明 細 書 染毛剤又は化粧料及び前処理剤並びに染毛方法 技術分野
本発明は、 着色性が良く、 色落ちしにく く、 毛髪に対して特 異的に染着するため、 皮膚を染色せず、 皮膚刺激がなく、 しか も毛髪の感触を向上させる染毛剤に関する。
背景技術
従来より、 毛髪の着色方法としては、 次のような方法が知ら れている。 酸化染料をアルカ リ性下で毛髪に浸透させ、 過酸化 水素などの酸化剤で処理し、 染料を毛髪内部で重合させ発色さ せる方法、 酸性染料を毛髪に浸透させて染色する方法、 色素や 顔料をバイ ンダ一により毛髪に付着あるい固着させ、 着色を行 なう一時的着色方法等である。
しかし、 酸化染料による染毛では、 染毛処理による毛髪の損 傷、 酸化染料のアレルギー性、 酸化剤の皮膚 (特に粘膜や目) に対する刺激等の問題がある。 又酸性染料では、 皮膚に対する 刺激は少ないが、 染め上がりが悪く、 洗髪により色が落ちてし まう といった問題や、 染毛時に染料が皮膚にも付いてしまう と いつた問題がある。 一時的着色方法では、 バインダーのべたつ き感ゃごわつき感などにより感触が悪化し、 更には耐摩耗性等 も不十分である。
ところで最近、 化粧料として抗体を利用する試みがなされて いる。 例えば、 特開平 4一 2 9 9 1 2号公報は、 抗体を色素、 香料、 保湿剤などの機能性分子で修飾し、 抗体の特異性を利用 して機能性分子を運搬する方法を開示している。
しかし、 上記の公報の実施例にはフィ コピリ ン夕ンパク (水 溶性天然色素に該当する蛍光物質) で修飾された抗体を皮膚に 適用する用途に関する記載はあるものの、 その染毛試験例は示 されていない。 又、 上記の方法では、 毛髪の着色に必要な量の 色素を抗体に固定化することができず、 無理に多くの色素を固 定化しよう とすると、 抗体が失活してしまう という問題点があ り、 到底実用に供せるものではない。
一方、 顔料に抗体を固定化したものを、 診断薬に用いる方法 が知られている。 しかし、 この方法において顔料は、 単に対象 物質の存在を一時的に確認するための標識としてに用いられて いるにすぎず、 染色剤として対象物質を染色しょう とするもの ではない。 従って、 染色剤としての染色率やその色持ち (染色 強度) については、 ほとんど検討されていない。
発明の開示
従って本発明の目的とするところは、 着色性が良く、 色落ち しにく く、 毛髪に対して特異的に染着するため皮膚を染色せず. 皮膚刺激がなく、 しかも毛髪の感触を向上させる染毛剤又は毛 髪化粧料、 及び染毛効果を高める前処理剤、 並びに染毛効果の 高い染毛方法を提供するにある。
上述の目的は下記の本発明によつて達成される。
( 1 ) 抗毛髪抗体が固定化された高嵩性着色材料よりなる染毛 剤、
( 2 ) 抗毛髪抗体に対して免疫活性を有する抗体が固定化され た着色材料よりなる追加染毛用染毛剤、
( 3 ) 還元剤、 界面活性剤、 アルカ リ性物質および酵素よりな る群から選ばれた少なく とも 1種の化学物質を含んでなる染毛 抗体用前処理剤、
( 4 ) 上記染毛剤または二次染毛剤を全重量基準で 0 . 0 1 〜 8 0重量%含んでなる毛髪化粧料、
( 5 ) 上記染毛抗体用前処理剤を全重量基準で 0 . 0 1 〜 2 0 重量%含んでなる毛髪化粧料、
( 6 ) 毛髪を上記染毛抗体用前処理剤で処理した後、 上記染毛 剤で染毛することよりなる染毛方法、 および
( 7 ) 毛髪を上記染毛剤で染毛した後、 更に上記追加染毛用染 毛剤で追加染毛することよりなる染毛方法。
以下、 本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる抗毛髪抗体とは、 ヒ ト毛髪に対して免疫 活性を有する抗体のことであり、 最大径約 1 O n mの分子サイ ズを有する。 このようなものとしては、 例えば着色の目的とな る毛髪を構成している各種の成分に対する抗体が挙げられる。 このような抗体は、 例えば毛髪ケラチン蛋白質、 毛髪キューテ ィ クル蛋白質、 毛髪マ ト リ ッ クス蛋白質あるいはそれらの断片 等を抗原として動物を免疫するこ により得られる。 更に、 動 物の爪、 体毛、 羽毛等、 又はそれらからの抽出物や断片等を免 疫するこ とによつても得られるが、 種差等を考慮すれば、 人間 の毛髪、 体毛が好ま しく、 特に毛髪を構成している各種の成分 が最も好ま しい。
免疫に用いられる動物としては、 牛、 馬、 羊、 山羊、 兎、 二 ヮ ト リ等から適当な家畜を選ぶことができる。
抗体は、 これらの動物の常乳又は初乳、 血清、 あるいは卵黄 等より得ることができるが、 牛の常乳又は初乳あるいは卵黄よ り得られる抗体が、 大量に取得できるため好ましい。
以上述べた抗体原料からの抗体の精製は公知の方法に従えば よく、 例えば適当な方法により脂質を除いたのち、 硫安分画法
あるいはアルコール沈澱法あるいは膜分離法などにより精製し. 粗精製抗体を得るこ とができる。 必要ならばイオン交換クロマ トグラフィ一やゲル濾過ク口マ トグラフィ一等で更に精製を行 ない精製抗体を得ることができる。 更に必要ならば免疫に用い た抗原をリガン ドとするァフィ二ティ ークロマ トグラフィーを 行なうこ とにより、 高純度精製抗体を得ることができる。
又、 目的とする抗体を産生する抗体産生細胞と ミエローマ細 胞の融合細胞から、 モノ クローン抗体として抗体を得ることも できる。
以上のようにして得られた抗体は、 パパインあるいはぺプシ ン等の酵素で処理し、 免疫グロブリ ンの F c部分を除去した抗 体断片としてもよい。 又、 2 —メルカプトエタノールで抗体を 還元して得られる H鎖や L鎖を用いてもよい。
又、 免疫した動物の脾臓細胞あるいはリ ンパ球からクロー二 ングされた免疫グロブリ ン遺伝子断片を導入した微生物あるい は培養細胞の産物であってもよい。
本発明に用いられる、 抗毛髪抗体に対して免疫活性を有する 抗体は、 上記の抗毛髪抗体を得るために免疫した動物と同種の 動物由来抗体やその断片等を抗原として、 異種の動物を免疫す ることによって得られるもので、 抗毛髪抗体と略等しい分子サ ィズを有しており、 本書においてはこれを 「二次抗体」 と呼称 する。 例えば、 抗毛髪抗体を牛乳から得た場合は、 牛由来の抗 体を牛以外の動物、 例えば兎ゃニヮ ト リ等に免疫すればよい。 又、 抗毛髪抗体に対して免疫活性を有するモノ クローナル抗体 も使用することができる。 これらの二次抗体は、 先に述べた抗 毛髪抗体の場合と同様にして精製することができる。 このよう にして得られた抗体は、 パパイ ンあるいはペプシン等の酵素で
処理し、 免疫グロプリ ンの F c部分を除去した抗体断片として もよい。 また、 2 —メルカプトエタノールで抗体を還元して得 られる H鎖や L鎖を用いてもよい。
本発明においては、 上記の抗毛髪抗体および二次抗体を総称 して、 以下 「原料抗体」 ということがある。 これら原料抗体は その分子サイズと少なく とも同等程度、 即ち、 最大径が少なく とも約 1 O n mの物体構成単位サイズを有する着色材料に固定 される。 ここで、 「物体構成単位サイズ」 とは、 水溶性着色物 質の場合にはその 「分子サイズ」 、 水不溶性着色物質の場合に はその使用態様における微細化物体、 即ち微粉粒体の 「粒子サ ィズ」 を意味するものとする。
本書においては、 上記のような最大径が少なく とも約 1 0 nm の物体構成単位サイズのものを 「高嵩性」 また、 それより小さ い物体構成単位サイズのものを 「低嵩性」 と定義する。 かかる 物体構成単位サイズは電子顕微鏡観察によって直接に測定する ことができ、 又水溶性着色物質の場合は分子モデルから算出す るこ ともできる。 更に、 「着色材料」 とは、 無機顔料または有 機色素等の着色物質自体と、 これら着色物質と高分子担体とか らなる複合体の両者を含む意味に解するものとする。 「着色物 質」 とは、 低嵩性の水溶性色素、 高嵩性の水不溶性色素及び無 機顔料を意味する。
着色材料が着色物質自体を意味する場合には、 これらの着色 物質は高嵩性の水不溶性色素および無機顔料であり、 また、 着 色材料が着色物質/高分子担体複合体の場合には、 着色物質は 低嵩性の水溶性色素をも含むことができる。 いずれの場合にお いても着色材料は高嵩性即ち少なく とも 1 0 n mの物体構成単 位サイズを有するこ とを要し、 1 0 n m未満の低嵩性の場合に
は十分な色相濃度の着色を与えない。 但し、 二次抗体を固定す る場合には低嵩性着色材料をも用いることができる。 また物体 構成単位サイズは、 1 0 0 〃m を超えないことが望まれ、 1 0 0 rn を超えると染色された毛髪の感触、 風合い等に与える悪 影響が顕著になる傾向があり好ま しくない。
本発明における着色材料とそれを構成する着色物質とを整理 して次表に示す。
「酸性染料
(ナフトールブル
'水溶性染料 H 一ブラック、 ァリ ズロールハ°—プル 厂水溶性色素 — I し塩基性染料
(ローダミン B等)
-水溶性天然色素
(シソニン、 カカオ色素等) 广着色物質一 广水不溶性染料—油溶性染料
(スダンブル一 B、 オイルレッド 水不溶性色素"! X O等)
一レーキ
着色材料 (ナフトールブルーブラック · アルミニウムレーキ塩、
ァリズ口一ルパープル · アルミニウムレーキ塩等)
機顔料
(フタロシアニンブルー、 レーキレツド C等)
L水不溶性天然色素
(リボフラビン、 カプサンチン等) 無機顔料 '
(カーボンブラック、 黒酸化鉄、 酸化チタン等)
L着色物質 Z高分子担体複合体
本発明に用いられる着色物質としては、 水溶性染料や水溶性 天然色素等の水溶性色素、 水不溶性染料、 レーキ、 有機顔料お よび水不溶性天然色素等の水不溶性色素等、 チタンブラ ッ クや 白色チタン等の酸化チタ ン、 酸化鉄、 磁性粒子等の無機顔料が 挙げられるが、 無機顔料及び水不溶性色素が、 刺激が少ないと いう点で好ま しい。 また、 無機顔料は抗毛髪抗体の毛髪への結 合を強固にするという点でも好ましい。
また、 無機顔料は好ましく はカップリ ング剤その他の適宜な 処理によって表面に有機官能基を付与したものが好適である。
水不溶性色素および無機顔料の物体構成単位サイズ、 即ち粒 子サイズは 1 O n mを超え、 高嵩性となす必要がある。 また、 無機顔料粒子のサイズは、 一般に 0 . 0 1 〜 6 / mであること が好ま しい。
本発明に適用し得る有機顔料としては、 例えば、 ブリ リアン ト フ ァ ス トスカー レ ッ ト、 ノ、。—マネ ン ト レ ッ ド F 5 R 、 ノヽンザ オ レ ンジ、 ノヽンザエロ一、 フタ ロ シアニンブル一、 リ ソールル ビン B C A、 レーキ レ ッ ド( 、 レーキレ ッ ド C B A、 リ ソ一ル レ ッ ド、 リ ソ一ノレ レ ッ ド C A、 リ ソーノレレ ッ ド B A、 リ ソ一ル レ ッ ド S R、 ディ ープマル一 ン、 トルイ ジン レ ッ ド、 ノ、。—マ ト ン レ ッ ド、 ノ、0—マネ ン トオ レ ンジ、 ベンチジンオ レ ンジ G、 ベ ンチジンエロー G、 等が挙げられる。
本発明に適用し得る高嵩性水不溶性染料としては、 例えば、 ァ リ ザニンシアニングリ ー ン F、 キニザリ ングリ ー ン S S、 ィ ンジゴ、 カルバンス レ ンブルー、 ァ リ ズリ ンパ一プル S S、 薬 用スカーレッ ト、 オイルレッ ド X〇、 オレンジ S S、 エロ一 A B、 エロー〇 B、 スダンブル一 B、 ローダ ミ ン Bステア レー ト . テ ト ラ ク ロ ロテ ト ラブロモフルォ レセイ ン、 テ ト ラブロモフル
ォレセイ ン、 スダン 1 1 1 、 ジブロモフルオレセン、 ジョー ドフ ルォレゼイ ン、 フルォレセイ ン、 キノ リ ンエロ一 s s、 等が挙 げられる。
本発明に適用し得る レーキとしては、 ナフ トールブルーブラ ッ ク ' アルミ ニウム塩、 ァ リ ズロールパープル · アルミニウム レーキ塩などが挙げられる。
本発明に適用し得る水溶性天然色素としては、 シソニン、 ク 口シン、 サフロールイエ口一、 カカオ色素、 ブラジリ ンなどが 挙げられる。
本発明に適用し得る水不溶性天然色素としては、 カプサンチ ン、 リ ボフラ ビン、 クロロフィ ルなどが挙げられる。
また、 低嵩性水溶性染料としては、 ビラニンコ ンク、 ライ ドグ リ ーン S F黄、 パテン トブルー N A、 パテン ドブルー C A、 了 ルフ ァズリ ン F G、 レゾルシンブラウン、 ビオラ ミ ン R、 ボン ソー 3 R、 ポンソ一 R、 ポンソ一 S X、 フ ァス ト レ ッ ド S、 ォ レ ンジ I 、 ポーラエロ一 5 G、 ナフ トールエロ一 S、 メ タニル エロー、 フ ァス トライ トエロ一 3 G、 ナフ トールグリ ーン B、 ギネアグリ ーン B、 ァ リ ズロールパープル、 ナフ トールブル一 ブラ ッ ク、 アマラ ンス、 エリ ス口シン、 ニューコク シン、 フロ キシン B、 ローズベンガル、 アシッ ドレ ッ ド、 ター トラジン、 サンセッ トエロー F C F、 フ ァス トグリ ーン F C F、 ブリ リア ン トブル一 F C F、 イ ンジゴカルミ ン、 リ ソールルビン B、 リ ソーノレレ ッ ド、 ローダミ ン B、 ローダミ ン Bアセテー ト、 ファ ス トアシッ ドマゲン夕、 ェォシン Y S、 ェォシン Y S K:、 フロ キシン B K、 ローズベンガル K、 オレ ンジ I I、 エリ ス口シン黄 Ν Α、 ゥラニン、 ゥラニン Κ、 キノ リ ンエロ一 W S、 等を例示 することができる。
本発明において、 前記着色材料が水不溶性色素、 無機顔料ま たはそれらの混合物等の高嵩性着色物質自体である場合には、 抗毛髪抗体は着色材料即ち高嵩性着色物質に直接固定化するこ とができ、 抗毛髪抗体と着色物質との好ましい重量比率は、 1 : 5〜 1 : 1 0 0 の範囲にある。 この重量比率が 1 : 5を超え ると得られる染毛剤の着色性が不足する傾向があり、 また 1 : 1 0 0を外れて着色物質の量を増やしても着色効果の増大は実 質的に認められず、 特に着色物質が水溶性色素の場合は抗毛髪 抗体が失活する虞れがある。
また、 抗毛髪抗体は、 高嵩性水不溶性色素、 無機顔料または それらの混合物等の高嵩性着色物質と高分子担体とを合体して なる高嵩性の着色物質 Z高分子担体複合着色材料に固定化する こ ともでき、 この場合高分子担体と着色物質の好ましい重量比 率は、 1 : 0 . 0 0 1 〜 1 : 1 0 の範囲にある。 二次抗体は、 着色物質に直接固定化でき、 二次抗体と着色物質との好ましい 重量比率は 1 : 0 . 1 〜 1 : 1 0 0の範囲である。 また二次抗 体は、 着色物質と高分子担体とを合体してなる着色物質/高分 子担体複合の着色材料に固定化することができ、 この場合高分 子担体と着色物質の好ま しい重量比率は、 1 : 0 . 0 0 1 〜 1 : 1 0の範囲にある。 この重量比率が 1 : 0 . 0 0 1 を超える と得られる染毛剤の着色性が不足する傾向があり、 また 1 : 10 を外れて着色物質の量を増やしても着色効果の増大は実質的に 認められない。
上記の着色物質を水不溶性色素および無機顔料 (高嵩性着色 物質) とした場合は、 抗毛髪抗体をそれに直接固定化しても高 嵩性着色物質 Z高分子担体複合体よりなる着色材料に固定化し ても、 水溶性色素 (低嵩性着色物質) に直接抗体を固定化した
ものに比べて毛髪への結合力に優れている。 特に、 高嵩性無機 顔料に抗毛髪抗体を直接固定化すると、 毛髪との結合力がより 強いので好ま しく、 一方、 高分子担体を介すると官能面での改 善が顕著であるという点で好ま しい。 また、 抗毛髪抗体を水溶 性色素 (低嵩性着色物質) に固定化するには、 高分子担体との 複合体とする方が好ま しい。
本発明に用いられる高分子担体は、 水不溶性高分子担体と水 溶性高分子担体とに分けられる。 水不溶性高分子担体は、 毛髪 のはり、 弾力感、 こ し、 すべり、 ま とま り、 風合を改善する と いう点で好ま しく、 特に、 合成高分子体が、 毛髪のはり、 弾力 感、 こ しの改善に顕著な効果を奏するため好ま しい。 またこれ に加えて、 水不溶性蛋白質ではしなやかさを、 水不溶性多糖で はしつ と り感を、 リ ポソームでは艷を付与するこ ともできる。 一方、 水溶性高分子担体は、 毛髪のしっ とり感、 なめらかさ、 しなやかさ、 すべり、 風合を改善するという点で好ま しい。
水不溶性高分子担体と しては、 合成高分子体、 水不溶性蛋白 質、 水不溶性多糖、 リ ボソーム等が挙げられる。
合成高分子体と しては、 ポリ スチレン、 ポリ (ひ—メチルス チレン) 、 ポリ ビニル トルエン、 ポリ クロルメチルスチレン、 ポリ クロルスチレ ン、 ポリ塩化ビニル、 ポリ臭化ビニル、 ポリ アク リ ロニ ト リ ル、 ポリ メタク リ ロニ ト リ ル、 ポリアク リ ル酸 ェチル、 ポリアク リ ル酸ォクチル、 ポリアク リル酸ヒ ドロキシ プ口 ピル、 ポリアク リ ル酸ブチル、 ポリアク リル酸メ トキシェ チル、 ポリアク リ ル酸ヒ ドロキシェチル、 ポリ アク リ ル酸ラウ リ ル、 ポリアク リ ル酸アンモニゥム、 ポリ メタク リル酸メチル. ポリ メ タク リ ル酸ェチル、 ポリ メタ ク リ ル酸プロ ピル、 ポリ メ ダク リ ル酸ブチルァ ミ ノェチル、 ポリ ヒ ドロキシメ タ ク リ ル酸.
ポリ酢酸ビニル、 ポリアク リ ル酸、 ポリ メタク リ ル酸、 ポリマ レイ ン酸、 ポリ スチレ ンスルホン酸、 ポリ ( 2 —アク リ ルア ミ ド一 2 —メチルプロ ノ、。ンスルホン酸) 、 ポリ アク リ ルア ミ ド、 ポリ メ夕ク リ ルア ミ ド、 ポリ { N— ( 2 — ヒ ドロキシプロ ピル) メタク リ ルア ミ ド } 、 ポリ ( 2 — ヒ ドロキシェチルメ夕ク リ レ ― ト) 、 ポリ (グリセロールモノ メタク リ レー ト) 、 ポリ ( 2 —ォキシェチルアタ リ レー ト) 、 ポリ ( 2 —ォキシェチルメタ ク リ レー ト) 、 ポリエチレングリ コールメタク リ レー ト、 ポリ エチレン、 ポリ プロ ピレン、 ポリブテン、 ポリ イ ソブテン等の 重合体及びこれらの共重合体、 ポリ ウ レタ ン、 ポリ ウ レタ ンと シリ コン等との共重合体、 ナイロ ンビーズ等が挙げられる。 又、 それらの合成高分子体の表面を改質したものを用いるこ ともで きる。
これらの合成高分子ポリマーのうち、 例えば水酸基、 ハロゲ ン基、 ア ミ ノ基、 カルボン酸基、 アルデヒ ド基、 スルホン酸基、 好ま しく、 かかる重合体は、 例えばポリ クロルスチレン、 ポリ クロルメチルスチレ ン、 ポリ アク リル酸、 ポリ メ 夕 ク リ ル酸、 ポリマレイ ン酸、 ポリ スチレンスルホン酸、 ポリ ( 2 —ァク リ ルア ミ ドー 2 —メチルプロ ノ、。ンスルホン酸、 ポリ [ N— ( 2 — ヒ ドロキシプロ ピル) メ 夕ク リ ルア ミ ド] 、 ポリ ( 2 — ヒ ドロ キシェチルメタ ク リ レー ト) 、 ポリ (グリセロールモノ メタク リ レー ト) 、 ポリ ( 2 —ォキシェチルァク リ レー ト) 、 ポリ ( 2 —ォキシェチルメ タク リ レー ト) 、 ポリエチレングリ コール メタク リ レー ト 、 それらの共重合体、 および表面改質により反 応性基を付与した重合体を包含する。 また、 粒子径の制御並び に入手が容易であるという観点からは、 ポリ スチレ ンまたはそ の誘導体が好ま しい。
水不溶性蛋白質としては、 中性の水に不溶性のものや、 水溶 性の蛋白質を架橋して水不溶化 · 高分子化したものを使用すれ ばよい。 具体的には、 フイブ口イ ン、 ゼラチン、 コラーゲン等 が挙げられる。
水不溶性多糖としては、 架橋したァガロース、 架橋したデキ ス トラン、 キチン等が挙げられる。
リボソームの原料となる脂質としては、 フ ォスファチジルコ リ ン、 フ ォスフ ァチジルセ リ ン、 フ ォスフ ァチジルエタノ ール ァ ミ ン、 リ ゾレシチン等のリ ン脂質等が挙げられる。
これらの水不溶性高分子担体の粒子形態は特に限定されるも のではなく、 球形や板状であっても使用できるが、 粒子サイズ の揃った球形のものが好ま しい。 又、 大きさについては特に限 定されないが、 平均粒径 0 . 0 0 1 〜 1 0 0 Z mの大きさが好 ま しく、 更に好ま しく は 0 . 0 0 1〜 1 〃 mが、 特に 0 . 0 5 〜 0 . 7 ;« mの範囲のものが、 高い染毛度が得られる点で好ま しい。 '
水不溶性高分子担体と原料抗体の量比は使用する水不溶性高 分子担体によって異なるが、 一般的には水不溶性高分子担体 1 gあたりに、 原料抗体 0 . 0 1 〜 1 0 0 m gが固定化されてい るのが好ま しい。 0 . 0 1 m g未満では染着性が劣る傾向があ り、 また 1 0 O m gを超えても染着性は実質的に増大しない。 水溶性高分子担体としては、 天然物、 合成物を問わず使用す ることができる。 このようなものとしては天然物由来の多糖類. 蛋白質およびそれらの誘導体等が挙げられる。
多糖類としては、 例えば植物由来のデンプン、 アミ ロース、 ア ミ ロぺクチン、 ぺクチン、 カラギーナン、 マンナン、 ガラ ク タン、 アルギン酸ナ ト リ ウム、 トラガカン トゴム、 アラ ビアゴ
ム等、 微生物由来のデキス トラ ン、 プルラ ン、 力一 ドラ ン、 レ バン、 グルカ ン、 スクシノ グルカ ン、 キサンタ ンガム等、 動物 由来のヒアルロ ン酸、 コン ドロイチン硫酸等が挙げられる。 蛋白質としては、 にかわ、 ゼラチン、 カゼイ ン、 コラーゲン. フイ ブ口イ ン等が挙げられる。
半合成物としては、 ビスコース、 メチルセルロース、 ェチル セルロース、 ヒ ドロキシェチルセルロース、 ヒ ドロキシプロ ピ ルセルロース、 カルボキシメチルセルロース、 可溶化デンプン. カルボキシメチルデンプン、 ジアルデヒ ドデンプン等が挙げら れる。
合成物と してはポリ ビニルアルコール、 力ルボキシビニルポ リマー、 ポリ アク リ ル酸ナ ト リ ウム、 ポリ ビニルピロ リ ドン、 ポリエチレンォキシ ド、 ポリ リ ジン、 ポリ グルタ ミ ン酸、 ポリ ァスパラギン酸等が挙げられる。
これらの水溶性高分子担体の分子形態は直鎖型でも分岐鎖型 であっても使用できるが、 ある程度分子量の揃ったものが好ま しく、 例えば数平均分子量 1 万から 2 0 0万のものが挙げられ る。 また、 物体構成単位サイズ、 即ち分子サイズは、 平均分子 サイズ 0 . 0 1〜5 〃m の範囲にあるこ とが好ま しい。
水溶性高分子と原料抗体の量比は、 使用する高分子によって 異なるが、 一般的には水溶性高分子 1 gあたりに、 原料抗体 0 . 0 1 m g〜 1 gが固定化されているのが好ま しい。
本発明の染毛剤は、 原料抗体を用いて、 以下のようにして製 造するこ とができるが、 これらの方法に限定されるものではな い。
本発明において着色物質例えば水不溶性色素または無機顔料 に原料抗体を直接固定化するには、 物理的吸着や化学的結合が
用いられる。
物理的吸着は、 水不溶性色素または無機顔料と原料抗体を混 合するこ とによって行なう こ とができる。
化学的結合による場合は、 水不溶性色素または無機顔料が有 機官能基を有している場合はよいが、 無機顔料のように有機官 能基を有していない場合には、 顔料の表面に有機官能基を導入 する必要がある。 顔料の表面に有機官能基を導入する方法とし ては、 カ ップリ ング剤を用いる方法ゃシリ コ ン処理等による方 法等が挙げられる。 カ ップリ ング剤としては、 シラ ン系カ ップ リ ング剤、 チタネー ト系力 ップリ ング剤、 アルミニウム系力 ッ プリ ング剤、 ジルコアルミ ネー ト系カ ップリ ング剤等が挙げら れる。 シリ コ ン処理に用いる ものとしては、 ァ ミ ノ変性シリ コ ンゃ、 カルボキシ変性シリ コン等が挙げられる。
例えば、 3 —ア ミ ノプロ ピル ト リエ トキシシラ ンを反応させ れば、 顔料表面にア ミ ノ基を導入するこ とができる。 このア ミ ノ基に無水グルタル酸や無水コハク酸を反応させることにより カルボキシル基に変換するこ とも可能である。 又、 3 — メ'ルカ ブ トプロ ビル ト リ メ トキシシラ ンを反応させれば、 S H基を導 入するこ とができる。
これら有機官能基と原料抗体は、 公知の方法により結合させ るこ とができる。 官能基がァ ミ ノ基である場合はグルタルアル デヒ ドにより、 カルボキシル基である場合には水溶性カルポジ イ ミ ドである 1 一ェチル一 3 — ( 3 —ジメチルァ ミ ノプロ ピル) カルポジイ ミ ド (以下 E D C と略記する。 ) により結合できる。 又 S H基の場合には N—スク シ二ミ ジル— 3 — ( 2 — ピリ ジル ジチォ) 一プロ ピオネー ト (以下 S P D P と略記する。 ) のよ うな架橋試薬が利用できる。
本発明において、 水不溶性高分子担体又は水溶性高分子担体. に水溶性色素、 水不溶性色素、 無機顔料等の着色物質を保持さ せる方法としては、 物理的方法と化学的方法が挙げられる。
物理的方法としては、 着色物質を水不溶性高分子担体に吸着 させる吸着法、 水不溶性高分子担体作製時に着色物質を添加す る内添法、 水不溶性高分子担体内に着色物質を包み込む内包法、 水不溶性高分子担体内で色素前駆体を重合させる重合法等があ 官能基を有する水不溶性高分子担体あるいは水溶性高分子担 体を用いる場合、 化学的結合により着色物質を固定することが できる。 官能基としてはァ ミ ノ基、 カルボキシル基、 アルデヒ ド基、 水酸基、 チオール基等が利用される。 多糖はそのまま用 いてもよいが、 必要に応じて化学修飾を施してもよい。 例えば 多糖をメタ過ョゥ素酸等で酸化すればアルデヒ ド基を生成させ ることができる。 このアルデヒ ド基にジァミ ン類を反応させれ . ばアミ ノ基を、 ε —ァ ミ ノカプロン酸等を反応させればカルボ キシル基を導入させることも可能である。 又、 多糖に塩化シァ ヌルゃシアン化臭素等の活性化試薬を反応させ多糖に反応性を もたせることも可能である。
本発明において、 水不溶性高分子担体又は水溶性高分子担体 に抗体を固定化させる方法としては、 物理的吸着又は化学的結 合が挙げられる。
化学的結合に用いられる原料抗体の官能基としてはァ ミ ノ基、 カルボキシル基、 チオール基、 糖鎖部分などが考えられ、 着色 物質と担体の結合の場合と同様にして固定化することができる。 例えば糖鎖部分を結合に用いる場合は糖鎖部分をメ夕過ヨウ素 酸等で酸化してアルデヒ ド基を生成させ、 担体のァ ミ ノ基との
間でシッフ塩基形成により固定化することができる。 チオール 基を用いる場合は S P D P試薬等を用いて固定化することがで きる。
上述の原料抗体固定化着色材料の製造法において、 混合する 原料抗体と着色材料との量比、 あるいは高分子担体と着色物質 との量比を適宜変えることによって、 生成した抗体固定化着色 材料中のそれらの比率を所望の値となすことができる。
以上のようにして得られた原料抗体固定化着色材料からなる 染毛剤は、 水溶液等適宜な溶媒を用いた溶液として、 または分 散液として、 あるいは凍結乾燥、 噴霧乾燥等の操作により得た 乾燥品として実用に供される。
本発明の染毛剤は着色に十分な量の着色物質を担っており、 毛髪に特異的に反応結合し、 着色する。 また、 高分子担体を使 用した染毛剤の場合は、 毛髪の官能面での改善が著しい。 高分 子担体が水不溶性高分子担体の場合は、 毛髪のはり、 弾力感、 こ し、 すべり、 まとまり、 風合を改善することができる他、 こ れに加えて、 水不溶性蛋白質ではしなやかさを、 水不溶性多糖 ではしっ とり感を、 リ ポソームではつやを付与することもでき る。 また、 水溶性高分子担体を用いた場合には、 しっとり感、 なめらかさ、 しなやかさ、 すべり、 風合を改善することができ る。 また、 本発明により水不溶性色素または無機顔料に直接原 料抗体を固定化した染毛剤は、 従来の色素 (直接) 結合抗体に 比べて、 毛髪に対する結合力が強固である。
本発明の原料抗体固定化着色材料は、 これを通常の毛髪化粧 料成分中に適量配合すれば、 有用な毛髪化粧料を提供すること が.できる。 従来の染毛剤含有の毛髪化粧料は、 それを毛髪に適 用すると'地肌まで染まってしまい、 或いは、 皮膚のカブレの問
題等のために 毛剤の濃度を上げるこ とができなかった。 その ため十分な染着カを付与することができず、 従って 1 回当たり 僅かな染着度の染毛操作を複数回反復しなければならないとい う煩雑さがあつたが、 本発明の毛髪化粧料は、 毛髪に特異的に 結合する抗毛髪抗体固定化着色材料を充分量含有する染毛剤の 作用により、 一回の適用で地肌等を汚染することなく満足すベ き染毛効果が得られる。
本発明の毛髪化粧料は、 上記染毛剤を通常の毛髪化粧料用基 剤とともに配合することによって製造することができ、 その形 態と しては、 シャ ンプー、 リ ンス、 スタイ リ ングフ ォーム、 へ ァ一コ ンディ ショナー、 ヘア一ノ、0ッ ク、 ヘア一ク リ ーム、 ヘア 一リキッ ド、 ヘア一 トニッ ク、 パーマネン トウエーブ用剤、 へ ァ一マニキュア等が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料中における染毛剤の含有量は、 化粧料の 種類、 着色物質の種類、 担体の種類や大きさ等により適宜定め れぱ良いが、 一般に化粧料全体を 1 0 0 として 0 . 0 1〜80重 量%程度であり、 残部は通常の毛髪化粧料用基剤である。
本発明の染毛抗体用前処理剤に用いられる還元剤としては、 亜硫酸水素ナ ト リ ウム、 亜硫酸ナ ト リ ウム、 ピロ硫酸力 リ ウム. チォ硫酸ナ ト リ ウム、 L 一システィ ン、 チォグリ コール酸、 2 一メルカプトエタノール、 2 —メルカプトプロピオン酸、 チォ グリセロール等が挙げられる。 界面活性剤としては、 S D S ( ドデシル硫酸ナ ト リ ウム) 等が挙げられる。 アル力 リ性物質 としては、 アンモニア、 モノエタノールァミ ン等が挙げられる, 酵素としては、 パパイ ン、 ト リプシン等が挙げられる。
毛髪の前処理は、 上記の前処理剤を含む水溶液で毛髪を処理 するこ とによって行なう ことができる。 又、 この際、 超音波を
あてることにより、 更に前処理効果を高めることができる。 上述の様にして得られる染毛抗体用前処理剤は前記染毛剤と 同様、 通常の毛髪化粧料成分とともに配合して、 毛髪化粧料と することができる。
毛髪化粧料中における染毛抗体用前処理剤の含有量は、 化粧 料の種類、 前処理剤の種類によって適宜定めれば良いが、 一般 に化粧料全体を 1 0 0 として 0 . 0 1 〜 2 0重量 程度であり. 残部は通常の毛髪化粧料用基剤である。
本発明の染毛剤又は該染毛剤を含有する毛髪化粧料で毛髪を 染毛するには、 単に抗毛髪抗体からなる染毛剤又は該染毛剤を 含有する毛髪化粧料を毛髪に適用するだけでよいが、 毛髪を、 本発明の染毛抗体用前処理剤又は該前処理剤を含有する毛髪化 粧料で予め処理しておく と、 一層染色効果が上がり、 好ましい < 又、 抗毛髪抗体に対して免疫活性を有する抗体、 即ち二次抗体 からなる追加染毛用の染毛剤又は該染毛剤を含有する毛髪化粧 料で追加染毛すると、 染色効果が向上する他、 一回目と二回目 で着色物質の種類を代えるこ とによって、 染色後の色調を変化 させるこ と もできる。
発明を実施するための最良の形態
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、 本発明は これらの実施例により限定されるものではない。 実施例中のパ 一セン トは別段の特記をしない限り 「重量%」 である。
実施例 1 抗ケラチン抗体固定化チタンブラッ ク染毛剤
1 . 抗原の調製
男性の健常毛髪 5 gと女性の健常毛髪 5 gとを混合し、 2 % ポリオキシエチレンラウ リル硫酸ナ ト リウム ( 3 E . 〇 . ) 水 溶液にて洗浄した。 洗浄した健常毛髪を 2 . 5 リ ッ トルの、 8
M尿素及び 0. 2 M 2 —メルカプトエタノールを含有する 0.2 Mト リス塩酸緩衝液 ( p H 9. 2 ) 中で 5 0 °C窒素バブリ ング 下にて 1 時間撹拌し、 テフロンホモジナイザ一を用いてすりつ ぶした。 上記の抽出操作を繰り返し、 得られた抽出液を 1, 0 0 0 X gで 3 0分間遠心することで不溶物を除き、 毛髪ケラチ ン抗原抽出液を得た。 これに 2 0 0 gのモノ ョー ド酢酸 (予め 4 0 0 gの ト リスを溶かした溶液 7 6 0 m 1 に溶かす) 溶液を 加え、 室温遮光下で 1 時間撹拌反応させた。 7 m 1 の 2 —メル カプトエタノールを加えて反応を止め、 充分量の水に対して透 折し、 5 〃 mのフィ ルタ一を通し、 不溶物を除去し毛髪ケラチ ン抗原水溶液を得た ( 6 リ ッ トル) 。 更にこの液 4容量部に 0. 2 5 M酢酸ナ ト リ ゥム緩衝液 ( p H 4. 2 ) 1容量部を添 加し ( P H 4. 2になる様に酢酸で調製) 、 毛髪ケラチンを等 電点沈澱させた。 1 0, O O O X gで 1 0分間遠心し、 上清部 を除き、 沈澱物を集めた。 その沈澱物を生理食塩水にて溶解さ せ、 0. 2 mのフィルターを通して除菌し、 更に限外濾過膜 にて濃縮して精製毛髪ケラチン抗原を得た (蛋白質として 2.6 g ) o
2. 抗ケラチン抗体の調製
(牛の免疫化)
上述の精製毛髪ケラチン抗原溶液の蛋白質濃度を生理食塩水 にて 2 0 m g / 1 に調整し、 その溶液とフロイ ン ドの完全ァ ジュバン トを 1 : 1 の容量割合で混合して油中水型のェマルジ ヨ ンを作製した。 出産 2か月前の妊娠ホルスタイ ン牛 2頭の首 に 1頭当たり 5. 0 m l の前記エマルジョ ンを皮下投与した。 その後 1 0 日間隔で、 フロイ ン ドの不完全アジュバン トで作製 した初回免疫と同量の抗原を含んだェマルジヨ ンを、 皮下ある
いは筋注にて投与し免疫化した ( 1〜 3回目 ; 皮下投与、 4〜 5回目 ; 筋注) 。
(抗体の採取と精製)
上記抗原を免疫した牛の初乳を出産直後より 3 日間補集した。 ク リームセパレ一夕一を用いて、 初乳より脂肪層を除き、 脱脂 乳を得た。 このようにして得られた脱脂乳から、 以下のような 方法にて抗体の分画精製を行なつた。
脱脂乳に 0 . 1 N塩酸を添加して pH 4 . 5 に調整し、 カゼィ ンを沈澱させた。 沈澱物を濾布にて荒く除いた後、 2, 5 0 0 X gの連続遠心操作にて上清を得た。 得られた上清を中和した 後、 3 3 %飽和になるように硫酸ァンモニゥムを加え、 抗体を 塩析させた。 2, 5 0 0 X gの連続遠心操作にて沈澱部を集め、 生理リ ン酸緩衝液 (以下 P B Sと略記) に溶解した。 この硫安 塩析操作を繰り返した。 得られた溶液を 1 0 m Mリ ン酸緩衝液
( p H 7 . 5 ) に対して透析し、 同緩衝液にて平衡化した 2 リ ッ トルの D E A Eセルロースカラム, ( D E - 5 2, ヮ ッ トマン 製) に 5回に分けてアプライ した。 同緩衝液にて、 未吸着の蛋 白を洗い流した後、 5 0 m M塩化ナ ト リ ウム含有の同緩衝液に て抗体を溶出させ、 この画分を集めた (抗体として 2 0 0 g ) 。 この画分の抗体純度は 9 0 %以上であった。 この画分を、 精製 毛髪ケラチンを常法にて結合させた 4 0 0 m l のァフィ二ティ 担体 (ァフィゲル 1 5、 バイオラッ ド社) に 5回に分けて供 した。 ァフィ二ティ担体に結合した抗毛髪ケラチン抗体を、 0. 2 Mグリ シン塩酸緩衝液 ( P H 2 . 5 ) にて溶出させ、 直ちに 3 Mト リス溶液にて p Hを 8付近に調整し、 毛髪ケラチン抗原に 対して特異的に結合する抗毛髪ケラチン抗体 (ァフィニティ精 製) を得た。 以下単に抗ケラチン抗体と記載する。
3. 対照抗体の調製
免疫化しない牛の初乳からも本手法と同様に抗体を精製し、 これを対照抗体とした。 尚、 比較例に使用した対照抗体は、 D E A E—セルロースカラムで精製した、 抗体純度 9 0 %以上の ものである。
4. チタ ンブラッ クへの抗ケラチン抗体の固定化
(チタンブラッ クの表面処理)
チタンブラ ッ ク 1 0 S (平均粒径 0. 0 2 5 〃m、 三菱金属 社製) 1 gを蒸留水 1 0 m 1 に超音波で分散させた。 この分散 液に 1 %の 3 —アミ ノブ口ピル ト リエ トキシシラン水溶液 7 5 1 を加え、 室温で 2時間撹拌した。 4 0 °Cに加温しながらェ バポレーターで減圧脱水した後、 1 1 0でで 1 0分間乾燥させ ることで、 チタンブラッ ク表面にア ミ ノ基を導入した。
(シラン処理チタンブラ ッ クとグルタルアルデヒ ドとの反応) シラン処理にてア ミ ノ基を導入したチタンブラッ ク 8 0 m g を蒸留水 4 m 1 に超音波で分散させた。 この分散液に 0. 2 5 %グルタルアルデヒ ド水溶液 4 m 1 を加え、 室温で 2時間撹拌 した。 2 0 °C, 1 0, 0 0 0 r p m, 2 0分間遠心し、 蒸留水 8 m l に再分散させた。 この洗浄操作を 5回繰り返した。
(チタンブラッ クと抗ケラチン抗体の結合)
グルタルアルデヒ ド処理したチタンブラッ ク 1 %分散液 0.5 m l に、 P B Sで l O m gZm l に調整した抗ケラチン抗体溶 液 0. 5 m l を加え、 4 °Cでー晚撹拌した。 20°C, 1 2 , 0 0 0 r p m, 2 0分間遠心し、 0. 1 %ゥシ血清アルブミ ン (以 下 B S Aと略記する。 ) 含有 P B S 0. 5 m l に再分散させ た。 もう一度 20°C, 1 2, 0 0 0 r p m, 2 0分間遠心し、 0. 1 % B S A含有 P B S 0. 5 m 1 に再分散させたのち、 室
温で 1 時間放置した。 次に 0. 0 0 5 M水素化ホウ素ナ ト リウ ム水溶液を 10〃 1 加え、 室温で 1 時間放置した。 20°C, 1 2, 0 0 0 r p m, 20分間遠心し、 0. 1 % t w e e n 20 (ポリオ キシエチレンソルビ夕 ンモノ ラウ レー ト、 2 0 E . 〇 . ) 及び 0. 1 % B S Aを含有する P B S 0. 5 m l に再分散させた, 得られた染毛剤には、 チタンブラッ ク 1 gあたり 1 4 4 m gの 抗体が固定化されていた。
比較例 1
実施例 1 において、 抗ケラチン抗体の代わりに実施例 1 一 3 の対照抗体を固定化したチタンブラ ッ クよりなる染毛剤を製造 し、 これを比較例 1 とした。 得られた染毛剤には、 チタンブラ ッ ク 1 gあたり 2 4 3 m gの抗体が固定化されていた。
実施例 2 抗ケラチン抗体固定化チタンブラ ッ ク染毛剤
(シラン処理チタンブラ ッ ク と無水グルタル酸との反応)
実施例 1 一 4でシラン処理したチタンブラッ ク 25m gを 0.1 M炭酸水素ナ ト リウム溶液 4 m l に分散させた。 2 0 °C, 1 0 , O O O r p m, 2 0分間遠心し、 0. 1 M炭酸水素ナ ト リ ウム 溶液 4 m に再分散させた。 この操作を 4回繰り返し、 最後は 0. 1 M炭酸水素ナ ト リ ウム溶液 0. 5 m l に再分散させた。 無水グルタル酸水溶液 ( 5 7 m g/m 1 ) 5 0 1 を加え、 室 温で 1 時間撹拌し反応させた。 2 0 °C, 1 0 , O O O r p m, 2 0分間遠心し、 0. 1 M炭酸水素ナ ト リ ウム溶液 4 m 1 に再 分散させた。 この操作を 3回繰り返し、 最後は 0. 1 M炭酸水 素ナ ト リゥム溶液 0. 5 m l に再分散させた。 無水グルタル酸 水溶液 ( 5 7 m gZm 1 ) 5 0 / 1 を加え、 室温で 1 時間撹拌 して反応させた後、 2 0 °C, 1 0, O O O r p mで 2 0分間遠 心し、 反応液を除いた。 0. 1 M炭酸水素ナ ト リウム溶液 4 m
1 に再分散させ、 2 0 °C, 1 0 , O O O r p mで 2 0分間遠心 してチタンブラッ クを洗浄した。 この洗浄操作を 2回繰り返し. 最後は 0. 1 M炭酸水素ナ ト リウム溶液 0. 5 m l に再分散さ せた。 再度無水グルタル酸水溶液 ( 5 7 m g/m 1 ) 5 0 1 を加え、 室温で 1 時間撹拌して反応させた後、 2 0で, 1 0 , O O O r p mで 2 0分間遠心し、 反応液を除いた。 蒸留水 4 m 1 再分散させ、 2 0 °C, 1 0, 0 0 0 r p mで 2 0分間遠心し てチタンブラッ クを洗浄した。 この蒸留水による洗浄操作を 4 回繰り返し、 最後は蒸留水 2. 5 m l に再分散させた。 この処 理によりカルボキシル基が導入されたチタンブラッ クが得られ
(チタンブラッ ク と抗ケラチン抗体の結合)
無水グルタル酸処理にてカルボキシル基を導入されたチ夕ン ブラッ クの 1 %水分散液の p Hを塩酸で 5 に調節した。 この分 散液 0. 5 m l に 0. 0 0 2 Mの E D C水溶液を 0. 5 m l加 え、 室温で 2時間撹拌し反応させ 。 2 0 °C, 1 2, 0 0 0 r p m, 2 0分間遠心し、 蒸留水 0. 5 m l に再分散させた。 ご の E D C活性化チタンブラッ クに、 P B Sで 1 0 m g /m 1 に 調整した実施例 1 — 2の抗ケラチン抗体溶液 0. 5 m l を加え- 4 °Cでー晚撹拌した。 2 0 °C, 1 2 , O O O r p m, 2 0分間 遠心し、 0. 1 % B S A含有 P B S O . 5 m l に再分散させた ( もう一度 2 0 °C, 1 2, O O O r p m, 20分間遠心し、 0. 1 % B S A含有 P B S 0. 5 m l に再分散させたのち、 室温で 1 時間放置した。 2 0で, 1 2 , O O O r p m, 2 0分間遠心し- 0. 1 % t w e e n 2 0及び 0. 1 % B S Aを含有する P B S 0. 5 m 1 に再分散させた。 得られた染毛剤には、 チタンブラ ッ ク 1 gあたり 1 6 6 m gの抗体が固定化されていた。
比較例 2 .
実施例 2において、 抗ケラチン抗体の代わりに実施例 1 一 3 の対照抗体を固定化したチタンブラ ッ クょりなる染毛剤を製造 し、 これを比較例 2 とした。
実施例 3 抗ケラチン抗体固定化チタンブラック染毛剤
(チタンブラッ クの表面処理)
チタンブラッ ク 1 O S (三菱金属社製) l gに 2 O m l の蒸 留水を加え、 超音波にて分散させた。 この分散液にカルボキシ ル基を持ったジルコアルミ ネー トカツプリ ング剤 (タイプ C、 MAN C H EM製) 1 5 1 を添加し室温にて 2時間撹拌した, この分散液を 4 0 °Cに加温しながら、 エバポレ一ターにて減圧 脱水したのち、 1 1 0 で 1 0分間乾燥させ、 ジルコアルミ ネ ー トカ ップリ ング剤処理したチタンブラ ッ クを得た。 この処理 により、 チタンブラ ッ クの表面にカルボキシル基を導入するこ とができた。
(チタンブラッ クと抗体の結合)
ジルコアルミ ネー トカップリ ング剤処理により表面にカルボ キシル基が導入されたチタンブラ ッ クを、 1 %濃度となるよう に蒸留水に分散させた。 この分散液 0.5 m 1 に対して、 0.002 IV [— E D C水溶液 0. 5 m 1 を加え、 室温で 2時間撹拌した後. 2 0 °C, 1 2, 0 0 0 r p m, 2 0分間遠心し、 蒸留水 0. 5 m l に再分散させた。 この E D C活性化チタンブラッ クに、 P B Sで 1 0 m gZm 1 に調整した実施例 1 — 2の抗ケラチン抗 体溶液 0. 5 m l を加え、 4 °Cでー晚撹拌した。 2 0 °C, 1 2 , O O O r p m, 20分間遠心し、 0. 1 % B S A含有 P B S 0.5 m l に再分散させた。 もう一度 2 0 °C, 1 2, O O O r p m, 2 0分間遠心し、 0. 1 % B S A含有 P B S 0. 5 m 1 に再分
散させたのち、 室温で 1時間放置した。 2 0 °C, 1 2 , 0 0 0 r p m, 2 0分間遠心し、 0. I % t w e e ii 2 0及び 0. 1 % B Aを含有する P B S 0. 5 m l に再分散させた。 得られ た染毛剤には、 チタンブラッ ク 1 gあたり 6 0 m gの抗体が固 定化されていた。
比較例 3
実施例 3において、 抗ケラチン抗体の代わりに実施例 1 一 3 の対照抗体を固定化したチタンブラッ クょりなる染毛剤を製造 し、 これを比較例 3 とした。
実施例 4 抗ケラチン抗体固定化カーボンブラッ ク染毛剤
(カーボンブラッ ク と抗体の結合)
カーボンブラッ ク M A 1 0 0 (平均粒径 0. 0 2 2 〃 m、 三 菱化成株式会社製) 6 0 m gを 0. 0 5 % t w e e n 2 0溶液
1 0 m l に超音波にて分散させた。 この力一ボンブラッ ク分散 溶液 10m 1 に対して 0. 0 2 M E D C水溶液 1 0 m l を加え. 室温で 2時間撹拌した後、 20°C, 1 0 , 0 0 0 r p m, 20分間 の遠心を行なうことで、 未反応の E D Cを除去した。 E D C活 性化力一ボンブラ ッ クを 10m 1 の 0. 0 5 % t w e e n 2 0溶 液に再分散し 0. 6 %カーボンブラ ッ ク分散溶液を作製し、 抗 体との結合に供した。 即ち、 0. 6 %カーボンブラッ ク分散溶 液をチューブに 0. 5 m 1 、 更に P B Sで蛋白濃度 1. O m g / 1 に調整した実施例 1 一 2の抗ケラチン抗体 0. 5 m l を 加え、 4 °Cにて一晩撹拌反応させた。 反応終了後、.この反応液 を 2 0 °C, 1 0, 0 0 0 r p m, 2 0分間遠心し、 得られた力 一ボンブラッ クを 1 . 0 m l の 0. 1 % B S A含有 P B Sに再 分散させた。 更に、 2 0 °C, 1 0, O O O r p m, 2 0分間遠 心し、 1 m l の 0. 1 % B S A含有 P B Sに再分散し、 室温に
て 1 時間放置した。 そして、 2 0 °C, 1 0, 0 0 0 r p m, 20 分間遠心し、 0. I % t w e e n 2 0及び 0. 1 % B S Aを含 有する P B S 1 . 0 m l に再分散し、 抗ケラチン抗体が結合し た 0. 6 %カーボンブラッ ク分散液を得た。
比較例 4
実施例 4において、 抗ケラチン抗体の代わりに実施例 1 一 3 の対照抗体を固定化したカーボンブラッ クょりなる染毛剤を製 造し、 これを比較例 4 とした。
実施例 5 抗ケラチン抗体固定化カーボンブラッ ク染毛剤
(カーボンブラッ クの表面処理)
カーボンブラッ ク N 0. 4 (平均粒径 0. 0 2 5 m、 デグ サ社製) 2. 5 gを 5 0 m 1 の蒸留水又はイソプロピルアルコ —ルに加え、 超音波にて分散させた。 この分散液にカルボキシ ル基を持ったジルコアルミ ネ一 トカツプリ ング剤 (タイプ C、 MAN C H EM製) 1 6. 5 1 を添加し、 室温にて 2時間以 上撹拌させた。 この混合液を 4 0 °C以上で加温しながら、 エバ ポレー夕にて減圧脱水し、 1 1 0 °Cで 1 5分間乾燥させた。 こ の工程により、 カーボンブラッ ク N 0. 4表面にカルボキシル 基を導入することができた。
(カーボンブラッ ク と抗体の結合)
カルボキシル基を導入したカーボンブラッ ク N 0. 4を 1 % 濃度となるように蒸留水に分散させた。 このカーボンブラッ ク 分散溶液 0. 5 m l に対して、 0. 0 2 M— E D C水溶液 0.5 m 1 を加え、 室温で 2時間撹拌した後、 2 0 °C, 1 4, 5 0 0 r p m, 2 0分間の遠心を行なうことで、 未反応の E D Cを除 去した。 E D C活性化カーボンブラッ クを 0. 5 m l の蒸留水 に再分散し、 抗体との結合に供した。 即ち、 1 . 0 %カーボン
ブラッ ク分散溶液をチューブに 0. 5 m 1、 更に P B Sで蛋白 濃度 1 0 m gZm 1 に調整した実施例 1 — 2の抗ケラチン抗体 0. 5 m l を加え、 4 °Cにて一晩撹拌反応させた。 反応終了後. この反応液を 2 0 °C, 1 4 , 5 0 0 r p m, 2 0分間遠心し、 得られたカーボンブラッ クを 1. 0 m lの 0. 1 B SA含有 P B Sに再分散させた。 更に、 2 0 °C, 1 4 , 5 0 0 r p m, 2 0分間遠心し、 0. 5 m l の 0. 1 %83八含有? 83に再 分散、 室温にて 1時間放置した。 そして 2 0 °C, 1 4 , 5 0 0 r p m, 2 0分間遠心し、 0. I % t w e e n 2 0及び 0. 1 %B SAを含有する P B S O . 5 m l に再分散し、 抗ケラチン 抗体が結合した 1. 0 カーボンブラッ ク分散液を得た。
比較例 5
実施例 5において、 抗ケラチン抗体の代わりに実施例 1 — 3 の対照抗体を固定化したカーボンブラッ クょりなる染毛剤を製 造し、 これを比較例 5 とした。
実施例 6 抗ケラチン抗体固定化酸化鉄染毛剤
(酸化鉄の表面処理)
水不溶性ポリアク リ ル酸ポリマーを トルエンに溶解し、 5 % 濃度のポリアク リル酸ポリマー溶液を作製した。 この溶液に 2 5重量%の酸化鉄 (平均粒径 0. 0 2 X 0. 0 6 m) を加え. 超音波にてよく分散させた。 よく分散された後、 トルエン溶媒 を加熱蒸発させるこ とで、 ポリアク リル酸ポリマーがコーティ ングされた酸化鉄を得た。 .
(酸化鉄と抗体の結合)
ポリマーコーティ ングされた酸化鉄を固体分濃度 1 %で蒸留 水に分散したのち、 塩酸で p Hを 5に調節した。 この分散溶液 l m l に 0. 0 1 M— E D C水溶液 1 m 1 を加え、 室温下 2時
間撹拌する。 遠心分離後上清を除き、 P B S 1 m 1を加えて再 分散操作を行なう。 これに P B Sにより l mgZm l に調整し た実施例 1 一 2の抗ケラチン抗体 1 m 1を加え、 4 °Cでー晚撹 拌する。 遠心分離後上清を除き、 0. 1 %B SA含有 P B S 1 m 1 を加えて再分散操作を行なった後、 室温下 1時間放置して B S Aによるブロッキングを行なった。 更に遠心分離後、 0.1 % t w e e n 2 0及び 0. 1 % B S Aを含有する P B S 1 m 1 を加えて再分散し、 抗ケラチン抗体を化学的に結合させた酸化 鉄を得た。
比較例 6
実施例 6において、 抗ケラチン抗体の代わりに実施例 1 一 3 の対照抗体を固定化した酸化鉄よりなる染毛剤を製造し、 これ を比較例 6 とした。
実施例 7 抗ケラチン抗体固定化着色ラテツ クス染毛剤
赤色色素を吸着させた、 水不溶性カルボ午シ変性ポリスチレ ンラテ ッ クス (平均粒径 0. 1 9 m、 日本合成ゴム社製) を 固体分濃度 1 %で蒸留水に分散したのち、 塩酸で p Hを 5に調 節した。 このラテツ クス分散溶液 1 m l に 0. 0 1 M— ED C 水溶液 1 m 1 を加え、 室温下 2時間撹拌した。 遠心分離後上清 を除き、 P B S 1 m 1 を加えて再分散操作を行なった。 これに P B Sにより l m gZm l に調整した実施例 1 — 2の抗ケラチ ン抗体 1 m 1 を加え、 4 °Cで一晩撹拌する。 遠心分離後上清を 除き、 0. 1 % B S A含有 P B S 1 m 1 を加えて再分散操作を 行なった後、 室温下 1時間放置して B S Aによるブロッキング を行なった。 更に遠心分離後、 0. 1 % t w e e n 20及び 0.1 %B S Aを含有する P B S 1 m 1 を加えて再分散し、 抗ケラチ ン抗体を化学的に結合ざせた着色ラテツ クスを得た。 得られた
染毛剤には、 着色ラテッ クス 1 gあたり 5 0〜 8 0 m gの抗体 が固定化されていた。
比較例 7
実施例 7において、 抗ケラチン抗体の代わりに実施例 1 一 3 の対照抗体を結合させた、 着色、 水不溶性ラテッ クスよりなる 染毛剤を製造し、 これを比較例 7 とした。 得られた染毛剤には. 着色ラテッ クス 1 gあたり 5 0〜 8 O m gの抗体が固定化され ていた。
実施例 8 抗ケラチン抗体固定化着色ラテツ クス染毛剤
赤色色素を吸着させた水不溶性カルボキシ変性ポリスチレン ラテッ クス (平均粒径 0. 1 9 zm) を固体分濃度 1 で蒸留 水に分散した。 この分散液 l m l に、 P B Sにより l mgZm 1 に調整した実施例 1 一 2の抗ケラチン抗体 1 m 1 を加え、 4 でで一晩撹拌した。 遠心分離後上清を除き、 0. 1 % B S A含 有 P B S 1 m 1 を加えて再分散操作を行なった。 更に遠心分離. 再分散操作を繰り返した後、 0. 1 % t w e e n 20及び 0. 1 % B S Aを含有する P B S l m l を加えて再分散し、 抗ケラチ ン抗体を物理吸着により固定化した着色ラテツ クスを得た。 得 られた染毛剤には、 着色ラテッ クス 1 gあたり 5 0〜 8 O m g の抗体が固定化されていた。
比較例 8
実施例 8において、 抗ケラチン抗体の代わりに実施例 1 一 3 の対照抗体を吸着させた着色、 水不溶性ラテッ クスよりなる染 毛剤を製造し、 これを比較例 8 とした。 得られた染毛剤には、 着色ラテッ クス 1 gあたり 5 0〜 8 O m gの抗体が固定化され ていた。
実施例 9 抗ケラチン抗体固定化着色ラテツ クス染毛剤
黒色顔料として力一ボンブラッ ク MA100 が包括された水不 溶性カルボキシ変性ポリスチレンラテックス (平均粒径 0.15〃 m) を固体分濃度 1 %で蒸留水に分散したのち、 塩酸で p Hを 5に調節した。 このラテツ クス分散溶液 1 m 1 に 0. 0 1 M— E D C水溶液 1 m 1 を加え、 室温下 2時間撹拌した。 遠心分離 後上清を除き、 P B S 1 m 1 を加えて再分散操作を行なった。 これに P B Sにより l mgZm l に調整した実施例 1 — 2の抗 ケラチン抗体 1 m 1 を加え、 4 °Cで一晩撹拌する。 遠心分離後 上清を除き、 0. 1 % B S A含有 P B S 1 m 1を加えて再分散 操作を行なった後、 室温下 1時間放置して B S Aによるブロッ キングを行なった。 更に遠心分離後、 0. I % t we e n 2 0 及び 0. 1 % B S Aを含有する P B S 1 m 1 を加えて再分散し. 抗ケラチン抗体を化学的に結合させた着色ラテッ クスを得た。 比較例 9
実施例 9において、 抗ケラチン抗体の代わりに実施例 1 一 3 の対照抗体を結合させた着色、 水不溶性ラテツ クスよりなる染 毛剤を製造し、 これを比較例 9 とした。
実施例 1 0 抗ケラチン抗体固定化着色ラテッ クス染毛剤
黒色顔料として力一ボンブラッ ク M A 100 が包括された水不 溶性カルボキシ変性ポリスチレンラテッ クス (平均粒径 0.15〃 m) を固体分濃度 1 %で蒸留水に分散した。 この分散液 1 m 1 に、 P B Sにより l m gZm l に調整した実施例 1 一 2の抗ケ ラチン抗体 1 m 1 を加え、 4 °Cで一晩撹拌した。 遠心分離後上 清を除き、 0. 1 %B S A含有 PBS 1 m l を加えて再分散操作 を行なった。 更に遠心分離、 再分散操作を繰り返した後、 0.1 % t w e e n 2 0及び 0. 1 %B SAを含有する P B S l m l を加えて再分散し、 抗ケラチン抗体を物理吸着により固定化し
た着色ラテツ クスを得た。
比較例 1 0
実施例 1 0 において、 抗ケラチン抗体の代わりに実施例 1 一 3の対照抗体を吸着させた着色、 水不溶性ラテツ クスよりなる 染毛剤を製造し、 これを比較例 1 0 と した。
比較例 1 1
実施例 1 - 2で調製した抗体に、 赤色色素 (水溶性色素) を. 水不溶性高分子担体を介することなく直接等モル量結合させた 染毛剤を調製した。
比較例 1 2
実施例 1 - 2で調製した抗体に赤色色素 (水溶性色素) を、 水不溶性高分子担体を介することなく直接大過剰モル量結合さ せた染毛剤を調製した。
試験例 1 凝集試験
実施例 1 一 1 にて調製した毛髪ケラチン抗原を P B Sにより 1 0 Ο z g/m l·に調整した。 この毛髪ケラチン溶液と実施例 1 〜 1 0、 比較例 1 〜 1 2の染毛剤を等量ずつ混合し、 1 分後 に凝集の有無を判定した。 結果を第 1表に示す。 尚、 凝集が全 く認められない場合は—、 凝集の有無が判別し難い場合は士、 明らかに凝集が見られる場合は十と判定した。 第 1表 実 施例 比較 例
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 權課 + + + + + + + + + + - - - - - - - - - - + -
抗ケラチン抗体が固定化されている実施例 1〜 1 2の染毛剤 については凝集が見られ、 固定化された抗体が抗原に対する免 疫活性を保持していることが示された。 又、 抗体に水溶性色素 を直接結合させた比較例 1 1 は、 抗原に対する免疫活性は有し ていたが、 過剰に水溶性色素を結合させた比較例 1 2は、 免疫 活性を失っていることがわかった。
試験例 2 染毛剤の色差
実施例 7、 比較例 1 1、 1 2の染毛剤を、 抗体濃度が等しく なるように希釈し、 各染毛剤の色差を比較した結果を第 2表に 示す。 赤色が全く認められない場合は一、 若干認められる場合 は土、 明らかに赤色が認められる場合は+と判定した。 第 2表
実施例 7で赤色が認められる抗体濃度と同濃度の比較例 1 1 の染毛剤は、 殆ど赤くなかった。 又、 過剰の水溶性色素を結合 させた比較例 1 2は、 若干の赤色が認められるものの、 第 1表 のように抗原に対する免疫活性を失っており、 染毛剤としては 適切ではない。
試験例 3 染毛試験
実施例 1〜 1 0及び比較例 1〜 1 2の染毛剤を 0 . \ % t w e e n 2 0及び 0 . 1 % B S Aを含有する P B Sで希釈し、 抗 毛髪抗体固定化着色材料 (染毛剤) の濃度が 0 . 1 %になるよ
うに調整した。 各染毛剤 1 ΙΏ 〗 にヒ ト白髪の毛束 ( 0 . 1 5 g ) を浸潰し、 室温下 1 時間回転させた。 次いでこの毛束を 0. 02 % t w e e n 2 0含有生理食塩水中で振り洗いして風乾し、 目視 により染毛度を評価した。 尚、 〇は 「染まっている。 j 、 △は
「若干染まっている。 」 、 Xは 「染まっていない。 」 を表す。 結果を第 3表にまとめた。 第 3表
第 3表からわかる通り、 抗ケラチン抗体を用いた実施例 1〜 1 0の染毛剤では、 白髪が染毛された。 一方、 対照抗体を用い た比較例' 1〜 1 0、 抗ケラチン抗体に水溶性色素を直接結合さ せた比較例 1 1、 1 2の染毛剤では、 十分な染毛ができなかつ た。
試験例 4 染毛後の耐久試験
実施例 4、 5、 7、 8で調製した染毛剤を用いて、 試験例 3 と同様にして染毛した毛束に対し、 次の 2つの処理を施し、 シ ヤ ンブーゃブラ ッシングに対する色の耐久性を見た。
(シャ ンブー処理)
染毛した毛束を市販のシャ ンプーの 1 0 %水溶液中でもみ洗 いし、 流水でシャ ンプーを洗い流したのち風乾し、 目視により 洗浄後の染毛度を評価した。
(ブラ ツ.シング処理)
染毛した毛束を豚毛ブラシでブラ ッシングし、 目視によりブ ラ ッシング後の染毛度を評価した。
それぞれの評価の結果を第 4表にまとめた。 但し、 実施例 4 . 5 についてはシャ ンプー処理のみ行なった。 尚、 表中において ( + ) の数が多い程、 染毛度が高いこ とを表す。 シャ ンプー処 理に対しては、 実施例 4、 5の場合、 1 回目で若干の色落ちが 見られるが、 2回目以降はほとんどなく、 シャ ンプー処理に対 する耐久性が認められた。 実施例 7の場合は、 特にその耐久性 があつた。 ブラッ シング処理に対しては実施例 7、 8 ともに強 い耐久性が確認された。 第 4表
実施例 1 1 抗ケラチン抗体固定化染毛剤
青色色素を吸着させた水不溶性ポリ メタク リル酸メチルラテ ッ クス ( 1 0 0 ^ m ) に、 実施例 2 と同様の操作で実施例 1 一 2の抗ケラチン抗体を結合させ、 染毛剂を調製した。
実施例〗 2 抗ケラチン抗体固定化ブルーデキス トラ ン染毛剂 2 gのチバクロンブル— 3 G A (シグマ社) 、 1 gのデキス
トラ ン T一 4 0 (分子量 4 0 , 0 0 0、 平均分子サイズ約 1 0 0 n m、 水溶性、 フアルマシア社) を 9 0 m l の蒸留水に溶解 した。 6 0でで 3 0分間撹拌したのち、 9. 8 8 gの塩化ナ ト リ ゥムを加え、 6 0でで 1 時間撹拌した。 温度を 8 0 °Cに上げ. 0. 8 7 5 gの炭酸ナ ト リ ウムを加え、 8 0 °Cで 2時間撹拌し た。 セフアデッ クス G— 2 5によるゲル濾過クロマ トグラフィ 一で結合しなかったチバクロンブルーを除き、 次にメタ過ヨウ 素酸ナト リ ウムにより一晩酸化し、 脱イオン水に対し透析した のち凍結乾燥した。
この凍結乾燥したチバクロンブルー結合 T— 4 0を 0. 1 4 M塩化ナ ト リウム含有 2 O mMホウ酸緩衝液 (p H 8. 7 ) に 溶解し、 実施例 1 — 2の抗ケラチン抗体と 4 °Cで 2 4時間反応 させた。 水素化ホウ素ナト リ ウムで 4 °C、 2時間還元し、 デキ ス トランを介してチバクロンブルーに固定化させた抗体を得た, 得られた染毛剤には、 デキス トラン 1 gあたりチバクロンブル - 0. 4 8 gが固定化されていた。 又、 デキス トラン l gあた り抗体約 0. 5 gが固定化されていた。
比較例 1 3
実施例 1 2において、 抗ケラチン抗体の代わりに実施例 1一 3の対照抗体を固定化させた水溶性ブルーデキス トランよりな る染毛剤を製造し、 これを比較例 1 3 とした。
実施例 1 2及び比較例 1 3の染毛剤を 0. 1 % tween 20及び 0. 1 % B S Aを含有する P B Sで希釈し、 抗体濃度が 0. 1 m g/m となるように調整した。 この溶液にヒ ト白髪の毛束 を室温下で一昼夜浸漬した。 浸漬後 0. 0 2 % t w e e n 2 0 含有生理食塩水で毛束を洗浄し、 染色の度合いを観察した。 その結果、 実施例 1 2の場合のみ、 白髪が染色され、 色落ちも
しにく く、 毛髪のはり、 弾力感、 こ し、 すべり、 ま とま り、 風 合いなどの官能を向上させるこ とが確認された。
実施例 1 3 抗ケラチン抗体固定化蛍光デキス トラン染毛剤
(染毛剤の調製)
デキス トラ ン T一 4 0 (水溶性、 フ アルマシア社) をメタ過 ヨウ素酸ナ ト リ ゥ厶により一昼夜酸化した。 酸化後、 脱イオン 水に対して透析し、 酸化デキス トラ ンを得た。 この酸化デキス トラ ンに過剰量のへキサメチレンジア ミ ンを加え、 4 °Cで 2 4 時間反応させ、 続いて水素化ホウ素ナ ト リ ウムにより 4 °Cで 2 時間還元処理を行なった。 セフ アデッ クス G— 2 5 (フ アルマ シァ社) によるゲル濾過クロマ トグラフィ ーにより未反応のへ キサメチレ ンジァ ミ ンを除き、 ァ ミ ノ基の導入されたデキス ト ラ ンを得た。
前記のァ ミ ノ基が導入されたデキス トラ ンとフルォレ ツセン イ ソチオシァネー ト (以下 F I TCと略記) (シグマ社) を 0 . 5 M炭酸緩衝液 ( p H 9 . 5 ) 中、 4 °Cで 6時間反応させた。 セ フ アデッ クス G— 2 5 ゲル濾過クロマ トグラフィ ーにより未反 応の F I T Cを除き、 続いて水素化ホウ素ナ ト リ ウムの存在下 でホルムアルデヒ ドを反応させ、 残っているア ミ ノ基をブロ ッ ク した。 透析操作により試薬を除き F I T Cが導入されたデキ ス トラ ンを得た。
前記の F I T Cが導入されたデキス トラ ンをメタ過ヨウ素酸 ナ ト リ ウムにより再度酸化し、 つぎに実施例 1 ― 2で製造した 抗ケラチン抗体のァ ミ ノ基と反応させて結合し、 デキス トラ ン を介して F I T Cに固定化した抗体を得た。
比較例 1 4
実施例 1 3 において調製した、 F I T Cを導入した水溶性デ
キス トラ ン (抗体無し) を比較例 1 4 とした。
比較例 1 5
実施例 1 3において、 抗ケラチン抗体のかわりに実施例 1 一 3の対照抗体を固定化したものを比較例 1 5 とした。
比較例 1 6
P B Sで調整した実施例 1 — 2の抗ケラチン抗体 ( 1 O mg /m l ) 2m l に、 0. 5 M炭酸緩衝液 (p H 9. 5 ) 0. 2 m 1 を加えた。 これに同緩衝液に溶解した F I TC ( 1. 0 m g/m 1 ) 0. 2 m lを加え、 4 °C遮光下で 6時間撹拌反応さ せた。 反応液を遠心後、 0. 0 0 5 Mリ ン酸緩衝液 (pH8. 4 ) で平衡化したフアース トディザルティ ング F P L C (フアルマ シァ社) に供し、 未反応の F I TCを除去した。 得られた液約 5 m l を、 DEAEセフ ァロースフ アース トフ口一 (フアルマシア 社) によるイオン交換クロマ トグラフィーに供し、 0. 0 0 5 Mリ ン酸緩衝液 (p H 8. 4 ) で洗浄した。 0. 0 0 5 Mリ ン 酸緩衝液 (p H 6. 4 ) 〔第 1溶出液〕 、 0. 1 Mリ ン酸緩衝 液 (P H 6. 4 ) 〔第 2溶出液〕 、 1 Mリ ン酸緩衝液 〔第 3溶 出液〕 の順にゲルに吸着した F I T C一ラベル化抗体を溶出し た。 そのうち第 3溶出画分を回収し、 生理食塩水に対して透析 を行ない、 F I TCをラベル化した抗ケラチン抗体を得、 これ を比較例 1 6 とした。
比較例 1 7
比較例 1 6において、 抗ケラチン抗体のかわりに実施例 1 一 3の対照抗体を固定化したものを比較例 1 7とした。
試験例 5 毛髪との結合力評価
実施例 4、 7及び比較例 1 6の染毛剤を用いて、 試験例 3 と 同様にして染毛した毛束に対して、 第 5表に示した ( 1 ) 〜
( 4 ) の溶出溶媒中で 1 時間処理し、 染毛度がどう変化するか を評価した。 実施例 4、 7の場合は目視により、 比較例 1 6の 場合は蛍光顕微鏡により観察した。 第 5表 溶 出 溶 媒
(1) 3 M チォシアン酸ナ ト リ ウム ( P H 7 . 4 )
(2) 6 M グァニジン塩酸 ( p H 3 )
(3) 8 M 尿素 ( P H 7 )
(4) 5 0 % エチレングリ コール ( p H 1 1 ) 結果を第 6表にまとめた。 尚、 表中において (+ ) の数が多 い程、 染毛度が高いこ とを表す。 実施例 4の場合、 カーボンブ ラッ ク と毛髪の相互作用により、 毛髪との結合が比較例 1 6の 場合より も強固になり、 色落ちしにく くなつた。 つまり、 無機 顔料に直接固定化した抗体は、 水溶性色素に直接固定化した抗 体より も毛髪との結合性に優れていることが分かった。 又、 水 溶性色素に不溶性高分子担体を介して抗体を固定化させた実施 例 7の場合にも、 毛髪との結合力を高めることができた。
第 6表
試験例 6 染毛後の官能試験
実施例 4、 7及び比較例 1 6の染毛剤を用いて、 試験例 3と
同様にして染毛した毛束の官能試験を行なつた。 染毛前の毛束 を対照として、 1 0名の専門試験員により、 毛束のはり、 弾力 感、 こ し、 すべり、 まとまり及び風合いがどう変化するかを判 定した。 判定の結果を第 7表に示す。 実施例 4、 7の染毛剤は 比較例 1 6 より も官能を向上させた。 特に実施例 7の着色ラテ ッ クスを用いた染毛剂は官能の向上が著しかった。 第 7表
試験例 7 染毛試験
実施例 1 3、 比較例 1 4〜 1 7の各染毛剤に、 ヒ ト白髪毛束 を室温下で一昼夜浸漬した。 浸漬後 0. 0 2 % t w e e n 2 0 を含む生理食塩水で毛束を洗浄し、 蛍光ランプを当てて染毛処 理前後での蛍光強度に差があるかを判定した。 結果を第 8表に 示す。
試験例 8 色落ち試験
試験例 7で染毛した毛束を、 市販のシャ ンプーで洗净し、 蛍
光ランプを当てて染毛前の毛束との間で蛍光強度に差があるか を判定した。 試験例 7の結果と比べて、 蛍光に差があるとした 人数に差があるかどうかで色落ちのし易さを判定した。 結果を 第 8表に示す。
試験例 9 官能試験
試験例 7で染毛した毛束の、 しっとり感、 なめらかさ、 すべ り、 風合いが染毛前の毛束と比較して、 どう変化するかを判定 した。 結果を第 8表に示す。
試験例 7〜 9の各試験の判定は、 1 0名の専門試験員により 行なった。
第 8表 実施例 13 比較例 14 比較例 15 比較例 16 比較例 17 蛍光に差があると答えた人数 1 0 3 3 4 1 試験例 7
(染毛試験) 蛍光に差はないと答えた人数 0 7 7 6 9 蛍光に差があると答えた人数 9 0 0 2 0 試験例 8
(色落試験) 蛍光に差はないと答えた人数 1 1 0 1 0 8 1 0 良くなつたと答えた人数 9 2 1 2 0 しっとり感
変わりないと答えた人数 1 8 9 8 1 0
0
良くなつたと答えた人数 8 1 3 2 2 なめらかさ
変わりないと答えた人数 2 9 7 8 8 良くなつたと答えた人数 8 0 1 2 1 試験例 9 しなやかさ
(官能試験) 変わりないと答えた人数 2 1 0 9 8 9 良くなつたと答えた人数 9 2 3 3 2 すべり
変わりないと答えた人数 1 8 7 7 8 良くなつたと答えた人数 7 1 2 2 1 風合い
変わりないと答えた人数 3 9 8 8 9
実施例 1 3の染毛剤は、 比較例 1 4〜 1 7の染毛剤と比べて 蛍光色素が毛束に多く結合し、 洗浄による色落ちも少なく、 毛 髪の感触も向上させることがわかった。
実施例 1 4 リ ンス
実施例 4の染毛剤を表 9 に示した組成で配合し、 着色効果の ある リ ンスを常法に従い製造した。 第 9表
(重量 ) 塩化ステア リ ル ト リ メチルアンモニゥム 3 . 0
セタノール 1 5
モノステア リ ン酸グ セ リ ン 1 5
1 , 3 —ブチレ ング コール 5 0
流動パラフィ ン 2 0
香料
実施例 4の染毛剤 5 . 0
精製水 このリ ンスを 1 ヶ月間連用した。 そして白髪の染まり具合、 顔や手の染ま り具合、 シャ ンプーによる色落ち、 頭皮のか.ゆみ やかぶれの有無、 官能を評価した。 その結果、 実施例 1 4のリ ンスは白髪の染ま りが良く、 顔や手の染まり も見られなかった, 又シャ ンプーによる色落ちも見られず、 頭皮のかゆみやかぶれ 等もなく、 官能の向上も見られた。
実施例 1 5 リ ンス
実施例 7の染毛剤を第 1 0表に示す組成で配合し、 着色効果 のある リ ンスを常法に従い製造した。
第 1 0表
(重量
塩化ステア リ ル ト リ メチルアンモニゥム 3 . 0
セ夕ノール 1 5
モノステア リ ン酸グリセリ ン 1 5
1 , 3 —ブチレングリ コール 5 0
流動パラフィ ン 2 0
香料
実施例 7の染毛剤 5 . 0
精製水 このリ ンスを 1 ヶ月間連用した。 そして白髪の染まり具合、 顔や手の染ま り具合、 シャ ンプーによる色落ち、 頭皮のかゆみ やかぶれの有無、 官能を評価した。 その結果、 実施例 1 5のリ ンスは白髪の染まりが良く、 顔や手の染まり も見られなかった, 又シャンプ一による色落ちも見られず、 頭皮のかゆみやかぶれ 等もなく、 官能の向上も見られた。 又実施例 4、 7以外の実施 例の染毛剤を配合したリ ンスについても同様の効果を認めた。 実施例 1 6 リ ンス
実施例. 1 2の染毛剤を第 1 0表に示す組成で配合し、 着色効 果のある リ ンスを調製した。 第 1 1表 塩化ステア リ ル ト リ メチルアンモニゥム 3 0
セ夕ノール 1 5
モノステア リ ン酸グリセ リ ン 1 5
1 , 3 —ブチレ ングリ コール 5 0
流動パラフィ ン 2 0
実施例 1 2の染毛剤 5 . 0
精製水 計 1 0 0 とする残量
シャ ンプー後、 上記のリ ンスにより処理した。 その結果、 白 髪が着色され、 目立たなくなつた。 又、 このリ ンス処理により 毛髪の感触が向上することが確認された。
実施例 1 7 アルカ リによる前処理
ヒ ト白髪の毛束を、 1 0 %アンモニア水中で、 超音波を当て ながら 3 0分間処理した。 処理後、 脱イオン水でよく洗浄し、 アルカ リ により前処理された毛束を得た。
実施例 1 8 界面活性剤による前処理
ヒ ト白髪の毛束を、 1 % S D S水溶液中で、 超音波を当てな がら 1 時間処理した。 処理後、 脱イオン水でよく洗浄し、 S D Sにより前処理された毛束を得た。
実施例 1 9 L—システィ ンによる前処理
ヒ ト白髪の毛束を 0 . 2 M— L—システィ ン含有 0 . 1 M炭 酸ナ ト リ ウム緩衝液 ( p H 9 ) 中、 3 0 °Cで 1 0分間処理した, 処理後、 脱イオン水でよく洗浄し、 L一システィ ンにより前処 理された毛束を得た。
実施例 2 0 チォグリ コール酸による前処理
ヒ ト白髪の毛束を 0 . 2 Mチォグリ コール酸含有 0 . 1 M炭 酸ナ ト リ ウム緩衝液 ( P H 9 ) 中、 3 0 °Cで 1 0分間処理した, 処理後、 脱イオン水でよく洗浄し、 チォグリ コール酸により前 処理された毛束を得た。
実施例 2 1 前処理及び染毛
実施例 1 7〜 2 0の前処理されたヒ ト白髪を、 実施例 2、 4 . 7の染毛剤により、 試験例 3の方法に従って染毛した。
試験例 1 0 前処理による染毛度の向上試験
実施例 2 1 で前処理後に染毛した毛髪と、 未処理のヒ ト白髪 の染毛度を比較した。 結果を第 1 2表に示す。 アルカ リ、 S D
S L —システィ ン、 チォグリ コール酸による前処理によって 染毛度の向上が見られることが分かった。
第 1 2表
〇 : 染まつている
◎ : よ く 染まっている
実施例 2 2 シャ ンプー
前処理剤としてチォグリ コール酸を第 1 3表に示す組成で配 合したシャ ンプーを常法に従い製造した。
実施例 2 2 シャ ンプー
前処理剤としてチォグリ コール酸を第 1 3表に示す組成で配 合したシャ ンプーを常法に従い製造した。 第 1 3表
(重量
ポリオキシエチレ ンラウ リ ル
エーテル硫酸ナ ト リ ウム ( 2 E . 0 ) 1 5 . 0 ヤシ油脂肪酸ジエタノ ールア ミ ド 5 . 0 ジステア リ ン酸エチレングリ コール 1 . 5 安息香酸ナ ト リ ウム 0 . 2
E D T A 0 . 2 色素 迴直
香料 適 M
チォグリ コール酸 8 . 0 精製水 ¾Q
試験例 1 1 前処理による染毛度向上試験 (実用テス ト)
3名の白髪が目立つボランティアの協力により、 ハーフへッ ドにて、 片方は実施例 2 2のシャ ンプー、 もう片方にはチォグ リ コール酸を除く以外は実施例 2 2 と同組成のシャ ンプ一を使 用させ、 次に実施例 1 4の染毛剤配合のリ ンスを使用させた。 1 週間連用の結果、 実施例 2 2のシャンプーを使用したほうが 白髪の染ま りがよく、 目立たなくなるのが早かった。
実施例 2 3 ゥサギ抗ゥシ I g G抗体固定化チタンブラ ッ ク染 毛剤
ゥシ I g Gをゥサギに免疫し、 ゥサギ抗ゥシ I g G抗体を得 た。 実施例 2 と同様の方法にて、 チタンブラッ クにゥサギ抗ゥ シ I g G抗体を固定化した。 このゥサギ抗ゥシ I g G抗体固定 化チタンブラッ クは、 ゥシ I g Gに対して、 特異的に結合する こ とが、 試験例 1 と同様の凝集試験にて確認できた。
実施例 2 4 追加染毛
抗ケラチン抗体固定化チタンブラ ッ クよりなる染毛剤 (実施 例 2 ) で染毛したヒ ト白髪の毛束を、 実施例 2 3で製造したゥ サギ抗ゥシ I g G抗体固定化チタンブラッ クよりなる染毛剤を 用いて、 再度試験例 3 と同様の方法にて染毛した。
試験例 1 2 追加染毛による染毛度の向上試験
実施例 2 4で追加染毛を行なつた結果、 抗ケラチン抗体固定 化チタンブラ ッ クよりなる染毛剤で染められたヒ ト白髪毛束は. 更に濃く染毛されることが示された (第 1 4表) 。 尚、 表中に おいて (+ ) の数が多い程、 染毛度が高いことを表す。
実施例 2 5 ゥサギ抗ゥシ I g G抗体固定化力一ボンブラ ッ ク 染毛剤
実施例 5 と同様の方法にて、 カーボンブラッ クにゥサギ抗ゥ
シ I g G抗体を固定化した。 このゥサギ抗ゥシ I g G抗体固定 化カーボンブラ ッ クは、 ゥシ I g Gに対して、 特異的に結合す ることが、 試験例 1 と同様の凝集試験にて確認できた。
実施例 2 6 追加染毛
抗ケラチン抗体固定化カーボンブラッ ク染毛剤 (実施例 5 ) で染毛したヒ ト白髪の毛束を、 実施例 2 5で製造したゥサギ抗 ゥシ I g G抗体固定化カーボンブラッ ク染毛剤を用いて、 再度 試験例 3 と同様の方法にて染毛した。
試験例 1 3 追加染毛による染毛度の向上試験
実施例 2 6で追加染毛を行なった結果、 抗ケラチン抗体固定 化カーボンブラ ッ ク染毛剤で染められたヒ ト白髪毛束は、 更に 濃く染毛されるこ とが示された (第 1 4表) 。
施例 2 7 ゥサギ抗ゥシ I g G抗体固定化赤色ラテツ クス染毛 剤
実施例 7 と同様の方法にて、 赤色ラテツ クス (水不溶性) に ゥサギ抗ゥシ I g G抗体を固定化した。 このゥサギ抗ゥシ I g G抗体固定化赤色ラテッ クス染毛剤は、 ゥシ I g Gに対して、 特異的に結合するこ とが、 試験例 1 と同様の凝集試験にて確認 できた。
実施例 2 8 追加染毛
抗ケラチン抗体固定化赤色ラテッ クス染毛剤 (実施例 7 ) で 染毛したヒ ト白髪の毛束を、 実施例 2 7で製造したゥサギ抗ゥ シ I g G抗体固定化赤色ラテツ クス染毛剤を用いて、 再度試験 例 3 と伺様の方法にて、 染毛した。
試験例 1 4 追加染毛による染毛度の向上試験
実施例 2 8で追加染毛を行なつた結果、 抗ケラチン抗体固定 化赤色ラテツ クス染毛剤で染められたヒ ト白髪毛束は、 更に濃
く染毛されることが示された (第 1 4表) 。
実施例 2 9 ゥサギ抗ゥシ I g G抗体固定化黒色ラテッ クス染 毛剤
実施例 9 と同様の方法にて、 黒色ラテツクス (水不溶性) に ゥサギ抗ゥシ I g G抗体を固定化した。 このゥサギ抗ゥシ I g G抗体固定化黒色ラテツ クス染毛剤は、 ゥシ I g Gに対して、 特異的に結合することが、 試験例 1 と同様の凝集試験にて確認 できた。
実施例 3 0 追加染毛
抗ケラチン抗体固定化黒色ラテツ クス染毛剤 (実施例 9 ) で 染毛したヒ ト白髪の毛束を、 実施例 2 9で製造したゥサギ抗ゥ シ I g G抗体固定化黒色ラテツ クス染毛剤を用いて、 再度試験 例 3 と同様の方法にて、 染毛した。
試験例 1 5 追加染毛による染毛度の向上試験
実施例 3 0で追加染毛を行なった結果、 抗ケラチン抗体固定 化黒色ラテツ クス染毛剤で染められ,たヒ ト白髪毛束は、 更に濃 く染毛されることが示された (第 1 4表) 。
実施例 3 1 ゥサギ抗ゥシ I g G抗固定化ブルーデキス トラン 染毛剤
実施例 1 2と同様の方法にて、 ブルーデキス トランにゥサギ 抗ゥシ I g G抗体を固定化した。
実施例 3 2 追加染毛
抗ケラチン抗体固定化ブル一デキス トラン染毛剤 (実施例 1 2 ) で染毛した七 ト白髪の毛束を、 実施例 3 1 で製造したゥ サギ抗ゥシ I g G抗体固定化ブルーデキス トラン染毛剤を用い て、 再度実施例 1 2 と同様の方法にて、 染毛した。
試験例 1 6 追加染毛による染毛度の向上試験
実施例 3 2で追加染毛を行なった結果、 抗ケラチン抗体固定 化ブルーデキス トラン染毛剤で染められたヒ ト白髪毛束は、 更 に濃く染毛されるこ とが示された (第 1 4表) 。 このこ とによ り、 既に実施例 1 2で染毛された毛髪の染毛度を上げるための 方法として、 複数回の染毛が有効であることが示された。 第 1 4表
実施例 3 3、 3 4 追加染毛
抗ケラチン抗体固定化チタンブラ ッ ク染毛剤 (実施例 2 ) で 染毛したヒ ト白髪の毛束、 又は抗ケラチン抗体固定化カーボン ブラ ッ ク染毛剤 (実施例 5 ) で染毛したヒ ト白髪の毛束を、 そ れぞれ実施例 2 5のゥサギ抗ゥシ I g G抗体固定化カーボンブ ラ ッ ク染毛剤、 実施例 2 3のゥサギ抗ゥシ I g G抗体固定化チ タ ンブラ 、 ク染毛剤を用いて再度試験例 3 と同様の方法によつ て染毛した (実施例 3 3、 3 4 ) 。
試験例 1 7 追加染毛による染毛度及び色調の変化 実施例 3 3、 3 4 の追加染毛の結果、 抗ケラチン抗体固定化 チタンブラ ッ ク染毛剤で染められたヒ ト白髪毛束は、 ゥサギ抗 ゥシ I g G抗体固定化カーボンブラ ッ ク染毛剤にて染毛するこ とにより、 更に濃く染毛されるだけでなく、 染毛された毛髪の 色調が青味がかった黒から赤味がかった黒に変化することが示 された (第 1 5表) 。 尚、 表中において (+ ) の数が多い程、 染毛度が高いことを表す。 又、 抗ケラチン抗体固定化カーボン ブラ ッ ク染毛剤で染められたヒ ト白髪毛束は、 ゥサギ抗ゥシ I g G抗体固定化チタンブラッ ク染毛剤にて染毛することにより. 更に濃く染毛されるだけでなく、 染毛された毛髪の色調が赤味 がかった黒から青味がかった黒に変化することが示された (第
1 5表) 。 第 1 5表
実施例 2 3 の染毛剤を第 1 6表に示す組成で配合し、 着色効 果のある リ ンスを常法に従い製造した。
第 1 6表
、里里 % ) 塩化ステア リ ル ト リ メチルアンモニゥ厶 3 . 0 セ夕ノ ール 1 . 5 モノ ステア リ ン酸グリセ リ ン 1 . 5
1 , 3 —ブチレ ングリ コール 5 . 0 流動パラフィ ン 2 . 0 ' 香料 適量
実施例 2 3の染毛剤 5 . 0 精製水 595里 実施例 3 6 リ ンス
実施例 2 5の染毛剤を第 1 7表に示す組成で配合し、 着色効 果のある リ ンスを常法に従い製造した。 第 1 7表
5
塩化ステア リ ル ト リ メチルアンモニゥム 3
セ夕ノ ール 1 % 055o o o モノ ステア リ ン酸グリ セ リ ン 1
1 , 3 —ブチレングリ コール 5
流動ノ、0ラフィ ン 2
香料
実施例 2 5 の染毛剤
精製水 実施例 3 7 リ ンス
実施例 2 7の染毛剤を第 1 8表に示す組成で配合し、 着色効 果のある リ ンスを常法に従い製造した。
第 1 8表
(重量
塩化ステアリルト リ メチルアンモニゥ厶 3 . 0
セ夕ノ ール 1 5
モノ ステア リ 1 5
1, 3 —プチンンレ 5 0
流動パラフィ 酸ン 2 0
香料 ググ
実施例 2 7の染毛剤リリ
精製水 セ Π
一リ
実施例 3 8 追加染毛 ルン
実施例 1 4の染毛剤配合のリ ンスをしばらく使用して白髪を 染めた後、 実施例 3 5、 実施例 3 6又は実施例 3 7の染毛剤配 合のリ ンスを使用した。
試験例 1 8 追加染毛による染毛度の向上試験
実施例 3 8で追加染毛した結果、 実施例 3 5、 5 3 6、 3 7の いずれも染毛度を高めることができた。 実施例 3 5 の o リ ンスの 場合は染めた白髪の色調が赤味がかつた黒から、 青味がかった 黒に変化した。 産業上の利用可能性
本発明により、 着色性が良く、 色落ちしにく く、 毛髪に対し て特異的に染着するため皮膚を染色せず、 皮膚刺激がなく、 し かも毛髪の感触を向上させるこ とが可能な染毛剤が提供できる, また、 従来の染毛剤を含有した毛髪化粧料は、 その染毛剤が 毛髪に対する特異的染着性を有せず、 皮膚の汚染ばかりでなく カブレの問題をも生ずるという難点のため、 染毛剤の含有量を 増大するこ とができず、 低濃度のものを何回も適用する必要が あった。 これに対し、 本発明の染毛剤は毛髪に対して特異的に
染着するから、 毛髪化粧料に高濃度で添加することができ、 ま た、 広範囲に互る多種類の毛髪化粧料に応用可能であり、 かか る毛髪化粧料を日常の使用に供することによって、 地肌に何ら の悪影響を与えることなく、 常に美しい色艷と触感 · 風合いの 毛髪を維持できるという実用上の優れた利点がある。