明 細 書 ポリフルォロアルキルスルフエニル化合物の製造法 <技術分野〉
本発明は医農薬として有用なポリフルォロアルキルスルフエニル誘導体の製造 法おょぴジフルォロメチルスルフエニル誘導体の製造に用いられるジフルォロメ チノレスルフエエルクロリ ドの前駆体として有用なベンジル (ジフルォロメチル) スルフィ ドの製造方法、 並びに、 特に農薬および動物薬として有用な 1—ァリー ルー 3—シァノー 4— トリフルォロメチルスルフエ二ルビラゾール誘導体に関す るものである。
<背景技術 >
近年ポリフルォロアルキルスルフエニル基、 特にトリフルォロメチルスルフェ ニル基 (CF3S)、 ジフルォロメチルスルフエニル基 (CF2HS) を有する化合 物が特異的な生物活性を有することから注目されている。 特にトリフルォロメチ ルスルフエ二ル基を有するビラゾ一ル誘導体おょぴジフルォロメチルフエニル基 を有するピラゾール誘導体 (特開昭 62— 228065号公報、 特開昭 63— 3 1 677 1号公報、 特開平 3— 1 1 836 9号公報、 特開平 10— 338676 号公報) は殺虫剤として有用であり、 有効なポリフルォロアルキルスルフエニル 基導入法、 特にトリフルォロメチルスルフエ-ル基およびジスルォロメチルフェ ニル基の導入法が求められている。
ポリフルォロアルキルスルフエニル基、 例えば、 トリフルォロメチルスルフェ エル基の直接的な導入法としては、 トリフルォロメチルスルフエ-ルクロリ ドを 用いる方法 (特許 26695 38号公報) が知られているが、 原料として使用さ れるトリメチルスルフュエルクロリ ドが毒性を有しており工業化が困難である。 また、 トリフルォロメチルスルフエニル銅による求核置換反応(Synthesis, 1975, 721)、 チォホスゲン/フッ化カリウムによる求核置換反応 (J.Fluorine.Chem.,
1997, 169) も知られているが、反応試剤を工業的に製造することが困難という問 題がある。
一般に、 スルフィ ドはチオールとハロゲン化アルキルとの求核置換反応により 製造することもできる。 しかし、 この求核置換反応は進行しにくく、 特にトリフ ルォロメチルスルフエ二ル誘導体を製造するために必要なハロゲン化パーフルォ 口アルキルの場合には種々の活性化が必要なため、 作業が繁雑であったり、 活性 化のために毒性物質を用られている。 また、 チオールは空気酸化によりジスルフ イドに変化しやすく、 工業的取り扱いに困難を生じる場合があり、 さらに、 臭気 の問題もある。 このため、 この方法により トリフルォロメチルスルフエ-ル誘導 体を工業的に製造することは困難である。
原料としてチオールを用いる場合、 一般的にはチオールはチオシアナ一トゃジ スルフィドなどの中間体を還元することにより製造されるので、工程が増加する。 チォシァノ基に対してポリフルォロアルキル化を行いポリフルォロアルキルス ルフエ二ル基を導入する方法も知られている。 たとえば、 チオシアナート化合物 にトリフルォロメチルトリメチ /レシランを作用させる方法 (Tetrahedron Lett., 1997, 65) が知られているが、 原料として使用されるトリフルォロメチルトリメ チルシランが高価であり、 この方法により トリフルォロメチルスルフエニル誘導 体を工業的に製造することは困難である。
ジスルフィ ドを原料としてトリフルォロメチルスルフエニル誘導体を製造する 方法は、 原料の製造しやすさから見て有効である。
たとえば、 特許第 2 7 4 6 7 0 7号公報には、 過剰量のギ酸ナトリウムおよび 過剰量の二酸化硫黄を用い、 ジスルフィドとハロゲン化トリフルォロメチルを反 応させ、 対応するトリフルォロメチルスルフエ二ル体を製造する方法が記載され ている。 しカゝしながら、 二酸化硫黄は刺激性があり、 また、 環境に悪影響を与え るため、 工業使用に問題がある。
また、 特許第 2 7 4 6 7 0 7号公報には、 ハロゲン化トリフルォロメチルとし て、 臭化トリフルォロメチル以外の化合物を用いた例はない。 臭化トリフルォロ メチルはオゾン層を破壌するため製造が禁止されており、 地球環境に有害な原料
を用いずに、 工業的に実施できるトリフルォロメチルスルフヱ-ル誘導体の製造 方法が求められている。
ポリフルォロアノレキルスルフエニル基、 例えば、 ジフノレオロメチノレスノレフエ二 ル基を導入する方法としては、 ジフルォロメチルスルフエニルクロリ ドを用いる 方法が有効であることが知られている。 G丄 Moore, J.Org.Chem., 1979年, 44 卷, 1708頁には、 ジフルォロメチルスルフエユルクロリ ドは、 ベンジノレ (ジフノレ ォロメチル) スルフィ ドから合成でき、 ベンジル (ジフルォロメチル) スルフィ ドは、 ベンジルメルカプタンの塩とクロ口ジフルォロメタンを特定の溶媒及び水 酸化ナトリゥムの存在下で反応させると合成できることが記載されている。 当該 文献には、 ベンジル (ジフルォロメチル) スルフィ ドを合成する際の反応溶媒と して N, N—ジメチルホルムアミ ド (以下 「DM F」 と略記する) を用いると収 率が優れることが記載されている。 しかしながら、 DM Fは皮膚、 目、 粘膜を刺 激し、 長期間の吸入により肝障害を起こすことが知られており、 反応を工業的に 実施するためには取り扱いが容易な溶媒への代替が求められている。 また、 さら なる収率の向上が求められている。
本発明は、 ジスルフイ ドを原料とし、 工業上の使用が容易な助剤の存在下にハ ロゲン化ポリフルォロアルキルによるポリフルォロアルキル化反応を行い、 ポリ フルォロアルキルスルフエ二ル体を得ることおよび、 工業的に使用しゃすい溶媒 を用いて収率良くべンジル (ジフルォロメチル) スルフイ ドを合成する方法を提 供することを課題とする。
<発明の開示 >
本発明者らの検討の結果、 ジスルフィドとハロゲン化ポリフルォロアルキルの 反応において、 ヒドラジンまたは金属ポロヒドリ ドの共存下に反応を行うことに より目的のポリフルォロアルキルスルフエニル体が得られることを見出し、 第 1 の発明を完成させた。
また、 ベンジルメルカプタンまたはその塩とクロロジフルォロメタンの反応に おいて、 反応溶媒としてアルコールと水の混合溶媒を用いることにより、 目的の
ベンジル (ジフルォロメチル) スルフィドが収率よく得られることを見出し、 第
2の発明を完成させた。
すなわち、 本発明の第 1の要旨は、 ジスルフィ ドに、 ヒドラジンおょぴ金属ボ ロヒドリ ドから選ばれる 1以上およびハロゲン化ポリフルォロアルキルを反応さ せポリフルォロアルキルスルフエニル化合物を得る方法に存する。
本発明の第 2の要旨は、 ベンジルメルカプタンまたはその塩とクロロジフルォ ロメタンを溶媒及び塩基の存在下で反応させ、 ベンジル (ジフルォロメチル) ス ルフィ ドを製造する方法において、 溶媒としてアルコールと水の混合溶媒を用い ることを特徴とするベンジル (ジフルォロメチル) スルフイドの製造方法に存す る。 く発明を実施するための最良の形態 >
以下、 本発明を詳細に説明する。
まず、 第 1の発明を説明する。
第 1の発明において用いられるジスルフイ ドは、 一般式 (1 ) で表される。 R n- S - S - R 12 ( 1 )
R 11および R 12は、 それぞれ独立して、 炭素原子で硫黄原子と結合する基を表 し、 互いに結合して環を形成してもよい。 炭素原子で硫黄原子と結合する基とし ては、 アルキル基、 ァリール基、 ヘテロァリール基などが挙げられ、 これらの基 はさらに置換基を有していてもよい。 R 11および R 1 2としては、 具体的には、 ジ メチノレジスノレフィ ド、 ジェチルジスルフィ ド、 ジー n—プロピノレジスノレフィ ド、 ジイソプロピルジスルフィド、 ジー n _ブチルジスルフィ ド、 ジ— s e c一プチ ノレジスノレフィ ド、 ジイソプチ/レジスノレフィ ド、 ジー t e r t—プチノレジスノレフィ ド、 ジ一 n—ァミルジスルフィ ド、 ジイソアミルジスルフィ ド、 ジー t e r t - アミノレジスノレフィ ド、 ジー n—ヘプチノレジスノレブイ ド、 ジ一 t e r tーォクチノレ ジスノレフィ ド、 ジ一 n—デシノレジスノレフィ ド、 ジー t e r t—ドデシルジスルフ ィ ド、 ァリルジスルフィ ド、 2—ヒ ドロキシェチルジスルフィ ド、 シスタミン、 ド、 ジシクロへキシノレジスノレフイ ド、 ジチォグリコー
ル酸、 ジチォジプロピオン酸、 シスチン、 L一シスチン、 D—シスチン、 ホモシ スチン、 L—ホモシスチン、 D—ホモシスチン、 ぺニシラミンジスノレフィ ド、 4, 4, 一ジチォブタン酸、 チォクト酸、 ベンジルジス/レフィ ド、 ジフエユルジスノレ フイ ド、 : —トリノレジスルフイ ド、 2, 2 ' 一ジチォナフタレン、 4一二トロフ ェユルジスルフイ ド、 2, 2, 一ジチォ安息香酸、 2, 2, ージチオア二リン、 2, 2 ' —ジチオビリジン、 4, 4 ' 一ジチォピリジン、 6 , 6, 一ジチォニコ チン酸、 1 , 2—ジチアン、 t r a n s— l, 2—ジチアン一 4, 5—ジオール、 ジフノレフリルジス フイ ド、 2 , 2, 一ジチォビス (ベンゾチアゾー^/) などが 挙げられる。
ジスルフィ ドとしては、 好ましくは一般式 (1 ) において R 11と R 12の少なく とも一方が置換されていてもよい複素環であるジスルフィ ドが挙げられる。 複素 環としては、 ピラゾール、 ピロール、 イミダゾール、 ピリジン、 チォフェン、 フ ランなどが挙げられる。 ジスルフイ ドとしては、 より好ましくは置換基を有する ジ (ビラゾリル) ジスルフィ ドが挙げられる。 置換基を有するジ (ビラゾリル) ジスノレフィ ドカ ら得られるトリフルォロメチルスノレフエ二ル基を有するピラゾー ル誘導体は農薬および動物薬として有用である。 ジスルフイ ドとしては、 特に好 ましくは一般式 (2 ) または一般式 (3 ) で表される化合物が挙げられる。
R 1は、水素原子、 C 1〜C 4のアルキル基または C 2〜C 5のァシル基を示す c R 1は、 具体的には、 水素原子;メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソプロ ピル基、 n—プチル基、 イソブチル基、 s e c—プチル基、 t—プチル基等の C
1〜C 4の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;またはメチルカルボニル基、 ェチル カルボニル基、 n—プロピルカルポニル基、 イソプロピルカルポニル基、 n—ブ チルカルポ二ノレ基、 イソブチルカルボニル基、 s e c—ブチルカルボニル基、 t 一プチルカルポニル基等の C 1〜C 4の直鎖もしくは分岐鎖ァシル基を示す。
R2は、 水素原子、 水酸基または C 1〜C 4のアルキル基を示す。 R2は、 具体 的には、 水素原子;水酸基;またはメチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソ プロピル基、 n—ブチル基、 イソブチル基、 s e c—ブチル基、 t _ブチル基等 の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、 好ましくは水素原子を示す。
R3は水素原子、 水酸基、 C 1〜C 4のアルキル基、 C 1〜C 4のハロアルキル 基、 C 1 ~ C 4のアルコキシ基、 置換されていてもよいフエノキシ基、 C 1〜C 4のハロアルコキシ基、 C 1 ~ C 4のアルキルスルフエニル基、 C 1〜C 4のァ ルキルスルフィ二ノレ基、 C 1〜C 4のァノレキノレスノレホニノレ基、 置換されていても よいァリール基またはへテロアリール基を示す。 R3として、好ましくは置換され ていてもよいァリール基またはへテロアリール基が例示され、 特に好ましくは下 記式で表される置換されていてもよいァリール基またはへテロァリール基が例示 される。
R4は、 C 1〜C 4のアルキル基、 C 1〜C 4のハロアルキル基、 C 1〜C 4の アルコキシ基、 置換されていてもよいフエノキシ基、 C 1〜C 4のハロアルコキ
シ基、 C 1〜C 4のアルキルスルフエニル基、 C 1〜C 4のアルキルスルフイエ ル基、 C 1〜C 4のアルキルスルホニル基、 ハロゲン原子、 ニトロ基またはシァ ノ基を示す。
mは、 0, 1または 2を示す。
Xは、 窒素原子またはハロゲン原子で置換された炭素原子を示し、 好ましくは ハロゲン原子で置換された炭素原子を示し、 特に好ましくは塩素原子で置換され た炭素原子を示す。
nは、 0、 1または 2を示し、 好ましくは 1を示す。
上記置換基の組み合わせの中で、 好ましい化合物はビス (1一 (2, 6—ジク ロロ一 4一トリフノレオロメチノレフェニノレ) _ 3—カノレポ-トリノレ一 5 _ (ピラジ ン一 2 _ィルメチルァミノ) ピラゾール一 4一ィル) 一ジスルフイ ドである。
Xは、 窒素原子またはハロゲン原子で置換された炭素原子を示し、 好ましくは ハロゲン原子で置換された炭素原子を示し、 特に好ましくは塩素原子で置換され た炭素原子を示す。
これらのジスルフィドはニナトリウムジスルフィ ド (N a 2 S 2) との縮合反応、 一塩化硫黄との縮合反応、 メルカプタンの酸化反応などにより合成することがで きる。
第 1の発明において用いられるハロゲン化ポリフルォロアルキルは、 一般式 ( 4 ) で表される。
R 2 1— X 2 ( 4 )
X 2は、 塩素原子、 臭素原子またはヨウ素原子を示し、 好ましくは臭素原子ま たはヨウ素原子、 より好ましくはヨウ素原子を示す。
R 2 1は、 ポリフルォロアルキル基を示す。 ポリフルォロアルキル基とは、 1個 以上のフッ素原子により置換されたアルキル基である。 ポリフルォロアルキル基 のアルキル基の炭素数は、 好ましくは 1〜2 0、 より好ましくは 1〜 1 0、 特に 好ましくは 1である。 R 2 1は、 フッ素原子以外の置換基を有していてもよく、 フ ッ素原子以外の置換基としては、 好ましくはフッ素以外のハロゲン原子、 酸素原 子を有する置換基、 窒素原子を有する置換基などが例示され、 特に好ましくはフ ッ素以外のハ口ゲン原子が例示される。
R 2 1は、 好ましくはアルキル基上の全ての水素原子がハロゲン原子 (但し、 フ ッ素原子を 1以上含む) で置換されているパーハロアルキル基、 アルキル基上の 水素原子の一部がハロゲン原子 (但し、 フッ素原子を 1以上含む) で置換されて いるポリハロアルキル基が挙げられ、 より好ましくはアルキル基上の全ての水素 原子がフッ素原子で置換されているパーフルォロアルキル基、 アルキル基上の水 素原子の一部がフッ素原子で置換されているポリフルォロアルキル基が挙げられ、 特に好ましくはパーフルォロアルキル基が挙げられる。
ハロゲン化パーフルォロアルキルとして具体的には、塩化トリフルォロメチル、 臭化トリフルォロメチル、 ョゥ化トリフルォロメチル、 塩化ペンタフルォロェチ ル、 臭化ペンタフルォロェチル、 ヨウ化ペンタフノレォロェチノレ、 塩化ヘプタフノレ ォロプロピル、 臭化ヘプタフルォロプロピル、 ヨウ化ヘプタフルォロプロピル、 塩化ノナフルォロブチル、臭化ノナフルォロブチル、 ョゥ化ノナフルォロブチル、 塩化パーフノレオ口ペンチノレ、 臭化パーフノレオ口ペンチノレ、 ヨウ化パーフノレオロぺ ンチル、 塩化パーフルォ口へキシル、 臭化パーフルォ口へキシル、 ヨウ化パーフ ルォ口へキシル、 塩化パーフルォ口へプチル、 臭化パーフ /レオ口へプチノレ、 ヨウ 化パーフルォ口へプチル、 塩化パーフルォロォクチル、 臭化パーフルォロォクチ ノレ、 ヨウ化パーフルォロォクチル、 塩化パ^"フルォロノ-ル、 臭化パーフルォロ ノニル、 臭化パーフルォロノ二ル、 塩化パ^"フルォロ ドデシル、 臭化パーフルォ 口ドデシル、 ョゥ化パーフルォロドデシル等が挙げられる。 好ましくは塩化トリ
フルォロメチル、 臭化トリフルォロメチル、 ヨウィ匕トリフルォロメチルなどのハ ロゲン化トリフルォロメチルが用いられ、 より好ましくは臭化トリフルォロメチ ルおよびョゥ化トリフルォロメチルであり、 特に好ましくはョゥ化トリフルォロ メチルが用いられる。
ノヽロゲン化ポリフルォロアルキルの使用量は、 ジスルフイ ドに対し、 通常 2モ ル当量以上 (すなわちィォゥ原子に対して 1モル当量以上) であり、 通常 2 0モ ル当量以下、 好ましくは 8モル当量以下 (すなわちィォゥ原子に対して 4モル当 量以下) である。 未反応のハロゲン化ポリフルォロアルキルは揮発分離、 蒸留、 抽出などの方法で回収することができる。
第 1の発明においては、 ジスルフィ ドとハロゲン化ポリフルォロアルキルとの 反応を、 ヒドラジンまたは金属ポロヒドリの存在下に行うことを特徴とする。 ジスルフィ ドとハロゲン化ポリフルォロアルキルとの反応をヒ ドラジンの共存 下に行う場合、 ヒドラジンとしては、 無水ヒドラジンおょぴヒ ドラジン水和物を 使用できるが、 安全上好ましくはヒ ドラジン水和物を用いる。 ヒドラジンの配合 量は、 ジスルフイドに対し、 通常 0 . 5モル当量以上、 好ましくは 1 . 5モル当 量以上であり、 通常 1 0モル当量以下、 好ましくは 4モル当量以下である。 ヒ ド ラジンの場合、 電子移動触媒を併用する必要がないという利点がある。
またヒドラジンの存在下に行われる、 ジスルフィ ドとハロゲン化ポリフルォロ アルキルとの反応は、 塩基不存在下でも実施できるが、 好ましくは塩基の存在下 に行われる。 塩基としては、 トリェチルァミン、 トリメチルァミン、 ピリジンな どの有機塩基類、 炭酸カリウム、 炭酸水素カリウム、 水酸化カリウム、 水酸化ナ トリウム、 リン酸水素二カリウムなどの無機塩基類が例示されるが、 好ましくは 無機塩基類、 より好ましくは炭酸カリウムが例示される。 塩基の量は、 ジスルフ ィ ドに対し、 通常 1モル当量以上、 好ましくは 2モル当量以上であり、 通常 1 0 モル当量以下、 好ましく 3モル当量以下である。
さらにこの場合、 ヒドラジンはハロゲン化ポリフルォロアルキルを 1電子還元 してポリフルォロアルキルァニオンラジカルを発生させ、 さらにその解裂により ポリフルォロアルキルラジカルを発生させる機能を有していると考えられる。 そ
して発生したポリフルォロアルキルラジカルがジスルフィ ドに作用して、 ポリフ ルォロスルフエ-ル化合物が生成することとなる。
第 1の発明において、 ジスルフィ ドとハロゲン化ポリフルォロアルキルとの反 応を金属ポロヒ ドリ ドの共存下に行う場合、 金属ボロヒ ドリ ドとしては、 リチウ ムポロヒ ドリ ド、 ナトリゥムポロヒ ドリ ド、 カリゥムポロヒ ドリ ドなどのアル力 リ金属ボロヒ ドリ ド、 カルシウムポロヒ ドリ ド、 マグネシウムポロヒ ドリ ドなど のアル力リ土類金属ポロヒ ドリ ド、 亜鉛ポロヒ ドリ ドなどの典型金属ポロヒ ドリ ド、 リチウムシァノポロヒ ドリ ド、 ナトリウムシァノポロヒ ドリ ドなどのシァノ ポロヒ ドリ ドが例示され、 好ましくはアルカリ金属ポロヒ ドリ ド、 より好ましく はナトリウムポロヒ ドリ ドが挙げられる。 金属ポロヒ ドリ ドの使用量は、 ジスル フイ ドに対し、 通常 0 . 5モル当量以上、 好ましくは 1 . 5モル当量以上であり、 通常 1 0モル当量以下、 好ましくは 4モル当量以下である。
金属ポロヒ ドリ ドの存在下に行われる、 ジスルフィ ドとハロゲン化ポリフルォ 口アルキルとの反応は、 ビビリジニゥム塩誘導体を共存させることが好ましい。 ビビリジニゥム塩誘導体としては、 J.Org.Chem., 1990,55,4127等に記載されてい る電子移動触媒 (electron-transfer catalyst) として知られているものが挙げら れ、 好ましくは 1, 1, —ジメチルー 4, 4 ' 一ビビリジニゥムジクロリ ド (メ チルビオローゲン) などの 1 , 1, ージアルキル一 4, 4, —ビビリジニゥム塩 類、 1, 1, 一エチレン一 2, 2 ' —ビビリジリウムジブロミ ドなどの 1, 1 ' ージアルキル一 2 , 2, 一ビビリジリウム塩類などのビビリジェゥム塩誘導体が 挙げられ、 より好ましくは 1, 1 ' —ジメチル 4 , 4, 一ビビリジニゥム塩類で あるビオローゲン色素が挙げられ、 特に好ましくはメチルビオローゲンが挙げら れる。 ビビリジニゥム塩誘導体の使用量は、 ジスルフィ ドに対して、 通常 0 . 0 1モル0 /0以上、 好ましくは 1モル%以上であり、 通常 9 9モル0 /0以下、 好ましく は 2 0モル%以下である。 ビビリジニゥム塩誘導体は反応終了時に油水分離した 後の水層に存在しており、 リサイクル使用することが可能である。
金属ポロヒ ドリ ドの存在下に行われる、 ジスルフィ ドとハロゲン化ポリフルォ 口アルキルとの反応は、 塩基不存在下でも実施できるが、 好ましくは塩基の存在
下に行われる。 塩基としては、 トリェチルァミン、 トリメチルァミン、 ピリジン などの有機塩基類、 炭酸カリウム、 炭酸水素カリウム、 水酸化カリウム、 水酸化 ナトリウム、 リン酸水素二カリウムなどの無機塩基類が例示されるが、 好ましく は有機塩基類、 より好ましくはトリエチルァミンが例示される。 塩基の量は、 ジ スルフイドに対し、 大過剰が好ましく、 より好ましくは 1 0モル当量以上、 1 0 0モル当量以下である。
金属ポロヒドリ ドの存在により反応が進行する機構は明らかではないが、 本発 明の反応条件においては、 金属ボロヒドリ ドは、 ジスルフィドを還元してチォー ル基にする機能を有している。 さらに、 チオール基は塩基の存在下ではチオラー トァェオンとなる。 チオラートァニオンは共存するメチルビオローゲンを 1電子 還元する能力があり、 ヒドラジンの場合と同様に、 ハロゲン化ポリフルォロアル キルに作用してポリフルォロアルキルラジカルを発生させ、 ジスルフィ ドをポリ フルォロスルフ エル化合物へ誘導しているものと推測される。
ジスルフィ ドとハロゲン化ポリフルォロアルキルとの反応は、 通常、 溶媒の存 在下行われる。 溶媒は特に限定されないが、 好ましくは DM F、 ジメチルァセト アミド、 N—メチル一 2—ピロリ ドン、 D M I ( 1, 3—ジメチル一 2—イミダ ゾリジノン)、 HM P A (へキサメチルホスホルアミド)、 D M S O (ジメチルス ルホキシド)、スルホランなどの非プロトン性極性溶媒が挙げられ、特に好ましく は D M F、 ジメチルァセトアミド、 N—メチル一 2—ピロリ ドンなどのァミド基 を有する極性溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量は、 基質 (ジスルフィド) に対して体積 Z重量比で、 通常 1倍以 上、好ましくは 2倍以上、特に好ましくは 5倍以上であり、通常 1 0 0 0倍以下、 好ましくは 1 0 0倍以下、 特に好ましくは 2 0倍以下の範囲である。
反応方法は、 ジスルフィドと、溶媒と、 ヒドラジンまたは金属ポロヒドリ ドと、 必要に応じて塩基とを仕込んだ反応容器に、 1 ) 常圧下においてハロゲン化ポリ フルォロアルキルを溶存させる方法、 2 ) 吹き込む方法、 3 ) ォートクレーブな どの密閉容器においてハロゲン化ポリフルォロアルキルを仕込み反応する方法、 等が挙げられる。
反応温度は、 通常—20 °C以上、 好ましくは 0°C以上であり、 通常 120°C以 下、 室温以下の範囲が選択される。 反応時間は、 通常 1時間以上、 好ましくは 1 0時間以上であり、 通常 120時間以下、 好ましくは 48時間以下である。
反応終了後は、 通常の後処理法すなわち油水分離による抽出、 水投入により油 水分離または晶析、 蒸留などにより、 生成物を単離するか、 未単離のまま次工程 に用いる。
第 1の発明によれば、 原料として使用したジスルフィ ドに対応するポリフルォ 口アルキルスルフエニル化合物を得ることができる。 第 1の発明によれば、 例え ば、 一般式 (5)、 一般式 (6) などのピラゾール誘導体を得ることができる。
R\ R2、 R3、 X、 nは一般式 (2) と同義。 R5は一般式 (4) における R2 1と同義。
—般式 (5) で表される化合物としては、 具体的には、 1一 (2, 6—ジクロ ロー 4一トリフノレオ口メチノレフェニノレ) 一 4一ト リフスレオロメチノレス/レフエニスレ - 5 - (ピラジン一 2—ィルメチルァミノ) ピラゾールー 3—力ルポ二トリル、 1 - (2, 6ージクロロ一 4一トリ フノレオ口メチノレフェニノレ) _ 4一ジフノレオ口 メチルスルフエ二ルー 5— (ピリジン一 2—ィルメチルァミノ) ピラゾールー 3 一カルボ二トリルが挙げられる。
Xは一般式 (2) と同義。 R5は一般式 (4) における R21と同義。
一般式 (6) で表される化合物としては、 具体的には、 1— (2, 6—ジクロ ロー 4一トリフノレオ口メチルフエ-ル) 一 4 _トリフルォロメチルスルフエニル
- 5—アミノピラゾール一 3一カルボ二トリルが挙げられる。
第 1の発明により得られた一般式 (5)、 一般式 (6) で表されるピラゾール誘 導体を原料として、 反応式 1、 反応式 2などのルートにより、 一般式 (7) で表 される化合物を得ることができる。
反応式 1
反応式 2
一般式 (7) において、 R R\ R3、 X、 nは一般式 (2) と同義。 R5は 一般式 (4) における R21と同義。 pは 1または 2を示し、 好ましくは 1を示す。 一般式 (7) で表される化合物としては、 具体的には、 1— (2, 6—ジクロ口 — 4—トリフルォロメチルフエニル) 一 4—トリフルォロメチルスルフィエル一 5一 (ピラジン一 2—ィルメチルァミノ) ピラゾール一 3—力ルポ二トリルが挙 げられる。
一般式 (8) において、 Xは一般式 (2) と同義。 R 5は一般式 (4) におけ る R21と同義。 pは 1または 2を示し、 好ましくは 1を示す。 一般式 (8) で表 される化合物としては、 具体的には、 1— (2, 6—ジクロロー 4—トリフルォ 口メチルフエ-ノレ) 一4一トリフノレオロメチノレスノレフィニノレ一 5一アミノピラゾ 一ルー 3—カルボ二トリルが挙げられる。
反応式 1および 2における硫黄原子の酸化の方法としては、 酸化剤を用いる化 学的酸化方法および酵素、 菌などを用いる生化学的酸化方法が例示できるが、 化 学的酸化方法が一般的に用いられる。 化学的酸化においては、 一般式 (5) また は一般式 (6) の化合物に対して通常 0. 2モル当量以上、 好ましくは 0. 2 5 モル当量以上であり、 通常 5. 0モル当量以下、 好ましくは 2. 0モル当量以下 の酸化剤を溶媒の存在下又は不存在下で加え、通常一 20°C以上、好ましくは 0°C 以上であり、 通常 1 5 0°C以下、 好ましくは 1 2 0°C以下の温度で、 通常 1時間 以上であり、 通常 4 8時間以下、 好ましくは 6時間以下の時間で反応を行う。 この反応で用いる酸化剤としては、 過酸化水素、 ォクソン、 m—クロ口過安息 香酸、 過酢酸、 過ヨウ素酸ナトリウム、 4酸化ルテニウム、 オゾン、 t—ブチル ヒドロペルォキシド、 硝酸等が挙げられ、 好ましくは過酸化水素である。 過酸化 水素は通常過酸化水素水が用いられ、 過酸化水素水中の過酸化水素の濃度は、 通 常 1 0重量。/。以上、 好ましくは 3 0重量%以上であり、 通常 7 0重量%以下、 好 ましくは 6 0重量%以下である。
この反応で用いる溶媒としては、 一般に酸化反応に用いられる有機溶媒を用い ることができ、 トルエン、 へキサンなどの炭化水素溶媒、 ジクロロメタン、 クロ 口ホルムなどのハ口ゲン化炭化水素溶媒が用いられる。
特に本発明においては酸存在下で反応を行うことが好適であり、 用いられる酸 としてはプロトン酸およびルイス酸が例示されるが、 好ましくはプロトン酸であ る。 プロトン酸としては硫酸、 塩酸、 硝酸、 燐酸などの無機酸類、 酢酸、 ギ酸、 トリフルォロ酢酸などの有機酸類が例示されるが、 好ましくは無機酸であり、 さ らに好ましくは硫酸である。 硫酸を用いる場合には、 通常 6 0〜 9 0重量%濃度 の硫酸が用いられ、 好ましくは 7 5〜8 5重量%濃度の硫酸が用いられる。
酸化剤と溶媒の好ましい組み合わせは、過酸化水素と硫酸の組み合わせである。 この反応においては、 必要に応じて酸化を助ける触媒を添加しても良く、 触媒 としては一般にスルフィドの酸化を助ける触媒を用いることができるが、 このま しくはルテニウム化合物、 タングステン化合物、 バナジウム化合物、 モリプデン 化合物、チタン化合物などであり、 さらにこのましくはルテニウム化合物である。 ルテ二ゥム化合物としては三塩化ルテユウム、酸化ルテ二ゥムなどを例示できる。 これらの触媒の使用量は原料のスルフイ ドに対して、 通常 0 . 0 1モル%以上、 好ましくは 0 . 1モル0 /0以上であり、 通常 1 0 0モル%以下、 好ましくは 2 0モ ル%以下の範囲が例示できる。
触媒を使用する場合の反応は、 通常一 3 0 °C以上、 好ましくは一 1 0 °C以上で あり、 通常 1 2 0 °C以下、 好ましくは室温 (2 5 °C) 以下の温度で、 通常 1時間 以上であり、 通常 4 8時間以下、 好ましくは 6時間以下の時間で行われる。 次いで、 第 2の発明を説明する。
第 2の発明においては、 ベンジルメルカプタンまたはその塩が用いられる。 ベ ンジルメルカプタンは、 P h C H2 S H (式中.、 P hはフエ-ル基を表す) の構造 を有する化合物である。 ベンジルメルカブタンの塩としては、 通常、 ベンジルメ ルカブタンのアルカリ金属塩、 ベンジルメルカプタンのアルカリ土類金属塩など が挙げられ、好ましくは、ベンジルメルカブタンのアル力リ金属塩が用いられる。 ベンジルメルカプタンまたはその塩の添加量は、 ベンジルメルカプタンの重量 を、 水とアルコールの混合溶媒の体積に対する百分率 (%) で表した場合、 通常 5 %以上、 好ましくは 1 0 %以上であり、 通常 9 0 %以下、 好ましくは 5 0 %以
下である。
第 2の発明に用いられるクロロジフルォロメタンは、 C H F 2 C 1の構造を有す る化合物である。
クロ口ジフルォロメタンの添加量は、ベンジルメルカプタンに対するモル比で、 通常 1モル倍以上であり、 通常 5モル倍以下、 好ましくは 3モル倍以下である。 第 2の発明に用いられる塩基は、 通常、 アルカリ金属水酸化物、 アルカリ土類 金属水酸化物、 アンモニア、 有機アミン類などが挙げられ、 好ましくは、 アル力 リ金属水酸化物が用いられ、 さらに好ましくは、 水酸化ナトリウムまたは水酸化 力リゥムが用いられる。
塩基の添加量は、 ベンジルメルカプタンに対するモル比で、 通常 1モル倍以上 であり、 通常 5モル倍以下、 好ましくは 2モル倍以下である。
第 2の発明においては、 溶媒として水とアルコールの混合用倍を用いることを 特徴とする。 混合溶媒に用いられるアルコールとしては、 好ましくは、 水と相溶 性のあるアルコール、特に好ましくは、炭素数 1〜 3のアルコールが挙げられる。 具体的にはメタノール、 エタノール、 イソプロパノールが用いられ、 好ましくは ィソプロパノールが用いられる。
混合溶媒のアルコールと混合比 (体積比) は、 アルコールの種類により異なる 力 通常、 アルコール:水 = 1 : 1 0 0以上、 好ましくは 5 0 : 5 0以上であり、 通常 1 0 0 : 1以下、 好ましくは 9 5 : 5以下の範囲である。 アルコールとして ィソプロパノー を用いる場合は、 ィソプロパノール:水 = 6 0 : 4 0〜9 0 : 1 0の範囲が特に好ましい。
反応器への各成分の添加順序及び反応方法は特に制限されないが、 好適な例と しては、 初めにアルコールと水の混合溶媒を作製し、 これにべンジルメルカプタ ンまたはその塩を加え混合溶媒に溶解させ、 さらに塩基を加え、 溶解させる。 次 いで、 ここにクロロジフルォロメタンを導入することにより反応を行い、 次式で 表されるベンジノレ (ジフルォロメチル) スルフィ ド ( C H F 2 S C H2 P h (式中、 P hはフエエル基を表す))
を得る方法が挙げられる。
反応温度は、 通常一 20 °C以上、 好ましくは 10 °C以上であり、 通常 120 °C 以下、 好ましくは 70°C以下である。 反応時間は、 通常 1時間以上であり、 通常 120時間以下、 好ましくは 5時間以下である。
ベンジルメルカブタンは酸素により酸化されやすいので、 反応雰囲気は窒素や アルゴンなどの不活性ガスで置換しておくことが望ましく、 反応に用いる溶媒も 脱気して酸素を除去しておくことが望ましい。
反応終了後は、 常法に従って抽出を行う。 その後、 未単離のまま他の反応に用 いても、 蒸留などにより精製して反応生成物を単離してもよい。
第 2の発明により得られたベンジル (ジフルォロメチル) スルフイドを C l 2、 S O2C 12などのクロ口化剤と反応させることにより、 ジフルォロメチルスルフ ェエルク口リ ドを得ることができる。 この反応は通常無溶媒で行われる。 反応温 度は、 通常一 50 °C以上、 好ましくは一 10°C以上であり、 通常 150°C以下、 好ましくは 100°C以下である。 反応時間は、 通常 10分以上、 好ましくは 30 分以上であり、 通常 24時間以下、 好ましくは 10時間以下である。
このようにして得られたジフロメチルスルフエニルク口リ ドとピラゾール化合 物とを反応させることにより、 ピラゾール化合物にジフルォロメチルスルフエ二 ル基を導入することができる。 ジフルォロメチルスルフエユルクロリ ドと反応さ せるピラゾール化合物としては、一般式(10) で表される化合物が挙げられる。
R\ R2s R3、 X、 nは一般式 (2) と同義。
ジフルォロメチルスルフエ二ルクロリ ドと一般式 (10) で表される化合物と
を反応させることにより、 一般式 (9) で表される化合物を製造することができ る。
R\ R R3、 X、 nは一般式 (2) と同義。 一般式 (9) で表される化合物 としては、 好ましくは、 メチルフエニル) 一 4ージフルォロメチルスルフエニル - 5 - (ピリジン一 2—ィルメチノレアミノ) ピラゾールー 3—力ルポ-トリルが 挙げられる。
ジフルォロメチルスルフエユルクロリ ドと一般式 (10) で表される化合物と の反応において、 ジフルォロメチルスルフエ二ルクロリ ドは、 一般式 (1 0) で 表される化合物に対して、 通常 0. 5モル当量以上、 好ましくは 0. 8モル当量 以上であり、 通常 1 0モル当量以下、 好ましくは 5モル当量用いられる。 反応温 度は、通常 0°C以上であり、通常 1 50°C以下、好ましくは 1 00°C以下である。 反応時間は、 通常 1時間以上であり、 通常 24時間以内、 好ましくは 4時間以内 である。
ジフルォロメチルスルフエニルクロリ ドと一般式 (10) で表される化合物と の反応で用いられる溶媒としては、 ベンゼン、 トルエンまたはキシレン等の芳香 族炭化水素;アセトン、 メチルェチルケトン等のケトン類; クロ口ホルムまたは 塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素;エーテル、 ジィソプロピルエーテル、 テ トラヒドロフラン等のエーテル系溶媒; DMF、 ジメチルスルホキシド等の非プ 口 トン性極性溶媒が挙げられ、このうちトルエンおよぴクロロメタンが好ましい。 反応は、 好ましくは塩基の存在下で行い、 塩基としては、 ピリジン、 トリェチ
ルァミンなどのアミン類が用いられる。 ぐ実施例 >
以下、 実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、 本発明は下記実施例に 限定されるものではない。
[参考例 1 ]
(ジスルフィ ドの製造)
5一アミノー 1— (2, 6—ジクロロ一 4一 トリフルォロメチルフエニル) ピ ラゾール一 3—カルボ二トリル 1 1 0 g (0. 343M)、 2—ホルミルビラジン 38. 5 g (0. 3 56 M) とトルエン 440 m Lの混合物に、 p—トルエンス ルホン酸一水和物 0. 28 gを加え、 生成する水を除去しながら 3時間加熱還流 した。 室温に冷却後、 生じた結晶を濾取した。 結晶を更にトルエン 8 OmLで洗 浄し、 約 8%のトルエンを含む粗な 1— (2, 6—ジクロロー 4—トリフルォロ メチルフエニル) 一 5— (ピラジン一 2—ィルメチリデンィミノ) ピラゾールー
3 _力ルポエトリル 1 50. 34 g を得た。
エタノール 5 3 OmLにナトリウムボロヒドリ ド 8. 8 g (0. 221 M) を 加え、 上記で得た 1一 (2, 6—ジクロ口 _ 4一 トリフルォロメチノレフェニル) 一 5— (ピラジン一 2—ィルメチリデンィミノ) ピラゾールー 3—カルボ二トリ ルの結晶を 7〜 1 5 °Cにて徐々に加えた。 室温にて 2時間攪拌後、 0. 6 N塩酸 100 OmL中に攪拌しながら、 10〜20°Cにて徐々に添加した。 約 1時間攪 拌後、 生じた結晶を濾取し、 洗液が pH 5になるまで水で洗浄し、 さらにェタノ ール 5 OmLで 2回洗浄した。得られた結晶を酢酸ェチル 1 30 OmLに溶解し、 無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、 溶媒を減圧留去し、 生じた結晶を濾取 した。 得られた結晶をへキサン 10 OmLで洗浄し、 1一 (2, 6—ジクロ口一
4—トリフルォロメチルフエニル) — 5— (ピラジン一 2—ィルメチルアミノ) ピラゾール一 3—カルボ-トリル 1 1 6. 2 g (0. 28 OM)を収率 8 1. 6 % で得た。
窒素雰囲気下、 1一 (2, 6—ジクロロ一 4一トリフルォロメチルフエニル) - 5 - (ピラジン一 2—ィルメチルァミノ) ピラゾールー 3—力ルポ二トリノレ 5. 0 Og(l 2.1 ηιΜ)を含む無水ジクロロメタン溶液 80 m Lを 2 °Cに冷却し、 こ こに 0.48 mL (0.81 7g,6.0 5 mM) の一塩化硫黄を含むジクロロメタン 溶液 2 OmLを滴下した。 滴下終了後室温に戻し、 攪拌しながら溶液を 4時間放 置した。 有機層を飽和炭酸水素ナトリゥム水溶液 6 OmL続いて水 2 OmLで洗 浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 硫酸マグネシウムを濾過した後、 減圧 下で溶媒を留去し、 粗生成物を Hex-EtOAcの混合溶媒で洗浄することにより、 3.8 8g のビス (1— (2, 6—ジクロロー 4 _ト リフノレオロメチノレフエ-ノレ) _ 3—カルボ二トリル一 5— (ピラジン一 2—イノレメチルァミノ) ピラゾールー 4一^ fル) 一ジスルフィ ドを得た (収率 72%)。
[実施例 1 ]
参考例 1で製造されたビス ( 1一 (2, 6—ジクロロー 4—トリフルォロメチ ルフ: tニル) 一 3—カルボ-トリル一 5— (ピラジン一 2—イノレメチノレアミノ) ピラゾール一4一ィル) 一ジスルフィ ド 3.00 g (3.38 mM )、 を DMF (6 OmL) に溶解し、 窒素置換した 1 5 OmLの SUS製オートクレープに仕 ¾ん だ。 攪拌しながら、 炭酸カリウム (1.40 g、 1 0.1 mM) とヒドラジン一水 和物 (0.684 g、 1 3.5 mM) を含む水溶液 (7. OmL) を加えた。 オート クレーブを一 80°Cまで冷却し、 反応溶液中に圧縮ボンベから 2. OmLのヨウ化 トリフルォロメチル (4.0 O g、 20.4mM) を導入した。 攪拌しながら反応 溶液の温度を室温まで戻し、 さらに一日攪拌した。 その後、 攪拌しながら蒸留水 1 5 OmLを溶液に注ぎ、 酢酸ェチル (200mLX 3回) で抽出した。 酢酸ェ チル抽出物を合わせて蒸留水 (1 2 OmL) で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで 乾燥した。 硫酸マグネシウムを濾過した後、 酢酸ェチルをエバボレータで蒸留除 去し、 さらに高真空ポンプを用い 1 00°Cの浴温で揮発性物質を除去して、 DMF などの高沸点溶媒を全部取り除いた。得られた粗生成物( 3.5 7 g)を Hex/EtOAc で洗浄した。 目的物 1一 (2, 6—ジクロロ一 4一トリフルォロメチルフエニル)
— 4一 トリフルォロメチノレスノレフエ二ルー 5一 (ピラジン一 2—ィルメチルアミ ノ) ピラゾールー 3—カルボ二トリルを収率 98 %で得た。
[実施例 2]
参考例 1で製造されたビス (1— (2, 6—ジクロロー 4一トリフルォロメチ ルフエニル) 一 3—カノレポュトリル一 5 _ (ピラジン一 2 fノレメチ /レアミノ) ピラゾール一4一ィル) 一ジスノレフィ ド 0.200 g (0.224mM)、 DMF (4. OmL) を窒素置換した 3 OmLの SUS製オートクレープに仕込んだ。 攪拌し ながら、炭酸力リウム (0.093 g、 0.673mM) とヒ ドラジン一水和物(0. 023 g、 0.447 mM) を含む水溶液 (0.5mL) を加えた。 オートクレー ブをー 80 °Cまで冷却し、反応 ¾液中に圧縮ポンべから 0.5mLのヨウ化トリフ ルォロメチル (1.0 O g、 5.1 OmM) を導入した。 攪拌しながら反応溶液の 温度を室温まで戻し、 さらに一日攪拌した。 その後、 攪拌しながら蒸留水 20m L中に溶液を注ぎ、 酢酸ェチル (3 OmL X 3回) で抽出した。 酢酸ェチル抽出 物を合わせて蒸留水 (10mL) で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 硫酸マグネシウムを濾過した後、 酢酸ェチルをエバボレータで蒸留除去し、 さら に高真空ポンプを用い 100°Cの浴温で揮発性物質を除去して、 DMF などの高 沸点溶媒を全部除去した。 得られた粗生成物 (0.28 g) を MeOH-H20 で洗浄 した。 目的物 1一 (2, 6—ジクロロー 4一トリフルォロメチルフエ-ル) ー4 一 トリフノレオロメチ スノレフエ二 Λ^— 5一 (ビラジン一 2—イノレメチノレアミノ) ピラゾールー 3一力ルポ二トリルを収率 89%で得た。
[実施例 3 ]
ジフエユルジスルフィ ド O.l O O g (0.916 mM), DMF (4. OmL) を 窒素置換された 30 m Lの SUS製ォートクレープに仕込み。攪拌しながら、炭酸 カリウム (0.253 g、 1.83mM) とヒドラジン一水和物 (0.1 85 g、 3. 66mM) を含む水溶液 (0.6mL) を加えた。 オートクレープを一 80でまで 冷却し、反応溶液中に圧縮ボンベから 0.5 mLのヨウ化トリフルォロメチル(1.
00 g、 5.1 Omm o 1 ) を導入した。 攪拌しながら反応溶液の温度を室温まで 戻し、 さらに二日間攪拌した。 その後、 攪拌しながら蒸留水 2 OmL中に溶液を 注ぎ、 酢酸ェチル (30mLX 3回) で抽出した。 酢酸ェチル抽出物を合わせて 蒸留水 (l OmL) で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 硫酸マグネシ ゥムを濾過した後、 酢酸ェチルをエバポレータで蒸留除去した。 トリフルォロメ チルスルフエエルベンゼンを収率 48%で得た。
[実施例 4]
ビス (1— (2, 6—ジクロロー 4一トリフノレオロメチノレフエ-ノレ) 一3—力 ルポ二トリル一 5— (ピラジン一 2— ^ ルメチルァミノ) ピラゾールー 4一ィル) 一ジスルフィ F 0.200 g (0.224 mM)、 DMF (2 OmL), トリエチノレ ァミン 2. OmL (14. 3mM、 原料ジスルフィ ドに対して 64 e q)、 メチル ビオローゲン 5. 7mg (0. 022mM、 0. 1 e q )、 ナトリウムポロヒドリ ド 22. 5mg (0. 59mM、 2. 7 e q) を窒素置換された 50 m Lのォー トクレーブに仕込んだ。 オートクレープを一 80°Cまで冷却し、 反応溶液中にョ ゥ化トリフルォロメチノレ 0. 1 8 g (0. 92mM、 4. 1 e q) を導入した後 にオートクレープを密閉した。 攪拌しながら反応溶液の温度を室温まで戻し、 さ らに 24時間攪拌した。オートクレープを開放し、水 2 OmL中に反応液を注ぎ、 ジェチルェテール (2 OmL X 3) で抽出した。 エーテル抽出物を合わせて蒸留 水で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 エーテルを蒸留除去し、 得られ た粗生成物 (0.375g) をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、 1 - (2, 6ージクロロ一 4一 トリフノレオロメチノレフェニノレ) 一 4一トリフノレオ ロメチルスルフエニル一 5— (ピラジン一 2—ィルメチルァミノ) ピラゾールー 3—カルボ二トリルの淡黄色結晶 (0.1 66 g、 0.3 2 3mmo 1 ) を収率 7 2%で得た。
[実施例 5 ]
ビス (1— (2, 6—ジクロロー 4—トリフノレオロメチノレフェ-ノレ) 一 3—力
ルポ二トリル一 5一 (ピラジン一 2一ィルメチルァミノ) ピラゾールー 4一ィル) —ジスノレフィ ド O.l O O g (0.1 1 2mM)ヽ DMF (10mL)、 ト リエチノレ ァミン (1.0mL)、 ナトリゥムポロヒドリ ド (9. 4mg,2.2 e q) を窒素で 置換された 5 OmLのオートクレーブに仕込み、 ォートクレープを一 80°Cまで 冷却した。反応溶液中に圧縮ボンベから 0.5 mLのョゥ化トリフルォロメチルを 吹き込んだ。 攪拌しながら溶液温度を室温まで戻し、 さらに 24時間攪拌した。 通常の後処理を行うと、 目的物 1一 (2, 6—ジクロロー 4—トリフルォロメチ ノレフエ二ノレ) 一 4一トリフノレオロメチノレスノレフエ-ノレ一 5— (ピラジン一 2—ィ ルメチルァミノ) ピラゾールー 3 _カルボ二トリルが収率 33 %で得られた。
[実施例 6 ]
ビス ( 1一 (2, 6—ジクロロー 4—トリフノレオロメチルフエ二ノレ) — 3—力 ルポ二トリル一 5一 (ピラジン一 2一^ fルメチルァミノ) ピラゾールー 4一ィル) —ジスノレフイ ド 0.200 g (0.224mM)s DMF (10.0mL)、 トリェチ ルァミン (0.2 5mL)、 メチルビオローゲン (5. 7mg)、 ナトリゥムボ口ヒ ドリ ド (1 6. 9 mg, 2.0 e q) を実施例 2と同様に反応させ、 1一 (2, 6 —ジクロロ一 4一ト リフノレオロメチノレフェニノレ) — 4 _トリフノレオロメチノレスノレ フエ二ノレ一 5— (ピラジン一 2—イノレメチノレアミノ) ピラゾーノレ一 3—力ノレボニ ト リルを収率 6 1 %で得た。
[実施例 7]
ビス (1— (2, 6—ジクロロ _ 4—トリフノレオロメチノレフエニスレ) — 3—力 ルポ二トリル一 5— (ピラジン一 2—ィルメチルァミノ) ピラゾール一 4—ィル) 一ジスノレフィ ド 0.200 g (0.224mmo 1 )、 DMF (4.0mL)、 トリエ チルァミン (0.4mL)、 メチルビオローゲン (5. 7m g,用いたジスルフィ ド の量の 1 0mo 1 %)、 ナトリ ウムボロヒ ドリ ド (21mg,2.5mo 1 e q ) を、 反応に 48時間を要した他は実施例 2と同様に反応させ、 1一 (2, 6—ジ クロ口一 4一トリフルォロメチノレフェニノレ) 一 4一トリフルォロメチノレスノレフエ
二ルー 5一 (ピラジン一 2—ィルメチルァミノ) ピラゾールー 3—カルボ二トリ ルを収率 41 %で得た。
[実施例 8]
ビス (1一 (2, 6ージクロロ一 4一トリフノレオロメチノレフェニノレ) 一 3—力 ノレボニトリノレー 5—ァミノピラゾーノレ一 4—ィノレ) 一ジスノレフィ ド 0.1 00 g (0.142mM)、 DMF (10.0mL)、 トリェチルァミン (1.0mL)、 メチ ルビオローゲン (2. 8 mg,用いたジスルフイ ドの量の 7. 7%)、 ナトリウム ボロヒドリ ド (1 0. 7mg,2.0mo 1 e q ) を窒素置換した 50 m Lのォ 一トクレープに仕込み、 実施例 1と同様に反応を行った。 抽出による後処理を行 い、 目的物 1— (2, 6—ジクロロ一 4一トリフルォロメチルフエニル) 一4— トリフルォロメチルスノレフエ二ルー 5—ァミノピラゾーノレ一 3一力ルポ二トリノレ を収率 2 1 %で得た。
[実施例 9 ]
実施例 8で得られた 5—ァミノ一 1一 (2, 6—ジクロ口一 4一トリフルォロ メチルフエニル) — 4一トリフルォロメチノレスゾレフィニノレビラゾーノレ一 3一カル ボ-トリル 200 g、 ホルミルピラジン 56. 2 gと トルエン 800 m 1の混合 物にピリジニゥム p—トルエンスルフォネート 6. 0 gを加えて、 生ずる水を除 きながら 27時間加熱還流した。 さらにピリジ-ゥム p—トルエンスルフォネー ト 6. 0 gを加えてさらに 10時間加熱還流後、氷冷し、生じた結晶を濾過した。 この結晶をトルエン 50 Om 1で洗浄、 乾燥し、 1ー (2, 6—ジクロロー 4一 トリフルォロメチルフエニル)一 4一トリフルォロメチルスルフィ二ルー 5—(ピ ラジン一 2—イノレメチリデンィミノ) ピラゾールー 3一カルボ二 ト リノレ 228 g を得た。
水素化ホウ素ナトリウム 8. 65 gのエタノール 800m 1懸濁液に氷冷下、 1― (2, 6ージクロロ一 4—トリフルォロメチノレフェニル) — 4一トリフルォ 口メチルスルフィニル一 5一 (ピラジン一 2—ィルメチリデンィミノ) ピラゾー
ルー 3—カルボ二トリル 22 7 gを 1 5 °C以下にて徐々に加えた。 室温にて 1時 間攪拌後、 1N塩酸 160 Om l中へ攪拌しながら徐々に滴下した。 生じた結晶 を濾過し、 エタノール 20 Om 1 /水 10 Om 1、 次いでエタノール 400 m 1 /水 10 Om 1の混合液で洗浄、 乾燥し、 18 3 gを得た。 へキサン/酢酸ェチ ル ( lZ 1) から再結晶し、 1 3 7 gの 1一 (2, 6—ジクロ口一 4一トリフル ォロメチノレフエ-ノレ) 一 4— トリフノレオロメチノレス/レフィニノレー 5— (ピラジン — 2—ィルメチルァミノ) ピラゾールー 3—力ルポ二トリル (融点 1 69°C) を 得た。
[実施例 10]
200m lの四つ口フラスコに、 水 25m 1、 ィソプロパノール (和光純薬株 式会社製) 75m lを加え、 ここにべンジルメルカプタン(東京化成株式会社製) 30 g (0. 242mo 1 ) を加えた。 さらに水酸化ナトリウム (和光純薬株式 会社製) 14. 4 g (0. 362m o 1 ) を加え溶解させた。溶液の温度を 5 5 °C に保ち、 攪拌しながら、 クロロジフルォロメタン (ダイキン株式会社製) 10 L
(0. 45mo 1 ) を 2時間で導入し、 反応を行った。 反応はガスクロマトグラ フィ一により追跡した。
反応終了後、 水 20 Om 1および酢酸ェチル 200m lを加え、 有機層を抽出 した。 さらに水層を水 10 Om 1で洗浄し、 有機層を無水硫酸マグネシウム 1 0 gで乾燥した。 硫酸マグネシウムをろ別し、 溶媒を留去することにより、 純度 9 8 %のべンジル (クロ口ジフルォロメチル) スルフイ ド 36. 5 g (収率 87 %) を得た。
[比較例 1 ]
20 Om 1の四つ口フラスコに、 水 1 2. 0 g、 水酸化ナトリウム 1 2. 0 g からなる 50重量%水酸化ナトリウム 24. O gと、 DMF (和光純薬株式会社 製) 6 Om lを加え、 ここにべンジルメルカプタン (東京化成株式会社製) 24. 2 g (0. 2 Omo 1 ) を加え、 均一溶液とした。 溶液の温度を 50〜65°Cに
保ち、 攪拌しながら、 クロロジフルォロメタン (ダイキン株式会社製) を実施例
1と同様に 2時間で導入し、 反応を行った。 反応はガスクロマトグラフィーによ り追跡した。
反応終了後、 水 20 Om 1および酢酸ェチル 3 O Om lを加え、 有機層を抽出 した。 有機層を水 5 Om 1で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 硫酸マ グネシゥムをろ別し、 溶媒を留去することにより、 純度 95 %のべンジル (クロ ロジフルォロメチル) スルフイ ド 2 7. 0 g (収率 78%) を得た。
[実施例 1 1 ]
(1) 1一(2, 6—ジクロ口一 4一トリフノレオロメチノレフェニノレ) 一 5— (ピ リジン一 2—ィルメチルァミノ) ピラゾールー 3—カルボェトリルの製造
(1— 1) 3つ口フラスコに、 脱水トノレエン 40m l、 1— (2, 6—ジクロ ロー 4— トリフルォロメチノレフェニル) - 5一アミノピラゾールー 3—カルボ二 トリル 10 g (3 1. lmmo 1 )、 2—ピリジンカルボキシアルデヒド 4. 5 5 gおよび p—トルエンスルホン酸 0. 03 gを仕込み、 窒素下で 3時間還流させ た。 上記反応液を 3回水洗後、 有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、 硫酸 マグネシウムをろ過により除き、 溶媒を留去することにより 1 _ (2, 6—ジ クロロー 4一トリフノレオロメチノレフェニノレ) 一 5— (ピリジン一 2—イノレメチリ デンィミノ) ピラゾールー 3—カルボ二トリル 1 2. 63 gの固体(純度 9 8, 6 L C %, 30. 3 mm o 1 , 収率 97. 3 %) を得た。
(1 -2) 3口フラスコに、 脱水メタノーノレ 200 Om 1、 1一 (2, 6—ジ クロ口一 4一トリフノレオロメチノレフエ-ノレ) 一 5— (ピリジン一 2—イノレメチリ デンィミノ) ピラゾールー 3—カルボ二トリル 47. 7 g (純度 96%, 1 09. 9mmo 1 ) およびテトラヒドロホウ酸ナトリゥム 2. 0 gを仕込み窒素下で 2 時間反応させた。 この後反応液中に生じた結晶をろ取し、 水おょぴメタノールで 洗浄した後に真空で乾燥し、 1ー (2, 6—ジクロロー 4—トリフルォロメチル フエニル) ー5— (ピリジン一 2—イノレメチノレアミノ) ピラゾールー 3—カノレポ 二トリル 42. 84 gの固体 (純度 97. 5%, 101. 3 mm o 1, 収率 84.
1%) を得た。
(2) ジフルォロメチルスルフエユルク口リ ドの製造
実施例 1 0で得られたベンジノレ (クロロジフルォロメチノレ) スルフィ 8. 2 5 gを 0°Cに冷却し、 撹拌しながら、 塩素ガス 4. 2 gを 30分かけて吹き込ん だ。 同温で 1時間撹拌後、 蒸留装置を設置し、 内温 65°Cに加熱し、 ジフルォロ メチルスルフエユルクロリ ド 4. 3 g (収率 77%) を留分として得た。
(3) 1一 ( 2, 6—ジクロロ一 4—トリフスレオロメチノレフェニノレ) —4ージ フルォロメチルチオ一 5— (ピリジン一 2—ィルメチルァミノ) ピラゾールー 3 一カルボ二トリルの製造
窒素雰囲気下で、 1 - (2, 6—ジクロロー 4一トリフルォロメチルフエニル) — 5— (ピリジン一 2 fルメチルァミノ)ピラゾール一 3一カルボ二トリル 5 0 Omg (1. 2 lmmo 1) を無水ジクロロメタン 5. OmLに懸濁させ、 撹 拌しながら、 ジフロオルメチノレスノレフエ二ノレクロリ ド 18 Om g (1. 52 mm o 1、 1. 25 e q .) を含む無水ジクロロメタン 2. OmLを室温で滴下し、 2 時間反応させた。 酢酸ェチル 1 0 OmLを加え、 有機層を飽和炭酸水素ナトリウ ム水溶液 2 OmL続いて水 2 OmLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 硫酸マグネシウムを濾過した後、 減圧下で溶媒を留去し、 粗生成物をへキサン Z 酢酸ェチル (3/1 )の混合溶媒で再結晶することにより、 53 5mgの 1一 (2, 6—ジクロロ一 4一トリフノレオ口メチノレフェエグレ) - 4—ジフノレオ口メチルチオ - 5 - (ピリジン一 2—ィルメチルアミノ) ビラゾールー 3—カルボ二トリルを 得た (収率 90%、 純度 96%)。 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、 本発明の精神と範 囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にと つて明らかである。
本出願は、 2001年 02月 22日出願の曰本特許出願(特願 2001— 046036)、 2001 年 02月 22日出願の日本特許出願 (特願 2001— 046037)、 2001年 10月 16 (3出 願の日本特許出願 (特願 2001— 318198)、 に基づくものであり、 その内容はここ
に参照として取り込まれる。 く産業上の利用可能性 >
本発明によれば、 ジスルフイ ドを原料とし、 工業上の使用が容易な助剤の存在 下にハロゲン化ポリフルォロアルキルによるポリフルォロアルキル化反応を行い、 ポリフルォロアルキルスルフエエル体を得ることができる。 また、 工業的に使用 しゃすい溶媒を用いて収率良くベンジル (ジフルォロメチル) スルフィ ドを合成 する方法を提供することができる。