WO1999061358A1 - Dispositif d'alimentation de materiau vierge pourvu d'une fonction de correction de direction - Google Patents

Description

明 細 書 方向修正機能を有した素材送り装置 技術分野

本発明は、 印刷用紙等のシー ト状素材を所定方向へ送る素材送り 装置に関する。 特に本発明は、 素材送り方向を修正する方向修正機 能を有した素材送り装置に関する。 背景技術

シー ト状素材を所定方向へ送る素材送り装置は、 例えばオンライ ン端末機器ゃヮ一 ドプロセッサ等の出力装置であるプリ ンタで使用 されている。 プリ ンタ用の素材送り装置では、 被印刷素材上の正確 な位置への印刷を可能にするために、 投入された被印刷素材の送り 方向を修正する方向修正機能を有したものが知られている。

例えば銀行における通帳や伝票印刷用のプリ ンタ （以下、 単に通 帳プリ ン夕 と称する） 等の産業用プリ ンタでは、 厚みの異なる様々 な被印刷素材に順次又は連続的に印刷を実施する場合がある。 特に 、 通帳等のノー ト状の素材を送る際には、 印刷すべき開き頁によつ ては素材の綴じ目に関し左右で異なる厚みの素材部分が生じ、 その ような異なる厚みの素材部分を連続して送る際に、 素材の斜行が生 じ易く なる。 したがってこう した場合に対処すべく、 素材送り装置 には、 厚みの異なる様々な被印刷素材を印刷領域に正確かつ安定的 に送る方向修正機能が要求される。

方向修正機能を有した従来の素材送り装置として、 米国特許第 4 , 248， 151号 （Rea l ) は、 ィ ンパク トプリ ン夕の印刷用紙ガイ ドとし て使用できるテープガイ ド装置を開示する。 このテープガイ ド装置 は、 移動するテープの縁をガイ ド基準面に当接させつつテープを所 定方向へ送るものであり、 基準面に対して傾斜配置されるとともに 互いに平行に配置された一対の口一ラを備える。 移動するテープは 、 それらローラの間に形成された二ップにクランプないし挟持され また、 プリ ンタの素材送り装置における従来の素材クランプ装置 と して、 特開平 4 — 2 2 6 5 7号公報 UP4-22657)は、 通帳や伝票 等の素材の先端揃え機能を有した素材クランプ装置を開示する。 こ の素材クラ ンプ装置は、 角形ローラ及び角形ローラに向けて付勢さ れるボールからなるクラ ンプ部と、 クランプ部の素材送り方向後方 に配置される引込可能なシャ ッ タからなる先端揃え部とを備える。 素材は角形ローラの回転により送られ、 シャ ツ夕に突き当てられる とともに、 角形ローラの周囲角部とボールとの間にクラ ンプないし 挟持される。 角形ローラがさ らに回転すると、 角形ローラの周囲平 面部はボールに接触しないので、 その状態で素材は他の搬送ローラ によりプリ ン夕の印刷領域に搬送される。

上記した従来の素材送り装置はいずれも、 厚みの異なる様々な素 材を所定方向へ正確かつ安定的に送るこ とが困難であると思われる 。 特に、 薄い素材に対しては、 素材を挟持するように作用するロー ラ対又は角形ローラ/ボールが、 素材をガイ ド基準面や先端揃えシ ャ ッ 夕に突き当てたときに、 素材を曲げてしまい、 正確に送るこ と が困難となるばかりか、 素材に皺や折り目を生じさせてしまう場合 がある。

しかも、 JP4- 22657 に開示された角形ローラは、 回転ソ レノイ ド により所望角度ずつ回転するように構成されるので、 Rea lに記載さ れた素材送り装置の一対のローラのように、 素材を連続的に送りな がら素材の送り方向を修正するこ とはできないものと解される。 したがって、 素材の厚みに関わらず、 素材を所定方向へ正確かつ 安定的に送るこ とができる方向修正機能を有した素材送り装置の開 発が所望されている。 このような素材送り装置は、 印刷時の騒音が 少なく機体の小型化が容易であるこ とから様々な分野で普及しつつ あるイ ンクジ ッ トプリ ンタにおいても、 要求されている。

ところで前述したように、 通帳プリ ンタ等の産業用プリ ンタでは 、 ノー ト状の被印刷素材に印刷を実施する際に、 被印刷素材の開き 頁によっては素材の綴じ目に関し左右で異なる厚みの素材部分が生 じる場合がある。 こ う した場合に、 例えば通帳プリ ンタとして従来 一般に採用されている ドッ トイ ンパク トプリ ンタでは、 印刷時に印 刷へッ ドと被印刷素材の印刷面との間の距離を一定に保つこ とが要 求されるので、 このような異なる厚みの素材部分に連続して印刷を 実施する際に、 厚みの差に対応して印刷へッ ドの高さを逐次変動さ せていた。 その結果、 従来の通帳プリ ン夕は、 印刷へッ ドの駆動構 造が複雑になるとともに、 通帳を投入してから印刷を経て排出され るまでに比較的長い時間を要する傾向があった。 発明の開示

本発明の目的は、 厚みの異なる様々な素材を所定方向へ正確かつ 安定的に送るこ とができる方向修正機能を有した素材送り装置を提 供するこ とにある。

本発明のもう 1 つの目的は、 産業用プリ ンタ、 特に通帳プリ ン夕 の被印刷素材送り装置に適用できる高性能の方向修正機能を有した 素材送り装置を提供するこ とにある。

本発明の他の目的は、 そのような素材送り装置を備えたイ ンクジ エ ツ トプリ ンタを提供するこ とにある。

本発明のさ らに他の目的は、 ノー ト状の被印刷素材に印刷を実施 するプリ ンタにおいて、 異なる厚みの素材部分に連続して印刷を実 施する際にも、 印刷ヘッ ドの高さを変動させる必要がなく、 印刷に 要する時間を短縮できる素材送り装置を提供するこ とにある。

上記目的を達成するために、 本発明は、 ベースと、 ベース上に形 成される素材通路と、 素材通路上に設けられ、 素材案内面を有する 少なく とも 1 つのガイ ド部材と、 素材通路上に設置される方向修正 ローラ組体であって、 ガイ ド部材の素材案内面に対し傾斜した共通 の回転軸を有して一体回転する一対の角形ローラ と、 一対の角形口 —ラに対向して配置され、 それら角形ローラに近接した作用位置に 弾性的に支持されるとともに、 作用位置で、 それら角形ローラの各 々 との間に、 素材を挿入可能な隙間を形成する自由転動可能なボー ルとを備えた方向修正ローラ組体と、 一対の角形ローラを回転駆動 する駆動機構と、 方向修正ローラ組体の素材送り方向下流側に設置 され、 素材通路に沿って素材を搬送する搬送ローラ機構とを具備す る素材送り装置を提供する。

好適な実施形態では、 方向修正ローラ組体は、 ボールが作用位置 にあるときに、 一対の角形ローラの周囲角部がボールに対向する回 転角度位置で、 一対の角形ローラ とボールとの間に最小の隙間を形 成するように構成される。

また、 素材通路は、 ベースの上方に固定的に配置される第 1 支持 板と、 第 1 支持板に対向してベース上に弾性的に支持される第 2支 持板との間に形成されるこ とが好ま しい。

この構成では、 第 1 支持板及び第 2支持板がそれぞれ、 互いに対 向して素材を摺動可能に挟持する上方支持面及び下方支持面を有し 、 下方支持面が素材を上方支持面に弾性的に押付けるように作用す るこ とが有利である。

ガイ ド部材は、 素材案内面を素材送り方向に平行に配置して素材 通路上に固定的に突設される第 1 ガイ ド部材と、 方向修正ローラ組 体の素材送り方向下流側で素材通路上に引込可能に突設される第 2 ガイ ド部材とからなるこ とが有利である。

また、 素材通路上での素材の位置を検出する検出手段をさ らに具 備するこ とができる。

また、 作用位置に弾性的に支持されたボールを一対の角形口一ラ から離れる方向へ移動させる作動機構をさ らに具備するこ とができ 駆動機構が搬送ローラ機構と連動して一対の角形ローラを回転駆 動するこ とが好ま しい。

搬送ローラ機構が、 少なく とも 1 つの搬送ローラ組体を備え、 搬 送ローラ組体が、 静止軸の周りを回転する駆動ローラと、 駆動ロー ラに接近する方向へ付勢され、 可動軸の周りを回転する複数の従動 ローラ とを備える構成とするこ とができる。

また、 複数の従動ローラを同時に駆動ローラから離れる方向へ移 動させる作動機構をさ らに具備するこ とができる。

さ らに、 駆動ローラが素材通路に関し上側に配置され、 複数の従 動ローラが、 素材通路に関し下側に配置されて駆動ローラに接近す る方向へ個別に弾性的に付勢されるこ とが有利である。

さ らに本発明は、 機体フ レームと、 イ ンク液滴を噴射する複数の ノズル及びそれらノズルが開口する少なく とも 1 つのノズル面を備 えて、 機体フ レーム内で所定方向へ往復移動可能に設置される印刷 へッ ドと、 印刷へッ ドにイ ンクを供給するイ ンク供給手段と、 機体 フ レーム内で印刷へッ ドに対向する印刷領域に被印刷素材を送給す る素材送り装置とを具備し、 素材送り装置が、 機体フ レーム内に設 置されるベースと、 ベース上に形成される素材通路と、 素材通路上 に設けられ、 素材案内面を有する少なく とも 1 つのガイ ド部材と、 素材通路上に設置される方向修正ローラ組体であって、 ガイ ド部材 の素材案内面に対し傾斜した共通の回転軸を有する一対の角形ロ ー ラ と、 一対の角形ローラに対向して配置され、 それら角形ローラに 近接した作用位置に弾性的に支持されるとともに、 作用位置で、 そ れら角形ローラの各々 との間に、 被印刷素材を挿入可能な隙間を形 成する自由転動可能なボールとを備えた方向修正ローラ組体と、 一 対の角形ローラを回転駆動する駆動機構と、 方向修正ローラ組体の 素材送り方向下流側に設置され、 素材通路に沿って被印刷素材を印 刷領域に搬送する搬送ローラ機構とを具備して構成されるイ ンクジ エ ツ トプリ ンタを提供する。

好適な実施形態では、 素材送り装置の方向修正ローラ組体は、 ボ ールが作用位置にあるときに、 一対の角形ローラの周囲角部がボー ルに対向する回転角度位置で、 一対の角形ローラ とボールとの間に 最小の隙間を形成するように構成される。

また、 素材送り装置のガイ ド部材は、 素材案内面を素材送り方向 に平行に配置して素材通路上に固定的に突設される第 1 ガイ ド部材 と、 方向修正ローラ組体の素材送り方向下流側で素材通路上に引込 可能に突設される第 2 ガイ ド部材とからなるこ とが好ま しい。

素材送り装置の搬送ローラ機構は、 印刷領域の素材送り方向両側 に配置される一対の搬送ローラ組体を備え、 それら搬送ローラ組体 の各々が、 静止軸の周りを回転する駆動ローラと、 駆動ローラに接 近する方向へ付勢され、 可動軸の周りを回転する複数の従動ローラ とを備え、 第 2ガイ ド部材が、 素材送り方向上流側の搬送ローラ組 体と印刷領域との間に引込可能に突設されるこ とが有利である。

さ らに本発明は、 通帳プリ ンタ として使用される上記イ ンクジェ ッ トプリ ンタであって、 駆動ローラが素材通路に関し上側に配置さ れ、 複数の従動ローラが、 素材通路に関し下側に配置されて駆動口 —ラに接近する方向へ個別に弾性的に付勢されるィ ンクジエ ツ トプ リ ンタを提供する。

さ らに本発明は、 通帳プリ ン夕として使用される上記イ ンクジェ ッ トプリ ン夕であって、 素材送り装置の素材通路が、 ベースの上方 に固定的に配置される第 1 支持板と、 第 1 支持板に対向してベース 上に弾性的に支持される第 2支持板との間に形成されるイ ンクジェ ッ トプリ ンタを提供する。

この場合、 第 1 支持板及び第 2支持板がそれぞれ、 互いに対向し て素材を摺動可能に挟持する上方支持面及び下方支持面を有し、 下 方支持面が素材を上方支持面に弾性的に押付けるように作用するこ とが有利である。

さ らに本発明は、 ベースと、 ベースの上方に固定的に配置される 第 1 支持板と、 第 1 支持板に対向してベース上に弾性的に支持され 、 第 1 支持板との間に素材通路を形成する第 2支持板と、 素材通路 に設置され、 素材通路に沿って素材を搬送する搬送ローラ機構とを 具備し、 第 1 支持板及び第 2支持板がそれぞれ、 互いに対向して素 材を摺動可能に挟持する上方支持面及び下方支持面を有し、 下方支 持面が素材を上方支持面に弾性的に押付けるように作用し、 搬送口 ーラ機構が、 素材通路に関し上側に配置されて静止軸の周りを回転 する駆動ローラと、 素材通路に関し下側に配置されて可動軸の周り を回転し、 駆動ローラに接近する方向へ個別に弾性的に付勢される 複数の従動ローラ とを備える素材送り装置を提供する。

さ らに本発明は、 上記素材送り装置を備えたイ ンクジ ッ トプリ ン夕を提供する。 図面の簡単な説明

本発明の上記並びに他の目的、 特徴及び利点を、 添付図面に示す 実施形態に基づいて説明する。 同添付図面において、 図 1 は、 本発明の一実施形態による素材送り装置を備えたィンク ジェッ トプリ ンタの主構成要素を一部透視図で示す概略斜視図、 図 2は、 図 1 のイ ンクジエツ トプリ ン夕の印刷へッ ドの概略斜視 図、

図 3は、 本発明の一実施形態による素材送り装置の外観構成を示 す概略斜視図、

図 4は、 図 3の素材送り装置の概略平面図、

図 5 Aは、 図 4 の線 V - Vに沿った素材送り装置の概略断面図、 図 5 Bは、 図 3の素材送り装置におけるボール作動機構の概略平 面図、

図 6 Aは、 図 3の素材送り装置における方向修正ローラ組体の拡 大正面図、

図 6 Bは、 図 3の素材送り装置における方向修正ローラ組体の部 分断面拡大側面図で、 第 1 及び第 2支持板を省略して示す図、

図 6 Cは、 図 3の素材送り装置における方向修正ローラ組体の部 分断面拡大側面図で、 図 6 Bとは異なる状態を示す図、

図 7 Aは、 図 6 Cに対応する図で、 薄い素材に対する方向修正口 ーラ組体の作用を説明する図、

図 7 Bは、 図 6 Cに対応する図で、 厚い素材に対する方向修正口 ーラ組体の作用を説明する図、

図 8は、 図 3の素材送り装置における各種作動機構を示す概略斜 視図、

図 9 Aは、 図 3の素材送り装置におけるローラ作動機構の概略正 面図、

図 9 Bは、 図 3の素材送り装置におけるローラ作動機構の概略平 面図、 図 1 0 は、 図 4の線 X - Xに沿った素材送り装置の概略断面図で 、 印刷ヘッ ド及び被印刷素材と共に示す図、

図 1 1 Aは、 図 3の素材送り装置におけるシャ ツタ作動機構の概 略正面図、

図 1 1 Bは、 図 3の素材送り装置におけるシャ ツ夕作動機構の概 略平面図、 及び

図 1 2は、 図 3の素材送り装置における各種作動機構の動作タイ ミ ングを示す図である。 発明を実施するための最良の形態

図面を参照すると、 図 1 は本発明の一実施形態によるイ ンクジェ ッ トプリ ンタ 1 0の主構成要素を一部透視図で示す概略斜視図、 図 2 はイ ンクジヱ ッ トプリ ンタ 1 0の印刷へッ ド組体 1 2 (以下、 単 に印刷へッ ド 1 2 と称する） の概略斜視図である。 図 3 は本発明の 一実施形態による素材送り装置 1 4 の外観構成を示す概略斜視図、 図 4 は素材送り装置 1 4 の概略平面図、 図 5 Aは素材送り装置 1 4 の概略断面図である。 なお、 本発明に係る素材送り装置は、 イ ンク ジェ ッ トプリ ンタ以外の様々なプリ ン夕、 及びシー ト状素材を取扱 う他の様々な装置に適用できる ものである。

図 1 を参照すると、 イ ンクジェ ッ トプリ ンタ 1 0 は、 開閉可能な ハウジング 1 6及び図示しない機台からなる機体フ レーム 1 8 と、 機体フ レーム 1 8内で所定方向 （通常はプリ ンタ設置基準面に関し て水平方向） へ往復移動可能に設置される印刷ヘッ ド 1 2 と、 印刷 へッ ド 1 2にイ ンクを供給するィ ンク供給手段 2 0 と、 機体フレー ム 1 8 内で印刷へッ ド 1 2に対向する印刷領域 Pに被印刷素材 M ( 図 5 A参照） を送給する素材送り装置 1 4 と、 機体フ レーム 1 8内 で印刷へッ ド 1 2の往復移動範囲の両端領域に分散的に設置される 複数の機能ステーショ ンを有したメ ンテナンス手段 2 2 とを備える o

印刷ヘッ ド 1 2はキャ リ ッ ジ 2 4 に固定され、 キャ リ ッジ 2 4 は 、 機体フ レーム 1 8内で上記水平方向へ延設されたガイ ドバ一 2 6 に軸方向摺動可能に担持される。 印刷作業に際し、 印刷へッ ド 1 2 は図示しない駆動機構により、 ガイ ドバー 2 6 に沿って同水平方向 へ往復移動される。

図 2に概略で示すように、 印刷ヘッ ド 1 2 は、 イ ンク液滴を噴射 する複数のノズル 2 8 と、 それらノズル 2 8が開口するノズル面 3 0 と、 それらノズル 2 8からイ ンク液滴を噴射させる圧電素子から なるァクチユエ一タ 3 2 とを備える。 図示実施形態では、 印刷へッ ド 1 2 は 3個の独立したサブへッ ド 3 6 を備え、 それらサブへッ ド 3 6 のそれぞれに複数のノズル 2 8、 ノ ズル面 3 0及びァクチユエ 一夕 3 2が設けられる。 印刷へッ ド 1 2の 3個のサブへッ ド 3 6 と イ ンク供給手段 2 0 との間には、 イ ンク供給路内のイ ンクに生じた 圧力変動を減衰して、 各ノズル 2 8内に侵入したイ ンクのメニスカ スを安定させる圧力変動減衰装置又はダンバ 3 4が設置される。 な お図 1 及び図 2 には、 ァクチユエ一夕 3 2 に駆動電圧を印加するた めのフ レキシブル回路基板 3 8が示されている。 また図 1 に示すよ うに、 通常は印刷へッ ド 1 2は、 キャ リ ッ ジ 2 4 に開閉可能に取着 されたカバ一 3 9 によつて被覆される。

ィ ンク供給手段 2 0 は、 機体フ レーム 1 8内で印刷へッ ド 1 2か ら離れた位置に設置されるイ ンク貯蔵部 4 0 と、 印刷ヘッ ド 1 2 と イ ンク貯蔵部 4 0 とを接続するイ ンク供給管路 4 2 とを備え、 印刷 作業に際して印刷ヘッ ド 1 2に、 速乾性の顔料イ ンクを供給する。 図示実施形態では、 ィ ンク供給管路 4 2 は、 印刷へッ ド 1 2の往復 動作を妨げないように、 十分な可撓性を有したチューブから形成さ れる。

また図示実施形態では、 ィ ンク供給手段 2 0 は、 3個の独立した イ ンク貯蔵部 4 0 と、 各イ ンク貯蔵部 4 0 と印刷へッ ド 1 2の各サ ブへッ ド 3 6 とを接続する 3個の独立したイ ンク供給管路 4 2 とを 備える （図 2 ) 。 したがってイ ンクジヱ ッ トプリ ンタ 1 0 はカラー プリ ンタ として使用できる。 さ らに図示実施形態では、 3個のイ ン ク貯蔵部 4 0 は、 機体フ レーム 1 8の所定位置に着脱可能に搭載さ れるカー ト リ ッ ジ式のイ ンクタ ンク 4 4 内に形成される。

メ ンテナンス手段 2 2を構成する複数の機能ステーシ ョ ンは、 印 刷へッ ド 1 2のノズル面 3 0 に開口する複数のノズル 2 8をプリ ン 夕不使用中に実質的に封鎖被覆して、 ノズル 2 8 内のイ ンクの乾燥 を防止する封鎖ステーシ ョ ン 4 6 と、 プリ ンタ不使用中に印刷へッ ド 1 2のノズル 2 8内で増粘したィ ンクをノ ズル 2 8から吐出させ る吐出ステーショ ン 4 8 と、 プリ ンタ不使用中に印刷へッ ド 1 2の ノ ズル 2 8 内で増粘したイ ンクを吸引除去し、 ノズル面 3 0 を洗浄 し、 かつノズル面 3 0を拭く浄化ステーシ ョ ン 5 0 とを含んで備え る。 図示実施形態では、 封鎖ステーショ ン 4 6 と吐出ステーショ ン 4 8 とが印刷へッ ドの往復移動範囲の一端 （図で右端） 領域に設置 され、 浄化ステーシ ヨ ン 5 0 が印刷へッ ドの往復移動範囲の他端 （ 図で左端） 領域に設置される。

このよ う な各種機能ステージ ヨ ンの分散的配置は、 イ ンク ジエ ツ トプリ ンタ 1 0の機体フ レーム 1 8内の遊休空間を有効利用するも のである。 つま り、 一般にイ ンク ジヱ ッ トプリ ンタでは印刷ヘッ ド が所定方向へ往復移動する間に被印刷素材に印刷を行うので、 印刷 へッ ドの往復移動範囲は印刷へッ ドに対向する素材送り装置の寸法 より も広い範囲に設定される。 その結果、 素材送り装置の周辺に必 然的に遊休空間が形成される。 イ ンク ジェ ッ トプリ ンタ 1 0では、 多機能的なメ ンテナンスシステムを実現する上記した各種機能ステ ーシ ヨ ンを、 そのような遊休空間に分散的に配置するこ とにより、 機体寸法の拡大を効果的に防止しているのである。 また、 多機能的 なメ ンテナンスシステムを有したイ ン ク ジエ ツ トプリ ンタ 1 0 は、 速乾性の顔料ィ ンクを安全に用いるこ とができ、 したがって例えば 通帳プリ ンタ等の産業用プリ ン夕として好適に利用するこ とができ る。

印刷へッ ド 1 2の往復移動範囲の下方に設置される本発明の一実 施形態による素材送り装置 1 4 は、 図 3 〜図 5 Aに示すように、 機 体フ レーム 1 8内に固定的に設置される中空箱状のベース 5 2 と、 ベース 5 2上に形成される素材通路 5 4 と、 素材通路 5 4上に設け られ、 素材案内面 5 6 a、 5 8 aを有するガイ ド部材 5 6、 5 8 と 、 素材通路 5 4上に設置され、 素材通路 5 4 に挿入された被印刷素 材 Mをガイ ド部材 5 6、 5 8 に向けて断続的に送るこ とにより被印 刷素材 Mの送り方向を修正する方向修正ローラ組体 6 0 と、 方向修 正ローラ組体 6 0 の素材送り方向下流側に設置され、 被印刷素材 M を挟持してイ ンクジエ ツ トプリ ン夕 1 0 の印刷領域 Pに搬送すると と もに印刷領域 Pから排出する搬送ローラ機構 6 2 とを備える。 なお、 本実施形態で使用可能な被印刷素材 Mは、 素材通路 5 4へ の挿入方向に関して被印刷面の少なく とも前縁と左縁とが互いに略 直交する形状を有するこ とを前提とする。

素材通路 5 4 は、 ベース 5 2の上方に固定的に配置される第 1 支 持板 6 4 と、 第 1 支持板 6 4 の下方で複数の担持ばね 6 6を介して ベース 5 2上に弾性的に支持される第 2支持板 6 8 との間に形成さ れる。 第 1 支持板 6 4 は、 例えば機体フ レーム 1 8 に固定的に連結 される。 第 1 支持板 6 4及び第 2支持板 6 8 は、 互いに対向する平 坦な支持面 6 4 a、 6 8 aを有した略矩形平面形状を有する剛性板 であり、 担持ばね 6 6の弾性的付勢下で、 両者間の素材通路 5 4に 被印刷素材 Mを摺動可能に挟持する。

第 2支持板 6 8は、 複数の担持ばね 6 6 の弾性支持により、 第 1 支持板 6 4の下方で浮動でき、 したがって支持面 6 4 aに対する支 持面 6 8 aの角度を変更できる。 その結果、 第 1 及び第 2支持板 6 4、 6 8は、 通帳や伝票等の厚みの異なる様々な被印刷素材 Mを、 素材通路 5 4の間隔を適宜変更しつつ摺動可能に挟持できる。 また 、 通帳等のノー ト状の被印刷素材 Mを所望の頁で開いた状態で、 被 印刷素材 Mの綴じ目に関し左右で異なる厚みの素材部分を、 全体に 略均一な圧力の下で挟持できる。 このとき被印刷素材 Mの上面すな わち被印刷面は、 第 1支持板 6 4の支持面 6 4 aによって機体フ レ ーム 1 8上で一定の高さに保持されるので、 印刷へッ ド 1 2のノズ ル面 3 0 と被印刷素材 Mの被印刷面との間の距離が、 被印刷素材 M の厚みの変動に関わらず常に一定に保持されることになる。

ガイ ド部材 5 6、 5 8は、 素材案内面 5 6 aを素材送り方向 （図 4、 矢印 A ) に平行に配置して、 素材通路 5 4上に固定的に突設さ れる第 1 ガイ ド部材 5 6 と、 方向修正ローラ組体 6 0の素材送り方 向下流側で素材通路 5 4上に引込可能に突設される第 2ガイ ド部材 5 8 とからなる。 第 1 ガイ ド部材 5 6は、 第 1支持板 6 4 の対向縁 部から第 2支持板 6 8に向かって立設された一対の壁 6 4 bの一方 によって構成される。 第 2支持板 6 8は、 ベース 5 2上で浮動する 際に、 常にそれら一対の壁 6 4 bの間に配置される。 第 2ガイ ド部 材 5 8は、 第 1 ガイ ド部材 5 6の素材案内面 5 6 aに略直交する素 材案内面 5 8 aを各々に有して、 搬送ローラ機構 6 2に近接して配 置される複数のシャ ツ夕 7 0から構成される。 それらシャ ツ夕 7 0 は、 後述するように第 2支持板 6 8の下方で一体に連結されて、 様 歯状プレー ト 7 2 (図 8参照） を構成する。 なお、 第 2支持板 6 8 は、 素材通路 5 4の素材挿入口 5 4 a側の 先端に、 櫛歯状の延長部 6 8 bを有する。 延長部 6 8 bは、 ベース 5 2 に固定された同様に櫛歯状の棚部材 7 4 に非接触に組合わされ て、 被印刷素材 Mを載せる台を構成する。

素材通路 5 4 には、 素材通路 5 4上にある被印刷素材 Mの位置を 検出する複数のセンサ 5 5 a〜 5 5 cが設置される。 素材通路 5 4 の素材揷入口 5 4 aの近傍に配置される入口センサ 5 5 aは、 素材 通路 5 4 に被印刷素材 Mが挿入されたこ とを検出する。 搬送ローラ 機構 6 2の素材送り方向上流側で第 1 ガイ ド部材 5 6の素材案内面 5 6 aの近傍に配置される第 1 ガイ ドセンサ 5 5 bは、 方向修正口 一ラ組体 6 0を通過した被印刷素材 Mが素材案内面 5 6 aに当接さ れたこ とを検出する。 第 1 ガイ ドセンサ 5 5 bの素材送り方向下流 側で第 2 ガイ ド部材 5 8の複数の素材案内面 5 8 aの近傍に配置さ れる複数の第 2ガイ ドセンサ 5 5 cは、 方向修正ローラ組体 6 0を 通過した被印刷素材 Mが複数の素材案内面 5 8 aに当接されたこ と を検出する。 これらのセンサ 5 5 a〜 5 5 cは、 周知の近接センサ 、 光電センサ等から形成できる。

方向修正ローラ組体 6 0 は、 第 1 及び第 2 ガイ ド部材 5 6、 5 8 の素材案内面 5 6 a、 5 8 aに対し傾斜した共通の回転軸 7 6 aを 有して一体回転する一対の角形ローラ 7 6 と、 一対の角形ローラ 7 6 に対向、 近接して配置される自由転動可能なボール 7 8 とから構 成される。 一対の角形ローラ 7 6 は第 1 支持板 6 4の上面側に配置 され、 ボール 7 8 は第 2支持板 6 8 の下面側に配置される。 第 1 支 持板 6 4及び第 2支持板 6 8 には、 それぞれ一対の角形口一ラ 7 6 及びボール 7 8 に対応する位置に、 開口部 6 4 c、 6 8 cが形成さ れ （図 6 A参照） 、 それら開口部 6 4 c、 6 8 cを通して、 一対の 角形ローラ 7 6 とボール 7 8 とが互いに接近できるようになつてい る o

一対の角形ローラ 7 6は、 図 6 A〜図 6 Cに示すように、 角を丸 めた三角柱状のローラ基体 8 0の外周面に、 互いに軸方向へ離間し て周方向へ形成された一対の溝 8 0 a内に、 それぞれ一対の 0リ ン グ 8 2を嵌入することによって構成される。 ローラ基体 8 0は、 回 転軸 7 6 aを有するシャフ ト 8 4の一端に同軸状に固定される。 シ ャフ ト 8 4は、 機体フ レーム 1 8等の静止部分に固定的に連結され た軸受部材 8 6 (図 4 ) により、 第 1支持板 6 4の上方で回転可能 に、 かつ第 1 支持板 6 4に略平行に支持される。

再び図 3〜図 5 Aを参照すると、 シャフ ト 8 4の他端には、 かさ 歯車 8 8が固定される。 かさ歯車 8 8は、 対を成す第 2のかさ歯車 9 0に嚙合し、 第 2のかさ歯車 9 0は、 第 1支持板 6 4の上方に回 転可能に支持される第 2のシャフ ト 9 2の一端に固定される。 第 2 のシャフ ト 9 2は、 シャフ ト 8 4 に対し傾斜して、 かつ第 1支持板 6 4及び好ましく は第 2ガイ ド部材 5 8の素材案内面 5 8 aに平行 に延びる。 第 2のシャフ ト 9 2の他端には、 一対の角形ローラ 7 6 の駆動機構の一部を構成する歯車 9 4が固定される。

ボール 7 8は、 ボール台座 9 6 に自由転動可能に支持される。 図 5 A及び図 5 Bに示すように、 ボール台座 9 6は、 第 2支持板 6 8 の下方に配置された第 1 の揺動アーム 9 8の自由端 9 8 aに固定的 に設置される。 第 1 の揺動アーム 9 8 は、 ベース 5 2の内部に配置 され、 その他端で、 ベース 5 2に連結された支軸 1 0 0に揺動可能 に支持される。 また揺動アーム 9 8は、 その長手方向略中央で、 吊 設ばね 1 0 2を介してベース 5 2の上板 5 2 aに弾性的に連結され る。 吊設ばね 1 0 2は、 摇動アーム 9 8及びボール台座 9 6を介し て、 ボール 7 8を一対の角形ローラ 7 6に接近する方向へ弾性的に 付勢する。 ボール 7 8は、 ローラ基体 8 0に最も近い外周面上の 1 点が、 一対の角形口一ラ 7 6から等距離に配置されるように、 揺動 アーム 9 8上で位置決めされる。

さ らに揺動アーム 9 8 は、 自由端 9 8 a と吊設ばね 1 0 2 との間 の位置で、 ボール作動カム 1 0 4 に係合する。 ボール作動カム 1 0 4 は、 ベース 5 2に回転可能に支持されたカム駆動軸 1 0 6 に固定 される。 ボール作動カム 1 0 4 は、 外周カム面 1 0 4 aを摇動ァ一 厶 9 8 の上面に当接した状態でカム駆動軸 1 0 6 により回転し、 そ れに伴い、 揺動アーム 9 8 を吊設ばね 1 0 2の付勢に抗して支軸 1 0 0 を中心に揺動させる。

ボール作動力ム 1 0 4が回転してその力ム面 1 0 4 aの最小半径 部分が揺動アーム 9 8 に当接されると、 ボール 7 8 は、 吊設ばね 1 0 2の弾性的付勢下で、 一対の角形ローラ 7 6 に最も接近した作用 位置に置かれる。 このときボール 7 8 は、 第 2支持板 6 8の開口部 6 8 cから一部分を素材通路 5 4内に突出させる。 ボール 7 8がこ の作用位置にあるときに、 図 6 A及び図 6 Bに示すように、 一対の 角形ローラ 7 6が、 それぞれの周囲平坦部すなわち各 0 リ ング 8 2 の直線部分をボール 7 8 に対向させる回転角度に置かれると、 一対 の角形ローラ 7 6 とボール 7 8 との間に十分な隙間 G , が形成され る。 この隙間 は、 予定される最大厚みの被印刷素材 Mが、 一対 の角形ローラ 7 6 とボール 7 8 との間を自由に通り抜けるこ とを許 容する ものである。

また図 6 Cに示すように、 ボール 7 8が作用位置にあるときに、 一対の角形ローラ 7 6が、 それぞれの周囲角部すなわち各 0 リ ング 8 2の湾曲部分をボール 7 8 に対向させる回転角度に置かれると、 一対の角形ローラ 7 6 とボール 7 8 との間に最小の隙間 G ₂ が形成 され、 それら角形ローラ 7 6の間にボール 7 8の一部分が進入する 。 この隙間 G ₂ は、 比較的厚みの小さな被印刷素材 M (例えば伝票 ) 、 或いは腰の弱い被印刷素材 Mが、 一対の角形ローラ Ί 6 とボー ル 7 8 との間でクラ ンプされるこ となく ボール外周面に馴染むよう に撓曲された伏態 （図 7 A参照） で、 それら一対の角形ローラ 7 6 とボール 7 8 との間を通るこ とを許容するものである。 他方、 比較 的厚みの大きな被印刷素材 M (例えば通帳） 、 或いは腰の強い被印 刷素材 Mを一対の角形口一ラ 7 6 とボール 7 8 との間に挿入すると 、 被印刷素材 Mの腰の強さにより、 吊設ばね 1 0 2の付勢に杭して ボール 7 8が下方へ僅かに押しやられる （図 7 B参照） 。 その結果 、 一対の角形口一ラ 7 6 とボール 7 8 とが、 吊設ばね 1 0 2の弾性 的付勢下で被印刷素材 Mを実質的にクランプするこ とになる。

さ らに、 ボール作動カム 1 0 4が回転してそのカム面 1 0 4 aの 最大半径部分が揺動アーム 9 8 に当接されると、 ボール 7 8 は、 吊 設ばね 1 0 2の弾性的付勢下で、 一対の角形ローラ 7 6から離隔し た非作用位置に置かれる。 この状態では、 一対の角形ローラ 7 6が 、 それぞれの 0 リ ング 8 2の湾曲部分がボール 7 8 に対向する回転 角度に置かれたときにも、 一対の角形ローラ Ί 6 とボール 7 8 との 間に、 予定される最大厚みの被印刷素材 Mの自由な通過を許容する 十分な隙間が形成される。

上記した方向修正ローラ組体 6 0の特徴的作用を実現するために 、 一対の角形ローラ 7 6 は上記した三角形状に限定されず、 他の様 々な多角形状を採用できるこ とは理解されよう。 いずれの形状でも 、 ボール 7 8が作用位置にあるときに、 一対の角形ローラ 7 6の周 囲角部がボール 7 8 に対向する回転角度位置で、 一対の角形ローラ 7 6 とボール 7 8 との間に最小の隙間 G ₂ が形成されることが肝要 である。

搬送ローラ機構 6 2は、 素材送り方向へ互いに離間して配置され た 2つの搬送ローラ組体 1 0 8 A、 1 0 8 Bを備える。 各搬送ロー ラ組体 1 0 8 A、 1 0 8 Bは、 素材送り方向に直交する方向へ延び る静止回転軸 1 1 O aの周りを回転する駆動ローラ 1 1 0 と、 駆動 ローラ 1 1 0に接触する方向に個別に付勢され、 それぞれが静止回 転軸 1 1 0 aに平行な可動回転軸 1 1 2 aの周りを独立して回転す る複数の従動ローラ 1 1 2 とを備える。 各駆動ローラ 1 1 0は第 1 支持板 6 4の上面側に配置され、 各従動ローラ 1 1 2は第 2支持板 6 8の下面側に配置される。 第 1支持板 6 4及び第 2支持板 6 8に は、 それぞれ各駆動ローラ 1 1 0及び各従動ローラ 1 1 2に対応す る位置に、 開口部 6 4 d、 6 8 dが形成され （図 4参照） 、 それら 開口部 6 4 d、 6 8 dを通して、 各駆動ローラ 1 1 0 と各従動ロー ラ 1 1 2 とが互いに接触できるようになっている。

各駆動口一ラ 1 1 0は、 静止回転軸 1 1 0 aを有するシャフ ト 1 1 4 に固定される。 図示実施形態では、 各駆動ローラ 1 1 0は軸方 向へ複数部分に分割されている。 各シャフ ト 1 1 4は、 第 1 ガイ ド 部材 5 6の素材案内面 5 6 aに直交して延び、 第 1支持板 6 4の上 方で回転可能に、 かつ第 1支持板 6 4に略平行に支持される。 各駆 動ローラ 1 1 0から軸方向へ延出する各シャフ ト 1 1 4の一端には 、 同一外径を有するプーリ 1 1 6がそれぞれ固定される。 両プーリ 1 1 6は、 ベルト 1 1 8を介して、 電動機等の駆動源 1 2 0の出力 軸に連結される。 したがって各駆動ローラ 1 1 0は、 駆動源 1 2 0 により、 同時に同一速度で同一方向に回.転駆動される。 なお、 これ らプーリ 1 1 6及びベルト 1 1 8の代わりに、 周知のスプロケッ ト 及びチェーンゃ歯車列等の動力伝達機構を採用することもできる。 素材送り方向上流側に配置される駆動ローラ 1 1 0のシャフ ト 1 1 4には、 駆動ローラ 1 1 0 とプーリ 1 1 6 との間に、 歯車 1 2 2 が固定される。 歯車 1 2 2は、 方向修正ローラ組体 6 0の第 2のシ ャフ ト 9 2の他端に固定された歯車 9 4 に嚙合する。 その結果、 駆 動源 1 2 0の出力軸の トルクが、 ベル ト 1 1 8、 プー リ 1 1 6、 歯 車 1 2 2及び歯車 9 4 を介して、 第 2のシャフ ト 9 2 に伝達され、 さ らにかさ歯車 9 0、 8 8及びシャフ ト 8 4を介して、 一対の角形 ローラ 7 6 に伝達される。 このように、 搬送ローラ機構 6 2の駆動 ローラ 1 1 0の駆動源 1 2 0 を含む駆動機構は、 一対の角形ローラ 7 6 の駆動機構をも構成し、 搬送ローラ機構 6 2 と連動して一対の 角形ローラ 7 6を回転駆動する。

図 5、 図 8、 図 9 A及び図 9 Bに示すように、 素材送り方向上流 側に配置される搬送ローラ組体 1 0 8 Aの複数の従動ローラ 1 1 2 は、 それぞれに可動回転軸 1 1 2 aを有して、 複数のローラ台座 1 2 4 に個別に支持される。 それらローラ台座 1 2 4 は、 第 2支持板 6 8 の下方に配置された複数の第 2の揺動アーム 1 2 6 の自由端 1 2 6 aに、 個別に固定的に設置される。 それら第 2の揺動アーム 1 2 6 は、 ボール 7 8 を支持する第 1 の揺動アーム 9 8 と同様に、 ベ —ス 5 2の内部に配置され、 その他端で、 ベース 5 2 に連結された 第 2の支軸 1 2 8 に揺動可能に支持される。 また各揺動アーム 1 2 6 は、 第 1 の摇動アーム 9 8 と同様に、 その長手方向略中央で、 吊 設ばね 1 3 0 を介してベース 5 2の上板 5 2 aに弾性的に連結され る。 各吊設ばね 1 3 0 は、 揺動ァ一ム 1 2 6及びローラ台座 1 2 4 を介して、 各従動ローラ 1 1 2を駆動ローラ 1 1 0 に接触する方向 へ弾性的に付勢する。

さ らに、 第 2の摇動ァ一ム 1 2 6の各々は、 自由端 1 2 6 a と吊 設ばね 1 3 0 との間の位置で、 ローラ作動カム 1 3 2 に係合する。 各ローラ作動カム 1 3 2は、 ベース 5 2に回転可能に支持された力 厶駆動軸 1 0 6 に固定される。 複数の摇動アーム 1 2 6のそれぞれ に係合する複数のローラ作動カム 1 3 2は、 カム駆動軸 1 0 6 に同 一位相で固定される。 それらローラ作動カム 1 3 2は、 外周カム面 1 3 2 aをそれぞれの揺動アーム 1 2 6の上面に当接した状態で力 ム駆動軸 1 0 6 により同時に回転し、 それに伴い、 複数の揺動ァー ム 1 2 6を吊設ばね 1 3 0の付勢に抗して支軸 1 2 8を中心に同期 して揺動させる。

各ローラ作動カム 1 3 2が回転してその力ム面 1 3 2 aの最小半 径部分が各摇動アーム 1 2 6 に当接されると、 各従動ローラ 1 1 2 は、 吊設ばね 1 3 0の弾性的付勢下で、 駆動ローラ 1 1 0 に接触す る作用位置に置かれる。 この状態で、 素材送り方向上流側の搬送口 一ラ組体 1 0 8 Aは、 駆動ローラ 1 1 0 と複数の従動口一ラ 1 1 2 との間に、 被印刷素材 Mを複数の吊設ばね 1 3 0の互いに独立した 付勢下で挟持するこ とができる。 さ らに、 各ローラ作動カム 1 3 2 が回転してそのカム面 1 3 2 aの最大半径部分が各摇動アーム 1 2 6 に当接されると、 各従動ローラ 1 1 2は、 吊設ばね 1 3 0の弾性 的付勢下で、 駆動ローラ 1 1 0から離隔した非作用位置に置かれる 。 この状態では、 駆動ローラ 1 1 0 と複数の従動ローラ 1 1 2 との 間に、 予定される最大厚みの被印刷素材 Mが自由に通過できるだけ の十分な隙間が形成される。

他方、 素材送り方向下流側に配置される搬送ローラ組体 1 0 8 B の複数の従動ローラ 1 1 2 は、 それぞれに可動回転軸 1 1 2 aを有 して、 複数のローラ台座 1 3 4 に個別に支持される。 それらローラ 台座 1 3 4 は、 第 2支持板 6 8の下方に配置された複数の第 3の摇 動アーム 1 3 6の自由端 1 3 6 aに、 個別に固定的に設置される。 それら第 3の摇動ァ一厶 1 3 6 は、 ベース 5 2の内部で複数の第 2 の摇動アーム 1 2 6 にそれぞれ整列配置され、 その他端で、 ベース 5 2に連結された第 1 の支軸 1 0 0 に揺動可能に支持される。 また 各揺動アーム 1 3 6 は、 第 2の揺動アーム 1 2 6 と同様に、 その先 端で、 吊設ばね 1 3 8を介してべ一ス 5 2の上板 5 2 aに弾性的に 連結される。 各吊設ばね 1 3 8 は、 揺動アーム 1 3 6及びローラ台 座 1 3 4を介して、 各従動ローラ 1 1 2を駆動ローラ 1 1 0 に接触 する方向へ弾性的に付勢する。

第 3の摇動アーム 1 3 6 には、 第 2の揺動アーム 1 2 6 に係合す る口一ラ作動カム 1 3 2のような変位手段が設けられない。 したが つて、 第 3の揺動アーム 1 3 6 に担持された各従動ローラ 1 1 2は 、 常に吊設ばね 1 3 8の弾性的付勢下で、 駆動ローラ 1 1 0 に接触 する作用位置に置かれる。 その結果、 素材送り方向下流側の搬送口 一ラ組体 1 0 8 Bは、 駆動ローラ 1 1 0 と複数の従動口一ラ 1 1 2 との間に、 被印刷素材 Mを複数の吊設ばね 1 3 8 の互いに独立した 付勢下で常に挟持するこ とができる。

ここで、 イ ンクジェ ッ トプリ ンタ 1 0の印刷領域 Pは、 2つの搬 送ローラ組体 1 0 8 A、 1 0 8 Bの間に形成される。 そのために、 第 1 支持板 6 4 には、 2つの搬送ローラ組体 1 0 8 A、 1 0 8 Bの 間の領域に、 素材通路 5 4 の実質的に横断方向全長に渡って拡がる 開口部 6 4 eが形成される （図 4 ) 。 イ ンクジェ ッ トプリ ン夕 1 0 の印刷へッ ド 1 2は、 印刷領域 Pの上方でガイ ドバ一 2 6 に沿って 往復移動して、 印刷領域 Pに送り込まれた被印刷素材 M上を走査し ながら、 複数のノズル 2 8からイ ンク液滴を噴射するこ とによって 被印刷素材] V [に文字や画像を形成する。

前述したように、 素材送り装置 1 4では、 被印刷素材 Mの上面す なわち印刷面を、 第 1 支持板 6 4 の支持面 6 4 aによって均一高さ に保持する一方で、 厚みの異なる被印刷素材 Mに対しては、 第 2支 持板 6 8が担持ばね 6 6上で浮動するこ とにより、 素材通路 5 4の 底面である第 2支持板 6 8の支持面 6 8 aを変位させる構成を採用 している。

また、 例えば通帳等のノー ト状の被印刷素材 Mに印刷を実施する 際、 素材 Mの綴じ目に関し左右で異なる厚みの素材部分が生じてい る場合には、 図 1 0に搬送ローラ組体 1 0 8 Bに関して概略で示す ように、 各搬送ローラ組体 1 0 8 A、 1 0 8 Bの領域において、 複 数の従動ローラ 1 1 2が各々の吊設ばね 1 3 0、 1 3 8の弾性的付 勢下で独立して作用位置に向けて付勢されるので、 異なる厚みの素 材部分がそれぞれに位置的に対応する従動ローラ 1 1 2 と駆動ロー ラ 1 1 0 との間に確実に挟持される。 このような独立懸架式の従動 ローラ 1 1 2の作用は、 図示のように被印刷素材 Mをその綴じ目に 略平行な方向へ送る場合だけでなく、 被印刷素材 Mをその綴じ目に 略直交する方向へ送る場合にも有効に機能することは理解されよう o

このように素材送り装置 1 4では、 厚みの異なる様々な被印刷素 材 Mに順次又は連続的に印刷を実施する際や、 通帳等のノー ト状の 被印刷素材 Mの所望の開き頁に連続的に印刷を実施する際に、 被印 刷素材 Mの印刷面が常に一定の高さに維持される。 したがって、 連 続印刷中に被印刷素材 Mの厚みが変化しても、 第 1支持板 6 4に対 する印刷へッ ド 1 2の高さを変える必要がなく、 しかも所定の印刷 品質を確実に維持することができる。 その結果、 素材送り装置 1 4 によれば、 印刷へッ ド 1 2の駆動構造を簡略化でき、 また印刷品質 を低下させることなく印刷速度を向上させることができる。 なお、 このような素材送り装置 1 4の構成及び作用効果は、 印刷時に被印 刷素材 Mの下面側を固定的に支持する必要があるィンパク トプリ ン 夕では実現が困難であり、 印刷時に被印刷素材 Mの下面側を固定的 に支持する必要のないィンクジェッ トプリ ンタにおいて、 特に有効 に機能するものである。

前述した第 2ガイ ド部材 5 8を構成する複数のシャッタ 7 0は、 図 5、 図 8、 図 1 1 A及び図 1 1 Bに示すように、 第 2支持板 6 8 の下方で一体に連結されて櫛歯状プレー ト 7 2を構成する。 描歯状 プレー ト 7 2は、 素材送り方向上流側の搬送ローラ組体 A 1 0 8の 複数の従動ローラ 1 1 2の下流側に近接して配置される。

櫛歯状プレー ト 7 2は、 第 2支持板 6 8の下方に配置された揺動 フ レーム 1 4 0 の自由端 1 4 0 a に固定される。 摇動フレーム 1 4 0は、 従動ローラ 1 1 2を支持する複数の第 2の揺動アーム 1 2 6 と同様に、 ベース 5 2の内部に配置され、 その他端で、 ベース 5 2 に連結された第 2の支軸 1 2 8に揺動可能に支持される。 また揺動 フ レーム 1 4 0は、 第 2の摇動ァ一ム 1 2 6 と同様に、 描歯状プレ ー ト 7 2に略直交する長手方向部分の略中央で、 吊設ばね 1 4 2を 介してベース 5 2の上板 5 2 aに弾性的に連結される。 吊設ばね 1 4 2は、 摇動フレーム 1 4 0を介して、 櫛歯状プレー ト 7 2の複数 のシャ ツ夕 7 0を第 2支持板 6 8に接近する方向へ弾性的に付勢す さらに、 摇動フ レーム 1 4 0は、 自由端 1 4 0 a と吊設ばね 1 4 2 との間の位置で、 シャ ッ夕作動力厶 1 4 4に係合する。 シャ ツ夕 作動カム 1 4 4は、 ベース 5 2に回転可能に支持されたカム駆動軸 1 0 6 に固定される。 シャ ツタ作動カム 1 4 4は、 外周カム面 1 4 4 aを揺動フ レーム 1 4 0 に横方向へ突設した突起 1 4 6 に当接し た状態でカム駆動軸 1 0 6により回転し、 それに伴い、 揺動フ レー ム 1 4 0を吊設ばね 1 4 2の付勢に抗して支軸 1 2 8を中心に摇動 させる。

第 2支持板 6 8には、 櫛歯状プレー ト 7 2の複数のシャ ツタ 7 0 に対応する位置に、 前述した開口部 6 8 d及び他の開口部 6 8 eが 形成されている。 また第 1支持板 6 4には、 櫛歯状プレー ト 7 2の 複数のシャ ツ夕 7 0に対応する位置に、 前述した開口部 6 4 dが形 成されている。 シャ ツタ作動カム 1 4 4が回転してそのカム面 1 4 4 aの最小半 径部分が揺動フ レーム 1 4 0の突起 1 4 6 に当接されると、 櫛歯状 プレー ト 7 2の複数のシャ ツ夕 7 0 は、 吊設ばね 1 4 2の弾性的付 勢下で、 第 1 及び第 2支持板 6 4、 6 8の各開口部 6 4 d、 6 8 d 、 6 8 eを貫通し、 素材通路 5 4 に突出した伏態に置かれる。 この 状態で複数のシャ ッタ 7 0 は、 素材送り方向上流側の搬送ローラ組 体 1 0 8 Aを通過した被印刷素材 Mの送り移動を阻止するこ とによ り、 第 2ガイ ド部材 5 8 として作用する。 さ らに、 シャ ツ 夕作動力 厶 1 4 4が回転してそのカム面 1 4 4 aの最大半径部分が揺動フレ —厶 1 4 0の突起 1 4 6 に当接されると、 複数のシャ ツ 夕 7 0 は、 吊設ばね 1 4 2の弾性的付勢下で、 第 2支持板 6 8 の下方の、 素材 通路 5 4から引き込まれた非作用位置に置かれる。 この状態では、 素材通路 5 4内で被印刷素材 Mが、 素材送り方向下流側の搬送ロー ラ組体 1 0 8 Bの方向へ移動できる。

第 2支持板 6 8の下方に配置される上記した種々の作動機構は、 図 8 に概略で示すような相対位置関係に配置される。 ボール作動力 厶 1 0 4、 複数の口一ラ作動力ム 1 3 2、 及びシャ ツ 夕作動力ム 1 4 4 を固定したカム駆動軸 1 0 6 は、 ベース 5 2の外方に延長され たその一端に、 歯車 1 4 8 を固定して備える。 歯車 1 4 8 は、 歯車 列 1 5 0を介して、 電動機等の駆動源 1 5 2 に接続される。 したが つて駆動源 1 5 2の出力 トルクは、 歯車列 1 5 0、 歯車 1 4 8及び 力厶駆動軸 1 0 6を介してボール作動カム 1 0 4、 複数のローラ作 動力厶 1 3 2、 及びシャ ツ夕作動カム 1 4 4 に伝達され、 それら力 ムを同時に回転させるとともに、 各カム面 1 0 4 a、 1 3 2 a . 1 4 4 aの形状に従って、 第 1 及び第 2の揺動アーム 9 8、 1 2 6、 並びに摇動フ レーム 1 4 0 を、 図 1 2に示す所定のタイ ミ ングで揺 動させる。 なお、 カム駆動軸 1 0 6 にはさ らに、 周方向所定位置に切欠き （ 図示せず） を有したホイール 1 5 4が固定される。 ホイール 1 5 4 は、 ベース 5 2内に設置されたセンサ 1 5 6 と協働して、 ボール作 動カム 1 0 4、 複数のローラ作動カム 1 3 2、 及びシャ ツタ作動力 ム 1 4 4の動作原点位置を規定する。

上記構成を有する素材送り装置 1 4 の動作を以下に説明する。 まず、 リセッ ト操作により、 ボール作動カム 1 0 4、 複数のロー ラ作動力ム 1 3 2、 及びシャ ツ夕作動力ム 1 4 4を動作原点位置か ら所定の回転角度に置き、 方向修正ローラ組体 6 0のボール 7 8を 作用位置に、 搬送ローラ組体 1 0 8 Aの複数の従動ローラ 1 1 2を 非作用位置に、 第 2 ガイ ド部材 5 8 の複数のシャ ツ夕 7 0 を作用位 置にそれぞれ配置しておく。

そこで、 使用者が手作業で素材通路 5 4 の素材挿入口 5 4 aから 被印刷素材 Mを挿入すると、 入口センサ 5 5 aが被印刷素材 Mの揷 入を検出し、 駆動源 1 2 0を始動させる。 それにより、 方向修正口 一ラ組体 6 0 の一対の角形ローラ 7 6及び搬送ローラ機構 6 2の各 駆動ローラ 1 1 0が回転を開始する。 被印刷素材 Mを方向修正ロー ラ組体 6 0 に到達するまでは、 手作業で被印刷素材 Mを挿入する。 被印刷素材 Mが方向修正ローラ組体 6 0 の一対の角形ローラ 7 6 とボール 7 8 との間に挿入されると、 一対の角形ローラ 7 6の回転 により被印刷素材 Mがガイ ド部材 5 6、 5 8 に向けて送られる。 こ のとき、 方向修正ローラ組体 6 0 は、 一対の角形ローラ 7 6の各 0 リ ング 8 2の湾曲部分つま り最大径部分がボール 7 8 に対向する回 転角度 （図 6 C ) で、 一対の角形ローラ 7 6 とボール 7 8 との間に 被印刷素材 Mを挟持する一方、 各 0 リ ング 8 2の直線部分がボール 7 8 に対向する回転角度 （図 6 A及び図 6 B ) では、 被印刷素材 M を解放する。 したがって被印刷素材 Mは、 その厚みの大小に関わら ず、 一対の角形ローラ 7 6の連続回転により断続的な送り作用を受 け、 漸進的にガイ ド部材 5 6、 5 8 に向けて送られるこ とになる。

さ らに詳述すれば、 被印刷素材 Mが、 回転する一対の角形ローラ 7 6 に達すると、 被印刷素材 Mの前縁が第 1 ガイ ド部材 5 6へ向け て動かされる。 したがって被印刷素材 Mは、 第 1 ガイ ド部材 5 6 に 接触するまでは、 図 4で反時計方向に回転しながら前進するこ とに なる。 被印刷素材 Mの前縁と左縁との交差領域が第 1 ガイ ド部材 5 6 に接すると、 被印刷素材 Mは回転運動を規制され、 全体が第 1 ガ ィ ド部材 5 6 に向かって移動しながら前進し、 やがて左縁と第 1 ガ ィ ド部材 5 6 とが平行になり、 その状態で第 2 ガイ ド部材 5 8 に達 する。 このとき、 被印刷素材 Mが所定の素材送り方向 Aに正確に方 向付けられたこ とになり、 全ての第 1 及び第 2 ガイ ドセンサ 5 5 b 、 5 5 cが当接完了信号を発する。

こ こで、 被印刷素材 Mの挿入姿勢及び挿入位置によっては、 被印 刷素材 Mが第 2ガイ ド部材 5 8 に到達しても被印刷素材 Mの左縁が 第 1 ガイ ド部材 5 6 と平行にならない場合がある。 このときは、 第 1 及び第 2 ガイ ドセンサ 5 5 b、 5 5 cのうちの何れかが当接不完 全を検出し、 例えば角形ローラ 7 6 の逆転により、 被印刷素材 Mは 排出される。

なお、 被印刷素材 Mを正確に方向修正するためには、 第 1 ガイ ド センサ 5 5 b と第 2ガイ ドセンサ 5 5 c との少なく とも一方を複数 個設ける必要があるこ とは理解されよう。

当接不完全のときに、 第 1 及び第 2ガイ ド部材 5 6、 5 8 に被印 刷素材 Mが当接された状態で一対の角形ローラ 7 6が回転し続ける と、 両角形ローラ 7 6の最大径部分が被印刷素材 Mを第 1 及び第 2 ガイ ド部材 5 6、 5 8へ押し付けるように作用するので、 被印刷素 材 M内部に歪みが生ずる。 しかし、 一対の角形ローラ 7 6が回転す るに従い、 前述したようにローラ 7 6 と被印刷素材 Mとの接触圧力 が減少し、 被印刷素材 Mに対する摩擦駆動力が弱まるので、 被印刷 素材 Mは歪みを解放するこ とができる。 その結果、 第 1 及び第 2ガ ィ ド部材 5 6 . 5 8 に当接された被印刷素材 Mがー対の角形ローラ 7 6から駆動力を受け続けても、 被印刷素材 Mが折曲されたり皺を 生じたりするこ とは防止される。

また、 被印刷素材 Mが比較的厚みの小さなもの （例えば伝票） 、 或いは腰の弱いものである場合にも、 上記した方向修正作用を受け る間に、 方向修正ローラ組体 6 0 の断続的送り動作に際し一対の角 形ローラ 7 6 とボール 7 8 との間で被印刷素材 Mがクランプされる 瞬間があると、 被印刷素材 Mが第 1 及び第 2 ガイ ド部材 5 6、 5 8 への当接力に耐えられずに折曲されたり皺を生じたりする危惧があ る。 本発明に係る素材送り装置 1 4では、 前述したように、 一対の 角形ローラ 7 6 の各〇 リ ング 8 2の湾曲部分が、 作用位置にあるボ —ル 7 8 に対向する回転角度 （図 6 C ) で、 一対の角形口一ラ 7 6 とボール 7 8 との間に最小の隙間 G ₂ が形成されるように構成し、 被印刷素材 Mをクラ ンプするこ となく ボール外周面に馴染むように 橈曲した状態 （図 7 A ) で、 それら一対の角形ローラ 7 6 とボール 7 8 との間を通過させるようにした。 したがって、 第 1 及び第 2ガ ィ ド部材 5 6、 5 8への当接力を断続的に受ける際にも、 被印刷素 材 Mは、 一対の角形ローラ 7 6 とボール 7 8 との間で当接力に杭し て摺動できるので、 当接力に耐えられずに折曲されたり皺を生じた りするこ とが効果的に防止される。

このようにして、 被印刷素材 Mの送り方向が修正された後、 駆動 源 1 5 2が始動し、 力ム駆動軸 1 0 6 を介してボール作動カム 1 0 4、 複数の口ーラ作動カム 1 3 2、 及びシャ ツ夕作動カム 1 4 4 を 同時に回転させるとともに、 第 1 の揺動アーム 9 8、 第 2の揺動ァ ー厶 1 2 6及び揺動フレーム 1 4 0を、 図 1 2に示す所定の夕イ ミ ングで揺動させる。

図 1 2に示すように、 リセッ ト位置から、 最初に複数のローラ作 動カム 1 3 2が、 揺動アーム 1 2 6 に当接するそのカム面 1 3 2 a の半径を減少させる。 それにより、 搬送ローラ組体 1 0 8 Aの複数 の従動口一ラ 1 1 2が、 それぞれ吊設ばね 1 3 0の弾性的付勢下で 、 駆動ローラ 1 1 0 に接触する作用位置に置かれる。 次いで、 ボー ル作動カム 1 0 4が、 摇動アーム 9 8 に当接するそのカム面 1 0 4 aの半径を増加させる。 それにより、 方向修正ローラ組体 6 0のボ —ル 7 8力、 ^;、 吊設ばね 1 0 2の弾性的付勢下で、 一対の角形口一ラ 7 6から離隔した非作用位置に置かれる。 最後に、 シャ ッ夕作動力 ム 1 4 4力 、 摇動フ レーム 1 4 0 に当接するそのカム面 1 4 4 aの 半径を増加させる。 それにより、 第 2ガイ ド部材 5 8の複数のシャ ッタ 7 0が、 吊設ばね 1 4 2の弾性的付勢下で、 素材通路 5 4から 引き込まれた非作用位置に置かれる。

この状態 （カム回転角 1 8 0 ° ) で、 非印刷素材 Mは搬送ローラ 機構 6 2により印刷領域 Pに送られ、 印刷へッ ド 1 2により印刷が 行われる。 所要の印刷作業が完了すると、 駆動源 1 2 0が逆回転し て、 搬送ローラ機構 6 2 により被印刷素材 Mが印刷領域 Pから排出 される。 このとき、 シャ ツ夕 7 0及びボール 7 8 はいずれも非作用 位置にあるので、 被印刷素材 Mの排出を妨げない。

使用者が被印刷素材 Mを素材通路 5 4から取出した後、 さ らにカ ム駆動軸 1 0 6が回転し、 複数のローラ作動カム 1 3 2が、 揺動ァ —ム 1 2 6 に当接するそのカム面 1 3 2 aの半径を増加させて、 複 数の従動ローラ 1 1 2を、 それぞれ吊設ばね 1 3 0の弾性的付勢下 で、 駆動ローラ 1 1 0から離隔した非作用位置に置く。 その後、 シ ャ ッ夕 7 0及びボール 7 8がそれぞれシャ ッ夕作動カム 1 4 4及び ボール作動カム 1 0 4の回転により順次、 作用位置に移動され、 リ セッ ト位置に到達する。 産業上の利用可能性

本発明は、 厚みの異なる様々な素材を所定方向へ正確かつ安定的 に送るこ とができる方向修正機能を有した素材送り装置を提供する ものである。 本発明に係る素材送り装置は、 産業用プリ ンタ、 特に 通帳プリ ン夕の被印刷素材送り装置として、 極めて好都合に使用で き る。 さ らに本発明によれば、 そのような高性能の素材送り装置を 備えたイ ン クジェ ッ トプリ ンタが提供される。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . ベースと、

前記ベース上に形成される素材通路と、

前記素材通路上に設けられ、 素材案内面を有する少なく とも 1つ のガイ ド部材と、

前記素材通路上に設置される方向修正ローラ組体であって、 前記 ガイ ド部材の前記素材案内面に対し傾斜した共通の回転軸を有して 一体回転する一対の角形ローラと、 該一対の角形ローラに対向して 配置され、 それら角形ローラに近接した作用位置に弾性的に支持さ れるとともに、 該作用位置で、 それら角形ローラの各々 との間に、 素材を挿入可能な隙間を形成する自由転動可能なボールとを備えた 方向修正口一ラ組体と、

前記一対の角形ローラを回転駆動する駆動機構と、

前記方向修正ローラ組体の素材送り方向下流側に設置され、 前記 素材通路に沿って素材を搬送する搬送ローラ機構と、

を具備する素材送り装置。

2 . 前記方向修正ローラ組体は、 前記ボールが前記作用位置にあ るときに、 前記一対の角形ローラの周囲角部が該ボールに対向する 回転角度位置で、 該一対の角形ローラと該ボールとの間に最小の隙 間を形成するように構成される請求項 1 に記載の素材送り装置。

3 . 前記素材通路が、 前記ベースの上方に固定的に配置される第 1支持板と、 該第 1支持板に対向して前記ベース上に弾性的に支持 される第 2支持板との間に形成される請求項 1 に記載の素材送り装

4 . 前記第 1支持板及び前記第 2支持板がそれぞれ、 互いに対向 して素材を摺動可能に挟持する上方支持面及び下方支持面を有し、 該下方支持面が素材を該上方支持面に弾性的に押付けるように作用 する請求項 3に記載の素材送り装置。

5 . 前記ガイ ド部材が、 前記素材案内面を素材送り方向に平行に 配置して前記素材通路上に固定的に突設される第 1 ガイ ド部材と、 前記方向修正ローラ組体の素材送り方向下流側で前記素材通路上に 引込可能に突設される第 2ガイ ド部材とからなる請求項 1 に記載の 素材送り装置。

6 . 前記素材通路上での素材の位置を検出する検出手段をさらに 具備する請求項 1 に記載の素材送り装置。

7 . 前記作用位置に弾性的に支持された前記ボールを前記一対の 角形ローラから離れる方向へ移動させる作動機構をさらに具備する 請求項 1 に記載の素材送り装置。

8 . 前記駆動機構が前記搬送ローラ機構と連動して前記一対の角 形ローラを回転駆動する請求項 1 に記載の素材送り装置。

9 . 前記搬送ローラ機構が、 少なく とも 1つの搬送ローラ組体を 備え、 該搬送ローラ組体が、 静止軸の周りを回転する駆動ローラと 、 該駆動ローラに接近する方向へ付勢され、 可動軸の周りを回転す る複数の従動ローラとを備える請求項 1 に記載の素材送り装置。

1 0 . 前記複数の従動ローラを同時に前記駆動ローラから離れる 方向へ移動させる作動機構をさらに具備する請求項 9に記載の素材 送り装置。

1 1 . 前記駆動ローラが前記素材通路に関し上側に配置され、 前 記複数の従動ローラが、 該素材通路に関し下側に配置されて前記駆 動ローラに接近する方向へ個別に弾性的に付勢される請求項 9に記 載の素材送り装置。

1 2 . 機体フ レームと、

ィンク液滴を噴射する複数のノズル及びそれらノズルが開口する 少なく とも 1 つのノズル面を備えて、 前記機体フ レーム内で所定方 向へ往復移動可能に設置される印刷へッ ドと、

前記印刷へッ ドにィ ンクを供給するィ ンク供給手段と、

前記機体フ レーム内で前記印刷へッ ドに対向する印刷領域に被印 刷素材を送給する素材送り装置とを具備し、

前記素材送り装置が、

前記機体フ レーム内に設置されるベースと、

前記ベース上に形成される素材通路と、

前記素材通路上に設けられ、 素材案内面を有する少なく とも 1 つ のガイ ド部材と、

前記素材通路上に設置される方向修正ローラ組体であって、 前記 ガイ ド部材の前記素材案内面に対し傾斜した共通の回転軸を有する 一対の角形ローラ と、 該一対の角形ローラに対向して配置され、 そ れら角形ローラに近接した作用位置に弾性的に支持されるとともに 、 該作用位置で、 それら角形ローラの各々 との間に、 被印刷素材を 挿入可能な隙間を形成する自由転動可能なボールとを備えた方向修 正ローラ組体と、

前記一対の角形口一ラを回転駆動する駆動機構と、

前記方向修正ローラ組体の素材送り方向下流側に設置され、 前記 素材通路に沿って被印刷素材を前記印刷領域に搬送する搬送ローラ 機構と、

を具備して構成されるイ ンクジエ ツ トプリ ンタ。

1 3 . 前記素材送り装置の前記方向修正ローラ組体は、 前記ボー ルが前記作用位置にあるときに、 前記一対の角形ローラの周囲角部 が該ボールに対向する回転角度位置で、 該一対の角形ローラと該ボ ールとの間に最小の隙間を形成するように構成される請求項 1 2に 記載のイ ンクジヱ ッ トプリ ン夕。

1 4 . 前記素材送り装置の前記ガイ ド部材が、 前記素材案内面を 素材送り方向に平行に配置して前記素材通路上に固定的に突設され る第 1 ガイ ド部材と、 前記方向修正ローラ組体の素材送り方向下流 側で前記素材通路上に引込可能に突設される第 2 ガイ ド部材とから なる請求項 1 2に記載のィ ンクジヱ ッ トプリ ン夕。

1 5 . 前記素材送り装置の前記搬送ローラ機構が、 前記印刷領域 の素材送り方向両側に配置される一対の搬送ローラ組体を備え、 そ れら搬送ローラ組体の各々が、 静止軸の周りを回転する駆動ロ ーラ と、 該駆動ローラに接近する方向へ付勢され、 可動軸の周りを回転 する複数の従動ローラ とを備え、 前記第 2ガイ ド部材が、 素材送り 方向上流側の該搬送ローラ組体と前記印刷領域との間に引込可能に 突設される請求項 1 4 に記載のィ ンクジェ ッ トプリ ンタ。

1 6 . 通帳プリ ンタとして使用される請求項 1 5 に記載のィ ンク ジェ ッ トプリ ンタであって、 前記駆動ローラが前記素材通路に関し 上側に配置され、 前記複数の従動ローラが、 該素材通路に関し下側 に配置されて前記駆動ロ ーラに接近する方向へ個別に弾性的に付勢 されるイ ンクジェ ッ トプリ ン夕。

1 7 . 通帳プリ ンタと して使用される請求項 1 2に記載のィ ンク ジェ ッ トプリ ンタであって、 前記素材送り装置の前記素材通路が、 前記ベースの上方に固定的に配置される第 1 支持板と、 該第 1 支持 板に対向して前記べ一ス上に弾性的に支持される第 2支持板との間 に形成されるイ ンクジヱ ッ トプリ ン夕。

1 8 . 前記第 1 支持板及び前記第 2支持板がそれぞれ、 互いに対 向して素材を摺動可能に挟持する上方支持面及び下方支持面を有し 、 該下方支持面が素材を該上方支持面に弾性的に押付けるように作 用する請求項 1 7に記載のィ ンクジェ ッ トプリ ンタ。

1 9 . ベースと、 前記ベースの上方に固定的に配置される第 1支持板と、

前記第 1支持板に対向して前記ベース上に弾性的に支持され、 該 第 1 支持板との間に素材通路を形成する第 2支持板と、

前記素材通路に設置され、 該素材通路に沿って素材を搬送する搬 送ローラ機構とを具備し、

前記第 1 支持板及び前記第 2支持板がそれぞれ、 互いに対向して 素材を摺動可能に挟持する上方支持面及び下方支持面を有し、 該下 方支持面が素材を該上方支持面に弾性的に押付けるように作用し、 前記搬送ローラ機構が、 前記素材通路に関し上側に配置されて静 止軸の周りを回転する駆動ローラと、 該素材通路に関し下側に配置 されて可動軸の周りを回転し、 該駆動口一ラに接近する方向へ個別 に弾性的に付勢される複数の従動ローラとを備える、

素材送り装置。

2 0 . 請求項 1 9に記載の素材送り装置を備えたイ ン クジ ッ ト プリ ンタ。