WO1998031945A1 - Chaine a billes - Google Patents

Description

明 細 書

ボールチヱ 一 ン

技 術 分 野

本発明は、 多数のボールが一列に配列される と共に転動可能に 保持され、 例えば無限摺動用の直線案内装置のボール無限軌道に 組み込まれて使用されるボールチェー ンに係り、 特に、 ゴシ ッ ク アーチ状のボール転走溝を有する直線案内装置に最適なボールチ ェ 一 ンに関する。 背 景 技 術

従来、 テーブル等の可動体をべッ ド等の固定部に沿って案内す る直線案内装置 しては、 ボール転走溝を有する軌道レールと、 上 記ボール転走溝と対向する負荷転走溝を有する と共に上記負荷転 走溝の一端から他端へとボールを循環させる無負荷転走路を有し、 上記軌道レールに沿って移動するスライ ダと、 これらスライ ダと 軌道レールとの間で荷重を負荷しながら転走する と共に、 上記ス ラ イ ダの負荷転走溝及び無負荷転走路よ り構成される無限軌道を 循環する多数のボールとから構成される ものが知られている。

このよ う に構成された従来の直線案内装置では、 スライ ダの無 限軌道がボールで満たされている こ とから、 該スライ ダが軌道レ ールに沿って移動する と、 互いに隣接するボールが相互に衝突あ るいは擦れ合いながら上記無限軌道内を循環する こ と となり、 ボ ールが早期に磨耗して装置寿命が短命化する といつた問題点があ つた。

そこで、 このよ う な問題点を解決する ものと して、 多数のボー ルを整列保持したボールチェー ンを上記無限軌道に組み込んだ直 線案内装置が提案されている （特開平 5 — 5 2 1 7 号公報） 。 第 1 6 図及び第 1 7 図に示すよ う に、 かかるボールチヱーン 1 0 0 は互いに隣接する各ボール 1 0 1 の間に間座 1 0 2 を介装する と共に、 各間座 1 0 2 を帯状の連結部 1 0 3 で繫いでボール 1 0 1 を数珠状に連結したものであり、 上記ボール 1 0 1 を金型内に 中子と して配置した可撓性樹脂の射出成形によ って製作されてい る。

このよ う に構成された従来のボールチェー ン 1 0 0 は、 第 1 8 図に示す如 く スライ ダ 1 0 4 の無限軌道 1 0 5 に組み込まれて該 無限軌道内を循環するのであるが、 この際、 互いに隣接するボ一 ル 1 0 1 の間には間座 1 0 2 が介装されている こ と力ヽら、 ボール 同志の相互摩擦や衝突が防止され、 ボール 1 0 1 の磨耗を可及的 に防止する こ とができた。

しかし、 かかる従来のボールチヱ一 ン 1 0 0 では一つの間座 1 0 2 がその両側に位置する二つのボール 1 0 1 , 1 0 1 を支えて いる こ とから、 該ボールチヱ一 ン 1 0 0 の湾曲や捩じれ等によつ てボール 1 0 1 に対する間座 1 0 2 の当接角度が変わる と、 ボ一 ル 1 0 1 が間座 1 0 2 の間から抜け落ちてしま う といっ た問題が あった。

このため、 従来のボールチエー ンはボールの相互接触を防止す るボールリ テ一ナと しての機能は十分に果たすものの、 ボールの 脱落を防止する所謂ボールケー ジと しての機能は十分ではなかつ た。 従って、 かかるボールチヱ一 ンを組み込んだ従来の直線案内 装置においては、 スライ ダを軌道レールから取り外した際のボー ル脱落事故を完全に防止すべく 、 第 1 9 図に示す如く スライ ダ 1 0 4 の負荷転走溝 1 0 6 の両側にボール保持器 1 0 7 を設けてい

7 o

と ころ力く、 軌道レール 1 0 8 のボール転走溝 1 0 9 及びスライ ダ 1 0 4 の負荷転走溝 1 0 6 が単一のボール転走面からなる所謂 サーキユ ラ一アーク状に形成されている場合には、 これら転走溝

1 0 6 , 1 0 9 の深さがボール 1 0 1 の半径に対して比較的小さ いこ とから、 前述の第 1 9 図の如 く スライ ダ 1 0 4 の負荷転走溝

1 0 6 の両側にボール保持器 1 0 7 を形成する こ とが可能である が、 これらボール転走溝 1 0 9 及び負荷転走溝 1 0 6 が所謂ゴシ ッ クアーチ状、 すなわち一対のボール転走面が交わった形状に形 成されている場合には、 第 2 0 図に示すよう に、 これら転走溝 1

0 6 , 1 0 9 の深さがボール 1 0 1 の半径に近いこ と力、ら、 負荷 転走溝 1 0 6 の両側にボール保持器 1 0 7 を設ける こ とは殆ど不 可能である。

従って、 ゴシ ッ ク アーチ状のボール転走溝を有する直線案内装 置にボールチヱー ンを組み込むに当たっては、 該ボールチヱー ン のボール保持機能を十分に確保する必要があり、 かかる機能が弱 い従来のボールチェーンをそのま ま組み込むこ とには問題があつ た。

一方、 かかるボールチヱ 一ン 1 0 0 はスラ イ ダの無限起動を循 環させて使用する ものであるから、 この無限起動内で該ボールチ エ ーン 1 0 0 を柔軟に屈曲させるためには各間座 1 0 2 を連結す る連結部 1 0 3 を可及的に薄く 且つ断面積を小さ く 形成するのが 好ま しい。

その一方、 各間座 1 0 2 がボール 1 0 1 と摺接する こ とを考慮 する と、 ボールチヱーン 1 0 0 の成形に用いる樹脂材料はボール 1 0 1 の転動に対する潤滑性、 耐磨耗性等を備えている必要があ る こ とから、 該ボールチヱ 一 ン 1 0 0 の成形樹脂の選定には一定 の制約があり、 成形樹脂それ自体の機械的強度を確保し難いとい つた tSもめる。

このため、 従来のボールチヱー ン 1 0 0 はその連結部 1 0 3 の 引 っ張り強度が低下せざるを得ず、 無限循環路内における使用中 に各間座 1 0 2 の間で連結部 1 0 3 が破断してしま う といった ト ラブルがあった。

発 明 の 開 示

本発明はこのよう な問題点に鑑みなされたものであり、 その第 1 の目的とする とろは、 湾曲や捩じれ等が与えられた場合であつ てもボールを確実に保持するこ とが可能であり、 ゴシ ッ クアーチ 状のボール転走溝を有する直線案内装置に最適なボールチェー ン を提供する こ とにある。

また、 本発明が第 2 の目的とする と ころは、 ボールの転動に対 する潤滑性、 耐磨耗性が良好であり、 配列 したボールが良好に転 動する と共に、 十分な引 っ張り強度を有し、 使用中における破断 事故を防止する こ とが可能なボールチェーンを提供するこ とにあ る o

上記第 1 の目的を達成する本発明のボールチェー ンは、 多数の ボールを一列に配列する と共に、 これらボールを転動可能に保持 したものであって、 各ボールを一対の球面座で挟持する と共にこ れら球面座を鍔部で相互に連結してボール保持単位を構成する と 共に、 複数のボール保持単位を可撓性の連結部で数珠状に連結し てなる こ とを特徵とする ものである。

このよ う な技術的手段によれば、 各ボールは鍔部で連結された 一対の球面座によって挟持され、 ボール一個毎にボール保持単位 を構成しており、 これらボール保持単位を可撓性の連結部によつ て数珠状に連結する こ とにより ボールチヱー ンが構成されている ので、 該ボールチェー ンが湾曲あるいは捩じれ等を生じたと して も、 ボールに対する球面座の当接角度が変化する こ とはな く 、 各 ボール保持単位毎にボールを確実に保持する こ とができる。

こ こで、 本発明のボールチヱーンはボールを金型内に中子と し てィ ンサー ト した合成樹脂の射出成形によ って製作する こ とがで き るが、 このボールチヱー ンを円弧状に湾曲させた際のその最小 半径を小さ く する という観点からすれば、 上記連結部はよ り柔軟 である こ とが好ま し く 、 その断面積は小さい方が良い。

また、 上記第 2 の目的を達成する本発明のボールチェーンは、 一列に配列された多数のボールと、 互いに隣接するボールの間に 設け られて該ボールを回転可能に保持する複数のボール保持部材 と、 これらボール保持部材を連結する連結部とからなり、 更に、 上記連結部の引 っ張り強度が、 上記ボール保持部材のそれより も 大きいこ とを特徴とする ものである。

このよ う な技術的手段によれば、 互いに隣接するボールの間に は該ボールを回転可能に保持するボール保持部材が介装される と 共に、 かかるボール保持部材はその引 っ張り強度よ り も大きな引 つ張り強度を有する連結部で相互に連結されている こ とから、 譬 え上記ボール保持部材の成形材料と して機械的強度の低いものを 使用 したと しても、 ボールチェー ン全体と しては十分な引っ張り 強度を確保する こ とができる。 また、 ボール保持部材の成形材料 それ自体の機械的強度を問題とする こ とな く 、 ボールチ —ン全 体の引 っ張り強度を確保する こ とができ るので、 かかる成形材料 はボールの転動に対する潤滑性、 耐磨耗性等の観点からのみ選定 する こ とができ、 配列 したボールの良好な転動を期待する こ と も 可能となる。

こ こで、 本発明のボールチヱ 一 ンは樹脂成形されたボール保持 部材に対してワイヤ等の連結部を揷通させて組み立てる こ と も可 能であるが、 連結部に対してボール保持部材を一個ずっ揷通させ るのではその組み立て作業か煩雑であり、 組み立て手間の軽減と いった観点からすれば、 合成樹脂の射出成形によって上記ボール 保持部材を連結部に肉付けするのが好ま しい。 また、 かかる射出成形によってボール保持部材を肉付けする際 には、 成形後のボール保持部材が連結部から脱落する こ とがない よ う、 上記連結部にはボール保持部材の肉付け箇所に対対応して 凹凸を形成しておく のが好ま しい。 図面の簡単な説明

第 1 図は本発明のボールチェー ンを用いた直線案内装置の第 1 実 施例を示す斜視図、

第 2 図は本発明の直線案内装置の第 1 実施例を示す正面図及び断 面図、

第 3 図は第 1 実施例に係るスライ ダに具備されたボールの無限軌 道を示す断面図、

第 4 図はボールの無限軌道を構成する移動プロ ッ ク と蓋体との分 解図、

第 5 図は本発明のボールチ ー ンの第 1 実施例を示す平面図及び 正面図、

第 6 図は直線案内装置の第 1 実施例に係るボールの無限軌道の断 面を示す拡大図、

第 Ί 図は本発明のボールチェ一 ンの第 2 実施例を示す平面図、 第 8 図は本発明のボールチェー ンの第 3 実施例を示す平面図、 第 9 図は本発明のボールチェ一ンの第 4 実施例を示す平面図、 第 1 0 図は本発明のボールチェー ンの第 5 実施例を示す正面図及 び断面図、

第 1 1 図は第 5 実施例に係る連結部を示す正面図、

第 1 2 図は本発明のボールチ —ンの第 6 実施例を示す正面図及 び断面図、

第 1 3 図は第 6 実施例に係る連結部を示す正面図、

第 1 4 図は本発明のボールチェー ンの第 7 実施例を示す正面図及

訂正された用紙 （規則 91) び断面図、

第 1 5 図は本発明のボールチ ェ ー ンの第 8 実施例を示す正面図及 び断面図、

第 1 6 図は従来のボールチ ニ ー ンを示す正面図、

第 1 7 図は従来のボールチェー ンを示す側面図、

第 1 8 図はボールチェー ンを直線案内装置のスラ イ ダの無限軌道 に組み込んだ状態を示す断面図、

第 1 9 図はスラ イダの負荷転走溝及び軌道レールのボール転走溝 がサーキユラアーク状に形成されている場合のボールの転走状態 を示す断面図、

第 2 0 図はスライダの負荷転走溝及び軌道レールのボール転走溝 がゴシ ッ クアーチ状に形成されている場合のボールの転走状態を 示す断面図である。

[符号の説明]

1 …軌道レール、 2 ···スライ ダ、 3 ···ボール、 6 …ボールチェ ー ン、 1 1 …ボール転走溝、 3 1 …逃げ溝、 4 3 …負荷転走溝、 6 1 …ボール保持単位、 6 2 …連結部、 6 3 …球面座、 6 4 …鍔 部 発明を実施するための最良の形態 以下、 添付図面に基づいて本発明のボールチェー ンを詳細に説 明する。

◎第 1 実施例

第 1 図及び第 2 図は本発明のボールチェー ンを組み込んだ直線 案内装置の実施例を示すものである。

同図において、 符号 1 は工作機械のべッ ド等の固定部に対して 配設される軌道レール、 符号 2 はテーブル等の可動体を上記軌道 レール 1 に沿って案内するスライ ダ、 符号 3 はこれら軌道レール

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訂正された用紙 （規則 91) 1 とスライ ダ 2 との間で荷重を負荷しながら転動する と共に上記 スライ ダ 2 内で無限循環するボールである。

先ず、 上記軌道レール 1 は断面略矩形状に形成されており、 そ の両側面には上記ボール 3 の転走するボール転走溝 1 1 が長手方 向 （第 2 図の紙面垂直方向） に沿って計 2 条形成されている。 こ の軌道レール 1 にはその長手方向に適宜間隔をおいてボル ト取付 孔 1 2 が形成されており、 軌道レール 1 はこのボル ト取付孔 1 2 に挿入される図示外の固定ボル 卜によって固定部に固定される。

また、 上記スライ ダ 2 は、 テーブル等の可動体の取付面 4 1 及 び当該可動体の固定ボル トが螺合する タ ッ プ孔 4 2 を有する移動 プロ ッ ク 4 と、 この移動プロ ッ ク 4 の前後両端面に対して固定さ れる一対の蓋体 5， 5 とから構成されており、 かかる蓋体 5 を移 動ブロ ッ ク 4 に固定する こ とで当該スライ ダ内にボール 3 の無限 軌道が具備されるよ う になっている。

上記移動ブロ ッ ク 4 は取付面 4 1 が形成された水平部 4 a及び この水平部 4 aから垂れ下がる一対のスカー ト部 4 b , 4 bを備 えて断面略サ ドル状に形成されており、 各スカー 卜部 4 bの内面 側には軌道レール 1 のボール転走溝 1 1 に対向する負荷転走溝 4 3 が形成されている。 また、 各スカー ト部 4 b には各負荷転走溝 4 3 に対応したボール戻し孔 4 4 が形成されており、 上記負荷転 走溝 4 3 を転走し終えて荷重から解放されたボール 3 が負荷転走 溝 4 3 上における転走方向とは逆方向に転走するよ う になってい o

この移動ブロ ッ ク 4 は合成樹脂の射出成形を利用 して製作され ている。 すなわち、 上記移動ブロ ッ ク 4 は機械加工によって形成 された金属製のブロ ッ ク本体 4 0 に対して合成樹脂を射出成形で 肉付け して形成されており、 前述した可動体取付面 4 1 やボール 3 の負荷転走面 4 3 等、 機械的強度が要求される部位は当該プロ ッ ク本体 4 0 に形成される一方、 ボール戻し孔 4 4 等の機械的強 度が重要とされない部位は合成樹脂で形成され、 可能な限り移動 ブロ ッ ク 4 の軽量化が図られている。

第 3 図は上記スライ ダ 2 に具備されたボール 3 の無限軌道を示 す断面図であり、 この無限軌道は第 4 図に示す如く 上記蓋体 5 を 移動ブロ ッ ク 4 の端面に固定する こ とによって完成する。 すなわ ち、 蓋体 5 を移動ブロ ッ ク 4 に固定する と、 蓋体 5 側の U形溝 5 1 内に移動ブロ ッ ク 4 側のボール案内部 4 6 が嵌合 して U字状の 方向転換路 5 4 が完成し、 この方向転換路 5 4 によって移動プロ ッ ク 4 の負荷転走面 4 3 と上記ボール戻し孔 4 4 とが連結される。 これによ り、 軌道レール 1 のボール転走溝 1 1 と移動ブロ ッ ク 4 の負荷転走溝 4 3 との間で荷重を負荷していたボール 3 は、 ス ラ イ ダ 2 の移動に伴って上記負荷転走溝 4 3 を転走し終える と上 記荷重から開放されて一方の蓋体 5 の方向転換路 5 4 に入り込み、 そのままの無負荷状態で負荷転走溝 4 3 における転走方向とは逆 方向へ向かって移動ブロ ッ ク 4 のボール戻し孔 4 4 を転走する。 また、 ボール戻し孔 4 4 を転走し終えたボール 3 は他方の蓋体 5 の方向転換路 5 4 を介して再度軌道レール 1 と移動ブロ ッ ク 4 と の間に入り込み、 荷重を負荷しながら上記負荷転走溝 4 3 を転走 する。

一方、 上記ボール 3 はボールチヱ 一 ン 6 に一列に保持された状 態でスラ イ ダ 2 の無限軌道に組み込まれており、 ボール 3 の転動 に伴って該ボールチエ ーン 6 が無限軌道内を循環するよ う になつ ている。 第 5 図に示すよう に、 このボールチヱー ン 6 はボール 3 を各一個ずつ保持した複数のボール保持単位 6 1 を可撓性の連結 部 6 2 で数珠状に連結して形成されており、 各ボール保持単位 6 1 はボール 3 を左右から挟み込む一対の球面座 6 3 , 6 3 と これ ら球面座 6 3 を相互に連結する鍔部 6 4 とから構成されている。 上記連結部 6 2 は一列に配列されたボール保持単位 6 1 の一側 端のみを相互に連結しており、 第 3 図に示す如く この連結部 6 2 を屈曲させる と、 互いに隣接するボール保持単位 6 1 の間のス リ ッ ト状空間が拡開し、 上記鍔部 6 4 を内周側あるいは外周側に位 置させた状態でボールチヱ一ン 6 それ自体を環状に湾曲させる こ とができるよ う になっている。

また、 このボールチヱ一 ン 6 は金型内にボール 3 を中子と して イ ンサー ト した合成樹脂の射出成形で形成されており、 かかる射 出成形によ って連結部 6 2 、 球面座 6 3 及び鍔部 6 4 がー体に成 形され、 ボール 3 が球面座 6 3 によって包持されるよ う になって いる。

第 6 図は、 上記無限軌道内におけるボール 3 の転走状態を示す 拡大断面図である。

上記スライ ダ 2 の負荷転走溝 4 3 及び軌道レール 1 のボール転 走溝 1 1 は二つのボール転走面 1 0 , 1 0 が交わったゴシ ッ クァ ーチ状に形成されており、 各ボール 3 はこれら負荷転走溝 4 3 及 びボール転走溝 1 1 と夫々二点て接触している。 また、 ゴシ ッ ク アーチ状に形成されたボール転走溝 1 1 及び負荷転走溝 4 3 の最 深部、 すなわち二つのボール転走面 1 0 ， 1 0 が交わる位置には 各々逃げ溝 3 1 ， 3 1 が形成され、 ボール 3 がこれら転走溝 4 3， 1 1 を転走している際に上記ボールチヱ一ン 6 の鍔部 6 4 が該逃 げ溝 3 1 に収容されるよ う になっている。

また、 スライ ダ 2 のボール戻 し孔 4 4 にはその長手方向に沿つ て案内溝 3 2 , 3 2 が形成されており、 無負荷状態にあるボール チェー ン 6 の鍔部 6 4 が該案内溝 3 2 によ って案内され、 ボール 戻し孔 4 4 の内部におけるボールチヱー ン 6 の蛇行が防止される よ う になつている。

そ して、 以上のよ う に構成された本実施例の直線案内装置によ れば、 スライ ダ 2 が軌道レール 1 上を移動する とボール 3 がスラ イ ダ 2 の負荷転走溝 4 3 及び軌道レール 1 のボール転走溝 1 1 の 上を転走し、 ボールチ — ン 6 がスラ イ ダ 2 に形成された無限軌 道の内部を循環する。 このとき、 ボールチェー ン 6 を構成する各 ボール保持単位 6 1 では、 該ボールチヱ ー ン 6 の屈曲あるいは伸 展の状態に係わらず、 常に一対の球面座 6 3 ， 6 3 がボール 3 を 確実に挟持しているので、 ボール 3 がボールチヱー ン 6 から脱落 するのを可及的に防止する こ とが可能となる。

また、 無限軌道内のボールチェー ン 6 はその鍔部 6 4 を外周側 あるいは内周側に位置させなから循環しているので、 例えばスラ イ ダ 2 を軌道レール 1 から引き抜いたと しても （第 6 図において 軌道レール 1 を消 した状態） 、 ボール 3 はスライ ダ 2 の負荷転走 溝 4 3 とボールチヱ 一ン 6 の鍔部 6 4 によ って三方から挟持され た状態となり、 ボール 3 がスライ ダ 2 の無限軌道から脱落するの を確実に防止する こ とができる ものである。

◎第 2 実施例

第 7 図は本発明のボールチ — ンの第 2 実施例を示すものであ る。 このボールチヱー ン 7 は第 5 図に示す第 1 実施例のボール チェー ン 6 と略同様の構成を有する ものであるが、 一対の球面座 6 3 を連結する鍔部 6 4 がボール 3 の周囲を 4 分割するよ う に配 されている点においてのみ相違する ものである。 従って、 この第 2 実施例のボールチヱー ン 7 ではボール 3 がボール保持単位 6 1 の内部に完全に拘束されており、 ボール 3 が該ボールチェー ン 7 から脱落するのを完全に防止する こ とができ る。

◎第 3 実施例

第 8 図は本発明のボールチ — ンの第 3 実施例を示すものであ る。

第 1 実施例のボールチェー ン 6 では各ボール保持単位 6 1 を結 合する連結部 6 2 も樹脂で成形されている こ とから、 ボールチェ ー ン 6 が無限軌道内を循環してその屈曲及び伸展が繰り返される と、 連結部 6 2 からボールチェーン 6 が分断される懸念がある。

このため、 本実施例のボールチヱ一ン 8 では各ボール保持単位 6 1 を貫通する ワイ ヤ 8 0 を設け、 該ワイヤ 8 0 で連結部 6 2 を 構成するよう に した。 かかるボールチヱ 一 ン 8 の製作方法は第 1 実施例のボールチヱー ン 6 と略同 じであるが、 一本のワイヤ 8 0 をボール 3 と共に金型内にイ ンサー ト し、 合成樹脂の射出成形に よって各ボール保持単位 6 1 を等間隔でワイヤ 8 0 に肉付けする よ う に した。

そ して、 このよ う にワイヤ 8 0 で連結部 6 2 を補強した本実施 例のボールチヱーン 8 によれば、 繰り返しの屈曲及び伸展によつ ても連結部 6 2 が破断する こ とがな く 、 使用途中におけるボール チヱーン 8 の分断といった ト ラブルを避ける こ とが可能となる。

◎第 4 実施例

第 9 図は本発明のボールチニー ンの第 4 実施例を示すものであ る。

この実施例のボールチェーン 9 では各ボール保持単位 6 1 を結 合する連結部 6 2 を球面座 6 3 の中心に形成し、 互いに隣接する 一対のボール保持単位 6 1 が該連結部 6 2 を中心と していずれの 方向へも屈曲できるよう に構成した。 従って、 前述までのボール チヱーンと異なり、 このボールチヱー ン 9 には特定の屈曲方向が な く 、 スライ ダ 2 の無限軌道内における屈曲方向に特別な配慮を 払う こ とな く 該無限軌道に組み込むこ とができる ものである。

尚、 前述した直線案内装置では軌道レールの左右両側面に対応 して夫々 1 条ずつ計 2 条のボール無限軌道をスライ ダに具備させ たが、 本発明の直線案内装置はこれに限らず、 軌道レール 1 の左 右両側面に対応して夫々 2 条ずつ計 4 条のボール無限軌道をスラ イ ダ 2 に具備させても良い。

◎第 5 実施例

第 1 0 図は本発明のボールチヱ一ンの第 5 実施例を示すもので ある。

このボールチヱ 一ン 7 1 は連結体ベル ト 7 2 に所定間隔で複数 のボール 3 を一列に配列 したものであり、 該ボール 3 は上記連結 体ベル ト 7 2 に保持された状態で自在に回転可能となっている。

上記連結体ベル ト 7 2 は、 各ボール 3 の間に介装された複数の ボール保持部材 7 4 と、 隣接するボール保持部材 7 4 を相互に連 結する帯状の連結部 7 5 とから構成されており、 各ボール保持部 材 7 4 にはボール 3 の球面を包持する球面座 7 4 aが形成されて いる。 これによ り、 各ボール 3 は隣接するボール保持部材 7 4 に よって左右から包持された状態となり、 かかる連結体ベル ト 7 2 に保持されている。

第 1 1 図に示すよ う に、 上記連結部 7 5 は帯状に形成された厚 さ 0 . 0 5 〜 0 . 2 m mのステン レス板 （ S U S 3 0 4 等） にボ —ル直径よ り も若干大きな透孔 7 5 a を形成したものであり、 か かる透孔 7 5 a内にボール 3 が収容されるよ う になっている。 一 方、 上記ボール保持部材 7 4 はポ リ ア ミ ド系エラス トマ一やポ リ エステル系エラス トマ一等の合成樹脂によ って成形されており、 上記連結部 7 5 に対して射出成形で肉付けされている。 すなわち、 第 1 1 図 （ a ) に示す如 く 成形金型 9 0 内には上記ボール 3 の直 径よ り も大径のボール型 9 1 が所定の間隔で一列に突出 しており、 第 1 1 図 （ b ) に示す如く 連結部 7 5 の透孔 7 5 a内にこれらボ ール型 9 1 を収容し、 この状態からボール保持部材 7 4 を射出成 形して連結部 7 5 に肉付けする。 この後、 ボール型 9 1 を強制的 にボール保持部材 7 4 の間から抜き出 し、 かかるボール型 9 1 が 抜けた箇所にボール 3 を押 し込むこ とによって、 該ボール 3 がボ —ル保持部材 7 4 によって連結部 7 5 の透孔 7 5 a内に封じ込め られたボールチヱ 一 ン 7 1 が完成する。

そ して、 以上のよ う に構成された本実施例のボールチ ヱ ー ン 7 1 は直線案内装置を構成する スラ イ ダの無限軌道等に組み込まれ て使用されるのであるが、 ステ ン レス板から形成された連結部 7 5 はその引 っ張り強度が合成樹脂製のボール保持部材 7 4 よ り も 著 し く 大きいので、 上記無限軌道内における循環中に該ボールチ エ ー ン 7 1 に対して大きな引 っ張り力が作用 しても、 かかるボー ルチヱ一ン 7 1 が互いに隣接したボール保持部材 7 4 ， 7 4 の間 で破断する こ とはな く 、 常に該ボールチェー ン 7 1 の円滑な循環 を期待する こ とができ る ものである。

また、 ボールチェー ン 7 1 それ自体の引 っ張り強度は連結部 7 5 のそれに依存している こ とから、 ボール保持部材 7 4 を成形す る樹脂材料には引 っ張り強度等の機械的強度を期待する必要はな く 、 ボール 3 の転動に対する潤滑性、 耐磨耗性等の観点からのみ 射出成形で使用する樹脂材料を選定する こ とができる。 従って、 ボール 3 の円滑な転動を期待する こ と も可能となる。

◎第 6 実施例

第 1 2 図は本発明のボールチェー ンの第 6 実施例を示すもので ある。

前述の第 5 実施例では一列に配列されたボール列の両側に沿つ て連結部 7 5 が設け られていたが、 この実施例ではボール列の一 側にのみ連結部 7 6 を設けるよ う に した。 その他の点は構成及び 製造方法共に第 5 実施例と同一である。

従って、 本実施例の連結部 7 6 は、 第 1 3 図に示すよ う に、 ァ ーチ状の切り欠き部 7 6 aが長手方向に所定の間隔で配列された ものであり、 かかる切り欠き部 7 6 a にボール 3 が収容されるよ う になっている。 ◎第 Ί 実施例

第 1 4 図は本発明のボールチェー ンの第 7 実施例を示すもので ある。

前述の第 5 及び第 6 実施例では帯状のステ ン レ ス板を連結部と して使用 したが、 本実施例では線径の細いワイヤ 7 7 を連結部と して使用 し、 合成樹脂の射出成形を用いて該ワ イ ヤ 7 7 にボール 保持部材 7 8 を肉付けするよう にした。

各ボール保持部材 7 8 は 1 個のボールにのみ当接するよう に配 置されており、 ボールの両側に位置する一対のボール保持部材で 独立のボール保持単位を構成するよう になっている。 従って、 か かるボールチ ー ンを極度に屈曲させて使用 した場合であっても、 各ボール保持単位では一対のボール保持部材 7 8 , 7 8 が確実に ボール 3 を保持する こ と となり、 ボール 3 の抜け落ちの防止が図 られている。

◎第 8 実施例

第 1 5 図は本発明のボールチェー ンの第 8 実施例を示すもので ある。

前述の各実施例のボールチェー ンでは合成樹脂の射出成形を利 用するこ とにより、 各ボール 3 の間に介装されたボール保持部材 7 4 を帯状の連結部 7 5 (又は 7 6 ) と一体化していたが、 この 実施例では上記連結部を線径の細いワ イ ヤ 7 9 と し、 合成樹脂の 射出成形で予め形成されたボール保持部材 8 0 に該ワイヤ 7 9 を 後から揷通させるよ う に した。

すなわち、 ボール保持部材 8 0 には上記ワ イ ヤ 7 9 を揷通する ための貫通孔が形成されており、 ワイ ヤ 7 9 を該貫通孔に通すこ とで各ボール保持部材 8 0 が相互に連決されている。 かかるワイ ャ 7 9 はボールチヱ 一ンの端部に位置するボール保持部材 8 0 a で折り返され、 ボール列の両側で各ボール保持部材 8 0 に揷通さ れるよ う になっている。 また、 このボールチヱ 一 ンの図示外の端 部には上記ワイヤ 7 9 の両端部を係止するためのス ト ツバプレー 卜が設け られており、 全てのボール保持部材 8 0 に通されたワイ ャ 7 9 の両端部は該ス ト ツバプレー 卜に通された後に抜け止め処 理がなされるよ う になっている。

そ して、 この第 8 実施例のボールチヱー ンにおいても、 合成樹 脂製のボール保持部材 8 0 を引 っ張り強度の大きなワイヤ 7 9 で 連結し、 これによつてボール 3 を回転自在に保持している こ とか ら、 このボールチヱーンに対して大きな引 っ張り力が作用 しても . かかるボールチヱ 一ンが互いに隣接したボール保持部材 8 0 , 8

0 の間で破断する こ とはな く 、 また、 ボール 3 の潤滑に優れた樹 脂材料をボール保持部材 8 0 と して使用する こ とにより、 ボール

3 の転動の円滑化を期待する こ とができ る ものである。 産業上の利用可能性

以上説明してきたよ う に、 本発明のボールチヱ 一ンによれば、 一対の球面座によってボールを挟持したボール保持単位を形成す る と共に、 該ボール保持単位を複数連結してボールチェーンを構 成しているので、 かかるボールチヱ 一ンの使用中においてこれに 湾曲あるいは捩 じれ等が与えられた場合であっても、 ボールが球 面座の間から脱落する こ とがな く 、 該ボールチェー ンに対してボ —ルを確実に保持する こ とが可能となる。

また、 本発明のボールチヱー ンによれば、 互いに隣接するボ一 ルの間に介装されたボール保持部材をそれよ り も高張力の連結部 で相互に連結している こ とから、 譬え上記ボール保持部材の成形 材料と して機械的強度の低いものを使用 したと しても、 ボールチ ニー ン全体と しては十分な引 っ張り強度を確保する こ とができる ので、 かかるボールチェー ンの使用中における破断事故の発生を 未然に防ぐこ とが可能となる。

更に、 ボール保持部材の成形材料と して機械的強度の低いもの を使用 した場合であっても、 ボールチェー ン引 っ張り強度を確保 して破断事故の発生を防止する こ とができるので、 ボール保持部 材の成形材料を選定するに当たってはボールの転動に対する潤滑 性、 耐磨耗性等の観点のみを考慮すれば良く 、 これによつて配列 したボールの良好な転動を期待するこ とが可能となる。

Claims

請 求 の 範 囲

( 1 ) 多数のボールを一列に配列する と共に、 これらボールを転動 可能に保持したボールチヱー ンであって、

各ボールを一対の球面座で挟持する と共にこれら球面座を鍔部 で相互に連結してボール保持単位を構成する と共に、 複数のボ一 ル保持単位を可撓性の連結部で数珠状に連結してなる こ とを特徴 とするボールチェーン。

(2) 請求項 1 記載のボールチヱー ンにおいて、 上記球面座及び鍔 部を樹脂材料で成形する一方、 上記連結部を該樹脂材料よ り も引 張り強度の大きな材料で形成したこ とを特徴とするボールチヱ一 ン o

(3) 一対のボール転走面が交わったゴシ ッ ク アーチ状のボ一ル転 走溝を有する軌道レールと、 上記ボール転走溝と対向するやはり ゴシ ッ クアーチ状の負荷転走溝を有する と共に上記負荷転走溝の 一端から他端へとボールを循環させる無負荷転走路を有し、 上記 軌道レールに沿って移動するスライ ダと、 これらスライ ダと軌道 レールとの間で荷重を負荷しながら転走する と共に、 上記スライ ダの負荷転走溝及び無負荷転走路よ り構成される無限軌道を循環 する多数のボールとから構成される直線案内装置において、

請求項 1 記載のボールチェー ンをその鍔部が内周側あるいは外 周側に位置するよ う に上記スラ イ ダの無限軌道に組み込むと共に ゴシ ッ ク アーチ状に形成された軌道レールのボール転走溝及びス ラ イ ダの負荷転走溝の最深部には、 上記ボールチヱ一ンの鍔部が 収容され且つ案内される逃げ溝が形成されている こ とを特徴とす る直線案内装置。

(4) 一列に配列された多数のボールと、 互いに隣接するボ一ルの 間に設け られて該ボールを回転可能に保持する複数のボール保持 部材と、 これらボール保持部材を連結する連結部とからなるボ一 ノレチェー ンであって、

上記連結部の引 っ張り強度が、 上記ボール保持部材のそれよ り も大きいこ とを特徴とするボールチェー ン。

(5) 請求項 4 記載のボールチヱ 一 ンにおいて、 上記連結部は金属 材料からなる一方、 上記ボール保持部材は樹脂材料からなる こ と を特徴とするボールチヱ ー ン。

(6) 請求項 4 記載のボールチュー ンにおいて、 上記連結部及びボ —ル保持部材が樹脂材料からなる こ とを特徴とするボールチエ ー ン o

(7) 請求項 5 又は 6 記載のボールチヱ 一ンにおいて、 上記ボール 保持部材は射出成形によ って上記連結部に肉付けされている こ と を特徴とするボールチヱ一ン。

(8) 請求項 7 記載のボールチヱーンにおいて、 上記連結部にはボ ール保持部材の肉付け箇所に対応して凹凸が形成されているこ と を特徴とするボールチヱー ン。