WO2002005790A1

WO2002005790A1 - Preparation d'adhesif

Info

Publication number: WO2002005790A1
Application number: PCT/JP2001/005882
Authority: WO
Inventors: Masato Shirai; Munetou Sakaguchi; Yasuhiro Ikeura
Original assignee: Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc.
Priority date: 2000-07-13
Filing date: 2001-07-06
Publication date: 2002-01-24
Also published as: AU2001269466A1; JP2004284953A

Description

明細書

貼付剤

技術分野

本発明は、支持体と粘着剤層とを備えた貼付剤に関する。

背景技術

従来より粘着剤層を構成する基剤として天然ゴムを使用した貼付剤が知られている。しかし、天然ゴムを使用した基剤はその種類、成分組成により品質にばらつきが生じている場合があった。また、天然ゴムを使用した基剤は、使用環境或いは保管環境における温度や湿度等の変化によって基剤の変質が起こり、初期において貼付部位に対する粘着力を適切にコントロールした粘着剤層であってもその粘着力が低下してしまうことがあった。

そのため、使用中に貼付部位から貼付剤がずれたり、脱落したり、シヮがよつてしまうなどの問題や、貼付又は剥離時の使用感を損なう場合がある等の問題が生じることがあった。更に、このような基剤を使用した貼付剤は安全性の面では問題とならないまでも患部に貼付した場合に天然ゴムに含まれる微量の夕ンパク質によって皮膚に刺激を与え、更にはダメージを与えて紅斑などができてしまうことがあった。

一方、合成ゴムとしてホヅトメルト型の A— B— A型プロヅク共重合体ゴム ( A；ポリスチレン末端プロヅク、 B；ポリィソプレン、ポリブ夕ジェン等の中間ブロック）を上記の粘着剤層を構成する基剤として使用した貼付剤も知られている。しかし、このようなホヅトメルト型の合成ゴムを粘着剤に用いた貼付剤は熱が加えられた場合に形状を安定に保持しにくいため、特に 4 0 °C以上のやや高温の保管環境において初期の粘着剤層の粘着力が保管中に低下してしまうことがあった。

なお、本明細書において「A— B— A型ブロック共重合体」とは、 Bに基づく重合単位の両端に Aに基づく重合単位が結合したプロヅク共重合体を示す。そのため、特開昭 6 1 - 1 5 1 1 2 1号公報または特開平 3— 8 6 8 2 8号公報には、液状ポリイソプレン及び/又はポリイソプレンを含むプロヅク共重合体を粘着剤層の基剤の主成分とした貼付剤が提案されている。

しかしながら、本発明者らは、上記のような液状ポリイソプレン及び/又はポリイソプレンを含むプロック共重合体を粘着剤層の基剤の成分とした貼付剤であっても、以下に示す問題があり、未だ十分なものではないことを見出した。すなわち、上記特開昭 6 1 - 1 5 1 1 2 1号公報または特開平 3— 8 6 8 2 8 号公報に記載の貼付剤は粘着剤層の粘着力を貼付部位に対して適切な水準にコントロールすることが困難であり、使用中に貼付部位から貼付剤がずれたり、脱落したり、シヮがよつてしまうなどの問題や、貼付又は剥離時の使用感を損なう場合がある等の問題や、保管中に初期の粘着剤層の粘着力が低下してしまう等の問題が生じるという問題があつた。

本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、貼付部位に対する適切な粘着力を有する粘着剤層を備え、長期にわたって保管を行なった後においてもその粘着力を十分に保持でき、かつ使用中の貼付部位における違和感や刺激を十分に低減することができる貼付剤を提供することを目的とする。発明の開示

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、チーグラー重合法により合成されたシス一 1， 4—ポリイソプレンゴムを基剤として使用することにより、貼付部位に対して適切な粘着力を有する粘着剤層を構成することができ、更に、長期にわたって使用或いは保管を行なった後においても粘着剤層中の基剤の変質を十分に抑制することが可能となることを見出し、本発明に到達した。

すなわち、本発明の貼付剤は、支持体と当該支持体上に積層された粘着剤層とを備えた貼付剤であって、粘着剤層には、少なくとも合成イソプレンゴムと、粘着付与剤と、軟化剤とが含有されており、合成イソプレンゴムがチーグラ一重合法により合成されるシス一 1， 4—ポリイソプレンゴムであることを特徴とする。合成イソプレンゴムは合成時の重合法 (チーグラ一重合法、ァニオン重合法等)、分子構造、分子量等により、高シスポリイソプレン、中高シスポリイソプレン、トランスポリイソプレン、液状ポリイソプレン、ブロック共重合体、ラテックスに分類される。ここで、本発明の貼付剤の粘着剤層の構成成分として使用される合成イソプレンゴムとは、いわゆる高シスポリイソプレンと呼ばれるチーグラー重合法により合成されるシス一 1 , 4—ポリイソプレンゴムである。

この高シスポリィソプレンを粘着剤層を構成する基剤として使用することにより、粘着剤層の粘着力を貼付部位に対して適切な水準に調節することが容易にできる。また、高シスポリイソプレンは上記の液状ポリイソプレン、ブロック共重合体等の他の合成ィソプレンゴムに比べて耐熱性に優れており、熱が加えられた場合にも形状を安定に保持することが容易に可能である。そのため、貼付剤を長期にわたって使用或いは保管を行なった後においても粘着剤層中の基剤の変質を十分に抑制することが可能となる。その結果、貼付剤を長期にわたって保管を行なった後においても初期の粘着力を十分に保持することができる。

従って、本発明の貼付剤によれば、使用中に貼付部位から貼付剤がずれたり、脱落したり、シヮがよつてしまうなどの問題や、使用後に貼付部位から貼付剤を剥離する際に痛みを伴うなどの問題の発生を十分に防止することができる。更に、本発明の貼付剤によれば、天然ゴムを使用していないので貼付部位における違和感ゃ皮膚刺激を十分に低減することができる。

更に、この場合、合成イソプレンゴムの分子内におけるシス一 1 , 4結合の割合は 9 1 %以上であることが好ましい。このようなシス— 1 , 4結合の割合を有する合成ィソプレンゴムを基剤として使用することにより、貼付部位に対する適切な粘着力を有する粘着剤層を更に容易に構成することができ、更に、長期にわたって使用或いは保管を行なった後においても粘着剤層中の基剤の変質を更に効果的に抑制することが可能となる。そして上記の観点から合成イソプレンゴムの分子内におけるシス一 1 , 4結合の割合は、 9 5 %以上であることがより好ましく、 9 8 %以上であることが更に好ましい。

なお、本明細書において、「合成イソプレンゴムの分子内におけるシス一 1 , 4 結合の割合」とは、合成イソプレンゴムのポリマーを構成するモノマー単位間に存在する重合反応により形成された全ての結合に対するシス一 1， 4結合の割合を百分率で表現したものである。

また、本発明の貼付剤の粘着剤層の構成は、粘着剤層に含有される合成イソプレンゴムの含有率が 5〜6 0質量％であり、粘着付与剤の含有率が 5〜4 0質量％であり、かつ、軟ィ匕剤の含有率が 2〜4 0質量％であることが好ましい。粘着剤層をこのような構成とすることにより、粘着剤層の粘着力を貼付部位に対して適切にコントロールすることができ、しかも貼付剤を長期にわたって保管した後においてもその粘着力を十分に保持することができ、粘着剤層の形状を安定に保持することが可能である。

ここで、粘着剤層に含有される合成ィソプレンゴムの含有率が 5質量％未満となると、長期にわたって使用或いは保管する場合や熱が加えられた場合において粘着剤層の形状を安定に保持することが困難となる傾向が大きくなったり、貼付部位から貼付剤を剥離する際に当該貼付部位に粘着剤層が一部残ってしまう等の傾向が大きくなる。

一方、この合成イソプレンゴムの含有率が 6 0質量％を超えると、粘着剤層となる膏体中の合成イソプレンゴムの分散状態を均一にすることが困難となり、製造の際の取り扱い性が低下してしまうと共に貼付部位に対する粘着力が不十分となる傾向が大きくなる。そして上記の観点から粘着剤層に含有される合成ィソプレンゴムの含有率は 8〜 5 5質量％であることがより好ましく、 1 0〜5 0質量％であることが更に好ましい。

また、粘着剤層に含有される粘着付与剤の含有率が 5質量％未満となると、貼付部位への粘着力が不十分となる傾向が大きくなる。一方、この粘着付与剤の含有率が 4 0質量％を超えると、使用中において貼付部位の皮膚の角質層にダメージを与える傾向があり、また、使用後に貼付部位から貼付剤を剥離する際に痛みを伴う傾向も大きくなる。さらに、この場合には粘着剤層の粘着面のベ夕ツキが大きくなり、貼付剤を製造する際や使用する際における取り扱い性が悪くなるとともに、ベタヅキによる違和感を覚えるなどの問題を生じる傾向が大きくなる。そして上記の観点から粘着剤層に含有される粘着付与剤の含有率は、 7〜3 5質量％であることがより好ましく、 1 0〜3 0質量％であることが更に好ましい。更に、粘着剤層に含有される軟化剤の含有率が 2質量％未満となると、粘着剤層中の構成成分の分散状態を均一に保持することが困難となり、貼付部位に対する粘着力が低下してしまう傾向が大きくなる。一方、この軟ィヒ剤の含有率が 4 0 質量％を超えると、使用後に貼付部位から貼付剤を剥離する際に痛みを伴う傾向が大きくなり、粘着剤層の粘着面のベタツキも大きくなる傾向がある。そして上記の観点から粘着剤層に含有される軟化剤の含有率は、 3〜3 0質量％であることがより好ましく、 5〜2 0質量％であることが更に好ましい。

また、本発明の貼付剤においては、粘着剤層に薬効成分が更に含有されており、該薬効成分の含有率が 0 . 0 1〜3 0質量％であることが好ましい。このようにすれば、充分な薬理効果が期待できる。このようにすることは、粘着剤層の保型性を保つ上でも好ましい。

ここで、粘着剤層に含有される薬効成分の含有量が◦. 0 1質量％未満となると、充分な薬理効果が期待できなくなる傾向が大きくなる。一方、粘着剤層に含有される薬効成分の含有量が 3 0質量％を超えると、薬効成分が原因となって力ブレが生じたり粘着剤層の保型性の低下を招き、ベ夕ヅキ等が増加して好ましくなくなるおそれがある。なお、上記と同様の観点から、粘着剤層に含有される薬効成分の含有量は 0 . 0 1〜2 0質量％であることがより好ましく、 0 . 1〜1 5質量％であることが更に好ましい。

更に、本発明の貼付剤においては、粘着剤層に含有される合成イソプレンゴムのム一二一粘度が 5 0〜1 1 0 (M L _{1 + 4} 1 0 0 °C) であることが好ましい。これにより、良好な粘着剤層の付着性及び加工性を有し、なおかつ粘着剤層の保形成を良好に保つことができる。

ここで、粘着剤層に含有される合成イソプレンゴムのム一二一粘度が 5 0 (M L _{1 + 4} 1 0 0 °C) 未満となると、粘着剤層の保型性を低下させべ夕ヅキ等が増加して好ましくなくなるおそれがある。一方、粘着剤層に含有される合成イソプレンゴムのム一二一粘度が 1 1 0 (ML _{1 + 4} 1 0 0 °C) を超えると、加工性が低下したり、粘着剤層の付着性が低下し、使用時における製品の剥離紙のメクレや脱落の原因となり好ましくなくなるおそれがある。なお、上記と同様の観点から、粘着剤層に含有される合成イソプレンゴムのム一二一粘度は 7 0〜9 5 (ML _{1 +} ₄ 1 0 0 °C) あることがより好ましく、 7 5〜8 8 (ML _{1 + 4} 1 0 0 °C) であることが更に好ましい。

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の貼付剤の好適な実施形態について詳細に説明する。本発明の貼付剤は、支持体と、当該支持体上に積層された粘着剤層とを備えるものであり、粘着剤層には、少なくとも合成イソプレンゴムと、粘着付与剤と、軟化剤とがそれそれ先に述べた含有率を保って含有されている。なお、本発明の貼付剤の種類は特に限定されるものではないが、いわゆる硬膏剤であることが好ましく、実質的に無水の硬膏剤であることがより好ましい。

粘着剤層中に含有される合成イソプレンゴムは、先に述べたように、チ一グラ一重合法により合成されるシス一 1， 4一ポリイソプレンゴムである。このチーグラ一重合法により合成されるシス一 1 , 4一ポリイソプレンゴムは、特に限定されないが、先に述べた分子量の条件と分子内におけるシス— 1， 4結合の条件を満たしていることが好ましい。このように合成ィソプレンゴムとしてチ一グラー重合法により合成されるシス一 1 , 4—ポリイソプレンゴムを粘着剤層を構成する基剤として使用することにより、粘着剤層の粘着力を貼付部位に対して適切な水準に調節することが容易にでき、然も長期にわたって使用或いは保管を行なつた後においても初期の粘着力を十分に保持することができる。

このようなシス一1, 4—ポリイソプレンゴムとしては、例えば、市販の商品としては、 Nipol I - 2200, Nipol IR— 2200 L、 Ni p o 1 IR— 220 OGH (日本ゼオン株式会社製)、 JSR I R2200( J SR株式会社製)、クラプレン IR— 10 (株式会社クラレ製）等があり、これらの中から選択される 1種又は 2種以上のものを配合して使用してもよい。

また、本発明の貼付剤の粘着剤層に含有される粘着付与剤は、軟化点が 60〜 150°Cのものが好ましい。このような粘着付与剤としては、例えば、ロジンェステル、水添ロジンエステル、マレイン酸変性ロジンエステル、ポリテルペン樹旨、石油系樹脂などが挙げられる。

石油系樹脂としては、例えば、市販の商品としては、アルコン P— 85、 P— 100 (荒川化学株式会社製)、エスコレッツ 5300 (ェクソン化学株式会社製) などが挙げられる。また、ロジンエステルとしては、例えば、市販の商品としては、エステルガム A、エステルガム A A— G (荒川化学株式会社製)、ハリエスター L、ノヽリエスター S、ハリエス夕一 P (播磨化成株式会社製）などが挙げられる。更に、水添ロジンエステルとしては、例えば、市販の商品としては、エステルガム H、エステルガム HP、エステルガム KE— 311 (荒川化学株式会社製)、ハーコリン Dヽフォーラル 85、フォ一ラル 105、ステベライトエステル 7、ステベライトエステル 10 (理化ハーキュレス株式会社製）などが挙げられる。

また、マレイン酸変性ロジンエステルとしては、例えば、市販の商品としては、ペン夕リン 4820、ペン夕リン 4740 (理化ハ一キュレス株式会社製)、マルキード No. 2、マルキード No. 6 (荒川化学株式会社製）などが挙げられる。更に、ポリテルペン樹脂としては、例えば、市販の商品としては、クリアロン K、クリアロン Μ、クリアロン Ρ (ヤスハラケミカル株式会社製) などがが挙げられる。そして、本発明の粘着剤層に含有される粘着付与剤は、上記した各粘着付与剤のなかから選ばれる 1種又は 2種以上のものを配合して使用してもよい。

更に、本発明の貼付剤の粘着剤層中に含まれる軟ィ匕剤は特に限定されるものではなく、例えば、ポリブテン、流動パラフィン、アーモンド油、オリ一ブ油、ヅバキ油、パーシック油、ラッカセィ油などを使用してもよく、これらのなかから選択される 1種又は 2種以上のものを配合して使用してもよい。これらの軟化剤のなかでは、ポリブテン及び Z又は流動パラフィンが好ましい。そして、シス一 1 , 4ーポリイソプレンゴムの加工性の向上、粘着剤の粘着性の調整の観点から、ポリプテン及び流動ノラフィンを組み合わせて使用することが好ましい。

また、本発明の貼付剤の粘着剤層には、基剤の構成成分としてスチレン—イソプレン一スチレン共重合体、スチレン一ブタジエン共重合体、ポリイソプチレンなどを上記の合成ィソプレンゴムと組み合わせて使用してもよい。

合成ィソプレンゴムと組み合わせて使用することのできるこのような合成ゴムとしては、例えば、市販の商品としては、クレイトン D— KX401 CS、クレィトン D— 1107CU (シェル化学株式会社製)、 S IS— 5000、 S IS— 5002 (JSR株式会社製)、クインタック 3530、クインタック 3421、クインタック 3570 C (日本ゼオン株式会社製)、ソルフレン 428 (フイリヅプぺトロリアム株式会社製)、 Nipol l 502、 Nipo l 1009、 Nip o 12001 (日本ゼオン製)、 JSR 1502.T5582 (J SR株式会社製)、ビスタネヅクス MML— 80、ビスタネヅクス MML— 100、 MML- 120、ビス夕ネックス MML— 140 (ェクソン化学株式会社製)、ォパノ一ル B 80、ォパノール B 100、 B 120、ォパノール B 150 (BASFジャパン株式会社）などが挙げられる。そして、これらの合成ゴムのなかから選択される 1種又は 2種以上のものを合成ィソプレンゴムと組み合わせて使用してもよい。

更に、本発明の貼付剤の粘着剤層には、公知の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、芳香剤および溶解剤を必要に応じて含有させてもよい。

粘着剤層に配合する充填剤は特に限定はされないが、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、炭酸カルシウム、合成ケィ酸アルミニウム、シリ力類（含水二酸化ケイ素など)、酸化マグネシウム、ステアリン酸金属塩類などを使用することができる。上記の充填剤の中では、酸化亜鉛及び含水二酸化ケイ素が好ましい。そして、粘着剤層の保型性をより高める観点から、酸化亜 §S及び含水二酸ィ匕ケィ素を組み合わせて用いることが好ましい。また、充填剤として酸ィ匕亜鉛を使用する場合には、酸化亜鉛の含有量は 1〜4 0質量％であることが好ましく、 2〜3◦質量％であることがより好ましく、 3〜2 0質量％であることが更に好ましい。

また、酸化防止剤は特に限定はされないが、例えば、ァスコルビン酸、酢酸トコフヱロール、天然ビタミン E、ジブチルヒドロキシトルエンなどを使用することができる。更に、着香剤あるいは溶解剤は特に限定はされないが、例えば、ォレイン酸、サリチル酸グリコール、ベンジルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、クロ夕ミトン、ォレイルアルコール、ハヅカ油、ユーカリ油、リモネン、イソプレゴール、或いはその他の製油類を使用することができ、必要に応じてこれらに界面活性剤を配合してもよい。

また、本発明の貼付剤の粘着剤層には、上記の構成成分の他に薬効成分を含有させてもよい。これにより貼付剤を種々の疾患に適宜使用することも可能となる。この場合、粘着剤層中に含有される薬効成分の含有率は、当該薬効成分の種類や対象となる疾患等によりさまざまであるが、先に述べたように、 0 . 0 1〜3 0 質量％の範囲とすることが好ましい。

このような薬 ¾1成分は特に限定はされないが、例えば、 L—メントール、カンフル、ハヅカ油、トウガラシエキス、カプサイシン、ニコチン酸べンジルエステル等の皮膚刺激薬、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、ィンドメ夕シン、ィブプロフェン、ピロキシカム、ケトプロフェン、スプロフェン、ロキソプロフエン、ジクロフェナクナトリウム、ケトロラク、フルルビプ Dフェン、フェルピナク等の消炎 '鎮痛薬、酪酸デキサメタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、吉草酸デキサメ夕ゾン、ジプロピオン酸べ夕メタゾン、吉草酸べ夕メタゾン、プロピオン酸デプロドン、プレドニゾロン、フルオシノニド、フルオシノロンァセトニド、プロピオン酸べクロメタゾン等のステロイド薬、ァミノ安息香酸ェチル、塩酸テトラカイン、塩酸プロ力イン、塩酸リドカイン等の局所麻酔薬、塩酸プロブラノ一ル、ピンドロール、塩酸カルテオール、マレイン酸チモロ—ル等の/?—遮断薬、ニトログリセリン、硝酸ィソソルビド、二フエジピン、塩酸ジルチァゼム、ジピリダモール等の冠血管拡張薬、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフエ二ラミン、塩酸プロメタジン等の抗ヒスタミン薬、硫酸サルブ夕モール、塩酸プロカテロール、塩酸ヅロブテロール、ヅロブテロール等の気管支拡張薬、フマル酸ケトチフェン、塩酸ァゼラスチン、クロモグリク酸ナトリウム、イブシラスト、テルフエナジン、フマル酸ェメダスチン、ァステミゾ一ル等の抗アレルギ—薬、プロスタグランジン E 1または E 2、プラスタグランジン F 2ひ等のプラスタグランジン薬剤、ェストラジオ—ル、酢酸ノルェチステロン等の性ホルモン薬剤、ニコチン等の禁煙補助薬剤、クェン酸フェン夕ニル、フェン夕ニル、塩酸モルヒネ等の麻薬性鎮痛薬、ペン夕ゾシン、酒石酸ブトルファノ—ル、塩酸ブプレノルフィン、臭化水素酸エブ夕ゾシン等の非麻薬性鎮痛薬、塩酸ォキシプチニン等の排尿障害治療薬、クロトリマゾール、硝酸イソコナゾール、硝酸ォキシコナゾ— ル、硝酸ミコナゾール等の抗真菌薬、生薬エキス、ビタミン類等を使用することが出来る。なお、上述の薬効成分の中から選択される 1種又は 2種以上のものを適宜配合して使用してもよい。

上述の薬効成分の中でも消炎'鎮痛薬及び皮膚刺激薬であるサルチル酸メチル、サルチル酸グリコール、ィンドメ夕シン、ケトプロフェン、ジクロフエナク、フエルビナク及び L一メントール、カンフル、カブサイシン、トウガラシエキスの薬効成分の中から選択される 1種又は 2種以上のものを適宜配合することが望ましい。

更に、本発明の貼付剤を構成する支持体は特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタンのフィルム、レーヨン、綿等から製造される織布又は不織布等が使用される。また、これらの構成材料の異なる伸縮性又は非伸縮性の織布又は不織布を層状に組み合わせて形成した支持体を使用してもよい。

次に、本発明の貼付剤の製造方法の一例について簡略的に説明する。先ず、粘着剤層の構成成分の全てを均一に混合し膏体とする。次に、膏体を支持体上に展育して粘着剤層を形成する。つぎに、剥離処理された剥離ライナー（剥離シート）で粘着剤層の粘着面を被覆し、所望の形状に切断して製品とする。なお、また、粘着剤層の構成成分の全てを均一に混合し膏体とする際に、へキサン、トルェン、酢酸ェチルなどの有機溶媒に溶解させてもよい。この場合には支持体上に膏体を展膏した後に有機溶媒を除去する。

以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の貼付剤貼付用補助器具の内容をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。

(実施例 1 )

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、シス一 1 , 4一ポリイソプレンゴム（J

S R株式会社製、商品名； J S R I 2 2 0 0 , シス— 1， 4結合の割合； 9 8 %以上、比重； 0 . 9 2 g/ c m ム一二一粘度； 8 2 (M L _{1 + 4} 1 0 0。C)： 4 4質量％、ロジンエステル（荒川化学株式会社製、商品名；エステルガム AA - G)： 2 2質量％、ポリブテン： 9質量％、酸化亜鉛： 6質量％、含水二酸化ケィ素： 4質量％、サリチル酸メチル： 6質量％、 L—メントール： 6質量％、力ンフル： 1質量％、酢酸トコフエロール： 2質量％である貼付剤（5 0 mm x 7 0 mm、粘着剤層の厚み； 2 0 0〃m) を以下のようにして作製した。

すなわち、先ず上記の構成成分が上記の成分組成となるように均一に混合された膏体を調製した。次にこの膏体を支持体（レーヨン）上に上記の厚みとなるように展膏し、そして剥離ライナ一（剥離処理した紙）で被覆し、上記の大きさに切断して貼付剤を得た。 (実施例 2 )

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、シスー 1， 4—ポリイソプレンゴム（日本ゼオン株式会社製、商品名； N i p o 1 I R 2200、シス一 1 , 4結合の割合； 98%以上、比重； 0. 9 1 g/cm ム一二一粘度； 83 (ML _{1+ 4} 100°C)： 43質量％、水添ロジンエステル（荒川化学株式会社製、商品名； K E-31 1)： 25質量％、ポリブテン： 7質量％、酸化亜鉛： 6質量％、含水二酸化ケィ素： 4質量％、流動パラフィン： 8質量％、インドメ夕シン : 4質量％、クロタミトン： 3質量％である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。

(実施例 3 )

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、シス— 1 , 4—ポリイソプレンゴム（日本ゼオン株式会社製、商品名； Ni po l IR— 2200 L、シス一 1， 4結合の割合； 98%以上、比重； 0. 91 g/c ム一二一粘度； 70 (ML_X _{+ 4}100°C)： 49質量％、ロジンエステルガム（荒川化学株式会社製、商品名，- エステルガム A)： 20質量％、ポリプテン： 9質量％、流動パラフィン： 1 1質量％、酸化亜鉛： 7質量％、含水二酸化ケイ素： 4質量％である以外は実施例 1 と同様にして貼付剤を作製した。

(実施例 4)

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、シス一 1 , 4—ポリイソプレンゴム（日本ゼオン株式会社製、商品名； Ni po l IR— 2200GH、シス一 1 , 4 結合の割合； 98 %以上、比重； 0. 9 1 gZcm³、ム一二一粘度； 95 (M L_{1 + 4}100°C)： 42質量％、水添ロジンエステル（理ィ匕ハ一キュレス株式会社製、商品名；ステベライトエステル 7)： 1 1質量％、マレイン酸ロジン変性エステル（理化ハーキュレス株式会社製、商品名；ペン夕リン 4820): 11質量％、ポリブテン： 9質量％、流動パラフィン： 9質量％、酸化亜鉛： 7質量％、含水二酸化ケイ素： 5質量％、ケトプロフェン： 3質量％、 N—メチルピロリドン： 3質量％である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。 (実施例 5 )

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、シス一 1, 4—ポリイソプレンゴム（J S R株式会社製、商品名； JSR IR2200、シス— 1， 4結合の割合； 9 8%以上、比重； 0. 92 g/cm ム一二一粘度； 82 (ML_{1 + 4}1 00°C) ： 18質量％、ポリイソプチレン（ェクソン化学株式会社製、商品名；ビスタネヅクス MML - 120)： 26質量％、石油樹脂（荒川化学株式会社製、商品名；ァルコン P— 100)： 22質量％、ポリブテン： 9質量％、酸化亜鉛： 6質量％、含水二酸化ケイ素： 4質量％、サリチル酸メチル： 6質量％、メントール： 6質量％、カンフル： 1質量％、酢酸トコフエロール： 2質量％である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。

(実施例 6 )

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、シス— 1, 4—ポリイソプレンゴム（J S R株式会社製、商品名； J SR I R2200、シス— 1, 4結合の割合； 9 8%以上、比重； 0. 92 g/cm ム一二一粘度； 82 (ML_{1 + 4}1 00°C) ： 32質量％、ポリイソプチレン（BASFジャパン株式会社製、商品名；ォパノール; B 120)： 14質量％、石油樹脂 (荒川化学株式会社製、商品名；アルコン P 100) : 12質量％、ポリブデン： 1 0質量％、酸化亜鉛： 8質量％、含水二酸化ケィ素： 6質量％、サリチル酸グリコール： 10質量％、 1一メントール： 4 質量％、 d 1—カンフル： 2質量％、酢酸トコフエ口一ル： 2質量％である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。

(実施例 7)

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、シス— 1， 4一ポリイソプレンゴム（株式会社クラレ製、商品名；クラプレン IR— 10、シス一 1， 4結合の割合； 98%以上、比重； 0.91g/cm³、ム一ニー粘度； 90 (ML _{1+ 4}100 °C) : 14 質量％、ポリイソプチレン（BASFジャパン株式会社製、商品名；ォパノール B 100) ： 33質量％、水添ロジンエステル（荒川化学株式会社製、商品名； KE-311) : 35質量％、ポリブテン： 5質量％、酸化亜鉛： 3質量％、サリチル酸メチル： 7質量％、 L一メントール： 3質量％である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。

(実施例 8)

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、シス— 1 , 4—ポリイソプレンゴム（日本ゼオン株式会社製、商品名； Nipo l IR— 2200、シス一 1， 4結合の割合； 98%以上、比重； 0.91gZcm³、ム一二一粘度； 83 (ML_{1 + 4}100°C) ： 16質量％、ポリイソプチレン（BASFジャパン株式会社製、商品名；ォパノ一ル B80) ： 24質量％、水添ロジンエステル（理化ハーキュレス株式会社製、商品名；ステベライトエステル 7) ： 19質量％、ポリブテン： 8質量％、流動パラフィン： 22質量％、酸化亜鉛： 5質量％、含水二酸化ケイ素：4質量％、フエルビナク： 2質量％である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。

(実施例 9 )

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、シス— 1， 4一ポリイソプレンゴム（株式会社クラレ製、商品名；クラプレン IR— 10、シス一 1， 4結合の割合； 98%以上、比重； 0.91gZcm³、ム一ニー粘度； 90 (ML_{1 + 4}100°C) : 16 質量％、ポリイソプチレン（BASFジャパン株式会社製、商品名；ォパノール B 120) ： 12質量％、水添ロジンエステル（荒川化学株式会社製、商品名； KE-311) ： 7質量％、ポリブテン： 10質量％、流動パラフィン： 21質量％、酸化亜鉛： 5質量％、含水二酸化ケイ素： 3質量％、サリチル酸メチル： 7質量％、 L—メントール： 10質量％、カンフル： 2質量％、サリチル酸グリコール： 2質量％、酢酸トコフエロール： 2質量％、塩酸ジフェンヒドラミン： 1質量％、ジブチルヒドロキシトルエン： 1質量％、オリ一プ油： 1質量％である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。

(実施例 10 )

粘着剤層の構成成分及び'成分組成が、シス一 1, 4一ポリイソプレンゴム（日本ゼオン株式会社製、商品名； N i p o 1 I R— 2200 L、シス— 1 , 4結合の割合； 98%以上、比重； 0.91 ノ01!1³、ム一二一粘度； 70 (ML_{1 + 4}10 0°C) ： 24質量％、ポリイソプチレン（ェクソン化学株式会社製、商品名；ビス夕ネックス MML— 100) ： 16質量％、水添ロジンエステル（理化ハ一キュレス株式会社製、商品名；フォーラル 85) ： 10質量％、マレイン酸変性ロジンエステル（理化ハ一キュレス株式会社製、商品名；ペン夕リン 4740) ： 6 質量％、ポリブテン： 8質量％、流動パラフィン： 13質量％、酸化亜鉛： 20質量％、、ジクロフェナクナトリウム： 3質量％である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。

(実施例 1 1 )

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、シス— 1 , 4_ポリイソプレンゴム（J S R株式会社製、商品名； J S R I R 2200、シス一 1， 4結合の割合； 98% 以上、比重； 0.92g/cm³、ム一二一粘度； 82 (ML_{1 + 4}100°C) ： 18質量％、ポリイソプチレン（ェクソン化学株式会社製、商品名；ビス夕ネックス M ML- 100) : 18質量％、石油樹脂（荒川化学株式会社製、商品名；アルコン P— 85) ： 22質量％、ポリプテン： 1 1質量％、流動パラフィン： 1 9. 99質量％、酸化亜鉛： 6質量％、含水二酸化ケイ素： 5質量％、カブサイシン： 0. 0 1質量％である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。

(比較例 1 )

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、ァニオン重合により合成されたいわゆる中高シスポリイソプレンであるシス一 1 , 4—ポリイソプレンゴム（シェルジャパン株式会社製、商品名； Krat on IR— 305、シス一 1, 4結合の割合； 90%以上、比重； 0. 90 g/cm³ ム一ニー粘度； 55〜60 (ML, ₊ 4100°C)： 44質量％、ロジンエステル（荒川化学株式会社製、商品名；ェステルガム AA—G): 22質量％、ポリブデン： 9質量％、酸化亜鉛： 6質量％、含水二酸化ケイ素： 4質量％、サリチル酸メチル： 6質量％、 1一メントール： 6質量％、 dl—カンフル： 1質量％、酢酸トコフヱロール： 2質量％である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。

(比較例 2)

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、液状ポリイソプレンゴム（株式会社クラレ製、商品名；クラプレン L IR50、シス一 1， 4結合の割合； 98%以上、比重； 0. 91 g/cm³)： 10質量％、ポリイソプチレン（ェクソン化学株式会社製、商品名；ビス夕ネックス MML— 120 ： 40質量％、ロジンエステル (荒川化学株式会社製、商品名；エステルガム AA— G): 15質量％、ポリブテン： 10質量％、酸化亜鉛： 8質量％、含水二酸化ケイ素： 5質量％、サリチル酸メチル： 7質量％、 1一メントール： 5質量％である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。

(比較例 3)

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、天然ゴム（野村貿易（株）製、商品名； R S S 1 )： 44質量％、ロジンエステル（荒川化学株式会社製、商品名；エステルガム AA— G)； 22質量％、ポリブデン： 9質量％、酸化亜鉛： 6質量％、含水二酸化ケイ素： 4質量％、サリチル酸メチル： 6質量％、 1—メントール： 6 質量％、 d 1—カンフル： 1質量％、酢酸トコフエロール： 2質量％である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。

(比較例 4)

粘着剤層の構成成分及び成分組成が、スチレン一ィソプレン一スチレン共重合体（日本合成ゴム株式会社製、商品名； S I S— 5000、スチレンとイソプレンの物質量比；スチレン Zイソプレン二 15/85、比重； 0. 92 g/cm³)： 22質量％、水添ロジンエステル（理化ハーキュレス株式会社製、商品名；フォーラル 85)： 48質量％、流動パラフィン： 20質量％、サリチル酸グリコ一ル： 5質量％、 1一メントール： 5質量％、である以外は実施例 1と同様にして貼付剤を作製した。 [使用中の付着性及び使用後の剥離性評価試験]

実施例 1〜実施例 6及び比較例 1〜比較例 4に示した貼付剤をそれぞれ 3 0枚ずつ用意し、 3 0人の肩こりの症状のあるユーザー（健常成年男子）にこれらの貼付剤を患部（皮膚）に貼付したままの状態で日常生活をしてもらい、使用中の患部に対する貼付剤の付着性及び使用後の患部からの貼付剤の剥離性について評価を得た。

なお、この試験は貼付剤 1枚毎にそれぞれ異なる日に実施し、試験時間を貼付剤 1枚につき 6時間とした。また、この試験において使用する貼付剤の大きさは、全ての実施例及び比較例ともに幅 4 0 mm、長さ 6 5 mmとし、貼付剤の貼付部位は肩の患部に限定した。

ここで、使用した貼付剤毎に得た各ュ一ザ一からの評価回答は以下の評価基準に基づくものである。すなわち、「使用中の付着性」の評価基準については、良好；使用中に患部から貼付剤がずれたり、脱落したり、シヮがよつてしまうこと無く使用できた、問題あり；使用中に患部から貼付剤がずれたり、脱落したり、シヮがよつてしまった、とした。また、「使用後の剥離性」の評価基準については、良好；患部から貼付剤を剥離する際に痛みを伴うこと無く速やかに剥離できた、問題あり；患部から貼付剤を剥離する際に痛みを伴い速やかに剥離できなかった、とした。

そして、実施例 1〜実施例 6及び比較例 1〜比較例 4に示した貼付剤のそれそれに対する 3 0人のユーザ一の回答を集計し、 4 ；使用したサンプル中、良好と評価されたサンプルの割合が 8 0 %以上、 3 ；使用したサンプル中、良好と評価されたサンプルの割合が 6 0 %以上、 8 0 %未満、 2 ；使用したサンプル中、良好と評価されたサンプルの割合が 4 0 %以上、 6 0 %未満、 1 ;使用したサンプル中、良好と評価されたサンプルの割合が 4 0 %未満、とした評価基準に基づく評価結果を得た。これを表 1に示す。使用中の付着性使用後の剥離性

実施例 1 4 4

実施例 2 4 4

実施例 3 4 3

実施例 4 4 3

実施例 5 4 4

実施例 6 4 3

比較例 1 3 2

比較例 2 3 2

比較例 3 3 1

比較例 4 4 1 表 1に示した結果から明らかな通り、実施例 1〜実施例 6の本発明の貼付剤は患部への付着性に優れ、然も使用後に患部から剥離する際にも痛みを伴うこと無く速やかに剥離できることが確認された。

[患部に対する皮膚刺激性の評価試験（クローズドパッチテスト）] 実施例 1〜実施例 6及び比較例 1〜比較例 4に示した貼付剤を用意し、 3 0人のユーザ一（健常成年男子）にこれらの貼付剤を患部（皮膚）に 4 8時間クロ一ズドパヅチテストを実施した後、剥離してから 1時間後および 2 4時間後の貼付部位の皮膚状態について評価を得た。

この試験において使用する貼付剤の大きさは、全ての実施例及び比較例ともに直径 2 0 mmの円とし、貼付剤の貼付部位は背中の患部に限定した。

ここで、使用した貼付剤毎に得た各ユーザ一からのパツチテスト評価回答は以下の評価基準に基づくものである。すなわち、 0点；異常無し、 0 . 5点；貼付部位にわずかな紅班の発生が確認された、 1点；貼付部位に明らかな紅班の発生が確認された、 2点；貼付部位に紅班の発生に加えて丘疹又は浮腫の発生が確認された、 3点；貼付部位に紅班の発生に加えて丘疹又は浮腫の発生が確認され、更に小水泡の発生が確認された、とした。なお、判定は上記の判定基準によって行ない、各貼付剤について剥離してから 1時間後と 2 4時間後の試験結果においてより陽性度の高い方の結果を選択した。

そして、実施例 1〜実施例 6及び比較例 1〜比較例 4に示した貼付剤のそれそれに対する 3 0人のユーザーの回答を集計し、その評点総和を実施した人数の総数で除して 1 0 0を乗じた値を各貼付剤毎の皮膚刺激指数とし、これに基づく評価結果を得た。これらの結果を表 2に示す。表 2

表 2に示した結果から明らかな通り、実施例 1〜実施例 6の本発明の貼付剤は従来の貼付剤に比較して貼付部位へ与える皮膚刺激の度合いが十分に低減されていることが確認された。

[粘着力の熱安定性評価試験]

実施例 1〜実施例 6及び比較例 1〜比較例 4に示した貼付剤をそれそれ 3 0枚ずつ用意し、室温（約 2 5 °C) における初期の各貼付剤の粘着剤層の粘着力と、高温（4 0 °C) に保持したまま 3ヶ月間保管した後の各貼付剤の粘着剤層の粘着力とを測定し、初期の粘着力に対する高温に保持した後の粘着力の低下の度合いを算出することにより、各貼付剤の粘着剤層の粘着力の熱安定性について評価を得た。なお、上記の実施例及び比較例の各貼付剤を高温に保持したまま 3ヶ月間保管した際には、各貼付剤をアルミニウムを主体とする複合フィルムにより形成された封入袋内に密封した。

ここで、各貼付剤の粘着剤層の粘着力とは、以下に示す第 1 3改正日本薬局方絆創膏 D 8 7 1頁に規定されたィンストロン型引張試験機を用いる粘着力試験法に基本的に従う測定方法により測定された非伸縮性のフィルムの面に対する貼付剤の粘着剤層の粘着面の粘着力を示す。

貼付剤の粘着剤層の粘着力の測定方法について説明する。先ず、測定対象となる貼付剤（2 0 x 7 0 mm、厚み； 2 0 0 m)とフエノール樹脂製の試験板（ 2 5 x 5 0 mm) とをそれそれ 2 5 °Cに保持した恒温室内に 3 0分以上放置する。次に、恒温室内において、清浄にした試験板の面に貼付剤の粘着面を下側にして試験板と貼付剤の長さ方向の一端をそろえ、貼付剤が試験板の幅方向の中央に来るようにその粘着面を試験板の面に貼り付け、貼付剤の残つた部分を遊ばせてお次に、貼付剤の支持体背面上からゴムローラ一（質量； 8 5 0 g) を毎分約 3 0 0 mmの速さで一往復させて圧着した。圧着後直ちに貼付剤の遊びの部分を 1 8 0度折り返す。次に折り返した貼付剤の粘着面の遊びの部分に非伸縮性フィルム（2 O x約 1 0 0 mm) を貼り付け、非伸縮性フィルムの残った部分を遊ばせておく。

次に、非伸縮性フィルムの遊びの部分を引張試験機の上部つかみ（留め金）に、試験板は下部つかみ（留め金）にそれぞれ挟み、毎分 3 0 0 ± 3 0 mm/m i n の速さで貼付剤の粘着面を試験板の面から引き剥がす。そして、引き剥がしはじめてから、 2 0 mmを剥がした時点から 4 0 mmまでの間の力の荷重平均値を積分計により求める。この測定を各貼付剤毎に 6回ずつ行ない、得られた測定値の平均値を上記の粘着力とする。

実施例及び比較例の各貼付剤のそれぞれについて、初期の粘着力に対する高温で保持した後の粘着力の割合を百分率で表した値を粘着力低下率とした。また、高温で保持した後の各貼付剤の粘着剤層中の基剤の変質の度合いを評価するために、上記の粘着力測定試験を行なう際に、高温で保持した後の各貼付剤の粘着面のべ夕ヅキについて、 3 ；ベ夕ヅキが認められなかった、 2 ;ややべ夕ヅキが認められた、 1 ；ベ夕ヅキが認められた、とした評価基準に基づいて評価した。粘着面にベ夕ヅキが生じると、使用の際に貼付部位に違和感を感じると共に使用後に貼付剤を貼付部位から剥離する際に、粘着剤層の一部が貼付部位に張り付く等の問題を生じることになる。これらの結果を表 3に示す。

表 3に示した結果から明らかなように、実施例 1〜実施例 6の本発明の貼付剤は、高温において保管した後においても粘着力の低下が十分に抑制され、然も粘着面のベ夕ヅキも十分に防止されており、熱安定性に優れていることが確認された。

産業上の利用可能性

以上、説明したように本発明の貼付剤によれば、チ一グラー重合法により合成されるシス一 1 , 4ーポリィソプレンゴムを粘着剤層の構成成分として使用するので、粘着剤層の粘着力を貼付部位に対して適切な水準に調節することが容易にでき、長期にわたって保管を行なった後においてもその粘着力を十分に保持できる。

従って、使用中に貼付部位から貼付剤がずれたり、脱落したり、シヮがよつてしまうなどの問題や、使用後に貼付部位から貼付剤を剥離する際に痛みを伴う等の使用感を損なう場合がある等の問題の発生を十分に防止することができる。更に、本発明の貼付剤によれば、天然ゴムを使用していないので貼付部位における違和感や皮膚刺激を十分に低減することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 支持体と当該支持体上に積層された粘着剤層とを備えた貼付剤であって、前記粘着剤層には、少なくとも合成イソプレンゴムと、粘着付与剤と、軟化剤とが含有されており、

前記合成イソプレンゴムがチ一グラ一重合法により合成されるシス一 1， 4一ポリイソプレンゴムである貼付剤。

2 . 前記合成イソプレンゴムの分子内におけるシス一 1， 4結合の割合が 9 1 % 以上である請求項 1に記載の貼付剤。

3 . 前記粘着剤層に含有される前記合成イソプレンゴムの含有率が 5〜 6 0質量％であり、前記粘着付与剤の含有率が 5〜4 0質量％であり、かつ、前記軟化剤の含有率が 2〜 4 0質量％である請求項 1記載の貼付剤。

4 . 前記粘着剤層に薬効成分が更に含有されており、該薬効成分の含有率が 0 . 0 1 - 3 0質量％である請求項 1に記載の貼付剤。

5 . 前記粘着剤層に含有される前記合成ィソプレンゴムのム一ニー粘度が 5 0〜 1 1 0 (M L _{1 + 4} 1 0 0 °C) である請求項 1に記載の貼付剤。