WO2000073065A1 - Dispositif et procede de lithographie, dispositif et procede de fabrication de plaques, et dispositif et procede d'impression par jet d'encre - Google Patents

Description

明 細 平版印刷方法及び平版印刷装置、 製版方法及び製版装置、 並びにイ ンクジェッ ト 印刷方法及び印刷装置 技術分野

本発明は、 マルチチャンネルへッ ド描画装置を用いた画質の良好なィンクジェ ッ ト記録方法に関する。 更に該イ ンクジェッ ト記録方法を用いた、 印刷機上でデ ジタル製版を行う平版印刷方法及び平版印刷装置、 デジタル製版を行う製版方法 及び製版装置、 並びにィ ンクジエツ ト印刷方法及び印刷装置に関する。 背景技術

イ ンクジェッ ト記録方法を印刷システムへ応用する方法として、 例えば、 特閧 平 1 0— 2 8 6 9 3 9公報には、 輪転印刷機に、 インクジエツ ト印刷装置を付設 し、 同一印刷紙上に、 可変する番号やマーク等を付加的にインクジェッ トシステ ムで印刷する方法が開示されている。

しかし、 写真画像の様な高度な画像情報の印刷が可能であることがより好まし い。 ところが、 従来の染料又は顔料を色剤として含む水系あるいは有機溶媒系ィ ンクを圧力を用いて噴出するィンク技術では、 溶媒を多く含む液滴が吐出するた めに、 高価な専用紙を使用しないと印字画像に滲みを生じる欠点がある。

従って、 通常の印刷用紙あるいは非吸収性媒体であるブラスチックシ一ト等へ の印刷を行なう場合は、 高品位の印刷画像を得られない。

また、 イ ンクジヱッ ト技術の一つとして、 常温で固体状態のイ ンクを加熱溶融 し、 液状となったイ ンクを噴出し画像を形成する方法がある。 このイ ンクを用い ると印字画像の滲みは軽減されるが、 吐出時のイ ンク粘度が高いために、 微小な 液滴の噴出が困難であり、 得られる個々の ドッ ト画像は、 面積が大きくかつ厚く なり、 高精細な画像を形成しがたい。

従来のマルチチャンネルへッ ドを用いたイ ンクジエツ ト記録方法では、 例えば 6 0 0 d p iの画像解像度で描画する場合、 へッ ドの各電極は製作加工上の制約 から、 2 0 0 d p i程度相当の約 1 2 6 mとなっている。 従って、 例えば図 1 1に示すように 4チャンネルへッ ドを例に説明すると、 各吐出電極 5 6—①〜 5 6—④は、 6 ◦ 0 d p i相当の約 4 2 mずつ 2ステップ移動した後、 1 0ステ ップ一足飛びに移動して描画を続けることとになる。

しかしながら、 この場合いわゆるクロス トークと呼ばれる現象が起き、 ヘッ ド 内ではィンクの粒子が枯渴して ドッ ト径が小さくなつたり、 吐出不能になったり する問題がある。

更に、 隣接して吐出されたインク滴は、 荷電反発により飛翔中に本来迎るべき コースから外れて、 着弾位置精度が低下することがある。

一方、 平版印刷においては、 印刷版の表面に画像原稿に対応してインク受容性 とィ ンク反発性の領域を設け、 印刷イ ンクをィ ンク受容性の領域に付着させて印 刷を行う。 通常は印刷版の表面に、 親水性および親油性 （インク受容性） の領域 を画像様に形成し、 湿し水を用いて親水性領域をィ ンク反発性とする。

印刷原版への画像の記録 （製版） は、 一旦画像原稿をアナログ的またはデジ夕 ル的に銀塩写真フィルムに出力し、 これを通してジァゾ樹脂や光重合性のフォ ト ポリマ一感光材料 （印刷原版） を露光し、 非画像部を主にアルカリ性溶液を用い て溶出除去して行うのが一般的な方法である。

近年、 平版印刷方法において、 最近のデジタル描画技術の向上と、 プロセスの 効率化の要求から、 印刷原版上に、 直接デジタル画像情報を描画するシステムが 数多く提案されている。 これは、 C TP (C omp u t e r— t o— p l a t e) あるレ、は DD PP (D i g i t a l D i r e c t P r i n t i n g P 1 a t e ) と呼ばれる技術である。 製版方法としては、 例えばレーザ一を用いて、 光 モードまたは熱モ一ドで画像を記録するシステムがあり、 一部は実用化され始め ている。

しかし、 この製版方法は、 光モード、 熱モードともに、 一般には、 レーザ一記 録後にアル力 リ性現像液で処理して非画像部を溶解除去して製版が行われ、 アル 力リ性廃液が排出され、 環境保全上好ましくない。

さらに印刷プロセスを効率化する手段として、 画像描画を印刷機上で行うシス テムがある。 上記のレーザ一を用いる方法もあるが、 高価でかつ大きな装置とな つてしまう。 そこで、 安価でかつコンパク トな描画装置であるインクジエツ ト法 を応用したシステムが試みられている。

特開平 4一 9 7 8 4 8号公報には、 従来の版胴に替えて、 表面部が親水性また は親油性である版ドラムを設け、 この上に親油性または親水性の画像をインクジ エツ ト法で形成し、 印刷終了後画像を除去し、 クリーニングする方法が開示され ている。 しかしながら、 この方法では、 印刷画像の除去 （すなわちクリーニング のし易さ） と耐刷性とが両立し難い。 また、 耐刷性の高い印刷画像を版胴上に形 成しようとすると、 比較的高濃度の樹脂を含むィ ンクを用いる必要があるため、 印刷画像を形成するィンクジエツ ト手段において、 ノズル部分での溶媒蒸発に伴 う樹脂の固着が起こ りやすく、 イ ンク吐出の安定性が低い。 その結果、 良好な画 像が得難い。

また、 特開昭 6 4— 2 7 9 5 3号公報では、 親水性の版材に親油性のヮックス インクを使用してインクジエツ ト法で描画を行い、 製版を行う方法が開示されて いる。 この方法では、 画像がワックスで形成されるため、 画像部の機械的強度が 弱く、 且つ版材親水性表面との密着性も不足するため耐刷性は低い。

本発明は、 上記の問題点に着目してなされたものであり、 その目的は、 極めて 高画質の画像を安定して得られるマルチチャンネルへッ ド描画装置を用いたィ ン クジェッ ト記録方法を提供することにある。 また、 現像処理が不要なデジタル対 応の平版印刷方法及び平版印刷装置を提供することである。 更に、 安価な装置お よび簡便な方法で、 鮮明で高画質な画像の印刷物を多数枚印刷可能とする平版印 刷方法及び平版印刷装置を提供することである。 更に、 現像処理が不要なデジ夕 ル対応の製版方法及び製版装置を提供することである。 更に、 安価な装置及び簡 便な方法で、 鮮明で高画質な画像の印刷物を与えるイ ンクジエツ ト印刷方法を提 供することである。 発明の開示

( 1 ) 印刷機の版胴に版材を装着し、 該版材上に画像データの信号に基づき静 電界を利用して油性ィンクを複数の吐出チャンネルを有する記録ヘッ ドから吐出 させるイ ンクジエツ ト方式により描画を行うことにより前記版材表面に直接画像 を形成して刷版を作成し、 該刷版をその状態で用いて引き続き平版印刷を行う機 上描画平版印刷方法において、

版刷上への画像の形成を、 吐出チャンネル間隔が 170 m以上 [描画画像の解像 度の換算で 150dpi (1インチ当たり 150卜"ツ卜の間隔）以下]である記録へッ ドで行 うことを特徴とする機上描画平版印刷方法。

( 2) 前記油性インクが、 固有電気抵抗値 10⁹ Ω cm以上かつ誘電 3.5以下の非 水溶媒中に、 少なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したものである

( 1 ) に記載の機上描画平版印刷方法。

( 3) 印刷装置の版胴に装着された版材上に、 画像デ一夕の信号に基づき静電 界を利用して複数の吐出チヤンネルを有する記録へッ ドから油性ィンクを吐出さ せるィンクジエツ ト描画装置により直接画像を形成する画像形成手段と、 該画像 形成手段によって形成された刷版で平版印刷を行う平版印刷手段とを備えた機上 描画平版印刷装置において、

前記画像形成手段は、 吐出チャンネル間隔が 170 m以上 [描画画像の解像度の 換算で 150dpi (1インチ当たり 150ドットの間隔）以下]である記録へヅ ドを備えた ことを特徴とする機上描画平版印刷装置。

(4) 前記油性インクが、 固有電気抵抗値 10⁹ Ω η以上かつ誘電 3. 5以下の 非水溶媒中に、 少なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したものであ る （ 3 ) に記載の機上描画平版印刷装置。

( 5) 前記画像形成手段は、 前記インクの定着装置を備えたことを特徴とする

( 3) 又は （4) に記載の機上描画平版印刷装置。

( 6 ) 前記画像形成手段は、 版材への描画前及び/又は描画中に版材表面に存 在する埃を除去する版材表面埃除去手段を備えたことを特徴とする （ 3 ) 〜 （ 5 ) のいずれかに記載の機上描画平版印刷装置。

( 7 ) 前記版材への描画時に、 前記画像形成手段が、 前記版材の装着された版 胴の回転により主走査を行うことを特徴とする （ 3 ) 〜 （ 6 ) のいずれかに記載 の機上描画平版印刷装置。

( 8) 前記インクジヱッ ト描画装置は、 前記版材への描画時に該記録ヘッ ドが 前記版胴の軸方向に移動する事により副走査を行うことを特徴とする （ 7 ) に記 載の機上描画平版印刷装置。

( 9 ) 前記インクジェッ ト描画装置は、 前記記録ヘッ ドに前記油性インクを供 給するイ ンク供給手段を備えたことを特徴とする （ 3 ) 〜 （ 8 ) のいずれかに記 載の機上描画平版印刷装置。

( 1 0 )前記記録へッ ドから前記油性ィ ンクを回収するィンク回収手段を備え、 前記ィ ンク供給手段及びィ ンク回収手段によりイ ンク循環を行うことを特徴とす る （9 ) に記載の機上描画平版印刷装置。

( 1 1 ) 前記油性イ ンクを格納するインクタンク内にインク攪拌手段を備えた ことを特徴とする （3) 〜 （ 1 0 ) のいずれかに記載の機上描画平版印刷装置。

( 1 2 ) 前記油性ィンクを格納するィ ンクタンク内にィンクの温度を制御する イ ンク温度制御手段を備えたことを特徴とする （ 3) 〜 （ 1 1 ) のいずれかに記 載の機上描画平版印刷装置。

( 1 3) 前記油性ィ ンクのィンク濃度を制御するィンク濃度制御手段を備えた ことを特徴とする （3) 〜 （ 1 2) のいずれかに記載の機上描画平版印刷装置。

( 1 4) 前記インクジェッ ト描画装置は、 前記版材への描画時に前記記録へッ ドを前記版胴へ接近させ、 該版材への描画時以外は該記録へッ ドを該版胴から離 す記録へッ ド離接手段を備えたことを特徴とする （ 3 ) 〜 （ 1 3 ) のいずれかに 記載の機上描画平版印刷装置。

( 1 5 ) 前記画像形成手段は、 少なく とも製版終了後に前記記録ヘッ ドのク リ —ニングを行う記録へッ ドク リ一ニング手段を備えたことを特徴とする （ 3 ) ~

( 1 4 ) のいずれかに記載の機上描画平版印刷装置。

( 1 6 ) 前記平版印刷手段は、 平版印刷時に発生する紙粉を除去する紙粉除去 手段を備えたことを特徴とする （ 3 ) 〜 （ 1 5 ) のいずれかに記載の機上描画平 版印刷装置。

( 1 7 ) 画像データの信号に基づき静電界を利用して油性イ ンクを複数の吐出 チャンネルを有する記録へッ ドから吐出させるイ ンクジエツ ト方式により描画を 行うことにより、版材上に直接画像を形成して刷版を作成する製版方法において、 版材上への画像の形成を、 吐出チャンネル間隔が 170 im以上 [描画画像の解像 度の換算で 150dpi (1インチ当たり 150ドットの間隔）以下]である記録へヅ ドで行 うことを特徴とする製版方法。

( 1 8) 前記油性インクが、 固有電気抵抗値 10⁹ Ω cm以上かつ誘電 3. 5以下 の非水溶媒中に、 少なく とも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したもので ある （ 1 7) に記載の製版方法。

( 1 9 ) 画像データの信号に基づき静電界を利用して複数の吐出チャンネルを 有する記録へッ ドから油性ィンクを吐出させるインクジエツ ト描画装置により版 材上に直接画像を形成する画像形成手段を備えた製版装置において、

版材上への画像の形成を、 吐出チャンネル間隔が 170 m以上 [描画画像の解像 度の換算で 150dpi (1インチ当たり 150ドットの間隔）以下]である記録へッ ドで行 うことを特徴とする製版装置。

( 2 0 ) 前記油性インクが、 固有電気抵抗値 10⁹ Ωαη以上かつ誘電 3. 5以下 の非水溶媒中に、 少なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したもので ある （ 1 9 ) に記載の製版装置。

( 2 1 )前記画像手段は、前記ィンクの定着装置を備えたことを特徴とする（ 1 9 ) 又は （ 2 0) に記載の製版装置。

( 2 2 ) 前記画像形成手段は、 版材への描画前及び/又は描画中に版材表面に 存在する埃を除去する版材表面埃除去手段を備えたことを特徴とする （ 1 9 ) 〜

( 2 1 ) のいずれかに記載の製版装置。

( 2 3 ) 前記版材への描画時に、 前記版材が装着されたドラムを回転させて前 記印刷媒体を移動させることにより描画を行う （ 1 9 ) 〜 （ 2 2 ) の何れかに記 載の製版装置。

( 24) 前記記録へッ ドを、 前記ドラムの軸方向に移動する事により描画を行 う （ 2 3 ) に記載の製版装置。

( 2 5) 前記版材上への描画時に、 少なくとも 1対のキヤブスタンローラによ り前記版材を挟持して走行させることにより副走査を行う （ 1 9 ) 〜 （ 2 2 ) の いずれかに記載の製版装置。

( 2 6) 前記記録へッ ドを、 前記版材の走行方向と直交する方向に移動する事 により描画を行う （ 2 5 ) に記載の製版装置。

( 2 7 ) 前記インクジェッ ト描画装置が、 前記記録ヘッ ドに前記油性インクを 供給するィ ンク供給手段を有する （ 1 9 ) 〜 （ 2 6) のいずれかに記載の製版装 置。

( 2 8 )前記記録へッ ドから前記油性ィ ンクを回収するィンク回収手段を有し、 インク循環を行う （ 2 7 ) に記載の製版装置。

(2 9 ) 前記ィンクジヱッ ト描画装置が、 前記油性ィンクを格納するィンクタ ンク内の前記油性ィンクを攪拌する攪拌手段を有する （ 1 9) 〜 （ 2 8) のいず れかに記載の製版装置。

( 30) 前記ィンクジエツ ト描画装置が、 前記油性ィンクを格納するィンクタ ンク内の前記油性ィ ンクの温度を管理するィンク温度管理手段を有する （ 1 9 ) 〜 （ 2 9 ) のいずれか 1項に記載の製版装置。

(3 1 ) 前記インクジエツ ト描画装置が、 前記油性ィ ンクの濃度を制御するィ ンク濃度制御手段を有する （ 1 9 ) 〜 （ 3 0 ) のいずれか 1項に記載の製版装置。

( 3 2 )前記記録へッ ドをクリーニングするクリ一ニング手段を有する （ 1 9 ) 〜 （ 3 1 ) のいずれか 1項に記載の製版装置。

(3 3 ) 画像データの信号に基づき静電界を利用して油性イ ンクを複数の吐出 チャンネルを有する記録へッ ドから吐出させるイ ンクジエツ ト方式により描画を 行うことにより、 印刷媒体上に直接画像を形成して印刷物を作成する印刷方法に おいて、

印刷媒体上への画像の形成を、 吐出チャンネル間隔が 170〃m以上 [描画画像の 解像度の換算で 150dpi (1イ ンチ当たり 150ドットの間隔）以下]である記録ヘッ ド で行うことを特徴とする印刷方法。

( 34) 前記油性インクが、 固有電気抵抗値 10⁹ Ωαη以上かつ誘電 3. 5以下 のの非水溶媒中に、 少なく とも着色粒子を分散したものである （ 3 3 ) に記載の イ ンクジエツ ト式印刷方法。

( 3 5 ) 画像デ一夕の信号に基づき静電界を利用して複数の吐出チャンネルを 有する記録へッ ドから油性インクを吐出させるイ ンクジエツ ト描画装置により印 刷媒体上に直接画像を形成する画像形成手段を備えた印刷装置において、

該印刷媒体上への画像の形成を、 吐出チャンネル間隔が 170 /m以上 [描画画像 の解像度の換算で 150dpi (1インチ当たり 150ドットの間隔）以下]である記録へッ ドで行うことを特徴とする印刷装置。

( 3 6 ) 前記油性インクが、 固有電気抵抗値 10⁹ Ωαπ以上かつ誘電 3. 5以下 のの非水溶媒中に、 少なく とも着色粒子を分散したものである （ 3 5) に記載の 印刷装置。

( 3 7 ) 前記画像形成手段は、 前記ィ ンクの定着装置を備えたことを特徴とす る （3 5) 又は （3 6) に記載の印刷装置。

(3 8) 前記印刷媒体への印刷前及び/又は印刷中に、 前記印刷媒体表面に存 在する埃を除去する埃除去手段を有する （3 5) 〜 （3 7) の何れかに記載の印 刷装置。

( 3 9 ) 前記印刷媒体への描画時に、 前記印刷媒体を介して、 前記記録ヘッ ド と対向する位置に配置された対向ドラムを回転させて前記印刷媒体を移動させるこ とにより描画を行う （ 3 5) 〜 （ 3 8) の何れかに記載の印刷装置。

(40) 前記記録ヘッ ドを対向ドラムの軸方向に移動する事により描画を行 （3 9 ) に記載の印刷装置。

( 4 1 ) 前記印刷媒体への描画時に、 少なく とも一対のキヤブスタンローラに より前記印刷媒体を挟持して走行させることにより、 描画を行う （ 3 5) 〜 （3 8 ) の何れかに記載の印刷装置。

(4 2 ) 前記記録ヘッ ドを、 前記印刷媒体の走行方向と直交する方向に移動す る事により描画を行う （4 1 ) に記載の印刷装置。

( 4 3 ) 前記ィンクジヱッ ト描画装置が、 前記記録へッ ドに前記油性ィ ンクを 供給するィ ンク供給手段を有する （ 3 5 ) 〜 （4 2 ) の何れかに記載の印刷装置。

(44)前記記録へッ ドから前記油性ィ ンクを回収するィ ンク回収手段を有し、 イ ンク循環を行う （4 3 ) に記載の印刷装置。

(4 5 ) 前記ィンクジエツ ト描画装置が、 前記油性ィ ンクを格納するィ ンク夕 ンク内の前記油性イ ンクを攪拌する攪拌手段を有する （ 3 5 ) 〜 （44) のいず れかに記載の印刷装置。

(4 6 ) 前記ィンクジヱッ ト描画装置が、 前記油性ィ ンクを格納するィ ンクタ ンク内の前記油性ィ ンクの温度を管理するィ ンク温度管理手段を有する （ 3 5 ) 〜 （4 5 ) の何れかに記載の印刷装置。 ( 4 7 ) 前記ィンクジエツ ト描画装置が、 前記油性ィンクの濃度を制御するィ ンク濃度制御手段を有する （3 5 ) 〜 （4 6 ) の何れかに記載の印刷装置。

( 4 8 )前記記録へッ ドをクリーニングするクリ一ニング手段を有する （ 3 5 ) 〜 （4 7 ) の何れかに記載の印刷装置。 図面の簡単な説明

図 1は本発明に用いる機上描画平版印刷装置の一例を模式的に示す全体構成図 である。

図 2は本発明に用いる機上描画平版印刷装置の描画部の一例を模式的に示す構 成図である。

図 3は本発明に用いるィンクジエツ ト記録装置に備えられるへッ ドの一例を示 す概略構成図である。

図 4は図 3のィンク吐出部近傍の断面概略図である。

図 5は本発明に用いるィンクジエツ ト記録装置に備えられる他のへッ ドの一例 におけるィンク吐出部近傍の断面概略図である。

図 6は図 5のィンク吐出部近傍の前面概略図である。

図 7は本発明に用いるインクジヱッ ト記録装置に備えられる他のへッ ドの一例 の要部を示す概略構成図である。

図 8は図 7のへッ ドから規制板を取り除いたへッ ドの概略構成図である。

図 9は本発明に用いるインクジエツ ト記録装置に備えられる他のへッ ドの一例 の要部を示す概略構成図である。

図 1 0は本発明に用いる複色機の一例として、 機上描画 4色片面平版印刷機を 模式的に示す全体構成図である。

図 1 1 Aは本発明に用いる製版装置の一例を模式的に示す全体構成図である。 図 1 1 Bは本発明に用いる製版装置の他の一例を模式的に示す全体構成図であ る。

図 1 1 Cは 4チャンネルへッ ドの描画法を説明するための図である。

図 1 2は 6チャンネルへッ ドの描画法における吐出電極の影響を説明するため の図である。 図 1 3は 4チャンネルへッ ドの描画法における吐出電極の影響を説明するため の図である。

図 1 4は本発明のィンクジエツ ト印刷装置の一例である片面単色の印刷を行な う W e b式装置を模式的に示す全体構成図である。

図 1 5は本発明のィンクジエツ ト印刷装置の別の例である片面 4色の印刷を行 なう W e b式装置を模式的に示す全体構成図である。

図 1 6は本発明のインクジエツ ト印刷装置の別の例である両面 4色印刷装置を 模式的に示す全体構成図である。

図 1 7は本発明のィンクジエツ ト印刷装置の別の例である両面 4色印刷装置を 模式的に示す全体構成図である。

図 1 8は本発明のィンクジエツ ト印刷装置の別の例であるロール状印刷媒体を カッ トして、 対向ドラムに巻き付け印刷を行なう片面 4色印刷装置両面 4色印刷 装置を模式的に示す全体構成図である。

図 1 9は本発明のィンクジェッ ト印刷装置の別の例であるシ一ト状記録媒体を 用いた印刷装置を模式的に示す全体構成図である。

図 2 0は本発明のィンクジエツ ト印刷装置の別の例であるキヤッブス夕ンロ一 ラによりロール状印刷媒体を挟持して走行させることにより描画を行なう印刷装 置を模式的に示す全体構成図である。

図 2 1は本発明のインクジエツ ト印刷装置の別の例であるキャップスタン口一 ラによりシ一ト状記録媒体を挟持して走行させることにより描画を行なう印刷装 置を模式的に示す全体構成図である。 発明を実施するための最良の形態

従来のマルチチャンネルヘッ ド （吐出電極を複数有するヘッ ド） において問題 となっているクロストークの現象について、 図 1 2 ( 6チャンネルの例） 及び図 1 3 ( 4チャンネルの例） を用いて説明する。

図 1 2に示すように、画像信号が連続して O Nの吐出電極が並んでいる場合（ 5 6—④と 5 6—⑤）、 画像描画主操作方向 （画像後端） に進むに従い、 インクの荷 電反発により供給量が減少し、 インクの供給が先端まで行われないため、 インク 粒子が枯渴して、 ドッ ト径が小さくなつたり、 吐出不能となってしまうものと考 えられる。

図 1 2に示すように、 画像信号が一旦 0 F Fになり、 インク供給が充分になる と、 再び描画可能となる。 また、 両端の電極が 0 F Fであれば、 この現象は起こ りにくい。 これは、 電界の影響がある一定の距離内に及ぶためと考えられる。 同様に図 1 3に示すように、 吐出インク滴の飛翔曲がりについても、 隣接する 電極から同時に吐出された場合には、 ィ ンク滴に帯電された荷電による反発が起 こ り、 着弾位置精度が劣る （ 5 6—①と 5 6—②）。

また、 両側の最外電極では、 その隣の電極が O Nの時には必ず外側へ向かって 曲げられて吐出される （ 5 6—①）。

以上の二つの現象は単独も しくは重畳して発生することがある。へヅ ドの構造、 ィンク物性や流路、吐出時に引加する電圧パルス条件等によるものと考えられる。 そこで、 各吐出電極間の距離を検討したところ、 本発明の通り、 ヘッ ド部の各 吐出電極間隔を、 少なく とも目的とする描画画像の解像度によって決定される吐 出されるべき左右隣接ドッ ト間隔より広くすることにより、 上記クロス トークの 問題が良好に回避されることが見いだされたものである。

以下、 本発明の実施の形態について詳細に説明する。

本発明においては、 吐出チャンネル間の間隔を、 1 7 0 z m以上 （描画解像度 の換算で 1 5 0 d p i以下）、 更には 2 5 0〃m以上 （同 1 0 0 d p i以下） とす ることが好ましい。 描画画像の解像度から決定される隣接ドッ トの間隔が吐出チ ヤンネル間の間隔よりも小さい場合は、 前述のように、 描画画像の解像度から決 定される隣接ドッ 卜の間隔のステップを所定回数繰り返した後に、 隙間が出来な いように略全チャンネル巾のステップを行うことを繰り返すことにより、 目的の 画像を得ることができる。

更に、 描画中のマルチチャンネルヘッ ドの隣接チャンネル間隔距離だけヘッ ド が移動した後に、 全チャンネル電極間距離を移動する （図 1 1 Cの口に相当） こ とをく り返すことによ り、 目的の画像を得ることができる。

チャンネル数は適宜設定できるが、 電極間隔が広い場合 （d p iでは数字が小 さい場合）、 同じチャンネル数なら全体の幅が大きくなり、 加工も容易になる。 本発明のィ ンクジエツ ト記録方法は、 絶縁性溶媒中に少なく とも常温で固体で 且つ疎水性の樹脂粒子を分散した高抵抗を有するィンクを使用し、 このィンクに 吐出位置で静電界を作用させることにより、 該樹脂粒子の凝集物を該吐出位置に 形成し、 更に静電手段により該凝集物を吐出位置から吐出させるものである。 具 体的には、 例えば、 W O 9 3 / 1 1 8 6 6号等に記載の静電式ィンクジエツ ト法 を適用することができる。

この方法を製版に適用すると、 樹脂粒子は高濃度化した凝集物として吐出され ることにより、 版材に印字された ドッ トの膜厚が十分に得られる。 これによ り、 記録媒体である版材上では十分な耐刷性を有する凝集樹脂粒子の画像が形成され ることになる。 更に、 樹脂粒子は高濃度化した凝集物として吐出され、 吐出液滴 中に含まれる溶媒成分が少なく、 インクの乾きが速くなるため版上でのドッ トの 滲みが抑えられ、 高精細な画像が形成される。

またこのイ ンクジェッ ト法では、 吐出したィンキ滴の大きさは吐出電極先端部 の大きさあるいは電界形成条件によって決まり、 吐出ノズル径あるいはスリ ッ ト 幅を小さ くすることなく、 小さなイ ンキ滴が得られる。 電界形成条件を制御する ことにより記録媒体上での ドッ ト径をコン トロールすることができる。 従って、 へッ ドのィ ンク詰ま りの問題なしに、 微小な画像のコン トロールが可能であり、 鮮明な画像の印刷物を多数枚与えることができる。

本発明のイ ンクジェッ ト法は、 静電界を利用して行われ、 インクに強い電界を 作用させて吐出させることが好ましい。 電界強度が充分でないと良好な吐出性が 得られない場合があるので、 約 1 X 1 0 ⁵ V / c m以上が適当である。 他方、 あ まりに高すぎると、 ドッ ト分裂やサテライ トの発生が生じ、 画質が低下する傾向 があるため、 約 1 X 1 0 ⁸ V / c m以下が好ましい。 より好ましくは 2 X 1 0 ⁵ V / c mから 5 X 1 0 ⁷ V / c mの範囲である。

本発明のィ ンクジェッ ト記録方法を用いた機上描画平版印刷方法について説明 する。

本発明の機上描画平版印刷方法を実施するのに用いられる機上描画平版印刷装 置の一構成例を以下に示す。

図 1は、 機上描画単色片面平版印刷装置の全体構成図である。 図 2は本機上描 画平版印刷装置の制御部、 インク供給部、 ヘッ ド離接機構を含めた描画部の概略 構成例である。 また、 図 3〜図 9は、 図 1、 及び図 1 0の機上描画平版印刷装置 が具備するインクジェッ ト記録装置を説明するためのものである。 さらに、 図 1 0は、 本発明に係る機上描画 4色片面平版印刷装置の全体構成例である。

まずは図 1 に示す機上描画単色片面平版印刷機の全体構成図を用いて本発明に よる印刷工程について説明する。 図 1 に示されるように、 機上描画平版印刷装置 1 (以下単に 「印刷装置」 ともいう） は、 版胴 1 1、 ブランケヅ ト胴 1 2及び圧 胴 1 3を一つずつ有し、 少なく とも平版印刷を行う際には版胴 1 1 に対して転写 用のブランケヅ ト胴 1 2が圧接するように配置され、 ブランケッ ト胴 1 2にはこ れに転写された印刷ィンク画像を印刷紙 Pに転移させるための圧胴 1 3が圧接す るように配置されている。

版胴 1 1は、 通常金属製であり、 その表面は耐摩耗性を強化するために例えば クロムメ ツキが施されているが、後述のようにその表面に断熱材を有してもよい。 一方、 版胴 1 1は静電界吐出において、 吐出ヘッ ド電極の対極となるためアース されることが好ましい。 また、 版材の基体の絶縁性が高い場合には基体上に導電 層を設けることが好ましく、 この場合にはこの導電層から版胴にアースを取る手 段を設けることが望ましい。 さらに前述のように版胴上に断熱材を設ける場合に も、 版材からアースを取る手段を設けることによ り描画は容易になる。 この場合 には公知の導電性を有するブラシ、 板パネ、 ローラ等の手段を使用できる。

さらに、 印刷装置 1はイ ンクジェッ ト記録装置 （イ ンクジェッ ト描画装置） 2 を有し、 これにより、 画像データ演算制御部 2 1 より送られてく る画像データに 対応して、 版胴 1 1上に装着された版材 9上に油性イ ンクを吐出し画像を形成す る。

また、 印刷装置 1 には版材 9上の親水部 （非画像部） に湿し水を供給する湿し 水供給装置 3が設置されている。 図 1 には湿し水供給装置 3の代表例としてモル トン給水方式の装置を示しているが、 湿し水供給装置 3 としてはその他にシンフ 口給水方式、 連続給水方式等公知の装置が使用できる。

さらに、 印刷装置 1は、 印刷イ ンク供給装置 4、 及び版材 9上に描画された油 性ィ ンク画像を強固にするための定着装置 5を有する。 必要に応じて版材 9表面 の親水性強化の目的で版面不感脂化装置 6を設置してもよい。

また、 印刷装置 1は、 版材への描画前及び/又は描画中に版材表面に存在する 埃を除去する版材表面埃除去手段 1 0を有する。 これにより、 製版中にへッ ドと 版材の間に入った埃を伝ってインクが版材上に付着することが有効に防止され、 良好な製版が得られる。 埃除去手段としては公知の吸引除去、 吹き飛ばし除去、 静電除去等の非接触法の他、 ブラシ、 ローラー等による接触法が使用でき、 本発 明では望ましくはエア一吸引、 またはエア一による吹き飛ばしのいずれか、 ある いはそれらを組み合わせて使用される。 この場合には、 通常給紙装置に使用され るエア一ポンプをこの用途に流用することもできる。

さらに、 版材 9を版胴 1 1上に自動的に供給する自動給版装置 7、 及び印刷終 了後の版を版胴 1 1上から自動的に取り除く 自動排版装置 8を設置してもよい。 印刷機の補助装置として公知であるこの装置を有する印刷機として、 例えばハマ ダ V S 34 A、 B 4 5 2 A (ハマダ印刷機械（株））、 トーコ一 8 0 00 P FA (東 京航空計器 （株））、 リ ヨ一ビ 3 2 00 ACD、 3 2 0 0 P F A (リ ヨ一ビィマジ スク （株））、 AMS I S Mu l t i 5 1 50 FA (日本エーェム （株））、 オリ バー 2 6 6 E P Z (桜井グラフイ ツクシステムズ （株））、 シノハラ 6 6 IV/IVP (篠原商事 （株）） 等がある。 さらにブランケッ ト洗浄装置 1 4、 圧胴洗浄装置 1 4 ' を設置してもよい。 これらの装置 7、 8、 1 4、 1 4 ' を用いることで印刷 操作がより簡便となり、 また、 印刷時間の短縮が図られることから本発明の効果 をより一層高められる。 さらに、 圧胴 1 3の近傍に紙粉発生防止装置 （紙粉除去 手段） 1 5を設置してもよく、 これにより版材上に紙粉が付着することを防止で きる。 紙粉発生防止装置 1 5としては湿度コン トロール、 エアゃ静電力による吸 引等の方法を使用することができる。

画像データ演算制御部 2 1は、 画像スキャナ、 磁気ディスク装置、 画像データ 伝送装置等からの画像データを受け、 色分解を行う と共に、 分解されたデ一夕に 対して適当な画素数、 階調数に分割演算する。 さらに、 インクジェッ ト記録装置 2が有する記録へヅ ドとしてのイ ンクジェッ ト吐出ヘッ ド 2 2 (図 2参照。 後に 詳述する。） を用いて油性ィ ンク画像を網点化して描くために、 網点面積率の演算 も行う。 また、 後述するように、 画像データ演算制御部 2 1は、 インクジエツ ト吐出へ ヅ ド 2 2の移動、 油性イ ンクの吐出タイ ミ ングを制御すると共に、 必要に応じて 版胴 1 1、 ブランケッ ト胴 1 2、 圧胴 1 3等の動作タイ ミングを制御も行う。 図 1、 及び一部図 2 を参照して印刷装置 1による刷版の作成工程を以下に説明 する。

まず、 版胴 1 1 に自動給版装置 7を用いて版材 9を装着する。 この時、 公知の 版頭/尻くわえ装置、 エア吸引装置等による機械的方法、 あるいは静電的な方法 等により版材は版胴上に密着固定され、 これにより版尻がばたついて描画時にィ ンクジェッ ト記録装置 2に接触し破損することを防止できる。 また、 インクジェ ッ ト記録装置の描画位置周辺のみで版材を版胴に密着させる手段を配し、 少なく とも描画を行う時にはこれを作用させることによって、 版材がィ ンクジエツ ト記 録装置に接触することを防止することもできる。 具体的には、 例えば版胴描画位 置の上流、 及び下流に押さえローラを配する等の方法がある。 また、 版を固定 する過程で、 版尻がィ ンク供給ローラに接触しないようにする手段を設けること によって、 版面の汚れを防止でき損紙を減らすことができる。 具体的には押さえ ローラあるいはガイ ド、 静電吸着等が有効である。

磁気ディスク装置等からの画像デ一夕は、 画像データ演算制御部 2 1に与えら れ、 画像データ演算制御部 2 1は、 入力画像データに応じて油性インクの吐出位 置、 その位置における網点面積率の演算を行う。 これらの演算データは一旦バッ ファに格納される。 画像データ演算制御部 2 1は、 版胴 1 1 を回転させ、 吐出へ ツ ド 2 2 をへッ ド離接装置 （記録へッ ド離接手段） 3 1 により版胴 1 1 と近接さ れた位置に近づける。 吐出へッ ド 2 2 と版胴 1 1上の版材 9表面との距離は、 付 き当てローラのような機械的距離制御、 あるいは光学的距離検出器からの信号に よるヘッ ド離接装置の制御により、 描画中、 所定距離に保たれる。 この距離制御 により、 版材の浮き等により ドッ ト径が不均一になったり、 特に印刷機に振動が 加わった際等にも ドッ ト径が変化したりせず、 良好な製版を得ることができる。 描画は版胴 1 1の回転により主走査を行う。 吐出部の配列方向は軸方向に設置 する。 画像データ演算制御部 2 1 によ り版胴 1 1一回転毎にへッ ド 2 2を版胴の 軸方向に移動して、 上記演算により得られた吐出位置及び網点面積率で油性ィ ン クを版胴 1 1 に装着した版材 9に吐出する。 これによ り、 版材 9には、 印刷原稿 の濃淡に応じた網点画像が油性イ ンクで描画される。 この動作は、 版材 9上に印 刷原稿一色分の油性ィ ンク画像が形成され刷版ができあがるまで続く。

次いで吐出へッ ド 2 2を保護するために、 吐出へッ ド 2 2は、 版胴 1 1 と近接 された位置から離れるように退避させられる。 この時、 吐出ヘッ ド 2 2のみに離 接してもよいが、 吐出ヘッ ド 2 2 とへヅ ド副走査手段 3 2を一緒に離接、 あるい は吐出へッ ド 2 2 とィンク供給部 2 4とへッ ド副走査手段 3 2全てを一緒に離接 することもできる。 また、 吐出へッ ド 2 2 とィ ンク供給部 2 4 とへッ ド副走査手 段 3 2 と共に、 定着装置 5、 埃除去手段 1 0にもそれそれ離接手段を設け、 退避 可能とすることにより、 通常印刷にも対応できる。

この離接手段は、 描画時以外は記録へッ ドを版胴に対し少なく とも 5 0 0 / m 以上離すように動作する。 離接動作はスライ ド式にしてもよいし、 ある軸に固定 されたアームでヘッ ドを固定し、 軸まわりにアームを動かし振り子状に移動して もよい。 このように非描画時にヘッ ドを退避させることにより、 ヘッ ドを物理的 破損あるいは汚染から保護し、 長寿命化を達成することができる。

また、 形成された油性インク画像は、 定着装置 5で加熱等により強化される。 インクの定着手段としては、 加熱定着、 溶媒定着等の公知の手段が使用できる。 加熱定着では赤外線ランプ、 ハロゲンランプ、 キセノンフラッシュランプ照射あ るいはヒー夕一を利用した熱風定着、 ヒ一トロール定着が一般的である。 この場 合には定着性を高めるために、 版胴を加熱しておく、 版材を予め加熱しておく、 熱風を当てながら描画を行う、 版胴を断熱材でコートする、 定着時のみ版胴から 版材を離して版材のみを加熱する、 等の手段を単独、 あるいは組み合わせてとる ことが有効である。 キセノンランプ等を使用してのフラッシュ定着は電子写真 ト ナ一の定着法として公知であり、 定着を短時間に行えるという利点がある。 溶媒定着ではメタノール、 酢酸ェチル等のイ ンク中の樹脂成分を溶解しうる溶 媒を噴霧し、 余分な溶媒蒸気は回収する。 なお、 少なく とも吐出ヘッ ド 2 2によ る油性インク画像形成から、 定着装置 5による定着までの行程では、 湿し水供給 装置 3、 印刷イ ンク供給装置 4、 及びブランケッ ト胴 1 2は版胴上の版材 9には 接触しないように保たれることが望ましい。 刷版形成後の印刷工程は、 公知の平版印刷方法と同様である。 すなわち、 この 油性ィンク画像が描画された版材 9に、 印刷ィンク及び湿し水を与え印刷画像を 形成し、 この印刷ィ ンク画像を版胴 1 1 と共に回転しているブランケヅ ト胴 1 2 上に転写し、 次いでブランケッ ト胴 1 2 と圧胴 1 3 との間を通過する印刷用紙 P 上にブランケッ ト胴 1 2上の印刷ィ ンク画像を転移させることで一色分の印刷が 行われる。 印刷終了後の版材 9は、 自動排版装置 8により版胴 1 1 から取り除か れ、 ブランケッ ト胴 1 2上のブランケッ トはブランケッ ト洗浄装置 1 4により洗 浄され、 次の印刷可能な状態となる。

次に、 イ ンクジヱッ ト記録装置 2について詳細に説明する。

図 2に示されるように、 本平版印刷装置に使用される描画部は、 インクジエツ ト記録装置 2、 インク供給部 2 4からなる。 イ ンク供給部 2 4は、 さらにイ ンク タンク 2 5、 イ ンク供給装置 2 6、 イ ンク濃度制御手段 2 9を有し、 インクタン ク 2 5内にはィ ンク攪拌手段 2 7、 ィ ンク温度管理手段 （ィ ンク温度制御手段） 2 8が含まれる。 インクはヘッ ド内を循環させてもよく、 この場合、 イ ンク供給 部は回収循環機能も有する。 インク攪拌手段 2 7はイ ンクの固形成分の沈殿 - 凝 集を抑制し、 インクタンクの清掃の必要性が低減される。 イ ンク攪拌手段として は、 回転羽、 超音波振動子、 循環ポンプが使用でき、 これらの中から、 あるいは 組み合わせて使用される。 インク温度管理手段 2 8は、 周りの温度変化によりィ ンクの物性が変化し、 ドッ ト径が変化したりすることなく高画質な画像が安定し て形成できる様に配置される。 イ ンク温度管理手段としては、 イ ンクタンク内に ヒ一夕一、 ペルチェ素子等の発熱素子あるいは冷却素子を、 該タンク内の温度分 布を一定にするように攪拌手段と共に配し、 温度センサ、 例えばサーモスタッ ト 等により制御する等の公知の方法が使用できる。 なお、 インクタンク内のイ ンク 温度は 1 5 °C以上 6 0 °C以下が望ましく、 より好ましくは 2 0 °C以上 5 0 °C以下 である。 また、 タンク内の温度分布を一定に保つ攪拌手段は、 前記のイ ンクの固 形成分の沈殿 · 凝集の抑制を目的とするィ ンク攪拌手段と共用してもよい。 また、 本印刷装置では、 高画質な描画を行うためイ ンク濃度制御手段 2 9を有 している。 これによりィ ンク中の固形分濃度の低下による版上での滲みの発生や 印刷画像の飛びやカスレ、 あるいは固形分濃度の上昇による版上の ドッ ト径の変 化等を有効に抑制することができる。 インク濃度は光学的検出、 電導度測定、 粘 土測定等の物性測定、 あるいは描画枚数による管理等により行う。 物性測定によ る管理を行う場合には、 イ ンクタンク内、 又はイ ンク流路内に、 光学検出器、 電 導度測定器、 粘土測定器を単独、 あるいはそれらを組み合わせて設け、 その出力 信号により、 また、 描画枚数による管理を行う場合には、 製版枚数、 及び頻度に よりィンクタンクへ図示されない補給用濃縮ィ ンクタンク又は希釈用ィンクキヤ リアタンクからの液供給を制御する。

画像データ演算制御部 2 1は前述のように、 入力画像データの演算、 また、 へ ッ ド離接装置 3 1、 あるいはへッ ド副走査手段 3 2によりへッ ドの移動を行う他 に、 版胴に設置したエンコーダ一 3 0からのタイ ミ ングパルスを取り込み、 その タイ ミングパルスに従って、 ヘッ ドの駆動を行う。 これにより、 副走査方向の位 置精度を高められる。 また、 インクジェッ ト記録装置による描画を行う際の版胴 の駆動は、 印刷時の駆動手段とは異なる高精度な駆動手段を使用することによつ ても副走査方向の位置精度を高められる。 その際には、 ブランケッ ト胴、 圧胴そ の他から機械的に切り離して、 版胴のみを駆動させることが望ましい。 具体的に は、 例えば高精度モータからの出力を高精度ギア、 あるいはスチールベルト等に より減速して版胴のみを駆動させる方法等がある。 高画質描画を行う際にはこの 様な手段を単独、 あるいは複数組み合わせて使用する。

次に、 吐出へッ ドについて図 3〜図 9を使用して説明する。 但し、 本発明の内 容は以下に示す形態に限定されるものではない。

図 3、 図 4はィンクジエツ ト記録装置に備えられているへッ ドの一例である。 ヘッ ド 2 2は、 絶縁性基材からなる上部ュニッ ト 2 2 1 と下部ュニッ ト 2 2 2 と で挟まれたスリ ッ トを有し、 その先端は吐出スリ ッ ト 2 2 aとなっており、 スリ ッ ト内には吐出電極 2 2 bが配置され、 ィ ンク供給装置から供給されたィ ンク 2 3がスリ ッ ト内に満たされた状態になっている。 絶縁性基材としては、 例えばプ ラスチック、 ガラス、 セラ ミ ックス等が適用できる。 また、 吐出電極 2 2 bは、 絶縁性基材からなる下部ユニッ ト 2 2 2上にアルミニウム、 ニッケル、 クロム、 金、 白金等の導電性材料を真空蒸着、 スパッタ、 あるいは無電界メ ツキを行い、 この上にフォ ト レジス トを塗布し、 所定の電極パターンのマスクを介してフォ ト レジストを露光し、 現像して吐出電極 2 2 bのフォ トレジストパターンを形成し た後、 これをエッチングする方法、 もしくは機械的に除去する方法、 あるいはそ れらを組み合わせた方法等、 公知の方法により形成される。

ヘッ ド 2 2では、 画像のパターン情報のデジタル信号に従って、 吐出電極 2 2 bに電圧が印加される。 図 3に示されるように、 吐出電極 2 2 bに対向する形で 対向電極となる版胴 1 1が設置されており、 対向電極となる版胴 1 1上には版材 9が設けられている。 電圧の印加により、 吐出電極 2 2 bと、 対向電極となる版 胴 1 1 との間には回路が形成され、 ヘッ ド 2 2の吐出スリッ ト 2 2 aから油性ィ ンク 2 3が吐出され対向電極となる版胴 1 1上に設けられた版材 9上に画像が形 成される。

吐出電極 2 2 bの幅は、 高画質の画像形成を行うためにその先端はできるだけ 細いことが好ましい。 具体的な数値は印加電圧、 インク物質などの条件によって 異なるが、 通常 5 ~ 1 0 0 mの先端幅の範囲で用いられる。

例えば先端が 2 0 ^ m幅の吐出電極 2 2 bを用い、 吐出電極 2 2 bと対向電極 となる版胴 1 1の間隔を 1 . 0 m mとして、 この電極間に 3 K Vの電圧を 0 . 1 ミ リ秒印加することで 4 0〃mのドッ トを版材 9上に形成することができる。 さらに図 5、 図 6はそれそれ、 他の吐出ヘッ ドの例のインク吐出部近傍の断面 概略図、 前面概略図を示すものである。 図中 2 2は吐出ヘッ ドで、 この吐出へッ ド 2 2は漸減形状をした第 1の絶縁性基材 3 3を有している。 上記第 1の絶縁性 基材 3 3には第 2の絶縁性基材 3 4が離間対向して設けられ、 この第 2の絶縁性 基材 3 4の先端部には斜面部 3 5が形成されている。 上記第 1、 第 2の絶縁性基 材は、 例えばプラスチック、 ガラス、 セラミックス等で形成されている。 上記第 2の絶縁性基材 3 4の斜面部 3 5と鋭角をなす上面部 3 6には、 吐出部に静電界 を形成する静電界形成手段として複数の吐出電極 2 2 bが設けられている。 これ ら複数の吐出電極 2 2 bの先端部は上記上面部 3 6の先端近傍まで延長され、 か つ、 その先端部は上記第 1の絶縁性基材 3 3よりも前方に突き出され吐出部を形 成している。 上記第 1及び第 2の絶縁性基材 3 3、 3 4間には前記吐出部へのィ ンク 2 3の供給手段としてィンク流入路 3 7が形成され、 前記第 2の絶縁性基材 3 4の下部側にはィンク回収路 3 8が形成されている。 上記吐出電極 2 2 bは、 第 2の絶縁性基材 3 4上にアルミニウム、 ニッケル、 クロム、 金、 白金等の導電 性材料を用い、 前述と同様、 公知の方法により形成される。 個々の電極 2 2 bは 電気的には互いに絶縁状態となるように構成されている。

吐出電極 2 2 bの先端が絶縁性基材 3 3の先端より突き出す量は 2 m m以下が 好ましい。 この突き出し量が上記範囲にて好ましい理由は、 突き出し量が大きす ぎるとィ ンクメニスカスが吐出部先端まで届かず、 吐出しにく くなつたり、 記録 周波数が低下するためである。 また、 上記第 1及び第 2の絶縁性基材 3 3、 3 4 間のスペースは 0 . 1〜 3 m mの範囲が好ましい。 このスペースが上記範囲にて 好ましい理由は、 スペースが狭すぎるとィ ンクの供給がしにく くなり吐出しにく くなつたり、 記録周波数が低下したりするためであり、 スペースが広すぎるとメ ニスカスが安定せず吐出が不安定になるためである。

上記吐出電極 2 2 bは画像データ演算制御部 2 1 に接続され、 記録を行う際に は画像情報に基づき吐出電極に電圧印加を行うことにより該吐出電極上のィンク が吐出し、 吐出部と対向配置された図示されない版材上に描画が行われる。 上記 インク流入路 3 7のイ ンク滴吐出方向と逆方向は、 図示しないイ ンク供給装置の 送ィ ンク手段に接続されている。 上記第 2の絶縁性基材 3 4の吐出電極形成面の 反対面にはバッキング 3 9が離間対向して設けられ、 両者間にはイ ンク回収路 3 8が設けられている。 前記ィ ンク回収路 3 8のスペースは 0 . 1 m m以上が望ま しい。 このスペースが上記範囲にて好ましい理由は、 スペースが狭すぎるとイン クの回収がしにく くなり、 イ ンク漏れを起こしたりするためである。 また、 前記 ィ ンク回収路 3 8は図示しないィ ンク供給装置のィ ンク回収手段に接続されてい る。

吐出部上での均一なィンクフ口一を必要とする場合には吐出部と前記ィ ンク回 収路の間に溝 4 0を設けてもよい。 図 6は吐出ヘッ ドのィ ンク吐出部近傍の前面 概略図を示しているが、 第 2の絶縁性基材 3 4の斜面には吐出電極 2 2 bとの境 界近傍からィ ンク回収路 3 8に向かって複数の溝 4 0が設けられている。 この溝 4 0は、 上記吐出電極 2 2 bの配列方向に複数並んでおり、 吐出電極 2 2 b側の 開口部から、 その開口怪に応じた毛細管力により一定量の吐出電極先端近傍のィ ンクを導き、 導かれたイ ンクをイ ンク回収路 3 8に排出する機能を有する。 この ため、 吐出電極先端近傍に一定の液厚を有するィンクフ口一を形成する機能を有 している。 溝 4 0の形状は毛細管力が働く範囲であればよいが、 特に望ましくは 幅は 1 0〜 2 0 0〃m、 深さは 1 0〜 3 0 0 / mの範囲である。 また、 溝 4 0は へッ ド全面にわたって均一なィンクフローを形成できるように必要数設けられる, 吐出電極 2 2 bの幅は、 高画質の画像形成を行うためにその先端はできるだけ 細いことが好ましい。 具体的な数値は、 印加電圧、 イ ンク物質等の条件によって 異なるが、 通常 5〜 1 0 0 mの先端幅の範囲で用いられる。

また、 本発明を実施するのに用いられる吐出ヘッ ドの他の例を図 7、 図 8に示 す。 図 7は説明のためヘッ ドの一部分のみを示した概略図である。 記録ヘッ ド 2 2は、 図 7に示すようにブラスチヅク、 セラミ ック、 ガラス等の絶縁性材料から 作成されたヘッ ド本体 4 1 とメニスカス規制板 4 2、 4 2 ' からなる。 図中、 2 2 bは吐出部に静電界を形成するために電圧印加を行う吐出電極である。 さらに ヘッ ドから規制板 4 2、 4 2 ' を取り除いた図 8を用いて、 ヘッ ド本体について 詳述する。

ヘッ ド本体 4 1にはヘッ ド本体のエッジに垂直に、 イ ンクを循環させるための インク溝 4 3が複数設けてある。 このインク溝 4 3の形状は均一なィンクフロー を形成できるように毛細管力が働く範囲に設定されていればよいが、 特に望まし い幅は 1 0〜 2 0 0 z m、 深さは 1 0〜 3 0 0〃mである。 イ ンク溝 4 3の内部 には吐出電極 2 2 bが設けられている。 この吐出電極 2 2 bは、 絶縁性材料から なるヘッ ド本体 4 0上にアルミニウム、 ニッケル、 クロム、 金、 白金等の導電性 材料を使って、 上述の装置実施例の場合と同様な公知の方法により、 インク溝 4 3内全面に配置してもよいし、 一部分のみに形成してもよい。 なお、 吐出電極間 は電気的に隔離されている。 隣り合う 2つのイ ンク溝は 1つのセルを形成し、 そ の中心にある隔壁 4 4の先端部には吐出部 4 5、 4 5 ' を設けている。 吐出部 4 5、 4 5 ' では隔壁は他の隔壁部分 4 4に比べ薄くなつており、 尖鋭化されてい る。 このようなヘッ ド本体は絶縁性材料ブロックの機械加工、 エッチング、 ある いはモ一ルディ ング等の公知の方法により作成される。 吐出部での隔壁の厚さは 望ましくは 5〜 1 0 0 / mであり、 尖鋭化された先端の曲率半径は 5〜 5 0 m の範囲であることが望ましい。 なお、 吐出部は 4 5 ' の様に先端をわずかに面取 りされていてもよい。 図中には 2つのセルのみを示しているが、 セルの間は隔壁 4 6で仕切られ、 その先端部 4 7は吐出部 4 5、 4 5 ' よりも引っ込むように面 取りされている。 このヘッ ドに対し、 図示されないイ ンク供給装置の送イ ンク手 段により I方向からイ ンク溝を通してインクを流し、吐出部にィ ンクを供給する。 さらに図示されないインク回収手段により余剰なイ ンクは〇方向に回収され、 そ の結果、 吐出部には常時、 新鮮なイ ンクが供給される。 この状態で、 吐出部に対 向する形で設けられ、 その表面に版材を保持した図示されない版胴に対して吐出 電極に画像情報に応じて電圧印加することにより、 吐出部からイ ンクが吐出され 版材上に画像が形成される。

さらに吐出ヘッ ドの他の実施例について図 9を用いて説明する。 図 9に示すよ うに、 吐出へッ ド 2 2は、 略矩形板状の一対の支持部材 5 0、 5 0 ' を有してい る。 これらの支持部材 5 0、 5 0 ' は、 絶縁性を有する 1〜 1 0 m mの厚さの板 状のプラスチック、 ガラス、 セラミ ック等から形成され、 それそれの一方の面に は、 記録解像度に応じて互いに平行に延びた複数の矩形の溝 5 1、 5 1 ' が形成 されている。 各溝 5 1、 5 1 ' は、 幅 1 0〜2 0 0 m、 深さ 1 0〜 3 0 0 z m の範囲であることが望ましく、 その内部全体あるいは一部に吐出電極 2 2 bが形 成されている。 このように、 支持部材 5 0、 5 0 ' の一面に複数の溝 5 1、 5 1 ' を形成することにより、 各溝 5 1の間には、 複数の矩形の隔壁 5 2が必然的に設 けられる。 各支持部材 5 0、 5 0 ' は、 溝 5 1、 5 1 ' を形成していない面を対 向させるように組合わされる。 つま り、 吐出ヘッ ド 2 2は、 その外周面上にィ ン クを流通させるための複数の溝を有する。 各支持部材 5 0、 5 0 ' に形成された 溝 5 1、 5 1 ' は、 吐出へッ ド 2 2の矩形部分 5 4を介して 1対 1 に対応して連 結され、 各溝が連結された矩形部分 5 4は、 吐出ヘッ ド 2 2の上端 5 3より所定 距離 （ 5 0〜 5 0 0〃m ) だけ後退している。 つま り、 各矩形部分 5 4の両側に は、 各支持部材 5 0、 5 の各隔壁 5 2の上端 5 5が矩形部分 5 4より突出す るように設けられている。 そして、 各矩形部分 5 4から、 前述したような絶縁性 材料からなるガイ ド突起 5 6が突出されて設けられ吐出部を形成している。

上記のように構成された吐出へッ ド 2 2にィ ンクを循環させる場合、 一方の支 持部材 5 0の外周面に形成された各溝 5 1 を介して各矩形部分 5 4にインクを供 給し、 反対側の支持部材 5 0 ' に形成された各溝 5 1 ' を介して排出する。 この 場合、 円滑なイ ンクの流通を可能とするため、 吐出ヘッ ド 2 2を所定角度で傾斜 させている。 つまり、 イ ンクの供給側 （支持部材 5 0 ) が上方に位置し、 イ ンク の排出側 （支持部材 5 0 ' ) が下方に位置するように吐出ヘッ ド 2 2が傾斜され ている。 このように、 吐出ヘッ ド 2 2にイ ンクを循環させると、 各矩形部分 5 4 を通過するインクが各突起 5 6に沿って濡れ上がり、 矩形部分 5 4、 突起 5 6の 近くにインクメニスカスが形成される。 そして、 各矩形部分 5 4にてそれそれ独 立したィ ンクメニスカスが形成された状態で、 吐出部に対向する形で設けられ、 その表面に版材を保持した図示されない版胴に対して吐出電極 2 2 bに画像情報 に基づき電圧を印加することにより、 吐出部からイ ンクが吐出され版材上に画像 が形成される。 なお、 各支持部材 5 0、 5 0 ' の外周面上に溝を覆うカバーを設 けることにより、 各支持部材 5 0、 5 0 ' の外周面に沿ったパイプ状のイ ンク流 路を形成し、 このインク流路によりイ ンクを強制的に循環させてもよい。 この場 合、 吐出ヘッ ド 2 2を傾斜させる必要はない。

上述の図 3〜図 9に示すへッ ド 2 2は必要に応じて記録へッ ドク リ一ニング手 段等のメンテナンス装置を含むこともできる。例えば休止状態が続く様な場合や、 画質に問題が発生した場合には、 吐出へッ ド先端を柔軟性を有するハケ、 ブラシ、 布等で拭う、 イ ンク溶媒のみを循環させる、 イ ンク溶媒のみを供給、 あるいは循 環させながら吐出部を吸引する、 等の手段を単独、 あるいは組み合わせて行うこ とにより、 良好な描画状態を維持できる。 また、 イ ンクの固着防止にはヘッ ド部 を冷却し、 イ ンク溶媒の蒸発を抑えることも有効である。 さらに汚れがひどい場 合には、 吐出部から強制的にイ ンク吸引するか、 イ ンク流路から強制的にエア、 イ ンク、 又はイ ンク溶媒のジェッ トを入れる、 あるいはインク溶媒中にヘッ ドを 浸瀆した状態で超音波を印加する、 等も有効であり、 これらの方法を単独、 ある いは組み合わせて使用できる。

次に、本発明の具体例として機上描画複色片面平版印刷装置について説明する。 図 1 0は、 機上描画 4色片面平版枚葉印刷装置の全体構成例である。 図 1 0に 示されるように、 該 4色片面平版枚葉印刷装置は基本的に図 1 に示した単色片面 印刷装置の版胴 1 1、 ブランケッ ト胴 1 2、 圧胴 1 3を印刷用紙 Pの同じ面に印 刷が行われるようにそれそれ 4個ずつ有する構造である。 なお、 図示はしていな いが、 図中 Kで示す印刷用紙の隣接圧胴間での受け渡しには、 公知の渡し胴方式 等を使用する。 詳細な説明は省くが図 1 0の例から容易にわかるように、 その他 の複色片面印刷装置も基本的に単色片面印刷装置の版胴 1 1、 ブランケッ ト胴 1 2、 圧胴 1 3を印刷用紙 Pの同じ面に印刷が行われるように複数個ずつ有するよ うな構造であり、 版胴に 1色分の版のみを作成する場合には印刷する色数分だけ 版胴、 ブランケッ ト胴を有する。（このような印刷装置をュニッ ト型印刷装置と称 する。） 一方、 複数色分の版胴、 ブランケッ ト胴に対し、 版胴直径の整数倍の直径 を有する一つの圧胴を共有する共通圧胴型印刷装置で本発明を実施する場合は、 印刷する色数分の版胴、ブランケッ ト胴で一つの圧胴を共有する構造でもよいし、 複数色分の版胴、 ブランケッ ト胴で一つの圧胴を共有する構造を複数個有し、 版 胴、 ブランケッ ト胴の総数が印刷する色数分あるような構造でもよい。 この場合 の隣接する共通圧胴間の印刷用紙の受け渡しは、 前記公知の渡し胴方式等を使用 できる。

一方、 版胴に複数色の版を作成する場合には、 印刷する色数を一版胴上の版数 で割った値だけ版胴、 ブランケッ ト胴が必要となる。 例えば版胴上に 2色分の版 材を作成した場合には、 版胴、 ブランケッ ト胴を 2つずつ有する印刷装置によ り 片面 4色印刷が可能となる。 この場合、 圧胴直径は 1色分の版胴径と同じとし、 圧胴には必要に応じて必要色分の印刷が終わるまで印刷用紙を保持しておく手段 を設置し、圧胴間での印刷用紙の受け渡しには、 公知の渡し胴方式等を使用する。 上述の 2色分の版材を作成した版胴とブランケッ ト胴を 2つずつ有する印刷機の 場合、 一方の圧胴が印刷用紙を保持して 2回転すると 2色印刷が行われ、 次に圧 胴間での印刷用紙の受け渡しが行われ、 次に他方の圧胴が印刷用紙を保持して 2 回転するとさらに 2色印刷が行われ 4色印刷が完成する。 また、 圧胴は版胴と同 数でもよいが、 幾つかの版胴、 ブランケッ ト胴で一つの圧胴を共有してもよい。 一方、 機上描画複色両面平版枚葉印刷装置として本発明を実施する場合には、 上述したュニッ ト型印刷装置の少なく とも 1つの隣接圧胴間に公知の印刷用紙反 転手段を設ける構造か、 上述した共通圧胴型印刷装置を複数個配置し、 少なく と も 1つの隣接圧脶間に公知の印刷用紙反転手段を設ける構造か、 図 1 に示した単 色片面印刷装置の版胴 1 1、 ブランケッ ト胴 1 2を印刷用紙 Pの両面に印刷が行 われるように複数個有するような構造とする。 図 1 に示される構造では、 版胴に 1色分の版のみを作成する場合、 印刷用紙の両面に印刷するのに必要な色数分だ け版胴、 ブランケッ ト胴を有する。 一方、 上述のように版胴に複数色の版を作成 する場合には、 版胴、 ブランケッ ト胴、 圧胴の数は減らすことができる。 また、 幾つかの版胴、 ブランケッ ト胴で一つの圧胴を共有した場合には、 圧胴の数をさ らに減らすことができる。 圧胴には必要に応じて必要色分の印刷が終わるまで印 刷用紙を保持しておく手段を設置する。 詳細については上述の機上描画複色片面 平版印刷機の例により容易に理解できるため省略する。

以上、 本発明の機上描画複色平版印刷装置の実施形態として枚葉印刷装置の例 を述べた。 一方、 機上描画複色 W E B (卷取紙） 平版印刷装置として本発明を実 施する場合は、 上述のユニッ ト型、 共通圧胴型が好適に使用できる。 また、 機上 描画複色 W E B両面印刷装置として本発明を実施する場合には、 ユニッ ト型、 共 通圧胴型共に、 少なく とも 1つの隣接する圧胴間に公知の W E B反転手段を設け る構造、 印刷用紙 Pの両面に印刷が行われるように複数個有するような構造で達 成できる。 また、 機上描画複色 W E B両面印刷装置として最も好適なものは B B (ブランケッ ト . ト ウ · ブランケヅ ト） 型である。 これは W E Bの一方の面を印 刷するための 1色分の版胴、 ブランケッ ト胴 （圧胴なし） と他方の面を印刷する 1色分の版胴、 ブランケッ ト胴 （圧胴なし） のブランケッ ト胴同士が印刷時に圧 接する構造を色数分有し、 印刷時に圧接したブランケッ ト間を W E Bが通過する ことで多色の両面印刷が達成される。

また、 機上描画平版印刷装置の他の例としては、 ブランケッ ト胴 1つあたり版 胴を 2つ有し、 一方で印刷を行っている際、 もう一方の版胴で描画を行うことも できる。 この場合には描画を行っている版胴の駆動は機械的にブランケッ 卜から 独立されることが望ましい。 これにより、 印刷機を休止させることなく描画を行 うことが可能になる。 なお、 容易に理解されるように、 この機上描画平版印刷装 置は、 機上描画複色片面平版印刷装置、 機上描画複色両面平版印刷装置にも適用 することができる。

本発明のイ ンクジェッ ト記録方法を用いた製版方法について説明する。 本発明の製版方法を実施するのに用いられる製版装置の構成例を以下に示す。 図 1 1 A及び図 1 1 Bは、 製版装置の全体構成図である。 図 2は製版装置の制 御部、 イ ンク供給部、 ヘッ ド離接機構を含めた描画部の概略構成例である。 また 図 3〜図 9は、 図 1 1 A及び図 1 1 Bの製版装置が具備するィンクジェ ヅ ト描画 装置を説明するためのものである。

まず、 図 1 1 Aに示すように版材を描画ドラム 1 1 に装着した構造を有する製 版装置の全体構成図を用いて本発明による製版工程について説明する。 ただし本 発明は以下の構成例に限定されるものではない。

ドラム 1 1は、 通常、 アルミニウム、 ステンレスや鉄などの金属、 ブラスチヅ ク、 硝子等で形成される。 特に金属製ドラムの場合にはその表面は耐摩耗性や防 鲭性を強化するために例えばアルマイ ト処理やクロムメ ツキが施されていること が多い。 ドラム 1 1は後述のようにその表面に断熱材を有してもよい。 また、 ド ラム 1 1は静電界吐出において、 吐出へッ ド電極の対極としてアース機能を有す ることが好ましい。 一方、 版材の基体の絶縁性が高い場合には基体上に導電層を 設けることが好ましく、 この場合にはこの導電層にアースを取る手段を設けるこ とが望ましい。 さらに前述のように ドラム 1 1上に断熱材を設ける場合にも、 版 材にアースを取る手段を設けることにより描画は容易になる。 この場合には公知 の導電性を有するブラシ、 板パネ、 ローラ等の手段を使用できる。

さらに、 製版装置 1はィンクジエツ ト描画装置 2を有し、 これにより、 画像デ —タ演算制御部 2 1 より送られてく る画像データに対応して、 ドラム 1 1上に装 着された版材 9上に油性ィ ンクを吐出し画像を形成する。

また、 製版装置 1は、 版材 9上に描画された油性イ ンク画像を強固にするため の定着装置 5を有する。 必要によって、 版材 9表面の親水性強化の目的で用いる 版面不感脂化装置 6を設置してもよい。 また、 製版装置 1は、 版材 9への描画前 及び/又は描画中に版材 9表面に存在する埃を除去する埃除去手段 1 0を有する, これにより、 製版中にへッ ドと版材の間に入った埃を伝ってィンクが版材 9上に 付着することを有効に防止し、 良好な製版が行われる。 埃除去手段 1 0 としては 公知の吸引除去、 吹き飛ばし除去、 静電除去等の非接触法の他、 ブラシ、 ローラ —等による接触法が使用でき、 本発明では望ましくはエアー吸引、 またはエア一 による吹き飛ばしのいずれか、 あるいはそれらを組み合わせて使用することがで きる。

さらに、 版材 9を ドラム 1 1上に自動的に供給する自動給版装置 7、 および描 画終了後の版材 9を ドラム 1 1上から自動的に取り除く 自動排版装置 8を設置し てもよい。 自動給版装置 7及び自動排版装置 8を用いることで、 製版操作がより 簡便となり、 また製版時間の短縮が図られることから、 本発明の効果をより一層 高められる。

図 1 1 A、 及び一部図 2を参照して製版装置 1 による刷版の作成工程を以下に 説明する。

まず、 ドラム 1 1 に自動給版装置 7を用いて版材 9を装着する。 この時、 公知 の版頭/尻くわえ装置、 エア吸引装置などによる機械的方法、 あるいは静電的な 方法等により版材 9はドラム 1 1上に密着固定され、 これにより版尻がばたつい て描画時にィ ンクジエツ ト描画装置 2に接触し破損する事を防止できる。 またィ ンクジヱッ ト描画装置 2の描画位置周辺のみで版材 9 を ドラム 1 1 に密着させる 手段を配し、 少なく とも描画を行う時にはこれを作用させることによって版材 9 がインクジ： ッ ト描画装置 2に接触する事を防止することもできる。 具体的には 例えばドラム 1 1上の描画位置の上流、 及び下流に押さえローラを配する等の方 法がある。 さらに描画を行わない場合には、 ヘッ ドを版材から離しておく ことが 望ましく、 それによつてィ ンクジエツ ト描画装置 2に接触破損等の不具合が発生 することを有効に防止できる。

画像データ演算制御部 2 1は、 画像スキャナ、 磁気ディスク装置、 画像デ一夕 伝送装置等からの画像データを受け、 必要に応じて色分解を行う と共に、 分解さ れたデータに対して適当な画素数、 階調数に分割演算する。 さらに、 インクジェ ッ ト描画装置 2が有するィ ンクジヱッ ト吐出へッ ド 2 2 (図 3参照、 後に詳述す る。） を用いて油性ィ ンク画像を網点化して描くために、 網点面積率の演算も行う , また、 後述するように、 画像データ演算制御部 2 1は、 インクジェッ ト吐出へッ ド 2 2の移動、 油性インクの吐出タイ ミ ングを制御すると共に、 必要に応じて ド ラム 1 1等の動作タイ ミ ングの制御も行う。

画像デ一タ演算制御部 2 1 に入力された演算データは一旦バッファに格納され る。 画像データ演算制御部 2 1は、 ドラム 1 1 を回転させ、 吐出へッ ド 2 2をへ ッ ド離接装置 3 1により ドラム 1 1 と近接された位置に近づける。 吐出へッ ド 2 2 と ドラム 1 1上の版材 9表面との距離は、 付き当てローラのような機械的距離 制御、あるいは光学的距離検出器からの信号によるへッ ド離接装置の制御により、 描画中、 所定距離に制御される。 かかる距離制御により、 版材の浮きなどにより ドッ ト径が不均一になったり、 特に製版機に振動が加わった際などにも ドッ ト径 が変化したりせず、 良好な製版を行うことができる。

描画はドラム 1 1の回転により主走査を行う。 吐出部の配列方向はドラム 1 1 の軸方向に設定する。 画像データ演算制御部 2 1により ドラム 1 1一回転毎に吐 出ヘッ ド 2 2 を ドラム 1 1の軸方向に移動して、 上記演算により得られた吐出位 置および網点面積率で油性ィ ンクを ドラム 1 1 に装着した版材 9に吐出する。 こ れにより、 版材 9には、 印刷原稿の濃淡に応じた網点画像が油性イ ンクで描画さ れる。 この動作は、 版材 9上に印刷原稿一色分の油性インク画像が形成され刷版 ができあがるまで続く。

ついで吐出ヘッ ド 2 2を保護するために吐出ヘッ ド 2 2は、 ドラム 1 1 と近接 された位置から離れるように退避させられる。 この離接手段は描画時以外は吐出 へッ ドを ドラムに対し少なく とも 5 0 0〃m以上離すように動作する。 離接動作 はスライ ド式にしても良いし、 ある軸に固定されたアームで吐出ヘッ ド 2 2を固 定し、 軸まわりにアームを動かし振り子状に移動しても良い。 このように非描画 時に吐出ヘッ ド 2 2を退避させることにより、 吐出ヘッ ド 2 2 を物理的破損ある いは汚染から保護し、 長寿命化を達成する事が出来る。

また、 形成された油性イ ンク画像は、 定着装置 5により強化される。 イ ンクの 定着手段としては、 加熱定着、 溶媒定着などの公知の手段が使用できる。 加熱定 着では赤外線ランプ、 ハロゲンランプ、 キセノンフラッシュランプ照射、 あるい はヒータ一を利用した熱風定着、 ヒートロール定着が一般的である。 この場合に は定着性を高めるために、 ドラムを加熱しておく、 版材 9を予め加熱しておく、 熱風を当てながら描画を行う、 ドラム 1 1 を断熱材でコートする、 定着時には ド ラム 1 1 から版材 9を離して、 版材 9のみを加熱する、 等の手段を単独、 あるい は組み合わせてとることが有効である。 キセノンランブ等を使用してのフラッシ ュ定着は電子写真トナーの定着法として公知であり、 定着を短時間に行えるとい う利点がある。 また紙版材を用いた場合には、 急激な温度上昇により版材内部の 水分が急激に蒸発し、 版材表面に凹凸が発生するブリスターと呼ばれる現象が生 じるため、 紙版材が徐々に昇温するように、 ドラム 1 1 を回転させながら熱源へ の電力供給を徐々に高めることや、 電力供給一定で回転速度を高速から低速へと 変化させることが好ましい。 また ドラム 1 1の回転方向に複数個の定着器を配置 し、 それらの版材 9 までの距離及び/又は供給電力を変えることにより、 紙版材 が徐々に昇温するようにしても良い。

溶媒定着ではメタノール、 酢酸ェチル等のィ ンク中の樹脂成分を溶解しうる溶 媒を噴霧または蒸気の暴露をし、 余分な溶媒蒸気は回収する。

なお、 少なく とも吐出ヘッ ド 2 2による油性イ ンク画像形成から、 定着装置 5 による定着までの行程では、 版材 9上の画像には何物も接触しないように保たれ ることが望ましい。

また、 版材 9を走行させることにより副走査を行う製版装置の構成例を図 2を 用いて説明する。 ただし本発明は以下の構成例に限定されるものではない。 版材 9は、 2対のキャップスタンローラ 1 2により挟持搬送され、 画像データ 演算制御部 2 1 により適当な画素数、 階調数に分割演算されたデータを用いてィ ンクジェッ ト描画装置 2により描画される。 イ ンクジエツ ト描画装置 2によ り描 画がなされる部位では、 静電界吐出において、 吐出ヘッ ド電極の対極となるため のアース手段 1 3が設けられることが好ましく、 これにより描画は容易になる。 一方、 版材 9の基体の絶縁性が高い場合には基体上に導電層を設けることが好 ましく、 この場合には公知の導電性を有するブラシ、 板パネ、 ローラ等の手段に よりこの導電層にアースを取ることが望ましい。

また図 1 1 Bではシート版材を用いる装置を示しているが、 ロール版材も好適 に使用され、 この場合には自動排版装置の上流に、 シートカッターを具備するこ とが望ましい。

さらに、 製版装置はィ ンクジエツ ト描画装置 2 を有し、 これにより、 画像デ一 夕演算制御部 2 1 よ り送られてく る画像データに対応して、 版材 9上に油性ィ ン クを吐出し画像を形成する。 また、 製版装置 1は、 版材 9上に描画された油性イ ンク画像を強固にするため の定着装置 5を有する。 版材 9表面の親水性強化の目的で必要に応じて用いる版 面不感脂化装置 6を設置してもよい。 また、 製版装置 1は、 版材 9への描面前及 び/又は描画中に版材表面に存在する埃を除去する埃除去手段 1 0を有する。 こ れにより、 製版中に吐出ヘッ ドと版材の間に入った埃を伝ってイ ンクが版材上に 付着することを有効に防止し、 良好な製版が行われる。 埃除去手段 1 0としては 公知の吸引除去、 吹き飛ばし除去、 静電除去等の非接触法の他、 ブラシ、 ローラ —等による接触法が使用でき、 本発明では望ましくはエアー吸引、 またはエア一 による吹き飛ばしのいずれか、 あるいはそれらを組み合わせて使用することがで きる。

さらに、 版材 9を自動的に供給する自動給版装置 7、 および描画終了後の版材 9 を自動的に取り除く 自動排版装置 8を設置する事が好ましい。 自動給版装置 7 及び自動排版装置 8を用いることで、 製版操作がより簡便となり、 また製版時間 の短縮が図られることから、 本発明の効果をより一層高められる。

図 1 1 B、 及び一部図 2を参照して製版装置 1 による刷版の作成工程を以下に 更に詳細に説明する。

まず、 自動給版装置 7及びキヤッブスタンローラ 1 2を用いて版材 9を搬送す る。 この時、 必要に応じて、 図示されない版材ガイ ド手段等を設けることにより、 版材の版頭/尻がばたついてィ ンクジヱッ ト描画装置 2に接触し破損する事を防 止できる。 またインクジェッ ト描画装置 2の描画位置周辺のみで版材 9が弛まな いようにする手段を配し、 少なく とも描画を行う時にはこれを作用させることに よって版材 9がインクジエツ ト描画装置 2に接触する事を防止することもできる, 具体的には例えば描画位置の上流、 及び下流に押さえローラを配する等の方法が ある。 さらに描画を行わない場合には、 吐出ヘッ ドを版材 9から離しておく こと が望ましく、 それによつてイ ンクジ Xッ ト描画装置 2に接触破損等の不具合が発 生することを有効に防止できる。

磁気ディスク装置等からの画像データは、 画像データ演算制御部 2 1 に与えら れ、 画像データ演算制御部 2 1は、 入力画像データに応じて油性インクの吐出位 置、 その位置における網点面積率の演算を行う。 これらの演算データは一旦バッ ファに格納される。

画像データ演算制御部 2 1は、 吐出ヘッ ド 2 2の移動、 油性イ ンクの吐出タイ ミング制御、 キヤヅプスタンローラの動作タイ ミ ング制御を行う と共に、 必要に 応じて吐出へッ ド 2 2をへッ ド離接装置 3 1 により版材 9 と近接された位置に近 づける。

吐出へッ ド 2 2 と版材 9表面との距離は、 付き当てローラのような機械的距離 制御、あるいは光学的距離検出器からの信号によるへッ ド離接装置の制御により、 描画中、 所定距離に保たれる。 かかる距離制御により、 版材の浮きなどにより ド ッ ト径が不均一になったり、 特に製版機に振動が加わった際などにも ドッ ト径が 変化したりせず、 良好な製版を行うことができる。

吐出へッ ド 2 2 としてはシングルチャンネルへヅ ド、マルチチャンネルへッ ド、 あるいはフルラインへッ ドを使用することができ、 版材 9の搬送により副走査を 行う。 複数の吐出部を有するマルチチャンネルへッ ドの場合には吐出部の配列方 向を版材の走行方向と略平行に設定する。 さらにシングルチャンネルへッ ドある いはマルチチャンネルヘッ ドの場合には、 画像データ演算制御部 2 1 により版材 移動毎に吐出へッ ド 2 2を版材 9の走行方向と直交方向に移動して、 上記演算に より得られた吐出位置および網点面積率で油性ィ ンクを版材 9に吐出する。 これ により、 版材 9には、 印刷原稿の濃淡に応じた網点画像が油性イ ンクで描画され る。 この動作は、 版材 9上に印刷原稿一色分の油性イ ンク画像が形成され刷版が できあがるまで続く。 一方、 吐出ヘッ ド 2 2が版材 9の幅と略同じ長さを有する フルラインへッ ドである場合には、 吐出部の配列方向を版材の走行方向と略直交 する方向に設定し、 版材 9が描画部を通過することによって版材 9上に印刷原稿 一色分の油性ィ ンク画像が形成され刷版ができあがる。

吐出へッ ド 2 2を保護するために吐出へッ ド 2 2は、 版材 9 と近接された位置 から離れるように退避させられることが好ましい。 この離接手段は描画時以外は 吐出へッ ドを版材 9に対し少なく とも 5 0 0 // m以上離すように動作する。 離接 動作はスライ ド式にしても良いし、 ある軸に固定されたアームで吐出へッ ドを固 定し、 軸まわりにアームを動かし振り子状に移動しても良い。 このように非描画 時に吐出へッ ドを退避させることにより、 吐出へッ ドを物理的破損あるいは汚染 から保護し、 長寿命化を達成する事が出来る。

また、 形成された油性イ ンク画像は、 定着装置 5により強化される。 イ ンクの 定着手段としては、 加熱定着、 溶媒定着などの公知の手段が使用できる。 加熱定 着では赤外線ランプ、 ハロゲンランプ、 キセノンフラッシュランプ照射、 あるい はヒータ一を利用した熱風定着、 ヒートロール定着が一般的である。 キセノンラ ンブ等を使用してのフラッシュ定着は電子写真トナーの定着法として公知であり、 定着を短時間に行えるという利点がある。 また紙版材を用いた場合には、 急激な 温度上昇により版材内部の水分が急激に蒸発し、 版材表面に凹凸が発生するプリ スターと呼ばれる現象が生じるため、 複数の定着器を配置し、 紙版材が徐々に昇 温するように、 電力供給及び/又は定着器の版材 9までの距離を変えることが、 版材 9のブリスターを防止する上で好ましい。

溶媒定着ではメタノール、 酢酸ェチル等のィ ンク中の樹脂成分を溶解しうる溶 媒を噴務または蒸気の暴露をし、 余分な溶媒蒸気は回収する。

なお、 少なく とも吐出ヘッ ド 2 2による油性イ ンク画像形成から、 定着装置 5 による定着までの行程では、 版材 9上の画像には何物も接触しないように保たれ ることが望ましい。

得られた印刷版は、 公知の平版印刷方法によ り印刷される。 すなわち、 この油 性ィ ンク画像が形成された刷版を印刷機に装着し、 印刷ィンキおよび湿し水を与 え印刷ィ ンキ画像を形成し、 この印刷ィ ンキ画像を版胴と共に回転しているブラ ンケッ ト胴上に転写し、 ついでブランケッ ト胴と圧胴との間を通過する印刷用紙 上にブランケッ ト胴上の印刷ィンキ画像を転移させることで一色分の印刷が行わ れる。 印刷終了後の刷版は、 版胴から取り除かれ、 ブランケッ ト胴上のブランケ ッ トはブランケッ ト洗浄装置により洗浄され、 次の印刷可能な状態となる。

尚、 イ ンクジエツ ト描画装置 2については前述した図 2に記載したものと同様 であるので説明は省略する。

本発明のイ ンクジエツ ト記録方法を用いた印刷方法について説明する。

本発明のィ ンクジェッ ト印刷方法を実施するのに用いられる印刷装置の構成例 を以下に示す。 ただし、 本発明は以下の構成例に限定されるものではない。

図 1 4〜図 2 1は、 本発明にかかる対向 ドラムの回転により印刷媒体を移動す ることにより描画を行なう印刷装置の概略構成例を示す図である。

図 1 4〜図 1 7はロール状印刷媒体を対向ドラムと印刷媒体供給ロール及び印 刷媒体卷き取りロール或いはガイ ドロールで張架した W e b式印刷装置の概略構 成例を示す図である。 図 1 4は片面単色、 図 1 5は片面 4色の印刷を行なう W e b式装置であり、 図 1 6及び図 1 7は両面 4色印刷装置の概略構成例を示す図で ある。

また、 図 1 8はロール状印刷媒体をカッ トして、 対向ドラムに巻き付け印刷を 行なう片面 4色印刷装置の概略構成例を示す図であり、 図 1 9はシート状記録媒 体を用いた印刷装置の概略構成例を示す図である。

一方、 図 2 0及び図 2 1は、 さらに本発明にかかるキャップスタンローラによ り印刷媒体を挟持して走行させることにより描画を行なう印刷装置の概略構成例 を示す図であり、 このうち図 2 0はロール状印刷媒体を用いた印刷装置、 図 2 1 はシート状記録媒体を用いた印刷装置の概略構成例を示す図である。

まず、 図 1 4に示すロール状印刷媒体に片面 1色印刷を行なう装置の全体構成 図を用いて本発明による印刷工程について説明する。

図 1 4に示される， インクジヱッ ト印刷装置 （以下 「印刷装置」 ともいう） は、 ロール状印刷媒体の供給ロール 1 0 1、 埃 ·紙粉除去装置 1 0 2、 描画装置 1 0 3、 描画装置 1 0 3と印刷媒体を介して対向する位置に配置された対向 （描画） ドラム 1 0 4、 定着装置 1 0 5、 及び印刷媒体卷き取りロール 1 0 6から構成さ れる。

供給ロールから送り出された印刷媒体上の埃等を埃 ·紙粉除去装置 1 0 2で除 去した後、 該印刷媒体上に、 描画装置 1 0 3のィンク吐出部 （後述） から描画ド ラム 1 0 4上の印刷媒体へ向けてィンクが画像様に吐出され、 印刷画像が記録さ れる。 この画像を定着装置 1 0 5を用いて印刷媒体上に定着させた後、 印刷済み の印刷媒体が印刷媒体卷き取りロール 1 0 6に巻き取られる。

対向 （描画） ドラム 1 0 4は、 ィンク吐出部の吐出電極に対して、 対向電極と するため金属製ロール又は表面に導電性ゴム層を有するロール又はプラスチック、 硝子、 セラミック等の絶縁性ドラム表面に蒸着、 メツキ等により金属層を設けた もの等を用いる。 これにより、 描画装置 1 0 3の吐出部との間で有効な電界を形 成できる。 また、 描画ドラム 1 0 4に加熱手段を設け、 ドラム温度を高めること も描画画質の向上に有効である。 吐出されたィンク液滴の印刷媒体上での速やか な定着を促進するためより一層滲みが抑制される。

また、 ドラム温度を一定とすることで、 印刷媒体上の吐出されたイ ンク液滴の 物性値が制御され、 安定で均質な ドッ ト形成が可能となる。 ドラム温度を一定化 するために、 冷却手段を兼ね備えることがより好ましい。

埃 · 紙粉等の除去手段としては公知の吸引除去、 吹き飛ばし除去、 静電除去等 の非接触法の他、 ブラシやローラ一等による接触法が使用できる。

本発明では望ましくはエア一吸引、 あるいはエア一による吹き飛ばしのいずれ か、 あるいはそれらを組み合わせて使用される。

さらに、 描画装置 1 0 3は、 図 2のようなイ ンクジエツ ト記録装置 2を有して いる。 イ ンクジエツ ト記録装置の説明は前述したとおりであるのでここではその 説明を省略する。

図 1 4及び図 2を参照して印刷装置による印刷工程を以下に詳細に説明する。 印刷媒体供給ロールから送り出された印刷媒体は、 印刷媒体.巻き取りロールの 駆動によりテンションが与えられ、 描画 （対向） ドラム上に当接する。 これによ り、 印刷媒体ウエッブが振動して描画時にィンクジヱッ ト記録装置に接触し破損 することを防止できる。

また、 イ ンクジェッ ト記録装置の描画位置周辺のみで印刷媒体を描画 （対向） ドラムに密着させる手段を配し、 少なく とも描画を行う時にはこれを作用させる ことによって、 印刷媒体がィ ンクジヱッ ト記録装置に接触することを防止するこ ともできる。 具体的には、 例えば描画ドラムの描画位置の上流及び下流に押さえ ローラを配する、 ガイ ド、 静電吸着を利用するなどが有効である。

磁気ディスク装置等からの画像データは、 画像データ演算制御部 2 1に与えら れ、 画像デ一夕演算制御部 2 1は、 入力画像データに応じて油性イ ンクの吐出位 置、 その位置における網点面積率の演算を行う。 これらの演算データは一旦バッ ファに格納される。 画像データ演算制御部 2 1は、 吐出へッ ド 2 2 をへッ ド離接 装置 3 1 により、 描画ドラムと当接する印刷媒体と近接させた位置に近づける。 吐出へッ ド 2 2 と描画ドラム表面との距離は、 付き当てローラのような機械的距 離制御、 あるいは光学的距離検出器からの信号によるへッ ド離接装置の制御によ り、 描画中、 所定距離に保たれる。 吐出部の配列方向は印刷媒体の走行方向と略 平行に設置し、 吐出ヘッ ドの前記対向ドラムの軸方向の移動により主走査を、 前 記対向ドラムの回転により副走査を行い印字を行なう。 以上の対向ドラム及び吐 出ヘッ ドの移動制御は、 画像データ演算制御部 2 1 により行われ、 吐出ヘッ ドは 上記演算によ り得られた吐出位置および網点面積率で油性ィンクを印刷媒体上に 吐出する。 これにより、 印刷媒体には、 印刷原稿の濃淡に応じた網点画像が油性 インクで描画される。 この動作は、 印刷媒体上に所定のインク画像が形成される まで続く。

印刷終了後は、 必要に応じて、 吐出ヘッ ド 2 2を保護するために吐出ヘッ ド 2 2は、 描画ドラムと近接された位置から離れるように退避させられる。 この時、 吐出へッ ド 2 2のみを離接しても良いが、 吐出へッ ド 2 2 とィ ンク供給部 2 4 と を一緒に離接することもできる。

この離接手段は、 描画時以外は記録へッ ドを描画ドラムに対し少なく とも 5 0 0 z m以上離すように動作する。 離接動作はスライ ド式にしても良いし、 ある軸 に固定されたアームでへッ ドを固定し、 軸まわりにアームを動かし振り子状に移 動してもよい。 このように非描画時にヘッ ドを退避させることにより、 ヘッ ドを 物理的破損、 あるいは汚染から保護し、 長寿命化を達成することができる。 また、 形成された油性ィ ンク画像は、 定着装置 1 0 5により強化される。 イ ン クの定着手段としては、 加熱定着、 溶媒定着などの公知の手段が使用できる。 加 熱定着では赤外ランプ、 ハロゲンランプ、 キセノ ンフラッシュランプ照射、 ある いはヒーターを利用した熱風定着、 ヒ一トロール定着が一般的である。 キセノン ランプ等を使用してのフラッシュ定着は電子写真 トナーの定着法として公知であ り、 定着を短時間に行えるという利点がある。 またラ ミネート紙を用いた場合に は、 急激な温度上昇により紙内部の水分が急激に蒸発し、 紙表面に凹凸が発生す るブリスターと呼ばれる現像が生じるため、 複数の定着器を配置し、 紙が徐々に 昇温するように、 電力供給及び/又は定着器の記録媒体までの距離を変えること が、 ブリスターを防止する上で好ましい。

溶媒定着ではメタノ一ル、 酢酸ェチル等のィ ンク中の樹脂成分を溶解しうる溶 媒を噴霧又は蒸気の暴露をし、 余分な溶媒蒸気は回収する。 なお、 少なく とも吐 出へッ ド 2 2による油性ィンク画像形成から、 定着装置 1 0 5による定着までの 行程では、 印刷媒体上の画像には何物も接触しないように保たれることが望まし い。

図 1 5〜図 1 7は片面及び両面 4色印刷装置の構成例であるが、 その動作原理 等、 上記の片面単色印刷装置の説明から容易に理解されるため、 説明は省略する。 またここでは 4色印刷装置の構成例を示したが、 これに限定されるものではな く、 色数は必要に応じて任意に決定される。

図 1 8および図 1 9は本発明にかかる別の構成例であり、 自動排出装置 1 0 Ί を有し、 印刷媒体を対向 ドラムに巻き付けて使用する印刷装置の説明図である。 図 1 9は自動供給装置 1 0 9を有するシ一ト状印刷媒体を用いた装置構成例であ る。 ここでは、 図 1 8のロール状印刷媒体を用いた装置構成例を用いて説明する。 まず、 対向ドラムに印刷媒体供給ロール 1 0 1 により引き出され、 カツ夕一 8 で任意の大きさにカッ トされた印刷媒体を装着する。 この時、 公知のシート頭/ 尻くわえ装置、 エア吸引装置などによる機械的方法、 あるいは静電的な方法等に より印刷媒体はドラム上に密着固定され、 これにより紙尻がばたついて描画時に ィ ンク吐出描画装置 1 0 3に接触し破損することを防止できる。

また、 ィ ンク吐出描画装置の描画位置周辺のみで印刷媒体を ドラムに密着させ る手段を配し、 少なく とも描画を行なう時にはこれを作用させることによって印 刷媒体がイ ンクジェッ ト記録装置に接触することを防止することもできる。 具体 的には例えば対向ドラムの描画位置の上流及び下流に押さえローラを配する等の 方法がある。

さらに、 描画を行わない場合には、 ヘッ ドを印刷媒体から離しておく ことが望 ましく、 それによつてィンク吐出描画装置に接触破損等の不具合が発生すること を有効に防止できる。

対向 ドラム 1 0 4の回転により主走査を行なう。 吐出部の配列方向は対向 ドラ ム 1 0 4の軸方向に設置する。

画像データ演算制御部 2 1 によりヘッ ド 2 2を対向 ドラムの軸方向に連続的或 いは逐次的に移動して、 画像データ演算制御部 2 1の演算により得られた吐出位 置および網点面積率で油性ィ ンクを ドラム 1 1 に装着した印刷媒体に吐出する。 これにより、 印刷媒体上には、 印刷原稿の濃淡に応じた網点画像が油性イ ンクで 描画される。 この動作は、 印刷媒体上に所定の油性イ ンク画像が形成されるまで 続く。

ここでは片面 4色印刷機の構成例を示したが、 本発明はこれに限定されるもの ではなく、色数及び片面/両面印刷は必要に応じて装置構成は任意に決定される。 一方、 図 2 0及び図 2 1は、 さらに本発明に係るキヤヅプスタンローラにより 印刷媒体を挟持して走行させることにより描画を行なう印刷装置の概略構成例を 示す図であり、 図 2 0はロール状印刷媒体を用いた印刷装置、 図 2 1はシート状 記録媒体を用いた印刷装置の概略構成例を示す図である。

ここでは、 図 2 0に示すロール状印刷媒体に片面 4色印刷を行なう装置の全体 構成図を用いて説明する。 印刷媒体 Mは 2対のキヤヅプスタンローラ 1 1 0によ り挟持されて搬送され、 画像データ演算制御部 （図 2の 2 1 ) により適当な画素 数、 階調数に分割演算されたデータを用いてィ ンク吐出描画装置 1 0 3により描 画される。 ィ ンク吐出描画装置 1 0 3により描画がなされる部位では、 静電界吐 出において、 吐出ヘッ ド電極の対極となるためのアース手段 1 1 1が設けられる ことが好ましく、 これにより描画は容易になる。

また、 図 2 0ではロール状印刷媒体のカッ トのため、 自動排出装置 1 0 7の上 流に、 シート力ヅ夕一 1 0 8を有しているが、 シートカッターは任意の場所に配 置できる。

次に、 図 2 0を参照して本発明の印刷装置による印刷物の作成工程を以下に更 に詳細に説明する。

まず、 キャップスタンローラ 1 1 ◦を用いて印刷媒体を搬送する。 この時、 必 要に応じて、 図示されない印刷媒体ガイ ド手段を設けることにより、 印刷媒体の 頭/尻がばたついてィ ンク吐出描画装置 1 0 3に接触し破損することを防止でき る。 またィ ンク吐出描画装置の描画位置周辺のみで印刷媒体をたるまないように する手段を配し、 少なく とも描画を行なう時にはこれを作用させることによって 印刷媒体がィ ンク吐出描画装置に接触することを防止することもできる。 具体的 には例えば描画位置の上流及び下流に押さえローラを配する等の方法がある。 さらに、 描画を行わない場合には、 ヘッ ドを印刷媒体から離しておくことが望 ましく、 それによつてィ ンク吐出描画装置に接触破損等の不具合が発生すること を有効に防止できる。

磁気ディスク装置等からの画像データは、 図 2の画像データ演算制御部 2 1 に 与えられ、 画像データ演算制御部 2 1は、 入力画像デ一夕に応じて油性イ ンクの 吐出位置、 その位置における網点面積率の演算を行う。 これらの演算データは一 旦バッファに格納される。

画像データ演算制御部 2 1は、 イ ンクジェッ トヘッ ド 2 2の移動、 油性ィ ンク の吐出タイ ミ ング制御、 キヤップスタンローラの動作タイ ミング制御を行なうと 共に必要に応じて吐出へッ ド 2 2をへッ ド離接装置 3 1 により印刷媒体と近接さ せた位置に近づける。 吐出ヘッ ド 2 2 と印刷媒体表面との距離は、 付き当て口一 ラのような機械的距離制御、 あるいは光学的距離検出器からの信号によるへッ ド 離接装置の制御により、 描画中、 所定距離に保たれる。 かかる距離制御により、 印刷媒体の浮きなどにより ドッ ト径が不均一になったり、 特に印刷装置に振動が 加わった際などにも ドッ ト径が変化したりせず、 良好な印刷を行なうことができ る。

印刷媒体の搬送により副走査を行なう。 吐出部の配列方向は印刷媒体の走行方 向と略平行に設置する。 画像デ一夕演算制御部 2 1 によりヘッ ド 2 2 を印刷媒体 の走行方向と直角方向に移動して、 上記演算により得られた吐出位置および網点 面積率で油性イ ンクを吐出する。 これにより、 印刷媒体上には、 印刷原稿の濃淡 に応じた網点画像が油性イ ンクで描画される。 この動作は、 印刷媒体上に所定の 油性ィ ンク画像が形成されるまで続く。 印字された印刷媒体は定着装置 5により 定着を行い、 自動排出装置により排出される。

ここでは片面 4色印刷機の構成例を示したが、 本発明はこれに限定されるもの ではなく、 色数及び片面/両面印刷は必要に応じて任意に決定される。

尚、 イ ンク吐出描画装置については、 上述のように図 2おいて説明済みである ので、 ここでは省略する。

次に、 本発明に用いられる版材 （印刷原版） について説明する。

印刷原版としては、 アルミ、 クロムメ ツキを施した鋼板などの金属版が挙げら れる。 特に砂目立て、 陽極酸化処理により表面の保水性および耐摩耗性が優れる アルミ版が好ましい。 より安価な版材として、 耐水性を付与した紙、 プラスチッ クフイルム、 ブラスチックをラミネ一ト した紙などの耐水性支持体上に画像受理 層を設けた版材が使用できる。 この版材の膜厚は 1 0 0〜 3 0 0〃 mの範囲が適 当であり、 そのうち設けられる画像受理層の厚さは 5〜 3 0 i mの範囲が適当で ある。

画像受理層としては、 無機顔料と結着剤からなる親水性層、 あるいは不感脂化 処理によって親水化が可能になる層を用いることができる。

親水性の画像受理層に用いられる無機顔料は、 クレー、 シリカ、 炭酸カルシゥ ム、 酸化亜鉛、 酸化アルミニウム、 硫酸バリウムなどを用いることができる。 ま た結着剤としてはポリ ビニルアルコール、 澱粉、 カルボキシメチルセルロース、 ヒ ドロキシェチルセルロース、 カゼイン、 ゼラチン、 ポリアク リル酸塩、 ポリ ビ 二ルビ口リ ドン、 ポリメチルエーテル—無水マレイン酸共重合体等の親水性結着 剤が使用できる。 また、 必要に応じて耐水性を付与するメラミ ンホルマリ ン樹脂、 尿素ホルマリ ン樹脂、 その他架橋剤を添加してもよい。

一方、 不感脂化処理をして用いる画像受理層としては、 例えば酸化亜鉛と疎水 性結着剤を用いる層が挙げられる。

本発明に供される酸化亜鉛は、 例えば日本顔料技術協会編 「新版顔料便覧」 3 1 9頁、 （株） 誠文堂、 （ 1 9 6 8年刊） に記載のように、 酸化亜鉛、 亜鉛華、 湿 式亜鉛華あるいは活性亜鉛華として市販されているもののいずれでもよい。即ち、 酸化亜鉛は、 出発原料および製造方法により、 乾式法としてフランス法 （間接法）、 ァメ リカ法 （直接法） および湿式法と呼ばれるものがあり、 例えば正同化学 （株）、 堺化学 （株）、 白水化学 （株）、 本荘ケミカル （株）、 東邦亜鉛 （株）、 三井金属ェ 業 （株） 等の各社から市販されているものが挙げられる。

また結着剤として用いる樹脂として、 具体的には、 スチレン共重合体、 メタク リ レート共重合体、 ァク リ レート共重合体、 酢酸ビニル共重合体、 ポリ ビニルブ チラ一ル、 アルキド樹脂、 エポキシ樹脂、 エポキシエステル樹脂、 ポリエステル 樹脂、 ポリウレタン樹脂等が挙げられる。 これらの樹脂は単独で用いてもよいし 2種以上を併用してもよい。 画像受理層における樹脂の含有量は、 樹脂/酸化亜鉛の重量比で示して 9/9 1〜2 0/8 0とすることが好ましい。

酸化亜鉛の不感脂化は不感脂化処理液を用いて常法により行われ、 従来よりこ の種の不感脂化処理液として、 フヱロシアン塩、 フヱリシアン塩を主成分とする シアン化合物含有処理液、 アンミンコバルト錯体、 フイチン酸およびその誘導体、 グァニジン誘導体を主成分としたシアンフ リー処理液、 亜鉛イオンとキレートを 形成する無機酸あるいは有機酸を主成分とした処理液、 あるいは水溶性ボリマ一 を含有した処理液等が知られている。

例えば、 シアン化合物含有処理液として、 特公平 44— 9 04 5号、 同 4 6— 394 03号、 特開昭 5 2— 7 6 1 0 1号、 同 5 7— 1 07 8 8 9号、 同 54— 1 1 7 2 0 1号公報等に記載のものが挙げられる。

また版材の画像受理層とは反対の表面は、 そのベック平滑度が 1 5 0〜 7 0 0 (秒/ l Occ) の範囲であることが好ましい。 これにより、 形成された印刷版は 印刷中でも版胴上でズレゃ滑りを起こすことなく、 良好な印刷が行われる。

ここでベック平滑度は、 ベック平滑度試験機により測定することが出来る。 ベ ック平滑度試験機とは、 高度に平滑に仕上げられた中央に穴のある円形の硝子板 上に、 試験片を一定圧力 （ l kgf/cm² ( 9. 8 N/cm² )) で押しつけ、 減圧下 で一定量 （ 1 Occ) の空気が、 硝子面と試験片との間を通過するのに要する時間 を測定するものである。

つぎに、 本発明に用いられる印刷媒体について説明する。

印刷媒体として、 通常用いられる印刷用紙である上質紙、 微コート紙、 コート 紙が挙げられる。 また表面に樹脂フ ィルム層を有する、 例えばポリオレフイ ンラ ミネ一ト紙、 及びブラスチックフィルム、 例えばポリエステルフィルム、 ポリス チレンフィルム、 塩化ビニルフィルム、 ポリオレフイ ンフィルム等も使用できる。 さらに、 表面に金属が蒸着されたり、 又は金属箔が張り合わされたブラスチック フィルム、 加工紙も使用できる。、 勿論、 イ ンクジヱッ ト用の専用紙、 専用フ ィル ムも使用できる。

以下に本発明に用いられる油性ィ ンクについて説明する。

本発明に供される油性ィ ンクは、 固有電気抵抗 1 0⁹ Ω c m以上かつ誘電率 3. 5以下の非水溶媒中に、 少なく とも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散して なるものである。

本発明に用いる固有電気抵抗 1 0 ⁹ Ω c m以上、 かつ誘電率 3 . 5以下の非水 溶媒として好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、 または芳香族炭化水素、 およびこれらの炭化水素のハロゲン置換体がある。 例え ばへキサン、 ヘプタン、 オクタン、 イソオクタン、 デカン、 イソデカン、 デカリ ン、 ノナン、 ドデカン、 イ ン ドデカン、 シクロへキサン、 シクロオクタン、 シク 口デカン、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン、 メシチレン、 アイソパ一 C、 ァイソ パ一 E、 アイソパ一 G、 ァイソパー H、 ァイソパー L (アイソパ一 ： ェクソン社 の商品名）、 シェルゾ一ル 7 0、 シェルゾ一ル 7 1 (シェルゾ一ル ： シェルオイル 社の商品名）、 ァムスコ O M S、 ァムスコ 4 6 0溶剤 （ァムスコ ： スピリ ヅッ社の 商品名）、 シリコーンオイル等を単独あるいは混合して用いる。 なお、 このような 非水溶媒の固有電気抵枋の上限値は 1 0 ^{1 6} Ω c m程度であり、誘電率の下限値は 1 . 9程度である。

用いる非水溶媒の電気抵抗を上記範囲とするのは、 電気抵抗が低くなると、 樹 脂粒子等の濃縮が起こ りにく くなり、十分な耐刷性が得られなくなるからであり、 誘電率を上記範囲とするのは、 誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和 され、 これによりインクの吐出が悪くなりやすくなるからである。

上記の非水溶媒中に、 分散される樹脂粒子としては、 3 5 °C以下の温度で固体 で非水溶媒との親和性のよい疎水性の樹脂の粒子であればよいが、 更にそのガラ ス転移点が一 5 °C〜 1 1 0 °Cもしくは軟化点 3 3 〜 1 4 0 °Cの樹脂 （P ) が好 ましく、 より好ましくはガラス転移点 1 0 °C〜 1 0 0 °Cもしくは軟化点 3 8 °C〜 1 2 0 °Cであり、 さらに好ましくはガラス転移点 1 5 °C〜 8 0 、 も しくは軟化 点 3 8 °C〜 1 0 0 °Cである。

このようなガラス転移点もしくは軟化点の樹脂を用いることによって、 印刷原 版の画像受理層表面と樹脂粒子との親和性が増し、 また印刷原版上での樹脂粒子 同士の結合が強くなるので、 画像部と画像受理層との密着性が向上し、 耐刷性が 向上する。 これに対し、 ガラス転移点もしくは軟化点が低くなつても高くなつて も画像受理表面と樹脂粒子の親和性が低下したり、 樹脂粒子同士の結合が弱くな つてしまう。

樹脂 （P ) の重量平均分子量 Mwは、 l x l 0³〜 l x l 0⁶であり、 好ましく は 5 x 1 0³〜8 x l 0⁵、 より好ましくは 1 x l 0⁴〜5 x l 0⁵である。

このような樹脂（P) として具体的には、 ォレフィ ン重合体および共重合体（例 えばポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリイソブチレン、 エチレン一酔酸ビニル 共重合体、 エチレン一ァクリ レート共重合体、 エチレン一メタク リ レート共重合 体、 エチレン一メタク リル酸共重合体等）、 塩化ビニル重合体および共重合体 （例 えば、 ポリ塩化ビニル、 塩化ビニル—酢酸ビニル共重合体等）、 塩化ビニリデン共 重合体、 アルカン酸ビニル重合体および共重合体、 アルカン酸ァリル重合体およ び共重合体、 スチレンおよびその誘導体の重合体ならびに共重合体 （例えばブ夕 ジェン一スチレン共重合体、 イソプレン一スチレン共重合体、 スチレン一メタク リ レート共重合体、 スチレンーァク リ レート共重合体等）、 ァク リロ二ト リル共重 合体、 メタク リロニト リル共重合体、 アルキルビニルエーテル共重合体、 ァク リ ル酸エステル重合体および共重合体、 メタクリル酸エステル重合体および共重合 体、 ィタコン酸ジエステル重合体および共重合体、 無水マレイ ン酸共重合体、 ァ ク リルアミ ド共重合体、 メタクリルアミ ド共重合体、 フニノール樹脂、 アルキド 樹脂、 ポリカーボネート樹脂、 ケ トン樹脂、 ポリエステル樹脂、 シリコン樹脂、 アミ ド樹脂、 水酸基および力ルポキシル基変性ポリエステル樹脂、 ブチラ一ル樹 脂、 ポリ ビニルァセタール樹脂、 ウレ夕ン樹脂、 ロジン系樹脂、 水素添加ロジン 樹脂、 石油樹脂、 水素添加石油樹脂、 マレイン酸樹脂、 テルペン樹脂、 水素添加 テルペン樹脂、 クマロン一イ ンデン樹脂、 環化ゴムーメタクリル酸エステル共重 合体、 環化ゴム一アク リル酸エステル共重合体、 窒素原子を含有しない複素環を 含有する共重合体 （複素環として例えば、 フラン環、 テ トラヒ ドロフラン環、 チ ォフェン環、 ジォキサン環、 ジォキソフラン環、 ラク トン環、 ベンゾフラン環、 ベンゾチォフェン環、 1， 3—ジォキセ夕ン環等）、 エポキシ樹脂等が挙げられる < 本発明の油性ィンクにおける分散された樹脂粒子の含有量は、ィ ンク全体の 0. 5〜2 0wt %とすることが好ましい。 含有量が少なくなるとイ ンクと印刷原版 の表面との親和性が得られにく くなって良好な画像が得られなくなつたり、 耐刷 性が低下したりするなどの問題が生じやすくなり、 一方、 含有量が多くなると均 一な分散液が得られにく くなつたり、 吐出へッ ドでのィ ンクの流れが不均一とな りやすく、 安定なィンク吐出が得られにくいなどの問題がある。

本発明に供される油性イ ンク中には、 前記の分散樹脂粒子とともに、 製版後の 版を検版する等のために着色成分として色材を含有させることが好ましい。

色材としては、 従来から油性インク組成物あるいは静電写真用液体現像剤に用 いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。

顔料としては、 無機顔料、 有機顔料を問わず、 印刷の技術分野で一般に用いら れているものを使用することができる、 具体的には、 例えば、 カーボンブラヅク、 カ ドミウムレッ ド、 モリブデンレッ ド、 クロムイエロ一、 カ ドミウムイエロ一、 チタンイェロー、 酸化クロム、 ビリジアン、 コノヽ 'ルトグリーン、 ウルトラマリン ブル一、 プルシアンブルー、 コバルトブルー、 ァゾ系顔料、 フタロシアニン系顔 料、 キナク リ ドン系顔料、 イソイ ン ドリノン系顔料、 ジォキサジン系顔料、 スレ ン系顔料、 ペリ レン系顔料、 ペリノン系顔料、 チォインジゴ系顔料、 キノフタ口 ン系顔料、 金属錯体顔料、 等の従来公知の顔料を特に限定することなく用いるこ とができる。

染料としては、 ァゾ染料、 金属錯塩染料、 ナフ トール染料、 アン トラキノン染 料、 イ ンジゴ染料、 カーボニゥム染料、 キノンィ ミ ン染料、 キサンテン染料、 ァ 二リン染料、 キノ リ ン染料、 ニトロ染料、 ニトロソ染料、 ベンゾキノ ン染料、 ナ フ トキノ ン染料、 フタロシアニン染料、 金属フタロシアニン染料、 等の油溶性染 料が好ましい。

これらの顔料および染料は、 単独で用いてもよいし、 適宜組み合わせて使用す ることも可能であるが、 イ ンク全体に対して 0 . 0 1〜 5重量％の範囲で含有さ れることが望ましい。

これらの色材は、 分散樹脂粒子とは別に色材自身を分散粒子として非水溶媒中 に分散させてもよいし、 分散樹脂粒子中に含有させてもよい。 含有させる場合、 顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一 般的であり、 染料などは分散樹脂粒子の表面部を着色して着色粒子とする方法な どが一般的である。

本発明の非水溶媒中に、 分散された樹脂粒子、 更には着色粒子等を含めて、 こ れらの粒子の平均粒径は 0. 0 5 m〜 5 mが好ましい。 より好ましくは 0. 1 m~ 1. 5 / mである。 この粒径は CAP A— 5 0 0 (堀場製作所 （株） 製 商品名） により求めたものである。

本発明に用いられる非水系分散樹脂粒子は、 従来公知の機械的粉砕方法または 重合造粒方法によって製造することができる。 機械的粉碎方法としては、 必要に 応じて、 樹脂粒子とする材料を混合し、 溶融、 混練を経て従来公知の粉碎機で直 接粉砕して、 微粒子とし、 分散ポリマ一を併用して、 更に湿式分散機 （例えばポ —ルミル、 ペイン トシヱ一力一、 ケディ ミル、 ダイノ ミル等） で分散する方法、 樹脂粒子成分となる材料と、 分散補助ポリマー （または被覆ポリマー） を予め混 練して混練物とした後粉砕し、 次に分散ポリマーを共存させて分散する方法等が 挙げられる。 具体的には、 塗料または静電写真用液体現像剤の製造方法を利用す ることができ、 これらについては、 例えば、 植木憲ニ監訳 「塗料の流動と顔料分 散」共立出版（ 1 9 7 1年）、 ソロモン「塗料の科学」広川書店 （ 1 9 6 9年）、 原 崎勇次 「コ一ティング工学」 朝倉書店 （ 1 9 7 1年）、 原崎勇次 「コーティ ングの 基礎科学」 横書店 （ 1 9 7 7年） 等の成書に記載されている。

また、 重合造粒法としては、 従来公知の非水系分散重合方法が挙げられ、 具体 的には、 室井宗ー監修 「超微粒子ポリマーの最新技術」 等 2章、 CMC出版 （ 1 9 9 1年）、 中村孝一著「最近の電子写真現像システムと トナー材料の開発 '実用 化」 第 3章、 （日本科学情報 （株） 1 9 8 5年刊）、 K. E.J.Barrett 「Dispersion Polymerization Organic Media 」 John Wiley ( 1 9 7 5年） 等の成書に記載さ れている。

通常、 分散粒子を非水溶媒中で分散安定化するために、 分散ポリマーを併用す る。 分散ポリマーは非水溶媒に可溶性の繰り返し単位を主成分として含有し、 か つ平均分子量が、 重量平均分子量 Mwで 1 X 1 0³〜 1 X 1 0⁶が好ましく、 より 好ましくは 5 X 1 ◦ ³ 〜 5 X 1 0⁵ の範囲である。

本発明に供される分散ポリマーの好ましい可溶性の繰り返し単位として、 下記 一般式 （ I ) で示される重合成分が挙げられる。 一般式 W

一般式 （ I ) において、 X !は一 C O O—、 一〇 C O—または一 0—を表す。

Rは、 炭素数 I 0 ~ 3 2のアルキル基またはアルケニル基を表し、 好ましくは炭 素数 I 0〜 2 2のアルキル基まe alたはアルケニル基を表し、 これらは直鎖状でも分

1 H

岐状でもよく、 無置換のものが好まe aしl いが、 置換基を有していてもよい。

2 - 具体的には、 デシル基、 ドデシル基、 ト リデシル基、 テトラデシル基、 へキサ デシル基、 ォクタデシル基、 エイコサニル基、 ドコサニル基、 デセニル基、 ドデ セニル基、 ト リデセニル基、 へキサデセニル基、 ォクタデセニル基、 リノ レニル 基等が挙げられる。

a ,および a ₂は、 互いに同じでも異なっていてもよく、 水素原子、 ハロゲン原 子 （例えば、 塩素原子、 臭素原子等）、 シァノ基、 炭素数 1〜 3のアルキル基 （例 えば、 メチル基、 ェチル基、 プロビル基等）、 一 C 0 0— または一 C H ₂ C 0 0 - Z J 〔 Z iは、 置換されていてもよい炭素数 2 2以下の炭化水素基 （例えば、 アルキル基、 アルケニル基、 ァラルキル基、 脂環式基、 ァリール基等） を表す〕 を表す。

Z iで表される炭化水素基のうち、 好ま しい炭化水素基と しては、 炭素数 1 ~ 2 2の置換されてもよいアルキル基 （例えば、 メチル基、 ェチル基、 プロビル基、 ブチル基、 へキシル基、 へブチル基、 ォクチル基、 ノニル基、 デシル基、 ドデシ ル基、 ト リデシル基、 テ トラデシル基、 へキサデシル基、 ォクタデシル基、 エイ コサニル基、 ドコサニル基、 2—クロ口ェチル基、 2 —ブロモェチル基、 2 —シ ァノエチル基、 2—メ トキシカルボニルェチル基、 2—メ トキシェチル基、 3— プロモブロビル基等）、 炭素数 4〜 1 8の置換されてもよいアルケニル基（例えば. 2 —メチルー 1 一プロべニル基、 2 —ブ-テニル基、 2—ペンテニル基、 3—メチ ルー 2—ペンテニル基、 1 一ペンテニル基、 1 一へキセニル基、 2—へキセニル 基、 4ーメチルー 2 —へキセニル基、 デセニル基、 ドデセニル基、 ト リデセニル 基、 へキサデセニル基、 ォクタデセニル基、 リ ノ レニル基等）、 炭素数？〜 1 2の 置換されてもよいァラルキル基 （例えば、 ベンジル基、 フエネチル基、 3—フエ ニルプロピル基、 ナフチルメチル基、 2—ナフチルェチル基、 クロ口べンジル基、 ブロモベンジル基、 メチルベンジル基、 ェチルベンジル基、 メ トキシベンジル基、 ジメチルペンジル基、 ジメ トキシベンジル基等）、 炭素数 5〜 8の置換されてもよ い脂環式基 （例えば、 シクロへキシル基、 2—シクロへキシルェチル基、 2—シ クロペンチルェチル基等）、 および炭素数 6〜 1 2の置換されてもよい芳香族基 (例えば、 フエニル基、 ナフチル基、 ト リル基、 キシリル基、 プロビルフエニル 基、 ブチルフエニル基、 ォクチルフエニル基、 ドデシルフェニル基、 メ トキシフ ェニル基、 ェトキシフエ二ル基、 ブトキシフエ二ル基、 デシルォキシフエニル基、 クロ口フエ二ル基、 ジクロロフェニル基、 ブロモフエニル基、 シァノフエニル基、 ァセチルフエニル基、 メ トキシカルポニルフエニル基、 エトキシカルボニルフエ ニル基、 ブトキシカルボニルフエニル基、 ァセ トアミ ドフエ二ル基、 プロビオン アミ ドフエ二ル基、 ドデシロイルアミ ドフエニル基等） が挙げられる。

分散ポリマーにおいて一般式 （ I ) で示される繰り返し単位とともに、 他の繰 り返し単位を共重合成分として含有してもよい。 他の共重合成分としては、 一般 式 （ I ) の繰り返し単位に相当する単量体と共重合可能な単量体よりなるもので あればいずれの化合物でもよい。

分散ポリマーにおける一般式 （ I ) で示される重合体成分の存在割合は、 好ま しくは 5 0重量％以上であり、 より好ましくは 6 0重量％以上である。

これらの分散ポリマーの具体例としては、 特鬨平 1 0— 2 04 3 54号、 同 1 0— 2 04 3 5 6号、 同 1 0— 2 5 9 3 3 6号、 同 1 0— 3 0 6 244号、 同 1 0— 3 1 6 9 1 7号、 同 1 0— 3 1 6 9 2 0号等に記載のものや、 実施例で使用 されている分散安定用樹脂 （Q— 1 ) 等が挙げられ、 また市販品 （ソルプレン 1 2 0 5、 旭化成 （株） 製） を用いることもできる。

分散ポリマ一は、 前記の樹脂 （P) 粒子を分散物 （ラテックス） 等として製造 するときには重合に際し予め添加しておく ことが好ま しい。 分散ポリマーを用い るときの添加量は粒子用樹脂 （P) に対し 1〜 5 0重量％程度とする。

本発明の油性ィ ンク中の分散樹脂粒子および着色粒子（あるいは色材粒子）は、 好ましくは正荷電または負荷電の検電性粒子である。 これら粒子に検電性を付与するには、 湿式静電写真用現像剤の技術を適宜利用 することで達成可能である。 具体的には、 前記の 「最近の電子写真現像システム と トナー材料の開発 ， 実用化」 1 3 9〜 1 48頁、 電子写真学会編 「電子写真技 術の基礎と応用」 4 9 7〜 5 0 5頁 （コロナ社、 1 9 8 8年刊）、 原崎勇次 「電子 写真」 1 6 (N o . 2)、 44頁 （ 1 9 7 7年） 等に記載の荷電調節剤などの検電 材料および他の添加剤を用いることで行なわれる。

具体的には、 例えば、 英国特許第 8 9 342 9号、 同第 9 340 3 8号、 同第 1 1 2 2 3 9 7号、 米国特許第 3 9 0 04 1 2号、 同等 46 0 6 9 8 9号、 特閧 昭 6 0— 1 7 9 7 5 1号、 同 60— 1 8 5 9 6 3号、 特開平 2— 1 3 9 6 5号公 報等に記載されている。

上述のような荷電調節剤は、担体液体である分散媒 1 00 0重量部に対して 0. 00 1〜 1. 0重量部が好ましい。 更に所望によ り各種添加剤を加えてもよ く、 それら添加物の総量は、 油性ィンクの電気抵抗によってその上限が規制される。 即ち、 分散粒子を除去した状態のィ ンクの固有電気抵抗が 1 0⁹ Ω cmより低く なると良質の連続階調像が得られ難くなるので、 各添加物の添加量を、 この限度 内でコン トロールすることが望ましい。

以下に実施例を示して、 本発明を詳細に説明するが、 本発明はこれらに限定さ れるものではない。

まず、 イ ンク用樹脂粒子 （P L) の製造例について示す。

樹脂粒子 （P L— 1 ) の製造例 1

下記構造の分散安定用樹脂 （Q— 1 ) 1 0 g、 酢酸ビニル 1 0 0 gおよびアイ ソパ一 H 3 84 gの混合溶液を窒素気流下撹拌しながら温度 7 0°Cに加温した。 重合開始剤として 2 , 2 ' ーァソビス （ィ ソバレロ二ト リル） （略称 A. I . V.

N.) 0. 8 gを加え、 3時間反応した。 開始剤を添加して 2 0分後に白濁を生じ、 反応温度は 8 8 °Cまで上昇した。 更に、 この開始剤 0. 5 gを加え、 2時間反応 した後、 温度を 1 00°Cに上げ 2時間撹拌し未反応の酢酸ビニルを留去した。 冷 却後 2 0 0メ ッシュのナイロン布を通し、 得られた白色分散物は重合率 9 0 %で 平均粒径 0. 2 3〃mの単分散性良好なラテックスであった。 粒怪は CAP A—

5 0 0 (堀場製作所 （株） 製） で測定した。 分散安定用樹脂 (Q-1)

Mw 5X10⁴ (数値は重量比） 上記白色分散物の一部を、 遠心分離機 （回転数 1 X 1 0⁴ r . p . m.、 回転時 間 60分） にかけて、 沈降した樹脂粒子分を、 捕集 ' 乾燥した。 樹脂粒子分の重 量平均分子量 （Mw : ポリスチレン換算 GP C値） は 2 x 1 0⁵、 ガラス転移点 (T g) は 3 8°Cであった。

実施例 1一 1

まず、 油性ィ ンクを作成した。

<油性ィ ンク （ I K— 1 ) の作成 >

ドデシルメタク リ レー 卜/ァク リル酸共重合体 （共重合比 ； 9 5/5重量比） を 1 0 g、 ニグ口シン 1 0 gおよびシェルゾール 7 1の 30 gをガラスビーズと ともにベイ ン トシヱ一力一 （東洋精機 （株） 製） に入れ、 4時間分散し、 ニグ口 シンの微小な分散物を得た。

イ ンク用樹脂粒子の製造例 1で製造した樹脂粒子 （P L— 1 ) 6 0 g (固体分 量として）、 上記ニグ口シン分散物を 2. 5 g、 F 0 C - 1 4 0 0 (日産化学 （株） 製、 テ トラデシルアルコール） 1 5 g、 およびォクタデセン一半マレイン酸ォク 夕デシルアミ ド共重合体 0. 0 8 gをアイ ソパ一 Gの 1 リ ッ トルに希釈すること により黒色油性ィ ンクを作成した。

次に、 機上描画平版印刷装置 （図 1〜図 2参照） のイ ンクジェッ ト記録装置に 上記のように作成した油性イ ンク （ I K— 1 ) 2 リ ッ トルをイ ンクタンクに充填 した。 ここでは吐出へヅ ドとして図 3に示す 1 5 0 d p i、 64チャンネルマル チヘッ ドを使用した。 ィ ンク温度管理手段として投げ込みヒータと攪拌羽をィ ン クタンク内に設け、 イ ンク温度は 3 0 °Cに設定し、 攪拌羽を 3 0 r p mで回転し ながらサ一モスタッ トで温度コン トロールした。 ここで攪袢羽は沈降 · 凝集防止 用の攪拌手段としても使用した。 また、 イ ンク流路を一部透明とし、 それを挟ん で L E D発光素子と光検知素子を配置し、 その出力シグナルによりィ ンクの希釈 液 （ァイソパー G ) あるいは濃縮イ ンク （上記 I K一 1 ィンクの固形分濃度を 2 倍に調整したもの） 投入による濃度管理を行った。

版材として、 砂目立て及び陽極酸化処理を施した 0 . 1 2 m m厚みのアルミ二 ゥム版を、 版胴に設けた機械的装置により版頭及び版尻をくわえて装着した。 湿 し水供給装置、 印刷イ ンク供給装置、 ブランケッ ト胴を版材に接触しないように 離し、 エア一ポンプ吸引により版材表面の埃除去を行った後、 吐出ヘッ ドを描画 位置まで版材に近づけ、印刷すべき画像データを画像データ演算制御部に伝送し、 版胴を回転させながら 6 4チャンネル吐出ヘッ ドを移動させることにより、 アル ミニゥム版上に油性イ ンクを吐出して画像を形成した。 この際、 イ ンクジェッ ト へッ ドの吐出電極の先端幅は 1 0 / mとし、 光学的ギヤップ検出装置からの出力 に応じて、 ヘッ ドと版材の距離が常に 1 m mになるように制御を行った。 バイァ ス電圧として 2 . 5 K Vの電圧を常時印加しておき、 吐出を行う際には 5 0 0 V のパルス電圧をさらに重畳し、 そのパルス電圧を 0 . 2 ミ リ秒から 0 . 0 5 ミ リ 秒の範囲で 2 5 6段階で変化させることで ドッ トの面積を変化させながら描画を 行った。 埃による描画不良等は全く見られず、 また、 外気温の変化、 製版数の増 加によっても ドッ ト径変化等による画像劣化は全く見られず、 良好な製版が可能 であった。

さらにキセノ ンフラッシュ定着装置 （ゥシォ電機 （株） 製、 発光強度 2 0 0 J /パルス） による加熱により画像を強固にし、 刷版を作成した。 イ ンクジェッ ト へ、ソ ドを保護するためにィンクジエツ ト記録装置を副走査手段ごと版胴と近接し た位置から 5 0 m m退避させ、 その後、 前述のようにして、 通常の平版印刷方法 により印刷用コート紙への印刷を行った。 すなわち、 印刷イ ンク及び湿し水を与 え印刷画像を形成し、 この印刷イ ンク画像を版胴と共に回転しているブランケッ ト胴上に転写し、 次いでブランケッ ト胴と圧胴との間を通過する印刷用コート紙 上にブランケッ ト胴上の印刷ィンク画像を転移させた。

得られた印刷物は通し枚数一万枚後でも印刷画像に飛びやカスレがなく極めて 鮮明な画像であった。 また、 製版終了後 1 0分間、 ヘッ ドにアイソパ一 Gを供給 し、 へヅ ド開口部からアイソパ一 Gを滴らせてク リーニングした後、 アイソパ一 Gの蒸気を充満させたカバ一にへッ ドを格納しておく ことにより、 3ヶ月の間、 保守作業の必要なしに、 良好な印刷物を作製できた。

一方、 上記実施例 1一 1 において、 2 0 0 d p i (電極間隔 1 2 7 fi m ) の 6 4 チャンネルマルチチャンネルヘッ ドを用いた以外同じ条件で描画したところ、 図 1 2及び図 1 3に示す現象が著しく、 吐出すべき ドッ トが消滅し、 且つ両端のェ ッジ電極からの吐出ドヅ トは最大で 5 0 %の間隔誤差を生じ、 評価に耐えないも のであった。

実施例 1一 2

攪拌手段として循環ポンプを用い、 図 5、 図 7又は図 9に示すタイプの 1 0 0 d i , 2 5 6チャンネルマルチチャンネルへヅ ドを配置した。ポンプを使用し、 このポンプと吐出へヅ ドのィンク流入路、 そして吐出へヅ ドのィ ンク回収路とィ ンクタンクの間にそれそれインク溜を設け、 それらの静水圧差によりインク循環 を行い、 インク温度管理手段としてはヒータと上述のポンプを使用し、 イ ンク温 度は 3 5 °Cに設定し、 サーモスタッ トでコントロールした。 ここで循環ポンプは 沈殿 · 凝集防止用の攪拌手段としても使用した。 また、 インク流路に電導度測定 装置を配置し、 その出力シグナルによりィ ンクの希釈あるいは濃縮ィ ンク投入に よる濃度管理を行った。 版材として、 上述のアルミニウム版を、 平版印刷装置の 版胴に同様に装着した。 ナイロン製回転ブラシにより版材表面の埃除去を行った 後、 印刷すべき画像データを画像デ一夕演算制御部に伝送し、 版胴を回転させな がらフルライ ンへヅ ドで描画させることにより、 アルミニウム版上に油性イ ンク を吐出して画像を形成した。 埃による描画不良等は全く見られず、 また、 外気温 の変化、製版数の増加によっても ドッ ト径変化等による画像劣化は全く見られず、 良好な製版が可能であった。 続いてヒ一トロール定着 （日立金属 （株） 社製消費 電力 1 . 2 k W ) により画像を強固にし、 刷版とした。

製版した版で印刷を行ったところ、 通し枚数一万枚後でも印刷画像に飛びや力 スレがなく極めて鮮明な画像であった。 また、 製版終了後にヘッ ドにアイソパ一 Gの循環を行った後、 アイソパー Gを含ませた不織布をへッ ド先端に接触させク リ一ニングを行ったところ、 3ヶ月の間、 保守作業の必要なしに、 良好な印刷物 を作製できた。

実施例 1― 3

機上描画 4色片面平版印刷装置 （図 1 0参照） のイ ンクジエツ ト記録装置に、 吐出ヘッ ドとして図 7に示す 50 d p i、 1 2 8チャンネルマルチチャンネルへ ヅ ドを使用し、 テフ口ン製の付き当てローラによるギヤヅブ調整 （ギャップ 0 · 8 mm) を行った。 その他、 インク濃度制御手段として描画枚数によるイ ンクタ ンクへの濃縮ィ ンク補給を行った以外は実施例 1 と同様の操作を行い、 5 0 0 0 枚の製版を行った。 その結果、 埃による描画不良、 外気温の変化による影響は全 く見られなかった。製版数の増加によって、 ドッ ト径に多少の変化が見られたが、 影響はない範囲内だった。 また、 製版した版は、 前述と同様のフラッシュ定着の 他、 ハロゲンランプ照射 （ゥシォ電機 （株） 製 Q I R、 消費電力 1. 5 kW)、 酢 酸ェチル噴霧による定着も行った。

ハロゲンランプ照射の際には版面温度 9 5°Cで 2 0秒間加熱が行われるように し、 酢酸ェチル噴霧の場合には噴霧量が 1 g/m²程度になるようにした。 その 結果、 通し枚数 1万枚後でも印刷画像に飛びやカスレがなく極めて鮮明なフル力 ラー印刷物が得られた。 特にヒ一トロール、 あるいはハロゲンランプによる定着 では版胴のまわりに断熱材 （PE Tフィルム） を巻いておく ことで定着時間を大 幅に短くできた。 なお、 その場合には導電性ブラシ （槌屋製サンダーロン、 抵抗 約 1 0— ¹ Qcm) 接触によりアルミニゥム基体の接地を行った。

実施例 1一 4

実施例 1― 1のアルミニゥム版の替わりに、 以下に示す表面に親水性の画像受 理層を設けた紙版材を用いた以外は実施例 1と同じ操作を行った。

基体として坪量 1 0 0 g/m² の上質紙を用い、 基体の両面に力オリンと、 ポ リ ビニルアルコール、 S B Rラテックス及びメラ ミ ン樹脂の樹脂成分とを主成分 とする耐水性層を設けた紙支持体上に下記組成で下記のようにして調製した分散 液 Aを乾燥後塗布量として 6 g/m²となるように画像受理層を設けて紙版材と した。

分散液 A

ゼラチン （和光純薬一級品） 3 g コロイダルシリ力 （日産化学製 ； スノ一テックス C、 20%水分散液） 2 0 g シリカゲル （富士シリシァ化学製 ； サイ リシァ # 3 1 ◦ ) 7 g 硬膜剤 0. 4 g 蒸留水 1 0 0 g をガラスビーズとともにペイ ントシエ一カーで 1 0分間分散した。

得られた印刷物は通し枚数一万枚後でも印刷画像に飛びやカスレがなく極めて 鮮明な画像であった。

一方、 印刷用紙として上質紙を使用したところ、 3千枚印刷時に一部紙粉によ るべ夕のつぶれ不良が発生したため、 給紙部付近にエア吸引ポンプを紙粉防止装 置として設置し、 印刷を行った。 その結果、 印刷不良は発生せず、 得られた印刷 物は、 通し枚数五千枚後でも飛びやカスレがなく極めて鮮明な画像であった。 た だし通し枚数五千枚後では、 A 3サイズの画像の縦方向で 0. 1 mmの伸びが認 められた。

実施例 1― 5

実施例 1一 1のアルミニウム版の替わりに、 以下に示す表面に不感脂化処理に より親水化が可能になる画像受理層を設けた版材を用い、 刷版作成後に版面不感 脂化処理装置を用いて非画像部を親水化し、 描画の際に導電性板パネ （燐青銅製） 接触により版材導電層の接地をと り、 版材に熱風を当てることにより定着を行つ た以外は実施例 1一 1 と同じ操作を行った。

基体として坪量 1 0 0 g/m²の上質紙を用い、 基体の両面にポリエチレンフ イルムを 2 0 mの厚みにラミネ一ト し耐水性とした紙支持体上に下記組成で下 記のようにして調製した導電層用塗料を片面に塗布し、 乾燥後塗布量として 1 0 g/m²となるようにし、 さらにその上に分散液 Bを乾燥後塗布量として 1 5 g /m²となるように画像受理層を設けて版材とした。

· 導電層用塗料；力一ボンブラック （ 3 0 %水分散液） 5. 4部、 クレー （ 5 ◦ % 水分散液） 54. 6部、 S B Rラテックス （固形分 5 0 %、 T g 2 5 °C) 3 6部、 メラ ミ ン樹脂 （固形分 8 0 %、 ス ミ レ ヅッレジン S R— 6 1 3 ) 4部を混合し、 全体の固形分が 2 5 %となるように水を加えて塗料とした。

• 分散液 B ； 乾式酸化亜鉛 1 0 0 g、 下記構造の結着樹脂 （B— 1 ) 3 g、 結着 樹脂 （B— 2 ) 1 7 g、 安息香酸 0. 1 5 g及びトルエン 1 55 gの混合物を湿 式分散機ホモジナイザー （日本精機 （株） 製） を用いて回転数 6 , 000 r pm で 8分間分散した。 結着樹脂 (B-1)

- CH₂— ~ (-CH₂-CH-) 10 ■ CH₂— CH ~~ eCH,— CH-

COOCH- COOC,₂H₂₅ O COOH

Mw 4X10^ (¾ίϋは重 St匕) 得られた印刷物は、 通し枚数五千枚でも印刷画像に飛びやカスレがなく極めて 鮮明な画像であった。

実施例 2 - 1

製版装置（図 1 1 A， 図 2参照） 1のイ ンクジエツ ト秒が装置に油性ィ ンク （ I K - 1 ) 2 リ ッ トルをイ ンクタンクに充填した。 ここでは、 吐出へッ ドとして図 4に示す 1 50 d p i、 64チヤンネルマルチチヤンネルへッ ドを使用した。 ィ ンク温度管理手段としては投げ込みヒータと撹拌羽ねをイ ンクタンク内に設け、 イ ンク温度は 30°Cに設定し、 撹拌羽を 30 r pmで回転しながらサーモスタ ヅ 卜で温度コン トロールをした。 ここで、一撹拌羽は沈降 · 凝集防止用の撹拌手段と しても使用した。 またイ ンク流路を一部透明とし、 それを挟んで L E D発光素子 と光検知素子を配置し、 その出力シグナルによ りィ ンクの希釈液（アイソパ一 G) あるいは濃縮イ ンク （上記イ ンク （ I K— 1 ) の固形分濃度を 2倍に調整したも の） 投入による濃度管理を行った。

版材として、 砂目立ておよび陽極酸化処理を施した 0 . 1 2 m m厚みのアルミ 版を、 製版装置のドラムに設けた機械的装置により版頭および版尻をくわえて装 着した。 エア一ポンプ吸引により版材表面の埃除去を行った後、 吐出ヘッ ドを描 画位置まで版材に近づけ、 製版すべき画像データを画像データ演算制御部に伝送 し、 ドラムを回転させながら 6 4チャンネル吐出へッ ドを移動させることにより、 アルミ版上に油性インクを吐出して画像を形成した。 この際、 イ ンクジェッ トへ ッ ドの吐出電極の先端幅は 1 0 mとし、 光学的ギヤッブ検出装置からの出力に よりへッ ドと版材の距離は 1 m mとなるように制御した。バイアス電圧として 2 . 5 K Vの電圧を常時印加しておき、 吐出を行う際には 5 0 0 Vのパルス電圧をさ らに重畳し、 そのパルス電圧を 0 . 2 ミ リ秒から 0 . 0 5 ミ リ秒の範囲で 2 5 6 段階で変化させることで ドッ 卜の面積を変化させながら描画を行った。 挨による 描画不良等は全く見られず、 また外気温の変化、 製版数の増加によっても ドッ ト 径変化等による画像劣化は全く見られず、 良好な製版が可能であった。

さらにキセノンフラヅシュ定着装置 （ゥシォ電機 （株） 製、 発光強度 2 0 0 J /パルス） による加熱により画像を強固にし、 刷版を作成した。 イ ンクジェッ ト へッ ドを保護するためにィ ンクジエツ ト描画装置を副走査手段ごと ドラムと近接 した位置から 5 0 m m退避させ、 次に刷版を製版装置から取り出して、 オリバ一 2 6 6 E P Z印刷機の版胴に装着し印刷をした。

得られた印刷物は通し枚数一万枚後でも印刷画像に飛びやカスレがなく極めて 鮮明な画像であった。

また製版終了後 1 0分間、 ヘッ ドにアイソパ一 Gを供給し、 ヘッ ド開口部から アイツパー Gを滴らせてク リーニングした後、 アイソパー Gの蒸気を充満させた カバ一にへッ ドを格納しておくことにより、 3ヶ月の間、保守作業の必要なしに、 良好な印刷物を与える印刷版を作製できた。

実施例 2— 2

図 1 1 Bに示す装置に、 図 5に示すタイプの 1 0 0 d p i、 2 5 6チャンネル マルチチャンネルヘッ ドを配置した。 イ ンク循環にはポンプを使用し、 このポン プと吐出へッ ドのイ ンク流入路、 そして吐出へッ ドのイ ンク回収路とインクタン クの間にそれそれイ ンク溜を設け、 それらの静水圧差によりイ ンク循環を行い、 ィ ンク温度管理手段と してはヒ一夕と上述のポンプを使用し、 イ ンク温度は 3 5 °Cに設定し、 サーモスタッ トでコン トロールした。 ここで循環ポンプは沈殿 · 凝集防止用の撹拌手段としても使用した。 またィンク流路に電導度測定装置を配 置し、 その出力シグナルによりインクの希釈あるいは濃縮インク投入による濃度 管理を行った。 版材として、 上述のアルミ版を、 製版装置のドラムに同様に装着 した。 ナイロン製回転ブラシにより版材表面の埃除去を行った後、 製版すべき画 像データを画像デ一夕演算制御部に伝送し、 マルチチャンネルへッ ドを版材の移 動方向に移動し、 その動きに併せ、 キャップスタンローラにより版材を搬送させ ることにより、 アルミ版上に油性イ ンクを吐出して画像を形成した。 埃による描 画不良等は全く見られず、 また外気温の変化、 製版数の増加によっても ドッ ト怪 変化等による画像劣化は全く見られず、 良好な製版が可能であった。 さらにヒ一 トロ一ラ （ 3 0 0 Wハロゲンランプ内包テフロンシールシリコンゴムローラ） 定 着による加熱により （圧力 ： 3 kgf/ c m ² ( 2 9 . 4 N / c m ² ) ) 画像を強固に し、 刷版を作成した。

また製版した版で実施例 1 と同様にして印刷を行ったところ、 通し枚数一万枚 後でも印刷画像に飛びやカスレがなく極めて鮮明な画像であった。 また製版終了 後にへッ ドにアイソパ一 Gの循環を行った後、 アイソパ一 Gを含ませた不織布を ヘッ ド先端に接触させク リーニングを行ったところ、 3 ヶ月の間、 保守作業の必 要なしに、 良好な印刷物を与える印刷版を作製できた。

更に、 上記図 5に示す夕イブのイ ンクジェッ トヘッ ドの代わりに、 図 7及び図 9に示すタイプの 1 0 0 d p iフルライ ンイ ンクジエツ トへッ ドを用いて同様に 行ったところ、 各々上記と同様に良好な結果が得られた。

実施例 2— 3

実施例 2— 1のアルミニウム版の替わりに、 以下に示す表面に不感脂化処理に より親水化が可能になる画像受理層を設けた版材を用い、 刷版作成後に版面不感 脂化処理装置を用いて非画像部を親水化し、 描画の際に導電性板パネ （燐青銅製） 接触により版材導電層の接地をと り、 版材に熱風を当てることにより定着を行つ た以外は実施例 1 と同じ操作を行った。 基体として坪量 1 00 g/m² の上質紙を用い、 基体の両面にポリエチレンフ イルムを 2 0 mの厚みにラミネ一ト し耐水性とした紙支持体上に下記組成で下 記のようにして調製した導電層用塗料を片面に塗布し、 乾燥後塗布量として 1 0 g/m² となるようにし、 さらにその上に分散液 Aを乾燥後塗布量として 1 5 g /m²となるように画像受理層を設けて版材とした。

• 導電層用塗料；カーボンブラック （ 3 0 %水分散液） 5. 4部、 クレー （ 5 0 % 水分散液） 54. 6部、 S B Rラテックス （固形分 5 0 %、 T g 2 5°C) 3 6部、 メラミ ン樹脂 （固形分 8 0 %、 スミ レッツレジン S R— 6 1 3 ) 4部を混合し、 全体の固形分が 2 5 %となるように水を加えて塗料とした。

· 分散液 A ； 乾式酸化亜鉛 1 00 g、 上記の結着樹脂 （B— 1 ) 3 g、 結着樹脂 (B - 2 ) 1 7 g、 安息香酸 0. 1 5 gおよびトルエン 1 5 5 gの混合物を湿式 分散機ホモジナイザ一 （日本精機 （株） 製） を用いて回転数 6 , 0 00 r pmで 8分間分散した。

版材に熱風を当てることにより定着を行った際、 ブリスターが発生した。 そこ で熱風に使用したヒータに対し供給電力を徐々に連続的に高める、 あるいは供給 電力は変化させずに ドラムの回転速度を高速から低速に徐々に連続的に低下する ことにより定着を行った。 その結果、 ブリスターは発生せず、 その刷版を印刷す ることにより得られた印刷物は、 通し枚数五千枚でも印刷画像に飛びやカスレが なく極めて鮮明な画像であった。

実施例 3 - 1

図 1 4に示す印刷装置の描画装置のィ ンクジエツ ト記録装置に上記のように作 成した油性イ ンク （ I K一 1 ) 2 リ ッ トルをイ ンクタンクに充填した。 ここで は吐出へヅ ドとして図 5に示すタイプの 1 5 0 d p i、 フルライ ンへヅ ドを使用 した。 ィ ンク温度管理手段として投げ込みヒータと攪拌羽をイ ンクタンク内に設 け、 インク温度は 3 0 °Cに設定し、 攪拌羽を 3 0 r pmで回転しながらサ一モス タツ トで温度コン トロールした。 ここで攪拌羽は沈降 · 凝集防止用の攪拌手段と しても使用した。 また、 イ ンク流路を一部透明とし、 それを挟んで L ED発光素 子と光検知素子を配置し、 その出力シグナルによりイ ンクの希釈液 （アイ ソパ一 G) あるいは濃縮ィ ンク （上記 I K一 1ィ ンクの固形分濃度を 2倍に調整したも の） 投入による濃度管理を行った。 印刷媒体として口一ル状微コート紙を、 対向 ドラム上に設け搬送した。 エア一ポンプ吸引により印刷媒体表面の埃除去を行つ た後、 吐出ヘッ ドを描画位置まで印刷媒体に近づけ、 印刷すべき画像データを画 像デ一夕演算制御部に伝送し、 対向ドラムの回転により印刷媒体を搬送させなが らフルライ ンマルチチヤンネルへヅ ドから油性ィンクを吐出して画像を形成した < この際、 インクジヱッ トヘッ ドの吐出電極の先端幅は 1 0 とし、 光学的ギヤ ップ検出装置による出力によりへッ ドと印刷媒体の距離は 1 m mに保った。 パイ ァス電圧として 2 . 5 K Vの電圧を常時印加しておき、 吐出を行う際には 5 0 0 Vのパルス電圧をさらに重畳し、 そのパルス電圧を 0 . 2 ミ リ秒から 0 . 0 5 ミ リ秒の範囲で 2 5 6段階で変化させることで ドッ 卜の面積を変化させながら描画 を行った。 埃による描画不良等は全く見られず、 また、 外気温の変化、 印刷時間 の増加によっても ドッ ト径変化等による画像劣化は全く見られず、 良好な印刷が 可能であつた。

さらにキセノンフラッシュ定着装置 （ゥシォ電機 （株） 社製、 発光強度 2 0 0 J /パルス） による加熱により画像を強固にした。 印刷終了後は、 イ ンクジエツ トへッ ドを保護するためにィ ンクジエツ ト記録装置を描画ドラムと近接した位置 から 5 0 m m退避させた。

得られた印刷物は、印刷画像に飛びやカスレがなく極めて鮮明な画像であつた。 また印刷終了後 1 0分間、 ヘッ ドにアイ ソパ一 Gを供給し、 ヘッ ド開口部からァ イソパ一 Gを滴らせてク リーニングした後、 アイソパ一 Gの蒸気を充満させた力 バーにヘッ ドを格納しておく ことにより、 3ヶ月の間、 保守作業の必要なしに、 良好な印刷物を作製できた。

実施例 3— 2

図 1 5および図 1 6に示した印刷装置を用い、 攪拌手段 （図 2の 2 7 ) とし て循環ポンプを用い、 図 5又は図 7に示すタイプの 1 0 0 d p i、 2 5 6チャン ネルマルチチャンネルへヅ ドを 4つ使用し、 6 4チャンネル分の吐出部は ドラム の軸方向と直角方向に配列するようへッ ドを配置した。

油性イ ンクとして、 黒色イ ンク I K— 1 と、 I K一 1 インクの色剤として用い たニグ口シンをフタロシアニン . ブル一に置き換えた他は、 I K— 1 インクと同 様に作製したシアンインク I K一 2 と、 I K— 1インクの色剤として用いたニグ 口シンを C I ビグメン ト レッ ド 5 7 : 1 に置き換えた他は、 I K一 1インクと同 様に作製したマゼン夕ィ ンク I K— 3 と、 I K— 1イ ンクの色剤として用いた二 グロシンを C I ビグメン トイエロ一 1 4に置き換えた他は、 I K一 1インクと同 様に作製したイエロ一インク I K— 4の 4色のインクを用い、 それそれ 4つのへ ッ ドに充填した。

ここではポンプを使用し、 このポンプと吐出ヘッ ドのインク流入路、 そして吐 出へッ ドのィ ンク回収路とィンクタンクの間にそれぞれインク溜を設け、 それら の静水圧差によりイ ンク循環を行い、 ィンク温度管理手段としてはヒータと上述 のポンプを使用し、 イ ンク温度は 3 5 °Cに設定し、 サーモスタッ トでコン トロー ルした。 ここで循環ポンプは沈殿 · 凝集防止用の攪拌手段としても使用した。 また、 イ ンク流路に電導度測定装置を配置し、 その出力シグナルによりイ ンク の希釈あるいは濃縮ィンク投入による濃度管理を行った。 ナイロン製回転ブラシ により印刷媒体表面の埃除去を行った後、 印刷すべき画像データを画像データ演 算制御部に伝送し、 ヘッ ドを ドラム軸方向に移動し主走査を行なうと共に、 描画 ドラムを回転させながら副走査を行い、 描画させることにより、 ロール状微コー ト紙にイ ンクを吐出して画像を形成した。

埃による描画不良等は全く見られず、 また、 外気温の変化、 印刷枚数の増加に よっても ドッ ト径変化等による画像劣化は全く見られず、 図 5および図 7のいづ れのタイブのヘッ ドを用いた場合も、 良好な片面及び両面フルカラ一印刷が可能 であった。

また、 印刷終了後にヘッ ドにァイソパー Gの循環を行った後、 ァイソパー Gを 含ませた不繊布をへッ ド先端に接触させク リーニングを行ったところ、 3 ヶ月の 間、 保守作業の必要なしに、 良好な印刷物を作製できた。

実施例 3— 3

図 1 8に示した印刷装置を用いて、 片面 4色のフルカラ一印刷を行った。 油性 イ ンクとして、 実施例 3— 2で説明した 4色のイ ンクを 4組のイ ンクジエツ ト描 画装置の各々に用いて、 図 9に示すタイ プの 1 0 0 d p i 2 5 6チャンネルマル チチャンネルヘッ ド 4個を使用し、 吐出部を対向ドラムの軸と平行に配置し、 対 向ドラムの回転により主走査を行い、 へッ ドを ドラムの軸方向に一回転毎に逐次 移動することによりコート紙上に 9 0 0 d p iの画像を描画し、 鮮明で高画質な フルカラー印刷物を得た。

実施例 3— 4

図 2 0および図 2 1 に示した印刷装置を用いて、 片面 4色のフルカラ一印刷を 行った。 油性インクは、 実施例 3— 3 と同じ 4色のインクを用いた。 ここでは、 吐出へヅ ドとして図 5に示すタイプの 1 0 0 d p i、 6 4チャンネルマルチチヤ ンネルへッ ドを使用し、 吐出部を印刷媒体の走行方向と約 6 0度の角度をなすよ うに配置した。 印刷すべき画像データを画像データ演算制御部に伝送し、 6 4チ ヤンネルマルチチャンネルへッ ドを印刷媒体の搬送方向と直角方向に移動させな がら、 キャップスタンローラの回転により印刷媒体を搬送させることにより、 7 0 0 d iの画像をィ ンクジエツ ト専用紙上に形成した。 その他は、 実施例 3 - 1 と同様の操作を行い、 4色フルカラ一の良好な印刷が可能であった。 産業上の利用の可能性

本発明によれば、 マルチチャンネルへッ ド描画装置を用いる静電式ィンクジェ ッ ト記録方法により、 高画質の画像を安定して提供できる。 このため、 通常の印 刷用紙のみならずブラスチックシートへの印刷も可能である。 また、 現像処理不 要のデジタル対応の製版装置や機上描画印刷装置に適用することができ、 安価か つ簡便に、 鮮明で高画質の印刷物を多数枚得ることが出来る。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 印刷機の版胴に版材を装着し、 該版材上に画像データの信号に基づき静電 界を利用して油性ィンクを複数の吐出チャンネルを有する記録へッ ドから吐出さ せるインクジェット方式により描画を行うことにより前記版材表面に直接画像を 形成して刷版を作成し、 該刷版をその状態で用いて引き続き平版印刷を行う機上 描画平版印刷方法において、

版刷上への画像の形成を、 吐出チヤンネル間隔が 170 / D1以上 [描画画像の解像 度の換算で 150dpi ( 1ィンチ当たり 150ドットの間隔）以下]である記録へッ ドで行 うことを特徴とする機上描画平版印刷方法。

2 . 前記油性インクが、 固有電気抵抗値 10⁹ Ω cm以上かつ誘電 3. 5以下の非水 溶媒中に、 少なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したものである請 求項 1に記載の機上描画平版印刷方法。

3 . 印刷装置の版胴に装着された版材上に、 画像データの信号に基づき静電界 を利用して複数の吐出チャンネルを有する記録へッ ドから油性ィンクを吐出させ るインクジエツ ト描画装置により直接画像を形成する画像形成手段と、 該画像形 成手段によって形成された刷版で平版印刷を行う平版印刷手段とを備えた機上描 画平版印刷装置において、

前記画像形成手段は、 吐出チヤンネル間隔が 170/i in以上 [描画画像の解像度の 換算で 150dpi ( 1インチ当たり 150ドットの間隔）以下]である記録ヘッ ドを備えた ことを特徴とする機上描画平版印刷装置。

4 . 前記油性インクが、 固有電気抵抗値 10⁹ Ω αη以上かつ誘電 3 . 5以下の非 水溶媒中に、 少なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したものである 請求項 3に記載の機上描画平版印刷装置。

5 . 前記画像形成手段は、 前記イ ンクの定着装置を備えたことを特徴とする請 求項 3又は請求項 4記載の機上描画平版印刷装置。

6 . 前記画像形成手段は、 版材への描画前及び/又は描画中に版材表面に存在 する埃を除去する版材表面埃除去手段を備えたことを特徴とする請求項 3〜請求 項 5のいずれか 1項記載の機上描画平版印刷装置。

7 . 前記版材への描画時に、 前記画像形成手段が、 前記版材の装着された版胴 の回転により主走査を行うことを特徴とする請求項 3〜請求項 6 のいずれか 1項 記載の機上描画平版印刷装置。

8 . 前記イ ンクジェッ ト描画装置は、 前記版材への描画時に該記録ヘッ ドが前 記版胴の軸方向に移動する事により副走査を行うことを特徴とする請求項 7記載 の機上描画平版印刷装置。

9 . 前記イ ンクジェッ ト描画装置は、 前記記録ヘッ ドに前記油性イ ンクを供給 するィンク供給手段を備えたことを特徴とする請求項 3〜請求項 8 のいずれか 1 項に記載の機上描画平版印刷装置。

1 0 . 前記記録へッ ドから前記油性ィンクを回収するィンク回収手段を備え、 前記ィンク供給手段及びィ ンク回収手段によりイ ンク循環を行うことを特徴とす る請求項 9記載の機上描画平版印刷装置。

1 1 . 前記油性ィンクを格納するィ ンクタンク内にィ ンク攪拌手段を備えたこ とを特徴とする請求項 3〜請求項 1 0のいずれか 1 項記載の機上描画平版印刷装 置。

1 2 . 前記油性ィンクを格納するインクタンク内にインクの温度を制御するィ ンク温度制御手段を備えたことを特徴とする請求項 3〜請求項 1 1のいずれか 1 項記載の機上描画平版印刷装置。

1 3 . 前記油性ィ ンクのィンク濃度を制御するィ ンク濃度制御手段を備えたこ とを特徴とする請求項 3〜請求項 1 2のいずれか 1項記載の機上描画平版印刷装 置。

1 4 . 前記イ ンクジェッ ト描画装置は、 前記版材への描画時に前記記録ヘッ ド を前記版胴へ接近させ、 該版材への描画時以外は該記録へッ ドを該版胴から離す 記録へッ ド離接手段を備えたことを特徴とする請求項 3〜請求項 1 3のいずれか 1項記載の機上描画平版印刷装置。

1 5 . 前記画像形成手段は、 少なく とも製版終了後に前記記録へッ ドのク リ一 ニングを行う記録へッ ドク リーニング手段を備えたことを特徴とする請求項 3〜 請求項 1 4のいずれか 1項記載の機上描画平版印刷装置。

1 6 . 前記平版印刷手段は、 平版印刷時に発生する紙粉を除去する紙粉除去手 段を備えたことを特徴とする請求項 3〜請求 1 5のいずれか 1項記載の機上描画 平版印刷装置。

1 7 . 画像データの信号に基づき静電界を利用して油性ィンクを複数の吐出チ ヤンネルを有する記録へッ ドから吐出させるインクジエツ ト方式により描画を行 うことにより、 版材上に直接画像を形成して刷版を作成する製版方法において、 版材上への画像の形成を、 吐出チャンネル間隔が 170 m以上 [描画画像の解像 度の換算で 150dpi ( 1ィンチ当たり 150ドットの間隔）以下]である記録へヅ ドで行 うことを特徴とする製版方法。

1 8 . 前記油性インクが、 固有電気抵抗値 10⁹ Ω cm以上かつ誘電 3 . 5以下の 非水溶媒中に、 少なく とも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したものであ る請求項 1 7に記載の製版方法。

1 9 . 画像データの信号に基づき静電界を利用して複数の吐出チャンネルを有 する記録へッ ドから油性ィンクを吐出させるインクジエツト描画装置により版材 上に直接画像を形成する画像形成手段を備えた製版装置において、

版材上への画像の形成を、 吐出チャンネル間隔が 170 z m以上 [描画画像の解像 度の換算で 150dpi ( 1ィンチ当たり 150ドットの間隔）以下]である記録へッ ドで行 うことを特徴とする製版装置。

2 0 . 前記油性インクが、 固有電気抵抗値 10⁹ Ω αη以上かつ誘電 3 . 5以下の 非水溶媒中に、 少なく とも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したものであ る請求項 1 9に記載の製版装置。

2 1 . 前記画像手段は、 前記イ ンクの定着装置を備えたことを特徴とする請求 項 1 9又は請求項 2 0記載の製版装置。

2 2 . 前記画像形成手段は、 版材への描画前及び/又は描画中に版材表面に存 在する埃を除去する版材表面埃除去手段を備えたことを特徴とする請求項 1 9〜 請求項 2 1のいずれか 1項記載の製版装置。

2 3 . 前記版材への描画時に、 前記版材が装着されたドラムを回転させて前記 印刷媒体を移動させることにより描画を行う請求項 1 9乃至 2 2の何れか 1項に 記載の製版装置。

2 4 . 前記記録ヘッ ドを、 前記ドラムの軸方向に移動する事により描画を行う 請求項 2 3に記載の製版装置。

2 5 . 前記版材上への描画時に、 少なく とも 1対のキヤブス夕ンローラにより 前記版材を挟持して走行させることにより副走査を行う請求項 1 9乃至 2 2のい ずれか 1項に記載の製版装置。

2 6 . 前記記録ヘッ ドを、 前記版材の走行方向と直交する方向に移動する事に より描画を行う請求項 2 5に記載の製版装置。

2 7 . 前記イ ンクジェッ ト描画装置が、 前記記録ヘッ ドに前記油性インクを供 給するィンク供給手段を有する請求項 1 9乃至 2 6のいずれか 1項に記載の製版

2 8 . 前記記録へッ ドから前記油性ィンクを回収するィンク回収手段を有し、 ィ ンク循環を行う請求項 2 7に記載の製版装置。

2 9 . 前記ィ ンクジヱッ ト描画装置が、 前記油性ィンクを格納するィンク夕ン ク内の前記油性インクを攪拌する攪拌手段を有する請求項 1 9乃至 2 8のいずれ か 1項に記載の製版装置。

3 0 . 前記ィ ンクジエツ ト描画装置が、 前記油性ィ ンクを格納するィンクタン ク内の前記油性ィンクの温度を管理するィ ンク温度管理手段を有する請求項 1 9 乃至 2 9のいずれか 1項に記載の製版装置。

3 1 . 前記イ ンクジェッ ト描画装置が、 前記油性イ ンクの濃度を制御するイ ン ク濃度制御手段を有する請求項 1 9乃至 3 0のいずれか 1項に記載の製版装置。

3 2 . 前記記録へッ ドをク リーニングするク リ一ニング手段を有する請求項 1 9乃至 3 1のいずれか 1項に記載の製版装置。

3 3 . 画像データの信号に基づき静電界を利用して油性ィ ンクを複数の吐出チ ヤンネルを有する記録へッ ドから吐出させるイ ンクジエツ ト方式により描画を行 うことにより、 印刷媒体上に直接画像を形成して印刷物を作成する印刷方法にお いて、

印刷媒体上への画像の形成を、 吐出チヤンネル間隔が 170 m以上 [描画画像の 解像度の換算で 150dpi ( 1ィンチ当たり 150ドットの間隔）以下]である記録へッ ド で行うことを特徴とする印刷方法。

3 4 . 前記油性イ ンクが、 固有電気抵抗値 10⁹ Ω cm以上かつ誘電 3 . 5以下の の非水溶媒中に、 少なくとも着色粒子を分散したものである請求項 3 3に記載の インクジエツ ト式印刷方法。

3 5 . 画像データの信号に基づき静電界を利用して複数の吐出チャンネルを有 する記録へッ ドから油性ィンクを吐出させるィンクジエツト描画装置により印刷 媒体上に直接画像を形成する画像形成手段を備えた印刷装置において、

該印刷媒体上への画像の形成を、 吐出チャンネル間隔が 170 m以上 [描画画像 の解像度の換算で 150dp i ( 1インチ当たり 150ドットの間隔）以下]である記録へッ ドで行うことを特徴とする印刷装置。

3 6 . 前記油性インクが、 固有電気抵抗値 10⁹ Ω αη以上かつ誘電 3 . 5以下の の非水溶媒中に、 少なくとも着色粒子を分散したものである請求項 3 5に記載の 印刷装置。

3 7 . 前記画像形成手段は、 前記インクの定着装置を備えたことを特徴とする 請求項 3 5又は請求項 3 6記載の印刷装置。

3 8 . 前記印刷媒体への印刷前及び/又は印刷中に、 前記印刷媒体表面に存在 する埃を除去する埃除去手段を有する請求項 3 5乃至 3 7に記載の印刷装置。

3 9 . 前記印刷媒体への描画時に、 前記印刷媒体を介して、 前記記録ヘッ ドと 対向する位置に配置された対向ドラムを回転させて前記印刷媒体を移動させること により描画を行う請求項 3 5乃至 3 8の何れか 1項に記載の印刷装置。

4 0 . 前記記録へッ ドを対向ドラムの軸方向に移動する事により描画を行う請求 項 3 9に記載の印刷装置。

4 1 . 前記印刷媒体への描画時に、 少なくとも一対のキヤブス夕ンローラによ り前記印刷媒体を挟持して走行させることにより、 描画を行う請求項 3 5乃至 3 8の何れか 1項に記載の印刷装置。

4 2 . 前記記録ヘッ ドを、 前記印刷媒体の走行方向と直交する方向に移動する 事により描画を行う請求項 4 1に記載の印刷装置。

4 3 . 前記インクジェッ ト描画装置が、 前記記録ヘッ ドに前記油性インクを供 給するィンク供給手段を有する請求項 3 5乃至 4 2の何れか 1項に記載の印刷装 置。

4 4 . 前記記録へッ ドから前記油性ィンクを回収するィンク回収手段を有し、 ィンク循環を行う請求項 4 3に記載の印刷装置。

4 5 . 前記ィ ンクジエツ ト描画装置が、 前記油性ィ ンクを格納するィンクタン ク内の前記油性ィンクを攪拌する攪拌手段を有する請求項 3 5乃至 4 4のいずれ か 1項に記載の印刷装置。

4 6 . 前記イ ンクジヱッ ト描画装置が、 前記油性ィ ンクを格納するインク夕ン ク内の前記油性ィンクの温度を管理するィ ンク温度管理手段を有する請求項 3 5 乃至 4 5の何れか 1項に記載の印刷装置。

4 7 . 前記ィ ンクジエツ ト描画装置が、 前記油性ィ ンクの濃度を制御するィ ン ク濃度制御手段を有する請求項 3 5乃至 4 6の何れか 1項に記載の印刷装置。

4 8 . 前記記録へッ ドをクリーニングするク リーニング手段を有する請求項 3 5乃至 4 7の何れか 1項に記載の印刷装置。