WO1999028196A1 - Wide-mouthed container, such as paint container produced by injection draw blow molding - Google Patents

Description

明 細 書 射出延伸ブロー成形によ るペイ ン ト容器等の広口容器 技術分野

この発明は、 射出延伸ブロー成形によ り胴部が薄肉に形成され た合成樹脂製のペイ ン ト、 ワ ッ ク ス等の広口容器に関するもので ある。 背景技術

ペイ ン ト、 ワ ッ ク ス等の広口容器では、 口部を外周壁とその内 側に環状溝を隔てて該外周壁よ り も低く 形成した内周壁とから構 成し、 その内周壁によ り 形成された口部内側面に蓋体を嵌合する と共に、 蓋体の周縁を外周壁の内側に嵌合して密閉状態を維持 し ている。 また蓋体の取外しは、 外周壁と蓋体周縁との隙間に ドラ ィバ一等の先端を差込み、 外周壁を支点と して ドライバ一のダ リ ップを押下げる こ とによ り簡単に行える よ う になつている。

このよ う な口部が二重壁による広口容器は、 金属製によ る もの が殆どであつたが、 最近では合成樹脂製のものも射出成形や射出 ブロー成形などを採用 して製造している。 しかしこれらの成形に よる ものは胴部を薄肉に形成する こ とができず、 また金属に比べ て強度も劣る こ と から落下によ り破損し易いな どの課題を有する, そこで二軸延伸によ り樹脂の強化が可能な射出延伸ブロー成形 を採用 して、 ペイ ン ト容器等を製造する こ とが試みられている。 国際公開公報 9 7 / 1 9 8 0 1 号に記載のペイ ン ト容器は、 帯状 の外周壁と その内側に接続部によ り 環状溝を隔てて該外周壁よ り も低く 形成した内周壁と によ る大径の口部と、 その内周壁の下側 に連続成形された有底の胴部とからなるプリ フォームを射出成形 し、 そのプリ フォームをペイ ン ト容器成形用のブロー金型に移行 して、 胴部以下を内周壁の下側から延伸ブロー して製造される と レヽ ぅ ものである。

この射出延伸ブロー成形は、 冷却固化した口部外周壁と内周壁 と を口部成形型と コア型と によ り 挟持して、 加熱状態にある胴部 以下を軸方向に延伸 し、 殆ど同時に胴部を外周壁の下側に突出形 成したスカー ト部までエアブローして、 未延伸の接続部と、 肩状 に延伸された胴上部と を一体化して形成する とい う ものである。

かかる手段によ るペイ ン ト容器では、 延伸ブローによる胴部及 び底部の薄肉化と二軸配向によって、 射出成形又は射出ブロー成 形による ものよ り も軽量で落下強度にも優れ、 樹脂によってはガ スバリ ア性にも優れるなどの特徴を有する。

しかしながら、 上記従来技術では延伸ブローに際して、 スカー ト部から内周壁の間には上記接続部を支える ものがないこ とから、 延伸ブロー時に軸方向への引張応力が接続部に集中 して、 接続部 がスカー ト部とのコーナー部分から下側に引き込まれて変形し、 それによ り 内周壁に歪みが生じて、 口部の嵌合縁及び内側面と な る内周壁の口端縁及び内面の成形精度が損なわれ、 蓋体との嵌合 に不都合が生ずる と共に密閉性も失われるなどの課題を有する。

この軸方向の延伸によ る內周壁の歪みは、 接続部のスパンが長 いほど顕著に現れる。 スパンを短く 形成するこ と によって改善す るこ と はでき るが、 スパンを短く 形成する と胴部の半径方向の膨 張が制限されて、 胴部上方が厚肉にな り 、 底部になるに したが 、 薄肉になる という偏肉が生ずるよ う になる。 このよ う な偏肉は胴 部における座屈強度の低下の原因と もな り 、 多数個の容器を多段 に積み重ねたと きに、 荷重によ る最下段の容器の変形を招く 。

また特開昭 5 7 - 7 7 4 3 9号公報に記載された射出ブロー成 形によ るペイ ン 卜容器のよ う に、 リ ブを設けて接続部を支える こ と も考えられるが、 そこに記載のよ う な外周壁と内周壁とにわた るよ う なリ ブでは、 リ ブのある と ころと ないと ころの延伸状態に 差が生じて、 蓋体と嵌合する内周壁の内側面に凹凸が生じ易く な る。

また リ ブは外周壁と内周壁とに接してその間に位置するこ と力 ら、 引張応力に耐えるよ う に、 リ ブまでをも完全に冷却固化する には時間を要する。 一方胴部以下は延伸ブローに必要な熱量を保 有する状態でプリ フォームの離型を行わなければならないので、 リ ブの形成による支えは射出延伸ブロー成形に と って必ずしも有 効な手段と は言い難いものであった。

そこで本発明者は、 軸方向への延伸による内周壁の引張変形の 防止について研究を重ねた結果、 リ ブによる接続部の支えであつ ても、 リ ブの形成の仕方によってこれまでのよ う な欠点が起こ ら ず、 射出延伸ブロー成形によるペイ ン ト容器のよ う な広口容器で も、 延伸によ る接続部の引張変形を防止 し、 また従来の リ ブによ る 口部内側面の凹凸変形も回避でき、 リ ブの冷却固化も短時間で 済ませる こ とができ るこ と を見い出 したのである。

したがって、 この発明の目的は、 上記接続部の引張り 変形に起 因する内周壁の歪みによ る課題が、 僅かな リ ブによ る補強手段の 採用によ り解決され、 合成樹脂製であっても二軸配向によ り胴部 が薄肉で落下強度にも優れた射出延伸ブロー成形によ るペイ ン ト 容器などの大口径の広口容器を提供する こ と にある。 またこの発明は、 ペイ ン ト缶等と同様に口部の外周壁と胴部と が同一側面に形成される こ とによって、 胴部の半径方向への膨張 が制限される ものであっても、 特定の断面形状のプリ フォームの 採用によ り 偏肉を来すこ となく胴部の成形を可能と し、 多数個の 広口容器の積み重ねをも可能とする射出延伸ブロー成形によ るぺ ィ ン ト容器などの大口径の広口容器を提供する こ とにある。

更にまたこの発明は、 外周壁を利用 して口部両側にわた り 取手 を回動自在に取付けるこ とができ、 また蓋体の取外しに際する反 動又は容器内の圧力上昇などによ る蓋体の飛出 しなどをも防止す るこ とができ る射出延伸プロ一成形によ るペイ ン ト容器などの大 口径の広口容器を提供するこ とにある。 発明の開示

上記目的による この発明は、 有底の胴部と一体の内周壁と、 そ の内周壁の外側に所要幅の接続部を介して H状形に一体形成した 帯状の外周壁と、 上記接続部によ り 両壁間の上下部に区画形成さ れた環状溝とから大径の口部を構成し、 上記胴部を内周壁の下側 から外周壁の下縁に接する所まで薄肉に延伸ブロー成形して、 月同 部側面を上記外周壁と同一面に形成する と と もに、 下部環状溝に よ り 口部下部内を中空に形成した広口容器であって、 上記接続部 の下面の外周壁側と外周壁の内側面とのコーナーに、 胴部延伸時 の接続部の変形を防止する リ ブを斜めに一体形成し、 その所要数 を下部環状溝内に一定間隔ごとに設けてなる、という ものである。

このよ う な構成では、 射出成形したプリ フォームの延伸ブロー 成形に際して、 内周壁に作用する軸方向の引張力が接続部に集中 しても、 上記リ ブによ り 接続部が一定間隔ごと に支えられている ので、 接続部が耐えて引張力によ り 内周壁が下方に歪むこ とがな く 、 このため内周壁の端縁には変形が起こ らず、 射出成形時の水 平精度を保つよ う になる。 また リ ブの位置は外周壁側にあって、 内周壁と は隔離されているこ とから、 リ ブの存在によ り延伸状態 に差が生じて、 蓋体と嵌合する内周壁側面に凹凸が生ずる とい う 課題も解決され、 さ らに外周壁と共に速く 冷却固化するので、 リ ブによ り 口部の冷却時間が長く かかるよ う なこ と もな く なる。

またこの発明は、 有底の胴部と一体の内周壁と、 その内周壁の 外側に所要幅の接続部を介して H状形に一体形成した帯状の外周 壁と、 上記接続部によ り 両壁間の上下部に区画形成された環状溝 とからなる大径の口部を備えた射出成形によるプリ フォームを、 上記内周壁の下側から胴部が高温状態にある う ち、 該胴部を冷却 固化した上記口部を保持して、 上記外周壁と同一面に延伸ブロー してなる、 とレ、 う ものでもある。

上記プリ フォームと しては、 上記内周壁に連なる胴部を厚肉の 偏平な円錐形状の延伸膨張部と、 その延伸膨張部の頂部を外方へ 突出 して形成したプリ フォーム中央の所要内径の窪み部とから形 成し、 その窪み部の底面をほぼ平で薄肉に形成する と と もに、 窪 み部周囲の延伸膨張部を内方へ弯曲形成したものからなる、 とい う ものである。

このよ う なプリ フォームでは、 上記窪み部に延伸口 ッ ドの先端 部が嵌り 込み、 伸長によ り底面が押圧される と 、 加熱状態にある 延伸膨張部が内周壁の境から引き伸ばされて薄肉化してゆく。 こ のため胴部の半径方向への膨張が外周壁の位置に制限される もの であっても、 胴部の肉厚がほぼ均一な広口容器が得られるよ う に なる。 またこの発明は、 上記プリ フォームの成形時に外周壁の対称位 置に取付穴を形成し、 その取付穴に可撓性を有する紐状の取手の 両端内側に突設した嵌合子を、 それぞれ回動自在に嵌合係止して 開口部両側にわた り 該取手を取付けてなる とい う ものであ り 、 そ の上記嵌合子はタブレツ ト状で、 先端上側に半円形の係止片を有 し、 かつ取手端部と嵌合子には下端から中央部にわたる割り溝が 形成され、 その割 り溝による取手端部及び嵌合子の縮小によ り係 止片と と もに嵌合子を上記取付穴に回動自在に挿入して、 該係止 片を外周壁の内側に掛け止めしてなる、 という ものである。

さ らにこの発明は、上記蓋体の周側縁に掛止用の突起を突設 し、 その突起を外周壁の側面に穿設した嵌合穴を差込んで蓋体を閉 じ るこ と によ り 、開蓋時の反動による蓋体の飛出 しを防止 してなる、 という ものである。

さ らにまたこの発明は、 合成樹脂によ る蓋体を上記内周壁の内 面と外周壁の口端縁との両方に嵌合でき るよ う に、 該蓋体の周縁 部を外周壁の口端縁上まで大径に形成してその周縁を嵌合溝に形 成する一方、 外周壁の口端縁外周に係合縁を形成し、 その係合縁 と上記嵌合溝の内側の環状溝との二次的な嵌合によ り 、 ペイ ン ト 容器の内圧による蓋体の口部内面との嵌合の緩みによ る 自然開蓋 を阻止した構造からなる という ものであ り 、 また上記蓋体の口部 内面との嵌合の緩みによ り漏出したガスを排出 してペイ ン ト容器 内を低減して、 口部内面との嵌合によ る密閉を復元する通気孔を 上記外周壁に穿設 してなる、 とい う ものでもある。 図面の簡単な説明

第 1 図は、 本発明に係る延伸ブロー成形によ る広口容器の縦断 面図である。 第 2 図は、 本発明に係る延伸ブロー成形による広口 容器の要部拡大断面図である。 第 3図は、 本発明に係る延伸プロ 一成形によ る広口容器のプリ フォームの縦断面図ある。第 4図は、 プリ フォームの底面図である。 第 5図は、 本発明に係る延伸プロ 一成形によ る広口容器のプリ フォームの延伸ブロー状態を鎖線で 示すペイ ン ト容器成形時の断面図である。 第 6 図は、 本発明に係 る延伸ブロー成形による広口容器の口部の拡大部分断面図である 第 7 図は、 本発明に係る取手付きペイ ン ト容器の正面図で、 鎖線 によ り積み重ね状態を示す図である。 第 8図は、 本発明に係る取 手付きペイ ン ト容器の側面図である。 第 9図は、 本発明に係る取 手付きペイ ン ト容器の一部を切除した平面図である。第 1 0図は、 本発明によ る取手の取付状態と蓋体周側縁の嵌合状態と を示す口 部の部分縦断面図である。 第 1 1 図は、 外周壁の口端縁との嵌合 手段を有する蓋体を備えた口部の部分縦断面図である。 発明を実施するための最良の形態

図 1 に示す広口容器は、 ポリ エチレンテレフタ レー ト （ P E T ) によ り成形したペイ ン ト容器であって、 大径の 口部 1 は、 有底の 胴部 2 と一体の内周壁 3 と、 その内周壁 3の外側に所要幅の接続 部 5 を介して H状形に一体形成した帯状の外周壁 4 と 、 上記接続 部 5 によ り 両壁間 3 , 4 の上下部に区画形成された環状溝 7 ， 8 とから構成されている。 また外周壁 4 は内周壁 3 よ り も高く 形成 され、 その端縁外側に突縁 6 がー体成形してある。

上記胴部 2 は、 内周壁 3 の下側から外周壁 4 の下縁に接して側 面が上記外周壁 4 と 同一面と なる所まで薄肉 （ 0 . 5 mm) に、 か つ垂直に延伸ブロー成形されてお り 、 これによ り 口部 1 の下部内 が下部環状溝 8 によ り 中空に形成され、 また胴部 2 に連なる底部 1 0 に内周壁 4 よ り も若干小径の糸底 1 1 が突出成形された広口 のペイ ン ト容器を形成している。

9 , 9 は上記接続部 5 を支える リ ブで、 本実施例では上記下部 環状溝 8 の 8個所に間隔を同 じく して設けられている。 この リ ブ 9 は接続部 5 の下面の外周壁側と外周壁 4の内側面と のコーナー に、 上記内周壁 3 から離して斜めに一体形成され、 これによ り月同 部延伸時の接続部 5の変形を防止 している。

このよ う な構成のペイ ン ト容器は、図 2 に示されてレヽる よ う に、 周知のペイ ン ト缶と 同様に内周側 3の内面に蓋体 3 0 が嵌り込み、 その蓋体 3 0の周縁部 3 0 a を内周壁 3 の口端縁 3 a が受けて、 蓋体 3 0 が外周壁 4 の内側に収まるよ う になる。

図 3 は上記ペイ ン ト容器のプリ フォーム 1 2 を示すもので、 上 記ペイ ン ト容器の口部 1 は、 同一構造のプリ フォーム 1 2 の口部 1 3 と して、 上記内周壁 3 に連なるプリ フォーム 1 2 の有底の胴 部と共に予め射出成形される。 このプリ フォーム胴部は厚肉の偏 平な円錐形状の延伸膨張部 1 4 と 、 その延伸膨張部の頂部 1 5 を 外方へ突出 して形成したプリ フォーム中央の所要内径の窪み部 1 6 とから形成し、 その窪み部 1 6 の底面 1 7 をほぼ平で薄肉に形 成する と と もに、 窪み部 1 6 の周囲の延伸膨張部 1 4 a (図 4 ， 5参照） を内方へ弯曲形成してなる とい う ものである。

このプリ フォーム 1 2 は、 内周壁 3の下側から延伸膨張部 1 4 側が加熱状態にある う ちに射出金型から離型される。 この時点で は既にプリ フォーム口部 1 3 は冷却固化されているので、 図 5 に 示すよ う に、 プリ フォーム口部 1 3の外側を抱持している射出成 形時の口部成形型 1 8 によ り 、 ブロー金型 1 9 に移送した後に内 周壁 4 に嵌合したブローコア 2 0 とによ り 、 既に固化 したプリ フ オーム口部 1 3 を挟持して、 広口容器に延伸ブロー成形される。

この延伸ブロー成形は、 ブローコア 2 0 に仕込んだ延伸ロ ッ ド 2 1 の先端部 2 2 を窪み部 1 6 に収め、 その延伸ロ ッ ド 2 1 によ り プリ フォーム中央部を下方へ押圧して、 プリ フォーム胴部を内 周壁 3 の下側から軸方向に伸長し、 殆ど同時にエアブローによ り 延伸膨張部 1 4 を半径方向へ膨張させる こ とによ り行われる。

上記延伸 ロ ッ ド 2 1 の伸長によ り プリ フォーム 1 2 では、 まず 延伸膨張部 1 4 の上部が引き伸ばされて僅かではあるが薄肉化す る。 その薄肉化によ り その部分の温度が低下するので延伸は下側 の未延伸部に移り 、 さ らに内方へ弯曲形成した窪み部 1 6 の周囲 の延伸膨張部 1 4 a が延伸されて、 プリ フォーム胴部は縦長の円 錐台形に変形してゆく 、 これによ り ブロー金型 1 9のキヤ ビティ 面に対するプリ フォーム胴部の距離が底部になるに従い長く なつ て、上方と 下方と における半径方向への延伸倍率に差が生じても、 その差は肉厚によってある程度相殺されるこ と になつて、 ペイ ン ト容器の胴部 2の偏肉が防止される。

このよ う なこ とから、 胴部上方になるにしたがい半径方向の膨 張延伸が制限されて厚肉に形成される形態のペイ ン ト容器であつ ても、 内周壁 3から外周壁 4 の下縁に接する所まで薄肉に膨張形 成された胴部 2 の肉厚分布が整えられて座屈強度が向上する よ う になる。

このよ う な延伸ブロー成形は、 加熱状態にある上記延伸膨張部 1 4 の表面温度が、 内部熱によ り加熱されてピーク温度に達する 前に行う成形法を採用 して行う こ とが好ま しい。

また上記延伸口 ッ ド 2 0 による軸方向の延伸に際して、 プリ フ オーム口部 1 3 は既に固化状態にあって、 口部成形型 1 8 とブロ 一コア 2 0 と によ り挟持されているが、 内周壁 3 は片面のみブロ 一コア 2 ◦ によ り 保持され、 またその保持は上記突縁 6 の嵌合に よる外周壁 4の保持と異なって単なる面接触による こ とから、 下 方への引張力によ り 内周壁 3 に滑り が生じて上記接続部 5 に応力 が集中する よ う になる。

じかし、 その引張応力は接続部 5 と外周壁 4 とのコーナーに形 成した上記リ ブ 9 , 9 によって外周壁 4 にも分散され、 リ ブ 9 ,

9 によ り接続部 5 は引張力に対抗する結果、 接続部 5 からの内周 壁 3の歪みが阻止されて、 延伸ブロー成形されたペイ ン ト容器の 内周壁 3 による 口部内面及び口端縁 3 a に変形が起こ らず、 射出 成形時の形状と水平精度が確保される。

また下部環状溝 8 内の リ ブ 9 , 9 によ る変形防止であっても、 その リ ブ 9， 9 は内周壁 3から隔離されているので、 内周壁 3 と 外周壁 4 と にわた り 形成された周知の リ ブと異なって外周壁 4 と 共に冷却固化されやすく 、 また隔離によって內周壁 3 と接する こ とはないので、 リ ブによ る内面の凹凸変形も生ずるこ とがない。

さ らにまた成形後において、 接続部 5 の下部環状溝 8 がブ口一 成形された胴部 2 によって閉鎖された空洞となって残っても、 上 記リ ブ 9 , 9 が外力に対する外周壁 4の補強と して作用するので、 外力によ る外周壁 4の歪みが阻止される こ とから、 外力によ る 口 部 1 の変形も防止される。

このよ う なこ と から、 広口容器が延伸ブロー成形による合成樹 脂製のものであっても、 射出成形による 口部 1 の成形精度に狂い が生じないので、 蓋体の嵌め込みに支障を来さず、 密封不良も生 じ難いもの と なる。 また胴部の二軸配向によって衝撃強度及びガ スバリ ァ性も向上 し、 内容物を外部から識別でき るペイ ン ト等の 広口容器と して使用する こ とが可能となる。 さ らにまた延伸プロ 一成形が可能な合成樹脂であれば同様な構造の広口容器と して製 造でき るので、 揮発性の内容物の広口容器と して広く 応用 し得る ものと なる。

図 7〜図 1 0 は、 上記外周壁 4 を利用 して取手 2 3 をペイ ン ト 容器に取付けた場合であって、 上記プリ フォーム 1 2 の成形時に 割型の口部成形型 1 8 に設けた凸部 （図は省略） によ り 、 外周壁 4の対称位置に取付穴 2 4， 2 4 を形成し、 その取付穴 2 4 , 2 4 に、 可撓性を有する合成樹脂 （たと えばポ リ プロ ピ レン等） に よ る紐状の取手 2 3 の両端内側に突設した嵌合子 2 5 ， 2 5 を、 それぞれ回動自在に嵌合係止する こ とによる。

上記嵌合子 2 5 , 2 5 はタブレ ツ ト状で、 先端上側に半円形の 係止片 2 6 を有する。 また取手端部と嵌合子 2 5 には下端から中 央部にわたる割り 溝 2 7 が形成してあ り 、 この割 り溝 2 7 によ り 取手端部と共に嵌合子 2 5 を押し潰して縮小し、 係止片 2 6 を上 向きに斜めに取付穴 2 4 に挿入するこ とができ るよ う に してある。 これによ り係止片 2 6 は上記空洞の下部環状溝 8 内に収まって、 外周壁 4 の内側に掛け止められる。 なお 2 8 は外周壁 4 の外側面 に凹設した延伸ブロー時の保持溝である。

またペイ ン ト容器の底部は、 上記糸底 1 1 に換えて、 図 7 に示 すよ う な周囲を段部 2 a に形成した底部であってもよい、 この場 合、段部 2 a の外径を上記外周壁 4 の内径よ り も若干小径に して、 外周壁 4 の内側に収まる よ う に し、 また底部周辺 2 b が外周壁 4 の口端縁上に重なる高さに形成する と図 7 に示すよ う に、 複数個 のペイ ン ト容器を積み重ねたと きに、 荷重が下側のペイ ン ト容器 の蓋体 3 0 の押さ えとな り 、 また荷重によ り胴部が歪むよ う なこ とがあっても外周壁 4 によ り支えられて倒れないよ う になる。 図 1 0 は、 合成樹脂による上記蓋体 3 0の周側縁 3 0 a に掛止 用の突起 3 0 b を突設し、 その突起 3 0 b の嵌合穴 2 9 を外周壁 4の側面に穿設して場合で、 その嵌合穴 2 9 に突起 3 O b を差込 んで蓋体 3 0 を閉 じるよ う にし、 また開蓋は突起 3 0 b の反対側 をこ じあけるよ う に して行い、 これによ り 開蓋時の反動による蓋 体 3 0の飛出 しを防止してなる という ものである。

このよ う な構成では、 嵌合穴 2 9の穿設分だけ外周壁 4の背が 内周壁 3 よ り も高く 成形され、 外周壁 4 の口端縁を支点と して ド ライバー等による蓋体 3 0の開蓋が行えなく なるので、 図 9 に示 すよ う に、 嵌合穴 2 9の反対側の縁辺に開蓋用の切欠部 3 1 を形 成している。 この切欠部 3 1 は上記個所に限定されず他の複数個 所に設けても よい。

図 1 1 は、 合成樹脂による蓋体 3 0 を、 内周壁 3の内面と外周 壁 4 の口端縁との両方に嵌合するよ う に、 周縁部 3 0 a をその 口 端縁上まで大径に形成してその周縁を嵌合溝 3 0 c に形成する一 方、 外周壁 4の口端縁外周に係合縁 3 2 を形成し、 その係合縁 3 2 と上記嵌合溝 3 0 c の内側の環状溝 3 0 d との二次的な嵌合に よ り 、 蓋体 3 0が熱気などによる ソルベン トの蒸発によ り 、 ペイ ン ト容器の内圧が上昇して口部内面との嵌合が緩み、 自然に開蓋 するよ う なこ とがあっても、 周縁部 3 0 a と外周壁 4 の口端縁と の嵌合によ り 開蓋を阻止 して、 蓋体 3 0 の飛散を防止 した構造か らなる。

また外周壁 4 に通気孔 3 3 を穿設し、 内圧の上昇によ り 口部内 面との嵌合が損なわれて内部から蒸発ガスが漏れるよ う なと きに は、 その通気孔 3 3からガスを排気して内圧を低減し 口部内面と の嵌合によ る密閉を復元する とい う ものでもある。 産業上の利用可能性

以上のよ う に、 本発明にかかる射出延伸ブロー成形によ るぺ イ ン ト容器などの大口径の広口容器は、 上記接続部の引張り 変形 に起因する内周壁の歪み等が、 僅かな リ ブによ る補強手段の採用 によ り解決され、 また二軸配向によ り胴部が薄肉で落下強度にも 優れている。 また本発明によ る広口容器は、 特定の断面形状のプリ フォーム の採用によ り偏肉を来すこ となく 胴部の成形を可能と し、 多数個 の広口容器の積み重ねをも可能とする。

更にまた本発明にかかる広口容器は、 外周壁を利用 してロ部両 側にわた り 取手を回動自在に取付けるこ とができ る。 さ らに、 蓋 体の取外しに際する反動又は容器内の圧力上昇などによる蓋体の 飛出 しなどをも防止する こ とができ る。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 有底の胴部と一体の内周壁と、 その内周壁の外側に所要幅 の接続部を介して H状形に一体形成した帯状の外周壁と、 上記接 続部によ り 両壁間の上下部に区画形成された環状溝と から大径の 口部を構成し、

上記胴部を内周壁の下側から外周壁の下縁に接する所まで薄肉 に延伸ブロー成形して、 胴部側面を上記外周壁と同一面に形成す る と と もに、 下部環状溝によ り 口部下部内を中空に形成した広口 容器であって、

上記接続部の下面の外周壁側と外周壁の内側面とのコーナ一に、 胴部延伸時の接続部の変形を防止する リ ブを斜めに一体形成し、 その所要数を下部環状溝内に一定間隔ごとに設けてなるこ と を特 徴とする射出延伸ブロー成形によ るペイ ン ト容器等の広口容器。

2 . 有底の胴部と一体の内周壁と 、 その内周壁の外側に所要幅の 接続部を介 して H状形に一体形成した帯状の外周壁と 、 上記接続 部によ り 両壁間の上下部に区画形成された環状溝とからなる大径 の口部を備えた射出成形によるプリ フォームを、 上記内周壁の下 側から胴部が高温状態にある う ち、 該胴部を冷却固化 した上記口 部を保持して、 上記外周壁と同一面に延伸ブローしてなるこ と を 特徴とする請求の範囲第 1項記載の射出延伸ブロー成形によ るぺ ィ ン ト容器等の広口容器。

3 . 上記プリ フォームは、 上記内周壁に連なる胴部を厚肉の偏平 な円錐形状の延伸膨張部と、 その延伸膨張部の頂部を外方へ突出 して形成したプリ フォーム中央の所要内径の窪み部と から形成 し、 その窪み部の底面をほぼ平で薄肉に形成する と と もに、 窪み部周 囲の延伸膨張部を内方へ弯曲形成したものからなる こ と を特徴と する請求の範囲第 2項記載の射出延伸ブロー成形によ るペイ ン ト 容器等の広口容器。

4 . 上記プリ フォームの成形時に外周壁の対称位置に取付穴を形 成し、 その取付穴に可撓性を有する紐状の取手の両端内側に突設 した嵌合子を、 それぞれ回動自在に嵌合係止 して開口部両側にわ た り 該取手を取付けてなるこ と を特徴とする請求の範囲第 1 項記 載の射出延伸ブロー成形によ るペイ ン ト容器等の広口容器。

5 . 上記嵌合子はタブレ ツ ト状で、 先端上側に半円形の係止片を 有し、 かつ取手端部と嵌合子には下端から中央部にわたる割 り 溝 が形成され、 その割 り溝による取手端部及び嵌合子の縮小によ り 係止片と と もに嵌合子を上記取付穴に回動自在に挿入して、 該係 止片を外周壁の内側に掛け止めしてなる こ と を特徴とする請求の 範囲第 4項記載の射出延伸ブロー成形によ るペイ ン ト容器等の広 口容器。

6 . 蓋体の周側縁に掛止用の突起を突設し、 その突起を外周壁の 側面に穿設 した嵌合穴に差込んで蓋体を閉 じる こ とによ り 、 開蓋 時の反動によ る蓋体の飛出 しを防止してなる請求の範囲第 1 項記 載の射出延伸ブロー成形によるペイ ン ト容器等の広口容器。

7 . 合成樹脂によ る蓋体を上記内周壁の内面と外周壁の口端縁と の両方に嵌合でき るよ う に、 該蓋体の周縁部を外周壁の口端縁上 まで大径に形成して、 その周縁を嵌合溝に形成する一方、 外周壁 の口端縁外周に係合縁を形成し、 その係合縁と上記嵌合溝の内側 の環状溝と の二次的な嵌合によ り 、 容器の内圧によ る蓋体の口部 内面との嵌合の緩みによ る 自然開蓋を阻止した構造からなる請求 の範囲第 1 項記載の射出延伸ブロー成形によ るペイ ン ト容器等の 広□容器。

8 . 上記蓋体の口部内面との嵌合の緩みによ り 漏出 したガスを排 出 してペイ ン ト容器内を低減して、 口部内面との嵌合による密閉 を復元する通気孔を上記外周壁に穿設してなる請求の範囲第 7項 記載の射出延伸ブロー成形によるペイ ン ト容器等の広口容器。