WO1996023569A1 - Filtre - Google Patents

Description

明細書 フィルタ

技術分野

本発明はフィルタに関し、 例えば燃料タンクから内燃機関などの燃料消 費装置へ供給される燃料を濾過する燃料フィル夕に用いられるものである

背景技術

従来、 内燃機関に供給される燃料を濾過するフィル夕としては、 円柱状 のハウジング内にエレメン卜を収容したものが広く知られている。 ところ 力 従来の円柱状のフィルタは、 フィルタの設置のために円形のステーを 設ける必要があった。 また、 自動車の車体に円柱状の燃料フィルタを設置 すると、 設置面から燃料フィルタが大きく張り出すこととなる。

そこで、 燃料フィルタを燃料タンク内に設置することが提案されている 。 例えば米国特許 5 3 9 2 7 5 0号には、 燃料ポンプの外周に装着するこ とが可能な環状の燃料フィル夕が開示されている。

しかしながらこの米国特許 5 3 9 2 7 5 0号の構成では、 燃料ポンプの 外周にさらに燃料フィル夕が設置されるため、 装置の直径が大きくなると いう問題点があった。 発明の開示

本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、 改良されたフィル夕を提供する 二とを目的とする。

本発明は新規な形状のフィルタおよびその製造方法を提供する。

本発明は、 フィル夕の設置、 取り扱いの自由度を高めることを目的とし てなされたものである。 本発明は周方向に沿って不連続部を有するフィル夕を提供することを目 的とする。

本発明はほぼ円柱形の外形を有しながら、 その周方向の一部に不連続部 を有するフィル夕を提供することを目的とする。

本発明は特に燃料フィル夕に適用されて好適なものである。

本発明の上記目的は、 外周面と、 流体の入口側および出口側としての両 端面とを有する濾過エレメントの外周面の一部に不連続部を形成すること で達成される。 この構成によると、 フィル夕は外周の一部に不連続部を有 するのでこの不連続部を利用することができる。

なお、 不連続部は、 濾過エレメントの外周面の一部に形成された凹部と することができる。

また、 不連続部は、 濾過エレメントの外周面に形成された開口部とする ことができる。

なお、 フィル夕を C字型に形成し、 開口部を C字の開口部として形成す ることができる。

なお、 燃料を濾過する燃料フィル夕に用いると好適である。

本発明の上記目的は、 流体を濾過するフィル夕の製造方法において、 濾 材を含む帯状体を形成する第 1工程と、 濾材を積層して予備組み立て体を 形成する第 2工程と、 予備組み立て体に機械的な加工を加えて濾過エレメ ン卜を形成する第 3工程とを有するフィル夕の製造方法を採用することで 達成される。 これにより、 帯状体を積層する こめの制約にとらわれない形 状のフィル夕が提供できる。

なお、 帯状体は、 複数の濾過筒を有することが望ましい。

また、 第 3工程では、 予備組み立て体に機械的な加工を加えることで、 外周上に不連続部を有する濂過エレメントを形成することが望ましい。 こ れにより、 不連続部を利用することができる。

また、 第 2工程では、 濾材を中空に積層して筒状の予備組み立て体を形 成することができ、 この場合、 第 3工程では、 筒状の予備組み立て体に、 それを変形させる機械的な加工を加えて濾過エレメントを形成することが できる。 また、 第 3工程では、 筒状の予備組み立て体に、 その少なくとも 一部を切除する機械的な加工を加えて濾過エレメン卜を形成してもよい。 また、 第 2工程では、 濾材を平板状に積層して平板状の予備組み立て体 を形成してもよい。 この場合、 第 3工程では、 平板状の予備組み立て体に 、 それを変形させる機械的な加工を加えて濾過エレメントを形成すること ができる。

また、 第 3工程では、 予備組み立て体を、 それを変形させながら周方向 に不連続部を有するフィル夕ハウジング内に装着してもよい。

本発明の上記目的は、 流体を濾過するフィル夕の製造方法において、 濾 材を筒状に成形する工程と、 前記筒状の濾材に機械的な加工を加えて、 外 周に不連続部を有する濾過エレメン卜に加工する工程とを有するフィル夕 の製造方法を採用することで達成される。

本発明の上記目的は、 流体を濾過するフィル夕の製造方法において、 周 方向の一部範囲に濾材を第 1の厚さに配置する工程と、 周方向の残る範囲 に濾材を前記第 1厚さより薄い第 2厚さをもって配置する工程とを有し、 第 2厚さの部分によって凹部をもつフィル夕を形成するフィル夕の製造方 法を採用することで達成される。 図面の簡単な説明

図 1は本発明の第 1実施例の縦断面図である。 図 2は第 1実施例の上側 平面図である。 図 3は濾過エレメントの製造;！:程を示すフローチャートで ある。 図 4は濾過エレメントの一部である帯状体の拡大図である。 図 5は 第 1実施例の予備組み立て体の上部平面図である。 図 6は第 1実施例の濾 過エレメン卜の上部平面図である。 図 7は第 2実施例の予備組み立て体の 上部平面図である。 図 8は第 2実施例の濾過エレメン卜の上部平面図であ る。 図 9は第 2実施例の燃料フィル夕ハウジングの形状を示す下ハウジン グの上部平面図である。 図 1 0は第 3実施例の予備組み立て体の上部平面 図である。 図 1 1は変形例の濾過エレメントの上部平面図である。 図 1 2 は変形例の濾過エレメン卜の上部平面図である。 図 1 3は変形例の濾過ェ レメントの上部平面図である。 発明を実施するための最良の形態

本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

(第 1実施例）

この実施例は、 本発明を燃料フィル夕に適用したものである。

図 1は第 1実施例の縦断面図、 図 2は上方向から見た平面図である。 この実施例では、 燃料タンク 1 0 0の開口部 1 0 2を塞ぐ蓋 1 0 4に、 燃料供給系の機能部品としての燃料ポンプ 1 1 0、 燃料フィル夕 1 2 0 、 プレツシャレギユレ一夕 1 3 0、 燃料液面計 1 4 0、 電気コネクタ 1 5 0 さらには燃料配管 1 3 2がー体的に組付けられュニッ 卜化されている。 金属あるいは樹脂製の燃料タンク 1 0 0には、 開口部 1 0 2が形成され ている。 この開口部 1 0 2を塞ぐように電気絶縁性の樹脂製の蓋 1 0 4が 設けられている。 この蓋 1 0 4と燃料タンク 1 0 0との間にはシール用の ガスケット 1 0 6が介装されている。

燃料フィル夕 1 2 0は、 ノヽウジング 1 2 2内に濾過エレメント 1 2 4を 収容して構成されている。 しかも、 蓋 1 0 4をハウジング 1 2 2の一部と しており、 蓋 1 0 4から吊り下げられている。

エレメント 1 2 4はの濾紙は、 濾過対象燃料に対して親和性の高い繊維 を主原料としているが、 特に水に対して親和性の高いガラス繊維が混ぜら れている。 このため、 燃料中に混入した水分はガラス繊維に付着し、 水滴 化され、 燃料と分離されやすい状態となってハウジング 1 2 2の下部に流 れ下る。

フィル夕ハウジング 1 2 2は上ハウジングとしての蓋 1 0 4と下ハウジ ング 1 2 6とからなり、 下ハウジング 1 2 6は、 樹脂材料に炭素繊維また は炭素粉等の導電材料を含有させて成形されているので導電性を有してい る。 この上ハウジング 1 0 4と下ハウジング 1 2 6とは、 境界部 1 2 8で 液密に溶着されている。

図 2のように、 ハウジング 1 2 2は完全な環状ではなく、 一部にほぼ 9 0度にわたる空間部 1 2 2 aを持つ不完全な環状であって、 C字型断面を もっている。 上ハウジング 1 0 4は絶緣性の樹脂製であって吐出配管 1 3 2が一体成形されている。 下ハウジング 1 2 6は、 エレメン卜 1 2 4を収 容し、 固定する C字型断面のカップ状部分を持っている。

燃料フィル夕 1 2 0のハウジング 1 2 2には、 一つの燃料入口と、 二つ の燃料出口とが設けられる。 燃料入口としての入口管 1 3 4はハウジング

1 2 2の内周側の上方に設けられており、 燃料ポンプ 1 1 0の吐出管 1 1 2と接続される。 2つの燃料出口のうちの第 1の燃料出口を形成する配管

1 3 6は、 下ハウジング 1 2 6の下端から軸方向に沿って上方向へ延びて いる。 配管 1 3 6は、 下ハウジング 1 2 6のカップ状部分に隣接して一体 的に成形されており、 ハウジング 1 2 2の切欠空間部 1 2 2 aに位置して いる。 そして、 配管 1 3 6は、 蓋 1 0 4に設けられた吐出配管 1 3 2に連 通しており、 濾過後の燃料をインジェク夕に供給する燃料通路 1 3 8を形 成している。 他の第 2の燃料出口を形成するリターン管 1 4 2は、 下ハウ ジング 1 2 6の下側に設けられており、 プレツシャレギユレ一夕 1 3 0と 接続されている。 リターン管 1 4 2は、 下ハウジング 1 2 6の下端部に開 口していることが重要である。

プレツシャレギユレ一夕 1 3 0は、 下ハウジング 1 2 6の底部から下方 に延びる筒状部 1 4 4に嵌合され、 係止固定されている。 ボディ 1 4 6と 筒状部 1 4 4との間には Oリング 1 4 7が介装され、 筒状部 1 4 4の孔に ボディ 1 4 6の爪が脱着可能にスナップフィット結合されている。 これに より、 プレツシャレギユレ一夕 1 3 0は、 筒状部 1 4 4からボディ 1 4 6 を取り外すことで容易にフィル夕ハウジング 1 2 2から脱着できる。 ボデ ィ 1 4 6の開口端とハウジング 1 4 8との間にはダイアフラム 1 4 9が挟 持され、 このダイアフラム 1 4 9には排出路 1 5 1が開設された可動弁座 1 5 2が支持されている。 ボディ 1 4 6内には弁座 1 5 2と共働する固定 弁体 1 5 3が固定されている。 ハウジング 1 4 8とダイアフラム 1 4 9と の間には圧縮コイルスプリング 1 5 4が収容されている。 そして、 ハウジ ング 1 4 8には図示せぬ孔が開設されており、 スプリング室を大気圧また はタンク内圧に設定するとともに、 排出路 1 5 1からの燃料が排出される プレツシャレギユレ一夕 1 3 0は、 ボディ 1 4 6内の燃料圧力がスプリ ング設定圧を超えると、 ダイアフラム 1 4 9がスプリング室側に移動して 可動弁座 1 5 2の排出路 1 5 1を開き、 ボディ 1 4 6内の燃料を燃料タン ク 1内にリターンする。 これにより、 燃料ポンプ 1 1 0から吐出され、 燃 料フィル夕 1 2 0からインジェクタに向けて供給される燃料の圧力を所定 圧に保持することができる。

なお、 この実施例では筒状部 1 4 4の孔にボディ 1 4 6の爪を係合させ てプレツシャレギユレ一夕 1 3 0を装着している力 ポンプホルダ 1 1 4 からステ一を延ばし、 ボディ 1 4 6を筒状部 1 4 4内に挿入するだけとし て、 プレツシャレギュレー夕 1 3 0のハウジング 1 4 8側をポンプホルダ 1 1 4から延びるステ一で下から支えてもよい。

C字型の環状のフィル夕ハウジング 1 2 2の内周側には燃料ポンプ 1 1 0が収容される。 この燃料ポンプ 1 1 0は、 カップ状のポンプホルダ 1 1 4によって下側から支えられる。 フィルタハウジング 1 2 2の内周下側に 延在するスカート部には周方向に分散して複数の孔 1 1 6が開設されてお り、 ポンプホルダ 1 1 4の爪 1 1 7が係止される。 これにより、 燃料ボン プ 1 1 0はフィル夕ハウジング 1 2 2に対して脱着可能に取り付けられる 。 燃料ポンプ 1 1 0の上部には燃料吐出管 1 1 2が突出されており、 この 吐出管 1 1 2はガスケッ卜 1 5 6を介して入口管 1 3 4に接続されている 。 さらに、 ポンプホルダ 1 1 4には、 樹脂製の網状フィルタ 1 1 8が取り 付けられており、 燃料ポンプ 1 1 0の下側にポンプホルダ 1 1 4を装着す ることで燃料ポンプ 1 1 0の下側に開設された吸入口がフィル夕 1 1 8の 内側に連通するよう構成されている。 なお、 吐出管 1 1 2内には従来の燃 料ポンプと同様にチェックバルブが収容され、 燃料ポンプ 1 1 0の停止時

、 燃料配管中の燃料残圧を保持する。

また、 燃料フィル夕 1 2 0のハウジング 1 2 2の空間部 1 2 2 aには、 燃料液面計 1 4 0が設置されている。 この燃料液面計 1 4 0からは図示し ないフロー卜が延びており、 液面に応じた抵抗値を示す。

電気コネクタ 1 5 0は、 蓋 1 0 4の絶縁性樹脂材料中に複数の夕一ミナ ルビンを直接にインサート成形して、 蓋 1 0 4と一体的に成形されている 。 なお、 ターミナルピンの外周には榭脂材料との間のシール性を維持する ためにシール剤が塗布されている。 、 またターミナルピンには抜け防止加 ェが施されている。 図 2に示すように、 電気コネクタ 1 5 0は燃料フィル 夕 1 2 0とオーバーラップしない位置に配置されている。 この電気コネク 夕 1 5 0のターミナルピンは、 燃料タンク外においては電源と制御装置と に接続されている。 また、 燃料タンク内においては図示しないリード線を 介して燃料ポンプ 1 1 0の電気コネクタ部 1 1 9に電気的に接続され、 モ 一夕に電力を供給するとともに、 図示しないリード線を介して燃料液面計 1 4 0に接続され液面高さを示す電気信号を伝える。

このようにこの実施例では燃料ポンプ 1 1 0の外周の部分的な角度範囲 にフィル夕が配置され、 残部に燃料配管 1 3 2、 電気コネクタ 1 5 0、 燃 料液面計 1 4 0といった機能部品が配置される。

次に、 燃料の流れについて説明する。

燃料ポンプ 1 1 0に電気コネクタ 1 5 0、 1 1 9を通して電源が供給さ れると、 燃料ポンプ 1 1 0はフィル夕 1 1 8を通して燃料を吸入し、 吐出 管 1 1 2から吐出する。 燃料は、 下ハウジング 1 2 6と上ハウジング 1 0 4との間の通路 1 6 0を矢印方向に流れる。 この燃料はハウジング 1 2 2 内を上から下へと流れ、 その途中でエレメント 1 2 4を通って濾過される 。 エレメント 1 2 4を通過してハウジング 1 2 2の下部空間 1 6 2に達し た燃料は、 その一部が燃料圧力の調整のためにプレツシャレギユレ一夕 1 3 0によって再び燃料タンク 1 0 0内に戻され、 残部が配管 1 3 6、 1 3 2を通ってエンジンに装着された燃料噴射装置のインジェク夕に供給され る。 この実施例ではリターン燃料が燃料タンク 1 0 0内だけで循環され、 エンジンからのリターン燃料はない。

エレメント 1 2 4を燃料が激しく摩擦することにより静電気が発生する 力、 下ハウジング 1 2 6が導電性樹脂により成形されているため、 静電気 はハウジング内に蓄積されることなく下ハウジング 1 2 6外へ放散される 。 このとき、 燃料タンク内に位置する電気的にフロー卜された金属部品を 下ハウジング 1 2 6と接触させることで静電気の放電面積を増加させるこ とができ、 静電気の蓄積をより低いレベルに抑えることができる。 例えば 、 電源の両極端子とも絶縁された燃料ポンプ 1 1 0の金属製のケースに接 触させることで放電面積の向上が図られ、 燃料タンク内だけで静電気の低 減を図ることができる。

なお、 特別の電気的な接続構造を設ける必要があるが、 下ハウジング 1 2 6を電気コネクタ 1 5 0内の接地電極と接続して静電気を逃がすように 構成してもよい。

次に、 上記実施例のフィル夕エレメン卜 1 2 4の製造方法と形状につい て詳細に説明する。

エレメント 1 2 4は、 2枚の濾紙を図 3の加工手順に沿って加工して製 造される。

まず、 ステップ 1では濾紙を成形する。 ここでは、 2枚の帯状濾紙を用 意し、 その一方を半円形の山と鋭い谷とが繰り返す波板状に加工する。 次に、 ステップ 2では、 2枚の帯状濾紙を波板状濾紙の谷部側で接合し 、 2枚の帯状瀘紙の間に複数の濾過筒を形成する。 そして、 濾過筒の一端 を押しつぶして接合し、 閉塞する。 これにより、 2枚の帯状濾紙の間には 複数の濾過筒が形成される。 この状態が図 4に図示されている。 波板状濾 紙 2 0 1と平板状濾紙 2 0 2とが谷部 2 0 3の先端で接合され、 濾過筒 2 0 8が形成されている。 この濾過筒 2 0 8は紙面奥側において山部 2 0 4 が潰されて波板状濾紙 2 0 1と平板状據紙 2 0 2とが接合され、 閉塞され ている。 この状態を帯状体 2 0 0と呼ぶ。

次にステップ 3では帯状体が積層される。 ここでは帯状体 2 0 0を中空 の円筒状に巻いて積層し、 図 5に図示される予備組み立て体 3 0 0が作ら れる。 帯状体 2 0 0の積層の過程では、 濾過筒 2 0 8の開口端側において 谷部 2 0 3内に接着剤を充填しながら隣接する帯状体 2 0 0が接合される 。 なお、 濾紙の接合、 並びに帯状体間の接合にはホッ トメルト接着剤が用 いられている。 この結果、 平板状の予備組み立て体 3 0 0の一方の端部に 向けて複数の濾過筒 2 0 8が開口し、 他方の端部に向けて隣接する帯状体 2 0 0間の隙間が開口する。 なお、 図 5において 3 0 1、 3 0 2は帯状体 2 0 0の両端での段差を埋める接着剤である。

ステップ 4では、 円筒状の予備組み立て体 3 0 0を半分に切断し、 切断 面を閉じるために濾紙 4 0 1、 4 0 2が接着され、 図 6に図示されるよう な濾過エレメント 4 0 0が得られる。 この濾過エレメント 4 0 0は、 中央 に空洞部を有しており、 C字型あるいは半環状と呼べる形状である。 この 濾過エレメント 4 0 0は、 外周が円周状ではあるが、 その一部に不連続部 分をもっている。 この不連続部は、 濾過エレメント 4 0 0の中心から見て 1 8 0度にわたって広がる開口部である。 これにより一つの予備組み立て 体 3 0 0から 2つの濂過エレメント 4 0 0が得られる。

ステップ 5では、 濾過エレメント 4 0 0の外周に接着剤を塗布し、 濾過 エレメント 1 2 4として下ハウジング 1 2 6内に圧入する。 このとき、 濾 過エレメント 4 0 0と下ハウジングとの間は接着剤によってシールされる 。 よって濾過エレメント 4 0 0の両端面に入口と出口が形成される。

このように円筒状に形成した予備組み立て体 3 0 0を切断することで、 外周が円周状ではあるが、 その一部に不連続部分をもった濾過エレメン卜 4 0 0を得ることができる。 特にこの実施例では、 濾過エレメントがハニ カム状であるため切断加工を加えても切断面の潰れや変形が少なく、 切断 加工に適する。

次に、 濾過エレメントの第 2実施例を説明する。 この実施例では、 図 3 のステップ 3以下において異なる手法が採用される。

まず、 ステップ 3において、 帯状体 2 0 0を仮想の積層基準面の両端で 折り返しながら、 この基準面の両面に巻くようにして積層し、 図 7に図示 される平板状の予備組み立て体 3 1 0が作られる。 帯状体 2 0 0の積層過 程での接着剤の使用は上記と同様である。 予備組み立て体 3 1 0の外周は 互いに平行な平板部 3 1 1 、 3 1 2と、 湾曲した折り返し部 3 1 3 , 3 1 4とで構成される。 なお、 図 7において 3 1 5は帯状体 3 0 0の終端にお ける段差を小さくするために付加された接着剤を示している。

ステップ 4では、 予備組み立て体 3 1 ◦を加工して不連続部を形成し、 外周が円周状ではあるが、 その一部に不連続部分をもった濾過エレメント 4 1 0が得られる。 ここでは前工程で付与された接着剤が硬化する前に、 濾過筒 2 0 8を押し潰さない程度の圧力を加えて予備組み立て体 3 1 0を 図 8に図示される半環状の形状まで湾曲させる。 その後、 冷却しホットメ ルト系接着剤の硬化により、 図 8に示す形状を維持可能な濾過エレメント 4 1 0が得られる。 なお、 加熱して接着剤を軟化させ変形させてもよい。 そしてステップ 5では上記と同様に接着剤が外周に塗布されて下ハウジ ングに濾過エレメント 4 1 0が装着されるが、 この第 2実施例においては 図 9に図示されるような容器状の下八ウジング 2 8 0が用いられる。 なお 、 2 8 1は燃料ポンプとの接続部、 2 8 2は蓋 1 0 4に設けられたコネク 夕管 1 3 2への通路部、 2 8 3はプレツシャレギユレ一夕との接続部を示 している。

この第 2実施例によると切断加工なしで、 外周が円周状ではあるが、 そ の一部に不連続部分をもった濾過エレメント 4 1 0を得ることができる。 持にこの実施例では、 濾過エレメントがハニカム状であるため、 積層後の 変形加工が加えられても濾過筒の変形が少なく、 濾過面積の減少がほとん どない。

次に、 濾過エレメントの第 3実施例を説明する。 この実施例では、 図 3 のステップ 3以下において異なる手法が採用される。

まず、 ステップ 3において、 帯状体 2 0 0を図 1 0のような薄い円筒状 に巻いて積層し、 予備組み立て体 3 2 0が作られる。

ステップ 4では、 予備組み立て体 3 2 0の半分を内側へ向けて変形させ て、 上述の図 8の形状の濾過エレメント 4 2 0を得る。 この変形工程は、 接着剤を軟化させるベく加熱しながら行われることが望ましい。 そして、 内側面には接着剤を塗布し、 内側に面する全ての谷部が閉塞される。

ステップ 5では上記と同様に接着剤が外周に塗布されて図 9の形状をも つた下ハウジング 2 8 0に濾過エレメン卜 4 2 0が装着される。 次に、 濾過エレメントの第 4実施例を説明する。 この実施例では、 第 2 実施例の製造工程を用いて図 7に図示される予備組み立て体 3 3 0が作ら れる。 そして、 ステップ 4による湾曲工程を経ることなく、 図 7の形状の 予備組み立て体 3 3 0を変形させながら図 9に示す下ハウジング 2 8 0内 に装着する。 なお、 この装着工程においては予備組み立て体 3 3 0を加熱 することが望ましい。

なお、 以上の実施例ではほぼ 1 8 0度の範囲にわたる円弧状のフィル夕 を形成したが、 図 1 1に図示されるように 2 7 0度にわたるようなフィル 夕を成形してもよい。 この図 1 1の濾過エレメント 4 4 0は第 2実施例の 製造工程を用いて作ることができる。

また、 濾過エレメントの周方向の一部に形成される不連続部は、 図 1 2 に図示されるように外側から数層の帯状体を切除して形成されてもよい。 この図 1 2の濾過エレメン卜 4 5 0は第 1実施例の濾過エレメン卜の製造 方法を応用して製造することができる。 なお、 この濾過エレメント 4 5 0 を用いる場合にはフィル夕ハウジングは完全な環状の容器状に形成され、 濾過エレメン卜 4 5 0の凹部 4 5 1に対応してハウジングにも凹部が形成 される。 そしてその凹部に電気コネクタ、 燃料液面計などの部品が収容さ れる。 なお、 凹部は円周上の弦での切除により形成されてもよい。

また、 上記実施例では濾過エレメントとして段ボールのような八二カム 状エレメントを用いている力 図 1 3に図示されるような菊花状エレメン 卜を用いても、 外周に不連続部をもった燃料,フィル夕を形成することがで きる。 ここでは、 環状範囲のうちの一部範囲において濾材を径方向に第 1 厚さをもって配置し、 残る範囲の山の高さを低くして濾材を第 1厚さより 薄く配置して、 外周から内側へ凹となる凹部を形成することで不連続部が 形成される。

また、 図 5のように完全な環状に形成された予備組み立て体 3 0 0の一 部を外周側から内周側へ向けて押しつぶして図 1 2の形状に近い凹部をも つ濾過エレメントを製造してもよい。

また、 菊花状エレメントの他に、 帯状濾紙を長手方向に半分に折り、 そ れを積層したエレメン卜でも利用することができる。

なお、 上記実施例では、 外周に不連続部をもった燃料フィル夕を用いて 燃料ポンプの外周に燃料フィル夕と他の燃料タンク内部品とを集積化して 配置したが、 ほぼ半分の環状に形成された第 1、 第 2実施例の燃料フィル 夕は不連統部側を壁面側に向けることで、 燃料フィル夕の取り付け面とし ての壁面に対して大きく突出することなく取り付けることができる。 また上記実施例では燃料フィル夕について詳しく説明したが、 本発明の フィル夕ならびにその製造方法は、 気体、 液体のフィル夕として広い用途 に利用することができる。

産業上の利用可能性

以上に述べたようにフィルタにはその外周の一部に不連続部が形成され ているため、 他の部品をそこに位置させることができ、 フィル夕の設置上 の自由度が高められる。 特に燃料タンク内に設置される燃料フィル夕にあ つては燃料タンク内に設置される他の部品を不連続部に位置させることが できるので燃料タンク内に多くの部品を高度に集積化して設置することが 可能となる。

Claims

請求の範囲

1 . 流体を濾過するフィル夕において、

外周面と、 流体の入口側および出口側としての両端面とを有する濾過ェ レメン卜を含み、 前記濾過エレメントの外周面の一部には不連続部が形成 されていることを特徴とするフィル夕。

2 . 請求項 1記載のフィル夕において、

前記不連続部は、 前記濾過エレメントの外周面の一部に形成された凹部 であることを特徴とする。

3 . 請求項 2記載のフィル夕において、

前記フィル夕は、 濾材を環状に配置して形成されており、 前記凹部は環 の外周から内側に向けて形成されていることを特徴とする。

4 . 請求項 1記載のフィル夕において、

前記不連続部は、 前記濾過エレメントの外周面に形成された開口部であ ることを特徴とする。

5 . 請求項 4記載のフィル夕において、

前記フィル夕は、 前記開口部が周方向の一部に形成された部分環状に濾 材を配置して形成されていることを特徴とする。

6 . 請求項 5記載のフィル夕において、

前記フィルタは、 濾材を積層して形成されている。

7 . 請求項 1記載のフィル夕において、

前記フィル夕は燃料を濾過する燃料フィル夕であることを特徴とする。

8 . 請求項 1記載のフィル夕において、

前記フィル夕は、 径方向に対して複数の濾材を積層して形成されている ことを特徴とする。

9 . 流体を濾過するフィル夕の製造方法において、

濾材を含む帯状体を形成する第 1工程と、

前記濾材を積層して予備組み立て体を形成する第 2工程と、

前記予備組み立て体に機械的な加工を加えて濾過エレメン卜を形成する 第 3工程とを有することを特徴とするフィルタの製造方法。

1 0 . 請求項 9記載のフィル夕の製造方法において、

前記第 1工程では、 複数の濾過筒を有する帯状体が形成されることを特 徴とする。

1 1 . 請求項 9記載のフィル夕の製造方法において、

前記第 3工程では、 前記予備組み立て体に機械的な加工を加えることで 、 外周上に不連続部を有する濾過エレメン卜を形成することを特徵とする

1 2 . 請求項 1 1記載のフィル夕の製造方法において、

前記第 2工程では、 前記濾材を中空に積層して筒状の予備組み立て体が 形成されることを特徴とする。

1 3 . 請求項 1 2記載のフィル夕の製造方法において、

前記第 3工程では、 前記筒状の予備組み立て体に、 それを変形させる機 械的な加工を加えて濾過エレメントを形成することを特徴とする。

1 4 . 請求項 1 2記載のフィル夕の製造方法において、

前記第 3工程では、 前記筒状の予備組み立て体に、 その少なくとも一部 を切除する機械的な加工を加えて濾過エレメントを形成することを特徴と する。

1 5 . 請求項 1 1記載のフィル夕の製造方法において、

前記第 2工程では、 前記濾材を平板状に積層して平板状の予備組み立て 体が形成されることを特徴とする。

1 6 . 請求項 1 5記載のフィル夕の製造方法において、

前記第 3工程では、 平板状の予備組み立て体に、 それを変形させる機械 的な加工を加えて濾過エレメントを形成することを特徴とする。

1 7 . 請求項 1 1記載のフィルタの製造方法において、

前記第 3工程では、 前記予備組み立て体を、 それを変形させながら周方 向に不連続部を有するフィル夕ハウジング内に装着することを特徴とする

1 8 . 流体を濾過するフィル夕の製造方法において、

濾材を筒状に成形する工程と、

前記筒状の濾材に機械的な加工を加えて、 外周に不連続部を有する濾過 エレメントに加工する工程とを有することを特徵とするフィル夕の製造方 法。

1 9 . 流体を濾過するフィルタの製造方法において、

周方向の一部範囲に濂材を第 1の厚さに配置する工程と、

周方向の残る範囲に濂材を前記第 1厚さより薄い第 2厚さをもって配置 する工程とを有し、 前記第 2厚さの部分によって凹部をもつフィル夕を形 成することを特徴とするフィル夕の製造方法。

2 0 . 流体を濾過するフィル夕の製造方法において、

濾材間に複数の濾過筒が形成された帯状体を形成する工程と、 前記帯状体を、 仮想の積層基準面の両端で折り返しながら、 この基準面 の両面に巻くようにして積層し、 前記基準面に沿った所定厚さを有する板 状濾過エレメントを形成する工程とを有することを特徴とするフィル夕の 製造方法。