明 細 書 電動パワーステアリング装置の制御装置 技術分野
本発明は、 トルク検出値の異常を検出することのできる装置を備えた 電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。 背景技術
一般に、 電動パワーステアリング装置の制御装置にあっては、 操舵系 の操舵トルクポテンショメータで構成される トルクセンサで検出し、 こ のトルクセンサのトルク検出値に応じて制御手段で前記操舵系に対して 操舵補助力を発生する電動モー夕を制御するようにしている。
このように、 電動パワーステアリング装置の制御装置では、 トルクセ ンサのトルク検出値に基づいて電動モータで発生する操舵補助力を制御 するので、 トルクセンサで検出される トルク検出値が異常状態となると 正確な制御を行うことができなくなるため、 トルクセンサの異常を検出 することが必要となる。
ここで、 トルクセンサの異常としては、 電源の変動や接続されるコネ クタの接触抵抗の経時変化等に起因する トルク検出値がドリフ 卜する異 常と、 コネクタの接触抵抗値の経時変化による トルク検出値の変動ゃポ テンショメータの摺動接触子の接触不良等に起因する トルクセンサの故 障等のトルク検出値の異常とがある。
従来、 トルクセンサのドリフ ト異常を検出する ドリフ ト検出回路とし ては、 例えば図 2 0に示すものが提案されている。
この従来例では、 トルクセンサ 1 0 1 は、 付与された操舵トルクをト
ーシヨンバーの捩じれ角変位に変換し、 この捩じれ角変位を直列に接続 されたメインボテンショメータ 1 0 2及びサブポテンショメータ 1 0 3 で検出するよう構成されており、 直列に接続されたポテンショメータ 1
0 2及び 1 0 3の直列回路の両端部は共に電源 Eに接続され、 直列回路 の接続部は接地されている。 電源電流の供給により各ポテンショメ一夕
1 0 2, 1 0 3の摺動接触子 1 0 2 a, 1 0 3 aからはそれぞれトルク 電圧が取り出され、 これらのトルク電圧はパワーステアリ ング装置内の 電子制御回路 1 0 4に入力される。 そして、 この電子制御回路 1 0 4の 入力端子に設けられた各入力抵抗 Rm, R sに生じた各トルク電圧 Vm . V sは、 それぞれ A/D変換器 1 0 5, 1 0 6を介してマイクロコン ピュー夕 1 0 7に入力される。 マイクロコンピュータ 1 0 7では、 メイ ンボテンショメータ 1 0 2のトルク電圧値 Vmに基づいてモー夕電流指 令値の算出を行い、 メイン及びサブの両ポテンショメータ 1 0 2, 1 0 3のトルク電圧値 Vm, V sに基づいてドリフ トの検出が行われる。 上記の構成からなる各ボテンショメータ 1 0 2, 1 0 3からは、 図 2 1に実線で示すような、 互いに逆相特性 (クロス特性) のトルク電圧が 発生する。 摺動接触子 1 0 2 aのトルク電圧 Vm及び摺動接触子 1 0 3 aのトルク電圧 V sは、 人力トルクが零のときには電圧値 V 0と同一の 値となり、 例えば、 右切り トルクの付与により各摺動接触子 1 0 2 a, 1 0 3 aが共に図 2 0の回路図における下側に移動したとすると、 トル ク電圧 Vmは略直線的に減少し、 トルク電圧 V sは略直線的に増加し、 一方、 左切り トルクにより各摺動接触子 1 0 2 a, 1 0 3 aが共に上側 に移動したとすると、 トルク電圧 Vmは略直線的に増加し、 トルク電圧 V sは略直線的に減少する。 そして、 トルク電圧 Vm及び V sは、 付与 されたトルクの絶対値が同じときには同一の電圧値を示す。
このような出力特性を有するトルクセンサにおいては、 電源の変動や
接続されるコネクタの接触抵抗の経時変化等に起因する トルクセンサ出 力のドリフ トの検出は次のように行われる。
例えば、 トルクセンサ 1 0 1に供給される電源電圧 Eが温度変化によ り減少したとすると、 各トルク電圧 Vm及び Vsに現れる ドリフ トは、 図 2 1に破線で示すように、 出力電圧の低いところでは小さな量となり 、 一方出力電圧の高いところでは大きな量となり、 一定していない。 そ こで、 先ず、 ドリフ トのないときのトルク電圧 Vmとトルク電圧 V sと の平均値である中立点の電圧 V。 を、 次の式により予め求めておく。
Vo = 1 /2 (Vm + V s ) … ( 1 )
そして、 ドリフ トを有するメインボテンショメ一夕のトルク電圧 Vm dとサブポテンショメータのトルク電圧 V s dとを用いて、 ドリフ ト値 △ Vdを中立点電圧 V。 に対する偏差の平均値として次の式により求め ο
△ Vd= 1 Z2 (Vmd+V s d) — V。 … (2)
次に、 このドリフト値 AVdの絶対値を算出し、 この算出値と予め設 定した所定値とを比較して、 算出値が所定値より大きか否かにより ドリ フ 卜の発生を検出している。
しかしながら、 上記従来のドリフ ト検出回路にあっては、 メインボテ ンショメータとサブポテンショメ一夕の 2系統のトルク電圧の差に基づ いてドリフ トを検出しており、 上式 ( 1 ) 及び (2) より ドリフ ト値 Δ
Vdは次のようになる。
△ Vd= 1 2 (Vmd -Vm) + 1 X2 (V s d - V s ) … ( 3 ) したがって、 ドリフト値 AVdは、 メインボテンショメータの偏差分 の 1ノ2とサブボテンショメータの偏差分の 1ノ 2を加算したものとな り、 例えば、 図 2 1の特性図における左端においては、 サブポテンショ メータの偏差分はほぼ零になるので、 算出される ドリフ ト値 AVdは、
メインボテンショメータの偏差分の 1 Z 2のみとなる。
このように、 上記従来例で算出される ドリフ トは、 その実際の電源変 動分より小さな値となつて検出されるため、 検出感度が低くなつてしま い、 2系統の出力信号電圧の差がある程度大きくなるまでドリフ トを検 出することができないという問題点を有している。 このため、 ドリフ ト が検出されるまでは、 電動モータにドリフ トを有する駆動電流が流れ、 操舵輪が自転 (セルフステア) する恐れがあり安全上好ましくない。 一方、 トルクセンサのトルク検出値そのものの異常を検出する トルク 検出値異常検出装置としては、 例えば、 特公平 6 — 9 9 7 3号公報に記 載されたものがある。 これは、 トルクセンサ内の第 1の変位対電気信号 変換部及び第 2の変位対電気信号変換部からそれぞれ出力されたトルク 検出値の差が、 所定値以上の場合にトルクセンサ異常と判定し、 このと きには、 電動パワーステアリング装置の電動モータ及び電磁クラッチの 作動を停止させて車両の安全性を保持している。
しかしながら、 上記従来のトルク検出値異常検出装置にあっては、 メ ィン及びサブのトルク検出値の差分値と予め設定した所定値とを比較し て異常判定を行っているが、 この所定値 Δ Τを設定するときに、 製造組 付け時に想定されるコネクタの接触抵抗値の公差を考慮に入れて設定を 行うことが正確な異常判定のために望ましい。 このため、 例えば、 図 2 2に示すように、 サブ側の第 2の変位対電気信号変換部に公差 T。F F か あるときには、 この公差 T O F F を考慮に入れ、 且つ、 正常 '異常の判定 が安定するように余裕を見て大きめの所定値 Δ Τを設定するために、 異 常検出の精度が低下するという問題点がある。
また、 上記公報に記載された従来例にあっては、 例えば、 図 2 3に示 すように、 メイン側の第 1の変位対電気信号変換部で信号ラインのコネ クタの接触抵抗が増大してトルク電圧値が変化した場合に、 付与された
操舵トルクが小さい中立位置近傍での変化幅 (トルク検出値の差) は、 例えば右きりの操舵トルクが大きいところの変化幅と比べて小さな値と なって現れる。 このように、 操舵トルク毎に変化幅に差が生じ、 検出精 度を一定に保つことが困難であるという問題点も有している。 発明の開示
本発明は、 上記問題点を解消し、 簡単な構成で確実にトルクセンサ出 力のドリフトを検出することができると共に、 操舵輪の自転を回避する ことができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することを 目的とする。
また、 本発明は、 トルク検出値の異常検出の精度を向上させると共に 、 検出精度を安定化することのできる電動パワーステアリング装置の制 御装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、 請求の範囲第 1項に係る電動パワーステ ァリング装置の制御装置は、 図 1のクレーム対応図に示すように、 両端 が電源に接続された抵抗体及びこれに摺接してトルク検出値を出力する 摺動接触子を有するトルク検出用のポテンショメータを備えて操舵系の 操舵トルクを検出するトルクセンサと、 操舵系に対して操舵補助力を発 生する電動モ一夕と、 少なくとも前記トルクセンサから出力されたトル ク検出値に応じて前記電動モータを制御する制御信号を出力する制御手 段と、 該制御手段の制御信号に基づいて前記電動モータを駆動する駆動 手段とを有する電動パワーステアリ ング装置の制御装置において、 前記 ポテンショメータの両端間に流れる電源電流を検出する電流検出手段と 、 該電流検出手段の出力値と予め設定した設定値とを比較して前記ポテ ンショメータに生じたドリフトを検出するドリフト検出手段とを備えた ことを特徴としている。
この請求の範囲第 1項の発明によれば、 電源から供給された電流をト ルク検出用ボテンショメータ間に流し、 この電流を電流検出手段で検出 し、 検出された値と予め設定した設定値とをドリフト検出手段で比較し てポテンショメ一夕に生じたドリフトを検出しており、 電源変動やコネ クタの接触抵抗の変化等に起因する ドリフ トを電流の変化として検出し ている。 電流検出手段を例えば固定抵抗で構成し、 この固定抵抗にポテ ンショメータを介して電流を入力した場合、 ドリフ トはこの固定抵抗の 端子電圧の変化として現れ、 この端子電圧値と予め設定した設定値とを ドリ フ ト検出手段で比較することにより、 ポテンショ メータに生じた ド リフ トを確実に検出することができる。
また、 請求の範囲第 2項に係る電動パワーステアリ ング装置の制御装 置は、 図 2のクレーム対応図に示すように、 請求の範囲第 1項の発明に おいて、 操舵トルクが付与されていないときに供給された前記トルク検 出値を、 前記ボテンショメータの出力電圧値と同一の値に設定して前記 制御手段に出力するトルク検出値設定手段を、 前記ポテンショ メ一夕と 同一の電源接地間に配設したことを特徴としている。
この請求の範囲第 2項の係る発明によれば、 操舵トルクが付与されて いないときには、 トルク検出用ボテンショメータからトルク検出値設定 手段に供給されたトルク検出値は、 例えば、 トルク信号入出力端子のコ ネクタ接触抵抗値の増加に起因するドリフ トが発生しても、 ボテンショ メータの出力電圧値と同じ値に設定されて制御手段に出力される。
さらに、 請求の範囲第 3項に係る電動パワーステアリ ング装置の制御 装置は、 請求の範囲第 2項の発明において、 前記トルクセンサは、 電源 の両端に接続された電流入力端子及びドリフ ト出力端子と、 両端子間に 接続されたボテンショメータと、 該ボテンショメータの摺動接触子に接 続されたトルク信号出力端子とで構成され、 且つ前記トルク検出値設定
手段は、 前記トルク信号出力端子と前記電源の両端間に夫々接続された トルク検出値設定抵抗で構成されていることを特徴としている。
この請求の範囲第 3項の発明によれば、 トルク信号出力端子等でコネ クタ接触抵抗の増加に起因するドリフトが発生しても、 トルク検出値設 定抵抗で、 操舵トルクが付与されていないときのトルク検出値をポテン ショメータの出力電圧値と同じ値として制御手段に出力する。
また、 請求の範囲第 4項に係る電動バワーステアリング装置の制御装 置は、 両端が電源に接続された抵抗体及びこれに摺接してトルク検出値 を出力する摺動接触子を有するトルク検出用のポテンショメータを備え て操舵系の操舵トルクを検出するトルクセンサと、 前記操舵系に対して 操舵補助力を発生する電動モータと、 少なく とも前記トルクセンサの卜 ルク検出値に応じて前記電動モータで発生する操舵補助力を制御する制 御手段と、 を備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、 前記トルクセンサはメインポテンショメータ及びサブボテンショメータ で構成され、 前記制御手段は少なくともメインボテンショメータのトル ク検出値に基づいて前記電動モータで発生する操舵補助力を制御し、 さ らに、 前記メインボテンショメ一夕及び前記サブポテンショメータの各 トルク検出値についてそれぞれ同時期における単位時間当りの変化量を 求めると共に、 求めた前記メインボテンショメータ及び前記サブポテン ショ メ一夕の前記変化量の差値を求め、 この差値に基づいて前記トルク 検出値の異常を検出する異常検出手段を設けたことを特徴としている。
この請求の範囲第 4項の発明によれば、 メイントルクセンサから出力 されたトルク検出値の単位時間当たりの変化量と、 サブトルクセンサか ら出力されたトルク検出値の単位時間当りの変化量との同時期における 差値を求め、 この差値からトルク検出値の異常、 例えば、 コネクタの接 触抵抗値の経時変化によるトルク検出値の変動ゃポテンショメータの摺
動接触子の接触不良等に起因するトルクセンサの故障等のトルク検出値 の異常を検出している。 しかも、 このトルク検出値の異常検出において は、 単にメイントルクセンサ及びサブトルクセンサのトルク検出値の絶 対的な差分値から異常検出を行うのではなく、 メイントルクセンサ及び サブトルクセンサの各トルク検出値の単位時間当りの各変化量の相対的 な差分値に基づいて異常検出を行っているので、 付与された操舵トルク の大小にかかわらず安定したトルク検出値の差分値が得られる。 このた め、 トルク検出値の小さい微小操舵時においても大操舵時と同様にトル ク検出値の異常が検出される。
また、 請求の範囲第 5項に係る電動パワーステアリ ング装置の制御装 置は、 請求の範囲第 4項の発明において、 前記トルクセンサは、 電源の 両端に接続された接続端子と、 該接続端子間に並列に接続されたメイン ポテンショメータ及びサブボテンショメータと、 両ポテンショメータの 摺動接触子に接続されたトルク信号出力端子とから構成されていること を特徴としている。
この請求の範囲第 5項の発明によれば、 トルクセンサの外部接続端子 を一対の接続端子とトルク信号出力端子の 3つで構成することができ、 構成が簡易化されると共、 制御手段との接続が容易となる。
また、 請求の範囲第 6項に係る電動パワーステアリング装置の制御装 置は、 請求の範囲第 4項の発明において、 前記トルクセンサは、 電源の 両端に並列に接続された 2組の接続端子と、 一方の接続端子に接挠され たメインポテンショメータと、 他方の接続端子に接続されたサブポテン ショメータと、 両ポテンショ メータの摺動接触子に接続されたトルク検 出値出力端子とから構成されていることを特徴としている。
この請求の範囲第 6項の発明によれば、 電源ラインに生じた接触抵抗 値の増加も検出することができ、 トルクセンサ及び制御手段に存在する
全ての接触抵抗値の変化を検出することができ、 これに起因する トルク 検出値の異常検出を行うことができる。
さらに、 請求の範囲第 7項に係る電動パワーステアリング装置の制御 は、 両端が電源に接続された抵抗体及びこれに摺接してトルク検出値を 出力する摺動接触子を有するトルク検出用のボテンショメータを備えて 操舵系の操舵トルクを検出するトルクセンサと、 操舵系に対して操舵補 助力を発生する電動モータと、 少なく とも前記トルクセンサから出力さ れたトルク検出値に応じて前記電動モータを制御する制御信号を出力す る制御手段と、 該制御手段の制御信号に基づいて前記電動モータを駆動 する駆動手段とを有する電動パワーステアリ ング装置の制御装置におい て、 前記トルクセンサはメインポテンショメータ及びサブボテンショメ 一夕で構成され、 前記制御手段は少なく ともメインポテンショメータの トルク検出値に基づいて前記電動モータで発生する操舵補助力を制御し 、 さらに、 前記メインポテンショメータ及び前記サブポテンショメ一夕 の各トルク検出値についてそれぞれ同時期における単位時間当りの変化 量を求めると共に、 求めた前記メインポテンショメータ及び前記サブポ テンショメータの前記変化量の差値を求め、 この差値に基づいて前記卜 ルク検出値の異常を検出する異常検出手段と、 前記ボテンショメータの 両端間に流れる電源電流を検出する電流検出手段と、 該電流検出手段の 出力値と予め設定した設定値とを比較して前記ポテンショメータに生じ たドリフ トを検出する ドリフ ト検出手段とを設けたことを特徴としてい o
この請求の範囲第 7項の発明によれば、 ボテンショメータに生じたド リフ トを確実に検出することができると共に、 例えば、 コネクタの接触 抵抗値の経時変化による トルク検出値の変動ゃポテンショメータの摺動 接触子の接触不良等に起因する トルクセンサの故障等のトルク検出値の
異常をトルク検出値の小さい微小操舵時ゃ大操舵時にかかわらず正確に 検出することができる。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の請求の範囲第 1項に係る発明のクレーム対応図であ 図 2は、 本発明の請求の範囲第 2項に係る発明のクレーム対応図であ 図 3は、 本発明の請求の範囲第 3項に係る発明のクレーム対応図であ る。
図 4は、 本発明の電動パワーステアリング装置の一例を示す概略構成 図である。
図 5は、 本発明におけるトルク検出値のドリフト異常を検出する場合 の第 1実施例を示すプロック図である。
図 6は、 第 1実施例に係るドリ フ トの特性を示す特性線図である。 図 7は、 第 1実施例に係るトルク検出電圧を示す特性線図である。 図 8は、 第 1実施例のドリフト検出の処理手順を示すフローチヤ一ト である。
図 9は、 第 1実施例に係る、 電動パワーステアリ ング装置の通常作動 時における中央処理装置による制御処理手順を示すフローチヤ一トであ 図 1 0は、 車速をパラメ一夕とした操舵トルクに対するモータ電流指 合値を示す特性線図である。
図 1 1は、 第 1実施例に係るモータ駆動電流の異常監視処理手順を示 すフローチヤ一トである。
図 1 2は、 本発明をトルク検出値異常の検出に適用した場合の第 2実
施例を示すプロック図である。
図 1 3は、 第 2実施例のポテンショメ一夕の入出力特性を示す特性線 図である。
図 1 4は、 接触抵抗 R , を含む等価回路図である。
図 1 5は、 接触抵抗が増大したときのトルク検出電圧の変化を示す特 性線図である。
図 1 6は、 トルク検出値の異常検出処理を示すフローチャー トである 図 1 7は、 本発明をトルク検出値の異常検出に適用した場合の第 3実 施例を示すプロック図である。
図 1 8は、 接触抵抗 R c を含む等価回路図である。
図 1 9は、 トルク検出値、 舵角速度値及び舵角加速度値に基づいて操 舵状態を検知する制御回路の概略プロック図である。
図 2 0は、 従来例のドリフト検出を含むトルク検出回路図である。 図 2 1は、 従来例に係るドリ フ トの特性を示す特性線図である。 図 2 2は、 従来例のトルク電圧のオフセッ トを示す説明図である。 図 2 3は、 トルク電圧の変化幅の変化を表す説明図である。
符号の説明: 1 d…ステアリ ングホイール, 2…ステアリ ングシャ フ ト, 3… トルクセンサ, 3 A…ポテンショ メータ, 1 0…減速ギア, 1 1…電磁クラッチ装置, 1 2…電動モータ, 1 3…コン トローラ 1 3 e , 1 3 ί…トルク検出値設定抵抗 ( トルク検出値設定手段) , 1 3 g…電流検出抵抗 (電流検出手段) , 1 4…ィグニッシヨ ン · スイ ツ チ, 1 7…車速センサ, 2 1 …マイクロコンピュータ, 2 2…モータ駆 動回路, 2 3…フヱールセーフリ レー回路, 2 4…クラッチ駆動回路, 3 M …メインボテンショ メ一夕 (メイン トルクセンサ) , 3 S …サブボ テンショメ一夕 (サブトルクセンサ) , 2 6…ケーブル
発明を実施するための最良の状態
以下、 本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図 4は、 本発明に係る電動パワーステアリ ング装置の概略構成図であ る。 図中、 1はステアリングホイールであり、 このステアリングホイ一 ルに作用された操舵力は、 入力軸 2 aと出力軸 2 bから構成されたステ ァリングシャフ ト 2に伝達される。 この入力軸 2 aの一端はステアリン グホイール 1 に連結され、 他端はトルク検出手段としてのトルクセンサ 3を介して出力軸 2 bの一端に連結されている。
そして、 出力軸 2 bに伝達された操舵力は、 ユニバーサルジョイン ト 4を介してロアシャフト 5に伝達され、 さらに、 ユニバーサルジョイン ト 6を介してピニオンシャフト 7に伝達される。 操舵力は、 更にステア リ ングギヤ 8を介して夕イロッ ド 9に伝達されて転舵輪を転舵させる。 ステアリングギヤ 8は、 ビニオン 8 aとラック 8 bとを有するラックァ ンドピ二オン形に構成され、 ピニオン 8 aに伝達された回転運動をラッ ク 8 bで直進運動に変換している。
ステアリ ングシャフ ト 2の出力軸 2 bには、 補助操舵力 (アシスト力 ) を出力軸 2 bに伝達する減速ギア 1 0が連結されており、 減速ギア 1 0には、 補助操舵力の伝達 ·遮断を行う例えば電磁式で構成されている 電磁クラッチ装置 1 1を介して、 補助操舵力を発生する電動モー夕 1 2 の出力軸が連結されている。
この電磁クラツチ装置 1 1はソレノィ ドを有し、 このソレノィ ドに後 述するコントローラ 1 3によって励磁電流が供給されることにより、 減 速ギヤ 1 0 と電動モータ 1 2とは機械的に結合され、 励磁電流の供給停 止により離脱される。
トルクセンサ 3は、 ステアリ ングホイール 1 に付与されて入力軸 2 a
に伝達された操舵トルクを検出するもので、 例えば操舵トルクを入力軸
2 a及び出力軸 2 b間に介挿したトーショ ンバーの捩じれ角変位に変換 し、 この捩じれ角変位をボールねじ部材により直進運動に変換して、 ボ テンショメ一夕の摺動接触子に連結されたレバーをボールねじ部材によ り可動させ、 摺動接触子から出力される抵抗値を可変するよう構成され る。 このトルクセンサ 3の摺動接触子から出力される電圧値でなる トル ク検出値 Tは、 コン トローラ 1 3に供給される。
コン トローラ 1 3は、 トルク検出値 T及び電動モータ 1 2の電流検出 値に応じて、 電動モータ 1 2に供給される駆動電流を制御している。 こ のコン トローラ 1 3には、 電動モータ 1 2の駆動電流に対応した信号が フィードバックされ、 このフィードバック信号によりコン トローラ 1 3 から電動モータ 1 2に出力される電流がフィ一ドバック制御されている o さらに、 コントローラ 1 3には、 ィグニッシヨン ' スィッチ 1 4及び ヒューズ 1 5 aを介してバッテリ 1 6から電流が供給される。 さらに、 例えば変速機の出力回転数に対応した周期のパルス信号を発生する車速 センサ 1 7からの車速検出信号 V P 力、 コントローラ 1 3に入力され、 車速に応じた補助操舵力が発生される。
トルクセンサ 3及びコントローラ 1 3の基本構成の一実施例を図 5に 示す。 図示の如く、 トルクセンサ 3のポテンショメータ 3 Aは、 摺動接 触子 3 dから可変抵抗値を取り出すよう構成されており、 両端間では抵 抗値 R tを有している。 ボテンショメータ 3 Aの両端部は、 トルクセン サ 3の電流入力端子 3 a及びドリフ ト出力端子 3 cにそれぞれ接続され 、 トルク検出値 Tを出力する摺動接触子 3 dは、 トルク信号出力端子 3 bに接続される。
トルクセンサ 3の各端子 3 a〜3 cは、 両端にコネクタを有したケ一 ブル 2 6に接続され、 このケーブル 2 6を介して、 コン トローラ 1 3に
設けられた電流出力端子 1 3 a、 トルク信号入力端子 1 3 b及びドリフ 卜入力端子 1 3 cの各端子にそれぞれ対応して接続される。
ここで、 コネクタで接続されている電流出力端子 1 3 aのコネクタ接 触抵抗値を R 1 とし、 電流入力端子 3 a、 ドリフト出力端子 3 c及びド リフ ト入力端子 1 3 cのそれぞれのコネクタ接触抵抗値を R 2、 R 3及 び R 4とし、 トルク信号出力端子 3 b及びトルク信号入力端子 1 3 bの それぞれのコネクタ接触抵抗値を R 5及び R 6 とする。
電流出力端子 1 3 aには、 抵抗値 R i sを有する電流検出抵抗 1 3 dを 介して安定化電源回路 V Rから電圧 Eの電源が供給される。 そして、 ト ルク信号入力端子 1 3 bは、 トルク検出値設定手段としての直列に接続 されたトルク検出値設定抵抗 1 3 e及び 1 3 f の接続点に接続され、 こ の接続点は後述する位相補惯回路 1 8に接続される。 トルク検出値設定 抵抗 1 3 e及び 1 3 f は共に抵抗値 R tmを有し、 安定化電源回路 V Rか ら供給された電流がトルク検出値設定抵抗 1 3 e及び 1 3 f を介して接 地電位に流れる。 そして、 ドリフ ト入力端子 1 3 cは、 抵抗値 R i sを有 する電流検出手段としての電流検出抵抗 1 3 gを介して接地される。 安 定化電源回路 V Rには、 バッテ、) 1 6からィグニッシヨン 'スィッチ 1 4及びヒューズ 1 5 aを介して電源が供給される。
トルク信号入力端子 1 3 bに入力されたトルク検出値 Tは、 入力され た信号の位相を補償して電動パワーステアリ ング装置の安定性を高める 位相補償回路 1 8に供給される。
また、 ドリフ ト入力端子 1 3 cに設けられた電流検出抵抗 1 3 gには 、 ドリフ ト検出電圧 V i sが生じ、 この電圧は AZD変換器 2 0 bに供給 される。
ここで、 位相補儐回路 1 8の入力インピーダンスは、 ボテンショメ一 夕 3八の抵抗値尺 1、 トルク検出値設定抵抗 1 3 e及び 1 3 f の抵抗値
R tn 及び電流検出抵抗 1 3 gの抵抗値 R i sと比べて十分大きな値に設 定されている。 したがって、 位相補償回路 1 8の入力インピ ^ダンスの 影響はほとんど無視することができる。
コントローラ 1 3は、 トルク検出値設定抵抗 1 3 e及び 1 3 f 、 電流 検出抵抗 1 3 g、 位相補偾回路 1 8、 及び安定化電源回路 V Rを有する 他に、 さらに、 車速センサ 1 7から供給された車速検出信号 V P の単位 時間当りのパルス数を積算し車速検出値 Vを出力すると共に、 後述する マイクロコンピュー夕 2 1に車速検出値 Vが読み込まれたときにマイク 口コンビユ ー夕 2 1によりカウント値がリセッ トされるカウン夕回路 1 9と、 位相補償回路 1 8の出力信号 T P 、 ドリフト検出電圧 V i s及び後 述するモータ電流検出信号 I R. I L を、 それぞれトルク検出値 T D 、 ド リフ ト検出値 V i d及びモータ電流検出値 i R. i u のディジタル信号に変 換する A/D変換器 2 0 a〜 2 0 dと、 カウン夕回路 1 9及び AZD変 換器 2 0 a 〜 2 0 dの出力信号が供給されるマイクロコンピュー夕 2 1 と、 マイクロコンピュータ 2 1の出力信号に基づいて電動モー夕 1 2を 駆動する駆動手段としてのモータ駆動回路 2 2と、 入力された電源電流 をモー夕駆動回路 2 2に供給するフヱールセ一フ手段としてのフヱー儿 セーフリ レー回路 2 3と、 マイクロコンピュータ 2 1の出力信号に基づ いて電磁クラッチ装置 1 1を駆動するクラッチ駆動回路 2 4 と、 モー夕 電流の大きさと方向を検出しそのモ一夕電流検出信号 I R. I L をマイク 口コンピュータ 2 1 にフィ一ドバックする電流検出回路 2 5とを有する マイクロコンピュータ 2 1は、 カウンタ回路 1 9及び A / D変換器 2 0 a 〜 2 0 dの出力信号が入力される入力インタフェース 2 1 aと、 ド リフ ト検出手段としてドリフト検出処理を実行すると共に、 トルク検出 値 Tに応じて電動モータ 1 2の駆動制御処理等を実行する中央処理装置
(CPU) 2 l bと、 ドリフトを比較検出するための設定値及び検出後 の制御を行うための処理手順を記憶すると共に、 電動モータ 1 2を駆動 制御する処理手順等を記憶するメモリ 2 1 cと、 出力インタフニース 2 1 dとを有している。
出力イン夕フヱ一ス 2 1 dからは、 中央処理装置 2 1 bから出力され る後述するモータ駆動信号 SM の電圧値に応じてパルス幅が変化するパ ルス幅変調信号 PWM、 及び電動モータ 1 2の回転方向を定める右方向 信号 DR 及び左方向信号 が出力される。 これらの各信号はともにモ 一夕駆動回路 22に供給されている。 また、 出力イン夕フェース 2 1 d からは、 さらに、 リレー制御信号 SR 及びクラッチ制御信号 Sc の各信 号が出力され、 これらがそれぞれフヱールセーフリレー回路 2 3及びク ラツチ駆動回路 24に供給されている。
モータ駆動回路 22は、 ゲート駆動回路 22 a、 Hブリ ッジ回路 22 b、 及び昇圧電源 22 cを有している。
ゲート駆動回路 22 aは、 供給された左右方向信号 DR. DL を Hプリ ッジ回路 22 bに出力すると共に、 供給されたパルス幅変調信号 PWM を、 電動モータ 1 2の応答性を向上させるように波形整形して Hプリッ ジ回路 2 2 bに出力しており、 供給された左右方向信号 DR. DL に応じ てパルス幅変調信号 PWMを切替えて出力する。 例えば、 右方向信号 D R が供給されたときには、 Hプリッジ回路 22 bの後述する FET (電 解効果トランジスタ) 22 b2のみにパルス幅変調信号 PWMを出力し、 左方向信号 DL が供給されたときには、 後述する F ET 22blのみにパ ルス幅変調信号 PWMを出力する。
Hプリッジ回路 2 2 bは、 ゲート駆動回路 22 aの出力信号に基づい て電動モータ 1 2に駆動電流を流し、 4つのスイッチング ' トランジス 夕、 例えば、 Nチャンネルのパワー MOS型 FET 22bl〜22 b4を有
しており、 F ET 22blのソース端子と F ET 22 b3のドレイン端子を 接続した直列回路と、 同様に、 FET 22b2のソース端子と FET 22 b4のドレイン端子を接続した直列回路とを並列に配設して、 各直列回路 における FETの接続部間に電動モータ 1 2を介挿した構成を有する。 上段側の各 F ET 22bl及び 22b2のゲート端子には、 ゲート駆動回路 22 aから左右方向信号 DR. Du に応じてパルス幅変調信号 PWMが供 給され、 下段側の各 FET22b3及び 22b4のゲート端子には、 ゲート 駆動回路 22 aからそれぞれ右方向信号 DR 及び左方向信号 I が供給 されている。 F ET 22M及び 22b2の各ドレイン端子には、 フヱ一ル セーフリ レー回路 23、 ヒューズ 1 5 a、 及びィグニッシヨ ン ' スイ ツ チ 1 4を介してバッテリ 1 6に接続されており、 FET 2 2b3及び FE T 22b4の各ソース端子はそれぞれ電流検出抵抗 RR 及び RL を介して 接地されている。
ここで、 FET22b3及び FET22b4は、 それぞれ右方向信号 DK 及び左方向信号 DL がハイレベルのときにオン状態となる。 FET 22 b3がオン状態のときには、 FE丁 22b2にパルス幅変調信号 PWMが供 給されることにより、 モー夕駆動電流は、 FET22b2から電動モー夕 1 2、 FET 22b3の方向へと流れる。 一方、 FET 2 2b4がオン状態 のときには、 FET 22 blにパルス幅変調信号 PWMが供給されること により、 モー夕駆動電流は、 FET 22 blから電動モー夕 1 2、 FET 22b4の方向へと流れる。
昇圧電源 22 cは、 Hプリッジ回路 22 bのうち FET 22bl及び 2 2b2を駆動するために必要となる例えばバッテリ電圧を 2倍に昇圧した 電圧をゲート駆動回路 22 aに供給するよう構成されている。 なお、 F ET 22b3及び 22b4を駆動するために、 バッテリ電圧がフエ一ルセ一 フリレー 2 3 aを介してゲ一ト駆動回路 2 2 aに供給される。
フェールセーフリレー回路 2 3は、 リ レー接点 2 3 cを有するフエ一 ルセ一フリ レー 2 3 aと、 フェールセーフリ レー 2 3 aの駆動コイルに 励磁電流を供給するリ レー駆動回路 2 3 bとから構成されており、 リ レ —駆動回路 2 3 bは供給されたリ レー制御信号 S R により制御されてい る。 リ レー接点 2 3 cの一端は、 ヒューズ 1 5 a及びィグニッシヨン ' スィッチ 1 4を介してバッテリ 1 6に接続され、 他端は、 Hブリ ッジ回 路 2 2の F E T 2 2 M及び 2 2 b2の各ドレイン端子に接続される。
この第 1実施例では、 リ レー制御信号 S R がハイレベルのときに、 リ レー駆動回路 2 3 bがオン状態となりフヱールセ一フリ レー 2 3 aの駆 動コイルに励磁電流が供給されてリ レー接点 2 3 cが閉じ、 一方、 リ レ 一制御信号 S R がローレベルのときに、 リ レー駆動回路 2 3 bかオフ状 態となりリ レー接点 2 3 cは開放される。 一般的に、 電動パワーステア リング装置の作動中においてはリ レー接点 2 3 cは閉じられており、 モ 一夕駆動回路 2 2等の異常発生時には安全確保のためにリ レー接点 2 3 cは開放される。
クラッチ駆動回路 2 4は、 供給されたクラッチ制御信号 S c を増幅し て電磁クラッチ装置 1 1を駆動制御する信号を出力する。 本実施例では 、 クラッチ制御信号 S c がハイレベルのときに電磁クラッチ装置 1 1は 接続状態になり、 口一レベルのときに非接続状態に保持される。
電流検出回路 2 5は、 入力された電流検出抵抗 R R , R L の各端子電 圧を増幅してそれぞれのモー夕駆動電流を検出してノイズを除去し、 こ の検出した右方向のモータ電流検出信号 I R 及び左方向のモータ電流検 出信号 I し を、 それぞれ AZ D変換器 2 0 c及び 2 0 dを介して入カイ ン夕フェース 2 1 aにフィードバックしている。 これにより、 マイクロ コンピュータ 2 1で、 モータ電流の実測値に応じて、 パルス幅変調信号 P WMのパルス幅の補正及び異常時の電動パワーステアリング装置の作
動停止が行われる。
上記構成からなる トルクセンサ 3とコン トローラ 1 3には、 出力電圧 Eを有する安定化電源回路 VRにより、 電流検出抵抗 1 3 d、 ボテンシ ョメータ 3A、 及び電流検出抵抗 1 3 gを介して電流 I sが流れる。 こ の電流値 I sは、 コネクタ接触抵抗 R 1〜R 4を考慮に入れると次のよ うに表すことができる。
I s =E/ CR t + 2 Ris + ( R1 + R2 + R3 + R4 )〕 … (4) 電流値 I sは、 電源電圧 Eの変動やコネクタ接触抵抗値 R 1〜R4の 変動により変化し、 ここで、 電源電圧 Eが変動して、 E士 ΔΕになった とすると、 電流値 I sは、 次のようになる。
I s =( E土厶 E) / 〔R t + 2Ris + ( Rl + R2 + R3 + R4)] - ( 5 ) したがって、 電流検出抵抗 1 3 gの端子でのドリフ ト検出電圧 Visは 次のようになる。
Vis=Ris( E土 ΔΕ) / 〔R t + 2Ris + ( R1+R2 + R3 + R4 )〕 …… (6) このように、 ドリフ ト検出電圧 Visは、 電源電圧 Eの変動に応じて変 化する。 したがって、 ポテンショメータ 3 Aに流れる電流を電流検出抵 抗 1 3 gで検出することにより、 電源電圧 Eの変動やコネクタ接触抵抗 値 R 1〜R 4の変動に起因する トルクセンサ 3に生じたドリフ トを検出 することができる。 ドリフ ト検出電圧 Visは、 図 6に示すように、 入力 トルクにより変化せず、 ドリフ 卜が発生した場合には破線で示すように ドリフ ト量に比例して均一に増減する。
また、 ボテンショメ一夕 3 Aで検出されたトルク検出値 Tは、 コン ト ローラ 1 3のトルク検出値設定抵抗 1 3 e及び 1 3 f でトルク電圧 V t として取り出され、 摺動接触子 3 dが中立位置にある場合のトルク電圧 値 Vt。は、 次のように表すことができる。
Vto=E [ t/2+Ris +( R3 + R4)]/[Rt + 2Ris + ( Rl + R2 + R3 + R4) ]
…… ( 7) トルク電圧 V tは、 図 7に示すように、 入力トルクに対してリニアに 変化し、 入力トルクが零のときに電圧値 Vt0となり、 右切り トルクの増 加とともに電圧値が増加し、 左切り トルクの増加とともに電圧値が減少 する特性を有している。
電圧値 Vt。の近傍には破線に示すように、 操舵トルクが付与されても 電動モータを駆動しないトルク値幅としての不感帯幅 Δひがあり、 操舵 輪の自転は、 例えば、 入力トルクが零のときの中立位置電圧がドリフト により変動して、 不感帯幅 Δひの上限電圧値 VH又は下限電圧値 VLを 越え、 トルク電圧が所定の電圧値に達したときに発生する。
この第 1実施例では、 摺動接触子 3 dが中立位置にある場合には、 同 一の抵抗値 Rtmを有するトルク値設定抵抗 1 3 e及び 1 3 f の存在によ り、 位相補儐回路 1 8に入力されるトルク電圧 V tは、 摺動接触子 3 d の中立位置電圧と同じ電圧値に保たれる。 したかって、 トルク信号出力 端子 3 b及びトルク信号入力端子 1 3 bの各コネクタ接触抵抗 R 5及び R 6の抵抗値が増加するドリフ卜が発生しても、 摺動接触子 3 dが中立 位置にある場合には、 トルク電圧 V tは一定値に維持されるため操舵輪 の自転は回避できる。
次に、 中央処理装置 2 1 bで実行される本実施例に係るドリフ ト検出 の処理手順を、 図 8のフローチヤ一卜に基づいて説明する。
この処理は、 例えば所定のメインプログラムに対して所定時間毎の夕 イマ割り込みによって行われ、 例えば、 数 m s e c毎に実行される。 先ず、 ステップ S 1で、 ドリフト検出電圧 Visを A/D変換器 2 0 b を介して読み込む。 次に、 ステップ S 2で、 メモリ 2 1 cに予め設定し ておいたドリフトを検出するための最少値 Vmin 及び最大値 Vmax とド
リフト検出電圧 V isとが比較される。
ここで、 最少値 Vmin は、 電源電圧 Eの低下及びコネクタ接触抵抗 R 1〜R 4の増加が生じても自転が起こらない値に設定され、 例えば、 不 感帯幅 Δひの下限電圧値 V Lに対応するドリフト検出電圧 V isより少し 低い値に設定される。 また、 最大値 Vmax は、 電源電圧 Eの増加が生じ ても自転が起こらない値に設定され、 例えば、 不感帯幅 Δひの上限電圧 値 V Hに対応するドリフ ト検出電圧 V isより少し高い値に設定される。 そして、 ドリフト検出電圧 V isが、 最少値 Vmi n 以上で且つ最大値 Vma X 以下のときには、 ドリフトは正常範囲内であると判断してドリフト検 出を終了してメインプログラムに戻り、 補助操舵力の発生を制御する図 8に示した通常のモー夕駆動制御処理を実行する。 これらステップ S 1 及び S 2の処理がドリフト検出手段に相当している。
ステップ S 2の判定の結果、 0≤V isく Vmin 、 又は、 Vmax < V i s 、 のときには、 ドリフトは正常範囲から外れていると判断して、 ステツ プ S 3 a以下に示したフヱールセーフ動作処理に移行する。
先ず、 ステップ S 3 aで、 モー夕駆動回路 2 2に供給されるパルス幅 変調信号 P WM、 右方向信号 D R 、 及び左方向信号 D L をローレベルに することによって Hブリッジ回路 2 2 bへの信号を遮断し、 次いで、 ス テツプ S 3 bに移行して、 クラッチ制御信号 S c をローレベルとして出 力することによって、 電磁クラッチ装置 1 1を非接镜状態にする。
そして、 ステップ S 3 cに移行し、 リレー制御信号 S R をローレベル として出力することによって、 フェールセーフリレー 2 3 aを開放にし て、 バッテリ 1 6から Hブリッジ回路 2 2 bへの電源供給路を遮断する 。 次に、 ステップ S 3 dで、 例えば、 異常検出フラグを " 1 " にセッ ト して、 メイン処理プログラム等の上位プログラムにこの異常通知を行つ て、 処理を終了する。 以後、 上位プログラムでは、 モー夕駆動制御処理
を実行しない。
次に、 上述したドリフ ト検出処理の結果、 ドリフ トが正常範囲内にあ る場合に、 中央処理装置で実行されるモータ駆動制御処理の処理手順を
、 図 9に示すフローチャートに基づいて説明する。
この処理も、 例えば所定のメインプログラムに対して所定時間毎の夕 イマ割り込みによって行われ、 例えば、 数 m s e c毎に実行される。 まず、 ステップ S 2 1で、 A Z D変換器 2 0 aを介して、 位相補償器 1 8で位相補償を行ったトルクセンサ 3からのトルク電圧値 Tを読み込 む。
次いで、 ステップ S 2 2に移行し、 T = T— V。 なる演算を行い、 中 立時のトルク検出値 Τが零となるようオフセッ ト処理を行う。
次に、 ステップ S 2 3に移行し、 カウンタ 1 9のカウント値、 すなわ ち、 車速検出値 Vを読み込み、 カウンタ 1 9にリセッ ト信号を出力して カウン夕値をリセッ トし、 次いで、 ステップ S 2 に移行して、 図 1 0 に示す、 操舵トルクと車速とモータ電流との対応を表す特性線図を参照 し、 例えば、 トルク検出値 Τと車速検出値 Vとに対応するモータ電流を 検索し、 これをモータ電流指令値 S , として設定する。
この特性線図は、 ステアリ ングシャフ ト 2に入力された操舵トルクに 対応する操舵補助力を電動モータ 1 2に発生させるために電動モー夕 1 2を駆動するのに必要とするモータ電流と、 操舵トルクと、 車速との対 応を表したものであり、 車速か小さくなるほどモー夕電流指合値は大き くなり、 また操舵トルクが大きくなるほどモータ電流指令値は大きくな り、 ある値を越えるとそれ以上は大きくならないように設定されている そして、 ステップ S 2 5に移行し、 モー夕電流指令値 に対して微 分処理を行いこれを微分処理値 f D とし、 次いで、 ステップ S 2 6で右
方向のモータ電流検出値 i R 及び左方向のモー夕電流検出値 i を読み 込み、 右方向のモータ電流検出値 i R を正の値、 左方向のモータ電流検 出値 i t を負の値として設定し、 これら検出信号の和からモー夕電流検 出値 i M を算出する。 すなわち、 i M = i R - i により算出する。 ここで、 電流検出回路 25では、 左右方向のモータ電流検出値 i R 及 び i L の実効値が得られるよう、 それぞれの信号に対し充分なフィル夕 処理を行っている。
次に、 ステップ S 27に移行し、 例えば、 図 1 1のフローチャートに 示すような異常監視処理を行う。
この異常監視処理は、 先ず、 ステップ S 27 aで、 モータ電流検出値 iM の絶対値 I iM I力く、 モータ駆動回路 22が正常に作動していると みなす予め設定した最大電流値 I MAX よりも小さいか否かを判定する。 絶対値 I iM Iが最大電流値 I MAX よりも小さいときは、 モータ駆動電 流は正常範囲内にあると判定してモータ駆動制御処理プログラムに戻る 一方、 ステップ S 27 aの判定の結果、 l iM Ι ≥ ΙΜΑΧ のときには Hブリ ッジ回路 22 bに過大電流が流れており、 異常が発生したもの と判定してステップ S 27 bに移行する。 ステップ S 27 bでは、 ゲー ト駆動回路 22 aへの各指合信号 SM DR , DL を " LOW" として 出力し、 これによつて Hブリッジ回路 22 bの通電を遮断する。 次いで 、 ステップ S 27 cに移行して、 クラッチ駆動回路 24へのクラッチ制 御信号 Sc の出力を停止することによって、 電磁クラッチ装置 1 1を作 動して電動モー夕 1 2の出力軸と減速ギヤ 1 0とを離脱状態にする。 そして、 ステップ S 27 dに移行し、 リ レー駆動回路 23 bへのリ レ —制御信号 SR を "LOW" として出力することによって、 フエ一ルセ 一フリ レ一22 aを開放して、 テリ 1 6からの Hプリ ッジ回路 22
bへの通電を遮断する。 次に、 ステップ S 27 eで、 例えば、 メイン処 理プログラム等の上位プログラムに異常通知を行って、 処理を終了する
。 以後、 上位プログラムでは、 モータ駆動制御処理を実行しない。 ステップ S 2 7の異常監視処理の結果、 モータ駆動電流に異常が検出 されなかったときには、 ステップ S 2 8に移行する。
ステップ S 28では、 ステップ S 24で設定したモータ電流指令値 S , とステップ S 2 6で算出したモータ電流検出値 ί Μ との差、 すなわち 、 eM =S , 一 i M により、 電流偏差 eM を算出する。
次いで、 ステップ S 2 9で、 電流偏差 eM に所定の比例ゲインを乗算 してこれを比例処理値 f P とし、 さらに、 ステップ S 3 0で、 この比例 処理値 f P を積分しこれを積分処理値 f , として、 比例処理値 f P 及び 積分処理値 f , をメモリ 2 1 cの所定の記憶領域に記憶する。
そして、 ステップ S 3 1で、 微分処理値 f D と、 比例処理値 f P と、 積分処理値 f , とを加算し、 これをモータ駆動信号 SM とし、 ステップ S 3 2に移行する。
このステップ S 32では、 モータ駆動信号 SM が SM ≥ 0であるか否 かを判定し、 SM ≥ 0である場合には、 ステアリ ングホイール 1が右操 舵されたものとしてステップ S 3 3に移行し、 電動モータ 1 2の回転方 向を正回転方向に設定する右方向信号 DR を "H I GH" とすると共に 、 左方向信号 を "LOW" として出力する。 また、 モー夕駆動信号 SM を出カイン夕フヱ一ス 2 1 dに出力し、 出力インタフェース 2 1 d 内で発生される鋸歯状波をもとに、 モータ駆動信号 SM の電圧を所定の パルス幅を有したパルス幅変調信号 PWMに変換し、 これをゲート駆動 回路 22 aを介して Hプリ ッジ回路 22 bに供給する。 そして、 モー夕 駆動制御処理プログラムを終了してメインプログラムに戻る。
—方、 ステップ S 3 2で、 SM ≥ 0でない場合には、 ステアリ ングホ
ィ一ル 1を左操舵した状態であるものと判定してステップ S 3 4に移行 し、 電動モー夕 1 2の回転方向を逆回転方向に設定する左方向信号 を "H I GH" とすると共に、 右方向信号 DR を "LOW" として出力 する。 また、 モ一夕駆動信号 SM をパルス幅変調信号 PWMに変換し、 これをゲート駆動回路 22 aを介して Hプリッジ回路 2 2 bに供給する 。 そして、 モー夕駆動制御処理プログラムを終了してメインプログラム に决る。
次に、 上記第 1実施例の動作を説明する。 この第 1実施例では、 トル クセンサに生じたドリフ卜の検出は、 通常のトルク駆動制御処理を実行 する前に例えば毎回行われ、 ドリフト検出電圧 Visが、 Vmin
Vmax 、 のときには、 ドリフ ト検出電圧 Visは正常範囲内であり、 操舵 輪を自転させるほどのドリフトは発生していないと判断して、 通常の卜 ルク駆動制御処理に移行する。
一方、 0≤Visく Vmin 、 又は、 Vmax < Vis, のときには、 ドリフ トは正常範囲から外れていると判断して、 Hブリ ッジ回路 22 bに供給 される全ての制御信号をローレベルにし、 さらに、 電磁クラッチ装置 1 1を非接続状態にし、 フヱ一ルセ一フリ レ一2 3 aを開放にし、 電動モ 一夕の作動を停止するフヱールセーフ処理が実行され、 これにより、 操 舵輪のき転が防止され、 安全性が確保される。
また、 操舵トルクが付与されず摺動接触子 3 dが中立位置にあるとき には、 コントローラ 1 3に供給されたトルク検出値 Tは、 トルク検出値 設定抵抗 1 3 e, 1 3 f の作用によって摺動接触子 3 dの中立位置電圧 と同じ電圧値になる。 したがって、 このときには、 トルク信号の入出力 端子 3 b, 1 3 bの各コネクタ接触抵抗 R 5及び R 6の抵抗値が増加し てドリフトが発生しても、 トルク電圧 V tは一定値に保たれるため操舵 輪の自転は回避される。
なお、 上記第 1実施例においては、 ポテンショ メ一夕を介して供給さ れた電流を電流検出抵抗としての固定抵抗に入力して電流を検出してい るが、 これに限定することなく、 固定抵抗の代わりにオペアンプを用い 、 電流の変化を電圧に変換してドリフ トを検出する構成としてもよい。 また、 ドリフトを電流検出抵抗 1 3 gの端子で検出している力く、 電源に 接続された電流検出抵抗 1 3 dの電流出力端子 1 3 a側の端子で検出し ても、 電流監視による ドリフト検出を行うことができる。
また、 上記第 1実施例においては、 トルク検出値設定抵抗 1 3 e及び 1 3 f は互いに同一の抵抗値を用いているが、 これに限定することなく 、 操舵トルクが零のときのボテンショメータの出力電圧に応じて、 この 出力電圧と位相補償回路に供給されるトルク検出値とが同一の電圧にな るように、 互いに異なる抵抗値を有する トルク検出値設定抵抗 1 3 e及 び 1 3 f を配設してもよい。 トルク検出値設定抵抗 1 3 e ,, 1 3 f】及び 1 3 e2, 1 3 f 2についても同様である。
また、 上記第 1実施例では、 マイクロコンピュー夕を用いてドリ フ ト 量が所定の範囲内にあるかどうか比較判別しているか、 マイクロコンビ ユー夕の代わりにウィンドコンパレータ等の比較器を用いて比較検出し てもよい。
また、 上記第 1実施例では、 ポテンショメ一夕を介して供給された電 流を一旦電圧に変換し検出電圧値と設定電圧値とを比較することにより ドリフ トを検出しているが、 供給された電流と予め設定された定電流と をウィ ンドウコンパレータを用いて電流同士で比較して、 ドリフ トを検 出する構成にしてもよい。
また、 検出されたドリフト量を打ち消すようにトルク検出信号を補正 する処理を中央処理装置で行い、 コン トローラ 1 3から補正されたモー 夕駆動電流信号値を出力して、 電動モータを駆動制御してもよい。
次に、 トルクセンサのトルク検出値そのものの異常を検出する場合の 第 2実施例を図 1 2〜図 1 6を伴って説明する。
この第 2実施例は、 トルクセンサ 3力"、 メイントルクセンサとしての メインポテンショメータ 3M とサブトルクセンサとしてのサブポテンシ ョメータ 3S とで構成され、 両ボテンショメ一夕 3M 及び 3s からそれ ぞれトルク検出値 T及び T' が出力され、 これがコン卜ローラ 1 3に供 給されると共に、 コントロ一ラ 1 3で図 8に示すドリフ ト検出処理及び 図 9に示すモータ駆動制御処理の他にトルク検出値 T及び T' に基づい てトルク検出値 Tの異常検出を行うようにしたことを除いては前記第 1 実施例と同様の構成を有し、 図 5との対応部分には同一符号を付しその 詳細説明はこれを省略する。
すなわち、 トルクセンサ 3は、 メインポテンショメ一夕 3M 及びサブ ボテンショメータ 3S の抵抗体が並列に接続されて並列回路を構成し、 この接続された各端部のうち一端は電流入力端子 3 aに接続され、 他端 はドリフ ト出力端子 3 cに接続される。 各ポテンショメータ 3M , 3 s は、 抵抗体の両端間では両者とも抵抗値 RP を有し、 それぞれの抵抗体 を摺動する摺動接触子 3 d, 3 d' からは可変抵抗値が取り出されるよ う構成され、 それぞれトルク検出値 T, T' が出力される。 そして、 各 トルク検出値 T, T' は、 それぞれトルク信号出力端子 3 b, 3 b' に 供給される。
この第 2実施例に係る トルクセンサ 3においては、 通常のモー夕駆動 制御はメインポテンショメータ 3M から出力されたトルク検出値 Tによ つて行われ、 メインボテンショメータ 3 M 及びサブポテンショメータ 3 s から出力されたトルク検出値 T及び T' に応じて異常検出が行われる 。 このトルクセンサ 3の入出力特性を図 1 3に示す。 メインポテンショ メータ 3 M 及びサブポテンショメ一夕 3 s のトルク検出値 T, T' とし
てのトルク検出電圧 V, , V, ' は共に、 入力トルクに対してリニアに 変化し、 入力トルクが零の中立状態のときには、 電源電圧 Eのほぼ 1ノ 2の電圧値となり、 右切り トルクの増加と共に電圧値が増加し、 左切り トルクの増加と共に電圧値が減少する特性を有している。 なお、 図 1 3 中では、 任意の入力トルクに対して、 メインボテンショメ一夕 3 M のト ルク検出電圧 V, の方がサブボテンショメータ 3 S のトルク検出電圧 V , ' より大きな値になるように示されているが、 部品及び組付け等のば らつきにより、 サブポテンショメータ 3 s のトルク検出電圧 V, ' が大 きな値となる場合もある。
トルクセンサ 3の各端子 3 a, 3 b, 3 b' , 3 cは、 両端にコネク 夕を有したケーブル 2 6に接続され、 このケーブル 2 6を介して、 コン トローラ 1 3に設けられた電流出力端子 1 3 a、 トルク信号入力端子 1 3 b, トルク信号入力端子 1 3 b' 及びドリフ ト入力端子 1 3 cの各入 出力端子にそれぞれ対応して接続される。
コン トローラ 1 3の電流出力端子 1 3 aには、 抵抗値 R isを有する電 流検出抵抗 1 3 dを介して安定化電源回路 VRから電圧 Eの電源が供給 される。 そして、 トルク信号入力端子 1 3 bは、 直列に接続されたトル ク検出値設定抵抗 1 3 e及び 1 3 f の接繞点に接続され、 トルク信号入 力端子 1 3 b' も同様に、 直列に接続された トルク検出値設定抵抗 1 3 e' 及び 1 3 f ' の接続点に接続され、 それぞれの接続点は、 入力され た信号の位相を補償して電動パワーステアリ ング装置の安定性を高める 位相補償回路 1 8, 1 8' の入力部にそれぞれ接続される。 トルク検出 値設定抵抗 1 3 e, 1 3 e' 及び 1 3 f , 1 3 f ' は共に抵抗値 Rtmを 有し、 安定化電源回路 V Rから供給された電流はトルク検出値設定抵抗 1 3 e, 1 3 e' 及び 1 3 f , 1 3 f ' を通過して接地電位に流れる。 そして、 ドリ フ ト入力端子 1 3 cは、 抵抗値 Risを有する電流検出抵抗
1 3 gを介して接地されると共に、 AZD変換器 20 bに接続されてお り、 この電流検出抵抗 1 3 gに生じたドリフ ト検出電圧 Visが、 AZD 変換器 2 0 bに供給される。
ここで、 位相補償回路 1 8, 1 8' 及び AZD変換器 2 0 bの入カイ ンピーダンスは、 ポテンショメ一夕 3M , 3 s の抵抗値 RP 、 トルク検 出値設定抵抗 1 3 e, 1 3 e' 及び 1 3 f , 1 3 f ' の抵抗値 Rtm、 及 び電流検出抵抗 1 3 gの抵抗値 Risと比べて十分大きな値に設定されて いる。 したがって、 位相補傻回路 1 8, 1 8' 及び八ノ0変換器20 の入カインピーダンスの影響はほとんど無視することができる。
また、 マイクロコンピュータ 2 1は、 その中央処理装置 2 1 bで、 前 述したドリフ ト検出処理及びモータ駆動制御処理を実行し、 且つ異常検 出手段としてトルク検出値の異常検出処理を実行し、 さらに、 メモリ 2 1に、 トルク検出値 T, T' の変化量を比較検出するための設定値及び 検出後の制御を行うための処理手順を記憶すると共に、 電動モータ 1 2 を駆動制御する処理手順等を記憶している。
上記構成からなる トルクセンサ 3とコン トローラ 1 3において、 トル クセンサ 3のトルク信号出力端子 3 b, 3 b' 及びコントローラ 1 3の トルク信号入力端子 1 3 b, 1 3 b' に生じたコネクタ接触抵抗値 R 5 , R 5 ' 及び R 6, R 6 ' のうち、 コネクタ接触抵抗値 R 5及び R 6を 加算した値を信号ラインの接触抵抗 R t として例えばメインポテンショ メータ 3M 側について等価回路を構成すると、 図 1 4のようになる。 こ の図 1 4中、 抵抗 R, は、 メインポテンショメ一夕 3M の摺動接触子 3 d及び安定化電源回路 VR出力間の抵抗成分を表し、 抵抗 R2 は、 トル ク検出値設定抵抗 1 3 eの抵抗値 Rtmを表し、 抵抗 R3 は、 メインポテ ンショメータ 3 M の摺動接触子 3 d及び接地電位間の抵抗成分を表し、 抵抗 R4 は、 トルク検出値設定抵抗 1 3 f の抵抗値 Rtmを表す。
この等価回路で、 位相補償回路 1 8に入力されるトルク検出電圧 V2M は、 下記の (8) 式のように表される。
V2M= 〔R4ノ (R2Rt + R4Rt + R4R2) ) 〔Rt + R2R3ノ (R,+R3) 〕 E
…… ( 8 ) この第 2実施例では、 トルク検出値設定抵抗 1 3 e及び 1 3 f は同一 の抵抗値に設定されているので、 ( 8) 式で、 R2 = R4とすれば、 ( 8) 式は下記 ( 9) 式のように表すことができる。
V2M= 1 / ( 2Rt + R2) 〕 〔Rt + R2R3Z ( ,+ 3) 〕 E…… ( 9) このとき、 トルク検出電圧 V, は、 図 1 3の特性線図に示すように入 力トルクに対してリニアに変化し、 入力トルクが零の中立位置のときに は、 メインポテンショメータ 3M の摺動接触子 3 dでの電圧値は、 電源 及び接地間の電圧値に対して 1 Z 2となるように組付けられているので 、 トルク検出電圧 V, の割合を示す R3Z (R,+R3) に注目し、 R3/ (R, + R3) =ひとおく と、 図 1 3の特性線図は、 下記 ( 1 0) 式のように表 すことができる。
(ひ一 1 Z2) =k · T…… ( 1 0)
ここで、 kは、 トーシヨンバーのばね定数を含む所定の定数であり、 Tは操舵トルクを表す。
この ( 1 0) 式を ( 9 ) 式に代入すると、 下記 ( 1 1 ) 式のようにな る。
V2M= CR2kE/ ( 2Rt + R2) 〕 T + ( 1 1 )
この ( 1 1 ) 式により、 信号ラインに生じた接触抵抗 R, の値にかか わらず、 入力操舵トルク Tが零のときには、 トルク検出電圧 V2Mは EZ
2となる。
そして、 接触抵抗 R, が増加すると、 操舵トルク Tに対する トルク検 出電圧 V2Mの比は減少傾向を示す。 これを図 1 5に示す。 この図 1 5中
、 破線は、 接触抵抗 R, が初期値のときのメインポテンショメータ 3M の特性を表し、 接触抵抗 R, が増加すると、 操舵トルク Tに対するトル ク検出電圧 V2Mの比、 即ち傾き量は、 矢印方向に減少していく。 この第 2実施例では、 メインポテンショメ一夕 3 M 及びサブボテンショメータ 3 s のこの傾き量、 即ち、 入力操舵トルクに対するトルク検出電圧 V2M , V2Sの変化量に基づいて、 接触抵抗 R, の増加によるトルク検出値の 異常の検出を行っている。
次に、 中央処理装置で実行される異常検出手段としてのトルク検出値 の異常検出処理手順を、 図 1 6のフローチャートに基づいて説明する。 この処理は、 例えば所定のメインプログラムに対して所定時間毎の夕 イマ割り込みによって行われ、 例えば、 数 m s e c毎に実行される。 先ず、 ステップ S 1で、 トルク検出電圧 V2M, V2Sを AZD変換器 2 0 a, 2 0 a' を介して読み込む。 次に、 ステップ S 2に移行し、 トル ク検出電圧 V2M, V2Sの読み込みが、 1回目の読み込みか否か判定する 。 本実施例では、 トルク検出電圧 V2M, V2Sをタイマ割り込み毎に読み 込んでいるが、 トルク検出値の異常検出を行うために、 前回に読み込ん だ値との差分値を得るようにしており、 1回目の読み込み時には演算を 行うことができない。 このため、 1回目の読み込み時には、 ステップ S 2 aに移行し、 読み込んだトルク検出電圧 V2M, V2Sを所定の記憶領域 に記憶して、 メイン処理プログラム等の上位プログラムに戻り、 2回目 の読み込み時から次のステップ S 3に移行する。
ステップ S 3では、 今回読み込んだトルク検出電圧 V2M (n) から前 回の夕イマ割り込み時に記憶しておいたトルク検出電圧 V2M (n - 1 ) を減算して、 メインポテンショメータ 3M における、 所定時間 (サンプ リング時間) ごとのトルク検出電圧値の変化量を表すメイン側トルク電 圧変化量 ΔνΜ を算出する。 この算出式を下記 ( 1 2) 式に示す。
AVM =V2M (n) -V2M (n - 1 ) ·■· ( 1 2)
ここで、 nは任意のサンプリ ング時を表し、 n— 1はサンプリ ング時 nの 1つ前のサンプリング時を表す。
そして、 算出が終了した時点で、 前回読み込んだトルク検出電圧 V2M が格納されている所定の記憶領域に、 今回読み込んだトルク検出電圧 V 2Mを新たに記憶し、 トルク検出電圧 V2Mを更新する。
メイン側トルク電圧変化量 ΔνΜ は、 操舵トルクが零のときには、 ト ルク検出電圧 V2Mの変化量がないので、 厶 VM = 0となり、 このときマ ィクロコンピュー夕 2 1に入力されるトルク検出値は、 トルク検出値設 定抵抗 1 3 e, 1 3 及び 1 36' , 1 3 Γ の作用により中立電圧に 保持される。 したがって、 操舵トルクが零のときには、 接触抵抗 R, が 増加してもステアリ ングシャフ 卜が自転することは防止される。 一方、 操舵トルクが少しでも変化しているときには、 トルク検出電圧値の変化 量に応じたメイン側トルク電圧変化量 ΔνΜ が得られ、 接触抵抗 R, の 増加に対応したメイン側トルク電圧変化量 AVM を検出することができ る。 このことは、 次のサブ側トルク電圧変化量 AVS についても同じで める。
次に、 ステップ S 4に移行し、 ステップ S 3と同様に、 今回読み込ん だトルク検出電圧 V2S (n) から前回のタイマ割り込み時に記憶してお いたトルク検出電圧 V2S (n - 1 ) を減算して、 サブポテンショメータ 3 s における、 所定時間ごとのトルク検出電圧値の変化量を表すサブ側 トルク電圧変化量 AVS を算出する。 この算出式を下記 ( 1 3) 式に示 す。
△ Vs =V2S (n) 一 V2S (n - 1 ) ··■ ( 1 3)
そして、 算出が終了した時点で、 前回のトルク検出電圧 V2Sが格納さ れている所定の記憶領域に、 今回のトルク検出電圧 V2Sを新たに記憶し
、 トルク検出電圧 V2Sを更新する。
次に、 ステップ S 5に移行し、 メイン側トルク電圧変化量 ΔνΜ の値 からサブ側トルク電圧変化量 AVS の値を滅算して絶対値をとり、 この 値が予め設定された所定値^以下か否か判定し、 各トルク検出電圧 V2M , V2Sの変化量の差が所定値/ δの範囲内にあるか判定する。 この判定式 を下記 ( 1 4 ) に示す。
メインポテンショメ一夕 3Μ とサブポテンショメ一夕 3 s の何れかの 接触抵抗 R, が増加すると、 その増加した側のポテンショメ一夕 3Μ , 3 s の変化量 ΔνΜ, AVS の値は減少するために I ΔνΜ - AVS | の値は大きくなる。 したがって、 Ι ΔνΜ — AVS I の値と所定値 ySと を比較することにより、 接触抵抗 Rt の増加を検出することができる。 接触抵抗 R, の増加がない場合には、 原則的に、 I AVM - AVS I の 値は零になるのであるが、 中立電圧に保持するためのトルク検出値設定 抵抗 1 3 e, 1 3 及び 1 3 6' , 1 3 f ' の抵抗値のばらつきや、 各 ボテンショメータ 3M , 3 s の信号ラインに生じた初期時の接触抵抗 R , の抵抗値の差異により、 各トルク検出電圧 V2M, V2Sの変化量には若 干の差が生じる。 両方のポテンショメータ 3M , 3 s の接触抵抗 R , か 同時に、 且つ、 同じレベルで増加した場合には、 Ι ΔνΜ — AVS I の 値は零になるが、 一般的に、 このようなことが起こる確率はほとんど無 いと考えられるので、 I 厶 VM — AVS I ≤ /3のときには、 変化量の差 はほとんどない、 即ち、 接触抵抗 R, の値は問題のない範囲であるとし て、 上位のメインプログラムに戻る。 一方、 I ΔνΜ — AVS I > gの ときには、 異常状態にあるか否か更に判定を行うために、 ステップ S 6 に移行する。
ステップ S 6では、 メイン側ト儿ク電圧変化量 ΔνΜ の絶対値からサ
ブ側トルク電圧変化量 Δ V s の絶対値を減算した値が零より大きいか否 か比較し、 メインポテンショメ一夕 3 Μ とサブポテンショメ一夕 3 s の どちらのポテンショメ一夕が、 より正常状態にあるか判定する。 この判 定式を下記 ( 1 5) に示す。
I AVM I - I AVS I ≥ 0 - ( 1 5)
図 1 5に示したように、 接触抵抗 R, の増加に伴ってトルク検出電圧 値 V2M, V2Sの変化量は減少する。 したがって、 例えば、 メインポテン ショメ一夕 3 M の接触抵抗 R t が増加し、 サブポテンショメ一夕 3 s の 接触抵抗 R, には変化がないとした場合には、 メイン側トルク電圧変化 量 AVM が減少するので、 I AVM I ― I AVS Iの値は、 負の値にな る傾向がある。 このように、 I ΔνΜ I - I AVS I く 0のときには、 サブボテンショメータ 3 s の方が、 より正常状態にあると判断し、 サブ ポテンショメータ 3 s を基準として以降の処理を行うためにステップ S 7に移行する。 逆に、 I ΔνΜ I - I AVS 1 ≥ 0のときには、 メイン ポテンショメータ 3M の方が、 より正常状態にあると判断し、 メインポ テンショメータ 3M を基準として以降の処理を行うためにステップ S 9 に移行する。
ステップ S 7では、 I厶 VM — AVS I ≥ (X/Y) I AVS I とな るか否か判定し、 メイン側のトルク検出値に異常があるか否かサブポテ ンショメータ 3S を基準として判定する。 この判定式は、 以下に示すよ うにして算出される。 先ず、 図 1 5における、 メインポテンショメ一夕 3 M の操舵トルクに対する トルク検出電圧 V2Mの傾き量 Δ〇Μ を下記 ( 1 6) 式より算出する。
AGM =Δ Vm / CT(n -T(n-l) ) - ( 1 6)
ここで、 Tは入力操舵トルクであって、 T(n) -T(n-l) は所定のサ ンプリ ング時間 (タイマ割り込み時間) ごとの操舵トルクの変化量を表
す。
同様に、 サブボテンショメータ 3S のトルク検出電圧 V2Sの傾き量△ Gs を下記 ( 1 7) 式より算出する。
AGs =AVs / CT(n) -T(n-l) 〕 … ( 1 7)
接触抵抗 Rt の増加により トルク検出値に異常があった場合には各傾 き量 AGM , AGs は減少してくるが、 このステップ S 7での処理にお いては、 サブポテンショメータ 3 S は正常であるとしているので、 傾き 量 AGs を基準として、 傾き量 AGM と傾き量 A GS との差を求め、 こ の値が例えば所定値 Xを越えたときには、 メインポテンショメ一夕 3M のトルク検出値に異常があると判断できる。 この判定式を下記 ( 1 8 ) 式に示す。
この所定値 は、 前述した所定値Sより少し大きな値に設定し、 所定 値 及び所定値 X間に不感帯を設けておき、 正常 ·異常の判断が安定し て行われるようにしておく。
( 1 8) 式に、 ( 1 6 ) 及び ( 1 7) 式を代入すると下記 ( 1 9 ) 式 になる。
I CAVM - AVS 〕 Z CT(n) -T(n-l) 〕 I > X…… ( 1 9 ) サブボテンショメータ 3 s は正常であるので、 接触抵抗 R, の値をほ ぼ零であるとすると、 ( 1 1 ) 式より、 傾き量 AGs は k Eと表され、 これを便宜的に Yと設定する。 また、 T(n) — T(n-l) の値を直接算出 することは困難であるので、 これを消去するために以下の計算を行う。
( 1 9) 式において、 上記の ( 1 7) 式の中で、 AGs =k E = Yと おき、 ( 1 7) 及び ( 1 9) 式により、 T(n) -T(n-l) を消去すると 、 下記の (2 0) 式の判定式が算出される。
I ΔΥΜ - AVS I ≥ (X/Y) I AVs I…… ( 2 0)
この判定式では、 正常状態にあるサブポテンショメータ 3 s を基準と して、 メインボテンショメ一夕 3M の傾き量 Δ〇Μ を検出しているので 、 I AVM - AVS I < (X/Y) I AVS I となったときには、 メイ ンポテンショメータ 3M のトルク検出値は正常であると判断することか でき、 このときには、 上位のメインプログラムに戻る。 一方、 I ΔνΜ -Δ Vs I ≥ (X/Y) I AVS I となったときには、 メインポテンシ ョメータ 3M のトルク検出値に異常が発生したと判断することができ、 このときには、 ステップ S 8のフェイルセーフ処理に移行する。
ステップ S 8では、 フェイルセーフ処理として例えば以下の処理が実 行される。 先ず、 モータ駆動回路 22に供給されるパルス幅変調信号 P WM、 右方向信号 DR 、 及び左方向信号 をローレベルにすることに よって Hブリ ッジ回路 22 bへの信号の供給を停止し、 次いで、 クラッ チ制御信号 Sc をローレベルとして出力することによって、 電磁クラッ チ装置 1 1を非接続状態にする。 そして、 リ レー制御信号 SR をローレ ベルとして出力することによって、 フェールセーフリ レー 2 3 aを開放 にして、 バッテリ 1 6から Hブリ ッジ回路 22 bへの電源供給を停止す る。 次に、 例えば、 異常検出フラグを ' " にセッ 卜して、 上位プログ ラムにこの異常通知を行って、 処理を終了する。 以後、 上位プログラム では、 トルク検出値の異常検出のための割り込み処理を実行しない。 そして、 ステップ S 9では、 I AVM —AVs I ≥X/Y I AVM I となるか否か判定し、 サブ側のトルク検出値に異常があるか否かメイン ポテンショメ一夕 3M を基準として判定する。 この判定式は、 ステップ S 7と同様な計算手順を経ることによって得られる。 i ΔνΜ -AVs I < (X/Y) I AVM I となったときには、 サブポテンショメ一夕 3 s のトルク検出値は正常であると判断することができ、 このときには、 上位のメインプログラムに戻る。
一方、 | ΔνΜ — AVS I ≥ (X/Y) I AVM i となったときには 、 サブポテンショメータ 3S のトルク検出値に異常が発生したと判断す ることができ、 このときには、 前述のステップ S 8のフェイルセーフ処 理に移行する。
次に、 上記第 2実施例の動作を説明する。
この第 2実施例では、 各ボテンショメータ 3M , 3 s のトルク検出値 の異常検出は、 通常のモータ駆動制御処理を実行する前に例えば毎回行 われる。 先ず、 割り込み時間毎の各トルク検出電圧 V2M, V2Sのそれぞ れの変化量厶 VM , AVS を算出し、 ステップ S 5で、 | ΔνΜ — Δν s Iの値が、 所定値 S以下であるか判定し、 簡易的に接触抵抗 R, の異 常判定を行う。 I AVM - AVs I ≤ 3のときには、 接触抵抗 R, は正 常な範囲内にあるとして通常の電動パワーステアリ ング装置のモータ駆 動制御を実行する。
一方、 I AVM -AVs I > のときには、 更に異常検出処理を継続 し、 メインポテンショメータ 3M とサブポテンショメータ 3 s のどちら の側に接触抵抗 R, の増加が発生しているか検出する。 サブポテンショ メータ 3s は正常であると判定したときには、 ステップ S 7でサブポテ ンショメータ 3 S のトルク検出電圧 V2Sの変化量 Δν5 を基準として、 メインポテンショメータ 3Μ のトルク検出電圧 V2Mの変化量△ VM 、 即 ち減少量が、 所定の範囲内か否か判定する。
そして、 メインボテンショメータ 3M の方が正常であると判定したと きには、 ステップ S 9でメインポテンショメータ 3 M のトルク検出電圧 V2Mの変化量 ΔνΜ を基準として、 サブポテンショメ一夕 3 s のトルク 検出電圧 V2Sの変化量 AVs 力 \ 所定の範囲內か否か判定する。 本実施 例では、 ステップ S 5においても変化量 ΔνΜ , 厶 Vs が正常範囲内に あるかどうか判定しているか、 ステップ S 7及び S 9では、 接触抵抗 R
, の値が小さい側のボテンショメータ 3M , 3 s を基準に判定を行って いるので、 より確実な判定を行うことできる。
ステップ S 7及び S 9の判定の結果、 接触抵抗 R, の増加が正常範囲 内のときには、 通常の電動パワーステアリング装置のモータ駆動制御を 実行する、 一方、 正常範囲を越えているときには、 所定のフヱイルセ一 フ処理を実行し、 安全性を確保する。
このように、 第 2実施例においては、 メイン側トルク電圧変化量 Δν Μ 及びサブ側トルク電圧変化量 AVS に基づいて、 接触抵抗 R, の増加 による異常を検出しているので、 付与された操舵トルクの大小にかかわ らず相対的なトルク検出電圧 V2M, V2Sの変化が検出される。 このため 、 操舵トルクが大きく変化しない中立位置近傍の微小操舵時においても 、 操舵トルク変化の大きいときと同じようにトルク検出値の異常を検出 することができ、 メインポテンショメータ 3M 及びサブポテンショメ一 夕 3 S の信号ラインゃ摺動接触子の接触抵抗値の経時変化による トルク 検出電圧 V2M, V2Sの異常を検出することが容易となる。
また、 メイン側トルク電圧変化量 ΔνΜ 及びサブ側トルク電圧変化量 AVS に基づいて、 相対的に接触抵抗 R, の異常を検出しているため、 トルクセンサ 3とコン トローラ 1 3を接続するケーブル 2 6のコネクタ 部の製造組付け時に生じる接触抵抗値を考慮に入れずに、 異常検出の基 準となる設定値を定めることができる。 このため、 余裕を見て設定値を 大きめに設定することは解消され、 検出精度を向上させることが可能と なり、 接触抵抗値が経時変化により増加しても確実にトルク検出値の異 常を検出することができる。
次に、 本発明に係る第 3実施例の回路構成を図 1 7に基づいて説明す る。
この第 3実施例は、 前述した第 2実施例において、 トルクセンサ 3の
メインポテンショメ一夕 3M 及びサブボテンショメ一夕 3 s の各端部が 、 それぞれ個別の端子で構成され、 ケーブル 2 6を介してコン トローラ 1 3に接続されることを除いては図 1 2のトルクセンサと同様の構成を 有する。 したがって、 メインポテンショメ一夕 3M の両端の各端部は、 それぞれ電流入力端子 3 a及びドリフト出力端子 3 cに接続され、 ケー ブル 2 6を介してそれぞれ電流検出抵抗 1 3 d, 1 3 gに接続され更に 電源及び接地電位にそれぞれ接続される。 そして、 サブポテンショ メ一 タ 3s の両端の各端部は、 それぞれ電流入力端子 3 a' 及びドリ フ ト出 力端子 3 c' に接続され、 ケーブル 2 6を介してそれぞれ電流検出抵抗 1 3 d, 1 3 gに接続される。 なお、 摺動接触子 3 d, 3 d' について は第 1実施例と同様に接続され、 摺動接触子 3 d, 3 d' からのトルク 検出電圧 V2M, V2Sは、 位相補償回路 1 8, 1 8' に供給される。
この第 3実施例で、 電流入力端子 3 a, 3 a' 及び電源間に無視でき ない接触抵抗 Rc が存在するとした場合、 例えば、 メインボテンショメ —夕 3M についての等価回路は図 1 8のように表すことができる。 この 等価回路におけるトルク検出電圧 V2Mは下記の ( 2 1 ) 式で表される。
V2M= 〔R3/ (R,+R3 + Rc) 〕 E…… (2 1 )
そして、 この (2 1 ) 式において、 前述した第 2実施例と同様に、 R3 / (R!+R3) =ひとおくと、 下記 (2 2) 式のように表すことができる
V2M= ία/ ( 1 +aRc/R3) 〕 E…"- ( 22)
さらに、 この (22) 式において、 第 2実施例と同様に、 ひ二 k · T + 1 2とおくと、 下記 ( 23 ) 及び ( 24 ) 式のように表すことがで きる。
V2M= (kE/r) T + E/2 r - (2 3)
ただし、 7 = 1 + (kT+ 1 /2) ( cXR3) … ( 24 )
したがって、 接触抵抗 Rc が変化すると、 入力操舵トルク Tに応じて トルク検出電圧 V2Mの値が変化するため、 所定時間ごとのト ク検出電 圧 V2Mの変化量を検出することにより、 接触抵抗 Rc の増加による トル ク検出値の異常検出を行うことができる。 なお、 ドリフ ト出力端子 3 c , 3 c' 及び接地電位間に存在する接触抵抗についても上記と同様に、 接触抵抗値の増加によるトルク検出値の異常検出を行うことができる。
このように、 第 3実施例においては、 第 2実施例に示した効果を有す る他に、 電源ラインに生じた接触抵抗値の増加を検出することができる 。 したがって、 トルクセンサ 3及びコントローラ 1 3間に存在する全て の接触抵抗値の変化を検出することができ、 これに起因するトルク検出 値の異常検出を行うことができるため、 さらに安全性の向上を図ること が可能となる。
一方、 ドリフ ト検出処理の動作は、 前述した第 1実施例と同じであり 、 図 7、 図 8及び図 1 0に示すフローチャートと同様な処理手順が実行 され、 電流検出抵抗 1 3 gでのドリフ ト電圧 Visが正常範囲内であるか 否か判別することにより操舵輪の自転防止を図り、 正常範囲内のときに は通常のモータ駆動制御が実行される。 ここで、 電流検出抵抗 1 3 gの 抵抗値は、 ドリフ ト検出処理での最少値 Vmin 及び最大値 Vmax が同じ 値を用いることができるように、 基本構成の実施例の抵抗値より小さな 値にする。
そして、 操舵トルクが付与されないときには、 トルク検出値 T, 及び T2 は、 トルク検出値設定抵抗 1 3e,, 1 3f,及び 1 3e2, 1 3f2の作 用によってそれぞれ摺動接触子 3d,及び 3 d2の中立位置電圧と同じ電圧 値になる。 したがって、 このときには、 トルク信号の入出力端子の各コ ネクタ接触抵抗の抵抗値が増加してドリフ トが発生しても、 トルク電圧 V tは一定値に保たれるため操舵輪の自転は防止される。
なお、 上記第 2及び第 3実施例においては、 トルクセンサ 3について メインポテンショメータ 3M 及びサブボテンショメータ 3 S を一体化し た場合について説明したが、 これに限定されるものではなく、 各ポテン ショメータを独立させて別個の位置にそれぞれ配設してもよい。
また、 上記第 2及び第 3実施例においては、 ポテンショメ一夕を備え たトルクセンサからトルク検出電圧を検出しているが、 これに限定され るものではなく、 1部にコイルを有するプリ ッジ構成のトルクセンサを メインとサブの 2つ用意し、 これらからトルク検出電圧を検出して、 所 定時間ごとの各トルク検出電圧の変化量から差分値を算出し、 コネクタ 部等に生じる接触抵抗の変化を検出してもよい。
また、 上記第 2及び第 3実施例においては、 接触抵抗値の増加による トルク検出値の異常検出について説明したが、 各ボテンショメータ 3M , 3 s が例えば断線 ·短絡したときにもトルク検出値の異常として現れ るので、 図 1 6に示したフローチヤ一卜に従って信号ラインにおける断 線,短絡時のトルク検出値の異常も検出することができる。
また、 上記第 2及び第 3実施例においては、 (2 0) 式を変形すると 下記 ( 2 5 ) 式のようになる。
I AVM /AVS I ≥ (X/Y) + 1… ( 2 5)
この ( 2 5) 式の右辺を例えば所定値 7として、 I AVM ZAVs I の値と所定値 7とを比較することにより トルク検出値の異常を検出して もよい。
また、 上記第 2及び第 3実施例においては、 ステップ S 5及びステツ プ S 7, S 9で 2回異常判定を行っているか、 どちらのポテンショメ一 夕 3M , 3 s が異常であるかの検出を行わないときには、 ステップ S 6 , S 7, S 9の処理を省略することができ、 この場合には、 ステップ S 5において、 所定値;8の値を少し大きな値に設定しておき、 I ΔνΜ -
A V s I > となったときには、 トルク検出値に異常があると判定し、 ステップ S 8に移行してフェイルセーフ処理を実行するよう(こしてもよ い。
また、 上記第 2及び第 3実施例においては、 トルク検出値設定抵抗 1 3 e及び 1 3 f は互いに同一の抵抗値を用いているが、 これに限定する ことなく、 操舵トルクが零のときのポテンショメータの出力電圧に応じ て、 この出力電圧と位相補償回路に供給される トルク検出値とが同一の 電圧になるように、 互いに異なる抵抗値を有する トルク検出値設定抵抗 1 3 e及び 1 3 f を配設してもよい。 トルク検出値設定抵抗 1 3 e ' , 1 3 f ' についても同様である。
さらに、 上記第 1〜第 3実施例においては、 中央処理装置から出力さ れたモー夕駆動信号 S M をパルス幅変調信号 P WMに変換して電動モー 夕を駆動しているが、 モータ駆動信号 S M をパルス幅変調信号 P WMに 変換せずにアナログ電圧信号に変換すると共に、 パルス幅変調信号 P W Mが入力されている各 F E Tの代わりに N P N トランジスタを用いて、 このアナログ電圧に比例した電圧を各 N P Nトランジス夕のベース端子 に印加して、 電動モー夕を駆動する構成にしてもよい。
また、 上記第 1〜第 3実施例では、 比例処理、 積分処理、 及び微分処 理の全ての処理を行ってモータ駆動信号値を算出しているか、 どの処理 を組合せてモー夕駆動信号値を算出するかは任意に設定してよい。
また、 上記第 1〜第 3実施例では、 トルク検出値のみに基づいて操舵 状態を検知し、 このトルク検出値に応じて補助操舵トルクを発生するモ 一夕駆動制御について説明したが、 この他に、 例えば、 高速走行中に走 行車線を変更する場合には、 操舵トルクの他に更に、 ステアリ ングホイ —ルの舵角速度や舵角加速度に応じて操舵状態を検知し、 これらの値に 応じた補助トルクを発生してモータ駆動制御を行ってもよい。 トルク検
出値、 舵角速度値及び舵角加速度値に基づいて操舵状態を検知する制御 回路の概略プロック図を図 1 9に示す。
制御回路 2 1 Aは、 図示の如く、 電流指合演算器 3 1 と、 加減算器 3 2と、 比例演算器 3 3と、 積分演算器 3 4と、 加算器 3 5と、 舵角速度 加速度演算回路 3 6と、 ダンバ係数回路 3 7と、 慣性補償係数回路 3 8 とから構成される。 トルク検出値 Tは、 制御回路 2 1 Aの電流指合演算 器 3 1に入力され、 所定のモータ電流指令値 S, に変換された後、 加減 算器 3 2に供給される。 加減算器 3 2には、 モータ電流指合値 S , の他 に更に、 電流検出回路 2 5、 ダンバ係数回路 3 7及び慣性補償係数回路 3 8のそれぞれの出力信号である電流検出信号 i M 、 ダンバ信号 D , お よび慣性信号 K , が供給され、 モータ電流指令値 S , に対して、 電流検 出信号 i M の減算、 ダンバ信号 D , の減算、 及び慣性信号 K , の加算の 処理が行われる。 加減算器 3 2の出力信号が供給される比例演算器 3 3 では所定の比例ゲインが乗算され、 その乗算値は、 加算器 3 5に直接供 給されると共に、 所定の積分処理を行う積分演算器 3 4を介して同じく 加算器 3 5に供給される。 そして、 加算器 3 5からは所定のモータ駆動 信号がモータ駆動回路 2 2に出力される。 モータ駆動回路 2 2では、 所 定のパルス幅を有するパルス幅変調信号 P WMを舵角速度加速度演算回 路 3 6に出力すると共に、 モー夕駆動電流を電動モータ 1 2に供給する 。 そして、 電動モータ 1 2からは、 モータ駆動電流値 i力く、 舵角速度加 速度演算回路 3 6及び電流検出回路 2 5に出力される。 舵角速度加速度 演算回路 3 6では、 入力されたパルス幅変調信号 P WM及びモータ電流 値 iに基づいて算出した舵角速度 ω。 をダンバ係数回路 3 7に出力する と共に、 同じく算出した舵角加速度 を慣性補償係数回路 3 8に出力 する。
舵角速度加速度演算回路 3 6での舵角速度 ω。 及び舵角加速度 ω , の
算出は次のように行われる。 先ず、 パルス幅変調信号 PWMのデューテ ィ比 D及び電源電圧 VBAT を用いると、 電動モータ 1 2に供給される平 均電圧 Vは、 次式のように表せる。
V = D · VBAT …… ( 2 6)
また、 電動モータ 1 2は回転することにより逆起電力が発生し、 逆起 電力定数を kT とすると、 電動モータ 1 2に発生する逆起電圧は kT · ω。 となるので、 コイル抵抗 Rを有する電動モータ 1 2に供給された平 均電圧 Vは次式のようにも表せる。
V= kT · ω。 +R · i …… (27)
式 (26) 及び (27) より、 舵角速度 ω。 は次のように求められる ο
ωο = (D · VBAT 一 R■ i ) ノ kT - (28)
この (28) 式を時間 tで微分することにより、 舵角加速度 が算 出される。
算出された舵角速度 ω。 は、 ダンバ係数回路 37で所定のダンバ係数 Κν と乗算され、 この乗算値をモータ電流指令値 S , から減算してダン パ制御を実行し、 これにより、 操舵系に電気的粘性抵抗が与えられ車両 の安定性の向上が図られる。 また、 算出された舵角加速度 ω, は、 慣性 補償係数回路 38で所定の慣性補償係数 Kc と乗算され、 この乗算値と モータ電流指令値 とを加算して慣性補僙制御を実行し、 これにより 、 モー夕慣性に起因するモータの応答性の遅れが補償される。 なお、 舵 角加速度 ω, はセンサで直接検出してもよく、 また、 例えば、 モー夕軸 に取り付けた角度センサにより検出された角度値を、 時間 tで微分して 先ず舵角速度 ω。 を求め、 更にもう一度微分して舵角加速度 ω, を求め るようにしてもよい。
産業上の利用可能性
以上説明したように、 本発明の請求の範囲第 1項の発明によれば、 電 源電流をトルク検出用ポテンショメータに供給し、 ポテンショメータ間 に流れた電流を電流検出手段に入力し、 電流検出手段の出力値と予め設 定した設定値とを比較手段で比較してポテンショメータに生じたドリフ トを検出している。 電流検出手段で電流の変化を監視しているため、 ド リフ 卜の変化をそのまま検出することができ、 検出感度を低下させるこ となく簡単な回路構成で確実にドリフ トを検出することが可能になると いう効果を有する。
そして、 本発明の請求の範囲第 2項の発明によれば、 操舵トルクが付 与されていないときには、 トルク検出値をポテンショメータの出力電圧 と同じ電圧値に設定する、 トルク検出値設定手段が配設されている。 こ れにより、 トルク信号の入出力端子のコネクタ接触抵抗の抵抗値が増加 してドリフトが発生しても、 操舵トルクが付与されていないときにはト ルク検出値設定手段の作用によってトルク検出電圧は一定値に保たれ、 操舵輪の自転は防止され安全性の向上を図ることができる。
また、 本発明の請求の範囲第 3項の発明によれば、 トルク検出値設定 手段がトルクセンサのトルク信号出力端子及び電源の両端間に接続され たトルク検出値設定抵抗で構成されているので、 簡易な構成で操舵トル クが付与されていないときのトルク検出電圧を一定値保つことかできる さらに、 本発明の請求の範囲第 4項の発明によれば、 メイントルクセ ンサから出力されたトルク検出値の単位時間当りの変化量と、 サブトル クセンサから出力されたトルク検出値の単位時間当りの変化量との差分 値に基づいてトルク検出値の異常を検出する異常検出手段を備えている 。 二れにより、 付与された操舵トルクの大小にかかわらず安定的なトル
ク検出値の差分値が得られる。 このため、 操舵トルクが大きく変化しな い中立位置近傍の微小操舵時においても、 操舵トルク変化の大きいとき と同じようにトルク検出値の異常を検出することができ、 メイントルク センサ及びサブトルクセンサの信号ラインに生じる接触抵抗値の経時変 化等によるトルク検出値の異常を検出することが容易となる。
しかも、 請求の範囲第 4項の発明によれば、 トルク検出値の異常を検 出する際に、 メイントルクセンサとサブトルクセンサとのトルク検出値 の差分をそのまま用いていないので、 制御手段とメイントルクセンサ及 びサブトルクセンサとを電気的に接続するコネク夕部の接触抵抗につい て、 製造組付け時に生じる接触抵抗値を考慮に入れて異常検出の基準と なる設定値を定める必要がなくなる。 このため、 余裕を見て設定値を大 きめに設定することは解消され、 検出精度を向上させることが可能とな り、 接触抵抗値が経時変化等により増加しても確実にトルク検出値の異 常を検出することができるという効果が得られる。
さらに、 請求の範囲第 4項の発明によれば、 メイントルクセンサ及び サブトルクセンサの各トルク検出値の単位時間当りの各変化量に基づし、 てトルク検出値の異常検出を行うことにより、 接触抵抗値の増加による トルク検出値の異常を検出しているが、 この他に、 各トルクセンサの断 線や短絡による トルク検出値の異常検出も同時に行うことができるとい う効果が得られる。
また、 請求の範囲第 5項の発明によれば、 トルクセンサの外部接続端 子を一対の接続端子と トルク信号出力端子の 3つで構成することができ 、 構成が簡易化されると共、 制御手段との接続が容易となる効果が得ら れる。
さらに、 請求の範囲第 6項の発明によれば、 請求の範囲第 4項の効果 に加えて、 電源ラインに生じた接触抵抗値の増加も検出することができ
、 トルクセンサ及び制御手段に存在する全ての接触抵抗値の変化を検出 することができ、 これに起因するトルク検出値の異常検出を行うことが できるという効果が得られる。
また、 請求の範囲第 7項の発明によれば、 ポテンショメータに生じた ドリフトを確実に検出することができると共に、 例えば、 コネクタの接 触抵抗値の経時変化によるトルク検出値の変動ゃボテンショメ一夕の摺 動接触子の接触不良等に起因するトルクセンサの故障等のトルク検出値 の異常をトルク検出値の小さい微小操舵時ゃ大操舵時にかかわらず正確 に検出することができるという効果が得られる。