WO2002033767A1 - Flat square battery - Google Patents

Description

偏平角形電池 技術分野

本発明は、 偏平形の一次電池または二次電池に関し、 特に、 角形の偏平形電池に 関する。 明

細

背景技術

ボタン形電池、 コイン形電池などの偏平形電池は小型薄型であるため、 腕時計や 補聴器など小型化が要求される機器や、 I Cカードなど薄型化が要求される機器に 広く用いられている。

図 1 7 A及び図 1 7 Bは、 従来のコィン形電池の外観形状を示す。 このコィン形 電池 4 0は、 図 1 8に示すように円形半殻体に形成された封口ケース 4 5内に、 円 盤状に形成された正極ペレツト 4 2と負極ペレツト 4 3とをセパレ一夕 4 4を介し て対向配置し、 電解液を注入した後、 封ロケ一ス 4 5の開口部にガスケヅト 4 6を 装着して電池ケース 4 1を被せ、 電池ケース 4 1の開口端を内側に折り曲げるカシ メ加工により封ロケ一ス 4 5の開口部を封口して作成される。 平面形状が円形であ るのは力シメ封口が電池ケース 4 1及び封ロケ一ス 4 5の開口部の全周にわたって 均等になされるには円形が適しているためである。 ' この偏平形電池の平面形状が四角形であれば、 電池使用機器の電池収容のスぺー ス効率の向上と、 卷回構造の極板群の適用が容易であるので、 偏平形電池の放電容 量の向上、 ひいては適用範囲の拡大につながる。 なお、 平面形状が四角形の偏平形 電池は、 特開 2 0 0 0 - 1 6 4 2 5 9号公報に開示されたものが知られている。 この偏平角形電池は、 図 1 9 A及び図 1 9 Bに示すように、 平面形状が角丸長方 形の半殻体に形成された封ロケ一ス 5 3と電池ケース 5 2とを互いの開口部を対向 させて配置した内部空間に卷回構造の極板群を収容し、 電池ケース 5 2の開口端側 を縮口するカシメ加工により電池ケース 5 2と封口ケース 5 3との間を封口して作 成される。 しかしながら、 角形の封ロケ一ス 5 3は、 そのコーナ一のアール形成部 分と各コーナーをつなく、直線部分とではカシメ加工に対する強度に差があるため、 直線部分における封口が確実になされず、 漏液防止が困難となる問題点があった。 即ち、 図 2 O Aに示すように、 角形半殻体に形成された電池ケース 5 2及び封口 ケース 5 3をガスケット 5 4を介して対向配置し、 電池ケース 5 2の側周面 5 2 a の開口端側を封口ケース 5 3の側周面 5 3 aに形成された段差部 5 3 b上に折り曲 げるカシメ加工を実施したとき、 図 2 0 Bに示すように、 封ロケ一ス 5 3のコーナ 一部分では、 加圧による変形は生じず、 ガスケット 5 4は電池ケース 5 2の側周面 5 2 aにより段差部 5 3 b上に圧縮されて封口がなされる。 しかし、 封口ケース 5 3の側周面 5 3 aの直線部分ではカシメ加工の際の加圧に耐えるだけの強度が確保 できず、 図 2 0 Cにおける箇所 Aのように段差部 5 3 bに歪みが生じたり、 箇所 B のように側周面 5 3 aが外側に広がったり、 箇所 Cのように封口ケース 5 3の底面 が膨らんだりする。 封口ケース 5 3に変形が生じると、 封口が確実になされず漏液 の原因となる。

封ロケ一スの直線部分の変形を防く、封口手段として、 特開平 6— 2 6 0 1 7 2号 公報に開示された二重卷締方式が知られている。 この偏平角形電池 6 0は、 図 2 1 図 2 2に示すように、 電池缶 6 1内に卷回構造の極板群 6 4を収容し、 電池缶 6 1 の開口部に封口板 6 2を配し、 それらの周縁部をガスケヅト 6 3を介して二重に卷 き締め、 耐漏液性の向上を図ると共に、 電池の正極、 負極間 電気的絶縁を行う。 しかしながら、 上記の二重卷締方式による封口では、 図示するように巻き締め部 6 5が電池本体の周囲に大きく張り出して電池サイズが大きくなる問題点があり、 角形にすることによりスペース効率の向上を図る目的は達成されない。 また、 二重 卷締方式を実施するためには、 角形ケースのコーナ一部は大きなアール径で角丸に する必要があり、 スペース効率のよい角形に形成するには難があった。

本発明が目的とするところは、 スペース効率のよい角形形状と確実な封口構造と を備えた偏平角形電池を提供することにある。 発明の開示

上記目的を達成するための本願第 1発明は、 金属製の電池ケースが、 所定半径の ァ一ルを設けたコーナー部を有する多角形状の底面の周囲から電池ケース側周面を 立ち上げて多角形半殻体に形成されたものであり、 金属製の封ロケ一スが、 所定半 径のアールを設けたコーナー部を有する多角形状の底面の周囲から前記電池ケース 側周面の立ち上がり高さに対応する位置に段差部を設けた封口ケース側周面を前記 電池ケース側周面の内面から均等間隔を隔てた形状寸法に立ち上げて多角形半殻体 に形成されたものであり、 前記封口ケースの底面の各周辺には、 これら各周辺上に 前記封口ケースの内角方向へ突出する複数の凹部が所定間隔で形成され、 前記電池 ケースと前記封ロケ一スの互いの開口部がガスケットを介して対向配置されてでき る内部空間には電池要素が収容され、 前記電池ケースの開口端側と前記封口ケース の段差部との間において前記ガスケットが圧縮変形されるように封口されてなるこ とを特徴とする偏平角形電池である。

上記構成によれば、 封ロケ一ス底面の周辺部に封口ケースの内角方向へ突出する 凹部が形成されているので、 角形半殻体で最も変形しやすい封ロケ一ス側周面の直 線部が強化され、 封口時に変形して封口が不完全になる課題が解消され、 角形の偏 平電池の実用化が可能となる。

また、 上記目的を達成するための本願第 2発明は、 金属製の電池ケースが、 電池 ケース側周面を備えて多角形半殻体に形成されたものであり、 金属製の封口ケース が、 前記電池ケース側周面から所定間隔を隔てながら前記電池ケース側周面の高さ に対応する位置で狭められた段差部を有する封ロケ一ス側周面を備えて多角形半殻 体に形成されたものであり、 前記電池ケースと前記封口ケースとのそれそれの開口 部が、 ガスケットを介して対向配置されてできる内部空間には発電要素が収容され、 前記ガスケットが前記電池ケース側周面の開口端側と前記段差部上との間において 圧縮されるように封口され、 前記封口ケースの封口ケース底面から前記段差部に至 る前記封口ケース側周面と前記段差部が、 前記封口ケース底面の板厚の 1 . 2倍以 上の厚さに形成されてなることを特徴とする偏平角形電池である。 上記構成によれば、 電池ケースの開口端側を封口ケースの段差部上に折り曲げ るカシメ加工時の加圧によっても、 封ロケ一ス底面から前記段差部に至る封ロケ一 ス側周面及び段差部が封ロケ一ス底面の板厚よりも厚く形成されていることから、 強度の向上が変形強度が低くならざるを得なかった直線部分でも変形が防止される ので、 角形に形成することによつても直線部分の封口性が低下することがなく、 漏 液性の高い偏平角形電池を構成することができる。

また、 本願第 3発明に係る偏平形電池は、 金属製の電池ケースが、 電池ケース側 周面を備えて多角形半殻体に形成されたものであり、 金属製の封口ケースが、 封口 ケース側周面を備えて多角形半殻体に形成されたものであり、 前記電池ケースと前 記封ロケ一スとのそれそれの開口部が、 ガスケットを介して対向配置されてできる 内部空間には発電要素が収容され、 前記ガスケットが前記電池ケース側周面の開口 端側と前記封口ケースの封口ケース底面との間において圧縮されるように封口され、 前記封ロケ一ス側周面が、 前記封口ケース底面の板厚の 1 . 2倍以上の厚さに形成 されてなることを特徴とする。

上記第 3発明の構成によれば、 電池ケースの開口端部分をケース内方に折り曲げ て封口するとき、 開口端部分を折り曲げる加圧を封ロケ一ス側周面の延長方向から 加えるので、 封ロケ一ス側周面にその面方向から加圧が加わり、 封口ケース側周面 が変形する座屈の発生が抑制される。 従って、 角形形状の電池を封口する場合に最 も変形しやすい直線部分が変形しにくくなり、 偏平角形電池を座屈を生じさせるこ となく封口することができる。 図面の簡単な説明

図 1は本発明の第 1の実施形態に係る偏平角形電池の平面図であり、

図 2は同実施形態に係る偏平角形電池の構成を示す断面図であり、

図 3は電池ケースの構成を示す斜視図であり、

図 4は封口ケースの構成を示す斜視図であり、

図 5は卷回構造の極板群の構成を示す斜視図であり、 図 6は偏平角形電池の別態様を示す斜視図であり、

図 7は電池ケースの変形を防止する V字溝の形成状態を示す断面図であり、 図 8は電池ケースにプリ力一ルを施した状態を示す断面図であり、

図 9は電池ケースの変形防止構造の別態様を示す断面図であり、

図 1 0は本発明の第 2の実施形態に係る偏平角形電池の斜視図であり、 図 1 1は電池ケースの構成を示す斜視図であり、

図 1 2は封ロケ一スの構成を示す斜視図であり、

図 1 3 Aは偏平角形電池の組立状態を示す断面図、 図 1 3 Bは封口状態を示す断 面図であり、

図 1 4は偏平角形電池の別態様を示す断面図であり、

図 1 5 Aは本発明の第 3の実施形態に係る偏平形電池のカシメ加工前の状態を示 す部分断面図であり、 図 1 5 Bは同実施形態に係る偏平形電池の完成状態を示す部 分断面図であり、

図 1 6は電池接続の接続性を改善する構成を示す部分断面図であり、

図 1 7 Aは従来の円形の偏平形電池の構成を示す側面図、 図 1 7 Bは平面図であ 、

図 1 8は従来の円形偏平電池の構成を示す断面図であり、

図 1 9 Aは従来の偏平角形電池の構成を示す側面図、 図 1 9 Bは平面図であり、 図 2 O Aは従来の偏平角形電池の組立状態を示す断面図であり、 図 2 0 Bはカシ メ加工時のコーナー部分の断面図であり、 図 2 0 Cは封口時の直線部分の座屈状態 を示す断面図であり、

図 2 1は従来の偏平角形電池の構成を示す平面図であり、

図 2 2は従来の偏平角形電池の構成を示す断面図である。 発明を実施するための最良の形態

以下、 添付図面を参照して本発明の実施形態について説明し、 本発明の理解に供 する。 尚、 以下に示す実施形態は本発明を具体ィ匕した一例であって、 本発明の技術 的範囲を限定するものではない。

本発明の第 1の実施形態に係る偏平角形電池 1は、 図 1に示すように、 正方形の コーナー部に小さいアールを形成したほぼ角形の偏平形電池に構成されたもので、 外装体となる電池ケース 2及び封口ケース 3内に収容する発電要素によって一次電 池にも、 二次電池にも適用することができる。 ここでは、 卷回構造の極板群を収容 した対角寸法 3 0 mmの角丸正方形に形成した偏平角形リチウムイオン二次電池に 構成した具体例を示す。

前記電池ケース 2は、 図 3に示すように、 厚さ 0 . 2 mmのステンレス板を金属 プレス成形した平面形状が四角形の半殻体に形成される。 この電池ケース 2の底面 2 1はコーナー部 2 3に所定のアール半径 Rで角丸を設けた四角形で、 その底面 2 1の周辺である折曲部 2 3から電池ケース側周面 2 2が立ち上がるように形成され る。 この時、 前記コーナー部 2 3のアール半径 Rと、 電池ケース 2の材厚 t 1との 関係が、 2 t i < R < 2 0 t iとなるように形成される。

また、 前記封ロケ一ス 3は、 図 4に示すように、 厚さ 0 . 2 mmのステンレス板 を金属プレス成形により平面形状が四角形の半殻体に形成される。 その底面 3 1は コーナー部 3 3にアールを設けた角丸の四角形で、 その底面 3 1の周辺である折曲 部 3 4から立ち上がる封ロケ一ス側周面 3 2には所定高さ位置に段差部 3 5が形成 される。 前記段差部 3 5の段幅は、 封ロケ一ス 3の材厚の 0 . 5〜5倍になるよう に形成するのが望ましい。 また、 コーナ一部 3 3のアール半径 Rと、 封ロケ一ス 3 の材厚 t 2との関係が、 2 t 2く R< 2 0 1 2となるように形成される。 また、 封口 ケース 3の底面 3 1から封ロケ一ス側周面 3 2が立ち上がる底面 3 1の周辺である 折曲部 3 4には、 複数の V形ノッチ （凹部） 3 6が所定間隔を隔てて封口ケース 3 の内側に向かい突出するように形成されている。

また、 極板群 5は、 正極集電体に正極材料を塗着した正極極板と、 負極集鼋体に 負極材料を塗着した負極極板とを、 それそれ帯状に裁断し、 この正極極板と負極極 板とを、 図 5に示すようにセパレ一夕を介して偏平に巻回し、 一方の平面に位置さ せた正極極板の正極集電体から正極リード 1 5を、 他方の平面に位置させた負極極 板の負極集電体から負極リード 1 6をそれそれ延出させた状態に形成される。 図 2に示すように、 上記構成になる封ロケ一ス 3の封ロケ一ス側周面 3 2の開口 端側に樹脂製のガスケット 4を装着し、 封口ケース 3内に極板群 5を収容し、 この 極板群 5から引き出された負極リード 1 6を封口ケース 3の内面に、 正極リード 1 5を電池ケース 2の内面に、 それぞれ溶接により接続した後、 封口ケース 3内に電 解液を所定量滴下し、 極板群 5への含浸時間を経過させた後、 電池ケース 2を封口 ケース 3に被せて封口することにより、 図 1及び図 2に示す状態に偏平角形電池 1 が形成される。 封口は封口金型を用いた加圧プレスにより、 電池ケース 2の電池ケ —ス側周面 2 2の開口端側を封口ケース 3側に折り曲げ、 封ロケ一ス側周面 3 2の 段差部 3 5上にガスケット 4を圧縮することによりなされる。

本実施形態に示すような角形の電池を封口するとき、 封口ケース 3の封ロケ一ス 側周面 3 2のコーナ一部 3 3と、 各コーナ一部 3 3をつなぐ直線部との間には変形 応力に差があることから、 封口加圧を受けると直線部がコーナ一部 3 3より内側に 向かって座屈変形しやすくなる。 そのため直線部での封口が充分になされず、 漏液 が発生しやすい状態となる。 この状態は、 薄い材厚の金属板で角形の電池を形成し た場合に共通する課題であって、 漏液を防止できる封口を実現するためには、 従来 技術において説明したように、 二重卷締めによる封口を実施する必要があった。 本実施形態の構成では、 前述したように封口ケース 3の底面 3 1の周辺である折 曲部 3 4に複数の V形ノツチ 3 6が形成されているため、 直線部の剛性が大きくな つて変形が抑制され、 コーナ一部 3 3と各コーナ一部 3 3をつなぐ直線部との間の 変形に対する強度の差が小さくなり、 角形であっても封口が確実になされて漏液を 防止することができる。

また、 封口ケース 3の封ロケ一ス側周面 3 2の変形強度を増加させる構造は、 図 6に示すように、 折曲部 3 4の直線部の複数箇所に封口ケース内向に向けた凹部 3 8を形成することによつても同様の効果を得ることができる。

また、 電池ケース 2においても、 封口時に電池ケース側周面 2 2の開口端側をケ —ス内方に折り曲げるとき、 コーナー部 2 3と電池ケース側周面 2 2の各コーナー 部 2 3をつなぐ電池ケース直線部 2 6との変形応力に差があるため、 直線部 2 6が 外部に膨らむ作用が生じやすく、 封口が充分になされない場合がある。 そこで、 本 実施形態の構成では、 電池ケース側周面 2 2の開口端側をケース内側に力シメるこ とを容易にして、 封口工程における電池ケース側周面 2 2の変形を防止する電池ケ —ス 2 aを構成することができる。

図 7において、 電池ケース 2 aには、 電池ケース側周面 2 2の折り曲げ高さ位置 の内面に、 断面 V字状の V字溝 2 5が形成される。 この V字溝 2 5は、 材厚が 0 . 2 mmのとき、 0 . 0 5 mmの深さに形成するのが好適で、 4面の直線部 2 6また はコーナ一部 2 3も含めて全周にわたって形成される。 この V字溝 2 5が形成され ていることにより、 封口時に電池ケース側周面 2 2の開口端側 2 2 aが V字溝 2 5 からケース内方に向けて容易に折り曲げられ、 電池ケース側周面 2 2に無理な曲げ 応力が加わらず、 特に直線部 2 6がケース外方に膨らむことが抑制される。.

また、 図 8に示すように、 V字溝 2 5を形成した後、 電池ケース側周面 2 2の V 字溝 2 5の形成位置より上の開口端側 2 2 aをケース内方に向けた所定角度に折り 曲げるプリカールを実施すると、 封口時に電池ケース側周面 2 2の開口端側 2 2 a を容易に折り曲げることができ、 電池ケース側周面 2 2に無理な変形応力が加わら ず、 封ロケ一ス 3との確実な封口が実施される。

また、 図 9に示すように、 V字溝 2 5を形成した電池ケース 2 aの開口径を拡大 させる加工として、 電池ケース側周面 2 2を底面 2 1に対する垂直線から微小角度 0だけ傾斜させた後、 電池ケース側周面 2 2の開口端側 2 2 aをケース内方に向け た所定角度に折り曲げるプリカール処理をする。 これにより、 ガスケット 4を装着 した封口ケース 3に電池ケース 2を無理なく被せることができるほか、 プリカール によって電池ケース側周面 2 2の開口端側 2 2 aを容易に折り曲げることができ、 電池ケース側周面 2 2に無理な変形応力が加わらず、 確実な封口が実施される。 上記構成において、 偏平角形電池 1の正極側とする電池ケース 2の内面に、 保護 層としてニッケルあるいはアルミニウムの単体またはその合金を 0 . 0 0 5 mm以 上の厚さに設けることにより、 母材金属 （ここではステンレス鋼） が電位差によつ て溶解することが防止できる。 前記保護層の形成は、 クラッド、 メツキ、 蒸着等の 手段により実施することができる。 また、 偏平角形電池 1の負極側とする封ロケ一 ス 3の内面に、 保護層として銅またはその合金を 0 . 0 0 5 mm以上の厚さに設け ることにより、 母材金属 （ここではステンレス鋼） が電位差によって溶解すること が防止できる。 なお、 本実施形態では電池ケ一ス 2を正極、 封口ケース 3を負極と しているが、 この逆に正極、 負極を設定する場合もある。

また、 本実施形態では、 極板群 5に卷回構造を適用して電池容量の増加を図った 例を示しているが、 電池内部空間の形状に対応する角丸の正方形に形成した正極ぺ レツトと負極ペレツトとをセパレ一夕を介して対向配置した電極構造を適用するこ ともできる。

また、 本実施形態では、 偏平角形電池 1の平面形状を角丸の正方形としているが、 長辺と短辺との長さの差が過度にならない程度の長方形に形成することもできる。 また、 四角形以上の多角形に形成することもできる。

次に、 本発明の第 2の実施形態に係る偏平角形電池について説明する。 本実施形 態に係る偏平角形電池 1 0 0は、 図 1 0に示すように、 正方形のコ ナ一部に小さ いアールを形成した平面形状が角丸の正方形の偏平形電池に構成されたもので、 外 装体となる電池ケース 1 0 2及び封ロケ一ス 1 0 3内に収容する発電要素によって 一次電池にも、 二次電池にも適用することができる。 ここでは、 巻回構造の極板群 5を収容した対角寸法 3 0 mmの角丸正方形の偏平角形リチウムィォン二次電池に 構成した具体例を示す。

前記電池ケース 1 0 2は、 図 1 1に示すように、 厚さ 0 . 2〜 0 · 2 5 mmのス テンレス板を金属プレス成形して平面形状が四角形の半殻体に形成される。 その底 面 1 2 1はコーナー部 1 2 3に所定のアール半径 Rで角丸を設けた四角形で、 底面 1 2 1の周囲から電池ケース側周面 1 2 2が立ち上がるように形成される。 また、 前記コーナ一部 1 2 3のアール半径 Rと電池ケース 1 0 2の材厚 t 1との関係が、 2 t i < R< 2 0 t 1となるように形成される。

また、 前記封口ケース 1 0 3は、 図 1 2に示すように、 厚さ 2〜0 . 2 5 m mのステンレス板を金属プレス成形により四角形の半殻体に形成される。 その底面 1 3 1はコーナー部 1 3 3にアールを設けた四角形で、 底面 1 3 1の周囲から立ち 上がる封口ケース側周面 1 3 2には所定高さ位置に段差部 1 3 5が形成される。 前 記段差部 1 3 5の段幅は、 封口ケース 1 0 3の材厚の 5〜1 0倍になるように形成 するのが望ましい。 また、 コーナ一部 1 3 3のアール半径 Rと封口ケース 1 0 3の 材厚 t 2とが 2 t 2 < R < 2 0 t 2となる関係を有するように形成する。 また、 封口 ケース 1 0 3は、 図 1 3 A及び図 1 3 Bに断面図として示すように、 底面 1 3 1か ら段差部 1 3 5に至る封口ケース側周面 1 3 2と段差部 1 3 5が、 底面 1 3 1の板 厚の 1 . 2倍以上の厚さに形成されている。

また、 極板群 5は、 正極集電体に正極材料を塗着した正極極板と、 負極集電体に 負極材料を塗着した負極極板とを、 それそれ帯状に裁断し、 この正極極板と負極極 板とをセパレー夕を介して偏平に卷回し、 図 5に示したように偏平な一方面側に正 極リード 1 5、 他方面側に負極リード 1 6が位置するように仕上げられる。

上記構成になる封口ケース 1 0 3の封ロケ一ス側周面 1 3 2の開口端側に、 図 1 3 Aに示すように樹脂製のガスケヅト 1 0.4を装着し、 封口ケース 1 0 3内に極板 群 5を収容し、 この極板群 5から引き出された負極リード 1 6を封口ケース 1 0 3 の内面に、 正極リード 1 5を電池ケース 1 0 2の内面に、 それそれ溶接接続した後、 封口ケース 1 0 3内に電解液を所定量滴下し、 極板群 5への含浸時間を経過させた 後、 電池ケース 1 0 2を封口ケース 1 0 3に被せて封口することにより、 図 1 0に 示される偏平角形電池 1 0 0が形成される。 封口は封口金型を用いた加圧プレスに より、 図 1 3 Bに示すように、 電池ケース 1 0 2の電池ケース側周面 1 2 2の開口 端側を封ロケ一ス 1 0 3側に折り曲げ、 封ロケ一ス側周面 1 3 2の段差部 1 3 5上 にガスケット 1 0 4を圧縮することによりなされる。

また、 図 1 4に示すように、 封口ケース 1 0 3の封口ケース底面 1 3 1の各周辺 の内側に、 その周辺に沿って凹部 1 3 6を形成すると、 底面 1 3 1の変形強度が向 上し、 封口時の加圧による底面 1 3 1の変形が防止される。 この凹部 1 3 6は、 平 面形状が正方形の底面 1 3 1の全周にわたって形成してもよいが、 4辺の直線部分 のみに沿って形成してもよく、 コーナ一部 1 3 3に比べて強度の弱い前記 4辺の直 線部分を補強することができる。

本実施形態に示すような角形の電池を封口するとき、 封口ケース 1 0 3の封ロケ 一ス側周面 1 3 2のコーナ一部 1 3 3と各コーナ一部をつなぐ直線部との間には変 形強度に差があるため、 封口加圧を受けたとき、 封ロケ一ス側周面 1 3 2の直線部 は内側に向かって座屈変形しやすくなる。 そのため前記直線部での封口が充分にな されず、 漏液が発生しやすい状態となるが、 本実施形態による封口ケース 1 0 3で は、 前述したように底面 1 3 1から段差部 1 3 5にかけて厚く形成されているので、 前記直線部の剛性が大きくなって変形が抑制され、 コーナー部 1 3 3と前記直線部 との間の変形に対する強度の差が小さくなり、 角形であっても封口が確実になされ て漏液を防止することができる。

角形にケースを構成した場合に、 カシメ加工による封口加圧によってその直線部 において座屈が発生することを防止するケース構造として、 以上説明した第 1及び 第 2の各実施形態の他、 図 1 5 A及び図 1 5 Bに示すような第 3の実施形態のケ一 ス構造を採用することもできる。

図 1 5 Aにおいて、 角形半殻体に形成された電池ケース 2 0 2と、 同じく角形半 殻体に形成された封口ケース 2 0 3とを、 電池ケース側周面 2 2 2と封口ケース側 周面 2 3 2との間にガスケット 2 0 4を配して組み合わせ、 図 1 5 Bに示すように、 封ロケ一ス側周面 2 3 2の延長方向から加圧して電池ケース側周面 2 2 2の開口端 部分を内側に折り曲げる。 この加圧により、 図示するように電池ケース側周面 2 2 2の開口端部分はガスケヅト 2 0 4を封ロケ一ス 2 0 3の封口ケース底面 2 3 1上 に圧縮すると同時に、 封ロケ一ス側周面 2 3 2の開口端側はガスケット 2 0 4を電 池ケース 2 0 2の底面 2 2 1の内側に圧縮するので、 電池ケース 2 0 2と封ロケ一 ス 2 0 3との間が封止され、 内部空間に収容された電解液が外部に漏れることを防 止することができる。

上記構成では、 封ロケ一ス側周面 2 3 2の延長方向から加圧して封口がなされる ので、 加圧により封ロケ一ス側周面 2 3 2が座屈することが抑制できる。 前記封ロケ一ス側周面 2 3 2の板厚は、 底面 2 3 1の板厚に比し、 1 . 2倍以上 の厚さに構成されている。 このように構成したことで、 座屈の抑制にはさらに有効 となる。

なお、 封口ケース 2 0 3の底面 2 3 1の外側にガスケヅト 2 0 4及び電池ケース 側周面 2 2 2開口端部分が出っ張るので、 電池接続が困難になる。 この接続性を改 善するために、 図 1 6に示すように、 底面 2 3 1の中央にケース外方へ向けて形成 される突出部 2 3 8を形成することができる。

以上説明した構成において、 偏平角形電池 1 0 0の正極側とする電池ケース 1 0 2の内面に、 保護層としてニッケルあるいはアルミニウムの単体またはその合金を 0 . 0 0 5 mm以上の厚さに設けることにより、 母材金属 （ここではステンレス 鋼） が電位差によって溶解することが防止できる。 前記保護層の形成は、 クラッド、 メヅキ、 蒸着等の手段により実施することができる。 また、 本実施形態では電池ケ —ス 1 0 2を正極、 封ロケ一ス 1 0 3を負極としているが、 この逆に正極、 負極を 設定する場合こともできる。

また、 電池ケース 1 0 2及び封ロケ一ス 1 0 3の外面は梨地に形成しておくと、 リード板を溶接するときの接触抵抗が増加し、 溶接が容易となる。

また、 本実施形態では、 極板群 5に卷回構造を適用して電池容量の増加を図った 例を示しているが、 電池内部空間の形状に対応する角丸の正方形に形成した正極べ レツトと負極ペレツトとをセパレー夕を介して対向配置した電極構造を適用するこ ともできる。

また、 本実施形態では、 偏平角形電池 1 0 0が平面形状が角丸の正方形としてい るが、 長辺と短辺との長さの差が過度にならない程度の長方形に形成することもで きる。 また、 四角形以上の多角形に形成することもできる。 産業上の利用可能性

本発明の偏平形電池によれば、 角形でありながらも確実な封口ができ、 また電池 内部の収容スペースにたいして効率よく卷回構造の極板群を封入することで放電容 量の増大化を図ることができることから、 携帯機器等のように小型でありながらも 電池容量の大容量化が求められる場合の電池電源として利用するうえで有用である,

Claims

請 求 の 範 囲

1. 金属製の電池ケース （2) が、 所定半径のアールを設けたコーナ一部 (23) を有する多角形状の底面 （21)の周囲から電池ケース側周面 （22) を 立ち上げて多角形半殻体に形成されたものであり、

金属製の封ロケ一ス （3) が、 所定半径のアールを設けたコーナ一部 （33) を 有する多角形状の底面 （31)の周囲から前記電池ケース側周面の立ち上がり高さ に対応する位置に段差部 （35) を設けた封ロケ一ス側周面 （32) を前記電池ケ 一ス側周面の内面から均等間隔を隔てた形状寸法に立ち上げて多角形半殻体に形成 されたものであり、

前記封口ケースの底面の各周辺には、 これら各周辺上に前記封口ケースの内角方 向へ突出する複数の凹部 （36) が所定間隔で形成され、

前記電池ケースと前記封口ケースの互いの開口部がガスケット （4) を介して対 向配置されてできる内部空間には電池要素が収容され、

前記電池ケースの開口端側と前記封口ケースの段差部との間において前記ガスケ ットが圧縮変形されるように封口されてなることを特徴とする偏平角形電池。

2. - 電池ケース側周面 （22)の内面に、 開口端側を縮口する際の曲げ位置 となる高さ位置に溝 （25) が形成されることを特徴とする請求の範囲第 1項に記 載の偏平角形電池。

3. 電池ケース側周面 （22) は、 封口以前に溝 （25) から開口端までの 部位がケース内方へ向け所定角度に予備縮口されることを特徴とする請求の範囲第 2項に記載の偏平角形電池。

4. 電池ケース側周面 （22) は、 底面 （21) に対する垂線よりケース外 方に微小傾斜して形成されることを特徴とする請求の範囲第 3項に記載の偏平角形 電池。

5. 電池ケース （2)の板厚 t iと、 コーナー部 （23) のアール半径 Rと の間に、 2 t i<R<20 t iの関係が設定されることを特徴とする請求の範囲第 1 項に記載の偏平角形電池。

6. 封口ケース （3) の板厚 t 2と、 コーナ一部 （33) のアール半径 Rと の間に、 212 < R < 2012の関係が設定されることを特徴とする請求の範囲第 1, 項に記載の偏平角形電池。

7. 段差部 （35)の段幅は、 封ロケ一ス （ 3 ) の板厚の 0. 5倍〜 5倍に 形成されることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の偏平角形電池。

8. 正極側となるケースの内面に、 アルミニウムまたはそれを主体とする合 金が 0. 005mm以上の厚さに設けられることを特徴とする請求の範囲第 1項に 記載の偏平角形電池。

9. 負極側となるケースの内面に、 銅またはそれを主体とする合金が 0. 0 05 mm以上の厚さに設けられることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の偏平 角形電池。

10. 発電要素を構成する極板は、 電池内部空間の形状寸法に対応する多角 形の板状に形成された正極ペレツトと負極ペレヅトとがセパレー夕を介して積層さ れて形成されることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の偏平角形電池。

11. 発電要素を構成する極板群 （5) は、 帯状に形成された正極極板と負 極極板とがセパレ一夕を介して、 電池空間内部の形状寸法に対応する偏平形状に卷 回されて形成されることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の偏平角形電池。

12. 金属製の電池ケース （102) が、 電池ケース側周面 （122) を備 えて多角形半殻体に形成されたものであり、

金属製の封口ケース （103) が、 前記電池ケース側周面から所定間隔を隔てな がら前記電池ケース側周面の高さに対応する位置で狭められた段差部 （135) を 有する封ロケ一ス側周面 （132) を備えて多角形半殻体に形成されたものであり 前記電池ケースと前記封口ケースとのそれそれの開口部が、 ガスケット （10 4) を介して対向配置されてできる内部空間には発電要素が収容され、

前記ガスケットが前記電池ケース側周面の開口端側と前記段差部上との間におい て圧縮されるように封口され、

前記封口ケースの封口ケース底面 （131) から前記段差部に至る前記封ロケ一 ス側周面と前記段差部が、 前記封口ケース底面の板厚の 1. 2倍以上の厚さに形成 されてなることを特徴とする偏平角形電池。

13. 封口ケースの底面 （131) の各周辺の内側に、 前記各周辺に沿って 前記底面上に凹部 （136) が形成されることを特徴とする請求の範囲第 12項に 記載の偏平角形電池。 1 . 金属製の電池ケース （221) が、 電池ケース側周面 （222) を備 えて多角形半殻体に形成されたものであり、

金属製の封口ケース （203) が、 封口ケース側周面 （232) を備えて多角形 半殻体に形成されたものであり、

前記電池ケースと前記封口ケースとのそれそれの開口部が、 ガスケット （20 4) を介して対向配置されてできる内部空間には発電要素が収容され、

前記ガスケットが前記電池ケース側周面の開口端側と前記封口ケースの封ロケ一 ス底面 （231) との間において圧縮されるように封口され、 前記封ロケ一ス側周面が、 前記封口ケース底面の板厚の 1. 2倍以上の厚さに形 成されてなることを特徴とする偏平角形電池。

15. 封口ケース （203) の底面 （231) の中央に、 ケース外方に向け て突出部 （238) が形成されることを特徴とする請求の範囲第 14項に記載の偏 平形電池。