから離反するように連結したことを特徴 とするステーブル装置。

【請求項 3】 前記付勢手段を前記可動フレームと伝動部材との間に設けた バネ部材で構成したことを特徴とする請求項 1記載のステ一プル装置。

【請求項 4】 前記付勢手段を前 S3伝動部材と固定フレームとの間に設けた パネ部材で構成したことを特徴とする請求項 1記載のステープル装置。

【請求項 5】 前記可動フレームと伝動部材とを前記固定フレームに距離を 隔ててそれぞれ一対設けたことを特徴とする請求項 1又は 2記載のステ一プル装