WO2002030567A1 - Cordierite honeycomb structural body and method of manufacturing the structural body - Google Patents

Description

明 細 書 コージェライ トハニカム構造体及びその製造方法 技術分野

本発明は、 自動車排ガス浄化用の触媒担体として好適に用いられるコ ージェライ トハニカム構造体及びその製造方法に関する。 背景技術

自動車排ガス浄化用の触媒は担体に担持した形で使用することが一般 的であり、 このような触媒担体としてはコ一ジェライ トからなる八二力 ム構造体が利用されてきた。 特に近年では排ガス規制が強化される傾向 にあるため、 これに対応して触媒の浄化性能を向上させるベく、 隔壁の 厚さを従来と比較して極端に薄く構成した薄壁型のハニカム構造体が提 案されている。

壁厚 1 0 0 m以下に構成され、 端面の開口率が 8 3 %以上に及ぶも のもある薄壁型ハニカム構造体は、 ①熱容量が低く暖気効率が高いため 、 エンジン始動後の早期に触媒を活性化できる、 ②開口率が高いため、 排ガスが触媒担体を通過する際の圧力損失を低減可能である等、 触媒担 体として好ましい種々の特性を備えており、 今後の利用が期待されてい る。

ところが、 薄壁型ハニカム構造体は、 上記構造上の特徴に起因して、 エンジンから排出される高圧の排ガスに曝される開口端面の摩耗が激し いという問題点があった。 特に近年、 処理能力の向上を目的として、 触 媒 （即ち触媒担体） をエンジンの至近に配置するようになっていること が、 開口端面の摩耗を加速させる要因となっている。

かかる問題を解決する手段としては、 例えば八二カム構造体の開口端 面近傍の隔壁のみを肉厚にする方法 （特開 2000- 51 710号公報） 、 ハニカ ム構造の基材の開口端面に釉薬、 水ガラス等のガラス成分を塗布 · 焼成 する方法、 同様にコージェライト化原料のうちの特定成分を塗布 · 焼成 する方法 （同号公報） 等が検討されている。

しかしながら、 開口端面近傍を肉厚にする方法は、 開口端面の耐摩耗 性は向上するものの、 ハニカム構造体の端面開口率を低下させることに なり、 圧力損失が低いという薄壁型ハニカム構造体のメリッ トを減殺す る点において好ましくない。 また、 釉薬等のガラス成分を塗布 · 焼成す る方法は、 塗布部分が緻密化され強度は向上するものの、 当該部分がガ ラス化するために却って脆くなつてしまぃ耐摩耗性を十分に向上させる ことができなかった。

また、 コージェライ ト化原料 （焼成等の熱処理によりコージェライ ト となる原料、 例えばタルク、 アルミナ、 カオリンの混合物等を意味する 。 ） のうちの特定成分を塗布 ·焼成する方法は、 当該部分の緻密化を進 行させることは可能であるが、 塗布部分の化学組成がコージェライ トの 化学量論的組成からはずれ、 熱膨張率が高くなるために、 耐熱衝撃性を 損なう点において好ましくない。 また、 この方法により開口端面近傍を 緻密化するのみでは耐磨耗性の面でも不十分であった。

本発明は、 上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであ つて、 その目的とするところは、 圧力損失が低い等の薄壁型ハニカム構 造体としてのメリッ トを減殺せず、 かつ、 開口端面の耐摩耗性に優れた ハニカム構造体、 及びその製造方法を提供することにある。 発明の開示

本発明者らが鋭意検討した結果、 コージェライ トからなるハニカム構 造の基材の少なくとも一方の開口端面に、 コ一ジェライ ト粉末を担持せ しめた補強部を形成することにより、 上記従来技術の問題点を解決でき ることを見出して本発明を完成した。

即ち、 本発明によれば、 コ一ジエライ トからなるハニカム構造の基材 の少なくとも一方の開口端面に、 コージェライ ト粉末を担持せしめた補 強部を有することを特徴とするコ一ジェライ トハニカム構造体が提供さ れる。

本発明のコージェライ トハニカム構造体としては、 コージェライ ト粉 末をガラス相を介して担持せしめた補強部を有するものが好ましい。 本発明のコージェライ トハニカム構造体は、 基材の開口端面及び当該 開口端面からセル形成方向に 1 0 m m以内の部分にのみ補強部を有する ものが好ましく、 基材の隔壁が厚さ 1 0 0 m以下である場合に特にそ の効果を発揮する。 .

また、 本発明によれば、 コージエライ ト或いはコージエライ ト化原料 からなり、 焼成された若しくは未焼成のハニカム構造の基材の少なく と も一方の開口端面に、 コ一ジェライ ト粉末を含むスラリーを付着させた 後、 乾燥及び Z又は焼成することを特徴とするコ一ジェライ トハニカム 構造体の製造方法が提供される。

本発明の製造方法においては、 コ一ジェライ ト粉末とコロイダルセラ ミックを含むスラリーを付着させた後、 乾燥及び 又は焼成することが 好ましく、 コージェライ ト粉末と釉薬を含むスラリーを付着させた後、 乾燥し、 焼成することが好ましい。 発明を実施するための最良の形態

本発明のコージェライ トハニカム構造体は、 コージェライ トからなる ハニカム構造の基材の少なくとも一方の開口端面に、 コ一ジエライ ト粉 末を担持せしめた補強部を有するものである。

本発明によれば、 圧力損失が低い等の薄壁型ハニカム構造体としての メリッ トを減殺せず、 かつ、 開口端面の耐摩耗性に優れた八二カム構造 体が提供される。

以下、 本発明のコージェライ トハニカム構造体について詳細に説明す る。

本発明のコージエライ ト八二カム構造体 （以下、 単に 「八二カム構造 体」 と記す。 ） は、 コージエライ ト粉末を担持せしめた補強部を有する ことを特徴とする。 このような補強部は、 コージエライ ト粉末が基材と なるコージェライ トハニカム構造体壁面の大気孔を埋めるとともに焼成 工程を経ることにより溶着し、 他の部分に比して緻密で気孔率が低くな るため、 当該部分の耐摩耗性が向上することに加え、 補強部が基材と同 一材質であるコージェライ ト粉末を担持せしめたものであるため、 補強 部と基材との熱膨張率差が小さく耐熱衝撃性が低下することがない。 本発明にいう 「コージエライ ト粉末」 は、 字義 aり、 コ一ジエライ ト

( 2 M g〇 · 2 A 1 ₂〇₃ · 5 S i 〇₂) の粉末を意味し、 化学組成が S i 〇₂： 4 8〜 5 4質量％、 A 1 ₂〇₃： 3 2〜 3 8質量％、 M g O ： 1 2〜 1 8質量％の範囲内のものであって、 主な結晶相がコージェライ 卜であ るものをいう。

伹し、 特開 2000- 51710号公報に記載されるような 「コージエライ ト化 原料」 を基材に付着せしめた後、 熱処理によりコージエライト化したも のについては、 「コージエライ ト粉末」 を担持したものとはいえないた め、 本発明の効果を得ることができない。 具体的には、 塗布部分の隔壁 の厚みが増加し、 圧力損失が増加するのみで耐磨耗性の改善効果が認め られない。

本発明にいう 「基材」 とは、 ハニカム構造、 即ち複数の隔壁によって 区分された多数のセル （貫通孔） を有する筒状の構造体を意味し、 その 全体形状、 サイズ、 セルの数や形状等は特に限定されないが、 本発明は 開口端面の耐摩耗性が低い、 隔壁が厚さ 1 0 0 m以下の薄壁型八二力 ム構造体において特に効果を発揮する。

「補強部」 は基材の少なくとも一方の開口端面に有していれば足り、 必ずしも双方の開口端面に有している必要はない。 エンジン側に向けて 配置され高圧の排ガスに曝されるのは一方の開口端面のみであるため、 その部分の耐摩耗性さえ向上させれば良いからである。 但し、 配置の際 の方向を問わない点において双方の開口端面に補強部を有しているもの の方が好ましい。

「補強部」 は他の部分に比して緻密で気孔率が低くなるため、 あまり に広範囲に形成されていると触媒の担持量が減少する点において好まし くない。 従って、 耐摩耗性向上の効果を発揮できる最低限の部分、 即ち 、 ハニカム構造体の開口端面全体及び、 開口端面からセル形成方向に 1 0 mm以内の部分にのみ補強部を有するものが好ましい。

本発明にいう 「担持」 とは、 コージエライ ト粉末が基材と何らかの形 で固着している状態を意味し、 担持された後のコ一ジェライトが粉末状 を呈している必要はない。 例えばコージェライ ト粉末を熱処理により基 材に担持せしめる場合、 その温度によってはコージェライ ト粉末の一部 がガラス状となってガラス相を介して基材に融着したり、 或いは完全に 溶融して基材と一体化する場合もあるが、 本発明にいう 「担持」 にはこ のような状態も全て包含される。

一般に、 基材は押出成形により製造されたものを使用するが、 スラリ ―を付着せしめる時点においては、 それがコ一ジェライ 卜からなるもの であってもコ一ジェライ ト化原料からなるものであってもよく、 また、 基材が焼成されたもの （以下、 「焼成体」 と記す。 ） であると未焼成の もの （押出成形後に未だ焼成しておらず乾燥のみ行ったもの。 以下、 「 乾燥体」 と記す。 ） であるとも問わない。 但し、 コージエライ ト化原料 からなるもの、 乾燥体については担持後の焼成は必須となる。

コージェライ ト粉末を担持せしめる方法については特に限定されず、 例えばスプレー法、 刷毛塗り法、 或いはスポンジ等にスラリーを含浸さ せ塗布する方法等が挙げられるが、 特に、 コージエライ ト粉末を含むス ラリーに基材を浸漬し、 スラリーを付着させた後、 乾燥及び/又は焼成 する方法 （いわゆるデイツビング法） を用いることが好ましい。 デイツ ビング法は簡便に、 均一な担持状態が得られるからである。

ディッピング法で担持を行う場合には、 スラリーを安定化させ均質な 担持を可能とするため、 レーザー法で測定した平均粒子径が 1 O m以 下のコ一ジェライ ト粉末を使用してスラリーを調製することが好ましい スラリーの分散媒としては例えば水を用いることができるが、 スラリ 一濃度については特に限定されない。 但し、 均質で沈殿物が少ないスラ リーを調製するべく 1 0〜 6 0質量％程度の固形分濃度とすることが好 ましい。

上記スラリーには、 所望により通常のスラリ一調製に用いられる界面 活性剤等の添加剤を添加しても良い。

更には、 コロイダルセラミック、 釉薬等、 コ一ジエライ ト粉末と基材 との固着を強固にするための添加剤を添加することが好ましい。

本発明にいう 「コロイダルセラミック」 とは平均粒子径 0 . 2 Ai m以 下のコロイ ド状のセラミック粒子を意味するが、 これをコ一ジェライ ト 粉末とともにスラリーに添加した場合には、 コ一ジエライ ト粉末の均一 な担持が可能となるとともに乾燥、 或いは焼成等の熱処理によりコロイ ダル物の水分が蒸発し、 強力な接着効果が発現する点において好ましい この方法においては、 基材が焼成体であれば、 スラリ一を付着せしめ た後、 焼成を行わず 1 0 0〜 2 0 0 °C程度の比較的低温で乾燥するのみ でも耐摩耗性向上の効果を得ることができる。

但し、 コージエライ トの融点 （ 1 4 5 0 °C ) 近傍の 1 4 0 0 °C程度ま で昇温して焼成することにより、 コ一ジェライ ト粉末の一部がガラス状 となってガラス相を介して基材に融着し、 強固に固着するため、 より耐 摩耗性が向上する点において好ましい。 '' コロイダルセラミックのセラミック種は特に限定されないが、 市販品 を容易に入手できるコロイダルシリカ、 コロイダルアルミナを用いるこ とが好ましい。 コージェライ ト粉末とコロイダルセラミックとの固形分 比率については、 コロイダルセラミックが熱処理の過程で結晶化乃至ガ ラス化する際の大きな収縮による影響を回避するため、 5 ： 9 5〜 2 0 ： 8 0程度の質量比であることが好ましい。

本発明にいう 「釉薬」 とは焼成後に珪酸塩化合物のガラスを形成する 調合物を意味する。

これをコージェライ ト粉末とともにスラリーに添加した場合には、 コ ロイダルセラミックと同様にコージェライ ト粉末の均一な担持が可能と なる。 また、 コージエライ トの融点を低下させる効果を有するため、 比 較的容易にコ一ジェライ ト粉末を基材に融着させ、 或いはコージェライ ト粉末を溶融して基材と一体化させることが可能であり、 より簡便に強 固な固着状態が得られる。

なお、 釉薬は、 コロイダルセラミックとは異なり、 焼成し、 ガラス化 させてはじめて強固な接着効果を発揮する点に留意すべきである。 即ち 、 釉薬の場合には、 焼成せず乾燥させたのみでは上記効果を得ることが できない。

釉薬を構成する成分については特に限定されないが、 基材の釉薬付着 部分の融点を著しく低下させないよう、 ガラス化温度が 1 2 5 0 °C以上 となる長石系の釉薬を用いることが好ましく、 釉薬の熱膨張率を低下せ しめるべく、 予めコージェライ トを 3 0〜4 0質量％程度配合したコー ジェライ ト系の釉薬を用いることが更に好ましい。

上記コージエライ ト系釉薬は、 例えば、 基材に担持せしめるコージェ ライ ト粉末を釉薬原料である長石、 シリカ、 粘土等とともにトロンメル で湿式粉枠し、 混合することにより調製することができる。

この場合、 釉薬中のコージエライ ト粉末は、 基材に担持せしめるコー ジェライ ト粉末と同材質のものであるが、 非常に微細な粉末である点に おいて異なり、 ガラス化成分の一部を構成することになる。

コージェライ ト粉末と釉薬との比率については、 釉薬により生成され るガラス成分が多くなると脆くなり易く、 耐磨耗性が低下する。 従って 、 コ一ジエライ ト系釉薬の場合には、 コ一ジエライ ト粉末と釉薬との比 率が、 概ね 1 ： 1程度であることが好ましい。

上述のようにスラリーを付着せしめた基材は、 乾燥及び 又は焼成す ることにより、 補強部を形成することができる。

ここにいう 「乾燥」 とは 1 0 0〜 2 0 0 °C程度の比較的低温でスラリ 一中の分散媒を除去し、 基材に対しスラリー中のコ一ジェライ ト粉末等 を固着させる操作を意味する。 これに対し 「焼成」 とは 5 0 0〜 1 4 0 0 °C程度の比較的高温で熱処理することにより、 スラリー中のコ一ジェ ライ ト粉末等を基材に対し、 焼結、 融着、 溶融 ·一体化する操作を意味 する。 以下、 本発明を実施例により具体的に説明するが、 本発明はこれらの 実施例に限定されるものではない。

( 1 ) サンプルの作製

実施例、 比較例においては、 直径 1 0 0mm、 長さ 1 0 0mmの円筒 状、 隔壁厚さ 9 0 zmであって、 四角セルを 6 2セル/ c m²の比率で 有する、 開口率 8 6 %のハニカム構造であって、 コージエライ トからな る焼成体、 若しくはコ一ジェライ ト化原料からなる乾燥体を基材として 使用した。

まず、 表 1に記載の組成を有する水を分散媒とするスラリーを調製し た。 このうち一部のものについては全スラリー質量に対して 1質量％相 当のノニオン系の界面活性剤を添加した。

上記スラリーに上記基材の開口端面側からセル形成方向に 5 mmまで の部分のみを浸漬し、 引き上げた。 次いで、 1 5 0 で送風乾燥するこ とによりスラリー中の水分等を除去し、 更に一部のものについては 1 4 0 0°Cで焼成することにより、 基材に対してコージェライ ト粉末を担持 し、 補強部を有するハニカム構造体とした （実施例 1〜 7、 比較例 1〜 7) 。

( 2 ) 評価方法

実施例及び比較例のハニカム構造体サンプルについては、 耐摩耗性、 熱膨張係数、 気孔率、 及び平均細孔径を測定し、 その性能を評価した。 耐磨耗性については、 以下の試験を行った後におけるサンプルの摩耗 部分の体積により評価した。

まず、 直列 4気筒、 排気量 2 . 2 リッ トルのガソリンエンジンの排気 ポートに、 補強部がエンジン側に向くようにサンプルが収容された金属 ケースを接続した。 即ち、 サンプルをエンジンの直近に配置した。 この 際、 サンプルの補強部とエンジンとの間の空間に直径 1 . 7 m mの鉄球 を 5個投入した。 このような方法によれば、 実使用環境で発生する酸化 スケールに対する耐摩耗性の評価ができることに加え、 耐摩耗性の改善 効果を短時間に評価可能である。

なお、 鉄球の直径は基材の四角セルを透過しない大きさという観点か ら決定したものである。

次いで、 エンジンを 6 8 0 0 r p mで 5分間稼動した後、 5分間の暖 気運転を行う操作を 1サイクルとし、 当該操作を連続して 3 0 0サイク ル実施した。 その後、 金属ケースからサンプルを取り出し、 鉄球により 磨耗したサンプルの摩耗部分の体積を測定した。 体積の測定は直径 1 . 5 m mのビーズを磨耗部分に充填し、 そのビーズ数から簡易的に算出し た。

熱膨張係数 （以下、 「C T E」 と記す。 ） については、 サンプルのセ ル形成方向に対し垂直な方向における線熱膨張係数を測定し、 1 . 0 X 1 0 :⁶Z°C以下であるものを◎、 1 . 2 X 1 0 -⁶Z°C以下であるものを 〇、 1 . 2 X 1 0 _⁶/ 超であるサンプルを Xとして評価した。

測定は示差式熱膨張計を用い、 4 0〜 8 0 0 °Cにおけるサンプルと標 準資料との熱膨張の差を算出することにより行った。

なお、 気孔率及び平均細孔径は実施例及び比較例の八二カム構造体サ ンプルから補強部の一部を切り出し、 当該切り出し部について水銀圧入 法により測定した値により評価した。 ( 3 ) 結果

表 1から明らかなように、 コ一ジェライ ト粉末を担持せしめた実施例 1〜 7のサンプルについてはいずれも摩耗部分の体積が未処理品の 4 0 体積％以下となっており、 耐摩耗性の改善が認められた。 また、 C T E についても全て 1 . 2 X 1 0—⁶/ °C以下と良好であった。

特に、 コロイダルシリカを添加し、 焼成を行った実施例 7のサンプル については摩耗部分の体積が未処理品の 1 0体積％以下と耐摩耗性が顕 著に改善されており、 C T Eも殆ど上昇していない点において極めて良 好な結果を示した。

一方、 コージェライ 卜の融点降下成分のみを担持した比較例 1〜 5の サンプルについては、 気孔率の値が低下し緻密化が認められるものの、 摩耗部分の体積は低いものでも未処理品の 5 0 %程度であり、 耐摩耗性 の改善は未だ不十分であった。 また、 比較例 5のサンプルについては融 点降下が大き過ぎたためサンプルが溶解してしまった。

更に、 比較例 2を除くサンプルについては、 耐摩耗性の改善効果が低 いことに加え、 C T Eの値が著しく上昇しており、 耐熱衝撃性が劣るも のと推定された。 産業上の利用可能性

以上説明したように、 本発明のハニカム構造体は少なくとも一方の開 口端面に、 コ一ジェライ ト粉末を担持せしめた補強部を形成したので、 圧力損失が低い等の薄壁型ハニカム構造体としてのメリットが減殺され ず、 かつ、 開口端面の耐摩耗性に優れる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . コージェライ トからなるハニカム構造の基材の少なくとも一方の 開口端面に、 コージェライ ト粉末を担持せしめた補強部を有することを 特徴とするコージェライ トハニカム構造体。

2 . コ一ジェライ 卜粉末を、 ガラス相を介して担持せしめた補強部を 有する請求項 1に記載のコージェライ トハニカム構造体。

3 . 基材の開口端面及び当該開口端面からセル形成方向に 1 0 mm以 内の部分にのみ補強部を有する請求項 1又は 2に記載のコージエライ ト 八二カム構造体。

4 . 基材の隔壁が厚さ 1 0 0 以下である請求項 1〜 3のいずれか 一項に記載のコージェライ トハニカム構造体。

5 . コージエライ ト或いはコージエライ ト化原料からなり、 焼成され た若しくは未焼成のハニカム構造の基材の少なくとも一方の開口端面に 、 コージエライ ト粉末を含むスラリーを付着させた後、 乾燥及び Z又は 焼成することを特徴とするコージェライトハニカム構造体の製造方法。

6 . コージェライ ト粉末とコロイダルセラミックを含むスラリーを付 着させた後、 乾燥及びノ又は焼成する請求項 5に記載のコージェライ ト 八二カム構造体の製造方法。

7 . コージエライ ト粉末と釉薬を含むスラリーを付着させた後、 乾燥 し、 焼成する請求項 5に記載のコージェライ トハニカム構造体の製造方 法。