WO2002026007A1

WO2002026007A1 - Technique et dispositif d'application de fondant, procede et dispositif de soudage a la vague et plaquette de circuit electronique

Info

Publication number: WO2002026007A1
Application number: PCT/JP2001/008228
Authority: WO
Inventors: Yasuji Kawashima; Kenichiro Suetsugu; Shunji Hibino; Hiroaki Takano; Tatsuo Okuji; Shoshi Kabashima; Yukio Maeda; Mikiya Nakata
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2000-09-25
Filing date: 2001-09-21
Publication date: 2002-03-28
Also published as: JP2002100858A

Description

、塗布方法および装置、

フ口一はんだ付け方法および装置ならびに電子回路基板技術分野

本発明は、はんだ材料を用いて部品、例えば電子部品などを基板に実装するためのフローはんだ付けにおける明フラックス塗布方法およびそのための装置に関する。また、本発明は、このようなフラックス塗布方法および装置をそれぞれ利用したおよび装置、田

フローはんだ付け方法ならびにフローはんだ付け方法により作製される電子回路基板に関する。背景技術

従来、電子回路基板の製造において、電子部品などを基板に接合する 1つの方法として、はんだ噴流を用いるフローはんだ付けプロセスが知られている。このフローはんだ付けプロセスは、一般的に、基板にフラックスを塗布するフラックス塗布ステップ、基板を予め加熱するプリヒートステップ、ならびに基板をはんだ材料から成る噴流に接触させて基板にはんだ材料を供給するはんだ材料供給ステツプを含む。このフラックス塗布ステップは、基板に形成されたランド (即ち、はんだ材料が供給されるべき部分）に不可避的に形成される酸化膜（自然酸化膜）を除去して、ランド表面でのはんだ材料の濡れ広がりを良好にする目的で行われ、フラックスは、通常、ロジン（樹脂成分）などの活性成分およびイソプロピルアルコールなどの溶剤を含む。このようなフラックス塗布ステップを実施するフラックス塗布方法としては、泡状のフラックスを基板と接触させる発泡式の方法と、霧状のフラックスを基板に吹き付けるスプレー式の方法とが知られている。

以下、発泡式のフラックス塗布方法を用いる従来のフローはんだ付けプロセスについて、図面を参照しながら説明する。図 7は、発泡式のフラックス塗布方法を用いる従来のフローはんだ付け装置を、側方から見た場合の内部の様子が判るようにして示した概略図である。図 8 ( a ) は、図 7の X— X線に沿った断面に位置する基板にフラックスが塗布される様子を説明する図であり、図 8 ( b ) は、図 8 ( a ) に示す基板の部分の模式的上面図である。

まず、既知の方法によってスルーホール挿入部品（即ち、部品の一部がスルーホールに挿入される部品（例えばディスクリート部品またはリード部品）などの電子部品が所定の位置に適切に配置されたプリント基板などの基板 7 1を、図 7 のフローはんだ付け装置 5 0に入口部 5 1から供給する。基板 7 1は、装置 5 0 の内部を（図 7に点線にて示す搬送ラインに沿って）、矢印 5 2の方向に実質的に一定速度で機械的に搬送される。基板 7 1の搬送は、より詳細には、図 8 ( a ) および（b ) に示すように、基板 7 1を両端部（または側部）にて保持する列状の搬送爪 7 2 aおよび 7 2 bを矢印 5 2の搬送方向に機械的に移動させることにより行われる。ここで、搬送爪 7 2 aおよび 7 2 bは、図 8 ( a ) に示すチェーン 7 4 aおよび 7 4 bに各々連結されて、入口部 5 1力ら出口部 5 3 (図 7 ) に亘つて延在するコンベアフレーム 7 5 aおよび 7 5 bの周りを、基板 7 1 の主面と平行な面内でそれぞれ回転する。このようにして搬送される基板 7 1が発泡フラクサ一 5 4の上方に達すると、発泡装置 5 5により発泡してガイド 5 6 の内部を上昇し、ガイド 5 6の外部に溢れ出しているフラックス 7 3力基板 7 1の下面と接触して該下面に塗布される。ガイド 5 6から溢れ出しているフラッタス 7 3は、一般的には約 1〜 2 mmの直径を有する泡の形態を有する。図 8 ( a ) および（b ) に示すように、ガイド 5 6は、基板 7 1の幅 Wより長い幅 a ならびに適切な長さ bを有する開口部（図 8 ( b ) を参照のこと）を備え、この開口部から泡状のフラックス 7 3を溢れ出させることによって、基板 7 1の下面のうち、搬送爪 7 2 aおよび 7 2 bで保持されて覆われた領域を除く.領域にフラックス 7 3が塗布される。

上記のようにしてフラックスが塗布された基板 7 1は、その後、搬送されながら遠赤外線ヒーターなどのプリヒーター 5 7により加熱される（図 7を参照のこと）。この加熱ステップはプリヒートステップと呼ばれ、上記のフラックス塗布ステップにより基板 7 1に塗布されたフラックス 7 3のうち、不要な溶剤成分を気ィ匕させて除去し、活性剤成分のみを基板 7 1に残留付着させるため、ならびに、基板 7 1へのはんだ材料の供給に先立って、基板 7 1を予め加熱して、溶融したはんだ材料が基板 7 1と接触する際に起こる基板 7 1に対する熱衝擊を緩和するために行われるものである。

続いて基板 7 1は、予め加熱により溶融させたはんだ材料から成る 1次噴流 5 8および 2次噴流 5 9と基板 7 1の下面側にて接触して、はんだ材料が基板に供給される。このとき、はんだ材料は、基板に形成されたスルーホールの内壁を構成するランド部分と、基板の上面側からスルーホールに揷入されているスルーホール挿入部品のリ一ドとの間の環状空間を、基板の下面側から毛管現象によって濡れ上がる。その後、基板 7 1に供給されて付着したはんだ材料は温度低下により固ィ匕し、はんだ材料からなる接合部、いわゆる「フィレット」を形成する。このはんだ材料供給ステップ（またはフローはんだ付けステップ）において、 1次噴流は、スルーホールの壁面を覆って形成されたランド（および電子部品のリード）の表面をはんだ材料で十分に濡らしてスルーホールにはんだ材料を供給するためのものであり、 2次噴流は、はんだ材料がランド間にまたがって残留 '固化してブリッジを形成したり（このブリツジは電子回路のショートを招くので望ましくない）、角状の突起を形成したりしないように、はんだレジストで覆われた基板の下面の領域に付着した余分なはんだ材料を除去し、フィレツトの形を整えるためのものである。このようにして得られた基板 7 1は、その後、出口部 5 3 から取り出される。

もう 1つの例として、スプレー式のフラックス塗布方法を用いる従来のフローはんだ付けプロセスについて、図面を参照しながら説明する。図 9は、スプレー式のフラックス塗布方法を用いる従来のフローはんだ付け装置の概略断面模式図である。図 1 0 ( a ) は、図 9の Y— Y線に沿った断面に位置する基板にフラッタスが塗布される様子を説明する図であり、図 1 0 ( b ) は、図 1 0 ( a ) に示す基板の部分上面図である。

図 9に示すように、スプレー式のフラックス塗布方法を用いる従来のフローはんだ付け装置 6 0は、スプレー式フラックス塗布装置であるスプレーフラクサ一 6 0 aとフローはんだ付け装置本体 6 0 bと力ら成る。この装置 6 0においては、フラックス塗布ステップがスプレーフラクサ一 6 0 aにて実施され、その後、プリヒートステップおよびはんだ材料供給ステップが装置本体 6 0 bにて順次実施される。尚、上記の発泡式のフラックス塗布方法を用いる従来のフローはんだ付け装置および方法と同様のものについては、以下において説明を省略するものとする。

この装置 6 0においては、まず、上記のような基板 7 1をスプレーフラクサ一

6 0 aに入口部 6 1から供給する。基板 7 1は、スプレーフラクサ一 6 0 aの内部を（図 9に点線にて示す搬送ラインに沿って）、矢印 6 2の方向に実質的に一定速度で、上記と同様にして搬送爪 7 2 aおよび 7 2 b (図 1 0 ( a ) および

( b ) を参照のこと）により機械的に搬送される。このようにして搬送される基板 7 1がノズル 6 3の上方に達すると、ノズノレ 6 3が基板 7 1の搬送方向（即ち、矢印 6 2の方向) に対して垂直な面内で（即ち、図 9の紙面に垂直な方向であり、図 1 0 ( a ) および（b ) 中の矢印 7 6の方向に）往復運動しながらフラックス

7 3を空気と共に噴射することによって、フラックス 7 3が基板 7 1の下面に塗布される。ノズル 6 3は一般的に円形の噴射口を有し、図 1 0 ( a ) に示すように、ノズル 6 3から噴射されるフラックス 7 3は微視的には液滴であり、全体としては、ノズル 6 3の噴射口を上底面（または頂点）とし、基板 7 1の下面における直径 m (図 1 0 ( b ) を参照のこと）の円形領域を下底面とする円錐台（または略円錐）形状の輪郭を有する。基板 7 1が矢印 6 2で示す方向に搬送され、同時に、ノズル 6 3力基板 7 1の幅 Wに対応する距離に亘つて基板 7 1の搬送速度に応じた速度で矢印 7 6で示す方向に往復運動する。これらの結果、図 1 0 ( b ) に示すように、基板 7 1に同時に付着するフラックス 7 3より成る円形領域が、基板 7 1の搬送方向に対して斜めに基板 7 1の下面を横切って、基板 7 1 の下面全体にフラックス 7 3が塗布される。また、フラックス 7 3に含まれる溶剤が噴霧によって揮発し易いために、安全性の観点から、スプレーフラクサ一 6 0 aにおいては、基板 7 1が通過する搬送ラインの上方に排気ダクト（図示せず）が備えられて、雰囲気ガスと共に揮発した溶剤を吸引して排出している。上記のようにしてフラックスが塗布された基板 7 1は、その後、図 9に示す位置 6 4にてスプレーフラクサ一 6 0 aから装置本体 6 0 bに機械的に移される。基板 7 1は、装置本体 6 0 bにおいても上記と同様にして、装置本体 6 0 bの内部を矢印 6 5の方向に（図 9に点線にて示す搬送ラインに沿って）実質的に一定速度で機械的に搬送されながら、上記の発泡式のフラックス塗布方法を用いるフローはんだ付けプロセスの例と同様にしてプリヒーター 6 6によりカロ熱され、次いで、はんだ噴流 6 7および 6 8と接触してはんだ材料が基板 7 1の下面から供給され、その後、出口部 6 9から取り出される。

以上のようにして、発泡式またはスプレー式のフラックス塗布方法を用いるフローはんだ付けプロセスによつて電子部品が基板にはんだ付けされた電子回路基板が作製される。

しかし、上記のような従来のフローはんだ付けプロセスのフラックス塗布ステップにおいては、発泡式おょぴスプレー式のいずれのフラックス塗布方法によつても、列状の搬送爪間にある基板の縁部にまでフラックスが塗布されることになり、フローはんだ付けプロセスの後工程において工程不良を発生させる原因の一つとなるという問題がある。

これは、従来のフラックス塗布方法では、基板の下面のうち、搬送爪 7 2 aおよび 7 2 bで覆われた領域を除く全ての領域に、より詳細には基板の片側の端部 (または側部）を隔間して挟持する列状の搬送爪 7 2 aの隙間およびもう片側の端部を隔間して挟持する列状の搬送爪 7 2 bの隙間に位置する縁部にまでブラッタスが塗布されることに起因する（図 8 ( a ) および（b ) ならびに図 1 0 ( a ) および（b ) を参照のこと）。フローはんだ付けプロセスの後工程、例えば検査工程においては、通常はベルトおょぴチェーンなどを搬送部材に用いて、基板の下面の搬送方向に沿った 1対の縁部（換言すれば、搬送方向に向かって基板の下面の左右の縁部）を下方から支持しながら搬送している。フローはんだ付けプロセスのフラックス塗布ステップにより基板の縁部（より詳細には搬送爪間の隙間に位置する縁部）にまでフラックスが塗布されると、フラックスの溶剤成分がやがて気化し、溶剤の気化によりフラックスの活性成分であるロジン（樹脂成分）などが基板に粉末状に残留する。例えばロジンは、単独では、常温および常圧下において粘着性を有する固体である。よって、その残留物が上記のような後工程にて基板から剥落して後工程の搬送部材に異物として付着し得る。このような搬送部材への異物の付着により、搬送部材の故障などの工程不良の発生を招き得るという問題がある。発明の開示

本発明は上記の従来の課題を解決すベくなされたものであり、本発明の目的は、はんだ材料を用いて電子部品を基板に実装するためのフローはんだ付けプロセスにおけるフラックス塗布方法であって、基板に塗布されたフラックスの残留物が、フローはんだ付けプロセスの後工程にて搬送部材に異物として付着することに起因する工程不良の発生を低減し得る方法、該フラックス塗布方法を利用するフロ一はんだ付け方法およびそれら方法を実施するための装置ならびに該フローはんだ付け方法により作製される電子回路基板を提供することにある。

本発明の 1つの要旨においては、はんだ材料を用いて電子部品を基板に実装するフローはんだ付けプロセスに用いる、フラックス供給手段（またはユニットもしくはデバイス、例えばフラクサ一) によりフラックスを基板の下方から供給して基板の下面に塗布するフラックス塗布方法であって、基板を搬送しながら、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、基板の搬送方向に沿った基板の下面の 1対の縁部の直下にそれぞれ位置する 1対のカバーで各縁部を覆った状態で、フラックス供給手段から基板の下面にフラックスを供給し、これにより、 1対の縁部を除く基板の下面にフラックスを塗布することを特徴とする方法が提供される。

尚、本明細書において基板の「縁部」とは、基板の主面上にある周縁領域を言うものとし、「基板の搬送方向に沿った基板の下面の 1対の緣部」とは、基板の下面の縁部のうち、基板の搬送方向に向かって基板の左右に位置する部分を言うものとする（以下、これを単に「1対の縁部」とも言うものとする）。また、基板の下面の 1対の縁部の「直下」とは、カバーが上記 1対の縁部を覆って、該縁部へのフラックスの塗布を実質的に防ぐように機能することが可能な程度の位置であればよく、カバーが基板の下面と接触していても、カバーと基板の下面との間に隙間、好ましくはわずかな隙間が設けられていてもよい。

本発明の方法によれば、基板の下面のうち、基板の搬送方向に沿った 1対の縁部を除く基板の下面にフラックスを塗布し、 1対のカバーで覆われた 1対の縁部にはフラックスが塗布されず、よって、 1対の縁部にはフラックスの活性成分

(ロジンなど）が残留しない。従って、フローはんだ付けプロセスの後工程において、基板が、該 1対の縁部の領域内においてベルトなどの搬送部材と機械的に接触する際、該 1対の縁部にはフラックスの残留物が付着していないので、フラッタスの残留物がこのような搬送部材に付着することが回避でき、このことに起因する工程不良の発生を低減することができる。

好ましい態様においては、上記 1対のカバーのそれぞれが、 2つの辺によって規定される L字形の断面形状を有するアングルプレート状の長尺部材であり、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、 L字断面の一方の辺が、その端部にて、 1対の縁部のそれぞれと 1対の縁部を除く基板の下面との間の境界を規定するように、基板の下面の各縁部と当接し、 L字断面の他方の辺が該縁部の下方に配置される。このように、各カバーが、各縁部と 1対の縁部を除く基板の下面との間の境界を規定するように縁部と当接し（即ち、 1対のカバーが基板の下面と接触し、基板の下面のうち、 1対のカバーで覆われている領域が「1対の縁部」となり、カバーで覆われていない領域が「1対の縁部を除く基板の下面」となり、「1対の緣部」のそれぞれと「1対の縁部を除く基板の下面」との間の境界が規定される）、フラックスが供給される領域から 1対の縁部を隔離することが好ましい。このように、カバーを基板の下面に当接させることにより、フラッタスが 1対の緣部に確実に塗布されないようにすることができ、フラッタスが塗布される領域と、フラックスが塗布されない領域とを明瞭に区別することができる。しかし、本発明はこれに限定されず、 1対の縁部に実質的にフラックスが塗布されない限り、 1対のカバーと基板の下面との間に隙間を設けてもよレ、。また、カバーの断面形状は、上記のような L字形に限定されず、例えばいずれか一方の辺の一端が他方の辺の端部より内側にて接合した T字形や、曲線状の輪郭を有するものなど、任意の適切な形状を有し得る。また、 L字形の断面形状であつても、 2つの辺のなす角度は 9 0度である必要はなく、その他の適切な角度であつてよい。

更に好ましい態様においては、上記 1対のカバーのそれぞれが、上記一方の辺の端部と遷移的につながる傾斜部を、基板と最初に接触する部分に有し、基板がフラックス供給手段の上方に向かって搬送されると、基板の下面の前方縁部が傾斜部と接触し、基板がフラックス供給手段の上方に向かって更に搬送されるにつれて、基板の下面が «斜部上をそれに沿って滑りながらカバーを押し下げ、これにより、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに該一方の辺がその端部にて縁部と当接する。このような傾斜部（またはテーパー部）をカバーに設けることによって、フラックス供給手段の上方に搬送されて来るカバー自体の動きを利用して、カバーがその一方の辺の端部にて基板の下面に当接するように、力バーを動かすことができる。このカバーには、少なくともその一部分が弹性を有する部材を用い得、例えば、板パネなどを利用したものを用いることができる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、カバーを他の機械的手段（またはデバイス）などによって移動させることも可能であり、また、移動させずに固定するようにしてもよい。

本発明のもう 1つの要旨においては、はんだ材料を用いて電子部品を基板に実装するフローはんだ付けプロセスに用いる、フラックス供給手段によりフラックスを基板の下方から供給して基板の下面に塗布するフラックス塗布装置であつて：基板を搬送する搬送手段（またはデバイス）と；フラックスを基板の下方から供給するフラックス供給手段（またはユニットもしくはデバイス）と；基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、基板の搬送方向に沿った基板の下面の 1対の縁部の直下にそれぞれ位置し、各縁部を覆う 1対のカバーとを含み、 1対の縁部を除く基板の下面にフラックスを塗布することを特徴とする装置が提供される。

好ましい態様においては、上記 1対のカバーのそれぞれが、 2つの辺によって規定される L字形の断面形状を有するアングルプレート状の長尺部材であり、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、各 L字断面の一方の辺が、その端部（または端面）にて、 1対の縁部のそれぞれと 1対の縁部を除く基板の下面との間の境界を規定するように、基板の下面の各縁部と当接し、 L字断面の他方の辺が該縁部の下方に配置される。

更に好ましい態様においては、上記 1対のカバーのそれぞれが、上記一方の辺の端部と遷移的につながる傾斜部を、基板と最初に接触する部分に有し、基板がフラックス供給手段の上方にないときは、カバーに外力が加わらずに、該一方の辺の端部が、基板の下面が通過するべき面に対して上方に位置し、力つ、傾斜部 ι フラックス供給手段の上方に向かって搬送される基板と最初に接触するように、基板の下面が通過するべき該面と交わって位置し、基板がフラックス供給手段の上方にあるときは、基板の下面が、これと当接する該一方の辺に押圧力を加えることによって、カバーが一方の辺の端部にて縁部と当接しながら押し下げられる。

このような本発明のフラックス塗布装置は、上記の本発明のフラックス塗布方法の実施に好適に使用され、本発明のフラックス塗布方法と同様の効果を得ることができる。

本発明のフラックス塗布方法およびフラックス塗布装置の好ましい態様においては、上記 1対の縁部のぞれぞれは、 2〜 1 5 mmの幅、' より好ましくは約 5 m mの幅をそれぞれ有する。このような幅を有する縁部には、通常は電子部品が配置されておらず、フラックスを塗布する必要がない。また、このような,禄部の幅は、一般的に、フローはんだ付けプロセスの後工程において搬送部材と機械的に接触し得る幅（基板のエッジからの幅）よりも大きいので、後工程において搬送部材にフラックスの残留物が付着することを回避できる。

本発明のフラックス塗布方法および装置におけるフラックス供給手段は、泡状のフラックスを基板と接触させる発泡式のフラックス供給手段（例えば発泡フラクサ一) ならびに霧状のフラックスを基板に吹き付けるスプレー式のフラックス供給手段（例えばスプレーフラクサ一）のいずれであってもよく、あるいは、発泡式およびスプレー式のフラックス塗布方法を組み合わせて用、てもよい。例えば、フラックスを基板にスプレー式で塗布し、その後に発泡式で塗布しても、その逆であってもよい。

本発明の別の要旨によれば、上記の本発明のフラックス塗布方法およびフラックス塗布装置をそれぞれ含むフローはんだ付け方法（またはプロセス）およびフ口一はんだ付け装置が提供され、これらも上記と同様の効果を奏し得る。

また、本発明の更に別の要旨によれば、はんだ材料を用いるフローはんだ付けプロセスによって電子部品が基板に実装された電子回路基板であって、基板の搬送方向に沿った基板の下面の 1対の縁部、好ましくは 2 ~ 15 mmの幅をそれぞれ有する 1対の縁部を除く基板の下面にフラックスが塗布されている電子回路基板が提供される。

尚、本発明において、「フラックス」とは、はんだ材料が供給されるべき金属 (例えばランド）の表面から酸化物を除去して、該表面におけるはんだ材料の濡れ性を向上させる目的で塗布される材料を言い、酸ィ匕物を除去するための活性成分と、活性成分の取扱いを容易にするための溶剤とを含む。活性成分は、例えば約 3〜 20重量⁰ /₀、溶剤は、約 80〜 97重量％であり得る。このような活性成分には、ロジンおよび有機酸（例えばジフエニルダァ-ジン酸臭化水素酸塩）などが含まれ、溶斉 ljには、イソプロピルアルコールなどが含まれる。また、フラッタスは、これら活性成分およぴ溶剤に加えて、例えばつや消し剤などの微量の他の成分を含み得る。例えば、フラックスとして一般的に市販されているものを使用され得る。

本発明に利用可能なはんだ材料には、例えば、 S n— P b系材料、 Sn-Cu 系材料、 Sn_Ag— Cu系材料、 Sn— Ag系材料、 Sn— Ag— B i系材料、および S n— A g— B i— C u系材料などのはんだ材料が挙げられる。環境への影響を配慮すれば、これらのうち Sn— Pb系材料を除く、 S n— C u系材料、 Sn—Ag— Cu系材料、 311— §系材料、 S n— A g— B i系材料、および Sn-Ag-B i -Cu系材料などの鉛フリ一のはんだ材料が好ましい。

本発明に利用可能な基板には、例えば、紙フエノール系材料、ガラスエポキシ系材料、ポリイミドフィルム系材料、およびセラミック系材料などからなる基板が用いられ得る。また、基板に接合される電子部品は、揷入部品（例えば半導体、コンデンサ、抵抗、コイル、コネクタなど）および Zまたは基板の裏面に配置される表面実装部品（例えば半導体、コンデンサ、抵抗、コィノレなど）であってよい。しかし、これらは単なる例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は以下の態様 1~16を含むものとする。

(態様 1 ) はんだ材料を用いて電子部品を基板に実装するフローはんだ付けプロセスに用いる、フラックス供給手段によりフラックスを基板の下方から供給して基板の下面に塗布するフラッタス塗布方法であって、基板を搬送しながら、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、基板の搬送方向に沿った基板の下面の 1対の縁部の直下にそれぞれ位置する 1対のカバーで各緣部を覆った状態で、フラックス供給手段から基板の下面にフラックスを供給し、これにより、 1対の縁部を除く基板の下面にフラックスを塗布することを特徴とする方法。

(態様 2 ) 1対の縁部のそれぞれが、 2〜 1 5 mmの幅を有する、態様 1に記載の方法。

(態様 3 ) 1対のカバーのそれぞれが、 2つの辺によって規定される L字形の断面形状を有するアングルプレート状の長尺部材であり、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、 L字断面の一方の辺が、その端部にて、縁部

(より詳細には 1対の縁部のそれぞれ）と 1対の縁部を除く基板の下面との間の境界を規定するように、基板の下面の各縁部と当接し、 L字断面の他方の辺が該縁部の下方に配置される、態様 1または 2に記載の方法。

(態様 4 ) 1対のカバーのそれぞれが、前記一方の辺の端部と遷移的につながる傾斜部を、基板と最初に接触する部分に有し、基板がフラックス供給手段の上方に向かって搬送されると、基板の下面の前方縁部が傾斜部と接触し、基板がフラックス供給手段の上方に向かって更に搬送されるにつれて、基板の下面が傾斜部に沿って滑りながらカバーを押し下げ、これにより、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに該一方の辺がその端部にて縁部と当接する、態様 3 に記載の方法。

(態様 5 ) フラックス供給手段が、泡状のフラックスを基板と接触させる発泡式のフラックス供給手段である、態様 1〜 4のいずれかに記載の方法。

(態様 6 ) フラックス供給手段が、霧状のフラックスを基板に吹き付けるスプレー式のフラックス供給手段である、態様 1〜 4のいずれかに記載の方法。

(態様 7 ) はんだ材料を用いて電子部品を基板に実装するフローはんだ付けプロセスに用いる、フラックス供給手段によりフラックスを基板の下方から供給して基板の下面に塗布するフラックス塗布装置であって：

基板を搬送する搬送手段と、フラックスを基板の下方から供給するフラックス供給手段と、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、基板の搬送方向に沿った基板の下面の 1対の縁部の直下にそれぞれ位置し、各縁部を覆う 1対のカバーとを含み、 1対の縁部を除く基板の下面にフラックスを塗布することを特徴とする

(態様 8 ) 1対の縁部のそれぞれが、 2〜 1 5 mmの幅を有する、態様 7 \Z

(態様 9 ) 1対のカバーのそれぞれが、 2つの辺によって規定される L字形の断面形状を有するアングルプレート状の長尺部材であり、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、 L字断面の一方の辺が、その端部にて、縁部

(より詳細には 1対の縁部のそれぞれ）と 1対の縁部を除く基板の下面との間の境界を規定するように、基板の下面の各縁部と当接し、 L字断面の他方の辺が該縁部の下方に配置される、態様 7または 8に記載の装置。

(態様 1 0 ) 1対のカバーのそれぞれが、前記一方の辺の端部と遷移的につながる傾斜部を、基板と最初に接触する部分に有し、基板がフラックス供給手段の上方にないときは、カバーに外力が加わらずに、該一方の辺の端部が、基板の下面が通過するべき面に対して上方に位置し、力つ、傾斜部が、フラックス供給手段の上方に向かって搬送される基板と最初に接触するように、基板の下面が通過するべき該面と交わって位置し、基板がフラックス供給手段の上方にあるときは、基板の下面が、これと当接する該一方の辺に押圧力を加えることによって、カバーが、一方の辺の端部にて縁部と当接しながら押し下げられる、態様 9に記

1 ) フラックス供給手段が、泡状のフラックスを基板と接触させる発泡式のフラックス供給手段である、態様 7〜： L 0のいずれかに記載の装置。

(態様 1 2 ) フラックス供給手段が、霧状のフラックスを基板に吹き付けるスプレー式のフラックス供給手段である、態様 7〜1 0のいずれかに記載の装置。

(態様 1 3 ) 態様 1〜 6のいずれかに記載のフラックス塗布方法を含むフ口一はんだ付け方法。

(態様 1 4 ) 態様 7〜1 2のいずれかに記載のフラックス塗布装置を含むフローはんだ付け装置。

(態様 1 5) はんだ材料を用いるフローはんだ付けプロセスによって電子部品が基板に実装された電子回路基板であって、基板の搬送方向に沿った基板の下面の 1対の縁部を除く基板の下面にフラックスが塗布されている電子回路基板。

(態様 1 6) 1対の縁部のそれぞれが、 2〜： I 5mmの幅を有する、態様 1

5に記載の電子回路基板。図面の簡単な説明

図 1 (a) および（b) は、本発明の 1つの実施形態のフラックス塗布方法を説明する、フラックス供給手段の上方における、基板の搬送方向に垂直な方向でのフローはんだ付け装置の内部の模式的断面図であり、図 1 (a) は、フラックス供給手段の上方に基板がない状態を示し、図 1 (b) は、フラックス供給手段の上方に基板がある状態を示す。

図 2は、図 1 (b) に示す基板の部分の模式的上面図である。

図 3 (a) および（b) は、それぞれ図 1 (a) および（b) に示すフローはんだ付け装置の内部の模式的拡大斜視図である。

図 4は、図 1の実施形態によってフラックスが塗布された基板を下面側から見た模式的斜視図である。

図 5 (a) および（b) は、本発明のもう 1つの実施形態のフラックス塗布方法を説明する、フラックス供給手段の上方における、基板の搬送方向に垂直な方向でのフローはんだ付け装置の内部の模式的断面図であり、図 5 (a) は、フラックス供給手段の上方に基板がない状態を示し、図 5 (b) は、フラックス供給手段の上方に基板がある状態を示す。

図 6は、図 5 (b) に示す基板の部分の模式的上面図である。

図 7は、従来の 1つのフローはんだ付け装置の概略断面模式図である。

図 8 (a) は、図 7の X— X線に沿った断面に位置する基板にフラックスが塗布される様子を説明する図であり、図 8 (b) は、図 8 (a) に示す基板の部分の模式的上面図である。

図 9は、従来のもう 1つのフローはんだ付け装置の概略断面模式図である。図 10 (a) は、図 9の Y_Y線に沿った断面に位置する基板にフラックスが塗布される様子を説明する図であり、図 10 (b) は、図 1 0 (a) に示す基板の部分の模式的上面図である。発明を実施するための形態

(実施形態 1 )

以下、本発明の 1つの実施形態について図 1〜4を参照しながら説明する。本実施形態は、フラックス供給手段として発泡フラクサ一を用いる発泡式のフラッタス塗布方法おょぴフラックス塗布装置に関する。本実施形態のフラックス塗布方法および装置は、図 1および図 8を参照して説明した従来のフロ一はんだ付け方法および装置のフラックス塗布ステップに関連するものである。図 1 (a) および（b) は、上述の従来のフラックス塗布方法を説明するために参照した図 8 (a) に対応する図であり、それぞれ、フラックス供給手段の上方に基板がない状態と、ある状態とを示す。図 2は、上述の従来のフラックス塗布方法を説明するために参照した図 8 (b) に対応する図である。

本実施形態のフラックス塗布装置は、図 1 (a) および（b) に部分的に示すように、コンベアフレーム 5 aおよび 5 bの周りをそれぞれ回転するチェーン 4 aおよび 4 bにそれぞれ接続された搬送爪 2 aおよび 2 bと、ガイド 6および発泡装置（図示せず）を含む発泡フラクサ一とを有する。搬送爪 2 aおよび 2 bは、基板 1をその両端部（または側部）にて上下から挟んで搬送方向 9 (即ち、図 1 (a) および（b) の紙面に垂直な方向であって、紙面の裏から表に向かう方向）に向けて搬送する搬送手段であり、発泡フラクサ一は、その上方に位置する基板 1の下面 1 1にフラックス 3を供給するフラックス供給手段である。これらの部材は、図 7および図 8を参照して説明した従来のフローはんだ付け装置に関して説明したものと同様であるので、説明を省略するものとする。

更に、本実施形態のフラックス塗布装置は、図 1 (a) および（b) に示すように、取付け具 7 aおよび 7 bによってコンベアフレーム 5 aおよび 5 bにそれぞれ取付けられた 1対のカバー 8 aおよび 8 bを有し、この点において従来のものと相違する。これらカバー 8 aおよび 8 bは、搬送爪 2 aおよび 2 bにより搬送される基板 1の搬送方向 9に垂直な面（即ち、図 1 ( a ) および（b ) の紙面）において、 L字形の断面形状を有するアングルプレート状の長尺部材から成る。これらカバー 8 aおよび 8 bは、基板の中央を通り、基板の主面に垂直で、基板の搬送方向に平行な面（図示せず）に対して面対称に配置される。以下、力バー 8 aについて詳述するが、カバー 8 bも同様の構成および機能を有する。カバー 8 aは、図 1 ( a ) に示すように、 2つの辺 Aおよび Bによって規定される L字形の断面形状を有する。辺 Aおよび Bは、カバー 8 aの縦部分および横部分をそれぞれ言うものであり、所定の厚さ断面の板状形状を各自有する。辺 A および Bは、 L字断面を提供するように、別々または同一の材料から成る、別個の細長い部材（またはプレート部材）を用いて接合されていても、あるいは同一の材料を用いて一体的に構成されていてもよい。平坦な部材を折り曲げて L字断面を有するようにしたものを用いてもよい。カバーには、山形材ゃアングル材などの 2つの辺を有する部材を用い得、これら 2つの辺の間の角度が 9 0度である場合に L字断面を形成するが、この角度は 9 0度に限定されず、 9 0度未満であつても、 9 0度より大きくてもよく、当業者により適切に選択され得る。

カバー 8 aは、図 2に示すように、発泡フラクサ一のガイド 6の開口部の長さ bより長い距離 Lに亘つて延在し、ガイド 6の開口部の上方に基板 1があるときに、幅 Wを有する基板 1の下面 1 1においてそれぞれ幅 dだけ重なって、縁部 1 1 aとなるように配置される。基板 1がフラックス供給手段である発泡フラクサ一のガイド 6の上方に位置するとき、図 1 ( b ) および図 4を参照して、この力バー 8 aの L字断面の一方の辺 Aは、その端部 1 0にて、下面 1 1の一方の縁部 1 1 aと、下面 1 1のうちの 1対の縁部 1 1 aおよび 1 1 bを除く中間部分 1 1 cとの間の境界を規定するように、基板 1の下面 1 1の縁部 1 1 aと当接し、 L 字断面の他方の辺 Bは、該縁部 1 1 aの下方に、好ましくは隔間して配置される。ここで、基板 1の搬送方向 9に沿った基板 1の下面 1 1にある 1対の縁部 1 1 a および l i bは、好ましくは約 2〜1 5 mm、より好ましくは約 5 mmの幅 dをそれぞれ有するが、場合によっては各々異なる幅を適宜選択してもよい。

更に、図 3 ( a ) に示すように、カバー 8 aの基板 1と最初に接触する部分には、 L字断面の辺 Aの端部 1 0と遷-移的につながる傾斜部（またはテーパー） 1 0 ' が設けられており、この傾斜部は、基板の搬送方向を含む断面において傾斜している。カバ 8 a力図 1 ( a ) に示すように外力を受けない開放状態と、図 1 ( b ) に示すように、搬送爪 2 aおよび 2 bにより上下方向に固定された基板 1によって外力を受けて押し下げられた押下状態との間で移行できるように、カバー 8 aおよび Zまたは取付け具 7 aの少なくとも一部が、十分な弾性を有することが好ましい。例えば、カバー 8 aには板パネなどを用い得る。カバー 8 b および取り付け具 7 bについても同様である。

より詳細には、フラックス供給手段である発泡フラクサ一のガイド 6の上方に基板 1がないときは、図 1 ( a ) に示すようにカバー 8 aは外力を受けない開放状態にあり、カバー 8 aの辺 A (縦部分）の端部 1 0は、基板 1の下面 1 1が通過するべき面（図中に点線にて示す面、以下、基準面とも言う）に対して上方に位置し、かつ、傾斜部 1 0 ' (図 3 ) は、ガイド 6の上方に向かって搬送されて来る基板 1と最初に接触するように、基準面と交わって位置する。他方、ガイド 6の上方に基板 1があるときは、図 1 ( b ) に示すようにカバー 8 aは外力を受けた押下状態にあり、基板 1の下面 1 1が、これと端部 1 0にて当接する辺 Aに押圧力を加えることによって、カバー 8 aが辺 Aの端部 1 0にて下面 1 1の縁部と当接しながら押し下げられている。

以下、このようなフラックス塗布装置を用いるフラックス塗布方法にっヽて説明する。まず、図 1 ( a ) および図 3 ( a ) に示すように、カバー 8 aおよび 8 bに外力が加わっていないガイド 6の開口部の上方に、基板 1をその両端部にて上下から搬送爪 2 aおよび 2 bで挟んで搬送方向 9に向けて搬送する。ガイド 6 の開口部の上方へ基板 1が搬送されて来ると、基板 1の前方緣部がカバー 8 aおよび 8 bの傾斜部 1 0，と最初に接触し、基板 1がガイド 6の開口部の上方に向かって更に搬送されるにつれて、基板 1の下面 1 1が傾斜部 1 0，に沿って滑りながらカバー 8 aおよび 8 bを押し下げる。そして、基板 1の前方縁部が傾斜部 1 0 ' を過ぎて、図 1 ( b ) およぴ図 3 ( b ) に示すように、カバー 8 aおよび 8 bの辺 Aの端部 1 0の上を滑って、辺 Aの端部 1 0が基板 1の下面 1 1の縁部と当接するようになる。これにより、カバー 8 aおよび 8 bは、図 4に示す縁部 1 1 aおよび 1 1 bとこれら 1対の縁部を除く基板の下面の中間部分 1 1 cとの間の境界をそれぞれ規定するように、縁部 1 1 aおよび 1 1 bと端部 1 0にて当接し、 1対の縁部 1 1 aおよび 1 1 bが、基板 1の下面 1 1と当接したカバー 8 aおよび 8 bで覆われて、フラックスが供給される領域から隔離される。このようにして、 1対の縁部 1 1 aおよび 1 1 bを 1対のカバー 8 aおよび 8 bでそれぞれ覆った状態で、ガイド 6の開口部の上方に位置する基板 1の下面 1 1にフラックス 3を供給すると、 1対の縁部 1 1 aおよび 1 1 bを除く基板の下面の中間部分 1 1 cにフラックス 3が塗布され、 1対の縁部 1 1 aおよび l i bにはフラッタスが塗布されない。

更に、基板 1の幅 Wが基板の種類によって異なることに対応し得るように、 ― 方のコンベアフレーム 5 aを固定し、他方のコンベアフレーム 5 bを基板の搬送方向に垂直で、固定コンベアフレーム 5 aと平行関係を維持し得る方向に（即ち、図 1 ( a ) に矢印で示す方向であって、図 1 ( a ) および（b ) の紙面内で左右に）スライドして、基板 1を保持する搬送爪 2 aおよび 2 b間の幅をスライド調整可能できることが好ましい。この場合、本実施形態のようにカバー 8 bがコンベアフレーム 5 bに取付け具 7 bによって連結されているので、コンベアフレーム 5 bのスライド移動につれてカバー 8 bも同距離だけスライド移動する。よつて、基板 1の幅 Wに合わせてコンベアフレーム 5 bを適切にセットするだけで、カバー 8 を個別にセットする必要なく、縁部 dの幅を所定の値に維持することができるという利点がある。

上述のような本実施形態のフラックス塗布方法および塗布装置を用いてフラックスを塗布すると、基板の 1対の縁部にはフラッタスが塗布されていないので、後工程において、フラッタスの残留物が搬送部材に付着することが回避され、これに起因する工程不良の発生を低減することが可能となる。

尚、本実施形態のフラックス塗布装置は、図 7および図 8を参照しながら説明した従来のフローはんだ付け装置と同様に、フローはんだ付け装置の内部に一体的に組み込まれ得るが、フローはんだ付け装置本体の外部に別個に独立して構成されてもよい。

また、本実施形態においては、 L字形の断面形状およびテーパー部を有する力バーを、カバーの少なくとも一部分の弾性を利用して基板の下面に接触（または当接）させて用いて、 1対の縁部をフラックス供給部から隔離したが、本発明はこれに限定されず、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、基板の搬送方向に沿った基板の下面の 1対の縁部の直下にそれぞれ位置する 1対のカバ一で各縁部を覆った状態とすることが可能な範囲で改変が成され得ることは、当業者には容易に想到されよう。具体的には、カバーの断面形状を例えば T字形などに改変することや、傾斜部を曲線状にしたり、カバーを基板の下面に接触させるように機械的に上下動させるように改変することも可能である。また、カバーを基板の下面に接触させなくても、 1対の縁部にフラッタスが実質的に塗布されない程度の隙間をカバーと基板の下面との間に設けてもよ、。

(実施形態 2 )

本実施形態は、実施形態 1のフラックス塗布方法および装置を含むフローはんだ付け方法および装置に関する。本実施形態のフローはんだ付け装置は、実施形態 1にて詳述したフラックス塗布装置が、図 7を参照して説明した従来のフロ一はんだ付け装置のようにその内部に一体的に組み込まれて構成される。フラックス塗布装置を除くプリヒーターおよびはんだ材料を噴流の形態で供給するための装置は、任意の適切なもの、例えば図 7に示すようなものを使用し得る。このようなフローはんだ付け装置を用いて、実施形態 1と同様にしてフラックスを塗布し、次いで、上述の従来の方法と同様にしてプリヒート（予備加熱）ステップおよびはんだ材料供給ステップに付すことによって、フローはんだ付けプロセス

(方法）が完了し、電子部品が実装された電子回路基板が得られる。得られた電子回路基板は、フ口一はんだ付けプロセスの後工程、例えば検査工程などに送られる力電子回路基板の 1対の縁部にはフラックスが塗布されていないので、実施形態 1に説明したように、後工程において、フラックスの残留物が搬送部材に付着することに起因する工程不良の発生を低減することが可能となる。

(実施形態 3 )

次に、本努明のもう 1つの実施形態について図 5および 6を参照しながら説明する。本実施形態は、フラックス供給手段としてスプレーフラクサ一を用いるスプレー式のフラックス塗布方法およびフラックス塗布装置に関する。本実施形態のフラックス塗布方法および装置は、図 9および図 1 0を参照して説明した従来のフローはんだ付け方法および装置のフラックス塗布ステップに関連するものである。図 5 ( a ) および（b ) は、上述の従来のフラックス塗布方法を説明するために参照した図 1 0 ( a ) に対応する図であり、それぞれ、フラックス供給手段の上方に基板がない状態と、ある状態とを示す。図 6は、上述の従来のフラッタス塗布方法を説明するために参照した図 1 0 ( b ) に対応する図である。図 5 ( a ) および（b ) に部分的に示す本実施形態のフラックス塗布装置は、実施形態 1のフラックス塗布装置と同様であるが、フラックス供給手段として発泡フラクサ一の代わりに、図 9および図 1 0を参照して説明した従来のフローはんだ付け装置に利用されるスプレーフラクサ一を用い、図 9および図 1 0の装置と同様に雰囲気ガスを吸引するための排気ダクト（図示せず）を基板の上方に設けた点において相違する。

本実施形態においては、フラックス 3力矢印 1 3の方向に往復運動するノズル 1 2から噴射されて基板 1に供給される点を除いては、実施形態 1と同様の方法によつて基板にフラックスを塗布することができる。本実施形態においても、実施形態 1と同様に、カバー 8 aおよび 8 bによって基板 1の 1対の縁部が覆われた状態でフラックス 3が基板 1の下面 1 1に塗布されるので、 1対の縁部を除く基板の下面の中間部分にフラックス 3を塗布し、 1対の縁部にはフラックス 3 が塗布されない。これにより、本実施形態においても、実施形態 1と同様の効果を奏することができる。

尚、本実施形態のフラックス塗布装置は、図 9および図 1 0を参照しながら説明した従来のフローはんだ付け装置と同様に、フローはんだ付け装置本体の外部に別個に独立して構成され得るが、フローはんだ付け装置の内部に一体的に組み込まれてもよい。また、実施形態 2において、実施形態 1のフラックス塗布方法およぴ装置の代わりに本実施形態のものを利用して、フローはんだ付けを実施することも可能である。更にまた、実施形態 1の発泡式のフラックス塗布方法および装置と本実施形態のスプレー式のフラックス塗布方法および装置とを組み合わせて利用してもよい。産業上の利用の可能性

本発明によれば、はんだ材料を用いて電子部品を基板に実装するためのフローはんだ付けプロセスに用いるフラックス塗布方法であって、基板に塗布されたフラッタスの残留物が、フローはんだ付けプロセスの後工程にて搬送部材に異物として付着することに起因する工程不良の発生を低減し得る方法および該方法を実施するための装置が提供される。更に、本発明によれば、該フラックス塗布方法を利用するフローはんだ付け方法およびそれら方法を実施するための装置ならぴに該フローはんだ付け方法により作製される電子回路基板が提供される。本発明によれば、基板の下面のうち、基板の搬送方向に沿った 1対の縁部を除く基板の下面にフラックスを塗布し、 1対のカバーで覆われた 1対の縁部にはフラックスが塗布されないので、フローはんだ付けプロセスの後工程において、フラックスの残留物が搬送部材に付着することが回避でき、このことに起因する工程不良の発生を低減することができる。本出願は、パリ条約に基づいて、「フラックス塗布方法、フローはんだ付け方法およびこれらのための装置ならびに電子回路基板」を発明の名称とする 13本国特許出願である特願 2 0 0 0— 2 9 0 2 6 3号（ 2 0 0 0年 9月 2 5曰出願）の優先権を主張する。当該出願の内容は引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。

Claims

請求の範囲

1 . はんだ材料を用いて電子部品を基板に実装するフローはんだ付けプロセスに用いる、フラックス供給手段によりフラックスを基板の下方から供給して基板の下面に塗布するフラックス塗布方法であって、基板を搬送しながら、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、基板の搬送方向に沿った基板の下面の 1対の縁部の直下にそれぞれ位置する 1対のカバーで各縁部を覆った状態で、フラックス供給手段から基板の下面にフラックスを供給し、これにより、 1対の緣部を除く基板の下面にフラックスを塗布することを特徴とする方法。

2 . 1対の縁部のそれぞれが、 2〜1 5 mmの幅を有する、請求項 1に記載の方法。

3 . 1対のカバーのそれぞれが、 2つの辺によって規定される L字形の断面形状を有するアングルプレート状の長尺部材であり、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、 L字断面の一方の辺が、その端部にて、 1対の縁部のそれぞれと 1対の縁部を除く基板の下面との間の境界を規定するように、基板の下面の各縁部と当接し、 L字断面の他方の辺が縁部の下方に配置される、請求項

1に記載の方法。

4 . 1対のカバーのそれぞれが、前記一方の辺の端部と遷移的につながる傾斜部を、基板と最初に接触する部分に有し、基板がフラックス供給手段の上方に向かって搬送されると、基板の下面の前方縁部が傾斜部と接触し、基板がフラックス供給手段の上方に向かって更に搬送されるにつれて、基板の下面が傾斜部に沿つて滑りながらカバーを押し下げ、これにより、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに該一方の辺がその端部にて縁部と当接する、請求項 3に記載の方法。

5 . フラックス供給手段が、泡状のフラックスを基板と接触させる発泡式のフラックス供給手段である、請求項 1に記載の方法。

6 . フラックス供給手段が、霧状のフラックスを基板に吹き付けるスプレー式のフラックス供給手段である、請求項 1に記載の方法。

7 . はんだ材料を用いて電子部品を基板に実装するフローはんだ付けプロセスに用いる、フラックス供給手段によりフラックスを基板の下方から供給して基板の下面に塗布するフラックス塗布装置であって：

基板を搬送する搬送手段と、

フラックスを基板の下方から供給するフラックス供給手段と、

基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、基板の搬送方向に沿った基板の下面の 1対の縁部の直下にそれぞれ位置し、各縁部を覆う 1対のカバーとを含み、 1対の縁部を除く基板の下面にフラックスを塗布することを特徴とする

8 . 1対の縁部のそれぞれが、 2〜1 5 mmの幅を有する、請求項 7に記載の

9 . 1対のカバーのそれぞれが、 2つの辺によって規定される L字形の断面形状を有するアングルプレート状の長尺部材であり、基板がフラックス供給手段の上方に位置するときに、 L字断面の一方の辺が、その端部にて、 1対の縁部のそれぞれと 1対の縁部を除く基板の下面との間の境界を規定するように、基板の下面の各縁部と当接し、 L字断面の他方の辺が該縁部の下方に配置される、請求項 7に記載の装置。

1 0 . 1対のカバーのそれぞれが、前記一方の辺の端部と遷移的につながる傾斜部を、基板と最初に接触する部分に有し、基板がフラックス供給手段の上方にないときは、カバーに外力が加わらずに、該一方の辺の端部が、基板の下面が通過するべき面に対して上方に位置し、かつ、傾斜部が、フラックス供給手段の上方に向かって搬送される基板と最初に接触するように、基板の下面が通過するぺき該面と交わって位置し、基板がフラックス供給手段の上方にあるときは、基板の下面が、これと当接する該一方の辺に押圧力を加えることによって、カバーが、一方の辺の端部にて縁部と当接しながら押し下げられる、請求項 9に記載の装置。

1 1 . フラックス供給手段が、泡状のフラックスを基板と接触させる発泡式のフラックス供給手段である、請求項 7に記載の装置。

1 2 . フラックス供給手段が、霧状のフラックスを基板に吹き付けるスプレー式のフラックス供給手段である、請求項 7に記載の装置。

1 3 . 請求項 1〜 6のいずれかに記載のフラックス塗布方法を含むフ口一はんだ付け方法。

1 4 . 請求項 7〜1 2のいずれかに記載のフラックス塗布装置を含むフローはんだ付け装置。

1 5 . はんだ材料を用いるフローはんだ付けプロセスによって電子部品が基板に実装された電子回路基板であって、基板の搬送方向に沿った基板の下面の 1対の縁部を除く基板の下面にフラックスが塗布されている電子回路基板。

1 6 . 1対の縁部のそれぞれが、 2〜 1 5 mmの幅を有する、請求項 1 5に記載の電子回路基板。