本発明は、SHP2を選択的に阻害し、抗がん活性を有する新規の一連の化合物を記載する。
一態様では、本発明は、式(I)の化合物:
[式中、
Xは、CHまたはNであり、
R
1は、水素、-CH
3または-CH
2OHであり、ただし、XがNの場合、R
1は-CH
3および-CH
2OHから選択され、
R
2およびR
3は、
(i)水素およびC
1-4アルキルから独立して選択される、あるいは、
(ii)一緒になって、C
1-3アルキレン、C
2-3アルケニレン、メチレン-NR
q-メチレンおよびメチレン-O-メチレンから選択される1~3員の架橋基を形成し、ここで、前記架橋基は、C
1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される基で置換されていてもよく、R
qは、水素、C
1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される、
のいずれかであり、
Qは、CまたはNであり、
QがCの場合、
(i)R
4は、水素またはC
1-4アルキル(例えば、メチル)であって、アミノで置換されていてもよいC
1-4アルキル(例えば、-CH
2NH
2)であり、R
5は、水素、アミノ、ヒドロキシまたはC
1-4アルキル(例えばメチル)であって、ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノから選択される1または2個の基により置換されていてもよいC
1-4アルキル(例えば、-CH
2OH)であり、ただし、R
4およびR
5の両方が、アミノおよびアミノで置換されたC
1-4アルキルから選択されてはならない、あるいは、
(ii)R
4およびR
5は、Qと一緒になって、4~6員の含窒素複素環を形成する
のいずれかであり、
QがNの場合、
R
4は、存在せず、
R
5は、水素であり、かつ
R
2およびR
3は、一緒になって1~3員の架橋基を形成し、
R
6およびR
7は、ハロゲン(例えば、フッ素)、C
1-4アルキル(例えば、-CH
3)およびヒドロキシから独立して選択され、ただし、QがNの場合、R
6またはR
7はハロゲンでもヒドロキシでもなく、aは、0、1および2から選択され、bは、0、1および2から選択され、
環Aは、
(i)N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい5員の含窒素複素環(例えば、芳香族環または非芳香族環)、または
(ii)N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の芳香族含窒素複素環、または、
(iii)NおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の非芳香族含窒素複素環、
のいずれかであり、
R
8は、ハロC
1-4アルキル(例えば、-CF
3)、-CH
3およびハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)から選択され、
R
9は、水素、C
1-4アルキル(例えば、-CH
3)、ハロC
1-4アルキル(例えば、-CF
3)およびハロゲン(例えば、塩素)から選択され、
R
10は、ハロゲン、シアノ、シアノC
1-4アルキル(例えば、-CH
2-CN)、ヒドロキシ、=O(オキソ)、C
1-4アルキル(例えば、-CH
3、-CH
2CH
3および-CH(CH
3)
2)、ハロC
1-4アルキル(例えば、-CHF
2)、C
1-4アルコキシ(例えば、-OCH
3、-OCH
2CH
3および-OCH(CH
3)
2)、ヒドロキシC
1-4アルキル(例えば、-CH
2C(CH
3)
2OH、-CH(CH
3)CH
2OH、-CH(CH
3)OH、-CH
2CH
2OHまたは-CH
2OH)、C
1-4アルコキシC
1-4アルキレン(例えば、-CH
2-O-CH
3または-CH
2-CH
2-O-CH
3)、C
1-4アルキルスルホン(例えば、-SO
2CH
3)、アミノ、モノC
1-4アルキルアミノ、ジC
1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH
3)
2)、アミノC
1-4アルキレン(例えば、-CH
2NH
2)、-C
0-4アルキレン-C(=O)NH
(2-q)(C
1-6アルキル)
q)、-C
1-4アルキレン-NHC(=O)C
1-6アルキル、スルホンアミドC
0-4アルキレン(例えば、-SO
2NR
x
2または-CH
2SO
2NR
x
2、ここでR
xはHおよびC
1-6アルキルから独立して選択される)、3~6員のシクロアルキル、O、NまたはSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、C
1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい5または6員の不飽和ヘテロ環基、3~6員のシクロアルキルで置換されたC
1-4アルキル、O、NまたはSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、C
1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい5または6員の不飽和複素環基で置換されたC
1-4アルキル、O、NまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含み、C
1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい4~6員の飽和複素環基で置換されたC
1-4アルキル、およびO、NまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含み、C
1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい4~6員の飽和複素環基から独立して選択され、qは、0、1または2から選択され、かつ、cは、0、1、2および3から選択される。]
またはその互変異性体もしくは溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩を提供する。
第2の態様では、本発明は、式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であって、
Xは、CHまたはNであり、
R1は、水素、-CH3または-CH2OHであり、ただし、XがNの場合、R1は-CH3および-CH2OHから選択され、
R2およびR3は、
(i)水素およびC1-4アルキルから独立して選択される、あるいは、
(ii)一緒になって、C1-3アルキレン、C2-3アルケニレン、メチレン-NRq-メチレンおよびメチレン-O-メチレンから選択される1~3員の架橋基を形成し、ここで、前記架橋基は、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される基で置換されていてもよく、Rqは、水素、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される、
のいずれかであり、
QはCまたはNであり、
QがCの場合、
(i)R4は、水素またはC1-4アルキル(例えば、メチル)であって、アミノで置換されていてもよいC1-4アルキル(例えば、-CH2NH2)であり、R5は、水素、アミノまたはC1-4アルキル(例えば、メチル)であって、ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノから選択される1または2個の基により置換されていてもよいC1-4アルキル(例えば、-CH2OH)であり、ただし、R4およびR5の両方が、アミノおよびアミノで置換されたC1-4アルキルから選択されてはならない、あるいは、
(ii)R4およびR5は、Qと一緒になって、4~6員の含窒素複素環を形成する、
のいずれかであり、
QがNの場合、
R4は、存在せず、
R5は、水素であり、かつ、
R2およびR3は、一緒になって1~3員の架橋基を形成し、
R6およびR7は、ハロゲン(例えば、フッ素)、C1-4アルキル(例えば、-CH3)およびヒドロキシから独立して選択され、ただし、QがNの場合、R6またはR7は、ハロゲンでもヒドロキシでもなく、aは0、1および2から選択され、bは0、1および2から選択され、
環Aは、
(i)N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい5員の含窒素複素環(例えば、芳香族環または非芳香族環)、または
(ii)N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の芳香族含窒素複素環、または
(iii)NおよびSから選択される1個または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の非芳香族含窒素複素環
のいずれかであり、
R8は、ハロC1-4アルキル(例えば、-CF3)、-CH3およびハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)から選択され、
R9は、水素、C1-4アルキル(例えば、-CH3)、ハロC1-4アルキル(例えば、-CF3)およびハロゲン(例えば、塩素)から選択され、
R10は、ハロゲン、シアノ、シアノC1-4アルキル(例えば、-CH2-CN)、ヒドロキシ、=O(オキソ)、C1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ(例えば、-OCH3)、ヒドロキシC1-4アルキル(例えば、-CH2C(CH3)2OH、-CH(CH3)CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2CH2OHまたは-CH2OH)、C1-4アルコキシC1-4アルキレン(例えば、-CH2-O-CH3または-CH2-CH2-O-CH3)、C1-4アルキルスルホン(例えば、-SO2CH3)、アミノ、モノC1-4アルキルアミノ、ジC1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH3)2)、アミノC1-4アルキレン(例えば、-CH2NH2)、-C1-4アルキレン-C(=O)NH(2-q)(C1-6アルキル)q)、-C1-4アルキレン-NHC(=O)C1-6アルキル、スルホンアミドC0-4アルキレン(例えば、-SO2NRx
2または-CH2SO2NRx
2、ここで、RxはHおよびC1-6アルキルから独立して選択される)、およびO、NまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含み、C1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい4~6員の飽和複素環基
から独立して選択され、qは、0、1または2から選択され、かつ、cは、0、1および2から選択される、
前記化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
第3の態様では、本発明は、式(I)の化合物:
[式中、
Xは、CHまたはNであり、
R
1は、水素、-CH
3または-CH
2OHであり、ただしXがNの場合、R
1は-CH
3および-CH
2OHから選択され、
R
2およびR
3は、
(i)水素およびC
1-4アルキルから独立して選択される、あるいは、
(ii)一緒になって、C
1-3アルキレン、C
2-3アルケニレン、メチレン-NR
q-メチレンおよびメチレン-O-メチレンから選択される1~3員の架橋基を形成し、ここで、前記架橋基は、C
1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される基で置換されていてもよく、R
qは水素、C
1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される、
のいずれかであり、
Qは、CまたはNであり、
QがCの場合、
(i)R
4は、水素またはC
1-4アルキル(例えば、メチル)であって、アミノで置換されていてもよいC
1-4アルキル(例えば、-CH
2NH
2)であり、R
5は、水素、アミノ、ヒドロキシまたはC
1-4アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノから選択される1または2個の基により置換されていてもよいC
1-4アルキル(例えば、-CH
2OH)であり、ただし、R
4およびR
5の両方が、アミノおよびアミノで置換されたC
1-4アルキルから選択されてはならない、あるいは、
(ii)R
4およびR
5は、Qと一緒になって、4~6員の含窒素複素環を形成する
のいずれかであり、
QがNの場合、
R
4は、存在せず、
R
5は、水素であり、かつ、
R
2およびR
3は、一緒になって1~3員の架橋基を形成し、
R
6およびR
7は、ハロゲン(例えば、フッ素)、C
1-4アルキル(例えば、-CH
3)およびヒドロキシから独立して選択され、ただし、QがNの場合、R
6またはR
7は、ハロゲンでもヒドロキシでもなく、aは、0、1および2から選択され、bは、0、1および2から選択され、
環Aは、
(i)N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい5員の含窒素複素環(例えば、芳香族環または非芳香族環)、または
(ii)N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の芳香族含窒素複素環、または
(iii)NおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の非芳香族含窒素複素環
のいずれかであり、
R
8は、ハロC
1-4アルキル(例えば、-CF
3)、-CH
3およびハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)から選択され、
R
9は、水素、C
1-4アルキル(例えば、-CH
3)、ハロC
1-4アルキル(例えば、-CF
3)およびハロゲン(例えば、塩素)から選択され、
R
10は、ハロゲン、シアノ、シアノC
1-4アルキル(例えば-CH
2-CN)、ヒドロキシ、=O(オキソ)、C
1-4アルキル(例えば-CH
3または-CH
2CH
3)、ハロC
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ(例えば、-OCH
3)、ヒドロキシC
1-4アルキル(例えば、-CH
2C(CH
3)
2OH、-CH(CH
3)CH
2OH、-CH(CH
3)OH、-CH
2CH
2OHまたは-CH
2OH)、C
1-4アルコキシC
1-4アルキレン(例えば、-CH
2-O-CH
3または-CH
2-CH
2-O-CH
3)、C
1-4アルキルスルホン(例えば、-SO
2CH
3)、アミノ、モノC
1-4アルキルアミノ、ジC
1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH
3)
2)、アミノC
1-4アルキレン(例えば、-CH
2NH
2)、-C
1-4アルキレン-C(=O)NH
(2-q)(C
1-6アルキル)
q)、-C
1-4アルキレン-NHC(=O)C
1-6アルキル、スルホンアミドC
0-4アルキレン(例えば、-SO
2NR
x
2または-CH
2SO
2NR
x
2、ここでR
xはHおよびC
1-6アルキルから独立して選択される)、3~6員のシクロアルキル、O、N、またはSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、C
1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい5または6員の不飽和ヘテロ環基、3~6員のシクロアルキルで置換されたC
1-4アルキル、O、NまたはSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、C
1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい5員または6員の不飽和複素環基で置換されたC
1-4アルキル、O、N、またはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含み、C
1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい4~6員の飽和複素環基で置換されたC
1-4アルキル、およびO、N、またはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含み、C
1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい4~6員の飽和複素環基から独立して選択され、qは、0、1、または2から選択される、かつ、cは、0、1、2および3から選択される。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩を提供する。
本発明のさらなる態様では、本明細書に記載の疾患または病状の予防または治療に使用するための式(I)の化合物、式(I)の化合物を患者に投与することを含む本明細書に記載の疾患または病状の予防または治療方法、式(I)の化合物を含む医薬組成物および式(I)の化合物の合成方法が提供される。
定義
本文にて別途指示しない限り、この明細書のすべての項(発明の使用、方法、その態様を含む)で式(I)に対する言及には、本明細書に定義する、式(I)およびそのすべての下位式、サブグループ、実施形態および実施例への参照を含む。
「効力」とは、所与の強度の効果を発揮するために要する量として表される薬物活性の指標である。効力の高い薬物は、低濃度でより大きな反応を引き起こす。効力は、親和性および有効性に比例する。親和性とは、薬物が受容体と結合する能力である。有効性とは、分子、細胞、組織、そして系のレベルで、受容体占有と反応を開始させる能力との関係のことである。
「阻害剤」という用語は、SHP2により媒介される生物学的反応を遮断したり、弱めたりするリガンドまたは薬物である酵素阻害薬を指す。阻害剤は、酵素の活性部位やアロステリック部位と結合することでその効果を発揮する。あるいは、酵素活性の生物学的調節に通常は関与しない特異な部位に結合し、相互作用し得る。阻害は、直接あるいは間接的に起こり、どのような機序によっても、どのような生理的レベルにおいても媒介され得る。結果として、リガンドまたは薬物による阻害は、さまざまな状況下で機能的に異なる方法で発揮される。阻害活性は、阻害剤・酵素複合体の存在期間に応じて、あるいは阻害剤および酵素の結合の性質に応じて、可逆的あるいは不可逆的である。
本明細書で用いられる「媒介される」という用語は、例えば、本明細書で記述するSHP2と一緒に使われる(例えば、さまざまな生理的プロセス、疾患、病態、病状、療法、治療または介入にも適用される)場合、この用語が適用されるさまざまな生理的プロセス、疾患、病態、病状、治療および介入が、特定のタンパク質が生物学的な役割を果たすというように、制限的に用いることが意図されている。この用語が疾患、病態または病状に適用される場合、タンパク質が果たす生物学的役割は、直接的または、間接的であり得、疾患、病態または病状(あるいは病因または進展)による症状の発現に必要かつ/または十分なものかもしれない。このように、タンパク質の機能(特に機能異常のレベル、例えば、過剰発現または過小発現)は、必ずしも疾患、病態または病状の根幹となる原因である必要はない。むしろ、媒介される疾患、病態または病状は、問題となるタンパク質が部分的にのみ関与する多因子から成る病因であり、複合的に進展するものであると考えられる。この用語が治療、予防または介入に適用される場合には、タンパク質が果たす役割は、直接的または間接的であり得、治療、予防の実施または介入結果に必要かつ/または十分なものかもしれない。したがって、タンパク質によって媒介される病態や病状は、特定の抗がん薬や治療に対する耐性の発生を含む。
本明細書で、病状、すなわち病態、障害または疾患を治療するという文脈で用いられる用語「治療」は、一般に治療および療法に関し、ヒトのためまたは動物(例えば獣医学領域での適用)のための如何によらず、そこにおいて望ましい治療効果、例えば、病状の進展の抑制を達成し、これは、進展速度の遅延、進展速度の一旦停止、病状の緩和、治療する症状に関連する、または、それが原因となっている少なくとも1つの症状を軽減または緩和すること、および病状を完治することを含む。例えば、治療は、障害の1つまたは複数の症状の減少、あるいは障害の完全な根絶であり得る。
本明細書で病状、すなわち病態、障害または疾患を治療するという文脈で用いられる「予防」(すなわち予防的手段としての化合物の使用)という用語は、一般に予防または防止に関連し、ヒトのためまたは動物(獣医学領域での適用)のための如何によらず、所望の予防効果、例えば、疾患発症の予防または疾患からの防御が達成されることをいう。予防には、ある障害のすべての症状の期限を定めない完全な阻止、疾患の一つ以上の症状の発現を遅らせることだけ、あるいは疾患を発症させにくくすることが含まれる。
病態または病状、例えば、がんの予防または治療の言及は、その範囲に、例えば、がんの緩和および発生率の低減も含まれる。
発明の組合せは、個別に投与される時の別個の化合物/薬剤の治療効果に比べて治療に有効な効果を示し得る。
「有効である」という用語は、有益な効果、例えば、相加性、相乗効果、副作用の減少、毒性の減少、疾患の進展の遅延、生存期間の延長、感作またはある薬から別の薬への再感作、および奏功率の改善を表す。有効な効果は、患者に投与されるそれぞれの成分あるいはいずれかの成分が低用量であることが望ましく、同じ治療効果を発揮し、あるいは維持しながら、これにより化学療法の毒性を減少させる。この文脈でいう「相乗」効果は、併用により生まれる治療効果が別個の薬剤が個別に示す効果の和よりも大きいことを指す。この文脈でいう「相加」効果は、併用により生まれる治療効果が、いずれかの薬剤が個別に示す治療効果よりも大きいことを指す。本明細書で用いる「奏効率」という用語は、固形腫瘍の場合、ある時点、例えば、12週での腫瘍サイズの減少を意味する。例えば、50%奏効率は腫瘍サイズの50%の減少を意味する。本明細書でいう「臨床奏功」は、50%以上の奏効率を指す。「部分奏功」は、本明細書では50%未満の奏効率と定義する。
2種以上の化合物および/または薬剤に適用される「組合せ」という用語は本明細書で用いたように、その中に2種以上の薬剤が結びつけられている材料を定義するよう、意図されている。この文脈において、「組み合わされる」や「組み合わせる」という用語も同様に解釈される。
組合せにおける2種以上の化合物/薬剤の結びつきは、物理的あるいは非物理的のいずれかである。物理的に結びつけられ、組み合わされる化合物/薬剤の例は、
・混合物中に(例えば、同じ単位用量内で)2種以上の化合物/薬剤を含む組成物(例えば、単一製剤)、
・2種以上の化合物/薬剤を化学的/物理化学的につなぐ(例えば、架橋、分子凝集または一般的な溶媒部分との結合により)材料を含む組成物、
・2種以上の化合物/薬剤を化学的/物理化学的に一緒にパッケージ化(例えば、脂質小胞、粒子(例えば、マイクロ粒子/ナノ粒子)およびエマルジョン滴の上あるいは内部に配置)した材料を含む組成物、
・2種以上の化合物/薬剤を一緒にパッケージ化あるいは共存させた(例えば、一連の単位用量に封入した製剤の一部として)医薬キット、医薬パックあるいは患者パック(patient packs)
を含む。
非物理的に結びつけられ、組み合わされる化合物/薬剤の例は、
・少なくとも一つの化合物の偶発的な会合が、2種以上の化合物/薬剤の物理的な結びつきを形成するための説明書とともに、2種以上の化合物/薬剤の少なくとも1種を含む材料(例えば、非単一製剤)、
・2種以上の化合物/薬剤による併用療法の説明書とともに、2種以上の化合物/薬剤の少なくとも1種を含む材料(例えば、非単一製剤)、
・2種以上の化合物/薬剤のうちの1種以上が投与された(または、投与されている)患者集団への投与の説明書とともに、2種以上の化合物/薬剤のうちのその他の少なくとも1種を含む材料、
・2種以上の化合物/薬剤のうちの1種以上との組合せで特別に適用される量や形態で、2種以上の化合物/薬剤のうちのその他の少なくとも1種を含む材料
を含む。
本明細書で用いられる「併用療法」という用語は、(上述したように)2種以上の化合物/薬剤の併用を含む治療を定義するよう意図している。したがって、「併用療法」、「併用」および2種以上の化合物/薬剤の「併用での」使用は、本明細書では、同一の全治療計画の一部として投与される2種以上の化合物/薬剤を意味するものとする。そういう事情で、2種以上の化合物/薬剤の個々の化合物の薬量は異なっていてもよい。個々の化合物は同時または別に投与されてもよい。したがって、併用化合物/薬剤は同一製剤として(すなわち、一緒に)あるいは別の製剤として(すなわち、別々に)、連続的(例えば、前か後に)あるいは同時に投与されてもよいことが理解されるだろう。同じ単一製剤は同時に、非単一製剤では別製剤として同時に投与される。併用療法における2種以上の化合物/薬剤の個々の化合物/薬剤の薬量も投与経路に応じて異なっていてもよい。
本明細書で用いられる「医薬キット」という用語は、計量手段(例えば、測定装置)および/または薬物供給手段(例えば、吸入器または注射器)を伴った、必要に応じてすべてを共通の外箱内に収めた、一連の一つ以上の単位用量の医薬組成物と定義する。2種以上の化合物/薬剤の併用を含む医薬品キットでは個々の化合物/薬剤は単一製剤あるいは非単一製剤でよい。単位用量はブリスターパックに収められてもよい。医薬キットには必要に応じて使用説明書がさらに含まれる。
本明細書で用いられる「医薬パック」という用語は、必要に応じてすべてを共通の外箱内に収めた、一連の一つ以上の単位用量の医薬組成物と定義する。2種以上の化合物/薬剤の併用を含む医薬パックでは個々の化合物/薬剤は単一製剤あるいは非単一製剤でよい。単位用量はブリスターパックに収められてもよい。医薬パックには必要に応じて使用説明書がさらに含まれる。
本明細書で用いられる用語「置換されていてもよい」は、ここに定義されている置換基によって置換されているかまたは非置換である基を表す。
本明細書で用いられる接頭辞「Cx-y」(xおよびyは整数である)は、所与の基の中の炭素原子数を表す。したがって、C1-6アルキル基は、1~6個の炭素原子を含み、C3-6シクロアルキル基は3~6個の炭素原子を含み、C1-4アルコキシ基は1~4個の炭素原子を含む、などである。
本明細書で使用される用語「アミノ」は基-NH2を指す。
本明細書で用いられる用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にフッ素または塩素を表す。
化合物中のそれぞれおよびすべての水素(例えば、アルキル基において、またはそこで水素と言及されている場合)は、水素のすべての同位体、特に1Hと2H(重水素)を含む。
本明細書で用いられる用語「オキソ」は基=Oを表す。
本明細書で基または基の一部として使用される用語「C1-4アルキル」は、それぞれ1~4個の炭素原子を含有する直鎖または分岐飽和炭化水素基を指す。そのような基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなどである。
本明細書で基または基の一部として使用される用語「C2-4アルケニル」または「C2-6アルケニル」は、それぞれ2~4個または2~6個の炭素原子、および炭素-炭素の二重結合を含む直鎖または分岐炭化水素基を指す。そのような基の例は、エテニル(ビニル)、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)、イソプロペニル、ブテニル、ブタ-1,4-ジエニル、ペンテニルおよびヘキセニル基などのC3-4アルケニルまたはC3-6アルケニル基である。
本明細書で基または基の一部として使用される用語「C2-4アルキニル」または「C2-6アルキニル」は、それぞれ2~4個または2~6個の炭素原子および炭素-炭素の三重結合を含む直鎖または分岐炭化水素基を指す。そのような基の例は、エチニルおよび2プロピニル(プロパルギル)基などのC3-4アルキニルまたはC3-6アルキニル基である。
本明細書で基または基の一部として使用される用語「C1-4アルコキシ」は、-O-C1-4アルキル基を指し、C1-4アルキルは本明細書で定義したとおりである。そのような基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどである。
本明細書で使用される用語「C3-6シクロアルキル」は、3~6個の炭素原子の飽和単環式炭化水素環を指す。そのような基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルなどである。
本明細書で使用される「C3-6シクロアルケニル」という用語は、1つまたは複数(通常は1つ)の炭素-炭素の二重結合を有する3~6個の炭素原子の部分飽和単環式炭化水素環を指す。そのような基の例は、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、およびシクロヘキサジエニルである。
本明細書で基または基の一部として使用される用語「ヒドロキシC1-4アルキル」は、1個以上の水素原子(例えば、1、2または3個)がヒドロキシ基で置換されている、本明細書で定義されるC1-4アルキル基を指す。したがって、用語「ヒドロキシC1-4アルキル」は、モノヒドロキシC1-4アルキルおよびポリヒドロキシC1-4アルキルも含む。1、2、3個またはそれ以上の水素原子がヒドロキシ基で置換され得るので、ヒドロキシC1-4アルキルは、1、2、3個またはそれ以上のヒドロキシ基を有することができる。そのような基の例は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルなどである。
本明細書で基または基の一部として使用される用語「ハロC1-4アルキル」は、1個以上の水素原子(例えば、1、2または3個)がハロゲンで置換された、本明細書で定義されるC1-4アルキル基を指す。したがって、用語「ハロC1-4アルキル」は、モノハロC1-4アルキルおよびポリハロC1-4アルキルも含む。1、2、3個またはそれ以上の水素原子がハロゲンで置換され得るので、ハロC1-4アルキルは1、2、3個またはそれ以上のハロゲンを有することができる。そのような基の例は、フルオロエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルまたはトリフルオロエチルなどである。
基または基の一部として本明細書で使用される用語「ハロC1-4アルコキシ」は、1個以上の水素原子(例えば、1、2または3個)がハロゲンで置換された、本明細書で定義される-O-C1-4アルキル基を指す。したがって、用語「ハロC1-4アルコキシ」は、モノハロC1-4アルコキシおよびポリハロ1-4アルコキシも含む。1、2、3個またはそれ以上の水素原子がハロゲンで置換され得るので、ハロC1-4アルコキシは、1、2、3個またはそれ以上のハロゲンを有することができる。そのような基の例は、フルオロエチルオキシ、ジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシなどである。
本明細書で使用される用語「ヘテロシクリル基」は、文脈が別途指示しない限り、芳香族環系および非芳香族環系の両方を含むものとする。したがって、例えば、「ヘテロシクリル基」という用語は、その範囲内に、芳香族、非芳香族、不飽和、部分飽和および飽和ヘテロシクリル環系を含む。一般的に、文脈が別途指示しない限り、そのような基は単環式であるか二環式(縮合二環式基、スピロ二環式基および架橋二環式基を含む)であり、例えば、3~12環員、より一般的には5~10環員を含み得る。4~7環員の記載は環に4、5、6または7個の原子を含み、および、4~6環員の記載は環に4、5または6個の原子を含むことを意味する。単環式基の例としては、3、4、5、6、7および8個の環員、より一般的には3~7または4~7、好ましくは5、6または7個の環員、より好ましくは5または6個の環員を含む基が挙げられる。二環式基の例としては、8、9、10、11および12個の環員を含むもの、より一般的には、9または10個の環員を含むものが挙げられる。ヘテロシクリル基は5~12個の環員、より一般的には5~10個の環員を有するヘテロアリール基であり得る。本明細書においてヘテロシクリル基に言及がなされる場合、文脈が別途指示しない限り、ヘテロシクリル環は本明細書に定義される1個以上(例えば1、2、3または4個、特には1または2個)の置換基によって置換されていてもよい、つまり非置換または置換されていることができる。
ヘテロシクリル基は、例えば、5員または6員の単環または5員環と6員環とが縮合、または2個の6員環が縮合、または2個の5員環が縮合した二環式構造を形成し得る。各環は、特には窒素、硫黄および酸素ならびに酸化した形態の窒素または硫黄から選択される5個までのヘテロ原子を含み得る。特に、ヘテロシクリル環は4個までのヘテロ原子、より特別には3個までのヘテロ原子、より一般的には2個まで、例えば単一のヘテロ原子を含む。一実施形態において、ヘテロシクリル環はN、O、Sおよび酸化した形態のNまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含む。一実施形態において、ヘテロシクリル環は少なくとも1個の環窒素原子を含む。ヘテロシクリル環の窒素原子は、イミダゾールまたはピリジンの場合のように塩基性であるか、あるいはインドールまたはピロール窒素の場合の様に基本的に非塩基性であり得る。通常は、いかなるアミノ基の環置換基をも含むヘテロシクリル基に存在する塩基性窒素原子の数は、5個未満である。
ヘテロシクリル基は、炭素原子またはヘテロ原子(例えば窒素)を介して結合することができる。同様に、ヘテロシクリル基は、炭素原子またはヘテロ原子(例えば窒素)上で置換され得る。
5員の芳香族ヘテロシクリル基の例としては、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、フラザニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリル基が挙げられるが、これらに限定されない。
6員の芳香族複素環基の例としては、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニルおよびトリアジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で用いられる用語「ヘテロアリール」は、芳香族の特性を有する複素環基を意味する。用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環が芳香族であるならば、1個または複数の環が非芳香族である多環系(例えば、二環式)を含む。このような多環系において、基は芳香環によって、または非芳香環によって結合することができる。
ヘテロアリール基の例としては、5~12環員、より一般的には5~10環員を含む、単環式および二環式基である。
5員のヘテロアリール基の例としては、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、フラザン、オキサゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、トリアゾールおよびテトラゾール基が挙げられるが、これらに限定されない。
6員のヘテロアリール基の例としては、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジンおよびトリアジンが挙げられるが、これらに限定されない。
二環式ヘテロアリール基は、例えば、
a)1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したベンゼン環、
b)0、1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したピリジン環、
c)0、1または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したピリミジン環、
d)0、1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したピロール環、
e)0、1または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したピラゾール環、
f)0、1または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したイミダゾール環、
g)0、1または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したオキサゾール環、
h)0、1または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したイソオキサゾール環、
i)0、1または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したチアゾール環、
j)0、1または2個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したイソチアゾール環、
k)0、1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したチオフェン環、
l)0、1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したフラン環、
m)1、2または3個の環ヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したシクロヘキシル環、および
n)1、2または3環のヘテロ原子を含む5または6員環に縮合したシクロペンチル環
から選択される基であってよい。
5員環に縮合した別の5員環を含む二環式ヘテロアリール基の具体例には、イミダゾチアゾール(例えば、イミダゾ[2,1-b]チアゾール)およびイミダゾイミダゾール(例えば、イミダゾ[1,2-a]イミダゾール)が挙げられるが、これらに限定されない。
5員環に縮合した6員環を含む二環式ヘテロアリール基の具体例には、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、プリン(例えば、アデニン、グアニン)、インダゾール、ピラゾロピリミジン(例えば、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン)、トリアゾロピリミジン(例えば[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン)、ベンゾジオキソール、イミダゾピリジンおよびピラゾロピリジン(例えば、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン)基が挙げられるが、これらに限定されない。
2つの縮合6員環を含む二環式ヘテロアリール基の具体例には、キノリン、イソキノリン、クロマン、チオクロマン、イソクロマン、クロメン、イソクロメン、ベンゾジオキサン、キノリジン、ベンゾオキサジン、ピリドピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジンおよびプテリジン基が挙げられるが、これらに限定されない。
芳香環および非芳香環を含む多環式ヘテロアリール基の例には、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロベンゾフラン、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン、ベンゾ[1,3]ジオキソール、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾフラン、テトラヒドロトリアゾロピラジン(例えば、5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン)、クロマン、チオクロマン、イソクロマン、クロメン、イソクロメン、ベンゾジオキサン、ベンゾオキサジン、ベンゾジアゼピンおよびインドリン基が挙げられる。
含窒素ヘテロアリール環は、少なくとも1個の環窒素原子を含まなければならない。含窒素ヘテロアリール環は、N-結合またはC-結合することができる。加えて、各環は、特に窒素、硫黄および酸素から選択される約4個までの他のヘテロ原子を含んでいてよい。特に、ヘテロアリール環は、3個までのヘテロ原子、例えば、1、2または3個、より一般的には2個までの窒素、例えば、単一の窒素を含む。ヘテロアリール環の窒素原子は、イミダゾールまたはピリジンの場合のように塩基性またはインドールまたはピロール窒素の場合のように本質的に非塩基性であり得る。一般に、環の置換基であるいずれのアミノ基をも含む、ヘテロアリール基に存在する塩基性窒素原子の数は5未満である。
含窒素ヘテロアリール基の例には、単環式基、例えば、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、オキサトリアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル(例えば、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル)、テトラゾリル、ならびに、二環式基、例えば、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾール、インドリル、3H-インドリル、イソインドリル、インドリジニル、イソインドリニル、プリニル(例えば、アデニン[6-アミノプリン]、グアニン[2-アミノ-6-ヒドロキシプリン])、インダゾリル、キノリジニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジアゼピニル、ピリドピリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、およびプテリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
芳香環および非芳香環を含む含窒素多環式ヘテロアリール基の例には、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニルおよびインドリニルが挙げられる。
用語「非芳香族」は、文脈が別途指示しない限り、芳香族の特性のない不飽和環系、部分飽和および完全飽和複素環系を含む。用語「不飽和」および「部分飽和」は、環構造が1価より大きい原子価結合を共有する原子を含む、つまり、環が少なくとも1個の多価結合、例えばC=C、C≡CまたはN=C結合を含む環を表す。用語「飽和」は、環原子の間に多価結合がない環を表す。飽和ヘテロシクリル基には、ピペリジニル、モルホリニルおよびチオモルホリニルが含まれる。部分的に飽和したヘテロシクリル基には、ピラゾリニル、例えば、ピラゾリン-2-イルおよびピラゾリン-3-イルが含まれる。
非芳香族ヘテロシクリル基の例は、3~12個の環員、より一般的には5~10個の環員を有する基である。このような基は、単環式または二環式であり得、例えば、3~7個の環員、特に4~6個の環員を有する。そのような基は特に、通常、窒素、酸素および硫黄ならびにそれらの酸化した形態から選択される、1~5個または1~4個のヘテロ原子環員(より一般的には1、2または3個のヘテロ原子環員)を有する。ヘテロシクリル基は、例えば、環状エーテル部分(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサン中における)、環状チオエーテル部分(例えば、テトラヒドロチオフェンおよびジチアン中における)、環状アミン部分(例えば、ピロリジン中における)、環状アミド部分(例えば、ピロリドン中における)、環状チオアミド、環状チオエステル、環状尿素(例えば、イミダゾリジン-2-オン中における)環状エステル部分(例えば、ブチロラクトン中における)、環状スルホン(例えば、スルホランおよびスルホレン中における)、環状スルホキシド、環状スルホンアミドおよびそれらの組合せ(例えば、チオモルホリン)を含み得る。
具体例には、モルホリニル、ピペリジニル(例えば、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イルおよびピペリジン-4-イル)、ピペリジノニル、ピロリジニル(例えば、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-2-イルおよびピロリジン-3-イル)、ピロリドニル、アゼチジニル、ピラニル(2H-ピランまたは4H-ピラン)、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロチアゾリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジオキサニル、オキサニル(テトラヒドロピラニルとしても知られる)(例えば、オキサン-4-イル)、イミダゾリニル、イミダゾリジノニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、ピラゾリン-2-イル、ピラゾリジニル、ピペラジノニル、ピペラジニル、およびN-アルキルピペラジン(例えば、N-メチルピペラジニル)が挙げられる。一般に、典型的な非芳香族ヘテロシクリル基には、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、モルホリニル、ピペラジニルおよびN-アルキルピペラジン(例えば、N-メチルピペラジニル)などの飽和基が挙げられる。
含窒素非芳香族ヘテロシクリル環では、環は少なくとも1個の環窒素原子を含まなければならない。含窒素ヘテロシクリル環は、N-結合またはC-結合することができる。複素環基には、例えば、環状アミン部分(例えば、ピロリジニル中における)、環状アミド(例えば、ピロリジノニル、ピペリジノニル、カプロラクタミル)、環状スルホンアミド(例えば、イソチアゾリジニル 1,1-ジオキシド、[1,2]チアジナニル 1,1-ジオキシドまたは[1,2]チアゼパニル 1,1-ジオキシド)およびそれらの組合せを含むことができる。
含窒素非芳香族ヘテロシクリル基の具体例には、アジリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル(例えば、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イルおよびピペリジン-4-イル)、ピロリジニル(例えば、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-2-イルおよびピロリジン-3-イル)、ピロリドニル、ジヒドロチアゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジノニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、ピラゾリン-2-イル、ピラゾリン-3-イル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、およびN-アルキルピペラジン(例えば、N-メチルピペラジニル)が挙げられる。
ヘテロシクリル基は、多環式縮合環系または架橋環系、例えば、ビシクロアルカン、トリシクロアルカンのオキサ-およびアザ類似体(例えば、アダマンタンおよびオキサ-アダマンタン)であり得る。縮合環系と架橋環系の違いの説明については、Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,Wiley Interscience,pages131-133,1992を参照。
環状基または環の定義において、環状基が特定の数のヘテロ原子環員を含むことが、例えば、「0、1または2個の窒素環員を含む5または6員環」のように記載されている場合、これは特定の数の指定されたヘテロ原子環員とは別に、残りの環員が炭素原子であることを意味すると解釈される。
式(I)の化合物は、一つ以上の結合によって分子の残りに結合することができる飽和環基を含み得る。環式基が2個以上の結合によって分子の残りに結合した場合、これらの結合(またはこれらの結合の内の2個)は環の同じ原子(通常、炭素原子)または環の異なる原子に対してなされ得る。結合が環の同じ原子に対してなされる場合、2個の基に結合された単一原子(通常、第4級炭素)を有する環式基が生ずる。つまり、式(I)の化合物が環式基を含む場合、その基はその分子の残りに結合によって接続されるか、または、例えばスピロ化合物のように環式基とその分子の残りが1個の原子を共有し得る。
ヘテロシクリル基は、それぞれ非置換であるか、または1個以上(例えば、1、2または3)の置換基で置換され得る。例えば、ヘテロシクリル基またはカルボシクリル基は、非置換であるか、または1、2、3または4個の置換基で置換されることができ、特に、非置換であるか、または本明細書で定義される1、2または3個の置換基を有する。環式基が飽和である場合、同じ炭素に2個の置換基が結合し得る(置換基が同一である場合、これはジェミナルまたは「gem」二置換と呼ばれる)。
置換基の組合せは、このような組合せが安定なまたは化学的に可能な化合物(すなわち、少なくとも1週間40℃以下に保たれた場合に、実質的に変化しないもの)を生じる場合のみ許容される。
本発明の化合物を構成するさまざまな官能基および置換基は特に、本発明の化合物の分子量が1000を超えないように選択される。より一般的には、化合物の分子量は、750未満、例えば、700未満、または650未満、または600未満、または550未満である。より詳細には、分子量は525未満で、例えば、500以下である。
発明の具体的説明
本発明は、式(I)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩を提供する。
X
XはCHまたはNである。
したがって、式(I)の化合物の二環式環は、ピロロピラジンまたはピラゾロピラジン:
のいずれかである。
一実施形態において、XはCHであり、化合物はピロロピラジンである。一実施形態において、XはNであり、化合物はピラゾロピラジンである。
特に、XはCHであり、式(I)の化合物は式(II)の化合物:
[式中、
Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
特に、XはNであり、式(I)の化合物は式(IIa)の化合物:
[式中、
Q、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりであり、
R
1は、-CH
3または-CH
2OHである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
R1
R1は、水素、-CH3または-CH2OH、ただし、XがNの場合、R1は、-CH3および-CH2OHから選択される。
一実施形態において、R1は水素または-CH3である。
一実施形態において、R1は水素または-CH2OHである。
一実施形態において、R1は-CH3または-CH2OHである。
一実施形態において、R1は-CH3である。
一実施形態において、R1は-CH2OHである。
特に、R
1は水素であり、XはCHであり、式(I)の化合物は、式(III)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
8、R
9、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
特に、XはNであり、式(I)の化合物は式(IIIa)の化合物:
[式中、
Q、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、c、およびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
特に、XはNであり、式(I)の化合物は式(IIIb)の化合物:
[式中、
Q、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、c、およびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
R2およびR3
R2およびR3は、
(i)水素およびC1-4アルキルから独立して選択される;あるいは
(ii)一緒になって、C1-3アルキレン、C2-3アルケニレン、メチレン-NRq-メチレンおよびメチレン-O-メチレンから選択される1~3員の架橋基を形成し、ここで、架橋基は、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される基で置換されていてもよく、Rqは、水素、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲン(例えば、水素およびC1-4アルキル)から選択される、
のいずれかである。
一実施形態において、架橋基は、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される基で置換されていてもよい。特に、架橋基は、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される基で置換されていてもよい、ただし、ヒドロキシまたはハロゲンがNまたはO原子に対してα位にある化合物を除き、ヒドロキシ基がアルケン炭素に結合している化合物を除く。
一実施形態において、R2およびR3は、一緒になって、C1-3アルキレン(例えば、-CH2-、-CH2-CH2-または-CH2CH2CH2-)、C2-3アルケニレン(例えば、-CH=CH-)、メチレン-NH-メチレン(例えば、-CH2-NH-CH2-)およびメチレン-O-メチレン(例えば、-CH2-O-CH2-)から選択される1~3員の架橋基を形成し、ここで、架橋基は、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される基で置換されていてもよい、ただし、ヒドロキシまたはハロゲンがNまたはO原子に対してα位にある化合物を除き、ヒドロキシ基がアルケン炭素に結合している化合物を除く。
一実施形態において、R2およびR3は、一緒になって、C1-3アルキレン(例えば、-CH2-、-CH2-CH2-または-CH2CH2CH2-)、C2-3アルケニレン(例えば、-CH=CH-)、メチレン-NH-メチレン(例えば、-CH2-NH-CH2-)およびメチレン-O-メチレン(例えば、-CH2-O-CH2-)から選択される1~3員の架橋基を形成し、ここで、C1-3アルキレン(例えば、-CH2-、-CH2-CH2-または-CH2CH2CH2-)またはC2-3アルケニレン(例えば、-CH=CH-)の架橋基は、C1-4アルキルおよびハロゲンから選択される基で置換されていてもよい。一実施形態において、ハロゲン置換基は、架橋基に存在するOまたはNに対してα位ではない。
したがって、下記部分
は、以下の部分:
であり、1~3員の架橋基は曲線で表される。
架橋基は、1、2または3個の環員を含み得る。したがって、架橋基が結合している2個の炭素原子と、複素環のそれらの2個の炭素原子の間の窒素原子とともに、架橋基は4員環(架橋基が1個の環員を含む場合)、5員環(架橋基が2個の環員を含む場合)または6員環(架橋基が3個の環員を含む場合)の一部を形成する。
一実施形態において、架橋基は、C1-3アルキレン、例えば、-CH2-、-CH2-CH2-または-CH2CH2CH2-であり、ここで、架橋基は、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される基で置換されていてもよい。
一実施形態において、架橋基は、C
1-3アルキレン、例えば、-CH
2-、-CH
2-CH
2-または-CH
2CH
2CH
2-であり、式(I)の化合物は式(IV)の化合物:
[式中、
Q、R
1、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりであり、
dは、0、1または2である。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、架橋基は、C2-3アルケニレン、例えば、-CH=CH-または-CH2-CH=CH-であり、ここで、架橋基は、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される基で置換されていてもよい。ただし、ヒドロキシ基がアルケン炭素に結合している化合物を除く(すなわち、エノールを除く)。一実施形態において、架橋基は、C2-3アルケニレン、例えば、-CH=CH-または-CH2-CH=CH-であり、ここで、架橋基は、C1-4アルキルおよびハロゲンから選択される基で置換されていてもよい。
一実施形態において、架橋基は、C2-3アルケニレン、例えば、-CH=CH-または-CH2-CH=CH-である。
一実施形態において、架橋基はメチレン-NRq-メチレン、例えば-CH2-NH-CH2-であり、ここで、架橋基はC1-4アルキルから選択される基により置換されていてもよく、Rqは水素およびC1-4アルキルから選択される。
一実施形態において、架橋基は、メチレン-NRq-メチレン、例えば、-CH2-NH-CH2-であり、C1-4アルキルから選択される基により置換されていてもよく、Rqは、水素およびC1-4アルキルから選択される。
一実施形態において、架橋基は、メチレン-NRq-メチレン、例えば、-CH2-NH-CH2-であり、Rqは、水素およびC1-4アルキルから選択される。
一実施形態において、架橋基は、メチレン-NH-メチレン、例えば、-CH2-NH-CH2-である。
一実施形態において、架橋基は、メチレン-O-メチレン、例えば、-CH2-O-CH2-であり、ここで、架橋基は、C1-4アルキルから選択される基により置換されていてもよい。
一実施形態において、架橋基は、メチレン-O-メチレン、例えば、-CH2-O-CH2である。
架橋基は、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される基、例えば、-CH3で置換されていてもよく、特にヒドロキシまたはハロゲンがNまたはO原子に対してα位にある化合物を除き、ヒドロキシ基がアルケン炭素に結合している化合物を除く。
特に、架橋基は置換されていない。
特に、架橋基は、アルキレン、例えば、-CH2-、-CH2-CH2-または-CH2CH2CH2-、例えば、-CH2-CH2-または-CH2CH2CH2-である。特に、架橋基は非置換アルキレン、例えば、-CH2-、-CH2-CH2-または-CH2CH2CH2-、例えば、-CH2-CH2-または-CH2CH2CH2-である。
特に、架橋基は-CH
2-CH
2-であり、式(I)の化合物は式(V)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
別の実施形態において、R2およびR3は、水素およびC1-4アルキルから独立して選択される。
一実施形態において、R2およびR3は、水素および-CH3から独立して選択される。
一実施形態において、R2およびR3は水素である。
一実施形態において、R2およびR3は、
(i)水素、または
(ii)一緒になって形成する1~3員のアルキレン架橋基(例えば、-CH2-または-CH2-CH2-)
のいずれかである。
Q、R4およびR5
QはCまたはNであり、
QがCの場合、
(i)R4は、水素またはC1-4アルキル(例えばメチル)であって、アミノで置換されていてもよいC1-4アルキル(例えば-CH2NH2)であり、R5は、水素、アミノ、ヒドロキシまたはC1-4アルキル(例えばメチル)であって、ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノから選択される1または2個の基により置換されていてもよいC1-4アルキル(例えば-CH2OH)であり、ただし、R4およびR5の両方が、アミノおよびアミノで置換されたC1-4アルキルから選択されてはならない、あるいは、
(ii)R4およびR5は、Qと一緒になって、4~6員の含窒素複素環を形成する、
のいずれかであり、
QがNの場合、
R4は、存在せず、
R5は、水素であり、かつ、
R2およびR3は、一緒になって、1~3員の架橋基を形成する。
QがCである実施形態の場合、R2およびR3は、
(i)水素およびC1-4アルキルから独立して選択される、あるいは、
(ii)一緒になって、C1-3アルキレン、C2-3アルケニレン、メチレン-NRq-メチレンおよびメチレン-O-メチレンから選択される1~3員の架橋基を形成し、ここで、架橋基は、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される基により置換されていてもよく、Rqは、水素、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される、
のいずれかである。
QがNである実施形態の場合、
R4は、存在せず、
R5は、水素であり、かつ、
R2およびR3は、一緒になって、本明細書で定義される1~3員の架橋基、すなわちC1-3アルキレン、C2-3アルケニレン、メチレン-NRq-メチレンおよびメチレン-O-メチレンを形成し、ここで、架橋基は、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される基により置換されていてもよく、Rqは、水素、C1-4アルキル、ヒドロキシおよびハロゲンから選択される。
一実施形態において、QはCまたはNであり、
QがCの場合、
(i)R4は、水素またはC1-4アルキル(例えばメチル)であって、アミノで置換されていてもよいC1-4アルキル(例えば、-CH2NH2)であり、R5は、水素、アミノまたはC1-4アルキル(例えば、メチル)であって、ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノから選択される1または2個の基で置換されていてもよいC1-4アルキル(例えば、-CH2OH)であり、ただし、R4およびR5の両方が、アミノおよびアミノで置換されたC1-4アルキルから選択されてはならない、あるいは、
(ii)R4およびR5は、Qと一緒になって、4~6員の含窒素複素環を形成する、
のいずれかであり、
QがNの場合、
R4は、存在せず、
R5は、水素であり、かつ、
R2およびR3は、1~3員の架橋基を形成する。
一実施形態において、QはCであり、式(I)の化合物は式(VI)の化合物:
[式中、
X、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、QはCであり、
(i)R4は、水素またはC1-4アルキル(例えば、メチル)であって、アミノで置換されていてもよいC1-4アルキル(例えば、-CH2NH2)であり、R5は、水素、アミノ、またはC1-4アルキル(例えば、メチル)であって、ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノから選択される1または2個の基で置換されていてもよいC1-4アルキル(例えば、-CH2OH)であり、ただし、R4およびR5の両方がアミノおよびアミノで置換されたC1-4アルキルから選択されてはならない、あるいは、
(ii)R4およびR5は、Qと一緒になって、4~6員の含窒素複素環を形成する、
のいずれかである。
QがCである場合、一実施形態において、R4は、水素またはC1-4アルキル(例えば、メチル)である。
QがCである場合、特に、R4は、水素または-CH3、例えば、水素である。
QがCである場合、一実施形態において、R5は、水素、アミノまたはC1-4アルキル(例えば、-CH3)であって、ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノから選択される1または2個の基で置換されていてもよいC1-4アルキル(例えば、-CH2OH)である。
QがCである場合、一実施形態において、R5は、C1-4アルキル(例えば、-CH3)であって、ヒドロキシで置換されていてもよいC1-4アルキル(例えば、-CH2OH)またはアミノで置換されていてもよいC1-4アルキル(例えば、CH2NH2)である。
QがCである場合、一実施形態において、R5は、アミノ、ヒドロキシまたはC1-4アルキル(例えば、-CH3)であって、アミノまたはヒドロキシで置換されたC1-4アルキルである。
QがCである場合、一実施形態において、R5は、アミノまたはアミノで置換されたC1-4アルキル(例えば、-CH3)である。
QがCである場合、特に、R5はアミノまたは-CH3である。
R4およびR5の両方が、アミノおよびアミノで置換されたC1-4アルキルから選択されてはならない。QがCである一実施形態において、R4およびR5の一方のみが、アミノまたはアミノで置換されたC1-4アルキルである、すなわち、R4およびR5の一方は、アミノまたはアミノで置換されたC1-4アルキルであり、R4およびR5のもう一方は、アミノおよびアミノで置換されたC1-4アルキル以外である。
QがCである一実施形態では、R4が、アミノで置換されたC1-4アルキル(例えば、-CH3)であるか、R5がアミノまたはアミノで置換されたC1-4アルキル(例えば、-CH3)であるか、のいずれかである。
QがCである一実施形態において、R4は、水素であり、R5は、アミノまたはアミノで置換されたC1-4アルキル(例えば、-CH3)である。
QがCである場合、特にR
5はアミノであり、式(I)の化合物は式(VII)の化合物:
[式中、
X、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、c、およびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
QがCである場合、一実施形態において、R4は水素または-CH3であり、R5はアミノまたは-CH3である。
QがCである場合、特にR4は水素であり、R5はアミノである。
QがCである場合、一実施形態において、R4は-CH3であり、R5はアミノである。
QがCであり、R
2およびR
3の少なくとも1つが水素以外である場合、式(I)の化合物は、複数の立体異性体、例えば、
の複数の立体異性体で存在してもよい(簡略化のため、R
4、R
6およびR
7は省略)。これらの立体異性体のいくつかは、鏡像異性体のペア:
(a)および(e)(R
2およびR
3が異なる場合、それ以外の場合はメソ体);
(b)および(f);
(c)および(g)(R
2およびR
3が異なる場合、それ以外の場合はメソ体);ならびに、
(d)および(h)
である。
一実施形態において、式(I)の化合物はラセミ混合物である。特に、式(I)の化合物は非ラセミである。典型的には、式(I)の化合物の少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%)は、1つの立体異性体として存在する。特に、式(I)の化合物の総量の97%(例えば、99%)以上(例えば、実質的にすべて)は、単一の立体異性体として存在し得る。
一実施形態において、R5はアミノである。
QがCであり、R5が水素以外であり、R2およびR3が、一緒になって、架橋基を形成する場合、R5は架橋基に向けて、または架橋基と反対の向きに配置され得る。
一実施形態において、R
5は、
[式中、
dは0、1または2、特にdは1である。]
架橋基の方を向いている(R
4、R
6およびR
7は、明確化のため省略)。
一実施形態において、R
5は、
[式中、
dは0、1または2であり、特にdは1である。]
架橋基と反対の方を向いている(R
4、R
6およびR
7は、明確化のため省略)。
QがCである一実施形態において、R5はアミノである。QがCである一実施形態において、R5はアミノであり、R4は水素である。
特に、R
5は架橋基の方を向いており、式(I)の化合物は式(VIII)の化合物:
[式中、
X、R
1、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりであり、
dは、0、1または2である。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
特に、R
5は架橋基の方を向き、dは1であり、そして式(VIII)の化合物は式(VIIIa)の化合物:
[式中、
X、R
1、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
QがCである場合、一実施形態において、R4およびR5は、Qと一緒になって、4~6員の含窒素複素環、例えば、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニル、例えば、アゼチジニルまたはピロリジニル、特にアゼチジニルを形成する。
一実施形態において、QはNであり、R4は存在せず、R5は水素であり、R2およびR3は一緒になって1~3員の架橋基を形成する。
一実施形態において、QはCまたはNであり、
QがCの場合、
(i)R4は、水素または、C1-4アルキル(例えばメチル)であって、アミノで置換されていてもよいC1-4アルキル(例えば-CH2NH2)であり、R5は、水素、アミノ、またはC1-4アルキル(例えばメチル)であって、アミノで置換されていてもよいC1-4アルキルであり、ただし、R4およびR5の両方が、アミノおよびアミノで置換されたC1-4アルキルから選択されてはならない、あるいは
(ii)R4およびR5は、Qと一緒になって、4~6員の含窒素複素環(例えば、アゼチジン)を形成する、
のいずれかであり、
QがNの場合、
R4は存在せず、
R5は水素であり、
R2およびR3は、一緒になって、1~3員のアルキレン架橋基(例えば、-CH2-または-CH2-CH2-)を形成する。
R6、R7、aおよびb
R6およびR7は、ハロゲン(例えば、フッ素)、C1-4アルキル(例えば、-CH3)およびヒドロキシから独立して選択される。ただし、QがNの場合、R6またはR7は、ハロゲンでもヒドロキシでもない。aは、0、1および2から選択される。bは、0、1および2から選択される。
aは0、1または2である。aが0の場合、CH2基がQとCHR2との間に存在する。aが1の場合、CHR6基がQとCHR2との間に存在する。aが2の場合、C(R6)2基がQとCHR2との間に存在する。
一実施形態において、aは0または1である。特に、aは0である。別の実施形態において、aは1である。
bは0、1または2である。bが0の場合、CH2基がQとCHR3との間に存在する。bが1の場合、CHR7基がQとCHR3との間に存在する。bが2の場合、C(R7)2基がQとCHR3との間に存在する。
一実施形態において、bは0または1である。特に、bは0である。別の実施形態において、bは1である。
一実施形態において、aは1であり、bは0である。別の実施形態において、aは0であり、bは1である。
一実施形態において、QはCであり、R7はハロゲン(例えば、フッ素)またはヒドロキシである。
特に、aは0であり、bは0であり、すなわち、CH
2基がQとCHR
2との間に存在し、CH
2基がQとCHR
3との間に存在し、式(I)の化合物は式(IX)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
8、R
9、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、R6およびR7は、ハロゲン(例えば、フッ素)およびヒドロキシから独立して選択される。aは0、1および2から選択される。bは0および1から選択される。ただし、QがNの場合、aおよびbは0である。
一実施形態では、本R6およびR7がハロゲン(例えば、フッ素)である場合、aは0、1および2から選択され、bは0および1から選択される。ただし、QがNの場合、aおよびbは0である。
一実施形態において、aは1であり、R6はハロゲン(例えば、フッ素)またはヒドロキシである。特に、aは1であり、R6はフッ素である。
一実施形態において、aは1であり、R7はハロゲン(例えば、フッ素)またはヒドロキシである。特に、bは1であり、R6はフッ素である。
一実施形態において、aは1であり、bは1であり、R6およびR7は、ハロゲン(例えば、フッ素)およびヒドロキシから独立して選択される。
QがCであり、R4および/またはR5が水素以外であり、aおよび/またはbがゼロ以外である場合、式(I)の化合物は、複数の立体異性体で存在し得る。
例えば、R
5が水素以外であり、aが1で、bが0の場合の例(R
2およびR
3は簡略化のため省略)は、
である。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(a)である。
例えば、R
5が水素以外であり、aが1で、bが0の場合の例(R
2およびR
3は簡略化のため省略)は、
である。
R
2およびR
3が水素以外である場合、さらなる立体異性体が可能である。特に、以下の立体異性体:
が可能であり、例えば、R
2およびR
3が一緒になって、本明細書で定義される1~3員の架橋基、例えば、C
1-3アルキレン、特に、-CH
2CH
2-を形成する。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(h)または立体異性体(e’)である。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(h)または立体異性体(e’)であり、R6はフッ素であり、R5はアミノである。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(h)または立体異性体(e’)であり、R2およびR3は、一緒になって、-CH2CH2-基を形成する。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(h)または立体異性体(e’)であり、R6はフッ素であり、R5はアミノであり、R2およびR3は、一緒になって、-CH2CH2-基を形成する。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(h)または立体異性体(e’)であり、例えば、R6はフッ素である。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(h)または立体異性体(e’)であり、R6はフッ素である。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(h)または立体異性体(e’)であり、R6はフッ素であり、R2およびR3は、一緒になって、-CH2CH2-基を形成する。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(e’)であり、例えば、R6はフッ素であり、R5はアミノである。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(e’)であり、R6はフッ素であり、R5はアミノであり、R2およびR3は、一緒になって、-CH2CH2-基を形成する。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(e’)であり、例えば、R6はフッ素である。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(e’)であり、R6はフッ素である。
特に、一実施形態において、化合物は立体異性体(e’)であり、R6はフッ素であり、R2およびR3は、一緒になって、-CH2CH2-基を形成する。
一実施形態において、R5はアミノであり、R4はハロゲン(例えば、フッ素)である。
R8
R8は、ハロC1-4アルキル(例えば、-CF3)、-CH3およびハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)から選択される。
一実施形態において、R8は、-CH3、塩素およびフッ素から選択される。
一実施形態において、R
8はハロゲンであり、式(I)の化合物は、式(X)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
9、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりであり、
特に、ハロゲンは塩素である。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、R8は、メチル、塩素およびフッ素から選択される。
一実施形態において、R8は、塩素およびフッ素から選択される。
特に、R8はメチルである。
特に、R8は塩素である。
R9
R9は、水素、C1-4アルキル(例えば、-CH3)、ハロC1-4アルキル(例えば、-CF3)およびハロゲン(例えば、塩素)から選択される。
一実施形態において、R9は、水素、-CH3、-CF3および塩素から選択される。
一実施形態において、R9は、水素、-CH3、-CF3、塩素およびフッ素から選択される。
特に、R
9は水素であり、式(I)の化合物は式(XI)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
環A、R10およびc
環Aは、
(i)N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい5員の含窒素複素環(例えば、芳香族環または非芳香環)、または
(ii)N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の芳香族含窒素複素環、または
(iii)NおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の非芳香族含窒素複素環
のいずれかである。
一実施形態において、環Aは、5員の含窒素複素環(例えば、芳香族環または非芳香環)または6員の芳香族含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、N、O、およびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい。
一実施形態において、環Aは、ピラゾリル、チアゾリル、ピラジニルおよびピリジルである。これは、縮合したベンゾ部分とともに、それぞれインダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノキサリニルまたはキノリニルを形成する。
一実施形態において、環Aは、5員の含窒素複素環(例えば、芳香族環または非芳香環)であり、ここで、上記複素環は、N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい。
一実施形態において、環Aは、5員の含窒素複素環(例えば、芳香族環または非芳香環)または6員の芳香族含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい。
一実施形態において、環Aは、5員の含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい。
一実施形態において、環Aは、5員の含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、N、OおよびSから選択される1個の追加のヘテロ原子を含有してもよい5員の含窒素複素環である。
一実施形態において、環Aは、5員の含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、NまたはSである1個の追加のヘテロ原子を含有してもよい。
一実施形態において、環Aは、5員の芳香族含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、NおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい。
一実施形態において、環Aは、5員の含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、Nである1個の追加のヘテロ原子を含む。
一実施形態において、環Aは、5員の芳香族含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、Nである1個の追加のヘテロ原子を含む。
一実施形態において、環Aは、5員の含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、Sである1個の追加のヘテロ原子を含む。
一実施形態において、環Aは、5員芳香族含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、Sである1個の追加のヘテロ原子を含む。
一実施形態において、環Aは、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリルおよびトリアゾリルであり、例えば、環Aは、チアゾリルまたはピラゾリルである。
一実施形態において、環Aは、5員の含窒素複素環(例えば、芳香族環または非芳香環)であり、ここで、上記複素環は、N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよく、式(I)の化合物は、式(XII)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、およびcは、本明細書で定義したとおりであり、
5-Hetは、5員の含窒素複素環(例えば、芳香族環または非芳香環)であり、ここで、上記複素環は、N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、下記部分:
は、以下の表Iのオプションから選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、以下の表I’のオプションから選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、以下の表I″のオプションから選択される。
例えば、下記部分:
は、表IのオプションA、B、C、D、E、F、G、H、I、O、PおよびQから選択される。
特に、下記部分:
は、表IのオプションC、D、E、F、G、H、I、O、PおよびQから選択される。
特に、下記部分:
は、表IのオプションD、H、PおよびQから選択される。一実施形態において、上記部分は、DおよびHから選択される。
特に、下記部分:
は、
例えば、
から選択される。
特に、式(XII)の化合物は、式(XIIa)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、aおよびbは、本明細書で定義したとおりであり、例えば、R
10は、C
1-4アルキルである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
特に、式(XIIa)の化合物は、式(XIIb)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、aおよびbは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
特に、式(XII)の化合物は、式(XIIc)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、aおよびbは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
特に、式(XII)の化合物は、式(XIId)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、aおよびbは、本明細書で定義したとおりであり、例えば、1つのR
10はC
1-4アルキルであり、他はハロゲン(例えば塩素)である。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
特に、式(XII)の化合物は、式(XIIe)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、aおよびbは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、環Aは、
(i)N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の芳香族含窒素複素環、または
(ii)NおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の非芳香族含窒素複素環
のいずれかである。
一実施形態において、環Aは6員芳香族含窒素複素環であり、式(I)の化合物は式(XIII)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、bおよびcは、本明細書で定義したとおりであり、
6-Hetは、
(i)N、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の芳香族含窒素複素環、または
(iii)NおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の非芳香族含窒素複素環
のいずれかである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
環Aが6員の含窒素環であるとき、環が芳香族である場合、環はN、OおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい。しかしながら、6員の含窒素環が非芳香族である場合、環はNおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい、すなわち、環は追加のヘテロ原子Oを含んではならない。
一実施形態において、6-Hetは、6員の含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、NおよびSから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい。
特に、6-Hetは、6員の含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、Nから選択される1または2個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の含窒素複素環である。
特に、6-Hetは、6員の含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、Nから選択される1個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の含窒素複素環である。
特に、6-Hetは、6員の含窒素複素環であり、ここで、上記複素環は、Nである1個の追加のヘテロ原子を含有する6員の含窒素複素環である。
一実施形態において、下記部分:
は、以下の表IIのオプションから選択される。
特に、下記部分:
は、表IIのオプションD、EおよびH、例えばDから選択される。
特に、下記部分:
は、表IIのオプションEおよびG、特に、オプションGから選択される。
一実施形態において、式(I)の化合物は、式(XIIIa)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、aおよびbは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XIIIa)の化合物は、式(XIIIb)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、aおよびbは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XIII)の化合物は、式(XIIIc)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、aおよびbは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、環Aは、ベンゼン環に隣接する(すなわち、直接結合する)窒素原子を含み、式(I)の化合物は、式(XIVa)または(XIVb)の化合物:
[式中、
X、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、a、b、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
R10は、ハロゲン、シアノ、シアノC1-4アルキル(例えば、-CH2-CN)、ヒドロキシ、=O(オキソ)、C1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ(例えば、-OCH3)、ヒドロキシC1-4アルキル(例えば、-CH2C(CH3)2OH、-CH(CH3)CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2CH2OHまたは-CH2OH)、C1-4アルコキシC1-4アルキレン(例えば、-CH2-O-CH3または-CH2-CH2-O-CH3)、C1-4アルキルスルホン(例えば、-SO2CH3)、アミノ、モノC1-4アルキルアミノ、ジC1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH3)2)、アミノC1-4アルキレン(例えば、-CH2NH2)、-C1-4アルキレン-C(=O)NH(2-q)(C1-6アルキル)q)、-C1-4アルキレン-NHC(=O)C1-6アルキル、スルホンアミドC0-4アルキレン(例えば、-SO2NRx
2または-CH2SO2NRx
2、ここで、RxはHおよびC1-6アルキルから独立して選択される)、3~6員のシクロアルキル、O、N、またはSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、C1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい5または6員の不飽和ヘテロ環基、3~6員のシクロアルキルで置換されたC1-4アルキル、O、NまたはSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、C1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい5員または6員の不飽和複素環基で置換されたC1-4アルキル、O、NまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含み、C1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい4~6員の飽和複素環基で置換されたC1-4アルキル、およびO、NまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含み、C1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい4~6員の飽和複素環基から独立して選択され、
qは、0、1または2から選択され、かつ、
cは、0、1、2および3から選択される。
一実施形態において、R10は、ハロゲン、シアノ、シアノC1-4アルキル(例えば、-CH2-CN)、ヒドロキシ、=O(オキソ)、C1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ(例えば、-OCH3)、ヒドロキシC1-4アルキル(例えば、-CH2C(CH3)2OH、-CH(CH3)CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2CH2OHまたは-CH2OH)、C1-4アルコキシC1-4アルキレン(例えば、-CH2-O-CH3または-CH2-CH2-O-CH3)、C1-4アルキルスルホン(例えば、-SO2CH3)、アミノ、モノC1-4アルキルアミノ、ジC1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH3)2)、アミノC1-4アルキレン(例えば、-CH2NH2)、-C1-4アルキレン-C(=O)NH(2-q)(C1-6アルキル)q)、-C1-4アルキレン-NHC(=O)C1-6アルキル、スルホンアミドC0-4アルキレン(例えば、-SO2NRx
2または-CH2SO2NRx
2、ここで、RxはHおよびC1-6アルキルから独立して選択される)、およびO、NまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含み、C1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい4~6員の飽和複素環基から独立して選択され、qは、0、1または2から選択され、かつ、cは、0、1および2から選択される。
一実施形態において、R10は、ハロゲン、シアノ、シアノC1-4アルキル(例えば、-CH2-CN)、ヒドロキシ、=O(オキソ)、C1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ(例えば、-OCH3)、ヒドロキシC1-4アルキル(例えば、-CH2C(CH3)2OH、-CH(CH3)CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2CH2OHまたは-CH2OH)、-C1-4アルキレンC1-4アルコキシ(例えば、-CH2-O-CH3または-CH2-CH2-O-CH3)、C1-4アルキルスルホン(例えば、-SO2CH3)、アミノ、モノC1-4アルキルアミノ、ジC1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH3)2)、-C1-4アルキレンアミノ(例えば、-CH2NH2)、-C1-4アルキレン-C(=O)NH(2-q)(C1-6アルキル)q)、-C1-4アルキレン-NHC(=O)C1-6アルキル、-C0-4アルキレンスルホンアミド(例えば、-SO2NRx
2または-CH2SO2NRx
2、ここで、RxはHおよびC1-6アルキルから独立して選択される)、およびO、N、またはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含み、C1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい4~6員の飽和複素環基から独立して選択される。
一実施形態において、cは2であり;1つのR10は=O(オキソ)であり、1つのR10は、ハロゲン、シアノ、シアノC1-4アルキル(例えば、-CH2-CN)、ヒドロキシ、C1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ(例えば、-OCH3)、ヒドロキシC1-4アルキル(例えば、-CH2C(CH3)2OH、-CH(CH3)CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2CH2OHまたは-CH2OH)、C1-4アルコキシC1-4アルキレン(例えば、-CH2-O-CH3または-CH2-CH2-O-CH3)、C1-4アルキルスルホン(例えば、-SO2CH3)、アミノ、モノC1-4アルキルアミノ、ジC1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH3)2)、アミノC1-4アルキレン(例えば、-CH2NH2)、-C1-4アルキレン-C(=O)NH(2-q)(C1-6アルキル)q)、-C1-4アルキレン-NHC(=O)C1-6アルキル、スルホンアミドC0-4アルキレン(例えば、-SO2NRx
2または-CH2SO2NRx
2、ここで、RxはHおよびC1-6アルキルから独立して選択される)、およびO、NまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含み、C1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい4~6員飽和複素環基から独立して選択される。
一実施形態において、qは0または1である。特に、qは1である。特に、qは2である。
一実施形態において、cは0または1である。特に、cは1である。
特に、cは2である。特に、cは0である。
一実施形態において、R10は、ハロゲン、シアノ、シアノC1-4アルキル(例えば、-CH2-CN)、ヒドロキシ、=O(オキソ)、C1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ(例えば、-OCH3)、ヒドロキシC1-4アルキル(例えば、-CH(CH3)CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2CH2OHまたは-CH2OH)、ジC1-4アルキルアミノ(例えば-N(CH3)2)、およびC1-4アルコキシC1-4アルキレン(例えば、-CH2-O-CH3)から独立して選択され、例えば、R10は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、=O(オキソ)、およびC1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)から独立して選択される。
一実施形態において、R10は、ハロゲン、シアノ、シアノC1-4アルキル(例えば、-CH2-CN)、ヒドロキシ、=O(オキソ)、C1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ(例えば、-OCH3)、ヒドロキシC1-4アルキル(例えば、-CH(CH3)CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2CH2OHまたは-CH2OH)、およびC1-4アルコキシC1-4アルキレン(例えば、-CH2-O-CH3)から独立して選択され、例えば、R10は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、=O(オキソ)およびC1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)から独立して選択される。
一実施形態において、R10は、ハロゲン、シアノ、シアノC1-4アルキル(例えば、-CH2-CN)、ヒドロキシ、=O(オキソ)、C1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ(例えば、-OCH3)、ヒドロキシC1-4アルキル(例えば、-CH(CH3)CH2OH、-CH(CH3)OH、-CH2CH2OHまたは-CH2OH)およびC1-4アルコキシC1-4アルキレン(例えば、-CH2-O-CH3)から独立して選択され、例えば、R10は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、=O(オキソ)およびC1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)から独立して選択される。
一実施形態において、R10は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、=O(オキソ)およびC1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)から独立して選択され、例えば、R10は、ヒドロキシ、=O(オキソ)およびC1-4アルキル(例えば-CH3)から独立して選択される。
一実施形態において、R10は、ハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)、=O(オキソ)、C1-4アルキル(例えば、-CH3、-CH2CH3、-CH(CH3)2)、C1-4アルコキシ(例えば、-OCH3)およびジC1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH3)2)から独立して選択され、例えば、R10は、ハロゲン、=O(オキソ)およびC1-4アルキル(例えば-CH3または-CH2CH3)から独立して選択される。
一実施形態において、R10は、ハロゲン(例えば、塩素)、シアノ、シアノC1-4アルキル(例えば、-CH2-CN)、C1-4アルコキシ(例えば、-OCH3、-OCH2CH3および-OCH(CH3)2)、=O(オキソ)、C1-4アルキル(例えば、-CH3、-CH2CH3および-CH(CH3)2)、ヒドロキシC1-4アルキル(例えば、-CH2OH、-CH2CH2OHまたは-CH2C(CH3)2OH)、ハロC1-4アルキル(例えば、-CHF2)、ジC1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH3)2)、C1-4アルコキシC1-4アルキレン(例えば、-CH2-O-CH3または-CH2-CH2-O-CH3)、-C0-4アルキレン-C(=O)NH(2-q)(C1-6アルキル)q)(例えば、-CO-N(CH3)2、-CH2-CH2-CO-N(CH3)2、-CH2-CO-N(CH3)2、-CH2-CO-NH(C(CH3)3)または-CH2-CO-NH(CH3))、OまたはNを含む4~6員の飽和複素環基(例えば、テトラヒドロフラニル、モルホリノ、アゼチジニルまたはオキセタニル)、ならびにO、NおよびS(例えば、NまたはO)から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、C1-4アルキル(例えば、-CH3)から選択される置換基で置換されていてもよい5または6員不飽和複素環基(例えば、5員不飽和複素環基)で置換されたC1-4アルキル(例えば、C1アルキル)から独立して選択される。
一実施形態において、R10は、ハロゲン(例えば、塩素)、シアノ、C1-4アルキル(例えば、-CH3、-CH(CH3)2または-CH2CH3)、ハロC1-4アルキル(例えば、-CHF2)、C1-4アルコキシル(例えば、-OCH3、-OCH2CH3または-OCH(CH3)2)、C1-4アルコキシC1-4アルケン(例えば、-CH2OCH3)、ジC1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH3)2)、またはOもしくはNから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含み、C1-4アルキルから選択される置換基によって置換されていてもよい(例えば、非置換である)4~6員の飽和複素環基(例えばモルホリニルまたはアゼチジニル)である。
一実施形態において、R10は、-C1-4アルキレン-C(=O)NH(2-q)(C1-6アルキル)q)から選択される-C0-4アルキレン-C(=O)NH(2-q)(C1-6アルキル)q)(例えば、-CH2-CH2-CO-N(CH3)2、-CH2-CO-N(CH3)2、-CH2-CO-NH(C(CH3)3)または-CH2-CO-NH(CH3)および-CO-N(CH3)2)である。
一実施形態において、R10は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、=O(オキソ)、およびC1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)から独立して選択され、例えば、R10は、C1-4アルキル(例えば-CH3)、ハロゲンまたはオキソから独立して選択される。
一実施形態において、R10は、=O(オキソ)、ヒドロキシおよびC1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)から独立して選択される。特に、R10は、=O(オキソ)、ヒドロキシおよび-CH3から独立して選択される。
特に、cは1であり、R10は、=O(オキソ)、ヒドロキシおよび-CH3から独立して選択される。
特に、cは1であり、R10は-CH3である。
一実施形態において、cは2であり、1つのR10は=O(オキソ)であり、1つのR10はC1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)である。
一実施形態において、R10は、C1-4アルキル(例えば、-CH3、-CH2CH3、または-CH(CH3)2)である。
一実施形態において、R10は、ハロゲン(例えば、塩素)、C1-4アルコキシ(例えば、-OCH3)、=O(オキソ)、C1-4アルキル(例えば、-CH3または-CH2CH3)、ヒドロキシC1-4アルキル(例えば、-CH2CH2OHまたは-CH2OH)、ジC1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH3)2)、C1-4アルコキシC1-4アルキレン(例えば、-CH2-O-CH3または-CH2-CH2-O-CH3)、およびOを含む4~6員の飽和複素環基(例えば、テトラヒドロフラン)から独立して選択され、cは0、1および2から選択される。
複素環および置換基R
10の上記の定義は、環の可能なすべての互変異性体を含むことが理解されるべきである。したがって、例えば、以下の化合物は、以下の互変異性体:
で存在することができ、両方が式(I)の範囲内に含まれる。
また、例えば、以下の化合物は、以下の互変異性体:
で存在することができ、両方が式(I)の範囲内に含まれる。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
例えば、
から選択され、あるいは、
例えば、
から選択される。
別の実施形態において、下記部分:
は、
例えば、
から選択され、あるいは、
例えば、
から選択される。
置換基の組合せ
一実施形態において、式(I)の化合物は、式(XV)の化合物:
[式中、
Q、R
2、R
3、R
4、R
5、R
10、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XV)の化合物は、式(XVI)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
10、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XVI)の化合物は、式(XVII)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
10、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XVI)の化合物は、式(XVII’)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
10、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XVII)の化合物は、式(XVIII)の化合物:
[式中、
R
4、R
5、R
10、cおよびAは、本明細書で定義したとおりであり、
dは、0、1または2(例えば、1)である。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XVII)の化合物は、式(XVIII’)の化合物:
[式中、
R
4、R
5、R
6、R
10、cおよびAは、本明細書で定義したとおりであり、
dは、0、1または2(例えば、1)である。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XVIII)の化合物は、式(XVIIIa)の化合物:
[式中、
R
4は、水素またはC
1-4アルキルであり、
R
5は、アミノまたはC
1-4アルキル(例えば、メチル)であって、アミノで置換されていてもよいC
1-4アルキルであり、
R
10は、=O(オキソ)、C
1-4アルキル(例えば、CH
3または-CH
2CH
3)、ヒドロキシC
1-4アルキル(例えば、-CH
2CH
2OHまたは-CH
2OH)またはジC
1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH
3)
2)であり、cは、0または1であり、dは、0、1、または2(例えば、1)であり、
下記部分:
は、
(i)表IのオプションA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、O、P、およびQ、特に、
例えば、
から選択される、あるいは、
(ii)表IIのオプションD、EおよびH、特に、
例えば、
から選択される。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XVIII’)の化合物は、式(XVIIIa’)の化合物:
[式中、
R
4は、水素またはC
1-4アルキルであり、
R
5は、アミノ、またはC
1-4アルキル(例えば、メチル)であって、アミノで置換されていてもよいC
1-4アルキルであり、
R
6は、ハロゲン(例えば、フッ素)またはヒドロキシであり、
R
10は、=O(オキソ)、C
1-4アルキル(例えば、CH
3または-CH
2CH
3)、ヒドロキシC
1-4アルキル(例えば、-CH
2CH
2OHまたは-CH
2OH)またはジC
1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH
3)
2)であり、cは、0または1であり、dは、0、1または2(例えば、1)であり、
下記部分:
は、
(i)表IのオプションA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、O、PおよびQ、特に
例えば、
から選択される、あるいは、
(ii)表IIのオプションD、EおよびH、特に
例えば
から選択される。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(I)の化合物は、式(XV
*)の化合物:
[式中、
Q、R
2、R
3、R
4、R
5、R
10、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XV
*)の化合物は、式(XVI
*)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
10、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XVI
*)の化合物は、式(XVII
*)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
10、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XVI
*)の化合物は、式(XVII’
*)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
10、cおよびAは、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XVII
*)の化合物は、式(XVIII
*)の化合物:
[式中、
R
4、R
5、R
10、cおよびAは、本明細書で定義したとおりであり、
dは、0、1または2(例えば、1)である。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XVII
*)の化合物は、式(XVIII’
*)の化合物
[式中、
R
4、R
5、R
6、R
10、cおよびAは、本明細書で定義したとおりであり、
dは、0、1または2(例えば、1)である。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
一実施形態において、式(XVIII’
*)の化合物は、式(XVIIIa’
*)の化合物:
[式中、
R
4は、水素またはC
1-4アルキルであり、
R
5は、アミノ、ヒドロキシまたはC
1-4アルキル(例えばメチル)であって、アミノで置換されていてもよいC
1-4アルキルであり、
R
6は、ハロゲン(例えば、フッ素)であり、
R
10は、ハロゲン(例えば、塩素)、シアノ、C
1-4アルキル(例えば、-CH
3、-CH(CH
3)
2または-CH
2CH
3)、オキソ、ハロC
1-4アルキル(例えば、-CHF
2)、C
1-4アルコキシル(例えば、-OCH
3、-OCH
2CH
3または-OCH(CH
3)
2)、ヒドロキシC
1-4アルキル(例えば、-CH
2CH
2OH)、C
1-4アルコキシC
1-4アルケン(例えば、-CH
2OCH
3)、ジC
1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH
3)
2)、またはOもしくはNから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含み、C
1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい(例えば、非置換である)4~6員の飽和複素環基(例えば、モルホリニルまたはアゼチジニル)であり、cは、0または1であり、
下記部分:
は、本明細書で定義したとおりである。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
式(XVIIIa’
*)の一実施形態において、下記部分:
は、
(i)表IのオプションA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、O、P、およびQ、特に、
例えば、
から選択される、あるいは、
(ii)表IIのオプションEおよびG、特に、
例えば、
から選択される。
一実施形態において、式(I)の化合物は、式(IIa)の化合物:
[式中、
Qは、CまたはNであり、
R
1は、CH
3または-CH
2OHであり、
R
2およびR
3は、
(i)水素である、あるいは、
(ii)一緒になって、2~3員のC
1-3アルキレン架橋基を形成する、
のいずれかであり、
R
4は、水素またはC
1-4アルキル(例えばメチル)であり、
R
5は、アミノであり、あるいは、
R
4およびR
5は、Q(Q=Cの場合)と一緒になって、4員の含窒素複素環を形成し、
(i)aは1であり、bは0であり、R
6はハロゲン(例えば、フッ素)またはヒドロキシである、あるいは
(ii)aは0であり、bは1であり、R
7はハロゲン(例えば、フッ素)またはヒドロキシである、
のいずれかであり、
R
8は、ハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)であり、
R
10は、ハロゲン(例えば、塩素)、シアノ、C
1-4アルキル(例えば-CH
3、-CH(CH
3)
2または-CH
2CH
3)、ハロC
1-4アルキル(例えば-CHF
2)、C
1-4アルコキシル(例えば、-OCH
3、-OCH
2CH
3または-OCH(CH
3)
2)、C
1-4アルコキシC
1-4アルケン(例えば、-CH
2OCH
3)、ジC
1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH
3)
2)、またはOもしくはNから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含み、C
1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい(例えば、非置換である)4~6員の飽和複素環基(例えばモルホリニルまたはアゼチジニル)であり、cは、0または1であり、dは、0、1または2(例えば、1)であり、
下記部分:
は、
(i)表IのオプションA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、O、P、およびQ、特に、
から選択される、あるいは、
(ii)表IIのオプションEおよびG、特に、
例えば、
から選択される。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
式(IIa)の化合物の一実施形態において、R1はCH3である。
一実施形態において、式(IIa)の化合物は、式(XVIIIa
*)の化合物:
[式中、
R
4は、水素またはC
1-4アルキル(例えば、メチル)であり、
R
5は、アミノであり、
R
6またはR
7は、ハロゲン(例えば、フッ素)であり、
R
8は、ハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)であり、
R
10は、ハロゲン(例えば、塩素)、シアノ、C
1-4アルキル(例えば-CH
3、-CH(CH
3)
2または-CH
2CH
3)、ハロC
1-4アルキル(例えば、-CHF
2)、C
1-4アルコキシル(例えば、-OCH
3、-OCH
2CH
3または-OCH(CH
3)
2)、C
1-4アルコキシC
1-4アルケン(例えば、-CH
2OCH
3)、ジC
1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH
3)
2)、またはOもしくはNから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含み、C
1-4アルキルから選択される置換基で置換されていてもよい(例えば、非置換である)4~6員の飽和複素環基(例えばモルホリニルまたはアゼチジニル)であり、
aは、0または1であり、
bは、0または1であり、
cは、0または1であり、
dは、0、1または2(例えば、1)であり、
下記部分:
は、
(i)表IのオプションA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、O、PおよびQ、特に、
例えば、
から選択され、あるいは、
(ii)表IIのオプションEおよびG、特に、
例えば、
から選択される。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩である。
特定のグループの化合物
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物:
[式中、
Xは、CHまたはNであり、
R
1は、水素、-CH
3または-CH
2OH、ただし、XがNの場合、R
1は-CH
3および-CH
2OHから選択され、
R
2およびR
3は、
(i)水素、または、
(ii)一緒になって形成する1~3員のアルキレン架橋基(例えば、-CH
2-または-CH
2-CH
2-)、
のいずれかであり、
Qは、CまたはNであり、
QがCの場合、
(i)R
4は、水素、アミノ、またはC
1-4アルキル(例えば、メチル)であって、アミノで置換されていてもよいC
1-4アルキル(例えば-CH
2NH
2)であり、R
5は、水素、アミノまたはC
1-4アルキル(例えば、メチル)であって、アミノまたはヒドロキシで置換されていてもよいC
1-4アルキルであり、ただし、R
4およびR
5の両方が、アミノおよびアミノで置換されたC
1-4アルキルから選択されてはならない、あるいは、
(ii)R
4およびR
5は、Qと一緒になって、4~6員の含窒素複素環(例えば、アゼチジン)を形成する、
のいずれかであり、
QがNの場合、
R
4は、存在せず、
R
5は、水素であり、
R
2およびR
3は、一緒になって1~3員のアルキレン架橋基(例えば、-CH
2-または-CH
2-CH
2-)を形成し、
R
6およびR
7は、ハロゲン(例えば、フッ素)およびヒドロキシから独立して選択され、aは、0、1および2から選択され、bは、0および1から選択され、ただし、QがNの場合、aおよびbは0であり、
環Aは、
(i)N、OおよびSから選択される一個の追加のヘテロ原子を含有してもよい5員の含窒素複素環(例えば、芳香族環または非芳香環)、または
(ii)Nである1個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員芳香族もしくは非芳香族含窒素複素環
のいずれかであり、
R
8は、ハロゲン(例えば、塩素またはフッ素、例えば、塩素)から選択され、
R
9は、水素であり、
R
10は、ハロゲン(例えば、塩素)、シアノ、シアノC
1-4アルキル(例えば、-CH
2-CN)、C
1-4アルコキシ(例えば、-OCH
3)、=O(オキソ)、ヒドロキシ、C
1-4アルキル(例えば、-CH
3または-CH
2CH
3)、ヒドロキシC
1-4アルキル(例えば、-CH
2CH
2OHまたは-CH
2OH)、ジC
1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH
3)
2)、C
1-4アルコキシC
1-4アルキレン(例えば、-CH
2-O-CH
3)、-C
1-4アルキレン-C(=O)NH
(2-q)(C
1-6アルキル)
q)、-C
1-4アルキレン-NHC(=O)C
1-6アルキル、O、NまたはSから選択される2または3個のヘテロ原子を含有し、C
1-4アルキルから選ばれる置換基で置換されていてもよい5または6員不飽和複素環基(例えば、5員不飽和複素環基)で置換されたC
1-4アルキル(例えば、C
1アルキル)、およびOを含む4~6員の飽和複素環基(例えば、テトラヒドロフラニルまたはオキセタニル)から独立して選択され、qは、0、1および2から選択され、かつ、cは、0、1、2および3から選択される。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物:
[式中、
Xは、CHまたはNであり、
R
1は、水素、-CH
3または-CH
2OHであり、ただし、XがNの場合、R
1は-CH
3および-CH
2OHから選択され、
R
2およびR
3は、
(i)水素である、あるいは、
(ii)一緒になって、1~3員のアルキレン架橋基(例えば、-CH
2-または-CH
2-CH
2-)を形成する、
のいずれかであり、
Qは、CまたはNであり、
QがCの場合、
(i)R
4は、水素、アミノ、またはC
1-4アルキル(例えば、メチル)であって、アミノで置換されていてもよいC
1-4アルキル(例えば、-CH
2NH
2)であり、R
5は、水素、アミノ、またはC
1-4アルキル(例えば、メチル)であって、アミノまたはヒドロキシで置換されていてもよいC
1-4アルキルであり、ただし、R
4およびR
5の両方が、アミノおよびアミノで置換されたC
1-4アルキルから選択されてはならない、あるいは、
(ii)R
4およびR
5は、Qと一緒になって、4~6員の含窒素複素環(例えば、アゼチジン)を形成する
のいずれかであり、
QがNの場合、
R
4は存在せず、R
5は水素であり、R
2およびR
3は、一緒になって、1~3員のアルキレン架橋基(例えば、-CH
2-または-CH
2-CH
2-)を形成し、
R
6およびR
7は、ハロゲン(例えば、フッ素)およびヒドロキシから独立して選択され、aは、0、1および2から選択され、bは、0および1から選択され、ただし、QがNの場合、aおよびbは0であり、
環Aは、
(i)N、OおよびSから選択される一個の追加のヘテロ原子を含有してもよい5員の含窒素複素環(例えば、芳香族環または非芳香環)、または
(ii)Nである1個の追加のヘテロ原子を含有してもよい6員の芳香族もしくは非芳香族含窒素複素環
のいずれかであり、
R
8は、ハロゲン(例えば、塩素またはフッ素、例えば、塩素)から選択され、
R
9は、水素であり、
R
10は、ハロゲン(例えば、塩素)、C
1-4アルコキシ(例えば、-OCH
3)、=O(オキソ)、ヒドロキシ、C
1-4アルキル(例えば、-CH
3または-CH
2CH
3)、ヒドロキシC
1-4アルキル(例えば、-CH
2CH
2OHまたは-CH
2OH)、ジC
1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH
3)
2)、C
1-4アルコキシC
1-4アルキレン(例えば、-CH
2-O-CH
3)およびOを含む4~6員の飽和複素環基(例えば、テトラヒドロフラニルまたはオキセタニル)から独立して選択され、かつ、cは、0、1および2から選択される。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物:
[式中、
Xは、CHまたはNであり、
R
1は、水素、-CH
3または-CH
2OH、ただし、XがNの場合、R
1は-CH
3および-CH
2OHから選択され、
R
2およびR
3は、
(i)水素である、あるいは、
(ii)一緒になって、1~3員のアルキレン架橋基(例えば、-CH
2-、-CH
2-CH
2-または-CH
2-CH
2-CH
2-)を形成する、
のいずれかであり、
Qは、CまたはNであり、
QがCの場合、
(i)R
4は、水素、アミノ、またはC
1-4アルキル(例えば、メチル)であって、アミノで置換されていてもよいC
1-4アルキル(例えば、-CH
2NH
2)であり、R
5は、水素、アミノ、ヒドロキシ、またはC
1-4アルキル(例えば、メチル)であって、アミノで置換されていてもよいC
1-4アルキル(例えば-CH
2NH
2)もしくはヒドロキシで置換されていてもよいC
1-4アルキル(例えば、-CH
2OH)であり、ただし、R
4とR
5の両方が、アミノおよびアミノで置換されたC
1-4アルキルから選択されてはならない、あるいは、
(ii)R
4およびR
5は、Qと一緒になって、4~5員の含窒素複素環(例えば、アゼチジニルまたはピロリジニル)を形成する、
のいずれかであり、
QがNの場合:
R
4は存在せず、R
5は水素であり、R
2およびR
3は、一緒になって、1~3員のアルキレン架橋基(例えば、-CH
2-または-CH
2-CH
2-)を形成し、
R
6およびR
7は、ハロゲン(例えば、フッ素)およびヒドロキシから独立して選択され、aは、0、1および2から選択され、bは、0および1から選択され、ただし、QがNの場合、aおよびbは0であり、
環Aは、
(i)N、OおよびSから選択される1個の追加のヘテロ原子を含有してもよい5員の含窒素複素環(例えば、芳香族環または非芳香環)、または
(iiNである1個の追加のヘテロ原子を含有してもよい)6員の芳香族もしくは非芳香族含窒素複素環
のいずれかであり、
R
8はハロゲン(例えば、塩素またはフッ素、例えば、塩素)およびC
1-4アルキル(例えば、-CH
3)から選択され、
R
9は、水素、ハロゲン(例えば、フッ素)およびC
1-4アルキル(例えば-CH
3)から選択され、
R
10は、ハロゲン(例えば、塩素または臭素)、シアノ、シアノC
1-4アルキル(例えば、-CH
2-CN)、C
1-4アルコキシ(例えば、-OCH
3、-OCH
2CH
3および-OCH(CH
3)
2)、=O(オキソ)、C
1-4アルキル(例えば、-CH
3、-CH
2CH
3および-CH(CH
3)
2)、ヒドロキシC
1-4アルキル(例えば、-CH
2OH、-CH
2CH
2OHまたは-CH
2C(CH
3)
2OH)、ハロC
1-4アルキル(例えば、-CHF
2)、ジC
1-4アルキルアミノ(例えば、-N(CH
3)
2)、C
1-4アルコキシC
1-4アルキレン(例えば、-CH
2-O-CH
3または-CH
2-CH
2-O-CH
3)、-C
0-4アルキレン-C(=O)NH
(2-q)(C
1-6アルキル)
q)(例えば、-CO-N(CH
3)
2、-CH
2-CH
2-CO-N(CH
3)
2、-CH
2-CO-N(CH
3)
2、-CH
2-CO-NH(C(CH
3)
3)または-CH
2-CO-NH(CH
3))、OまたはNを含有する4~6員の飽和複素環基(例えばテトラヒドロフラニル、モルホリニル、アゼチジニルまたはオキセタニル)、ならびに、O、N、およびS(例えば、NまたはO)から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有し、C
1-4アルキル(例えば、-CH
3)から選択される置換基で置換されていてもよい5または6員不飽和複素環基(例えば、5員不飽和複素環基)で置換されたC
1-4アルキル(例えば、C
1アルキル)から独立して選択され、qは、0、1および2から選択され、かつ、cは、0、1および2から選択される。]
またはその互変異性体または溶媒和物または薬学的に許容される塩を提供する。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
一実施形態において、下記部分:
は、
から選択される。
特定の化合物
一実施形態において、本発明は、実施例1~48のうちの1つである式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、実施例1~46のうちの1つである式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、実施例47または48のうちの1つである式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、実施例1~74のうちの1つである式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、実施例1~74のうちの1つである式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、実施例47~74のうちの1つである式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、実施例1~150のうちの1つである式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、実施例74~150のうちの1つである式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン;
endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン;および
6-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-5-クロロ-2-メチル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン
から選択される式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン;
endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン;
6-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-5-クロロ-2-メチル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン;および
(1R,2S,3S,5S)-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
から選択される式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン;
endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン;
6-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-5-クロロ-2-メチル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン;
(1R,2S,3S,5S)-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン;
{6-[(1R,2S,3S,5S)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル}メタノール;
{6-[(1S,2S,3S,5R)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル}メタノール;
(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(5-クロロ-3-メトキシキノキサリン-6-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン;
(6-{6-[(1R,2S,3S,5S)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-3-イル}-7-クロロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)メタノール;
{6-[(1R,2S,3S,5S)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-3-[3-(アゼチジン-1-イル)-5-クロロキノキサリン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル}メタノール;
{6-[(1R,2S,3S,5S)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-3-[7-クロロ-2-(メトキシメチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル}メタノール;および
(1S,2S,3S,5R)-8-[3-(7-クロロ-2-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
から選択される式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
である式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
である式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
6-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-5-クロロ-2-メチル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン
である式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
(1R,2S,3S,5S)-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
である式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
{6-[(1R,2S,3S,5S)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル}メタノール
である式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
{6-[(1S,2S,3S,5R)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル}メタノール
である式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(5-クロロ-3-メトキシキノキサリン-6-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
である式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
(6-{6-[(1R,2S,3S,5S)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-3-イル}-7-クロロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)メタノール
である式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
{6-[(1R,2S,3S,5S)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-3-[3-(アゼチジン-1-イル)-5-クロロキノキサリン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル}メタノール
である式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
{6-[(1R,2S,3S,5S)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-3-[7-クロロ-2-(メトキシメチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル}メタノール
である式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
一実施形態において、本発明は、以下の化合物:
(1S,2S,3S,5R)-8-[3-(7-クロロ-2-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
である式(I)の化合物、またはその互変異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
誤解を避けるために、1つの置換基のそれぞれの一般的および具体的な実施形態および実施例は、本明細書で定義される1つ以上、特にすべての他の置換基のそれぞれの一般的および具体的な各実施形態および実施例と組み合わせることができ、すべてのこのような実施形態は、この出願に含まれることが理解されるべきである。
塩、溶媒和物、互変異性体、異性体、N-オキシド、エステル、プロドラッグおよび同位体
式(I)の化合物、そのサブグループ(例えば、式(I)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIIb)、(XIIc)、(XIId)、(XIIe)、(XIII)、(XIIIa)、(XIIIb)、(XIIIc)、(XIV)、(XIVa)、(XIVb)、(XV)、(XV*)、(XVI)、(XVI*)、(XVII)、(XVII*)、(XVII’)、(XVII’*)、(XVIII)、(XVIII’)、(XVIIIa)、(XVIIIa’)、(XVIII*)、(XVIII’*)、(XVIIIa*)および(XVIIIa’*))ならびに任意の実施例への言及には、そのイオン形態、塩、溶媒和物、異性体(指定のない限り、幾何異性体および立体化学異性体を含む)、互変異性体、N-オキシド、エステル、プロドラッグ、同位体、および保護形態も含まれ、例えば、以下で議論するようであり;特に、その塩または互変異性体または異性体またはN-オキシドまたは溶媒和物;より具体的には、その塩または互変異性体またはN-オキシドまたは溶媒和物も含まれる。一実施形態において、式(I)の化合物、そのサブグループ(例えば、式(I)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIIb)、(XIIc)、(XIId)、(XIIe)、(XIII)、(XIIIa)、(XIIIb)、(XIIIc)、(XIV)、(XIVa)、(XIVb)、(XV)、(XV*)、(XVI)、(XVI*)、(XVII)、(XVII*)、(XVII’)、(XVII’*)、(XVIII)、(XVIII’)、(XVIIIa)、(XVIIIa’)、(XVIII*)、(XVIII’*)、(XVIIIa*)および(XVIIIa’*))ならびに任意の実施例への言及は、その塩または互変異性体または溶媒和物も含む。
塩
式(I)の多くの化合物は、塩、例えば、酸付加塩、またはある特定の場合、有機および無機塩基の塩、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩およびリン酸塩の形態で存在することができる。このような塩は、全て本発明の範囲内であり、式(I)の化合物についての言及は、化合物の塩形態を含む。
本発明の塩は、従来の化学的方法、例えば、Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,P.Heinrich Stahl(Editor),Camille G.Wermuth(Editor),ISBN:3-90639-026-8,Hardcover,388pages,August 2002に記載されている方法により、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態と、適切な塩基または酸とを、水中もしくは有機溶媒中、またはこれら2つの混合物中で、反応させることにより調製することができる。一般に、非水媒体、例えば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルが使用される。
酸付加塩(モノ-またはジ-塩)は、多種多様の、無機および有機両方の酸で形成されてもよい。酸付加塩の例としては、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えば、L-アスコルビン酸)、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)カンファー酸、カンファー-スルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、グルクロン酸(例えば、D-グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L-グルタミン酸)、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、ハロゲン化水素酸(例えば、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸)、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)-L-乳酸、(±)-DL-乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸および吉草酸、ならびにアシル化アミノ酸およびカチオン交換樹脂から選択される酸と形成したモノ-またはジ-塩が挙げられる。
塩の1つの特定の群は、酢酸、塩酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸(メシラート)、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、吉草酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、マロン酸、グルクロン酸およびラクトビオン酸から形成される塩からなる。1つの特定の塩は、塩酸塩である。
一実施形態において、化合物はナトリウムまたはメシル酸塩である。
化合物が、アニオン性である、あるいは、アニオン性であり得る官能基(例えば、-COOHは-COO-であり得る)を有する場合、好適なカチオンを生成する有機または無機塩基で塩を形成してもよい。好適な無機カチオンの例としては、アルカリ金属イオン(例えば、Li+、Na+およびK+)、アルカリ土類金属カチオン(例えば、Ca2+およびMg2+)およびその他のカチオン(例えば、Al3+またはZn+)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な有機カチオンの例としては、アンモニウムイオン(すなわち、NH4
+)および置換アンモニウムイオン(例えば、NH3R+、NH2R2
+、NHR3
+、NR4
+)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの好適な置換アンモニウムイオンの例としては、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミンおよびトロメタミン、ならびにアミノ酸(例えば、リシンおよびアルギニン)に由来するものである。一般的な第4級アンモニウムイオンの一例は、N(CH3)4
+である。
式(I)の化合物がアミン官能基を含有する場合、これらは、例えば、当業者に周知の方法に従ってアルキル化剤と反応させることによって第4級アンモニウム塩を形成してもよい。このような第4級アンモニウム化合物は、式(I)の範囲内である。
本発明の化合物は、そこから塩が形成される酸のpKaに応じて、モノ-またはジ-塩として存在してもよい。
本発明の化合物の塩形態は、典型的には、薬学的に許容可能な塩であり、薬学的に許容可能な塩の例は、Berge et al.,1977,“Pharmaceutically Acceptable Salts,”J.Pharm.Sci.,Vol.66,pp.1-19で論じられている。しかしながら、薬学的に許容可能でない塩もまた、そのすぐ後で薬学的に許容可能な塩に変換され得る中間体形態として、調製されてもよい。例えば、本発明の化合物の精製または分離において有用であり得る、このような薬学的に許容可能でない塩形態もまた、本発明の一部を形成する。
本発明の一実施形態では、式(I)およびサブグループ、ならびに本明細書に記載されるこれらの実施例の化合物を、10mg/mL超、典型的には15mg/mL超、特に20mg/mL超の濃度で、塩の形態で含有する溶液(例えば、水溶液)を含む医薬組成物が提供される。
N-オキシド
アミン官能基を含有する式(I)の化合物はまた、N-オキシドを形成してもよい。アミン官能基を含有する式(I)の化合物についての本明細書での言及はまた、N-オキシドを含む。
化合物が、いくつかのアミン官能基を含有する場合、1個以上の窒素原子が酸化されて、N-オキシドを形成してもよい。N-オキシドの特定例は、第3級アミンのN-オキシドまたは含窒素複素環基の窒素原子のN-オキシドである。
N-オキシドは、例えば、Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,Wiley Interscience,pagesを参照して、酸化剤、例えば、過酸化水素または過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)で対応するアミンを処理することにより形成することができる。より詳細には、N-オキシドは、アミン化合物をm-クロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)と、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で反応させる、L.W.Deady(Syn.Comm.1977,7,509-514)の手順によって製造することができる。
本発明の一実施形態において、化合物は、例えばR6またはR7基の窒素原子からのN-オキシド、例えば、ピリジンN-オキシドである。
幾何異性体および互変異性体
式(I)の化合物は、多数の異なる幾何異性体および互変異性体の形態が存在してもよく、式(I)の化合物についての言及は、このような形態を全て含む。誤解を避けるために、化合物はいくつかの幾何異性体または互変異性体の形態のうちの1つで存在することができ、1つのみが具体的に説明または図示されている場合、それでもやはり、その他のもの全てが式(I)に包含される。
例えば、あるヘテロアリール環は、2つの互変異性体の形態、例えば、以下に示すAおよびB:
で存在し得る。簡略化のために、式は1つの形態を示しているかもしれないが、式は両方の互変異性体形態を包含すると解釈されるべきである。
互変異性体形態のその他の例としては、例えば、以下の互変異性体ペア:ケト/エノール(以下に示す)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/エンジアミン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、およびニトロ/aci-ニトロにおける様な、例えば、ケト-、エノール-、およびエノレート形態が挙げられる。
立体異性体
別途記載または指示がない限り、化合物の化学的表記は、全て立体化学的に可能な異性体形態を意味する。
立体中心は、「破線」または「実線」のくさび形の線を使用して、通常の方法で示される。例えば
化合物が2つのジアステレオマー/エピマーの混合物として記載されている場合、立体中心の配置は指定されず、直線で表される。
式(I)の化合物が、1つまたは複数のキラル中心を含有し、2つまたはそれ以上の光学異性体の形態で存在することができる場合には、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、式(I)の化合物についての言及は、これらの全ての光学異性体形態(例えば、エナンチオマー、エピマー、およびジアステレオマー)を、個々の光学異性体もしくは2つ以上の光学異性体の混合物(例えば、ラセミ体およびスカレミック混合物)のいずれかとして含む。
光学異性体は、光学活性により特徴付けられ、ならびに識別されてもよく(すなわち、+および-異性体、またはdおよびl異性体のように)、これらはCahn,Ingold and Prelogにより展開された命名法「RおよびS」を使用して、その絶対立体化学を基準にして特徴付けてもよい。Advanced Organic Chemistry by Jerry March,4th Edition,John Wiley & Sons,New York,1992,pages109-114,およびまた、Cahn,Ingold & Prelog,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1966,5,385-415を参照。
光学異性体は、キラルクロマトグラフィー(キラル担体上のクロマトグラフィー)を含む多数の技術によって分離することができ、このような技術は当業者に周知である。
キラルクロマトグラフィーに代えて、光学異性体は、キラル酸、例えば、(+)-酒石酸、(-)-ピログルタミン酸、(-)-ジ-トルオイル-L-酒石酸、(+)-マンデル酸、(-)-リンゴ酸および(-)-カンファースルホン酸とのジアステレオマー塩を形成し、優先晶出によりジアステレオマーを分離して、次いで、塩を解離させて、遊離塩基の別個のエナンチオマーを得ることによって分離することができる。
さらに、エナンチオマーの分離は、化合物上の鏡像異性的に純粋なキラル補助基と共有結合させて、次いで、従来の方法、例えば、クロマトグラフィーを使用してジアステレオマーの分離を行うことにより達成することができる。次いで、これに続いて上述の共有結合を開裂させて、適切な鏡像異性的に純粋な生成物を生成する。
式(I)の化合物が、2種以上の光学異性体形態として存在する場合、一対のエナンチオマーにおける1種のエナンチオマーは、例えば、生物活性の観点から、もう一種のエナンチオマーに優る利点を示す場合がある。したがって、ある状況では、一対のエナンチオマーのうちの1種のみ、または複数のジアステレオマーのうちの1種のみを治療薬として使用することが望ましい場合がある。
したがって、本発明は、1以上のキラル中心を有し、式(I)の化合物の少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%)が、単一の光学異性体(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマー)として存在する、式(I)の化合物を含有する組成物を提供する。一般的な一実施形態において、式(I)の化合物の総量の99%以上(例えば、実質的に全部)は、単一の光学異性体(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオマー)として存在してもよい。
二重結合を含む化合物は、上記二重結合についてE(反対側)またはZ(同じ側)の立体化学を有することができる。二価の環式または(部分的に)飽和したラジカル上の置換基は、cis-またはtrans-配置のいずれかを有してもよい。本明細書で使用する場合、用語「cis」および「trans」は、ケミカルアブストラクト命名法(J.Org.Chem.1970,35(9),2849-2867)に従うものであり、環部分上の置換基の位置を意味する。
特に興味があるのは、立体化学的に純粋である、式(I)の化合物である。式(I)の化合物が、例えば、Rとして示される場合、これは、化合物が実質的にS異性体を含まないことを意味する。式(I)の化合物が、例えば、Eとして示される場合、これは、化合物が実質的にZ異性体を含まないことを意味する。用語「cis」、「trans」、「R」、「S」、「E」および「Z」は、当業者には周知である。
同位体変形形態
本発明は、全ての薬学的に許容可能な、本発明の同位体標識化合物、すなわち、1個以上の原子が、同一の原子数を有するが、通常天然に見出される原子量または質量数とは異なる原子量または質量数を有する原子によって置換されている、式(I)の化合物を含む。
本発明の化合物に含まれるのに好適な同位体の例は、水素(例えば、2H(D)および3H(T))、炭素(例えば、11C、13Cおよび14C)、塩素(例えば、36Cl)、フッ素(例えば、18F)、ヨウ素(例えば、123I、125Iおよび131I)、窒素(例えば、13Nおよび15N)、酸素(例えば、15O、17Oおよび18O)、リン(例えば、32P)および硫黄(例えば、35S)の同位体を含む。
式(I)のある特定の同位体標識化合物、例えば、放射性同位体を組み込んだものが、薬物および/または基質の組織分布の研究において有用である。式(I)の化合物はまた、標識化合物と、その他の分子、ペプチド、タンパク質、酵素または受容体との間の複合体の形成を検出または同定するのに使用可能であるという点で、価値の高い診断特性を有し得る。検出または同定の方法は、標識剤、例えば、放射性同位体、酵素、蛍光物質、発光物質(例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、エクオリンおよびルシフェラーゼ)などを用いて標識される化合物を使用することができる。放射性同位体トリチウム(すなわち、3H(T))および炭素-14(すなわち、14C)が、それらの取り込みの容易さおよび迅速な検出手段という観点から、この目的において特に有用である。
重質同位体(例えば、重水素(すなわち、2H(D)))による置換を行うと、代謝安定性がより高くなることに起因する特定の治療的利点、例えば、in vivo半減期の延長または必要な投薬量の減少が得られる場合があり、したがって、いくつかの状況では用いられる場合がある。
特に、本出願における水素についての言及は、水素が明白に定義される、あるいは、水素が、関連原子の(特に炭素の)原子価を満たすために暗に存在している、のいずれかにかかわらず、1Hおよび2Hをカバーすると解釈されなければならない。
陽電子放出同位体、例えば、11C、18F、15Oおよび13Nによる置換は、標的占有率を調べるための陽電子放出断層撮影(PET)研究において有用であり得る。
式(I)の同位体標識化合物は、一般に、当業者に公知の従来技術により、または先に使用した標識されていない試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して添付の実施例および調製に記載されるものと類似の方法により調製できる。
エステル
カルボン酸基またはヒドロキシ基を有する式(I)の化合物のエステル(例えば、カルボン酸エステル、アシルオキシエステルおよびリン酸エステル)もまた、式(I)に包含される。エステルの例は、基-C(=O)OR(Rはエステル置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-12複素環基またはC5-12アリール基、特に、C1-6アルキル基である)を含有する化合物である。エステル基の特定例としては、-C(=O)OCH3、-C(=O)OCH2CH3、-C(=O)OC(CH3)3および-C(=O)OPhが挙げられるが、これらに限定されない。アシルオキシ(逆エステル(reverse ester))基の例は、-OC(=O)R(Rはアシルオキシ置換基、例えば、C1-6アルキル基、C3-12複素環基またはC5-12アリール基、特に、C1-6アルキル基である)によって表される。アシルオキシ基の特定例として、-OC(=O)CH3(アセトキシ)、-OC(=O)CH2CH3、-OC(=O)C(CH3)3、-OC(=O)Phおよび-OC(=O)CH2Phが挙げられるが、これらに限定されない。リン酸エステルの例は、リン酸から誘導されたものである。
本発明の一実施形態において、式(I)は、カルボン酸基またはヒドロキシ基を有する式(I)の化合物のエステルをその範囲内に含む。本発明の別の実施形態において、式(I)は、カルボン酸基またはヒドロキシ基を有する式(I)の化合物のエステルをその範囲内に含まない。
溶媒和物と結晶形
また、化合物のいかなる多形形態(polymorphic forms)および溶媒和物(例えば、水和物、アルコラートなど)が、式(I)に包含される。
本発明の化合物は、例えば、水(すなわち、水和物)または一般の有機溶媒と共に溶媒和物を形成してもよい。ここで用いられる用語「溶媒和物」は、本発明の化合物の、1個以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含む、種々の程度のイオン結合および共有結合を含む。ある例では、溶媒和物は、例えば、1個以上の溶媒分子が結晶固形物の結晶格子内に組み込まれた場合、単離することができる。用語「溶媒和物」は、溶液相および分離可能溶媒和物の両方を包含することを意図している。好適な溶媒和物の非限定的な例としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸またはエタノールアミンなどと組み合わされた、本発明の化合物が挙げられる。本発明の化合物は、溶液中にある間にその生物学的効果を発揮し得る。
溶媒和物は、医薬品化学で周知である。それらは、物質の調製のためのプロセス(例えば、それらの精製に関して)、物質の貯蔵(例えば、その安定性)および物質の取扱いの容易さにとって重要であり得、多くの場合、化学合成の単離または精製段階の一部として形成される。当業者は、標準的かつ長い間使用されている技術を用いて、水和物またはその他の溶媒和物が、所与の化合物を調製するために使用される単離条件または精製条件によって形成されたか否かを判断することができる。このような技術の例として、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量計測(DSC)、X線結晶構造解析(例えば、単結晶X線結晶構造解析または粉末X線回折)および固体NMR(マジックアングルスピニングNMR、またはMAS-NMRとしても知られているSS-NMR)が挙げられる。このような技術は、NMR、IR、HPLCおよびMSと同様に、熟練化学者の標準分析ツールキットの一部である。
あるいは、当業者は、特定の溶媒和物に必要とされる溶媒の量を含む結晶化条件を用いて、意図的に溶媒和物を形成することができる。次いで、本明細書に記載される標準的な方法を使用して、溶媒和物が形成されたかどうか確認することができる。
さらに、本発明の化合物は、1個以上の多形体または非晶質結晶形を有してもよく、そのようなものとしてこれらが本発明の範囲に含まれることを意図している。
複合体
式(I)は、化合物の複合体(例えば、化合物(例えば、シクロデキストリン)との包接複合体もしくは包接化合物、または金属との錯体)をその範囲内にさらに含む。当業者に周知の方法により、包接複合体、包接化合物および金属錯体を形成することができる。
プロドラッグ
また、式(I)の化合物の任意のプロドラッグが、式(I)に包含される。「プロドラッグ」とは、例えば、in vivoで式(I)の生物学的に活性な化合物に変換される、任意の化合物を意味する。
例えば、いくつかのプロドラッグは、活性化合物のエステル(例えば、生理学的に許容可能な代謝的に不安定なエステル)である。代謝時に、エステル基(-C(=O)OR)が開裂して、活性薬物を得る。このようなエステルは、例えば、親化合物中の任意のカルボン酸基(-C(=O)OH)のエステル化により、適切な場合には、親化合物中に存在する任意のその他の反応性基を事前に保護した後、必要な場合に脱保護することとともに、形成されてもよい。
このような代謝的に不安定なエステルの例として、式-C(=O)ORのものが挙げられ、Rは、C1-7アルキル(例えば、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-sBu、-iBu、-tBu)、C1-7アミノアルキル(例えば、アミノエチル、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル、2-(4-モルホリノ)エチル)、アシルオキシ-C1-7アルキル(例えば、アシルオキシメチル、アシルオキシエチル、ピバロイルオキシメチル、アセトキシメチル、1-アセトキシエチル、1-(1-メトキシ-1-メチル)エチル-カルボニルオキシエチル、1-(ベンゾイルオキシ)エチル、イソプロポキシ-カルボニルオキシメチル、1-イソプロポキシ-カルボニルオキシエチル、シクロヘキシル-カルボニルオキシメチル、1-シクロヘキシル-カルボニルオキシエチル、シクロヘキシルオキシ-カルボニルオキシメチル、1-シクロヘキシルオキシ-カルボニルオキシエチル、(4-オキサニルオキシ)カルボニルオキシメチル、1-(4-オキサニルオキシ)カルボニルオキシエチル、(4-オキサニル)カルボニルオキシメチル、および1-(4-テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチル)。
また、いくつかのプロドラッグは、酵素的に活性化されて活性化合物を得る、あるいは、化合物のさらなる化学反応で、活性化合物(例えば、抗原-指向性酵素プロドラッグ治療(ADEPT)、遺伝子-指向性酵素プロドラッグ治療(GDEPT)、およびリガンド-指向性酵素プロドラッグ治療(LIDEPT)など)を得る。例えば、プロドラッグは、糖誘導体またはその他のグリコシド結合体であってもよく、またはアミノ酸エステル誘導体であってもよい。一実施形態において、式(I)は、その範囲内に式(I)の化合物のプロドラッグを含まない。
式(I)の化合物の調製方法
本セクションにおいて、本出願のその他の全てのセクションにおけるように、文脈がそれ以外であることを示さない限り、式(I)への言及は、他のすべての下位式(例えば、式(I)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIIa)、(XIIb)、(XIIc)、(XIId)、(XIIe)、(XIII)、(XIIIa)、(XIIIb)、(XIIIc)、(XIV)、(XIVa)、(XIVb)、(XV)、(XV*)、(XVI)、(XVI*)、(XVII)、(XVII*)、(XVII’)、(XVII’*)、(XVIII)、(XVIII’)、(XVIIIa)、(XVIIIa’)、(XVIII*)、(XVIII’*)、(XVIIIa*)および(XVIIIa’*))ならびに本明細書で定義されたその実施例も含む。
当業者に周知の合成法に従って、式(I)の化合物を調製することができる。
本発明のさらなる態様によれば、式(I)の化合物、またはその互変異性体、立体異性体、N-オキシド、薬学的に許容される塩、もしくは溶媒和物を調製する方法であって、
前記方法は、
(a)式(A)の化合物:
[式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Q、X、a、bは、式(I)の化合物について上記で定義したとおりであり、
Pは、保護基(例えば、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)を表すか、または水素であり、
Zは、金属残基(例えば、ハロゲン化亜鉛、例えば、塩化亜鉛)または脱離基(例えば、ハロゲン、例えば、ヨウ素または臭素)である。]
またはその保護誘導体を、式(B)の化合物:
[式中、
R8、R9、R10、A、cは、式(I)の化合物について上記で定義したとおりであり、
Vは、金属またはメタロイド残基(例えば、ボロン酸、ボロン酸ピナコール、ハロゲン化マグネシウムまたはハロゲン化亜鉛、例えば、ボロン酸、ボロン酸ピナコール)または脱離基(例えば、ハロゲン)を表す。]
またはその保護体とカップリングさせ、次いで、保護基を除去するのに適した脱保護反応を実施する工程、
(b)式(C)の化合物:
[式中、
R8、R9、R10、A、cは、式(I)の化合物について上記で定義したとおりであり、
Xは、CHであり、
Pは、保護基(例えば、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)を表すか、または水素であり、
Lは、脱離基(例えば、塩化物)である。]
またはその保護誘導体を、式(D)の化合物:
[式中、
R2、R3、R4、R5、R6、R7、Q、a、bは、式(I)の化合物について上記で定義したとおりである。]
またはその保護誘導体とカップリングさせる工程、
(c)式(K)の化合物:
[式中、
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、Q、a、bおよびcは、式(I)の化合物について上記で定義したとおりであり、
Pは、アミン保護基(例えば、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)、N,N-ジメチルスルファモイルまたは水素を表し、
L3は、脱離基(例えば、ハロゲン、例えば、臭素)である。]
またはその保護誘導体を、
(i)金属触媒(例えば、(1,3-ジイソプロピルイミダゾール-2-イリデン)(3-クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド)の存在下で、式CH3M(式中、Mは金属である。)の有機金属種(例えば、CH3-Zn-Hal、ここで、Halはハロゲンであり、例えば、塩化物、臭化物またはヨウ化物である。)と反応させて、R1が-CH3である式(I)の化合物を得る工程、または
(ii)光酸化還元触媒(例えば、[Ir{dFCF3ppy}2(bpy)]PF6)、金属触媒(例えば、塩化ニッケル(II)エチレングリコールジメチルエーテル錯体)、リガンド(例えば、4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ジピリジル)、塩基(例えば、リン酸二カリウム)、および光源(例えば、青色LED)の存在下で、ボロン酸アルキル(例えば、カリウム(2-トリメチルシリル)-エトキシメチルトリフルオロボレート)と反応させて、R1が-CH2OHである式(I)の化合物を得る工程のいずれかの工程、
(d)式(R)の化合物:
[式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、Q、a、b、c、Aは、式(I)の化合物について上記で定義したとおりであり、
L1は、適切な脱離基(例えば、ハロゲン)を表す。]
またはその保護誘導体を、ヒドラジンまたはヒドラジン保護誘導体を使用して環化する工程、
を含み、
いずれの場合も、引き続き必要に応じて脱保護工程を含んでいてもよく、あるいは
前記方法は、(e)式(I)の化合物の保護誘導体を脱保護する工程を含み、あるいは
前記方法は、(f)式(I)の化合物またはその保護誘導体を、式(I)のさらなる化合物またはその保護誘導体へ相互変換する工程を含み、あるいは
前記方法は、(g)必要により、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩を形成する工程を含んでもよい、前記方法を提供する。
調製方法(a)、(b)、(c)および(d)
式(B)の化合物は市販されているか、または、実施例に記載されている方法と同様の方法を使用して調製され、例えば、Vがボロネート残基である式(B)の化合物は、一般手順3のようにワンポット手順で直接使用されるか、または、表2にリストされているボロネートに類似した方法で単離され、一般手順2のように反応に直接使用される(表2)。
工程(a)は、一般に、適切な溶媒、適切な塩基および適切な触媒中で、適切な温度で、式(A)の化合物を式(B)の化合物と反応させることを含む。適切な塩基の例は、炭酸カリウムまたはリン酸カリウムである。適切な触媒の例は、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム(II)である。適切な溶媒の例は、1,2-ジメトキシエタンまたはテトラヒドロフランである。
Zが金属残基、例えば、ハロゲン化亜鉛である場合、この工程は、一般に、式(A)の化合物を、Vが脱離基、例えば、ハロゲンである式(B)の化合物と反応させることを含む。一般に、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)に溶解した、Zが脱離基(例えば、ハロゲン)である式(A)の化合物を、試薬(例えば、イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体溶液)で、適切な時間(例えば、35分)処理して、完全にメタレーションを行う。新たに形成された有機マグネシウム種を適切な金属塩(例えば、塩化亜鉛)で処理してトランスメタル化を行い、必要に応じて適切な時間(例えば、10分)撹拌してから、時間(例えば、40分)をかけて、適切な温度(例えば、室温)まで温める。得られたヘテロアリール亜鉛試薬は、適切な触媒(例えば、メタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(SPhos G4 パラダサイクル))を使用して、適切な温度(例えば、室温)で、適切な時間(例えば、18時間)、式(B)とのクロスカップリング反応に直接使用される。
式(D)の化合物またはその保護誘導体は、市販の出発物質から得られる、あるいは、文献の手順から調製される、あるいは、本出願で概説される実施例内に示される方法、または類似の方法を使用して調製される。
工程(a)と類似の方法を使用して、式(C)の化合物またはその保護誘導体、特に、R
1が水素であり、XがCHであるものは、式(E)の化合物:
[式中、
Xは、式(I)の化合物について先に定義したとおりであり、
Pは、適切なアミン保護基(例えば、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)または水素であり、
L
1およびL
2は、独立して脱離基(例えば、ハロゲン化物、例えば、塩素、臭素またはヨウ素)を表す。]
を、式(B)の化合物またはその保護された誘導体と反応させることにより得ることができる。
式(E)の化合物は、市販の出発物質から得られる、あるいは、文献の手順から調製される、あるいは、本特許で概説される実施例内に示される方法または類似の方法を使用して調製される。
式(A)の化合物またはその保護された誘導体は、適切な塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)を使用して、R1がHである式(E)の化合物を、適切な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシドまたはN-メチル-2-ピロリジノン)中で、式(D)の化合物またはその保護された誘導体と、適切な温度(例えば、150℃)で反応させることにより得ることができる。
式(A)の化合物またはその保護された誘導体は、XがCHまたはその保護された誘導体である式(F)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、Q、X、a、bは、式(I)の化合物について先に定義したとおりであり、
Pは、適切なアミン保護基(例えば、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)または水素である。]
から適切な脱離基(例えば、ハロゲン)Zを導入し(例えば、適切なハロゲン化試薬(例えば、N-ヨードスクシンイミド)を使用し)、次いで、オプションの保護工程においてアミン保護基P(例えば、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)を導入することによって、得ることができる。
式(A)の化合物(特にR
1がメチルまたはCH
2OHである)、またはその保護誘導体は、式(X’)の化合物:
[式中、
R
1は、メチルまたはCH
2OHのいずれかであり、
Pは、保護基(例えば、2-テトラヒドロピラン;THPまたは2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)または水素であり、
L
1およびL
2は、独立して脱離基(例えば、ハロゲン化物、例えば、塩素、臭素またはヨウ素)を表す。]
またはその保護誘導体を、式(D)の化合物またはその保護誘導体と反応させることにより得ることができる。
式(X’)の化合物(特にR
1がCH
2OHである)またはその保護された誘導体は、式(Y)の化合物:
[式中、
Pは、保護基(例えば、2-テトラヒドロピラン;THPまたは2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)または水素であり、
L
1およびL
2は、独立して脱離基(例えば、ハロゲン化物、例えば塩素、臭素、ヨウ素)を表す。]
またはその保護された誘導体を、溶媒(例えば、DMSO)中において、光酸化還元触媒(例えば、2,4,5,6-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)イソフタロニトリル)、過酸化物試薬(例えば、過酢酸tert-ブチル溶液)、酸(例えば、TFA)および光源(例えば、青色LED)の存在下で、メタノールと反応させることにより得ることができる。あるいは、溶媒(例えば、DMSOまたは水)中において、金属塩(例えば、硝酸銀(II))、過酸化物試薬(例えば、過硫酸アンモニウム)、酸(例えば、TFA)および熱源(30~150℃)の存在下で過剰のアルコール(例えば、メタノール)と反応を行うことができる。
あるいは、式(X’)の化合物またはその保護された誘導体は、式(W’)の化合物:
[式中、
Pは、保護基(例えば、2-テトラヒドロピラン;THPまたは2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)または水素であり、
L
1は、脱離基(例えば、ハロゲン、例えば、ヨウ素または臭素)である。]
またはその保護された誘導体を、適切なハロゲン化剤(例えば、N-ブロモスクシンイミドまたはN-ヨードスクシンイミド)と反応させて、脱離基(例えば、ハロゲン、例えば、臭素またはヨウ素)を導入することにより得ることができる。
式(W’)の化合物(特にR
1がメチルである)またはその保護された誘導体は、式(Y’)の化合物:
[式中、
Pは、保護基(例えば、2-テトラヒドロピラン;THPまたは2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)または水素を表し、
L
1は、脱離基(例えば、ハロゲン、例えば、ヨウ素または臭素)である。]
またはその保護された誘導体を、有機金属残基(例えば、有機マグネシウム種、例えば、メチルマグネシウムクロリド)と反応させることにより得ることができる。
式(Y’)の化合物またはその保護された誘導体は、式(Z)の化合物:
[式中、
Xは、Nであり、
Pは、保護基(例えば、2-テトラヒドロピラン;THPまたは2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)または水素であり、
L
1は、脱離基(例えば、ハロゲン、例えば、ヨウ素または臭素)である。]
またはその保護された誘導体を、酸化剤(例えば、過酸化物試薬、例えば、トリフルオロ過酢酸)と反応させることにより得ることができる。
式(F)の化合物(X=CHである)またはその保護された誘導体は、適切な酸(例えば、TFA)を使用して、式(G)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、Q、a、bは、式(I)の化合物について先に定義したとおりである。]
またはその保護された誘導体を反応させて、アルコキシビニルエーテルおよびアミンの分子内環化を実施することにより得られる。このような条件下では、1以上の保護基が除去される場合もあり、したがって、環化工程の後に、引き続き、必要に応じて、例えば、二炭酸ジ-tert-ブチルを用いて再保護工程を行い、N-Boc誘導体を得ることができる。
式(G)の化合物またはその保護された誘導体は、式(H)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、Q、aおよびbは、式(I)の化合物について上記で定義したとおりであり、
Zは、脱離基(例えば、ハロゲン)である。]
またはその保護誘導体を、金属触媒作用(例えば、酢酸パラジウムと、適切な配位子(例えば、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル、すなわち、Sphos)と、塩基(例えば、リン酸カリウム)とを使用して)によって、アルコキシビニル誘導体(例えば、(E)-1-エトキシエテン-2-ボロン酸ピナコールエステル)と反応させることにより得ることができる。反応は、適切な溶媒(例えば、アセトニトリルおよび水)または溶媒の組合せ中において、適切な温度(例えば、70℃)で起こり得る。
式(H)の化合物またはその保護誘導体は、適切な溶媒(例えば、N-メチル-2-ピロリドン)中において、適切な塩基(例えば、N、N-ジイソプロピルエチルアミン)を使用し、適切な温度(例えば、120℃)で、式(J)の化合物:
[式中、
Zは、脱離基(例えば、ハロゲン)であり、
Vは、脱離基(例えば、ハロゲン)である。]
を、式(D)の化合物またはその保護誘導体と反応させることにより得ることができる。
式(K)の化合物またはその保護誘導体は、(a)に概説されているような手順を用いて、式(L)の化合物:
[式中、
R
4、R
5、R
6、R
7、Q、X、a、bは、式(I)の化合物について先に定義したとおりであり、
Pは、アミン保護基(例えば、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)、N、N-ジメチルスルファモイルまたは水素を表し、
L
2は、脱離基(例えば、ハロゲン、例えば、ヨウ化物)であり、
L
3は、脱離基(例えば、ハロゲン、例えば、臭化物)である。]
またはその保護誘導体を、式(B)の化合物と反応させることにより得ることができる。
式(L)の化合物、またはその保護誘導体は、(b)に概説されているような手順を用いて、式(M)の化合物:
[式中、
Xは、式(I)の化合物について先に定義したとおりであり、
Pは、適切な保護基(例えば、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)またはN、N-ジメチルスルファモイル)を表し、
L
1は、脱離基(例えば、塩化物)であり、
L
2は、脱離基(例えば、ヨウ化物)であり、
L
3は、脱離基(例えば、臭化物)である。]
を、式(D)の化合物と反応させることにより得ることができる。
式(M)の化合物またはその保護誘導体は、市販の出発物質から得られる、あるいは、文献の手順から調製される、あるいは、本特許で概説される実施例内に示される方法または類似の方法を使用して調製される。
あるいは、式(L)の化合物またはその保護誘導体は、式(N)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、Q、X、a、bは、式(I)の化合物について先に定義したとおりであり、
Pは、アミン保護基(例えば、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル;SEM)または水素である。]
またはその保護誘導体を、適切なハロゲン化剤(例えば、N-ブロモスクシンイミドまたはN-ヨードスクシンイミド)と反応させて、脱離基(例えば、ハロゲン、例えば、臭素またはヨウ素)を導入することにより得ることができる。
式(N)の化合物またはその保護誘導体は、式(O)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、Q、X、a、bは、式(I)の化合物について先に定義したとおりである。]
またはその保護誘導体を、保護基を導入するための適切な条件下で、脱離基(例えば、ハロゲン)を導入するための適切なハロゲン化剤(例えば、N-ヨードスクシンイミド)と反応させることにより得ることができる。
式(O)の化合物またはその保護された誘導体(Xは窒素である)は、式(P)の化合物:
[式中、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、Q、a、bは、式(I)の化合物について先に定義したとおりであり、
L
2は、脱離基(例えば、塩化物)である。]
を、適切なヒドラジン誘導体(例えば、ヒドラジン水和物)と反応させることにより得ることができる。
式(P)の化合物またはその保護誘導体は、式(Q)の化合物:
[式中、
L
1およびL
2は、脱離基(例えば、塩化物)である。]
を、式(D)の化合物またはその保護誘導体と反応させることにより得ることができる。
式(Q)の化合物またはその保護誘導体は、市販の出発物質から得られる、あるいは、文献の手順から調製される、あるいは、本特許で概説される実施例内に示される方法、または類似の方法を使用して調製される。
式(R)の化合物またはその保護誘導体は、式(S)の化合物:
[式中、
R
1、R
8、R
9、R
10、A、cは、式(I)の化合物について上記で定義したとおりであり、
L
1およびL
2の両方は、適切な脱離基(例えば、ハロゲン)を表す。]
またはその保護誘導体を、式(D)の化合物と反応させることにより得ることができる。
式(S)の化合物またはその保護誘導体は、式(T)の化合物:
[式中、
R
1、R
8、R
9、R
10、A、cは、式(I)の化合物について上記で定義したとおりであり、
L
1およびL
2の両方は、適切な脱離基(例えば、ハロゲン)を表す。]
またはその保護誘導体を適切な酸化試薬(例えば、、酸化マンガン(IV))と反応させることにより得ることができる。
式(T)の化合物またはその保護誘導体は、式(U)の化合物:
[式中、
R
1は、式(I)の化合物について先に定義したとおりであり、
L
1およびL
2の両方は、適切な脱離基(例えば、ハロゲン)を表す。]
またはその保護誘導体を、式(B)の化合物(ここで、Vは金属またはメタロイド残基(例えば、ハロゲン化マグネシウム)である)と反応させることにより得ることができる。
式(U)の化合物またはその保護誘導体は、式(V’)の化合物:
[式中、
R
1は、式(I)の化合物について先に定義したとおりであり、
L
1およびL
2の両方は、適切な脱離基(例えば、ハロゲン)を表す。]
またはその保護誘導体を、適切な酸化試薬(例えば、デス-マーチンペルヨージナン)と反応させることにより得ることができる。
式(V)の化合物またはその保護誘導体は、式(W)の化合物:
[式中、
R
1は、式(I)の化合物について先に定義したとおりであり、
L
1およびL
2の両方は、適切な脱離基(例えば、ハロゲン)を表す。]
またはその保護誘導体を、溶媒(例えば、DMSO)中において、光酸化還元触媒(例えば、2,4,5,6-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)イソフタロニトリル)、過酸化物試薬(例えば、過酢酸tert-ブチル溶液)、酸(例えば、TFA)、および光源(例えば、青色LED)の存在下で、アルコール(例えば、メタノール)と反応させることにより得ることができる。
式(W)の化合物またはその保護誘導体は、市販の出発物質から得られる、あるいは、文献の手順から調製される、あるいは、本特許で概説される実施例内に示される方法または類似の方法を使用して調製される。
式(T)の化合物またはその保護誘導体はまた、式(Z’)の化合物:
[式中、
R
8、R
9、R
10、A、cは、式(I)の化合物について先に定義したとおりである。]
またはその保護誘導体を、式(W)の化合物と反応させることにより得ることができる。この工程は、一般には、式(W)の化合物を、試薬(例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体溶液)と、完全にメタレーションを行うために適切な時間(例えば、2.5時間)、反応させることを含む。新たに形成された有機マグネシウム種を式(Z’)の化合物で処理し、例えば、室温まで温め、適切な時間(例えば、18時間)撹拌する。
式(Z’)の化合物またはその保護誘導体は、本特許で概説される実施例内に示される方法または類似の方法を使用して調製される。
式(I)の化合物の保護誘導体の脱保護
工程(e)は、一般に、いずれかの適切な脱保護反応を含み、その条件は、保護基の性質に依存するであろう。保護基PがSEMを表す場合、そのような脱保護反応は、一般に、適切な溶媒中における適切な酸の使用を含み、次いで、エチレンジアミンによるSEM保護基の酸脱保護中に形成されるヒドロキシメチル付加物の除去を含む。例えば、酸は適切にはトリフルオロ酢酸または塩化水素を含み得、溶媒は適切にはジクロロメタン、DMFまたはメタノールを含み得る。溶媒の混合物、例えば、水およびメタノールの混合物を使用してもよい。2番目の工程は、真空での濃縮と、それに続く粗製物の適切な溶媒(例えば、メタノール)への溶解と、適切な溶媒(例えば、メタノール)中における、適切なスカベンジ試薬(例えば、エチレンジアミン)を使用しての処理を含む。
保護基がN、N-ジメチルスルファモイル基(SO2NMe2)である場合、より強い酸、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸を適切な温度で使用することができる。
脱保護は、式(I)の化合物を調製するための一般手順として本明細書に記載されている手順、方法1~12に従って実施することができる。
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩の形成
塩形成は、適切な溶媒に溶解した遊離塩基形態の式(I)の化合物を化学量論量または過剰の薬学的に許容される有機酸または無機酸で処理し、次いで、得られた塩を、当技術分野で周知の方法、例えば、溶媒の蒸発または結晶化によって単離することにより行うことができる。
総論
必要に応じて、工程(a)、(b)および(c)で先に述べられた反応の後または前に、当業者に公知の1以上の反応が実施され、適切な順序で実行され、前に定義された必要な置換が達成され、式(I)の他の化合物が提供される。文献に条件を見つけることができるこのような反応の非限定的な例には、
反応性官能基の保護、
反応性官能基の脱保護、
ハロゲン化、
脱ハロゲン化、
脱アルキル化、
アミン、アニリン、アルコール、およびフェノールのアルキル化およびアリール化、
ヒドロキシ基上での光延反応、
適切な基上での環化付加反応、
ニトロ、エステル、シアノ、アルデヒドの還元、
遷移金属触媒カップリング反応、
アシル化、
スルホニル化/スルホニル基の導入、
けん化/エステル基の加水分解、
エステル基のアミド化またはエステル交換、
カルボキシル基のエステル化またはアミド化、
ハロゲン交換、
アミン、チオールまたはアルコールとの求核置換、
還元的アミノ化、
カルボニル基およびヒドロキシルアミン基上でのオキシム形成、
S-酸化、
N-酸化、ならびに、
塩化が挙げられる。
広範囲の周知の官能基相互変換は、前駆体化合物を式Iの化合物に変換することについて当業者に公知であり、Advanced Organic Chemistry by Jerry March,4th Edition,John Wiley & Sons,1992に記載されている。例えば、可能な金属触媒による官能基化、例えば、有機スズ試薬(スティル反応)、グリニャール試薬、窒素求核剤との反応については、‘Palladium Reagents and Catalysts’[Jiro Tsuji,Wiley,ISBN 0-470-85032-9]およびHandbook of OrganoPalladium Chemistry for Organic Synthesis[Volume 1,Edited by Ei-ichi Negishi,Wiley,ISBN 0-471-31506-0]に記載されている。
保護基
上記に記載された反応の多くにおいて、分子上の望ましくない位置で反応が起こるのを防止するために、1個以上の基を保護することが必要な場合がある。保護基の例、ならびに官能基を保護および脱保護する方法は、Protective Groups in Organic Synthesis(T.Green and P.Wuts;3rd Edition;John Wiley and Sons,1999)に見出すことができる。
ヒドロキシ基は、例えば、エーテル(-OR)またはエステル(-OC(=O)R)として、例えば、t-ブチルエーテル;テトラヒドロピラニル(THP)エーテル;ベンジルエーテル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)エーテル、もしくはトリチル(トリフェニルメチル)エーテル;トリメチルシリルエーテル、もしくはt-ブチルジメチルシリルエーテル;またはアセチルエステル(-OC(=O)CH3)として、保護されてもよい。
アルデヒド基またはケトン基は、例えば、それぞれ、アセタール(R-CH(OR2)またはケタール(R2C(OR)2)として保護されてもよく、その中のカルボニル基(>C=O)が、例えば、第1級アルコールで処理される。アルデヒド基またはケトン基は、酸の存在下で大過剰の水を使用する加水分解によって容易に再生される。
アミン基は、例えば、アミド(-NRCO-R)またはカルバメート(-NRCO-OR)として、例えば、メチルアミド(-NHCO-CH3);ベンジルカルバメート(-NHCO-OCH2C6H5、-NH-CbzもしくはNH-Z);t-ブチルカルバメート(-NHCO-OC(CH3)3、-NH-Boc);2-ビフェニル-2-プロピルカルバメート(-NHCO-OC(CH3)2C6H4C6H5、-NH-Bpoc);9-フルオレニルメチルカルバメート(-NH-Fmoc);6-ニトロベラトリルカルバメート(-NH-Nvoc);2-トリメチルシリルエチルカルバメート(-NH-Teoc);2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(-NH-Troc);アリルカルバメート(-NH-Alloc);または2(-フェニルスルホニル)エチルカルバメート(-NH-Psec)として保護されてもよい。
例えば、式Iの化合物がアミノ基を含む場合、アミノ基は上記で定義された保護基によって保護することができ、1個の好ましい基はtert-ブチルオキシカルボニル(Boc)基であり、追加の官能基化が導入される。アミノ基のその後の修飾が必要とされない場合、保護基は、一連の反応を通して保持されて、次いで、式(I)の化合物のN-保護された形態を得ることができる。この式(I)の化合物のN-保護された形態は、標準的な方法(例えば、Boc基の場合には酸での処理)により脱保護されて、式(I)の化合物を得ることができる。
アミン、例えば、環式アミンおよび複素環式N-H基のためのその他の保護基は、トルエンスルホニル(トシル)基およびメタンスルホニル(メシル)基、ベンジル基(例えば、para-メトキシベンジル(PMB)基)、ならびにテトラヒドロピラニル(THP)基を含む。
カルボン酸基は、エステル、例えば、C1-7アルキルエステル(例えば、メチルエステル;t-ブチルエステル);C1-7ハロアルキルエステル(例えば、C1-7トリハロアルキルエステル);トリC1-7アルキルシリル-C1-7アルキルエステル;またはC5-20アリール-C1-7アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル;ニトロベンジルエステル;para-メトキシベンジルエステル)として、保護されてもよい。チオール基は、例えば、チオエーテル(-SR)(例えば、ベンジルチオエーテル;アセトアミドメチルエーテル(-S-CH2NHC(=O)CH3))として保護されてもよい。
本発明の化合物の単離および精製
本発明の化合物は、当業者に周知の標準的な技術に従って単離および精製することができ、このような方法の例としては、クロマトグラフの技術、例えば、カラムクロマトグラフィー(例えば、フラッシュクロマトグラフィー)およびHPLCが挙げられる。化合物を精製する際に特に有用な技術の一つは、クロマトグラフィーカラムから出てくる精製化合物を検出する手段として質量分析を使用した分取液体クロマトグラフィーである。
分取LC-MSは、有機低分子、例えば、本明細書に記載される化合物の精製に使用される標準的かつ効果的な方法である。液体クロマトグラフィー(LC)および質量分析(MS)のための方法は変更して、粗製物のより良好な分離およびMSによる試料検知の向上を提供することができる。分取グラジエントLC法の最適化には、カラム、揮発性溶離液および修飾剤、ならびに勾配の変更が必要である。分取LC-MS法を最適化し、次いで、それらを使用して化合物を精製する方法は、当該技術分野において周知である。このような方法は、Rosentreter U,Huber U.;Optimal fraction collecting in preparative LC/MS;J Comb Chem.;2004;6(2),159-64、およびLeister W,Strauss K,Wisnoski D,Zhao Z,Lindsley C.,Development of a custom high-throughput preparative liquid chromatography/mass spectrometer platform for the preparative purification and analytical analysis of compound libraries;J Comb Chem.;2003;5(3)322-9に記載されている。分取LC-MSによる化合物の精製のためのこのような系の例は、以下の本出願の実施例セクションに記載されている(見出し「質量分析精製LC-MSシステム」の下)。
式(I)の化合物、およびこれらの塩を再結晶化する方法は、当業者に周知の方法により実施することができる。例えば、(P.Heinrich Stahl(Editor),Camille G.Wermuth(Editor),ISBN:3-90639-026-8,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,Chapter 8,Publisher Wiley-VCH)を参照。有機反応から得られる生成物は、反応混合物から直接単離された場合、十分に純粋ではない。化合物(またはその塩)が固体である場合、好適な溶媒からの再結晶化によって精製および/または結晶化してもよい。良好な再結晶化溶媒は、精製されるべき物質を高温において中程度の量で溶解する必要があるが、より低温ではその物質を少量のみ溶解する必要がある。それは低温にて不純物を容易に溶解するか、または全く溶解すべきでない。最後に、溶媒は精製生成物から容易に除去されるべきである。これは通常、溶媒が比較的低い沸点を有することを意味し、当業者であれば、特定の物質のための再結晶化溶媒を知っており、あるいは、その情報が入手可能でない場合はいくつかの溶媒を試験するであろう。精製物質の良好な収率を得るため、全ての不純物質を溶解するための最小限の量の熱い溶媒を用いる。実際には、溶液が飽和しないように、必要よりも3~5%多い溶媒を用いる。不純化合物が溶媒に不溶性である不純物を含む場合、濾過し、次いで、溶液を結晶化させることで、不純化合物を取り除いてもよい。さらに、不純化合物が化合物由来ではない有色材料を微量で含む場合、少量の脱色剤、例えば、活性炭を熱い溶液に添加し、濾過し、次いで結晶化させることで、取り除いてもよい。通常、結晶化は溶液を冷却する際に自然に生じる。そうでない場合、結晶化は、溶液を室温より低く冷却すること、または、純粋な物質(種結晶)の単結晶を添加することで、誘導してもよい。再結晶化も実施することができ、かつ/あるいは、その収率は、逆溶媒または共溶媒の使用により最適化することができる。この場合、化合物を高温にて好適な溶媒中に溶解し、濾過し、次いで、必要となる化合物が低溶解性を有する追加の溶媒を添加して結晶化を補助する。次いで、典型的には、結晶を、真空濾過を用いて単離し、洗浄し、次いで、例えば、オーブン内またはデシケータで乾燥させる。
精製方法のその他の例として、昇華が挙げられ、これは、例えば、コールドフィンガーを用いた真空中での加熱工程、および溶融物からの結晶化が挙げられる(Crystallization Technology Handbook 2nd Edition,edited by A.Mersmann,2001)。
生物学的効果
本発明の化合物は、医薬または療法に有用であることが想定される。本発明の化合物、そのサブグループおよび実施例は、SHP2を阻害することが示されている。そのような阻害は、腫瘍細胞増殖の阻害およびがん細胞に対するT細胞免疫応答の活性化につながり、これは、本明細書に記載の病態または病状、例えば、以下で議論する疾患および病状、ならびに上記の「発明の背景」セクションに記載の、SHP2が役割を果たす疾患および病状の予防および治療に有用であろう。したがって、例えば、本発明の化合物は、がんの発生を軽減または低下させ、SHP2が媒介する疾患または病状、例えば、MAPK経路または受容体チロシンキナーゼ(RTK)活性化がんの上流成分(例えば、RAS、KRASおよびNRAS)における、活性化変異が存在するがんの疾患または病状を予防または治療するのに有用であると考えられる。本発明の化合物は、成人集団の治療に有用であろう。本発明の化合物は、小児集団の治療に有用であろう。
本発明の化合物は、SHP2の良好な阻害剤であることが示されている。式(I)の化合物は、SHP2に結合することができ、SHP2に対して効力を示すことができる。本発明の化合物の有効性は、本明細書に記載のアッセイプロトコルおよび当技術分野で既知のその他の方法を用いて、SHP2に対して決定されている。より具体的には、式(I)の化合物およびそのサブグループは、SHP2に対して効力を有する。
本発明の化合物には、0.1μM未満、特に0.01または0.001μM未満のIC50値を有するものもある。
SHP2の機能は、主にRAS-ERKシグナル伝達経路の活性化に関与する細胞の生存および増殖における役割、ならびに発がんにおける役割により、多くの疾患に関与している。それらの疾患のSHP2に対する親和性の結果として、化合物は、細胞蓄積に関連する障害(例えば、がん、自己免疫障害、炎症および再狭窄)、過剰なアポトーシスにより細胞喪失を生じる障害(例えば、脳卒中、心不全、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症)、AIDS、虚血(脳卒中、心筋梗塞)および骨粗鬆症)を含む、さまざまな疾患または病状の治療または予防、あるいは、自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症(MS)の治療に有用であることが判明可能と予想される。
したがって、本明細書で定義される本発明の化合物は、その他の病状、例えば、炎症、肝炎、潰瘍性大腸炎、胃炎、自己免疫、炎症、再狭窄、脳卒中、心不全、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋緊張性ジストロフィーおよび筋萎縮性側索硬化症)、AIDS、虚血(例えば、外傷性脳損傷、脊髄損傷、脳虚血、脳虚血/再灌流(I/R)損傷、急性および慢性CNS損傷虚血、脳卒中または心筋梗塞)、筋骨格系の変性疾患(例えば、骨粗しょう症)、自己免疫疾患(例えば、多発性硬化症(MS)およびI型糖尿病)、およびプログラムされた細胞死の制御の喪失に起因する眼疾患(例えば、網膜変性)の治療にも有用であろうと予想される。
SHP2に対するそれら化合物の活性の結果として、本化合物は、増殖性障害、例えば、がんの治療または予防に有用であると判明するであろうと予想される。
治療(または抑制)され得るがん(およびそれらの良性対応物)の例には、上皮起源の腫瘍(腺癌、扁平上皮癌、移行上皮癌およびその他の癌腫を含む様々なタイプの腺腫および癌腫)、例えば、膀胱および尿路、乳房、胃腸管(食道、胃(胃の)、小腸、結腸、腸、結腸直腸、肛門を含む)、肝臓(肝細胞がん)、胆嚢および胆道系、外分泌膵臓、腎臓(例えば、腎細胞がん)、肺(例えば、腺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、気管支肺胞がんおよび中皮腫)、頭頸部(例えば、舌、口腔、喉頭、咽頭、鼻咽頭、扁桃腺、唾液腺、鼻腔および副鼻腔などのがん)、卵巣、卵管、腹膜、膣、外陰部、陰茎、精巣、子宮頸部、子宮筋層、子宮内膜、甲状腺(例えば、甲状腺濾胞がん)、脳、副腎、前立腺、皮膚、および付属器(例えば、黒色腫、基底細胞がん、扁平上皮癌、角化棘細胞、異形成母斑)の癌腫;血液悪性腫瘍(すなわち、白血病、リンパ腫)および前悪性血液疾患および境界悪性腫瘍、例えば、リンパ系の血液疾患および関連疾患(例えば、急性リンパ性白血病[ALL]、慢性リンパ性白血病[CLL]、B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫[DLBCL])、濾胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫および白血病、ナチュラルキラー[NK]細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、有毛細胞白血病、意義不明の単クローン性神経膠腫、形質細胞腫、多発性骨髄腫、および移植後のリンパ増殖性疾患)、ならびに骨髄系の血液疾患および関連疾患(例えば、急性骨髄性白血病[AML]、慢性骨髄性白血病[CML]、慢性骨髄単球性白血病[CMML]、好酸球増加症候群、骨髄増殖性疾患(例えば、真性赤血球増加症、本態性血小板血症および原発性ミエロフィブロシス)、骨髄増殖性症候群、骨髄異形成症候群、および前骨髄球性白血病);間葉起源の腫瘍、例えば、軟組織、骨または軟骨の肉腫(骨肉腫、線維肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫、カポジ肉腫、ユーイング肉腫、滑膜肉腫、類上皮肉腫、消化管間質腫瘍、良性および悪性組織球腫、ならびに隆起性皮膚線維肉腫);中枢または末梢神経系の腫瘍(例えば、星細胞腫(例えば、神経膠腫)、神経腫および神経膠芽腫、髄膜腫、上衣腫、松果体腫瘍ならびに神経鞘腫);内分泌腫瘍(例えば、下垂体腫瘍、副腎腫瘍、膵島細胞腫瘍、副甲状腺腫瘍、カルチノイド腫瘍および甲状腺髄様がん);眼および付属器腫瘍(例えば、網膜芽細胞腫);生殖細胞および栄養膜腫瘍(例えば、奇形腫、セミノーマ、未分化胚細胞腫、胞状奇胎および絨毛がん);小児腫瘍および胚芽腫瘍(例えば、髄芽腫、神経芽細胞腫、ウィルムス腫瘍および原始神経外胚葉腫瘍);または、先天性もしくはそれ以外の患者を悪性腫瘍に罹りやすくする症候群(例えば、色素性乾皮症)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
細胞の成長は厳密に制御された機能である。異常な細胞増殖の状態であるがんは、細胞が制御されない方法で増殖する(数が増える)、制御不能に成長する(大きくなる)、かつ/あるいは、アポトーシス(プログラムされた細胞死)、壊死、またはアノイキスによる細胞死の低下を経た場合に発生する。一実施形態において、異常な細胞増殖は、制御不能の細胞増殖、過剰な細胞成長または低下したプログラム細胞死から選択される。特に、異常な細胞増殖の病状または疾患はがんである。
したがって、異常な細胞増殖(すなわち、制御不能および/または急速な細胞増殖)を含む疾患または病状を治療するための本発明の医薬組成物、使用または方法における異常な細胞増殖を含む疾患または病状は、一実施形態においてがんである。
本発明の化合物は、転移および転移性がんの治療に有用であろう。転移または転移性疾患は、ある臓器または器官から隣接していない別の臓器または器官への疾患の広がりである。本発明の化合物によって治療することができるがんは、原発腫瘍(すなわち、発生元部位のがん細胞)、局所浸潤(局所領域の周囲の正常組織に浸透および浸潤するがん細胞)、および転移性(または二次)腫瘍、すなわち血流(血行性の広がり)を介して、またはリンパ管を介して、または体腔を横切って(体腔を越えて)体内の他の部位および組織に移動した悪性細胞から形成された腫瘍を含む。特に、本発明の化合物は、転移および転移性がんの治療に有用であろう。
一実施形態において、血液系悪性腫瘍は白血病である。別の実施形態において、血液悪性腫瘍はリンパ腫である。一実施形態において、がんはAMLである。別の実施形態において、がんはCLLである。
一実施形態において、本発明の化合物は、白血病、例えば、急性または慢性白血病、特に急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)または慢性骨髄性白血病(CML)の予防または治療に用いるためのものである。一実施形態において、本発明の化合物は、リンパ腫、例えば、急性または慢性リンパ腫、特にバーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の予防または治療に用いるためのものである。
一実施形態において、本発明の化合物は、急性骨髄性白血病(AML)または急性リンパ性白血病(ALL)の予防または治療に用いるためのものである。
がんは、SHP2阻害剤による治療に感受性があるがんであり得る。がんは、SHP2を過剰発現するがんであり得る。がんはSHP2野生型のがんであり得る。がんは変異SHP2であるがんであり得る。一実施形態において、がんは、SHP2に活性化変異を有する。
個別のがんには、肝細胞がん、黒色腫、食道がん、腎臓がん、結腸がん、結腸直腸がん、肺がん(例えば、NSCLC、中皮腫または肺腺がん)、乳がん、膀胱がん、胃腸がん、卵巣がんおよび前立腺がんが含まれる。
個別のがんには、活性化されたSHP2(活性化変異、増幅および/またはSHP2野生型過剰発現)を伴うがん、例えば、肝細胞がん、乳がん、肺がん、結腸直腸がんおよび神経芽細胞腫が含まれる。
個別のがんには、変異型のKRASを含む、RAS-RAF-MEK-ERK経路に発がん性の変化があるがんが含まれる。
個別のがんには、RTK活性が、疾患を促進する、あるいは、がん療法に対する耐性を促進するがんが含まれる。
本発明の化合物は、上昇したRas、BRAFおよび/またはMEKシグナル伝達の存在に関連するかまたは特徴付けられるタイプのがんの治療または予防に特に有用である。
Ras、BRAF、またはMEKシグナル伝達のレベルの上昇は多くのがんで見られ、予後不良と関連している。さらに、活性化Ras変異を伴うがんは、SHP2阻害剤にも感受性がある可能性がある。Rasシグナル伝達およびRas変異のレベルの上昇は、本明細書で概説する手法で同定できる。
がんのさらなるサブセットは、NRas黒色腫およびNRasAMLからなる。
がんの別のサブセットは、KRas肺がん、KRas膵臓がん、およびKRas大腸がん(CRC)からなる。
一実施形態において、がんは結腸直腸がん、乳がん、肺がんおよび脳がんである。
一実施形態において、がんは小児がんである。
一実施形態において、がんは、乳がん、白血病、肺がん、肝臓がん、胃がん、喉頭がんまたは口腔がんである。
個別のがんがSHP2阻害剤に感受性のあるがんであるか否かは、「診断方法」という見出しのセクションに記載されている方法で判断できる。
さらなる態様は、本明細書に記載の疾患または病状、特にがんを治療するための医薬品を製造するための化合物の使用を提供する。
あるがんは特定の薬物による治療に耐性がある。これは腫瘍の種類(最も一般的な上皮性悪性腫瘍は本質的に化学療法耐性であり、前立腺は化学療法や放射線療法の現在利用可能なレジメンに対して比較的耐性がある)によるか、病気の進行または治療の結果として自然発生的に耐性が生じることがある。これに関して、前立腺への言及は、抗アンドロゲン療法、特にアビラテロンまたはエンザルタミドに対する耐性を有する前立腺、または去勢抵抗性前立腺を含む。同様に、多発性骨髄腫への言及は、ボルテゾミブ非感受性多発性骨髄腫または難治性多発性骨髄腫を含み、慢性骨髄性白血病への言及は、イミタニブ非感受性慢性骨髄性白血病および難治性慢性骨髄性白血病を含む。これに関して、中皮腫への言及には、トポイソメラーゼ毒、アルキル化剤、抗チューブリン、葉酸拮抗薬、白金化合物および放射線療法に対する耐性を有する中皮腫、特にシスプラチン耐性中皮腫が含まれる。黒色腫への言及には、BRAFおよび/またはMEK阻害剤による治療に耐性がある黒色腫が含まれる。
これらの化合物はまた、細胞の化学療法に対する感受性を上げることにより、腫瘍増殖の治療、病因の治療、化学療法および放射線療法に対する耐性の治療として、および抗転移剤として有用であろう。
すべてのタイプの治療的抗がん介入は、必然的に標的腫瘍細胞に課されるストレスを増加させる。SHP2の阻害剤は、以下の可能性:(i)悪性細胞に対する抗がん剤および/または治療の感受性を上げる可能性;(ii)抗がん剤および/または治療に対する耐性の発生率を軽減または低下させる可能性;(iii)抗がん剤および/または治療に対する耐性を逆転させる可能性;(iv)抗がん剤および/または治療の活性を増強する可能性;(v)抗がん剤および/または治療に対する耐性の発現を遅延または防止する可能性を備えた化学療法剤のクラスの代表である。
一実施形態において、本発明は、SHP2に媒介される疾患または病状の治療に用いるための化合物を提供する。さらなる実施形態において、SHP2に媒介される疾患または病状は、SHP2の過剰発現および/または増加した活性を特徴とするがんである。
さらなる態様は、本明細書に記載の疾患または病状、特にがんを治療するための医薬品を製造するための化合物の使用を提供する。
一実施形態において、SHP2に媒介される疾患または病状の予防または治療に用いるための化合物が提供される。
一実施形態において、有効量の少なくとも1種の定義された化合物を含む医薬組成物が提供される。本発明のさらなる態様では、本明細書で定義される化合物が提供される。
一実施形態において、少なくとも1種の定義された化合物を含む医薬品を哺乳動物に投与する工程を含む、がんの予防または治療のための方法が提供される。
診断方法
式(I)の化合物を投与する前に、患者をスクリーニングして、患者が罹患しているまたは罹患している可能性のある疾患または病状が、SHP2を阻害する化合物による治療に感受性を有するかどうかを判定する。「患者」という用語は、ヒトおよび獣医学的対象(例えば、霊長類)、特にヒトの患者を含む。
例えば、患者から採取した生物学的サンプルを分析して、患者が罹患しているまたは罹患している可能性がある病状または疾患、例えば、がんが、SHP2レベルのアップレギュレーション、またはSHP2の下流の生化学的経路のアップレギュレーションを誘発する遺伝的異常または異常なタンパク質発現を特徴とするものであるかどうかを判定することができる。
そのような異常の例は、SHP2の活性化または感受性増強、SHP2発現、受容体またはそのリガンドのアップレギュレーション、受容体またはリガンドの細胞遺伝学的異常または変異体の存在に影響を与える調節経路の喪失または阻害を引き起こす。SHP2のアップレギュレーション、特にSHP2の過剰発現または活性化変異体を含む腫瘍、またはRasアイソフォーム、例えば、KRASの活性化変異を含む腫瘍は、SHP2の阻害剤に特に感受性が高いであろう。
Rasの変異は、メラノーマ、結腸直腸がん、非小細胞肺がん、膵臓がん、前立腺がん、甲状腺がん、尿路がんおよび上気道がんを含むがこれらに限定されない細胞株および原発腫瘍中で検出されている(Cancer Res.2012;72:2457-2467)。
アップレギュレーションという用語は、発現の上昇または過剰発現、例えば、遺伝子増幅(すなわち、複数の遺伝子コピー)、細胞遺伝学的異常、および転写または翻訳後の効果による発現の増加を含む。したがって、患者に診断試験を受けさせて、SHP2のアップレギュレーションに特徴的なマーカーを検出してもよい。診断という用語にはスクリーニングが含まれる。マーカーには、遺伝的マーカー、例えば、増幅SHP2またはSHP2の変異の存在を特定するための、あるいはRas(例えば、KRAS)の変異の存在を特定するためのDNA組成の測定が含まれる。マーカーという用語は、SHP2のアップレギュレーションに特徴的なマーカー、例えば、前述のタンパク質のタンパク質レベル、タンパク質状態およびmRNAレベルも含む。遺伝子増幅には、2~7コピーの増加に加えて7コピーより多いことが含まれる。
KRAS変異を検出するための診断アッセイは、de Castro et al. Br.J.Cancer.2012 Jul 10;107(2):345-51.doi:10.1038/bjc.2012.259.Epub 2012 Jun 19,“A comparison of three methods for detecting KRAS mutations in formalin-fixed colorectal cancer specimens.”およびそこに引用されている参考文献に記載されている。
診断テストおよびスクリーニングは、通常、腫瘍生検サンプル、血液サンプル(脱落した腫瘍細胞の分離および濃縮)、脳脊髄液、血漿、血清、唾液、便生検、痰、染色体分析、胸膜液、腹水、頬側塗抹標本、皮膚生検または尿から選択される生体サンプル(すなわち、生体組織または体液)で行われる。
細胞遺伝学的異常、遺伝子増幅、変異およびタンパク質のアップレギュレーションの同定および分析の方法は、当業者に周知である。スクリーニング方法には、標準的な方法、例えば、従来のサンガー法によるDNAシーケンス分析もしくは次世代シーケンシング法、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)、RNAシーケンシング(RNAseq)、ナノストリングハイブリダイゼーション近接RNA nCounterアッセイまたは、in-situハイブリダイゼーション(例えば、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH))または対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が含まれるが、これらに限定されない。より新しい次世代シーケンス(NGS)テクノロジー、例えば、大規模並列シーケンスにより、全エクソームシーケンスまたは全ゲノムシーケンスが可能である。
RT-PCRによるスクリーニングにおいて、腫瘍内のmRNAのレベルは、mRNAのcDNAコピーを作成した後、PCRによりcDNAを増幅することにより評価される。PCR増幅の方法、プライマーの選択、および増幅の条件は、当業者に周知である。核酸操作およびPCRは、例えばAusubel,F.M.et al.,eds.(2004)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons Inc.,またはInnis,M.A.et al.,eds.(1990)PCR Protocols:a guide to methods and applications,Academic Press,San Diegoに記載の標準的な方法によって実施できる。核酸技術を伴う反応および操作は、Sambrook et al.,(2001),3rd Ed,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Pressにも記載されている。あるいは、RT-PCR用の市販のキット(例えば、Roche Molecular Biochemicals)を用いることができ、または米国特許第4,666,828号;4,683,202号;4,801,531号;5,192,659号、5,272,057号、5,882,864号、および6,218,529号に記載され、また参照により本明細書に組み込まれた方法論を用いることができる。mRNA発現を評価するためのin-situハイブリダイゼーション技術の例は、蛍光in-situハイブリダイゼーション(FISH)である(Angerer(1987)Meth.Enzymol.,152:649参照)。
一般に、in situハイブリダイゼーションは以下の主要な工程:(1)分析する組織を固定する工程;(2)標的核酸のアクセス可能性を高め、非特異的結合を減らすためにサンプルをプレハイブリダイゼーション処理する工程;(3)生物学的構造または組織中の核酸に対して核酸混合物をハイブリダイゼーションする工程;(4)ハイブリダイゼーション後の洗浄により、ハイブリダイゼーションで結合しなかった核酸断片を除去する工程;および(5)ハイブリダイズした核酸断片を検出する工程を含む。このようなアプリケーションで使用されるプローブは、通常、例えば、放射性同位元素または蛍光レポーターで標識されている。あるプローブは、厳格な条件下での標的核酸との特異的ハイブリダイゼーションを可能にするために、例えば、約50、100、または200ヌクレオチドから約1000以上のヌクレオチドまで十分に長い。FISHを実行するための標準的な方法は、Ausubel,F.M.et al.,eds.(2004)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons IncおよびFluorescence In Situ Hybridization:Technical Overview by John M.S.Bartlett in Molecular Diagnosis of Cancer,Methods and Protocols,2nd ed.;ISBN:1-59259-760-2;March 2004,pps.077-088;Series:Methods in Molecular Medicineに記載されている。
遺伝子発現プロファイリングの方法は、(DePrimo et al.,(2003),BMC Cancer,3:3)に記載されている。簡単に言えば、プロトコルは以下のとおりである。ポリアデニル化mRNAからの第1鎖cDNA合成のプライミングに(dT)24オリゴマーを用い、ランダムヘキサマープライマーを用いて第2鎖cDNA合成を行って、トータルRNAから二本鎖cDNAを合成する。二本鎖cDNAを、ビオチン化リボヌクレオチドを用いたcRNAのin vitro転写のテンプレートとして使用する。Affymetrix(Santa Clara,CA,USA)によって記載されたプロトコルに従って、cRNAを化学的に断片化し、次いで、Human Genome Arrays上の遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブに一晩ハイブリダイズする。あるいは、DNAマイクロアレイの一種である一塩基多型(SNP)アレイを用いて、集団内の多型を検出できる。
あるいは、mRNAから発現されたタンパク質生成物は、腫瘍サンプルの免疫組織化学、マイクロタイタープレートを用いた固相イムノアッセイ、ウエスタンブロッティング、2次元SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動、ELISA、フローサイトメトリー、および特定のタンパク質検出のための当技術分野で周知であるその他の方法(例えば、キャピラリー電気泳動)によってアッセイすることができる。検出方法には、部位特異的抗体の使用が含まれる。当業者は、このような周知の技術のすべてが、SHP2のアップレギュレーションの検出、SHP2またはSHP2バリアントまたは変異体の検出、または本事例におけるSHP2の負の調節因子の喪失の検出に使用できることを認識する。
タンパク質、例えば、SHP2の異常なレベルは、標準的なタンパク質アッセイ、例えば、本明細書に記載されているアッセイを用いて測定することができる。上昇したレベルまたは過剰発現は、Chemicon Internationalなどからのアッセイでタンパク質レベルを測定することにより、組織サンプル、例えば、腫瘍サンプルにおいても検出できる。目的のタンパク質はサンプルの溶解物から免疫沈降され、そのレベルが測定される。アッセイ方法には、マーカーの使用も含まれる。
言い換えると、SHP2の過剰発現または変異型SHP2は、腫瘍生検により測定できる。
遺伝子コピーの変化を評価する方法には、細胞遺伝学的研究室で一般的に使用されている手法、例えば、MLPA(Multiplex Ligation-dependent Probe Amplification)、異常なコピー数を検出するマルチプレックスPCR法、または遺伝子の増幅、獲得および欠失を検出できるその他のPCR手法が含まれる。
Ex-functionalアッセイは、SHP2阻害剤暴露の反応を評価するために、必要に応じ、例えば、がん患者の循環白血病細胞の測定にも利用できる。
したがって、これらの技術のすべてを用いて、本発明の化合物による治療に特に適した腫瘍を特定することもできる。
したがって、本発明のさらなる態様には、スクリーニングを受け、SHP2阻害剤による治療に感受性を有する疾患または病状にある、またはそうなるリスクがあると判定された患者における病態または病状の治療または予防のための医薬品の製造のための本発明による化合物の使用が含まれる。
本発明の別の態様は、SHP2の増幅を保有する亜集団から選択される患者におけるがんの予防または治療において用いるための本発明の化合物を含む。
本発明の別の態様は、SHP2ネガティブレギュレーターの欠損を有する患者におけるがんの予防または治療に用いるための本発明の化合物を含む。
本発明の別の態様は、MAPKシグナル伝達経路のRTKによる活性化を保有する亜集団から選択される患者におけるがんの予防または治療に用いるための本発明の化合物を含む。
血管の正規化のMRI測定(MRI determination of vessel normalization)(例えば、MRIグラディエントエコー、スピンエコー、コントラスト強調(contrast enhancement)を用いて、血液量、相対血管サイズ、および血管透過性を測定)を循環バイオマーカーと組合せて用いることにより、本発明の化合物による治療に適した患者を特定するために用いることもできる。
したがって、本発明のさらなる態様は、SHP2によって媒介される病態または病状の診断および治療のための方法であり、その方法は、(i)患者をスクリーニングして、患者が罹患しているまたは罹患している可能性がある疾患または病状がSHP2阻害剤による治療に感受性を有するかを決定すること、(ii)患者がその疾患または病状にこのような感受性を有していることが示された後、本明細書で定義される式(I)およびそのサブグループまたは実施例の化合物を患者に投与することを含む。
本発明の化合物の利点
式(I)の化合物は、先行技術の化合物よりも多くの利点を有する。本発明の化合物は、以下の態様:
(i)優れた効力;
(ii)優れたin vivo有効性;
(iii)優れたPK;
(iv)優れた代謝安定性;
(v)優れた経口バイオアベイラビリティ;
(vi)優れた生理化学的特性;および/または
(vii)優れた安全性プロファイルまたは治療指数(TI)
の1つ以上においてその利点があるであろう。
優れた効力およびin vivo有効性
式(I)の化合物は、SHP2に対する親和性を増大させ、特に、SHP2拮抗剤に感受性があることが知られている細胞株に対する細胞効力を増大させた。
向上したターゲットエンゲージメント(target engagement)は、医薬品の投与量を減少させ、SHP2活性と毒性作用との良好な分離(「治療ウィンドウ(therapeutic window)」)を可能にさせる、医薬品化合物において非常に望ましい特性がある。
式(I)の化合物は、細胞効力を改善し、かつ/あるいは、SHP2細胞株に対する選択性を改善した。SHP2に対する効力の増強の結果、本発明の化合物は、がん細胞株およびin vivoモデルにおいて、in vivo有効性が増大したであろう。
優れたPKおよび代謝安定性
式(I)の化合物は、有利なADMET特性、例えば、より良好な代謝安定性(例えば、マウス肝臓ミクロソームで測定される)、より良好なP450プロファイル、短い半減期および/または有益なクリアランス(例えば、低いまたは高いクリアランス)を有するであろう。式(I)の多くの化合物が改善されたPKプロファイルを有することも見出された。
これらの特徴は、体循環でより多くの薬物が利用可能であり、適切な作用部位に到達してその治療効果を発揮するという利点を付与することができる。腫瘍内で薬理作用を発揮するように薬物濃度を上げると、有効性が向上する可能性があり、それにより投与量を減らすことができる。したがって、式(I)の化合物は、必要な投与量が少なくて済み、より迅速に処方および投与できるであろう。
これにより、SHP2活性と毒性作用との適切な分離(「治療ウィンドウ」)がもたらされる。式(I)の多くの化合物は、(より良好なSHP2効力および/またはPKのために)有効性に必要なCmaxを低下させる。
優れた経口バイオアベイラビリティ
本発明の化合物は、経口曝露(経口曝露またはAUC)に適した生理化学的特性を有する可能性がある。特に、式(I)の化合物は、改善された経口バイオアベイラビリティまたは改善された経口吸収の再現性(reproducibility of oral absorption)を示し得る。経口バイオアベイラビリティは、静脈内(i.v.)経路で投与した場合の化合物の血漿中の曝露に対する、経口経路で投与した場合の化合物の血漿中の曝露の比率(F)として定義でき、パーセントで表記される。
経口バイオアベイラビリティ(F値)が10%、20%または30%を超える、特に40%を超える化合物は、非経口投与よりむしろ、または同様に経口投与できるという点で特に有利である。
優れた生理化学的特性
式(I)の化合物は、有利な物理化学的特性、特に酸性条件下での化学的安定性および低下した脂溶性を有するであろう。
脂溶性は、分配係数(logP)または分布係数(logD)を用いて測定できる。分配係数は、平衡状態にある2つの非混和性相(n-オクタノールおよび水)間の非イオン化化合物の濃度の比であり、一方で、分布係数は、2つの相のそれぞれにおける、すべての形態の化合物の濃度の合計(イオン化プラス非イオン化)の比である。高い脂溶性は、不十分な薬物の特性、例えば、水溶性の低下、薬物動態特性の低下(経口バイオアベイラビリティの低下)、望ましくない薬物代謝および非特異性に関連する。最適な脂溶性を備えた化合物は、医薬品開発において成功する可能性が高くなる。しかしながら、低下したlogP(または計算されたlogP、clogP)は、関与するターゲットの脂溶性により、タンパク質間相互作用(PPI)を阻害するための許容レベルの効力を維持しながら達成するのが困難な場合がある。
優れた安全性プロファイルまたは治療指数(TI)
1990年代後半、米国のFDAによって承認された多くの医薬品は、心臓の機能不全による死亡に関与していることが判明したため、米国での販売を中止せざるを得なかった。その後、これらの薬物の副作用は、心臓細胞のhERGチャネルの遮断によって引き起こされる不整脈の発症であることがわかった。hERGチャネルは、最初のメンバーが突然変異体ショウジョウバエ(ミバエ)で1980年代後半に同定されたカリウムイオンチャネルのファミリーの1つである(Jan,L.Y.and Jan,Y.N.(1990).A Superfamily of Ion Channels.Nature,345(6277):672、参照)。hERGカリウムイオンチャネルの生物物理学的特性は、Sanguinetti,M.C.,Jiang,C.,Curran,M.E.,and Keating,M.T.(1995)、A Mechanistic Link Between an Inherited and an Acquired Cardiac Arrhythmia:HERG encodes the Ikr potassium channel.Cell,81:299-307,およびTrudeau,M.C.,Warmke,J.W.,Ganetzky,B.,and Robertson,G.A.(1995).HERG,a Human Inward Rectifier in the Voltage-Gated Potassium Channel Family.Science,269:92-95.に記載されている。したがって、hERG遮断活性の除去は、新薬の開発において依然として重要な検討事項である。
hERG活性が低下している化合物、および/または活性とhERG活性とが良好に分離されている化合物は、「治療ウィンドウ」または「治療指数」が大きくなる。hERG活性を測定する1つの方法は、パッチクランプ電気生理学的方法である。機能的なhERG活性を測定する別の方法にはhERG結合アッセイが含まれ、hERG結合アッセイは、hERGチャネルを安定して発現する細胞から分離された市販の膜またはhERGチャネルを発現する市販の細胞株を使用できる。
化合物はまた、心臓安全性指標(CSI:Cardiac Safety Index)[CSI=hERG IC50/Cmax(unbound)]を改善することができる(Shultz et al,J.Med.Chem.,2011;Redfern et al,Cardiovasc.Res.,2003)。これは、hERG IC50の増加または有効性に必要なCmaxの低下(効力および/またはPKの向上による)に起因する可能性がある。特定の化合物は、in vivoでCVの利点を示す可能性がある。
特定の化合物は、hERGイオンチャネル遮断活性を低下させた。化合物は、hERGに対する平均IC50値が、細胞増殖アッセイに対する化合物のIC50値の30倍を超える、または40倍を超える、または50倍を超えることが可能である。
医薬製剤
活性化合物を単独で投与することは可能であるが、通常、医薬組成物(例えば、製剤)として提供される。
したがって、本発明はさらに、上で定義した医薬組成物、および少なくとも1種の式(I)の化合物(および本明細書で定義したそのサブグループ)を、1種または2種以上の薬学的に許容される賦形剤およびオプションで、本明細書に記載のその他の治療薬または予防薬とともに含む(例えば、混合して)医薬組成物の製造方法を提供する。
薬学的に許容される賦形剤は、例えば、担体(例えば、固体、液体または半固体担体)、アジュバント、希釈剤、充填剤または増量剤、造粒剤、コーティング剤、放出制御剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、防腐剤、抗酸化剤、緩衝剤、懸濁剤、増粘剤、香味剤、甘味料、矯味剤、安定剤、または医薬組成物で従来から使用されているその他の賦形剤から選択することができる。様々なタイプの医薬組成物のための賦形剤の例は、以下により詳細に記載する。
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題や合併症がなく、対象(例えば、ヒト対象)の組織と接触して用いるのに適し、合理的な利益/リスク比に見合った化合物、材料、組成物、および/または剤形に関する。各賦形剤はまた、製剤の他の成分と適合性があるという意味で「許容可能」でなければならない。
式(I)の化合物を含有する医薬組成物は、既知の技術に従って製剤化することができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,PA,USAを参照。
医薬組成物は、経口投与、非経口投与、局所投与、鼻腔内投与、気管支内投与、舌下投与、眼への投与、耳への投与、直腸投与、膣内投与、または経皮投与に適したいかなる形態をもとり得る。医薬組成物が非経口投与を目的とする場合、それらは、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、皮下投与用、または注射、点滴もしくはその他の送達手段による標的臓器もしくは組織への直接送達用に製剤化できる。送達は、ボーラス注射、短期点滴または長期点滴により実施でき、受動的送達によるか、または適切な注入ポンプまたはシリンジドライバーの利用により実施することができる。
非経口投与に適用される医薬製剤には、抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、共溶媒、界面活性剤、有機溶剤混合物、シクロデキストリン錯体剤、乳化剤(例えば、エマルジョン製剤を形成、安定化させるため)、リポソーム形成のためのリポソーム成分、ポリマー・ゲル類を形成するためのゲル化ポリマー、凍結乾燥保護剤および、薬剤の組合せ、特に可溶性の活性成分を安定化し、治療する受容者の血液と等張にするような薬剤の組合せを含有することができる水溶性および非水溶性の滅菌注射溶液を含む。非経口投与用の医薬製剤は、水溶性および非水溶性の滅菌懸濁液の剤型もとることができ、懸濁剤と増粘剤を含有することができる(R.G.Strickly,Solubilizing Excipients in oral and injectable formulations,Pharmaceutical Research,Vol 21(2)2004,p201-230)。
製剤は、単位用量または複数回用量の容器、例えば、密封されたアンプル、バイアルおよび充填済みシリンジで提供でき、使用直前に滅菌された液体担体、例えば注射用蒸留水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)された状態で貯蔵することもできる。一実施形態において、製剤は、適切な希釈剤を用い、後で再構成するための、ボトル内の医薬有効成分として提供される。
医薬製剤は、式(I)の化合物またはそのサブグループを凍結乾燥することにより調製することができる。凍結乾燥は、組成物をフリーズドライする手順を指す。したがって、本明細書では、フリーズドライおよび凍結乾燥を同義語として用いる。
即時調整用の注射溶液および懸濁液は、滅菌された散剤、顆粒および錠剤から調製することができる。
非経口注射用の本発明の医薬組成物はまた、使用直前に無菌の注射可能な溶液または懸濁液に再構成するための滅菌された散剤、ならびに薬学的に許容される滅菌された水性または非水性の溶液、分散液、懸濁液または乳濁液も含有することができる。適切な水性および非水性担体、希釈剤、溶剤または溶媒の例には、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの適切な混合物、植物油(例えば、ヒマワリ油、ベニバナ油、トウモロコシ油またはオリーブ油)、および注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が含まれる。適切な流動性は、例えば、増粘物質(例えば、レシチン)の使用により、分散液の場合には必要な粒子サイズの維持により、および界面活性剤の使用により維持することができる。
本発明の組成物はまた、アジュバント、例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤を含有することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含有することによって確保することができる。等張性、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを調整する薬剤を含有することもできる。吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含有することにより、注射可能な剤型の持続的な吸収をもたらすことができる。
本発明の典型的な一実施形態において、医薬組成物は、例えば、注射または点滴による静脈内投与に適した剤型である。静脈内投与の場合、溶液をそのまま投与するか、点滴バッグ(薬学的に許容される賦形剤、例えば、0.9%生理食塩水または5%ブドウ糖を含有する)に注入してから投与することができる。
別の典型的な実施形態において、医薬組成物は、皮下(s.c.)投与に適した剤型である。
経口投与に適した医薬剤形には、錠剤(コーティングまたは非コーティング)、カプセル(ハードまたはソフトシェル)、カプレット、丸剤、トローチ剤、シロップ、溶液、散剤、顆粒、エリキシルおよび懸濁液、舌下錠、ウエハまたはパッチ(例えば、口腔パッチ)が含まれる。
したがって、錠剤組成物は、活性化合物の単位服用量を、不活性希釈剤または担体、例えば、糖または糖アルコール、例えば、ラクトース、スクロース、ソルビトールまたはマンニトールおよび/あるいは、非糖由来の希釈剤、例えば、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムまたはセルロースもしくはその誘導体(例えば、微結晶性セルロース(MCC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびスターチ類(例えば、コーンスターチ))と共に含有することができる。錠剤は、標準成分、例えば、結合剤および造粒剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、崩壊剤(例えば、膨潤性架橋共重合体(例えば、架橋カルボキシメチルセルロース))、潤滑剤(例えば、ステアレート)、保存剤(例えば、パラベン)、抗酸化剤(例えば、BHT)、緩衝剤(例えば、リン酸緩衝液またはクエン酸塩緩衝液)および発泡剤(例えば、クエン酸塩/重炭酸塩混合物)を含有することができる。このような賦形剤はよく知られているので、ここで詳述する必要はない。
錠剤は、胃液との接触時に薬物を放出するように(即放性錠剤)、または長期間にわたって制御された方法で放出するように(徐放性錠剤)または消化管の特定の領域で放出するように設計することができる。
カプセル製剤は、ハードゼラチンまたはソフトゼラチンの種類のものが可能であり、固体、半固体、または液体の状態で活性成分を含有することができる。ゼラチンカプセルは、動物性ゼラチンまたは合成または植物由来の同等物から形成することができる。
固形剤(例えば、錠剤、カプセルなど)は、コーティングされている、または非コーティングであることができる。コーティングは、保護膜(例えば、ポリマー、ワックスまたはニス)として、または薬の放出を制御する機構として、または美的もしくは識別目的としてのいずれかの役割を果たすことができる。コーティング剤(例えば、ユードラジッドTM型ポリマー)は、消化管内の所望の位置で活性物質を放出するように設計することができる。したがって、コーティング剤を、消化管内の特定のpH条件で分解するように選択することができ、それによって、化合物を胃または、回腸、十二指腸、空腸または大腸で選択的に放出する。
コーティングの代わりに、またはそれに加えて、薬剤は、放出制御剤、例えば、制御された方法によって消化管で化合物を放出するのに適している放出遅延剤からなる固体マトリックス中に存在させることができる。あるいは、薬剤はポリマーコーティング、例えば、消化管内の様々な酸性度またはアルカリ度の条件下において選択的に化合物を放出するのに適する可能性のあるポリメタクリレート・ポリマーコーティング中に存在させることができる。あるいは、マトリックス材または放出遅延コーティング剤は、剤形が消化管を通過する時に実質的に連続的に崩壊する崩壊性ポリマー(例えば、無水マレイン酸ポリマー)の形態をとることができる。別の方法として、コーティングは消化管の微生物の作用で崩壊するように設計することができる。さらに別の方法として、活性化合物は、化合物を放出する浸透圧性制御を達成する送達系中に製剤化することができる。浸透圧性放出およびその他の遅延型放出または徐放性製剤(例えば、イオン交換樹脂に基づく製剤)は、当業者に周知の方法に従って調製することができる。
式(I)の化合物は、担体と共に製剤化でき、ナノ粒子の形態での投与ができ、ナノ粒子の増加した表面積はそれらの吸収を補助する。さらに、ナノ粒子は直接細胞へ浸透する可能性をもたらす。ナノ粒子によるドラッグデリバリーシステムは、“Nanoparticle Technology for Drug Delivery”,edited by Ram B Gupta and Uday B.Kompella,Informa Healthcare,ISBN9781574448573,published 13th March 2006に記載されている。ドラッグデリバリーのためのナノ粒子はまたJ.Control.Release,2003,91(1-2),167-172、およびSinha et al.,Mol.Cancer Ther.August 1,(2006)5,1909にも記載されている。
医薬組成物は、一般的に約1%(w/w)~約95%(w/w)の活性成分、および99%(w/w)~5%(w/w)の薬学的に許容される賦形剤または賦形剤の組合せを含む。一般的に、組成物は、約20%(w/w)~約90%(w/w)の活性成分、および80%(w/w)~10%(w/w)の薬学的に許容される賦形剤または賦形剤の組合せを含む。医薬組成物は、約1%~約95%、一般的に約20%~約90%の活性成分を含む。本発明に記載の医薬組成物は、例えば、単位服用量の形態、例えば、アンプル、バイアル、坐薬、プレフィルドシリンジ(pre-filled syringes)、糖衣錠、錠剤またはカプセルの形態が可能である。
薬学的に許容される賦形剤は、製剤の所望の物理的形態に従って選択することができ、例えば、希釈剤(例えば、固体希釈剤(例えば、充填剤または増量剤)および液体希釈剤(溶剤および共溶剤))、崩壊剤、緩衝剤、潤滑剤、フローエイド、放出制御剤(例えば、放出を遅緩または遅延させるポリマーまたはワックス)、結合剤、造粒剤、色素、可塑剤、抗酸化剤、保存剤、香味剤、矯味剤、等張化剤およびコーティング剤から選択可能である。
当業者は、製剤に用いる成分に適する量を選択するための専門知識を有するだろう。例えば、錠剤およびカプセル剤は通常、0~20%の崩壊剤、0~5%の潤滑剤、0~5%のフローエイドおよび/または0~99%(w/w)の充填剤または増量剤(投薬量に応じて)を含有する。それらはまた、0~10%(w/w)のポリマー結合剤、0~5%(w/w)の抗酸化剤、0~5%(w/w)の色素を含有することが可能である。徐放錠は加えて、0~99%(w/w)のポリマー(投薬量に応じて)を含有することになる。錠剤またはカプセル剤のフィルムコーティングは、通常、0~10%(w/w)の放出制御(例えば、遅延型)ポリマー、0~3%(w/w)の色素および/または0~2%(w/w)の可塑剤を含有する。
非経口製剤は通常、0~20%(w/w)の緩衝液、0~50%(w/w)の共溶剤および/または0~99%(w/w)の注射用蒸留水(WFI)(投与量および凍結乾燥か否かに応じて)を含有する。筋肉内デポ製剤(formulations for intramuscular depots)はまた、0~99%(w/w)の油を含有することが可能である。
経口投与のための医薬組成物は、活性成分と固体担体とを混合し、所望により、得られた混合物を造粒し、錠剤、糖衣錠の中心またはカプセル剤に適当な賦形剤を加えた後に、所望により、または、必要に応じて、混合物を加工することによって得ることができる。活性成分を一定量で放散または放出させることができるポリマーまたはワックス状マトリックス中に、医薬組成物を入れ込むことも可能である。
本発明の化合物は固体分散体として製剤化することができる。固体分散体は、2種以上の固体の均一で超微細な分散相である。1種の固体分散体である固溶体(分子分散系)は、製薬技術における使用が周知であり(Chiou and Riegelman,J.Pharm.Sci.,60,1281-1300(1971)を参照)、水溶性の低い薬の溶解速度を増加させ、バイオアベイラビリティを増加させるのに有用である。
本発明はまた、本明細書に記載される固溶体を含む固形剤も提供する。固形剤は、錠剤、カプセル剤、チュアブル錠、および分散錠または発泡錠を含む。既存の賦形剤は、固溶体と混合し所望の剤形を提供することができる。例えば、カプセル剤は、(a)崩壊剤および潤滑剤、または(b)崩壊剤、潤滑剤および界面活性剤を混合した固溶体を含有することができる。加えて、カプセル剤は、増量剤、例えば、ラクトースまたは微結晶性セルロースを含有することができる。錠剤は、少なくとも1種の崩壊剤、潤滑剤、界面活性剤、増量剤および流動促進剤を混合した固溶体を含有することができる。チュアブル錠は、増量剤、潤滑剤および必要に応じて添加する甘味剤(例えば、人工甘味料)および適切な香味剤を混合した固溶体を含有することができる。固溶体は、薬剤と適切なポリマーの溶液とを不活性な担体、例えば、糖ビーズ(ノンパレイユ(non-pareils))の表面上へ噴霧することによって形成することができる。これらのビーズは、次いで、カプセル剤に充填するか、または錠剤に詰め込むことができる。
医薬製剤は、単一パッケージ(通常、ブリスター包装)に一連の全治療を含む「患者パック」として患者に提示することができる。患者パックは、薬剤師が患者への調剤の供給をバルク供給から分割するという従来の処方より、患者が患者パックに含まれる添付文書にいつでもアクセスできるという点で有利であり、これは通常の患者用処方で見逃されていることである。添付文書を同封することで、医師の指示に対する患者のコンプライアンスが改善されることが示されている。
局所使用および鼻への送達のための組成物は、軟膏、クリーム、スプレー、パッチ、ゲル類、液滴および挿入物(inserts)(例えば、眼内挿入物)を含む。そのような組成物は、既知の方法に従って製剤化することができる。
直腸投与または腟内投与のための製剤の例は、膣座薬および坐薬を含み、例えば、活性化合物を含む成形された成形可能またはワックス状物質から形成することができる。直腸内投与のために活性化合物の溶液を使用することができる。
吸入による投与のための組成物は、吸入可能な粉末組成物または液体または粉末スプレーの形態をとることができ、粉末吸入器またはエアゾール分注器を用いる標準の形態で投与することができる。そのような装置は周知である。吸入による投与においては、粉末製剤は、通常は、不活性の固形粉末状の希釈剤と合わせた活性化合物を含む。
式(I)の化合物は、一般的に、単位剤形で提示され、したがって、通常は、生物学的活性の所望のレベルを提供するために十分な化合物を含有する。例えば、製剤は1ナノグラム~2グラムの有効成分、例えば1ナノグラム~2ミリグラムの有効成分を含有することができる。この範囲内での、化合物の個別の小範囲は、0.1ミリグラム~2グラム(より通常には、10ミリグラム~1グラム、例えば50ミリグラム~500ミリグラム)の有効成分、または1マイクログラム~20ミリグラムの有効成分(例えば、1マイクログラム~10ミリグラム、例えば、0.1ミリグラム~2ミリグラムの有効成分)である。
経口組成物においては、例えば、単位剤型は、活性化合物を1ミリグラム~2グラム、より通常には、10ミリグラム~1グラム、例えば50ミリグラム~1グラム、例えば100ミリグラム~1グラムを含有できる。
活性化合物は、所望の治療効果を達成するのに十分な量で、それを必要とする患者(例えばヒトまたは動物の患者)に投与される。
治療方法
本明細書で定義される式(I)およびサブグループの化合物は、SHP2により媒介される様々な病態または病状の予防または治療に有用と思われる。そのような病態と病状の例を、上に提示する。
本化合物は、通常、そのような投与が必要な対象、例えば、ヒトまたは動物の患者、一般的にヒトに投与される。
本化合物は、概して、治療または予防に有用で、一般に無毒である量で投与される。しかしながら、ある状況(例えば、生死に関わる疾患の場合)では、式(I)の化合物を投与することの便益がいかなる毒作用または副作用がもたらす不利益に勝る場合には、毒性度と関連する量の化合物を投与することが望ましいと考えられる場合がある。
本化合物は、有益な治療効果を維持するために、長期間にわたる投与が可能で、または短期間に限定した投与も可能である。あるいは、本化合物は、連続法、または間欠投与法(例えばパルス投与法)による投与が可能である。
式(I)の化合物の一般的な一日用量は、体重1キログラムあたり100ピコグラム~100ミリグラムの範囲であろう。本発明の化合物は、ボーラス投与または持続点滴によって投与することもできる。
投与する化合物の量および使用する組成物のタイプは、治療される疾患または生理学的状態の性質に見合ったものであり、医師の裁量に委ねられる。
本発明の化合物を単剤として用いること、あるいは本発明の化合物と、異なる機序を通して作用し細胞増殖を制御する別の薬剤とを併用し、がんの進行における2つの特性を治療することは有益である可能性がある。併用実験は、例えば、Chou TC,Talalay P.Quantitative analysis of dose-effect relationships:the combined effects of multiple drugs or enzyme inhibitors.Adv Enzyme Regulat 1984;22:27-55に記載されているように行うことができる。
本明細書で定義される化合物は、単独の治療薬としてまたは1種以上のその他の化合物(または療法)との併用療法で特定の病態、例えば先に定義されたように腫瘍性疾患、例えば、がんの治療のために投与することができる。上記の病状の治療のために、本発明の化合物は、1種以上の他の薬剤、より詳しくは、その他の抗がん剤またはがん療法におけるアジュバント(療法における補助剤)との組合せでがん療法に有利に使用できる。
式(I)の化合物を1種、2種、3種、4種またはそれ以上のその他の治療薬(一般的に1種または2種、より一般的には1種)と併用療法で投与する場合は、化合物は同時に、または、逐次的に投与することができる。後者の場合、2種以上の化合物は、ある期間内に、そして確実に有利な効果または相乗効果を達成するのに十分な量および方法で投与される。
典型的な投与の方法および順序、ならびに併用する各成分のそれぞれの投与量および投与方法は、投与されるその他の特定の薬剤および本発明の化合物、投与経路、治療する特定の腫瘍および治療を受ける特定の宿主に依存していることが認識されている。
併用で投与される場合、本発明に記載の化合物と1種以上のその他の抗がん剤との重量比は、当業者によって決定できる。当業者にとって周知であるように、前記割合、正確な投与量および投与回数は、本発明に記載の特定の化合物および使用されるその他の抗がん剤、治療する時の特定の病状、治療する病状の重症度、年齢、体重、性別、食事、投与時期および特定の患者の全身的な健康状態、投与形態ならびにその個人が服用しているかも知れないその他の薬物に依存する。さらにまた、1日の有効量は、治療を受けている対象者の反応に依存し、かつ/あるいは、本発明の化合物を処方している医師の評価に依存して、減量または増量されてもよい。
本発明の化合物は、非化学療法的治療(例えば、放射線療法、レーザー光化学療法、遺伝子療法)、手術および食事療法と併せて投与できる。放射線療法は、根治、緩和、補助療法、術前補助療法、または予防の目的で行われる。
別の化学療法剤との併用療法における使用において、式(I)の化合物および1種、2種、3種、4種またはそれ以上のその他の治療剤は、例えば、2種、3種、4種またはそれ以上の治療薬を含有する剤型にまとめて、すなわち、すべての成分を含む単一の医薬組成物に製剤することができる。別の方法では、別個の治療薬を別々に製剤化し、必要に応じてそれらの使用説明書とともに、キットの形態で併せて提供することができる。
さらなる実施形態において、本発明は、本明細書で定義される化合物と別の治療薬との組合せを提供する。
別の実施形態において、本発明は、本明細書で定義される化合物を、薬学的に許容される担体および上記で定義される1種または2種以上の治療薬と一緒に含む医薬組成物を提供する。
一実施形態において、医薬組成物は、式Iの化合物を、薬学的に許容される担体およびオプションで1種または2種以上の治療薬と一緒に含む。
別の実施形態において、本発明は、腫瘍細胞の増殖を阻害するための医薬組成物の製造における本発明による組合せの使用に関する。
さらなる実施形態において、本発明は、式Iの化合物および1種または2種以上の抗がん剤を含有する、がんを患っている患者の治療における同時、個別または逐次使用のための組合せ製剤としての製品に関する。
合成法
以下の一般手順と同様におよび/または類似の方法により、以下に示される化合物を調製した。
以下の合成手順は、使用する方法の説明のために提供する。所与の調製物または工程について、使用される前駆体は、与えられた説明の工程に従って合成された個々のバッチから必ずしも得られなくてもよい。
化合物が2つのジアステレオマー/エピマーの混合物として記述されている場合、立体中心の配置は指定されておらず、直線で表される。
当業者によって理解されるように、示されたプロトコルを使用して合成した化合物は、溶媒和物、例えば、水和物として存在し得、かつ/あるいは、残留溶媒または少量の不純物を含み得る。塩形態として単離された化合物は、化学量論的な整数、すなわちモノ塩もしくはジ-塩、または化学量論的中間体(intermediate stoichiometry)であり得る。
以下の化合物のいくつかは、例えば、精製方法で使用される酸に応じて、塩として単離される。一部の化合物は遊離塩基として単離される。
単一の立体中心を含む化合物は、通常、合成シーケンスの最終段階で(または、それまでに)分取キラルHPLC(一般的な方法で説明)を使用して単一の異性体として単離される。これらの場合、立体化学はIUPACに従って「破線」または「実線」の楔形ラインを使用して指定される。特に明記しない限り、立体中心の直線は、化合物が両方の異性体の混合物として存在することを示す。
2番目の立体中心を含む化合物は、通常、分取アキラルおよび/またはキラルHPLCによって単一の異性体として単離される。
光学異性体は、それらの光学活性(すなわち、+および-異性体、またはdおよびl異性体として)によって特徴付けられる。立体中心は、Cahn、IngoldおよびPrelogによって開発された命名法に従って「RまたはS」として割り当てることもできる。Advanced Organic Chemistry by Jerry March,4th Edition,John Wiley & Sons,New York,1992,pages109-114、およびCahn,Ingold & Prelog,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1966,5,385-415を参照。
光学異性体は、キラルクロマトグラフィー(キラル支持体でのクロマトグラフィー)を含む多くの技術によって分離することができ、そのような技術は当業者に周知である。
キラルクロマトグラフィーの代替として、キラル酸、例えば、(+)-酒石酸、(-)-ピログルタミン酸、(-)-ジ-トルオイル-L-酒石酸、(+)-マンデル酸、(-)-リンゴ酸および(-)-カンファースルホン酸と、ジアステレオマー塩を形成し、優先析出によりジアステレオマー塩を分離し、塩を解離して遊離塩基の別個の鏡像異性体を生成することによって、塩基性化合物の光学異性体を分離できる。同様に、酸性化合物の光学異性体は、キラルアミン、例えば、ブルシン、シンコニジン、キニーネとのジアステレオマー塩を形成することによって分離できる。
さらに、鏡像異性体分離は、化合物に鏡像異性的に純粋なキラル補助基を共有結合させ、その後、従来の方法、例えば、クロマトグラフィーを使用してジアステレオマー分離を行うことによって達成できる。その後、前述の共有結合を切断し、適切な鏡像異性的に純粋な生成物が作られる。例としては、酸性化合物のメントールエステルの生成がある。
式(I)の化合物が2種以上の光学異性体形態として存在する場合、一対の鏡像異性体のうちの1種の鏡像異性体は、例えば生物活性に関して、もう1種の鏡像異性体よりも有利な場合がある。したがって、特定の状況では、一対の鏡像異性体のうちの1種のみ、または複数のジアステレオマーのうちの1種のみを治療剤として使用することが望ましい。
したがって、本発明は、式(I)の化合物の少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%)が単一の光学異性体(例えば、鏡像異性体またはジアステレオマー)として存在する1つ以上のキラル中心を有する式(I)の化合物を含む組成物を提供する。一般的な一実施形態において、式(I)の化合物の総量の99%以上(例えば、実質的にすべて)は、単一の光学異性体(例えば、鏡像異性体またはジアステレオマー)として存在する。
二重結合を含む化合物は、その二重結合にE(entgegen)またはZ(zusammen)立体化学をとることができる。二価の環状または(部分的に)飽和したラジカル上の置換基は、シス配置またはトランス配置のいずれかをとることができる。本明細書で使用される場合のシスおよびトランスという用語は、ケミカルアブストラクトの命名法(J.Org.Chem.1970,35(9),2849-2867)に従い、環部分の置換基の位置を指す。
特に興味深いのは、立体化学的に純粋な式(I)の化合物である。式(I)の化合物が例えばRとして特定される場合、これは、化合物がS異性体を実質的に含まないことを意味する。式(I)の化合物が例えばEとして特定される場合、これは、化合物が実質的にZ異性体を含まないことを意味する。シス、トランス、R、S、EおよびZという用語は、当業者に周知である。
exoおよびendoという用語は、PAC、1996、68、2193、立体化学の基本用語(IUPAC Recommendations 1996)に記載されている、架橋ビシクロアルカン、例えば、置換トロパンの立体化学を指す。置換基(例えば、アミノ基)が最も大きい番号の架橋に向けられている配置はexo、番号が最も大きい架橋から離れた方向を向いている配置は、endoと記述される。同じ炭素原子に2つの置換基がある場合、用語exoおよびendoは、優先度の高い置換基に関連する。下の図は、アミノトロパンが本特許で定義されている方法を示す。
例
ここで、以下の実施例に記載される特定の実施形態を参照することにより、本発明を説明するが、これに限定するものではない。化合物は、例えば、自動命名パッケージ(例えば、AutoNom(MDL))およびIUPACルールを使用して命名するか、または化学品サプライヤーによって命名された名前である。実施例では、次の省略形が使用される。
合成法
すべての出発物質および溶媒は、市販の供給源から入手し、あるいは、文献引用に従って調製し入手した。特に明記しない限り、すべての反応液を撹拌した。有機溶液を無水硫酸マグネシウムで規定通りに乾燥させた。水素化は、Parr水素化装置、Thales Hキューブフローリアクターで、指定された条件下または水素のバルーン下で行った。マイクロ波反応は、CEM DiscoverおよびSmithcreatorマイクロ波リアクター内で可変出力マイクロ波照射を使用して一定温度に加熱して実施された。順相カラムクロマトグラフィーは、プレパックシリカ(230-400メッシュ、40-63μm)カートリッジを使用して、自動化フラッシュクロマトグラフィーシステム、例えば、CombiFlash CompanionまたはCombiFlash RFシステムで規定通りに行った。SCXはSupelcoから購入し、使用前に1M塩酸で処理した。特に明記しない限り、精製する反応混合物を最初にMeOHで希釈し、数滴のAcOHで酸性にした。この溶液を直接SCXにロードし、MeOHで洗浄した。次いで、所望の物質を、溶媒(例えば、1%NH3/MeOH)で洗浄することにより溶出した。NH2イオン交換シリカゲル精製は、Strata NH2(55μm、70Å)カラムに直接ロードして、溶媒(例えば、メタノール)で溶出することによって実施した。Biotage(登録商標)KP-NH SNAPシリカゲルカラムはBiotage(登録商標)から購入した。逆相精製は、Biotage(登録商標)から購入したBiotage(登録商標)SNAP Ultra C18シリカゲルカラムを使用して行った。
NMRデータ
1H NMRスペクトルは、400MHzのBruker Avance III、AL400(400MHz、JEOL製)、Mercury400(400MHz、Agilent Technologies、Inc.製)、または500MHz Bruker Avance IIIHD NMR分光計で測定した。クロロホルム-d、ジメチルスルホキシド-d6または内部標準のテトラメチルシランのいずれか中央ピークを基準として使用した。帰属されたプロトンの数が分子内のプロトンの理論的な数より少ないNMRデータの場合、見かけ上欠落しているシグナルは、溶媒および/または水のピークによって不明瞭になっていると想定される。さらに、プロトン性NMR溶媒でスペクトルを測定した場合、NHおよび/またはOHプロトンと溶媒との交換が発生するため、通常、このようなシグナルは観測されない。
分析および分取LC-MSシステム
分析用LC-MSシステムおよび方法の説明
以下の実施例において、化合物は、以下に示されるシステムおよび操作条件を使用し、質量分析によって特徴付けられた。様々な同位体の原子が存在し、単一の質量が示された場合、その化合物について示された質量は、モノアイソトピック質量(つまり、35Cl;79Brなど)である。
島津ネクセラ
HPLCシステム:島津SIL-30ACオートサンプラ/2×島津LC-30ADポンプ
質量分析検出器:島津LCMS-2020シングル四重極MS
2番目の検出器:島津SPD-M20Aダイオードアレイ検出器
MS操作条件
Qarray DC電圧:ES Posで20V(ES Negで-20V)
乾燥ガス流量:20.0L/分
DL温度:300℃
ヒートブロック温度:350℃
噴霧ガス流量:1.5L/分
スキャン範囲:100~750amu
イオン化モード:エレクトロスプレーの正負の切替え
Agilent 1290 Infinity II-6130 LC-MSシステム
HPLCシステム:Agilent 1290 Infinity II
質量分析検出器:Agilent 6130シングル四重極
2番目の検出器:Agilent 1290 Infinity II ダイオードアレイ検出器
MS操作条件
キャピラリー電圧:3000V
フラグメンター/ゲイン:70
ゲイン:1
乾燥ガス流量:13.0L/分
ガス温度:350℃
ネブライザ圧力:40psig
スキャン範囲:150~1000amu
シースガス温度:360℃
シースガス流量:10.0L/分
ノズル電圧:300(+veモード)/1750(-veモード)
イオン化モード:Agilent Jet Stream Electrosprayの正負の切替え
LCMSスペクトルは、ウォーターズ社製のSQDを用いて以下の2つの条件で選択的に測定し、[M+H]+値を示した。
MS検出:ESIポジティブ
UV検出:254nm
カラム流量:0.5mL/分
移動相:水/アセトニトリル(0.1%ギ酸)
注入量:1μL
方法
カラム:Acguity BEH、2.1×50mm、1.7μm
勾配:
時間(分) 水/アセトニトリル(0.1%ギ酸)
0 95/5
0.1 95/5
2.1 5/95
3.0 停止
分取LC-MSシステムおよび方法の説明
分取LC-MSは、有機小分子、例えば、本明細書に記載される化合物の精製に使用される標準的かつ効果的な方法である。液体クロマトグラフィー(LC)および質量分析(MS)の方法は、粗製物の分離を改善し、MSによるサンプルの検出を改善するために変更できる。分取グラジエントLC法の最適化には、さまざまなカラム、揮発性溶離液および修飾剤、ならびに勾配が含まれる。分取LC-MS法を最適化し、次いでそれらを使用して化合物を精製する方法は、当技術分野で周知である。このような方法は、以下の文献:Rosentreter U,Huber U.;Optimal fraction collecting in preparative LC-MS;J Comb Chem.;2004;6(2),159-64、およびLeister W,Strauss K,Wisnoski D,Zhao Z,Lindsley C.,Development of a custom high-throughput preparative liquid chromatography/mass spectrometer platform for the preparative purification and analytical analysis of compound libraries;J Comb Chem.;2003;5(3)322-9に記載されている。
分取LC-MSを介して化合物を精製するためのいくつかのシステムが以下で説明されるが、当業者であれば、説明されるこれらに対する代替的なシステムおよび方法が用いられ得ることを理解するであろう。本明細書で提供される情報から、あるいは、代替的なクロマトグラフィーシステムを用いることから、当業者は本明細書に記載される化合物を、分取LC-MSによって精製し得る。
質量分析精製LC-MSシステム
分取LC-MSは、有機小分子、例えば、本明細書に記載される化合物の精製に使用される標準的かつ効果的な方法である。液体クロマトグラフィー(LC)および質量分析(MS)の方法は、粗製物の分離を改善し、MSによるサンプルの検出を改善するために変更できる。分取グラジエントLC法の最適化には、さまざまなカラム、揮発性溶離液および修飾剤、ならびに勾配が含まれる。分取LC-MS法を最適化し、次いでそれらを使用して化合物を精製する方法は、当技術分野で周知である。このような方法は、以下の文献:Rosentreter U,Huber U.;Optimal fraction collecting in preparative LC-MS;J Comb Chem.;2004;6(2),159-64、およびLeister W,Strauss K,Wisnoski D,Zhao Z,Lindsley C.,Development of a custom high-throughput preparative liquid chromatography/mass spectrometer platform for the preparative purification and analytical analysis of compound libraries;J Comb Chem.;2003;5(3)322-9に記載されている。
分取LC-MSを介して化合物を精製するための1つのそのようなシステムを以下に記載するが、当業者であれば、説明されるこれらに対する代替的なシステムおよび方法が用いられ得ることを理解するであろう。特に、ここで説明する逆相法の代わりに、順相分取LCベースの方法が使用できる。ほとんどの分取LC-MSシステムは、小分子の精製に非常に効果的であり、溶離液が陽イオンエレクトロスプレー質量分析に適合しているため、逆相LCおよび揮発性酸性修飾剤を利用している。上記の分析方法で概説されているその他のクロマトグラフィー溶液、例えば、順相LC、代替緩衝移動相、塩基性修飾剤などを利用して、代替的に化合物の精製に使用できる。
Agilent 1260 LC-MS分取システム
ハードウェア:
オートサンプラ:G2260A Prep ALS
ポンプ:分取流勾配用 2×G1361A Prep Pump、分取流調整用 G1311C Quat Pump VLおよびメイクアップポンプ流用(for make-up pump flow) G1310B Iso Pump
UV検出器:G1365C 1260 MWD
MS検出器:G6120B四重極LC-MS
フラクションコレクター:2×G1364B 1260 FC-PS
G1968Dアクティブスプリッター
ソフトウェア:
Agilent OpenLab C01.06
Agilent MSの操作条件:
キャピラリー電圧:3000V
フラグメンター/ゲイン:70/1
乾燥ガス流量:12.0L/分
乾燥ガス温度:275℃
ネブライザ圧力:40psig
気化器温度:200℃
スキャン範囲:125~800amu
イオン化モード:エレクトロスプレーポジティブ
カラム:
1.Waters XBridge Prep C18 5m OBD 100×19mm
重炭酸アンモニウムベース法に一般的に使用
2.Waters SunFire Prep C18 OBD 5m 100×19mm
TFAベース法に一般的に使用
3.Waters XBridge Prep Phenyl 5m OBD 100×19mm
中性pH酢酸アンモニウムベース法に一般的に使用
4.Supelco Ascentis RP-Amide 5m 100×21.2mm
ギ酸ベース法に一般的に使用
5.Phenomenex Synergi Fusion-RP 4m 100×21.2mm
ギ酸ベース法に一般的に使用
溶離液:
溶剤A:水
溶剤B:アセトニトリル
溶剤C:利用可能な修飾剤の選択:
2.5%トリフルオロ酢酸水溶液
2.5%ギ酸水溶液
250mM炭酸水素アンモニウム水溶液pH9.4
250mM酢酸アンモニウム
溶剤組成:
90:10 メタノール:水+0.2%ギ酸(すべての種類のクロマトグラフィー用)
方法:
分析トレースに従い、最も適切な分取クロマトグラフィータイプを選択した。典型的手順は、化合物の構造に最も適したタイプのクロマトグラフィー(低または高pH)を使用して分析LC-MSを実行することであった。分析トレースが良好なクロマトグラフィーを示すと、同じタイプの適切な分取方法を選択した。低pHおよび高pHの両方のクロマトグラフィー法の一般的な流出条件は以下のとおりであった。
流量:25mL/分
勾配:一般に、すべての勾配は、最初の0.4分のステップが95%A+5%B(追加の修飾剤Cを含む)、次いで、分析トレースに従って、良好な分離を実現するために6.6分の勾配を選択した(例えば、初期保持化合物の場合は5%~50%B、中間保持化合物の場合は35%~80%Bなど)。
洗浄:勾配の最後に1.6分の洗浄工程を実施
メイクアップ流量(Make Up flow rate):0.8mL/分
溶媒:
すべての化合物は通常、100%MeOHまたは100%DMSOに溶解した。
提供された情報から、当業者は本明細書に記載されている化合物を分取LC-MSにより精製することが可能であった。
Waters Fractionlynxシステム
ハードウェア:
2767デュアルループオートサンプラー/フラクションコレクター
2525分取ポンプ
カラム選択用のCFO(column fluidic organiser)
メイクアップポンプとしてのRMA(Waters reagent manager)
Waters ZQ質量分析計
Waters 2996フォトダイオードアレイ検出器
Waters ZQ質量分析計
ソフトウェア:
Masslynx 4.1
Waters MSの稼働条件:
キャピラリー電圧:3.5kV(ESネガティブでは3.2kV)
コーン電圧:25V
ソース温度:120℃
増倍管:500V
スキャン範囲:125~800amu
イオン化モード:エレクトロスプレーポジティブまたはエレクトロスプレーネガティブ
あるいは、以下の条件で逆相分取HPLCカラムクロマトグラフィーを行った。
カラム:資生堂製CAPCELL PAK C18 AQ、30×50mm、5μm
UV検出:254nm
カラム流量:40mL/分
移動相:水/アセトニトリル(0.1%ギ酸)
注入量:1.0mL
基本的な勾配法:水/アセトニトリル0%~50%(8分)
アキラル分取クロマトグラフィー
記載されている化合物の例は、Snyder L.R.,Dolan J.W.,High-Performance Gradient Elution The Practical Application of the Linear-Solvent-Strength Model,Wiley,Hoboken,2007に記載されている推奨事項に従って開発された方法を使用して、示されたHPLC精製を実施した。
キラル分取クロマトグラフィー
キラル固定相(CSP)を使用した分取は、鏡像異性体混合物の分割に適用する現実的な手法である。同様に、ジアステレオマーとアキラル分子との分離にも適用できる。CSPでの分取キラル分離を最適化し、次いでそれらを使用して化合物を精製する方法は、当技術分野でよく知られている。このような方法は、Beesley T.E.,Scott R.P.W.;Chiral Chromatography;Wiley,Chichester,1998に記載されている。
調製1:7-ブロモ-3-クロロ-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン
N-ブロモスクシンイミド(25.5g、0.143mol)を、窒素下、氷浴で冷却撹拌された3-クロロ-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(20g、0.13mol)のDMF(200mL)混合物に徐々に加えた。混合物を一晩おいて、周囲温度まで温めた。水(200mL)を加え、得られたスラリーを室温で1時間撹拌した。固体を濾過により単離し、水(100mL)、次いで石油エーテル(100mL)で洗浄し、40℃で一晩真空乾燥して、標題化合物(27.7g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):12.73(1H、s)、8.56(1H、s)、8.18(1H、d)。
調製2:3-クロロ-7-ヨード-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン
N-ヨードスクシンイミド(7.88g、35mmol)を、室温で3-クロロ-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(5.36g、35mmol)のDMF(175mL)溶液に添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。沈殿が生じるまで水を加えた。固体を真空濾過によって収集し、水で洗浄し、真空オーブンで24時間乾燥させて、標題化合物(9.06g)を得た。MS:[M+H]+=279。
調製3:3-クロロ-7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン
3-クロロ-7-ヨード-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(9.06g、32.6mmol)をTHF(163mL)に溶解し、水素化ナトリウム(60%/鉱油、1.70g、42.4mmol)を0~4℃(氷浴)で1時間かけて少しずつ加えた。反応物を11℃に温め、次いで、0~4℃(氷浴)に冷却した。温度を7℃未満に維持しながら、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(7.07g、42.4mmol)を滴下し、深紅/オレンジ色の溶液を1時間撹拌し、2時間で室温に温めた。飽和NH4Clを加え、混合物をEtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物を相分離器に通過させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)により精製して、標題化合物(13g)を得た。MS:[M+H]+=410。
調製4:7-ブロモ-3-クロロ-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン
7-ブロモ-3-クロロ-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジンの使用以外は、3-クロロ-7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジンに類似の方法で調製して標題の化合物を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):8.64(1H、s)、8.38(1H、s)、5.60(2H、s)、3.54(2H、t)、0.92-0.77(2H、m)、-0.08--0.10(9H、m)。
調製5:3-クロロ-7-ヨード-N,N-ジメチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-5-スルホンアミド
3-クロロ-7-ヨード-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(5.0g、17.93mmol)をTHF(89.6mL)に溶解し、水素化ナトリウム(60%/鉱油、0.932g、23.31mmol)を0~4℃(氷浴)で1時間かけて少しずつ加えた。塩化ジメチルスルファモイル(2.5mL、23.31mL)を滴下し、溶液を18時間撹拌した。飽和NH4Clを加え、混合物をEtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物を相分離器に通過させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM)によって精製して、標題化合物(3.12g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):8.76(1H、s)、8.34(1H、s)、2.97(6H、s)。
調製6:8-ベンジル-3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール
8-ベンジル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オン(4.28g、19.9mmol)のTHF(47.0mL)溶液に、3.0mol/L塩化メチルマグネシウムのTHF溶液(29.4mL、88.4mmol)を、MeCN-ドライアイス浴下で、添加し、反応物をこの温度で30分間、次いで室温で20時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液を0℃で加え、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、勾配溶離、20~50%、CH2Cl2:石油エーテル)で精製して、標題化合物(4.50g)を得た。MS:[M+H]+=232。
調製7:N-{endo-8-ベンジル-3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル}アセトアミド
8-ベンジル-3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール(4.28g、18.48mmol)のアセトニトリル(26mL)溶液に、0℃で濃硫酸(18mL)を15分かけて滴下し、室温で18時間撹拌した。反応混合物を氷(約200g)に注ぎ、5mol/L水酸化ナトリウム溶液(約100mL)で塩基性化(約pH10)した。反応混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物をジエチルエーテルおよび石油エーテルで洗浄して、標題化合物(2.45g)を得た。MS:[M+H]+=273。
調製8:tert-ブチル N-{endo-8-ベンジル-3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル}カルバメート
N-{endo-8-ベンジル-3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル}アセトアミドに6mol/L塩酸(80mL)を加え、混合物を140℃で11日間撹拌した。反応混合物を0℃で4mol/L水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し、1,4-ジオキサン(20mL)、およびジ-tert-ブチルジカーボネート(3.93g、18.0mmol)を加えた。反応物を0℃で1時間、そして室温で18時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤を濾別した後、溶媒を減圧下で除去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~10%MeOH-DCM)によって精製して、標題化合物(3.05g)を得た。MS:[M+H]+=331。
調製9:tert-ブチル N-{endo-3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル}カルバメート
Pd(OH)2/C(10重量%Pd、637mg、0.454mmol)を、tert-ブチルN-{endo-8-ベンジル-3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル}カルバメート(3.0g、9.08mmol)のMeOH(20mL)溶液に加えた。反応物を大気圧、室温下で24時間水素化に供した。反応物をセライトで濾過し、濾液を蒸発させた。残留物をジエチルエーテルでトリチュレートして、標題化合物(1.86g)を得た。MS:[M+H]+=241。
調製10:rac-tert-ブチル(1S,2R,3R,5R)-3-(ベンジルアミノ)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
rac-tert-ブチル(1S,2S,5R)-2-フルオロ-3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(10g、41.1mmol)のDCE(97.93mL)溶液に、ベンジルアミン(4.94mL、45.24mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(13.08g、61.70mmol)を加えた。室温で18時間撹拌した後、反応物をDCM(100mL)および飽和炭酸ナトリウム(200mL)の間で分配した。有機層を分離し、相分離器を通過させ、真空で濃縮した。残留物をジエチルエーテル(100mL)に分配し、0.1M HCl(3回、100mL)で抽出した。合わせた水性抽出物をジエチルエーテル(300mL)で洗浄した。5MのNaOHでpH9まで塩基性化した後、水相をEtOAc(300mL、3回)で抽出し、合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、真空で濃縮した。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)により精製して、標題化合物(1.83g)を得た。1H NMR(400MHz、Me-d3-OD):7.41-7.30(4H、m)、7.30-7.23(1H、m)、4.69(1H、d)、4.50(1H、s)、4.25(1H、s)、3.85(1H、d)、3.80(1H、d)、3.05-2.82(1H、m)、1.93(2H、s)、1.87-1.79(1H、m)、1.72(1H、d)、1.65-1.51(2H、m)、1.47(9H、s)。
調製11:rac-tert-ブチル (1S,2R,3R,5R)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
rac-tert-ブチル (1S,2R,3R,5R)-3-(ベンジルアミノ)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(0.419g、1.25mmol)およびPd/C(10%、0.133g、0.13mmol)を氷酢酸/エタノール(1:3、6.27mL)に溶解し、水素雰囲気下1barで2時間撹拌した。GF/Aガラスマイクロファイバーフィルターを使用して混合物を濾過し、真空で濃縮した。残留物をクロロホルム/IPA(9:1)(5.0mL)と飽和炭酸水素ナトリウム(5.0mL)に分配した。水相をクロロホルム/IPA(9:1)(3回)で抽出し、合わせた有機物を相分離器に通して真空で濃縮し、標題化合物(305mg)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):4.46-4.37(1H、m)、4.31(2H、s)、4.07(1H、s)、3.00-2.81(1H、m)、1.79(2H、d)、1.64-1.43(5H、m)、1.43-1.34(9H、m)。
調製12:rac-tert-ブチル (1S,2R,3R,5R)-3-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
DCM/THF(8:1、6.25mL)に溶解したrac-tert-ブチル(1S,2R,3R,5R)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(305mg、1.25mmol)に、DIPEA(0.653mL、3.75mmol)およびクロロギ酸ベンジル(0.213mL、1.50mmol)を氷冷下で加えた。得られた混合物を室温で18時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を反応混合物に加え、それをジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機物を相分離器に通過させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~40%、EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物(487mg)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):7.37(5H、s)、5.77(1H、s)、5.05(2H、s)、4.56(1H、s)、4.35(1H、s)、4.13(1H、s)、4.01-3.73(1H、m)、1.91-1.49(6H、m)、1.40(9H、s)。
調製13:rac-ベンジル N-[(1S,2S,3R,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート塩酸塩
rac-tert-ブチル (1S,2R,3R,5R)-3-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(0.487g、1.29mmol)のDCM(2.15mL)溶液に室温で、4M HClの1,4-ジオキサン(2.15mL)溶液を加え、1.5時間撹拌した。反応物を真空中で濃縮して、標題化合物(404mg)を得た。1H NMR(400MHz、Me-d3-OD):7.49-7.28(5H、m)、5.14(2H、s)、4.38-4.24(1H、m)、4.17-3.98(2H、m)、2.32-2.06(4H、m)、2.03(2H、dd)。
一般手順1:tert-ブチル N-[endo-8-(7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
30mLのマイクロ波チューブに、3-クロロ-7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(2.90g、7.08mmol)、tert-ブチルN-(endo-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(3.20g、14.2mmol)およびNMP(6.0mL)を入れた。容器を脱気し、N2(3回)を充填した。ジ-イソプロピルエチルアミン(2.47mL、14.2mmol)を添加し、チューブは蓋をして密封し、砂浴中で3日間150℃に加熱した。冷却後、反応物をEtOAcで希釈し、次いで、ブライン/飽和NH4Cl水溶液(3回)で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、5~35%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(2.59g)を得た。MS:[M+H]+=600.2。
以下の表1の化合物は、一般手順1に記載のものと類似の手順を使用して、適切な置換保護ピロロピラジンから出発し、アミンを変化させて、調製した(以下に示す重要な変法を使って、上記のように合成した)。
調製14:6-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-チオン
4-ブロモ-2,3-ジクロロアニリン(10.0g、41.5mmol)およびエチルキサンテートカリウム(15.0g、93.4mmol)のDMF(100mL)混合物を、120℃で18時間撹拌した。混合物を2M HCl(80mL)水溶液および水(400mL)でクエンチした。混合物を濾過し、水で洗浄して、標題化合物(1.13g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):14.10(1H、s)、7.78(1H、d)、7.19(1H、d)。
調製15:6-ブロモ-7-クロロ-1,3-ベンゾチアゾール
丸底フラスコに、6-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-チオン(1.13g、40.3mmol)、鉄粉(12.4g、221.5mmol)および酢酸(200mL)を室温で入れて、120℃で2時間(メカニカルスターラーで)撹拌した。鉄粉(24.8g、443.0mmol)をさらに加え、混合物を120℃で2時間撹拌した。追加の鉄粉(12.4g、221.5mmol)を加え、反応液を120℃で15時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をEtOAcからの再結晶化、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc:石油エーテル)により精製して、標題化合物(2.7g)を得た。MS:[M+H]+=248。
調製16:N-(4-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロフェニル)アセトアミド
4-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロアニリン(25g、111mmol)およびジ-イソ-プロピルエチルアミン(48.5mL、278mmol)の氷浴で冷却したDCM(250mL)溶液に、1.5時間にわたって無水酢酸(11.05mL、117mmol)を加えた。反応液を室温に温め、24時間撹拌した。反応液をHCl(1M、250mL)、NaHCO3(150mL)および水(100mL)で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~40%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(23.8g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)9.97(s、1H)、7.95-7.77(m、1H)、7.56(dd、1H)、2.10(s、3H)。
調製17:6-ブロモ-7-クロロ-2-メチル-1,3-ベンゾチアゾール
N-(4-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロフェニル)アセトアミド(1.0g、3.77mmol)のキシレン(9.86mL)溶液に、ローソン試薬(1.53g、2.26mmol)を加えた。反応液を110℃に18時間加熱した。炭酸セシウム(4.11g、7.55mmol)を加え、混合物を110℃で18時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、反応液を水(500mL)および酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、飽和ブライン溶液で洗浄し、次いで無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(0.97g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):7.85(2H、d)、2.83(3H、s)。
調製18:7-ブロモ-8-クロロ-2-メトキシキノリン
7-ブロモ-8-クロロ-1,2-ジヒドロキノリン-2-オン(520mg、2.0mmol)の無水DMF(10mL)溶液に水素化ナトリウム(60%/鉱油、120mg、3.0mmol)を添加し、反応混合物を30分間撹拌した。ヨードメタン(0.38mL、6.0mmol)を加え、反応混合物を1時間撹拌した。水(20mL)を加え、生成物をEtOAc(20mL、2回)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2回、20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過して溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物(414mg)を得た。MS:[M+H]+=273
調製19:7-ブロモ-8-クロロ-N,N-ジメチルキノリン-2-アミン
7-ブロモ-8-クロロ-1,2-ジヒドロキノリン-2-オン(1.0g、3.87mmol)のPOCl3溶液を1時間加熱還流した。冷却後、ほとんどのPOCl3を蒸発させ、氷およびNH4OHを加え、生成物をEtOAcで抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させて、7-ブロモ-2,8-ジクロロキノリン(0.79g)を得た。MS:[M+H]+=278。7-ブロモ-2,8-ジクロロキノリン(250mg、0.9mmol)をピリジン(1.5mL)に溶解し、ジメチルアミン(40%水溶液、1.5mL)を加え、反応混合物を密封したチューブ内で3時間加熱した。冷却後、水(10mL)を加え、生成物をEtOAc(2回、15mL)で抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(220mg)を得た。MS:[M+H]+=287。
調製20:6-ブロモ-7-クロロ-N,N-ジメチル-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン
二硫化炭素(0.11mL、1.81mmol)およびジメチルアミン溶液(水中40重量%、0.29mL、2.26mmol)を4-ブロモ-3-クロロ-2-ヨードアニリン(500mg、1.50mmol)、CuCl2(202mg、1.50mmol)およびK2CO3(624mg、4.51mmol)のDMF(5.0mL)懸濁液に加え、反応液をN2下で6時間、110℃に加熱した。冷却後、反応物をEtOAcで希釈し、水(4回)およびブラインで洗浄し、乾燥させて(MgSO4)、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~25%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(362mg)を得た。MS:[M+H]+=291。
調製21:6-ブロモ-5-クロロ-2-メチル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン
6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ安息香酸メチル(3.0g、13.16mmol)を4M HCl/1,4-ジオキサン(50mL)に溶解した。アセトニトリル(2.01mL、39.54mmol)を加え、反応液を一晩加熱還流した。反応液を放冷して得られた濃い白色の沈殿物を濾過によって収集し、真空オーブンで一晩乾燥させて、標題化合物(2.5g)を得た。MS:[M+H]+=273。
調製22:6-ブロモ-5-クロロ-2-メチル-3-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン
6-ブロモ-5-クロロ-2-メチル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(0.5g、1.83mmol)およびK2CO3(0.76g、5.49mmol)をDMF(7mL)に溶解した。2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.388mL、2.196mmol)を滴下し、反応液を室温で一晩撹拌した。反応液をジエチルエーテルで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機相を相分離器に通過させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、白色の固体として標題化合物(0.361g)を得た。MS:[M+H]+=403。
調製23:2-エチルヘキシル 3-[(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロフェニル)スルファニル]プロパノエート
4-ブロモ-3-クロロ-2-ヨードアニリン(4.80g、14.4mmol)、2-エチルヘキシル 3-スルファニルプロパノエート(3.61mL、15.9mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(661mg、0.72mmol)、[5-(ジフェニルホスファニル)-9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4-イル]ジフェニルホスファン(836mg、1.44mmol)、DIPEA(6.3mL、36mmol)および1,4-ジオキサン(100mL)を合わせ、脱気し、窒素(2回)で充填し、100℃に2時間加熱した。反応液を冷却し、EtOAcおよび水の間で分配し、層を分離し、水相をEtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(5.95g)を得た。MS:[M+H]+=422。
調製24:6-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-オン
2-エチルヘキシル 3-[(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロフェニル)スルファニル]プロパノエート(1.0g、2.4mmol)をTHF(20mL)に溶解し、20%ナトリウムエトキシドのエタノール溶液で2時間、撹拌処理した。酢酸(2.24mL、39.2mmol)およびN,N’-カルボニルジイミダゾール(3.18g、19.6mmol)を加え、2時間撹拌した。反応液をEtOAc(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2回、20mL)、およびブライン(20mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物(294mg)を得た。MS:[M-H]-=262。
調製25:6-ブロモ-7-クロロ-3-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-オン
6-ブロモ-7-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-オン(294mg、1.11mmolおよび炭酸カリウム(306mg、2.22mmol)のDMF(4mL)懸濁液に2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(297μL、1.67mmol)を加え、2時間撹拌した。反応液をEtOAc(10mL)で希釈し、水(10mL、3回)、およびブライン(10mL)で洗浄した。合わせた有機物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標題化合物(448mg)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)7.81(1H、d)、7.34(1H、d)、5.37(2H、s)、3.58(2H、t)、0.88-0.84(2H、m)、-0.04--0.08(9H、m)。
調製26:6-ブロモ-7-クロロ-2-(オキソラン-3-イル)-1,3-ベンゾチアゾール
2-エチルヘキシル 3-[(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロフェニル)スルファニル]プロパノエート(500mg、1.18mmol)のDCM(6mL)溶液に、DIPEA(0.62mL、3.55mmol)およびテトラヒドロフラン-3-カルボニルクロリド(0.26mL、2.37mmol)を0℃で加え、次いで室温に温め、16時間撹拌した。反応液をDCMおよび飽和NaHCO3水溶液の間で分配し、分離された水相をDCM(2回)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~25%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、中間体アミドを得た。この残留物をTHF(6mL)に再溶解し、NaOEt溶液(EtOH中20重量%、1.4mL、3.55mmol)を加え、反応液を30分間撹拌した。0℃に冷却した後、TFA(2.7mL、35.5mmol)を注意深く加え、反応液を60℃に4時間加熱した。0℃まで冷却した後、飽和NaHCO3水溶液を注意深く加え、混合物をEtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~25%、EtOAc/石油エーテル)によって精製し、次いで、NH2イオン交換シリカゲルを通して濾過して、標題化合物(271mg)を得た。MS:[M+H]+=318。
調製27:6-ブロモ-7-クロロ-2-(メトキシメチル)-1,3-ベンゾチアゾール
2-エチルヘキシル 3-[(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロフェニル)スルファニル]プロパノアート(1.0g、2.37mmol)のDCM(12mL)溶液に、DIPEA(0.82mL、4.73mmol)およびメトキシアセチルクロリド(0.32mL、3.55mmol)を0℃で加え、次いで、反応液を室温に温め、1時間撹拌した。反応液をDCMおよび飽和NaHCO3水溶液の間で分配し、分離された水性層をDCM(2回)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~25%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、オレンジ色の油として中間体アミドを得た。この残留物をTHF(12mL)に再溶解し、NaOEt溶液(EtOH中20重量%、2.8mL、7.10mmol)を加え、反応液を30分間撹拌した。0℃に冷却した後、TFA(5.5mL、71.0mmol)を注意深く加え、反応液を60℃に2時間加熱した。0℃まで冷却した後、飽和NaHCO3水溶液を注意深く加え、混合物をEtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残留物をNH2イオン交換シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~30%、アセトン/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(567mg)を得た。MS:[M+H]+=292。
調製28:2-アミノ-4-ブロモ-3-クロロフェノール
鉄粉(2.43g、43.6mmol)を、4-ブロモ-3-クロロ-2-ニトロフェノール(1.10g、4.36mmol)のEtOH(20mL)およびAcOH(10mL)溶液に加え、懸濁液を90℃で4時間加熱した。冷却後、反応液を濾過し、EtOAc(100mLまで)ですすぎ、濾液を水(3回)およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて、標題化合物(950mg)を得た。MS:[M+H]+=222
調製29:5-ブロモ-4-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-オン
1,1’-カルボニルジイミダゾール(2.08g、12.8mmol)を2-アミノ-4-ブロモ-3-クロロフェノール(950mg、4.27mmol)のTHF(22mL)溶液に加え、反応液を加熱して2時間還流した。冷却後、溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcに再溶解し、次いで、2M HCl(3回)、水およびブラインで順次洗浄した。有機画分を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて、標題化合物(1.04g)を得た。MS:[M-H]-=246
調製30:5-ブロモ-4-クロロ-3-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-オン
2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.53mL、3.02mmol)を、5-ブロモ-4-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾオキサゾール-2-オン(500mg、2.01mmol)およびK2CO3(556mg、4.03mmol)のDMF(7.5mL)懸濁液に加え、反応物をN2下、室温で3時間撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、水(3回)およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて、標題化合物(752mg)を得た。MS:[M+H]+=378
調製31:5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール
亜硝酸ナトリウム(58.6g、0.85mol)の水(98mL)溶液を、氷浴冷却した4-ブロモ-3-クロロ-2-メチルアニリン(150g、0.68mol)の酢酸(3L)溶液に機械的撹拌を行いながら加え、混合物を周囲温度に1時間おいた。ほとんどの溶媒を蒸発させ、残留物を水(500mL)に懸濁し、濾過し、水(250mL、4回)、石油エーテル(250mL、4回)で洗浄し、40℃で真空乾燥して、5-ブロモ-4-クロロ-1H-インダゾール(130g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):13.61(1H、s)、8.16(1H、s)、7.62(1H、d)、7.53(1H、dd)。
固体のテトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(258g、1.74mol)を、氷浴で冷却した5-ブロモ-4-クロロ-1H-インダゾール(367g、1.59mol)のEtOAc(1.9L)溶液に加え、得られた混合物を周囲温度で4時間撹拌した。反応混合物を石油エーテル(1.9L)で希釈し、10分間おいた後に濾過し、石油エーテル(400mL、2回)で洗浄した。フィルターケーキを飽和炭酸水素ナトリウム(1.5L)、EtOAc(2L)と混合し、相を分離した。有機相を飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮して、標題化合物(236g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):8.53(1H、s)、7.56(1H、dd)、7.48(1H、d)、4.20(3H、s)。
調製32:5-ブロモ-4-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール
ヘキサフルオロリン酸トリエチルオキソニウム(20g、80.6mmol)を、5-ブロモ-4-クロロ-1H-インダゾール(12.4g、53.7mmol)のEtOAc(186mL)溶液に加え、得られた混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(125mL)でクエンチし、相を分離した。水相をEtOAc(70mL)で抽出し、合わせた有機物をブライン(70mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空で濃縮した。赤/茶色の残留物をエタノール(125mL)/EtOAc(125mL)中の活性炭(12.5g)で処理した。周囲温度で撹拌した後、混合物を濾過し、真空で濃縮して、標題化合物(9.88g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):8.58(1H、s)、7.58(1H、dd)、7.48(1H、d)、4.49(2H、q)、1.52(3H、t)。
調製33:5-ブロモ-4-フルオロ-2-メチル-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-フルオロ-1H-インダゾール(1.0g、4.7mmol)のEtOAc(20mL)懸濁液に、室温でテトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(1.0g、7.0mmol)を加えた。同じ温度で14.5時間撹拌した後、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~60%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(0.91g)を得た。MS:[M+H]+=230。
調製34:(4-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール-5-イル)ボロン酸
5-ブロモ-4-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール(9.1g、39.3mmol)のTHF(45mL)およびトルエン(136mL)溶液に、ホウ酸トリイソプロピル(10mL、43.2mmol)を加え、窒素下、周囲温度で撹拌した。反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(2.5M、17.3mLの、43.2mmol)を50分間かけて加えた。反応液を周囲温度に温めた後、2M塩酸(65mL)でクエンチし、一晩撹拌した。混合物を濾過し、石油エーテル(50mL)で洗浄し、固体を真空で乾燥させて、標題化合物(1.4g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):8.45(1H、s)、7.50(1H、dd)、7.28(1H、d)、4.52-4.38(2H、m)、1.52(3H、t)。
調製35:5-ブロモ-3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール
N-クロロスクシンイミド(550mg、4.12mmol)を、5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール(1.0g、4.12mmol)のDMF(20.6mL)溶液に室温で加えた。18時間撹拌した後、水を加えて沈殿させた。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空オーブンで乾燥させた。固体をEtOAc/石油エーテルに取り、濾過し、石油エーテルで洗浄した。真空オーブンで乾燥させて、標題化合物(440mg)を得た。MS:[M+H]+=280。
調製36:6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロベンズアルデヒド
2-アミノ-6-クロロベンズアルデヒド(500mg、3.22mmol)を室温でDMF(16mL)に溶解し、N-ブロモスクシンイミド(573mg、3.22mmol)を一度に加えた。反応液を66時間撹拌した。水を添加し、沈殿物を真空濾過し、水および石油エーテルで洗浄した。固体を真空オーブンで乾燥させて、標題化合物(438mg)を得た。MS:[M+H]+=233。
調製37:6-ブロモ-5-クロロ-3-メトキシ-2-メチルキノリン
6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロベンズアルデヒド(582mg、2.50mmol)、メトキシアセトン(308mg、3.50mmol)およびエタノール性KOHのエタノール溶液(10%、w/v、0.70mL)を20分間、室温で撹拌した。形成された沈殿物を濾過し、真空オーブンで乾燥させて、標題化合物(440mg)を得た。MS:[M+H]+=285。
調製38:5-ブロモ-2-{2-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-クロロ-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール(2.0g、8.70mmol)および炭酸セシウム(5.67g、10.44mmol)をNMP(43.39mL)中で混合し、60℃に加熱した。30分間撹拌した後、(2-ブロモエトキシ)-tert-ブチルジメチルシラン(2.05mL、2.29g、9.57mmol)を加えた。反応液を1時間撹拌し、室温に冷却した。飽和NH4Clを加え、水相をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機物を相分離器に通過させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物(631mg)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):8.08(1H、s)、7.49(1H、d)、7.44(1H、d)、4.58-4.46(2H、m)、4.13-3.98(2H、m)、0.85(9H、s)、-0.09(6H、s)。
調製39:5-ブロモ-2-{2-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-3,4-ジクロロ-2H-インダゾール
5-ブロモ-3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾールの調製と同様の手順を使用して、5-ブロモ-2-{2-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル}-4-クロロ-2H-インダゾールから調製し、標題の化合物を得た。MS:[M+H]+=423。
調製40:5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-3-カルバルデヒド
5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール(1.0g、4.10mmol)のTHF(8.0mL)溶液を-78℃に冷却し、リチウムジイソプロピルアミド(1.0M/THF、7.38mL、7.38mmol)を加え、反応液を90分間撹拌した。温度を0℃(氷浴)に上げ、25分間撹拌した。DMF(1.0mL)を加え、反応液を30分間撹拌した。飽和NH4Clを加え、反応液をEtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物を飽和ブライン溶液(3回)で洗浄し、相分離器を通過させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物(865mg)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):10.63(1H、s)、7.80(1H、d)、7.71(1H、d)、4.43(3H、s)。
調製41:(5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-3-イル)メタノール
5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-3-カルバルデヒド(0.707g、2.60mmol)を、メタノール/THF(1:1、13mL)に0℃で懸濁させ、固体の水素化ホウ素ナトリウム(0.108g、2.86mmol)を10分かけて少しずつ加えた。得られた混合物を0℃で30分間、次いで室温でさらに10分間撹拌した。氷を加えて反応をクエンチした。残留物をEtOAcおよび水の間で分配した。水層をEtOAcで2回抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空で濃縮して、標題化合物(543mg)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):7.54(1H、d)、7.48(1H、d)、5.44(1H、t)、5.05(2H、d)、4.19(3H、s)。
調製42:5-ブロモ-3-{[((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]メチル}-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール
tert-ブチルクロロジメチルシラン(0.377g、2.50mmol)を、(5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-3-イル)メタノール(0.653g、2.38mmol)およびイミダゾール(0.178g、2.62mmol)のDMF(5.96mL)氷冷溶液に、アルゴン雰囲気下で加えた。周囲温度で2時間撹拌した後、混合物を氷水でクエンチし、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた抽出物を飽和ブライン溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮した。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)により精製して、標題化合物(783mg)を得た。MS:[M+H]+=389。
調製43:4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール(5.0g、20.50mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(6.25g、24.60mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.750g、1.02mmol)および酢酸カリウム(6.04g、61.50mmol)を、1,4-ジオキサン(103mL)にスラリー化し、95~100℃に18時間加熱した。反応液を室温に冷却し、濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を真空で濃縮し、残留物をトルエンに溶解し、沈殿が生じるまで石油エーテルを加えた。懸濁液を真空吸引下で濾過し、濾液を真空で濃縮して、標題化合物(11.8g)を得た。MS:[M+H]+=293。
以下の表2の化合物は、適切な置換ハロゲン化アリールから開始して、調製43で説明した手順と類似の手順を使用して調製した(示した重要な変法を使って、上記のように合成した)。
一般手順2:tert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[endo-8-(7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(0.500g、0.83mmol)、4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール(0.255g、1.34mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.061g、0.08mmol)および炭酸カリウム(0.231g、1.67mmol)を、水(2.78mL)/1,2-ジメトキシエタン(4.17mL)に溶解した。反応混合物を95~100℃に加熱し、3時間撹拌した。室温に冷却した後、水を加え、水層をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機物を相分離器に通過させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(261mg)を得た。MS:[M+H]+=638。
以下に示す表3の化合物は、対応するハロゲン化アリールおよびボロネートまたはボロン酸を使用して、一般手順2と類似の方法で調製した。尚、手順からの重要な変法を示した。
一般手順3(ワンポット鈴木反応):tert-ブチル N-[endo-8-{7-[7-クロロ-2-(メトキシメチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
6-ブロモ-7-クロロ-2-(メトキシメチル)-1,3-ベンゾチアゾール(350mg、1.2mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(456mg、1.8mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(175mg、0.24mmol)および酢酸カリウム(587mg、6.0mmol)を、30mLのマイクロ波チューブに混合して密閉し、脱気し、窒素(2回)を充填した。1,4-ジオキサン(6mL)を加え、チューブに再充填(2回)した後、90℃に2時間加熱した。冷却後、tert-ブチル N-[endo-8-(7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(717mg、1.2mmol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(175mg、0.24mmol)、炭酸カリウム(992mg、7.2mmol)および水(3mL)を追加した。反応液を再密閉し、窒素(2回)で再充填し、70℃で2時間加熱した。冷却後、反応液を水で希釈し、EtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物を無水MgSO4で乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~100%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(412mg)を得た。MS:[M+H]+=685。
以下に示す表4の化合物は、対応するハロゲン化アリールを使用し、示された重要な変法を使って、一般手順3と類似の方法で調製した。
調製44:1-[exo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]メタンアミン
exo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボニトリル(69mg、0.13mmol)を、THF(1.26mL)に溶解し、LiAlH4(1.0M/THF、0.151mL)を室温で10分かけて添加した。30分間撹拌した後、1M水酸化ナトリウム(3.0mL)を加えた。水層をEtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物を相分離器に通過させ、真空で濃縮して、標題化合物を得た。これを次のステップで直接使用した。MS:[M+H]+=552。
調製45:tert-ブチル 7-[7-(7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-1、7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-1-カルボキシレート
tert-ブチル 7-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-1,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-1-カルボキシレート(285mg、0.45mmol)、1M TBAFのTHF(0.89mL、0.89mmol)溶液、およびTHF(1.0mL)の撹拌混合物を、18時間加熱還流した。反応液をEtOAcおよびブラインの間で分配し、分離した水層をEtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させた。粗製物を少量のMeOHおよびエーテルからの再結晶により精製して、標題化合物(180mg、79%)を得た。MS:[M+H]=508。
調製46:4-クロロ-5-(3-クロロ-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル)-2-メチル-2H-インダゾール
3-クロロ-7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(1eq)および4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール(1eq)を使用して、一般的な鈴木手順2で調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=448
調製47:rac-ベンジル N-[(1S,2R,3R,5R)-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
4-クロロ-5-(3-クロロ-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル)-2-メチル-2H-インダゾール(0.188g、0.42mmol)、rac-ベンジル N-[(1S,2S,3R,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート塩酸塩(0.158g、0.5mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)-クロロホルム付加物(22mg、0.02mmol)、ジシクロヘキシル[2’、4’、6’-トリス(プロパン-2-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2-イル]ホスファン(20mg、0.04mmol)、および炭酸セシウム(0.507g、1.56mmol)のトルエン(4.21mL)溶液を、窒素下で5分間脱気した。反応液を110℃に18時間加熱した。反応液をDCMで希釈し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)により精製して、標題化合物(72mg)を得た。MS:[M+H]+=690。
以下の表5の化合物は、対応するハロゲン化アリールおよびアミンを使用し、調製47のrac-ベンジル N-[(1S,2R,3R,5R)-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートの合成と類似の方法で調製した。
調製48:rac-ベンジル N-[(1S,2R,3R,5R)-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
トリフルオロ酢酸(0.7mL)を、rac-ベンジル N-[(1S,2R,3R,5R)-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(72mg、0.10mmol)のDCM(0.7mL)溶液に添加し、混合物を1.5時間撹拌した。追加のトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、反応液を2時間撹拌した。反応液を真空で濃縮し、残留物をメタノール(1.0mL)に溶解した。エチレンジアミン(1.0mL)を反応物に加え、2時間撹拌した。反応液を真空で濃縮し、水を残留物に加えた。水相を酢酸エチル(3回)で抽出し、合わせた有機物をブライン溶液で洗浄し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~100%、酢酸エチル/石油エーテル40~60℃)で精製して、標題化合物(37mg)を得た。MS:[M+H]+=560。
調製49:tert-ブチル N-[exo-8-[7-(4-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[exo-8-(7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(0.5g、0.834mmol)(乾燥トルエンで2回共沸乾燥)の撹拌したTHF(6.68mL)溶液へ、0℃で塩化イソプロピルマグネシウム塩化リチウム錯体溶液(THF中1.3M)(1.41mL、1.84mmol)を滴下した。黄橙色の溶液を0℃で35分間撹拌した。塩化亜鉛溶液(THF中0.5M)(3.67mL、1.84mmol)を滴下し、混合物を10分間撹拌した後、40分間室温に温めた。5-ブロモ-4-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール(0.217g、0.834mmol)およびSPhos Pd G4(0.0331g、0.0417mmol)の固体混合物を加え、容器を脱気し、N2(4回)を充填し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応物をEtOAc/30%ブライン溶液/飽和NH4Cl溶液で希釈した。次いで、相を分離し、有機相を30%ブライン溶液(2回)で洗浄した。有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、5~40%アセトン/石油エーテル)で精製して、標題化合物(140mg)を得た。MS:[M+H]+=652。
調製50:5-ブロモ-6-クロロ-3-[2-(トリメチルシリル)エチニル]ピラジン-2-アミン
3,5-ジブロモ-6-クロロピラジン-2-アミン(5.0g、17.42mmol)の無水EtOAc(40mL)溶液に、トリエチルアミン(2.54mL、18.29mmol)およびCuI(0.165g、0.87mmol)を加えた。混合物をN2のバブリングで20分間脱気した後、Pd(PPh3)4(0.10g、0.87mmol)を加えた。反応混合物を0℃まで冷却し、エチニルトリメチルシラン(2.52mL、18.29mmol)をゆっくりと添加し、温度を徐々に3時間かけて15℃に上昇させた。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機層を、相分離カートリッジを使用して乾燥させ、次いで濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~10%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(4.77g)を得た。MS:[M+H]+=304。
調製51:2-ブロモ-3-クロロ-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン
5-ブロモ-6-クロロ-3-[2-(トリメチルシリル)エチニル]ピラジン-2-アミン(5.29g、17.42mmol)を、窒素雰囲気下で無水DMF(20mL)に溶解し、0℃に冷却した。KOtBu(2.34g、20.90mmol)を5分間かけて少量ずつ加え、反応混合物をさらに10分間、0℃で撹拌した。反応物を室温に温め、2時間撹拌した。反応物を飽和NH4Cl(20mL)水溶液でクエンチした。さらに水を加えて沈殿を得た。沈殿物を濾過し、水で洗浄した後、真空オーブンで一晩乾燥させて、標題生成物(3.03g)を得た。MS:[M+H]+=232。
調製52:2-ブロモ-3-クロロ-7-ヨード-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン
2-ブロモ-3-クロロ-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(2.49g、10.53mmol)をDMF(20mL)に溶解し、N-ヨードスクシンイミド(2.607g、11.58mmol)を室温で加えた。反応液を室温で1時間撹拌した。沈殿が生じるまで水を加えた。固体を真空濾過によって収集し、水で洗浄し、真空オーブンで24時間乾燥させて、標題化合物(3.39g)を得た。MS:[M-H]+=357。
調製53:tert-ブチル N-{[1-(2-ブロモ-7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル]メチル}カルバメート
2-ブロモ-3-クロロ-7-ヨード-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(1.0g、2.8mmol)を、DMF(10mL)に溶解し、水素化ナトリウム(鉱油中60%、0.134g、3.37mmol)を0~4℃(氷浴)で5分かけて少しずつ加えた。反応液を室温で30分間温め、次いで、0~4℃(氷浴)に冷却した。2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.596mL、3.37mmol)を滴下し、深紅/オレンジ色の溶液を1時間撹拌してから、室温に温めて2時間撹拌した。飽和NH4Clを加え、反応液をジエチルエーテルで希釈した。有機相を水、次いでブラインで洗浄し、相分離器を通過させることにより乾燥させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~30%、EtOAc/石油エーテル)により精製して、2-ブロモ-3-クロロ-7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(0.99g)を得た。これは次のステップで直接使用した。
2-ブロモ-3-クロロ-7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(0.20g、0.40mmol)およびtert-ブチル N-[(4-メチルピペリジン-4-イル)メチル]カルバメート(0.112g、0.488mmol)を、NMP(3mL)に溶解した。Et3N(0.3mL、2.1mmol)を添加し、反応液を2時間マイクロ波で70℃に加熱した。冷却後、反応液をジエチルエーテルで希釈し、水、次いでブラインで洗浄した。有機層を、相分離カートリッジを使用して乾燥させ、次いで、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(0.15g)を得た。MS:[M+H]+=681。
調製54:tert-ブチル N-({1-[2-ブロモ-7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-4-メチルピペリジン-4-イル}メチル)カルバメート
一般手順2に従って調製した。tert-ブチル N-{[1-(2-ブロモ-7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-4-メチルピペリジン-4-イル]メチル}カルバメート(0.148g、0.217mmol)から出発し、標題化合物(0.056g)を得た。MS:[M+H]+=720。
調製55:tert-ブチル N-({1-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-2-メチル-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-4-メチルピペリジン-4-イル}メチル)カルバメート
tert-ブチル N-({1-[2-ブロモ-7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-4-メチルピペリジン-4-イル}メチル)カルバメート(0.056g、0.077mmol)、臭化リチウム(0.021g、0.2mmol)および(1,3-ジイソプロピルイミダゾール-2-イリデン)(3-クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド(PEPPSI)(0.003g、0.003mmol)を、THF(1.5mL)/NMP(1.5mL)に溶解した。塩化メチル亜鉛のTHF溶液(2M、0.117mL、0.231mmol)を加え、反応液を室温で30分間撹拌した。飽和NH4Clを加え、反応液をジエチルエーテルで希釈し、水、次いでブラインで洗浄した。有機層を、相分離カートリッジを使用して乾燥させ、次いで減圧下で濃縮して、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=654。
調製56:2-ブロモ-3-クロロ-7-ヨード-N,N-ジメチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-5-スルホンアミド
2-ブロモ-3-クロロ-7-ヨード-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(2.0g、5.61mmol)を、窒素雰囲気下で無水DMF(10mL)に溶解し、0℃に冷却した。NaH(鉱油中60%、0.247g、6.17mmol)を少量ずつ加え、次いで反応物を室温まで温め、30分間撹拌し、その時点までにすべての水素発生が停止した。反応液を、0℃まで冷却し、ジメチルスルファモイルクロリド(0.662mL、6.17mmol)を滴下した。反応液を室温に温め、1時間撹拌してから、飽和NH4Cl(10mL)水溶液でクエンチした。反応混合物をEtOAcで希釈し、水、次いでブラインで洗浄した。有機層を、相分離カートリッジを使用して乾燥させ、次いで、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(2.11g)を得た。MS:[M+H]+=466。
調製57:tert-ブチル N-[endo-8-[2-ブロモ-5-(ジメチルスルファモイル)-7-ヨード-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
2-ブロモ-3-クロロ-7-ヨード-N,N-ジメチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-5-スルホンアミド(0.84g、1.82mmol)およびtert-ブチル N-[endo-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(0.82g、3.64mmol)を、NMP(7mL)に溶解した。Et3N(0.716mL、5.46mmol)を添加し、反応液を一晩、60℃に加熱した。冷却後、反応液をジエチルエーテルで希釈し、水、次いでブラインで洗浄した。有機層を、相分離カートリッジを使用して乾燥させ、次いで、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~70%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(0.908g)を得た。MS:[M+H]+=655。
調製58:tert-ブチル N-[endo-8-[2-ブロモ-7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ジメチルスルファモイル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[endo-8-[2-ブロモ-5-(ジメチルスルファモイル)-7-ヨード-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(0.908g、1.488mmol)を使用して、一般的な鈴木手順2で調製し、標題化合物(0.536g)を得た。MS:[M+H]+=695。
調製59:tert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ジメチルスルファモイル)-2-メチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[endo-8-[2-ブロモ-7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ジメチルスルファモイル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(0.20g、0.287mmol)、臭化リチウム(0.074g、0.863mmol)および(1,3-ジイソプロピルイミダゾール-2-イリデン)(3-クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド(PEPPSI)(0.014g、0.02mmol)を、THF(2mL)/NMP(2mL)に溶解した。塩化メチル亜鉛のTHF溶液(2M、0.344mL、0.689mmol)を加え、反応物を室温で30分間撹拌した。飽和NH4Clを加え、反応物をジエチルエーテルで希釈し、水、次いでブラインで洗浄した。有機層を、相分離カートリッジを使用して乾燥させ、次いで、減圧下で濃縮した。残留物を次のステップで直接使用した。MS:[M+H]+=629。
調製60:tert-ブチル N-[exo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ジメチルスルファモイル)-2-メチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ジメチルスルファモイル)-2-メチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート、すなわち調製57、58、59と同様に調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=629。
調製61:tert-ブチル N-{1-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ジメチルスルファモイル)-2-メチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-4-メチルピペリジン-4-イル}カルバメート
tert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ジメチルスルファモイル)-2-メチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート、すなわち調製57、58および59と同様に調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=617。
調製62:tert-ブチル N-[exo-8-(6-クロロ-5-ホルミルピラジン-2-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
3,5-ジクロロピラジン-2-カルボアルデヒド(2.0g、11.29mmol)を、DMF(20mL)に溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(3.14mL、22.58mmol)を加え、次いでtert-ブチル N-[exo-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(2.55g、11.29mmol)を加えた。反応液を一晩おいて室温まで温め、次いでジエチルエーテルで希釈し、水、次いでブラインで洗浄した。有機層を相分離カートリッジに通すことにより乾燥させ、次いで減圧下で濃縮して、標題化合物(3.94g)を得て、それ以上精製せずに次の工程で使用した。MS:[M+H]+=367。
調製63:tert-ブチル N-[exo-8-{1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
ヒドラジン水和物(2.61mL、53.72mmol)を、tert-ブチル N-[exo-8-(6-クロロ-5-ホルミルピラジン-2-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3イル]カルバメート(3.943g、10.74mmol)の1,4-ジオキサン(40mL)溶液に加えた。反応液を一晩、100℃に加熱した。冷却後、沈殿が生じるまで水を加えた。固体を真空濾過によって収集し、水で洗浄し、40℃の真空オーブンで一晩乾燥させて、標題化合物(3.40g)を得た。LC-MS:[M+H]+=345。
調製64:tert-ブチル N-[exo-8-{3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
N-ヨードスクシンイミド(5.927g、23.24mmol)を、tert-ブチル N-[exo-8-{1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(3.998g、11.62mmol)のDMF(40mL)溶液に加えた。反応液を60℃で2時間加熱し、次いで室温に冷却した。沈殿が生じるまで水を加えた。固体を真空濾過によって収集し、水で洗浄し、真空オーブン内で、40℃で一晩乾燥させて、標題化合物(4.1g)を得た。MS:[M+H]+=471。
調製65:tert-ブチル N-[exo-8-{5-ブロモ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
N-ブロモスクシンイミド(0.9g、5.06mmol)を、tert-ブチル N-[exo-8-{3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(1.586g、3.37mmol)のDMF(15mL)溶液に加えた。反応液を室温で一晩撹拌し、次いで、ジエチルエーテルで希釈し、チオ硫酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機層を相分離カートリッジに通すことにより乾燥させ、次いで減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~25%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(1.64g)を得た。MS:[M+H]+=549。
調製66:tert-ブチル N-[exo-8-(5-ブロモ-3-ヨード-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートおよびtert-ブチル N-[exo-8-(5-ブロモ-3-ヨード-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[exo-8-{5-ブロモ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(1.64g、2.99mmol)を、DMF(10mL)に溶解し、水素化ナトリウム(鉱油中60%、0.229g、3.29mmol)を0~4℃(氷浴)で5分かけて少しずつ加えた。反応液を室温に30分間温め、次いで、0~4℃(氷浴)に冷却した。2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.582mL、3.29mmol)を滴下し、深紅/オレンジ色の溶液を1時間撹拌してから、室温まで温めて2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウムを加え、反応液をジエチルエーテルで希釈した。有機相を水、次いでブラインで洗浄し、相分離器を通過させることにより乾燥させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~30%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(1.20g)を得た。MS:使用したMS条件では分子イオンは見られなかった。
調製67:tert-ブチル N-[exo-8-[5-ブロモ-3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[exo-8-(5-ブロモ-3-ヨード-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(1.198g、1.76mmol)を使用して、一般手順2に従って調製し、標題化合物(0.197g)を得た。MS:[M+H]+=719。
調製68:tert-ブチル N-[exo-8-[3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[exo-8-[5-ブロモ-3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(0.197g、0.274mmol)、臭化リチウム(0.071g、0.823mmol)および(1,3-ジイソプロピルイミダゾール-2-イリデン)(3-クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド(PEPPSI)(0.010g、0.0137mmol)を、THF(2mL)/NMP(2mL)に溶解した。塩化メチル亜鉛のTHF溶液(2M、0.342mL、0.685mmol)を加え、反応液を室温で30分間撹拌した。飽和塩化アンモニウムを加え、反応液をジエチルエーテルで希釈し、水、次いでブラインで洗浄した。有機層を、相分離カートリッジを使用して乾燥させ、次いで、減圧下で濃縮して、標題化合物を得、次のステップで直接使用した。MS:[M+H]+=654。
調製69:tert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-2-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
磁気撹拌棒を備えたオーブン乾燥マイクロ波バイアルに、tert-ブチル N-[endo-8-[2-ブロモ-7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)]-5-(ジメチルスルファモイル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(120mg、0.17mmol)、[Ir{dFCF3ppy}2)(bpy)](PF6)(3.0mg、0.003mmol)、NiCl2・ジグリム(1.1mg、0.0045mmol)、カリウム(2-トリメチルシリル)-エトキシメチルトリフルオロボレート(45.3mg、0.19mmol)、K2HPO4(45.2mg、0.26mmol)および4,4-ジtert-ブチル ビピリジン(1.7mg、0.0045mmol)を入れた。バイアルを脱気し、窒素ガス(3回)で再充填し、次いでバイアルに窒素スパージした1,4-ジオキサン(3.5mL)および窒素散布NMP(0.6mL)を加えた。次いで、バイアルに青色のLEDケッセルランプ(34W)を一晩照射した。反応液を減圧下で濃縮した。残留物に4%LiCl水溶液およびEtOAcを加えた。有機相を分離し、水相をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~25%石油エーテル/アセトン)により精製して、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=638。
調製70:5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール
6-ブロモ-7-クロロ-1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール(400mg、1.72mmol)のTHF(8mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(542mg、2.06mmol)、MeOH(0.084mL、2.06mmol)およびビス(2-メトキシエチル)アゾジカルボキシレート(484mg、2.06mmol)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応溶液を真空で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、10~40%、EtOAc/ヘキサン)により精製した。目標生成物を含む画分を収集し、真空で濃縮した。残留物をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%、EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(160mg)を得た。MS:[M+H]+=246、248。
調製71:4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール
5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール(150mg、0.609mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(232mg、0.913mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(39.8mg、0.0487mmol)および酢酸カリウム(119mg、1.22mmol)の1,4-ジオキサン(1.5mL)混合物を脱気し、窒素でパージし、100℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、セライトのパッドを通して濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を真空で濃縮した。残留物をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~70%、EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(155mg)を得た。MS:[M+H]+=294、296。
調製72:tert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-(endo-8-(7-ヨード-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(50mg、0.0834mmol)および4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール(29.4mg、0.100mmol)の1,4-ジオキサン(0.50mL)/水(0.05mL)の懸濁液に、リン酸カリウム(35.4mg、0.167mmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(6.81mg、0.00834mmol)を室温で加えた。混合物を100℃で1時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、セライトのパッドを通して濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を真空で濃縮した。残留物をEtOAcで希釈し、水を加えた。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、50~100%、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(38mg)を得た。MS:[M+H]+=639、641。
調製73:tert-ブチル 2-(5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)アセテート
5-ブロモ-4-クロロ-1H-インダゾール(1.00g、4.32mmol)のTHF(10mL)溶液に、N-シクロヘキシル-N-メチルシクロヘキサンアミン(1.85mL、8.64mmol)および2-ブロモ酢酸tert-ブチル(1.30mL、8.64mmol)を室温で加えた。混合物を70℃で18時間撹拌し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、5~30%、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(487mg)を得た。MS:[M+H]+=345、347。
調製74:tert-ブチル 2-(4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル)アセテート
tert-ブチル 2-(5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)アセテート(480mg、1.39mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(529mg、2.08mmol)、[1、1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(90.7mg、0.111mmol)および酢酸カリウム(273mg、2.78mmol)の1,4-ジオキサン(4.8mL)混合物を脱気し、窒素でパージして100℃で18時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、セライトのパッドを通して濾過し、そしてEtOAcで洗浄した。濾液を真空で濃縮した。残留物をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、10~30%、EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(423mg)を得た。MS:[M+H]+=393、395。
調製75:2-(4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル)酢酸
tert-ブチル 2-(4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル)アセテート(423mg、1.08mmol)のCHCl3(4.00mL)溶液に、室温でTFA(2.00mL、26.0mmol)を加えた。混合物を60℃で1時間撹拌した。次いで、反応溶液を真空濃縮し、残留物を水で希釈し、CHCl3で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、標題化合物(323mg)を得た。MS:[M+H]+=337、339。
調製76:2-(4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-N-メチルアセトアミド
2-(4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル)酢酸(100mg、0.297mmol)のTHF(2.00mL)溶液に、Et3N(0.414mL、2.97mmol)、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4、6-トリオキシド(THF中1.6M、0.56mL、0.891mmol)、およびメチルアミン(THF中2.0M、0.594mL、1.19mmol)を室温で加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応溶液を真空濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、80~100%、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(50mg)を得た。MS:[M+H]+=350、352。
調製77:tert-ブチル N-[(endo-8-(7-{4-クロロ-2-[(メチルカルバモイル)メチル]-2-H-インダゾール-5-イル}-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-(endo-8-(7-ヨード-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(50mg、0.0834mmol)および2-(4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-N-メチルアセトアミド(35.0mg、0.100mmol)の1,4-ジオキサン(0.50mL)/水(0.05mL)懸濁液に、リン酸カリウム(35.4mg、0.167mmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(6.81mg、0.00834mmol)を室温で加えた。混合物を100℃で1時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、セライトのパッドを通して濾過し、そしてEtOAcで洗浄した。濾液を真空で濃縮した。残留物をEtOAcで希釈し、水を加えた。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、50~100%、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(25mg)を得た。MS:[M+H]+=695、697。
調製78:tert-ブチル 3-(5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)プロパノエート
5-ブロモ-4-クロロ-1H-インダゾール(1g、4.32mmol)のDMF(10mL)溶液に、K2CO3(1.19g、8.64mmol)およびtert-ブチル 3-ブロモプロパノエート(1.44mL、8.64mmol)を室温で加えた。混合物を100℃で2時間撹拌し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、5~30%、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(599mg)を得た。MS:[M+H]+=359、361。
調製79:tert-ブチル 3-[4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル]プロパノエート
tert-ブチル 3-(5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)プロパノエート(599mg、1.67mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(634mg、2.50mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(109mg、0.133mmol)および酢酸カリウム(327mg、3.33mmol)の1,4-ジオキサン(6mL)混合液を、脱気し、窒素でパージして120℃で5時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、セライトのパッドを通して濾過してEtOAcで洗浄した。濾液を真空で濃縮した。残留物をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、10~30%、EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(553mg)を得た。MS:[M+H]+=407。
調製80:tert-ブチル 3-(5-{3-[endo-3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)プロパノエート
tert-ブチル N-(endo-8-(7-ヨード-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(100mg、0.167mmol)およびtert-ブチル3-[4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル]プロパノエート(81.4mg、0.200mmol)の1,4-ジオキサン(1.00mL)/水(0.10mL)懸濁液にリン酸カリウム(70.8mg、0.334mmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(13.6mg、0.0167mmol)を室温で加えた。混合物を100℃で1時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、セライトのパッドを通して濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を真空で濃縮した。残留物をEtOAcで希釈し、水を加えた。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、50~100%、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(77mg)を得た。MS:[M+H]+=752、754。
調製81:3-(5-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)プロパンノエート
tert-ブチル 3-(5-{3-[endo-3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)プロパノエート(50.0mg、0.0665mmol)のCHCl3(1.00mL)溶液に、TFA(0.500mL、6mmol)を室温で加えた。混合物を60℃で1時間撹拌した。反応液を真空中で濃縮し、メタノール(1.00mL)に溶解した残留物に、エチレンジアミン(0.200mL、3mmol)を加えた。反応物を室温で18時間撹拌し、形成された固体を濾過し、メタノールで2回洗浄し、真空オーブンで乾燥させて、標題化合物(18mg)を得た。MS:[M+H]+=466、468。
調製82:5-ブロモ-3,4-ジクロロ-1H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-1H-インダゾール(1.7g、7.34mmol)および1-クロロピロリジン-2,5-ジオン(1.079g、8.08mmol)のCH3CN(50mL)混合液を、室温で1時間撹拌して、60℃で18時間温めた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をDCM(100mL)に入れ、NaHCO3(50mL)、水(50mL)およびブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、減圧下で濃縮して、標題化合物(1.53g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ13.80(1H、s)、7.69(1H、d)、7.51(1H、d)。
調製83:5-ブロモ-4-クロロ-7-メチル-1H-インダゾール
4-ブロモ-3-クロロ-2,6-ジメチルアニリン(4.8g、20mmol)、酢酸カリウム(3.1g、31mmol)、酢酸(1.8g、29mmol)およびトルエン(61mL)の混合物に、亜硝酸tert-ブチル(2.5g、25mmol)を室温で加えた。混合物を45℃で一晩撹拌した。混合物に、EtOAc(40mL)および1M NaOH(40mL)を加えた。分離した有機層をブラインで洗浄し、真空で濃縮した。残留物をトルエン/ヘプタンに懸濁させた。沈殿物を収集し、減圧下50℃で乾燥させ、5-ブロモ-4-クロロ-7-メチル1H-インダゾールおよび5-ブロモ-6-クロロ-7-メチル1H-インダゾールの混合物(3.4g)を得た。MS:[M+H]+=245。
調製84:5-ブロモ-4-クロロ-2,7-ジメチル-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-7-メチル-1H-インダゾールおよび5-ブロモ-6-クロロ-7-メチル-1H-インダゾール(0.99g、4.0mmol)の混合物のEtOAc(20mL)溶液に、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(1.2g、8.4mmol)を加え、得られた混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3水溶液でクエンチし、相を分離した。有機相をブラインで洗浄し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~40%、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(0.57g)を得た。MS:[M+H]+=259。
調製85:3-ブロモ-2-クロロ-5,6-ジフルオロベンズアルデヒド
2-クロロ-5,6-ジフルオロベンズアルデヒド(5.3g、30mmol)および硫酸(15mL)の混合物に、N-ブロモスクシンイミド(6.6g、37mmol)を60℃で加えた。得られた混合物を同じ温度で5時間撹拌した。混合物を砕いた氷の上に注ぎ、次いで、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(6.5g)を得た。1H-NMR(400MHz、CDCl3):10.37(1H、s)、7.72(1H、dd)。
調製86:3-ブロモ-2-クロロ-5,6-ジフルオロベンズアルデヒド O-メチルオキシム
3-ブロモ-2-クロロ-5,6-ジフルオロベンズアルデヒド(6.5g、26mmol)、O-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.4g、29mmol)、炭酸カリウム(4.6g、33mmol)および1,2-ジメトキシエタン(26mL)の混合物を、60℃で一晩撹拌した。混合物を濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(7.2g)を得た。MS:[M+H]+=284。
調製87:5-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-1H-インダゾール
3-ブロモ-2-クロロ-5,6-ジフルオロベンズアルデヒド O-メチルオキシム(7.1g、25mmol)、テトラヒドロフラン(25mL)およびヒドラジン一水和物(25mL)の混合物を、還流下で30時間撹拌した。混合物に、EtOAc(120mL)および水(50mL)を加えた。分離した有機層を真空で濃縮した。残留物をEtOAcおよびヘキサンに懸濁した。沈殿物を収集し、減圧下50℃で乾燥させて、標題化合物(4.4g)を得た。MS:[M+H]+=249。
調製88:5-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2-メチル-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-1H-インダゾール(1.8g、7.4mmol)のEtOAc(40mL)溶液に、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(1.7g、12mmol)を加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3水溶液でクエンチし、相を分離した。有機相をブラインで洗浄し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~60%、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(0.76g)を得た。MS:[M+H]+=263。
調製89:4-クロロ-2,7-ジメチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-2,7-ジメチル-2H-インダゾールを使用する以外は、調製43と同様に調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=307。
調製90:4-クロロ-7-フルオロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-7-フルオロ-2-メチル-2H-インダゾールを使用する以外は、調製43と同様に調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=311。
調製91:tert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-2,7-ジメチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
4-クロロ-2,7-ジメチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾールを使用する以外は、一般手順2と同様に調製して、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=652。
調製92:tert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-7-フルオロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
4-クロロ-7-フルオロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾールを使用する以外は、一般手順2と同様に調製して標題化合物を得た。MS:[M+H]+=656。
調製93:rac-tert-ブチル (1S,2R,3S,5R)-3-(ベンジルアミノ)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレートおよびrac-tert-ブチル (1S,2R,3R,5R)-3-(ベンジルアミノ)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
(±)-tert-ブチル 2-フルオロ-3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(34.8g、129mmol)、酢酸(11.0mL、192mmol)およびベンジルアミン(20mL、183mmol)のジクロロメタン(500mL)溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(41g、193mmol)を少しずつ加え、次いで室温で一晩撹拌した。混合物を10%炭酸水素ナトリウム(500mL)で希釈し、ジクロロメタン(500mL、3回)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物の粗混合物を得た。
調製94:rac-tert-ブチル (1S,2R,3S,5R)-3-(ベンジルアミノ)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
上記の粗混合物を、EtOAc:イソヘキサン(800mL、1:3)中で再結晶させて、標題化合物(11.6g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:7.39-7.27(m、4H)、7.27-7.19(m、1H)、4.51(br d、1H)、4.38-4.21(m、1H)、4.13-4.04(m、1H)、3.83-3.65(m、2H)、2.80(dd、1H)、2.48-2.33(m、1H)、2.09(s、1H)、2.03-1.88(m、2H)、1.86-1.69(m、2H)、1.56(d、1H)、1.37(s、9H)。
調製95:rac-tert-ブチル (1S,2R,3R,5R)-3-(ベンジルアミノ)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
上記の結晶化からの濾液を減圧下で濃縮して残留物(約14g)を得、次いで、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%EtOAc/イソヘキサン)で精製して、標題化合物(11.9g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:7.38-7.26(m、4H)、7.26-7.15(m、1H)、4.66(dt、1H)、4.48-4.24(m、1H)、4.19-4.06(m、1H)、3.77(d、1H)、3.72(d、1H)、2.96-2.72(m、1H)、1.95-1.64(m、4H)、1.61-1.43(m、3H)、1.38(s、9H)。
調製96:rac-tert-ブチル (1S,2R,3S,5R)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
rac-tert-ブチル (1S,2R,3S,5R)-3-(ベンジルアミノ)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(18.5g、55.3mmol)および10%パラジウム炭素(JMタイプ39、水分57.3%)(4.0g、1.605mmol)を、酢酸/エタノール(1:3、200mL)に溶解し、水素雰囲気下、1barで2時間撹拌した。触媒を濾過により除去し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を炭酸水素ナトリウムスラリー(100mL中10g)で処理し、次いで、クロロホルム/IPA(9:1、100mL、3回)で抽出した。合わせた有機相を減圧下で濃縮して、標題化合物(13.5g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:4.39-4.15(m、2H)、4.07(m、1H)、3.11(dd、1H)、2.12-1.88(m、4H)、1.83-1.65(m、4H)、1.37(s、9H)。
調製97:rac-tert-ブチル (1S,2R,3R,5R)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
rac-tert-ブチル (1S,2R,3R,5R)-3-(ベンジルアミノ)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(11g、32.9mmol)を使用して、rac-tert-ブチル (1S,2R,3S,5R)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレートと同様に調製して、標題化合物(8.25g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:4.37(dt、2H)、4.38-4.33(m、1H)、4.16-4.09(m、1H)、2.95(dddd、1H)、1.88-1.76(m、3H)、1.66-1.46(m、4H)、1.41(d、J=0.5Hz、9H)。
調製98:rac-tert-ブチル (1S,2R,3S,5R)-3-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
クロロギ酸ベンジル(10mL、70.0mmol)を、rac-tert-ブチル (1S,2R,3S,5R)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(13.5g、52.5mmol)およびDIPEA(27mL、155mmol)の冷却(0℃)THF/DCM(375mL、1:4)溶液に加え、室温で一晩撹拌した。水(400mL)を加え、混合物をジクロロメタン(400mL、3回)で抽出し、合わせた有機相を減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(0~30%EtOAc/イソヘキサン)により精製した。精製した油をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~10%EtOAc/DCM)で再度精製して、標題化合物(19.5g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:7.46-7.39(m、1H)、7.39-7.34(m、4H)、7.34-7.29(m、1H)、5.07(d、1H)、5.02(d、1H)、4.51(br d、1H)、4.38-4.20(m、1H)、4.16-4.06(m、1H)、3.64-3.49(m、1H)、2.23-2.11(m、1H)、1.94-1.79(m、2H)、1.78-1.66(m、2H)、1.49-1.43(m、1H)、1.38(s、9H)。
調製99:rac-tert-ブチル (1S,2R,3R,5R)-3-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
rac-tert-ブチル (1S,2R,3R,5R)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(8.25g、32.1mmol)を使用して、rac-tert-ブチル (1S,2R,3S,5R)-3-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレートと同様に調製して、標題化合物(10.9g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:7.46-7.26(m、6H)、5.11-4.94(m、2H)、4.54(dt、1H)、4.43-4.26(m、1H)、4.20-4.06(m、1H)、3.92-3.72(m、1H))、1.99-1.69(m、3H)、1.70-1.48(m、3H)、1.38(s、9H)。
調製100:rac-ベンジル N-[(1S,2S,3S,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
rac-tert-ブチル (1S,2R,3S,5R)-3-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(14.5g、36.4mmol)のtert-ブチルメチルエーテル(15mL)溶液に、3.0M塩化水素のシクロペンチルメチルエーテル(130mL、390mmol)溶液を加え、室温で18時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、ジクロロメタン(200mL)と飽和炭酸水素ナトリウム溶液(200mL)との間で分配した。有機層を減圧下で濃縮し、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~10%(0.7Mアンモニア/MeOH)/DCM)によって精製して、標題化合物(6.0g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:7.41-7.28(m、5H)、7.28-7.20(m、1H)、5.10-4.97(m、2H)、4.29(ddd、1H)、3.69-3.51(m、1H)、3.41(dd、1H)、3.37-3.29(m、1H)、2.30-2.09(m、1H)、2.10-1.97(m、1H)、1.77-1.63(m、2H)、1.64-1.47(m、2H)、1.30-1.14(m、1H)。
調製101:rac-ベンジル N-[(1S,2S,3R,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート塩酸塩
(±)-tert-ブチル (1S,2R,3R,5R)-3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(10.9g、27.4mmol)のtert-ブチルメチルエーテル(15mL)/ジクロロメタン(10mL)懸濁液に、3.0M塩化水素のシクロペンチルメチルエーテル(100mL、300mmol)溶液を加え、室温で18時間撹拌した。得られた沈殿物を濾別し、標題化合物(8.8g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:10.28-9.22(m、1H)、9.22-8.29(m、1H)、7.74-7.59(m、1H)、7.42-7.35(m、4H)、7.35-7.29(m、1H)、5.07(d、1H))、5.04(d、1H)、4.83(dt、1H)、4.22-4.12(m、1H)、3.99-3.92(m、1H)、3.92-3.75(m、1H)、2.08-1.86(m、4H))、1.86-1.68(m、2H)。
調製102:ベンジル N-[(1S,2S,3S,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(速い溶出異性体)
rac-ベンジル N-[(1S,2S,3S,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(5.82g)を、メタノール(150mL)に溶解し、キラル分取超臨界流体クロマトグラフィー(Lux A1カラム、(21.2mm×250mm、5μm);40℃、流量50mL/分、BPR100 BarG、210nmで検出、注入量200μL(30mg)、35:65 MeOH:CO2(0.2%v/v NH3))で精製した。純粋な画分を合わせ、蒸発させて、より速く溶出するエナンチオマーとして標題化合物(2.58g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:7.41-7.28(m、5H)、7.28-7.20(m、1H)、5.10-4.97(m、2H)、4.29(ddd、1H)、3.69-3.51(m、1H)、3.41(dd、1H)、3.37-3.29(m、1H)、2.30-2.09(m、1H)、2.10-1.97(m、1H)、1.77-1.63(m、2H)、1.64-1.47(m、2H)、1.30-1.14(m、1H)。
調製103:ベンジル N-[(1R,2R,3R,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(遅い溶出異性体)
調製102に記載された同一のクロマトグラフィー実験から、標題化合物を遅く溶出する異性体(2.99g)として得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:7.41-7.28(m、5H)、7.28-7.20(m、1H)、5.10-4.97(m、2H)、4.29(ddd、1H)、3.69-3.51(m、1H)、3.41(dd、1H)、3.37-3.29(m、1H)、2.30-2.09(m、1H)、2.10-1.97(m、1H)、1.77-1.63(m、2H)、1.64-1.47(m、2H)、1.30-1.14(m、1H)。
調製104:ベンジル N-[(1S,2S,3S,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート塩酸塩
速い溶出異性体ベンジル N-[(1S,2S,3S,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(3.8g)を、ジクロロメタン(10mL)に溶解し、3.0M塩化水素のシクロペンチルメチルエーテル(10mL、30.0mmol)溶液で処理し、これをアセトニトリル(50mL)中で再結晶させた白色固体を得て、標題化合物(2.2g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:9.34(br s、2H)、7.76-7.56(m、1H)、7.45-7.27(m、5H)、5.09(d、1H)、5.04(d、1H)、4.95-4.77(m、1H)、4.17-4.06(m、1H)、3.98-3.87(m、1H)、3.77-3.60(m、1H)、2.33(ddd、1H)、2.18(q、1H)、2.03-1.89(m、3H)、1.79(d、1H)。
調製105:ベンジル N-[(1R,2R,3R,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート塩酸塩
遅い溶出異性体ベンジル N-[(1R,2R,3R,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(3.8g)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、3.0M塩化水素のシクロペンチルメチルエーテル(10mL、30.0mmol)溶液で処理し、これをアセトニトリル(50mL)で再結晶し白色の固体を得て、標題化合物(3.2g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:9.34(br s、2H)、7.76-7.56(m、1H)、7.45-7.27(m、5H)、5.09(d、1H)、5.04(d、1H)、4.95-4.77(m、1H)、4.17-4.06(m、1H)、3.98-3.87(m、1H)、3.77-3.60(m、1H)、2.33(ddd、1H)、2.18(q、1H)、2.03-1.89(m、3H)、1.79(d、1H)。
調製106:ベンジル N-[(1S,2S,3R,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(速い溶出異性体)
rac-ベンジル N-[(1S,2S,3R,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(8.8g)をメタノール(50mg mL-1)に溶解し、キラル分取超臨界流体クロマトグラフィー(Lux C2(4.6mm×250mm、5μm)、40℃、流量50mL/分、BPR100 BarG、210nmで検出、注入量500μL(25mg)、35:65 EtOH:CO2(0.2%v/v NH3))で精製した。純粋な画分を合わせて蒸発させ、より速く溶出するエナンチオマーとして標題化合物(4.04g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:8.08-7.57(m、2)、7.53(d、1H)、7.41-7.28(m、5H)、5.04(d、1H)、5.02(d、1H)、4.67(dt、1H)、3.99-3.89(m、1H)、3.85-3.67(m、2H)、1.97-1.59(m、6H)。(部分塩酸塩として単離された化合物)
調製107:ベンジル N-[(1R,2R,3S,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(遅い溶出異性体)
調製106に記載された同一のクロマトグラフィー実験から、標題化合物を遅く溶出する異性体(4.01g)として得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:7.47-7.28(m、6H)、5.97-4.75(m、2H)、5.08-4.99(m、2H)、4.52(dt、1H)、3.82-3.72(m、1H)、3.73-3.65(m、2H))、3.59-3.51(m、1H)、1.85-1.72(m、2H)、1.72-1.50(m、3H)。(部分塩酸塩として単離された化合物)
調製108:ベンジル N-[(1S,2S,3R,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート、塩酸塩
ベンジル ((1S,2S,3R,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(より速く溶出するエナンチオマー)(4.0g、13.65mmol)の部分HCl塩を最少量のジクロロメタン(10mL)およびtert-ブチルメチルエーテル(50mL)でスラリー化した後、3M塩化水素のシクロペンチルメチルエーテル(7mL、21.00mmol)溶液で処理した。混合物を一晩スラリー化し、濾過により収集して、標題化合物(4.19g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:10.3-8.10(br m、2H)、7.65(d、1H)、7.46-7.24(m、5H)、5.18-4.94(m、2H)、4.82(d、J=47.7Hz、1H)、4.25-4.09(m、1H)、3.99-3.90(m、1H)、3.90-3.75(m、1H)、2.08-1.73(m、6H)。[α]20
D=15.47°(c1.00、MeOH)。
調製109:ベンジル N-[(1R,2R,3S,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート、塩酸塩
ベンジル N-[(1R,2R,3S,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(遅い溶出異性体)(4.0g、13.65mmol)を、最小量のジクロロメタン(10mL)およびtert-ブチルメチルエーテル(50mL)でスラリー化し、3M塩化水素のシクロペンチルメチルエーテル(7mL、21.00mmol)溶液で処理した。混合物を一晩スラリー化し、濾過により収集して、標題化合物(4.23g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:10.3-8.10(br m、2H)、7.65(d、1H)、7.46-7.24(m、5H)、5.18-4.94(m、2H)、4.82(d、J=47.7Hz、1H)、4.25-4.09(m、1H)、3.99-3.90(m、1H)、3.90-3.75(m、1H)、2.08-1.73(m、6H)。[α]20
D=-11.88°(c 1.05、MeOH)。
調製110:6-ブロモ-5-クロロ-3-メチル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン
ヨウ化メチル(0.132mL、2.12mmol)を、6-ブロモ-5-クロロ-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(500mg、1.93mmol)およびK2CO3(799mg、5.78mmol)のDMF(10mL)懸濁液に加え、反応物をN2下、室温で1.5時間撹拌した。水を加え、得られた沈殿物を真空濾過によって収集し、水で洗浄し、次いで真空オーブンで乾燥させて、標題化合物(470mg)を得た。MS:[M+H]+=273。
調製111:6-ブロモ-5-クロロ-2,3-ジメチル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン
6-ブロモ-5-クロロ-2-メチル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンを使用すること以外は、6-ブロモ-5-クロロ-3-メチル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンと同様の方法で調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=286。
調製112:6-ブロモ-7-クロロ-N,N-ジメチル-1,3-ベンゾチアゾール-2-カルボキサミド
2-エチルヘキシル 3-[(6-アミノ-3-ブロモ-2-クロロフェニル)スルファニル]プロパノエート(500mg、1.18mmol)、N,N-ジメチルオキサミン酸(139mg、1.18mmol)および1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(495mg、1.30mmol)のDMF(6mL)溶液に、DIPEA(0.41mL、2.37mmol)を加え、反応液を室温で16時間撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、飽和NH4Cl水溶液(2回)、H2O(3回)およびブラインの順で洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~25%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、中間体アミドを得た。この残留物をTHF(12mL)に再溶解し、NaOEt溶液(EtOH中20重量%、1.4mL、3.55mmol)を加え、反応液を30分間撹拌した。0℃に冷却後、TFA(2.7mL、35.5mmol)を注意深く加え、反応液を60℃に2時間加熱した。0℃まで冷却した後飽和NaHCO3水溶液を注意深く加え、混合物をEtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。1,4-ジオキサン/MeOH(6mL、1:1)混合物中の残留物に、Et3N(1.65mL、11.8mmol)およびジメチルアミン塩酸塩(482mg、5.91mmol)を加えた。反応液を密閉し、100℃で1時間加熱した。冷却後、反応液を蒸発させ、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~25%、EtOAc/石油エーテル)により精製して、標題化合物(145mg)を得た。MS:[M+H]+=319。
調製113:5-ブロモ-4-クロロ-3,3-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-オン
5-ブロモ-4-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2,3-ジオン(0.685g、2.65mmol)を、DCM(7mL)に溶解し、0℃に冷却した。三フッ化ジエチルアミノ硫黄(1.05mL、7.96mmol)を滴下し、反応液を室温まで温め、一晩撹拌した。反応液をDCMで希釈し、飽和NaHCO3水溶液、次いでブラインで洗浄した。有機相を相分離器に通すことにより乾燥させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(0.30g)を得た。MS:[M-H]-=281。
調製114:5-ブロモ-4-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-オン
5-ブロモ-4-クロロ-3,3-ジフルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-オン(0.3g、1.06mmol)を、DMF(5mL)に溶解し、0℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱油中60重量%、0.055g、1.38mmol)を添加し、反応液を均一になるまで撹拌した。2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.243mL、1.38mmol)を滴下し、反応液を室温で一晩撹拌した。反応液をEt2Oで希釈し、水、次いでブラインで洗浄した。有機相を相分離器に通すことにより乾燥させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(0.392g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):8.07(1H、d)、7.27(1H、d)、5.15(2H、s)、3.56(2H、t)、0.95-0.85(2H、m)、-0.01--0.16(9H、m)。
調製115:5-クロロ-2,3-ジメチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン
6-ブロモ-5-クロロ-2,3-ジメチル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンを使用すること以外は、調製43と同様に調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=335。
調製116:3-クロロ-7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-N,N-ジメチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-5-スルホンアミド
3-クロロ-7-ヨード-N,N-ジメチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-5-スルホンアミド(5.5g、14.4mmol)、4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール(70%純度、7.22g、17.3mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.105g、0.14mmol)、炭酸カリウム(3.98g、28.83mmol)、水(48mL)および1,2-ジメトキシエタン(72mL)を70℃で使用すること以外は、一般手順2と同様に調製した。MS:[M+H]+=425。
調製117:tert-ブチル N-[endo-8-[7-(5-クロロ-2,3-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
5-クロロ-2,3-ジメチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンを使用すること以外は、一般手順2と同様に調製した。MS:[M+H]+=680。
調製118:tert-ブチル N-[endo-8-[7-(5-クロロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
6-ブロモ-5-クロロ-3-メチル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンを使用すること以外は、一般手順3と同様に調製した。MS:[M+H]+=666。
調製119:tert-ブチル N-[endo-8-{7-[7-クロロ-2-(ジメチルカルバモイル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
6-ブロモ-7-クロロ-N,N-ジメチル-1,3-ベンゾチアゾール-2-カルボキサミドを使用すること以外は、一般手順3と同様に調製した。MS:[M+H]+=712。
調製120:tert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-3,3-ジフルオロ-2-オキソ-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
5-ブロモ-4-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-オンを使用すること以外は、一般手順3と同様に調製した。MS:[M+H]+=805。
調製121:(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-イル)メタノール
12本の反応チューブのそれぞれに、TFA(0.40mL、5.21mmol)、3,5-ジクロロ-2-メチルピラジン(85mg、0.52mmol)、2,4,5,6-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)イソフタロニトリル(4mg、0.0052mmol)、過酢酸tert-ブチル溶液(無臭ミネラルスピリット中50重量%、0.75mL、2.87mmol)および脱気したMeOH/DMSO(9:1、5mL)を入れた。各バイアルを短時間N2フラッシュして、密封し、青色LED照明(ケッセルランプ、34W)下で18時間撹拌した。12本のチューブの内容物を合わせ、ほとんどの溶媒を蒸発させた。残留物をEtOAcおよび飽和NaHCO3水溶液の間で分配し、分離された水層をEtOAc(2回)で抽出し、合わせた有機物をブライン(3回)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~30%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(480mg)を得た。MS:[M+H]+=193。
調製122:3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-カルバルデヒド
(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-イル)メタノール(0.32g、1.66mmol)のDCM(16.6mL)撹拌混合物に、デス-マーチンペルヨージナン(1.05g、2.49mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。反応液を飽和NaHCO3水溶液および飽和Na2S2O3水溶液でクエンチした。EtOAcを加え、相を分離し、EtOAc層を飽和NaHCO3水溶液(2回)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、標題化合物を得て、それをさらに精製することなく使用した。
調製123:(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-イル)メタノール
30℃の、イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体の溶液(1.3M/THF、2.58mL、3.36mmol)のTHF(4.48mL)溶液に、5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール(0.55g、2.24mmol、トルエンから3回共沸乾燥させた)のTHF(4.48mL)溶液を30℃で10分間かけて滴下した。混合物をこの温度で25分間撹拌した後、0℃に冷却し、3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-カルバルデヒド(0.319g、1.68mmol、THFから3回共沸乾燥させた)のTHF(4.48mL)溶液を10分かけて滴下した。30%ブライン溶液、飽和NH4Cl水溶液およびEtOAcを加え、相を分離し、水相をさらにEtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、20~35%、アセトン/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(0.32g)を得た。MS:[M+H]+=357。
調製124:4-クロロ-5-(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-カルボニル)-2-メチル-2H-インダゾール
(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-イル)メタノール(0.32g、0.895mmol)の撹拌したDCM(8.95mL)溶液に室温で酸化マンガン(IV)(1.56g、17.9mmol)を添加した。懸濁液を一晩撹拌してから濾過し、DCM(3回)で洗浄し、濃縮して、標題化合物(0.231g)を得た。これをさらに精製することなく使用した。MS:[M+H]+=355。
調製125:ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[6-クロロ-5-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルボニル)-3-メチルピラジン-2-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
4-クロロ-5-(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-カルボニル)-2-メチル-2H-インダゾール(0.216g、0.607mmol)およびDIPEA(0.212mL、1.21mmol)の撹拌したNMP(0.607mL)溶液に、0℃で、ベンジル N-[(1R,2R,3S,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(0.229g、0.729mmol)の NMP(0.607mL)溶液を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌してから室温に戻して24時間撹拌した。混合物をEtOAc/30%ブライン溶液/飽和NH4Cl水溶液で希釈し、相を分離し、有機相を30%ブライン溶液/飽和NH4Cl水溶液(2回)、次いで飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、23~50%、アセトン/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(0.18g)を得た。MS:[M+H]+=597。
調製126:ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[6-クロロ-5-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルボニル)-3-メチルピラジン-2-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(0.18g、0.301mmol)の撹拌したEtOH(6.03mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(0.132mL、0.603mmol)を加え、混合物を80℃で4時間加熱した。混合物を30%ブライン溶液およびCHCl3/IPA(3:1)で希釈し、相を分離し、水相をCHCl3/IPA(3:1)(2回)で抽出した。有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、60~100%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(0.097g)を得た。MS:[M+H]+=575。
調製127:2-(5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド
DMF(10.8mL、139mmol)および水(3.6mL、14.34mmol)を、5-ブロモ-4-クロロ-1H-インダゾール(3.32g、14.34mmol)、ガリウム(1.5g、21.51mmol)およびアルミニウム(0.580g、21.51mmol)に加えた。次いで、2-ブロモ-N,N-ジメチルアセトアミド(4.64mL、43.0mmol)を加え、反応液を55℃で64時間撹拌した。反応液をEtOAc(50mL)および水(50mL)で希釈し、濾過した。有機相を単離し、水相をさらにEtOAc(50mL、2回)で抽出した。合わせた有機相を1M HCl(50mL)水溶液および水(50mL、2回)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、50~100%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(2.06g)を得た。MS:[M+H]+=316。
調製128:tert-ブチル N-[endo-8-(7-{4-クロロ-2-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-2H-インダゾール-5-イル}-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル ((endo-8-(7-ヨード-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(473mg、0.790mmol)を40mLバイアルに入れ、それを密封し、次いで脱気し、窒素(3回)で再充填した。THF(3mL)を加え、得られた溶液を0℃に冷却してから、イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体溶液(THF中1.3M、1.336mL、1.737mmol)を滴下し、得られた溶液を0℃で45分間撹拌した。塩化亜鉛(II)溶液(THF中1.9M、0.914mL、1.737mmol)を滴下し、反応液を0℃で10分間、次いで、室温で45分間撹拌した。2-(5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-N,N-ジメチルアセトアミド(250mg、0.790mmol)およびSPhos Pd G3(30.8mg、0.039mmol)を加え、反応バイアルを脱気し、窒素(3回)で再充填して室温で24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(25mL)および飽和NH4Cl(25mL)水溶液で希釈した。有機相を単離し、水相をさらにEtOAc(25mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、50~100%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(164mg)を得た。MS:[M+H]+=709。
調製129:1-(5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-メチルプロパン-2-オール
5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール(6.6g、28.5mmol)、2,2-ジメチルオキシラン(3.82mL、42.8mmol)および炭酸カリウム(4.73g、34.2mmol)のDMF(50mL)混合物を、室温で1時間、次いで60℃で11時間撹拌した後、室温に冷却し、週末の間放置した。過剰な溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(300mL)に取り、EtOAc(100mL、3回)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~30%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(987mg)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):8.39(1H、d)、7.59(1H、dd)、7.47(1H、d)、4.87(1H、s)、4.36(2H、s)、1.11(6H、s)。
調製130:1-(4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-メチルプロパン-2-オール
1-(5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-メチルプロパン-2-オール(977mg、3.22mmol)を使用すること以外は、調製43と同様に調製した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~5%、MeOH/DCM)によって精製して、標題化合物(767mg)を得た。MS:[M+H]+=351。
調製131:tert-ブチル N-[endo-8-{7-[4-クロロ-2-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-2H-インダゾール-5-イル]-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
1-(4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル)-2-メチルプロパン-2-オール(753mg、1.911mmol)の1,4-ジオキサン(12mL)溶液を使用すること以外は、一般手順2と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで3回精製し(0~50%EtOAc/イソヘキサン、次いで40~70%EtOAc/イソヘキサン、次いで0~5%MeOH/DCM)、標題化合物(420mg)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):8.36(1H、d)、8.16(1H、s)、7.92(1H、d)、7.89(1H、s)、7.65(1H、dd)、6.84(1H、s)、5.57(2H、s)、4.58(2H、s)、4.38(2H、s)、3.62(2H、t)、3.43(1H、s)、2.20-2.07(4H、m)、2.03-1.91(2H、m)、1.76(2H、d)、1.39(9H、s)、1.14(6H、s)、0.95-0.82(2H、m)、-0.08(9H、s)。
調製132:3,4-ジクロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール
5-ブロモ-3,4-ジクロロ-1H-インダゾール(2.45g、9.21mmol)を使用すること以外は、調製43と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~5%、MeOH/DCM)により精製して、標題化合物(1.95g)を得た。MS:[M+H]+=313。
調製133:tert-ブチル N-[endo-8-[7-(3,4-ジクロロ-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
1,4-ジオキサン(12mL)中の3,4-ジクロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(287mg、0.917mmol)を使用すること以外は、一般手順2と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(274mg)を得た。MS:[M+H]+=658。
調製134:2-(5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)アセトニトリル
5-ブロモ-4-クロロ-1H-インダゾール(5g、21.60mmol)をNMP(2mL)に溶解し、ブロモアセトニトリル(4.51mL、64.8mmol)を加えた。その溶液を120℃で18時間撹拌し、次いで室温に冷却した後、EtOAc(200mL)および水(200mL)を加えた。有機相を分離し、水(100mL、3回)で洗浄した後、乾燥(MgSO4)し、濾過し、シリカ(約16g)で濃縮し、組成物をドライロードした。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、標題化合物(2.38g)を得た。MS:[M+H]+=270。
調製135:2-(4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル)アセトニトリル
2-(5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)アセトニトリル(1g、3.70mmol)を使用すること以外は、調製43と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(1.31g)を得た。MS:[M+H]+=318。
調製136:tert-ブチル N-[endo-8-{7-[4-クロロ-2-(シアノメチル)-2H-インダゾール-5-イル]-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
2-(4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル)アセトニトリル(1.059g、2.50mmol)を使用すること以外は、一般手順2と同様に調製した。粗生成物を、シリカ(約8g)を使ってドライロードし、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、10~50%、EtOAc/イソヘキサン)により精製して、標題化合物(286mg)を得た。MS:[M+H]+=663。
調製137:5-ブロモ-4-クロロ-3-(クロロメチル)-2-メチル-2H-インダゾール
(5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-3-イル)メタノール(1.21g、4.39mmol)のCHCl3(100mL)溶液に、二塩化硫黄(0.481mL、6.59mmol)を加えた。反応液を60℃に2時間加熱して、SOCl2(0.2mL)を加えた。60℃でさらに1時間加熱後、反応液を室温に冷却し、溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(1.1g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):7.60(1H、d)、7.54(1H、d)、5.45(2H、s)、4.22(3H、s)。
調製138:2-(5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル
5-ブロモ-4-クロロ-3-(クロロメチル)-2-メチル-2H-インダゾール(1.054g、3.59mmol)のDMSO(15mL)溶液に、シアン化ナトリウム(0.193g、3.94mmol)を添加し、60℃に1時間加熱した。反応液を室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液(50mL)を加え、EtOAc(100mL、2回)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、標題化合物(957mg)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):(1H、d)、7.52(1H、d)、4.73(2H、s)、4.21(3H、s)。
調製139:2-[4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-3-イル]アセトニトリル
2-(5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル(847mg、2.98mmol)を使用すること以外は、調製43と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~5%、MeOH/DCM)により精製して、標題化合物(549mg)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):7.55(1H、d)、7.44(1H、d)、4.21(2H、s)、3.18(3H、s)、1.16(12H、s)。
調製140:tert-ブチル N-[endo-8-{7-[4-クロロ-3-(シアノメチル)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル]-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
1,4-ジオキサン(10mL)中の、2-(4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-3-イル)アセトニトリル(434mg、0.916mmol)および炭酸カリウム(380mg、2.75mmol)を使用すること以外は、一般手順2と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~90%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(244mg)を得た。MS:[M+H]+=677。
調製141:4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-3-カルバルデヒド
5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-3-カルバルデヒド(1.45g、5.30mmol)を使用すること以外は、調製43と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~10%、MeOH/DCM)によって精製して、標題化合物(1.69g)を得た。MS:[M+H]+=321。
調製142:tert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-3-ホルミル-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
1,4-ジオキサン(8mL)中の4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-3-カルバルデヒド(285mg、0.67mmol)を使用すること以外は、一般手順2と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(253mg)を得た。MS:[M+H]+=666。
調製143:tert-ブチル N-(endo-8-(7-(4-クロロ-3-((E)-(ヒドロキシイミノ)メチル)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート
tert-ブチル N-(endo-8-(7-(4-クロロ-3-ホルミル-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(415mg、0.62mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(87mg、1.25mmol)および炭酸ナトリウム(132mg、1.25mmol))のIPA(3.5mL)および水(1mL)混合物を、室温で週末の間撹拌した。さらにヒドロキシルアミン塩酸塩(87mg、1.25mmol)および炭酸ナトリウム(132mg、1.25mmol)を加え、さらに4時間撹拌した。水を加え、沈殿物を濾過により収集した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~90%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物を得て、出発物質を回収した。回収した出発物質を、ヒドロキシルアミン塩酸塩(87mg、1.25mmol)および炭酸ナトリウム(132mg、1.25mmol)と共にMeOH(4mL)中で18時間撹拌した。反応液を水(5mL)で希釈し、沈殿物を濾過で収集し、水(5mL)で洗浄し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~70%、EtOAc/イソヘキサン)で精製した。前のバッチと組み合わせて、標題化合物(265mg)を得た。MS:[M+H]+=681。
調製144:tert-ブチル N-(endo-8-(7-(4-クロロ-3-シアノ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート
MeCN(5mL)中の、tert-ブチル N-(endo-8-(7-(4-クロロ-3-((E)-(ヒドロキシイミノ)メチル)-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(265mg、0.389mmol)および酢酸銅(II)(14.13mg、0.078mmol)の混合物を、80℃で5時間撹拌した。さらに酢酸銅(II)(10mg)を加え、反応液を80℃でさらに2時間撹拌した後、室温に冷却して一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(10mL)およびDCM(50mL)の間で分配して、水相をDCM(50mL、2回)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(122mg)を得た。MS:[M+H]+=663。
調製145:5-ブロモ-4-クロロ-2-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-2H-インダゾール
NMP(50mL)中の、5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール(2.305g、9.96mmol)および2-(クロロメチル)-1-メチル-1H-イミダゾール(2.6g、19.91mmol)の混合物を、140℃で24時間撹拌し、室温まで冷却した。有機相を飽和NaHCO3水溶液(250mL)および水(300mL、2回)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~100%、EtOAc/イソヘキサン、次いで、100%(0.07%NH3/MeOH)/DCMで追い出し)で精製して、標題化合物(1.66g)を得た。MS:[M+H]+=325。
調製146:4-クロロ-2-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-2-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-2H-インダゾール(1.66g、5.10mmol)を使用して、調製43と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~2%MeOH/DCM、次いで、70~100%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、標題化合物(763mg)を得た。MS:[M+H]+=373。
調製147:tert-ブチル N-(endo-8-(7-(4-クロロ-2-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-2H-インダゾール-5-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート
1,4-ジオキサン(12mL)中の4-クロロ-2-((1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール(426mg、1.14mmol)を使用すること以外は、一般手順2と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~100%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(413mg)を得た。MS:[M+H]+=718。
調製148:5-((5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)メチル)-3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール
5-(クロロメチル)-3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール(5g、37.7mmol)を使用して、調製145と同じアルキル化手順で調製し、標題化合物(3g)を得た。MS:[M+H]+=327。
調製149:5-((4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル)メチル)-3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール
5-((5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)メチル)-3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール(3g、9.16mmol)を使用して、調製43と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~100%、tert-ブチルメチルエーテル/イソヘキサン)によって精製して、3gのオレンジ色の油を得た。この油をtert-ブチルメチルエーテル(50mL)に溶解し、次いで1M NaOH(30mL、次いで、10mL)水溶液で抽出した。水層をNH4Cl(2.0g、37.4mmol)で処理し、DCM(30mL、3回)で抽出した。合わせた有機相を減圧下で濃縮して、標題化合物(1.4g)を得た。MS:[M+H]+=375。
調製150:tert-ブチル N-(endo-8-(7-(4-クロロ-2-((3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)メチル)-2H-インダゾール-5-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート
1,4-ジオキサン(12mL)中の、5-((4-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-2-イル)メチル)-3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール(660mg、1.67mmol)を使用すること以外は、一般手順2と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、15~75%tert-ブチルメチルエーテル/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(460mg)を得た。MS:[M+H]+=720。
調製151:5-ブロモ-4-クロロ-2-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)-2H-インダゾール
3-(クロロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール(4.95g、37.9mmol)を使用して、調製145と同じアルキル化手順で調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、20~100%、EtOAc/イソヘキサン)により精製して、標題化合物(2.46g)を得た。MS:[M+H]+=325。
調製152:4-クロロ-2-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-2-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)-2H-インダゾール(2.44g、7.49mmol)を使用して、調製43と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~5%、MeOH/DCM)によって精製して、標題化合物(2.71g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):8.53(1H、s)、7.63(1H、d)、7.52(1H、d)、7.43(1H、d)、6.25(1H、d)、5.59(2H、s)、3.80(3H、s)、1.31(12H、s)。
調製153:tert-ブチル N-(endo-8-(7-(4-クロロ-2-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)-2H-インダゾール-5-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート
1,4-ジオキサン(12mL)中の4-クロロ-2-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール(435mg、1.17mmol)を使用する以外は、一般手順2と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20~100%EtOAc/イソヘキサン、次いで、0~3%MeOH/DCM)によって精製して、標題化合物(205mg)を得た。MS:[M+H]+=718。
調製154:6-ブロモ-5-クロロ-2-メチルイソキノリン-2-イウムヨウ化物
6-ブロモ-5-クロロイソキノリン(5.3g、21.86mmol)のTHF(50mL)溶液に、ヨードメタン(1.429mL、22.95mmol)を加えた。その溶液を室温で18時間撹拌した。沈殿物を濾過により収集し、THF(50mL)で洗浄し、固体を真空で乾燥させた。濾液をさらに6時間撹拌した。ヨードメタン(1mL)を添加し、週末にかけて反応液を撹拌した。沈殿物を濾過により収集し、THF(40mL)で洗浄し、前のバッチと合わせて真空で乾燥させて、標題化合物(4.95g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):10.10(1H、s)、8.85(1H、dd)、8.70(1H、d)、8.41(1H、ddd)、8.38(1H、dd)、4.48(3H、s)。
調製155:6-ブロモ-5-クロロ-2-メチル-1,2-ジヒドロイソキノリン-1-オン
DMF(300mL)中で6-ブロモ-5-クロロ-2-メチルイソキノリン-2-イウムヨウ化物(4.7g、12.23mmol)、炭酸セシウム(5.98g、18.34mmol)およびエオシンY(0.423g、0.611mmol)の混合物を、空気下で撹拌し、400Wランプで10時間照射した。過剰のDMFを減圧下で除去した後、水(400mL)を加え、EtOAc(210mL、3回)で抽出した。有機抽出物を乾燥(MgSO4)させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(740mg)を得た。MS:[M+H]+=272。
調製156:5-クロロ-2-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,2-ジヒドロイソキノリン-1-オン
6-ブロモ-5-クロロ-2-メチル-1,2-ジヒドロイソキノリン-1-オン(1.01g、3.71mmol)を使用して、調製43と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~1%、MeOH/DCM)により精製して、標題化合物(501mg)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):8.18(1H、d)、7.64(2H、dd)、6.80(1H、d)、3.52(3H、s)、1.34(12H、s)。
調製157:tert-ブチル ((3R,4S)-1-(7-(5-クロロ-2-メチル-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-3-フルオロピペリジン-4-イル)カルバメート
1,4-ジオキサン(14mL)中で5-クロロ-2-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,2-ジヒドロイソキノリン-1-オン(400mg、1.16mmol)、tert-ブチル N-((3R,4S)-3-フルオロ-1-(7-ヨード-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)ピペリジン-4-イル)カルバメート(0.575g、0.967mmol)およびリン酸三カリウム(741mg、3.49mmol)を使用すること以外は、一般手順2と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0~80%EtOAc/イソヘキサン、次いで0~80%EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(509mg)を得た。MS:[M+H]+=657。
調製158:4-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-クロロ安息香酸メチル
1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(0.34g、1.90mmol)および(E)-2,2’-(ジアゼン-1,2-ジイル)ビス(2-メチルプロパンニトリル)(0.023g、0.142mmol)を、4-ブロモ-3-クロロ-2-メチル安息香酸メチル(0.25g、0.949mmol)のクロロホルム(5mL、0.949mmol)溶液に加え、混合物を2.5時間、加熱還流し、次いで、シリカで濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~15%、イソヘキサン中のEtOAc)によって精製して、標題化合物(0.308g)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):7.75(1H、d)、7.70(1H、d)、5.19(2H、s)、3.98(3H、s)。
調製159:5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン
4-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-クロロ安息香酸メチル(0.30g、0.88mmol)をメチルアミン(EtOH中33重量%、1.96mL、15.77mmol)に懸濁し、室温で30分間撹拌した。THF(2mL)を加え、懸濁液を50℃に16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、1M HCl(20mL)水溶液で希釈し、EtOAc(50mL、3回)で抽出した。合わせた有機相を相分離器に通過させ、濃縮して、標題化合物(0.220g)を得た。MS:[M+H]+、260。
調製160:4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン
5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(1.0g、3.84mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(2.92g、11.52mmol)、酢酸カリウム(1.130g、11.52mmol)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(0.313g、0.38mmol)の1,4-ジオキサン(15mL)混合物を、N2気流下で脱気した。次いで、100℃に18時間加熱し、室温に冷却し、濃縮し、EtOAc(50mL)で希釈した。超音波処理後、混合物を濾過し、シリカで濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、1~4%、MeOH/DCM)によって精製して、標題化合物(1.02g)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):7.85(1H、d)、7.74(1H、d)、4.39(2H、s)、3.25(3H、s)、1.41(12H、s)。
調製161:tert-ブチル N-((3R,4S)-1-(7-(4-クロロ-2-メチル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-5-イル))-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-3-フルオロピペリジン-4-イル)カルバメート
tert-ブチル N-((3R,4S)-3-フルオロ-1-(7-ヨード-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)ピペリジン-4-イル)カルバメート(0.5g、0.84mmol)、4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-オン(0.42g、1.01mmol)、リン酸三カリウム(0.59g、2.54mmol)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(0.069g、0.085mmol)の(1,4-ジオキサン(10mL)および水(2.5mL)混合物を、N2気流下で脱気した。次いで、70℃で1時間加熱し、室温に冷却し、DCM(10mL)で希釈し、相分離器を通過させ、シリカで濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、20~100%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(0.339g)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):8.25-8.19(2H、m)、7.86-7.84(2H、m)、5.63(2H、s)、4.94-4.82(2H、m)、4.52(1H、d)、4.45(2H、s)、3.97-3.90(1H、m)、3.64(2H、t)、3.26(3H、s)、3.23-3.14(1H、m)、3.10-3.05(2H、m)、1.99-1.95(2H、m)、1.49(9H、s)、0.97(2H、t)、-0.02(9H、s)。
調製162:6-ブロモ-7-クロロ-1-メチル-1H-1,3-ベンゾジアゾール
0℃の、5-ブロモ-4-クロロ-1H-1,3-ベンゾジアゾール(5g、21.60mmol)のDMF(50.2mL、648mmol)溶液にNaH(鉱油中60重量%、1.123g、28.1mmol)を加えた。反応混合物を室温に30分間温め、次いでヨードメタン(1.486mL、23.76mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した後、飽和NH4Cl(200mL)水溶液を加え、DCM(50mL、3回)で抽出した。合わせた有機相を飽和NH4Cl(100mL)水溶液、水(100mL)、および1M LiCl(100mL)水溶液で洗浄し、乾燥(MgSO4)して濃縮した。残留物をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~30%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(746mg)を得た。MS:[M+H]+=245。
調製163:7-クロロ-1-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール
6-ブロモ-7-クロロ-1-メチル-1H-1,3-ベンゾジアゾール(444mg、1.81mmol)を使用して、調製43と同様に調製した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~2%、MeOH/DCM)によって精製して、標題化合物(268mg)を得た。MS:[M+H]+=293。
調製164:tert-ブチル N-((3R,4S)-1-(7-(7-クロロ-1-メチル-1H-1,3-ベンゾジアゾール-6-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-3-フルオロピペリジン-4-イル)カルバメート
tert-ブチル N-((3R,4S)-3-フルオロ-1-(7-ヨード-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)ピペリジン-4-イル)カルバメート(553mg、0.93mmol)、7-クロロ-1-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-1,3-ベンゾジアゾール(268mg、0.78mmol)、炭酸カリウム(323mg、2.34mmol)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(63.6mg、0.078mmol)の1,4-ジオキサン(12mL)および水(3mL)混合物を、N2気流下で脱気した。反応液を50℃に2時間加熱した後、室温に冷却し、セライトで濾過し、DCMおよびMeOHで洗浄し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより2回精製し(0~100%EtOAc/イソヘキサン、次いで、0~4%MeOH/DCM)、標題化合物(176mg)を得た。MS:[M+H]+=630。
調製165:3-クロロ-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン
3-クロロ-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(20g、131mmol)およびDIPEA(37mL、212mmol)のNMP(100mL)溶液を、氷塩浴下で冷却しながら撹拌した。2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(28.3mL、160mmol)のNMP(40mL)溶液を5~10分間かけて加えた。冷却浴を取り外し、混合物を室温で一晩撹拌した。5%LiCl水溶液(100mL)を加え、EtOAc(400mL)を加えて混合物を2Lの分液漏斗に移した。水層を除去し、EtOAc層をさらに5%LiCl水溶液(100mL、3回)で洗浄した。次いで、EtOAc層を0.5M KHSO4水溶液(100mL、2回)、飽和Na2CO3水溶液(50mL)、5%LiCl(50mL)水溶液および飽和ブライン溶液(100mL)で順次洗浄した。EtOAc層を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、蒸発させて、暗色の油を得た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物を(31.8g)得た。MS:[M+H]+=284。
調製166:5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-アミン
3-クロロ-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(20.0g、70.5mmol)、ベンゾフェノンイミン(13.6mL、81.0mmol)、[(4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(2.67g、2.82mmol)およびNaOtBu(10.2g、106mmol)の1,4-ジオキサン(140mL)懸濁液を脱気し、N2を再充填(3回)した後、100℃で3時間加熱した。冷却後、2M HCl(50mL)水溶液を加え、反応液を室温で30分間撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、2M NaOH水溶液でpH10に塩基性化した。分離された水層をEtOAc(2回)で抽出し、合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、20~50%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(15.5g)を得た。MS:[M+H]+=265。
調製167:3-フルオロ-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン
5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-アミン(2.28g、8.6mmol)のHBF4(11.4mL)/THF(11.4mL)48%水溶液の撹拌した混合物に、0℃でNaNO2(水2.3mL中0.655g、9.5mmol)溶液を30分かけて滴下した。10分後、冷混合物を飽和NaHCO3水溶液、飽和Na2SO3水溶液およびEtOAcの混合物に加えた。相を分離し、EtOAc層を濃縮した。粗製物を10%tert-ブチルメチルエーテル/石油エーテルに溶解し、相分離器を通過させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、10~35%、tert-ブチルメチルエーテル/石油エーテル)で精製して、標題化合物(1.16g)を得た。MS:[M+H]+=268。
調製168:3-フルオロ-7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン
3-フルオロ-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(1.28g、4.79mmol)の撹拌したDMF(8.6mL)溶液に、室温でN-ヨードスクシンイミド(1.51g、6.7mmol)を加え、混合物を1.5時間撹拌した。混合物を飽和Na2S2O3水溶液および氷水の混合物に注いだ。得られた固体を濾過により収集し、水(3回)で洗浄し、次いで真空下で乾燥させて、標題化合物(1.88g)を得た。MS:[M+H]+=394。
調製169:3-フルオロ-7-ヨード-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン
3-フルオロ-7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(1.43g、3.63mmol)のDCM(15mL)/TFA(10mL)溶液を、室温で24時間撹拌した。混合物を蒸発させた。残留物をMeOH/NH3水溶液に溶解し、1時間撹拌した。MeOHを蒸発させ、得られた固体を濾過により収集した。固体を水で洗浄し、乾燥させて、標題化合物(0.848g)を得た。MS:[M+H]+=264。
調製170:3-フルオロ-7-ヨード-N,N-ジメチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-5-スルホンアミド
3-フルオロ-7-ヨード-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(0.848g、3.22mmol)を、THF/DMF(1:1、10mL)に溶解し、氷浴で冷却した。NaH(鉱油中60%)(0.17g、4.19mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。0℃に再冷却後、N,N-ジメチルスルファモイル塩化物(0.45mL、4.19mmol)を加え、混合物を室温に温め、一晩撹拌した。飽和NH4Cl水溶液を加え、混合物をEtOAcで抽出した。EtOAc層を乾燥(MgSO4)させ、次いで蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~60%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(0.72g)を得た。MS:[M+H]+=371。
調製171:rac-tert-ブチル (1R,2S,5S)-2-フルオロ-3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレートおよびrac-tert-ブチル(1R,2R,5S)-2-フルオロ-3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(分離されていない混合物)
rac-tert-ブチル (1R,2R,5S)-2-フルオロ-3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(50g、195mmol)のTHF溶液(200mL)を、NaOtBu(20g、208mmol)のTHF(200mL)懸濁液に滴下し、室温で2時間撹拌した。混合物をNH4Cl(20g、374mmol)の水(200mL)溶液でクエンチし、次いで飽和ブライン(800mL)で希釈した。混合物をEtOAc(500mL、3回)で抽出した。合わせた有機相を減圧下で濃縮して、淡黄色の油として粗生成物を得た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~10%、アセトン/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物の1:1混合物(32.2g)を得た。異性体1:1H NMR(500MHz、DMSO-d6):4.69-4.28(m、3H)、2.92-2.80(m、1H)、2.41-2.31(m、1H)、2.16-1.97(m、1H)、1.97-1.84(m、1H)、1.60-1.31(m、11H);異性体2:1H NMR(500MHz、DMSO-d6):5.05(dd、J=47.7、5.0Hz、1H)、4.69-4.28(m、2H)、2.79-2.68(m、1H)、2.42-2.28(m、1H)、2.17-1.82(m、2H)、1.72-1.25(m、11H)。
調製172:rac-tert-ブチル (1S,2S,3S,5R)-3-(ベンジルアミノ)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
NaBH(OAc)3(65g、307mmol)を、rac-tert-ブチル (1R,2S,5S)-2-フルオロ-3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレートおよびrac-tert-ブチル (1R,2R,5S)-2-フルオロ-3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(調製171の方法を使用して調製した1:1混合物、49.7g、184mmol)、ベンジルアミン(24mL、216mmol)および酢酸(12mL、210mmol)のDCM(500mL)溶液に加え、室温で18時間撹拌した。NaHCO3(100g、1190mmol)の水(750mL)溶液を加え、次いで混合物をDCM(500mL、3回)で抽出した。次いで、合わせた有機相を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(24.5g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):7.42-7.28(m、4H)、7.29-7.18(m、1H)、4.68(dt、1H)、4.16-4.04(m、1H)、4.05-3.94(m、1H)、3.82(dd、1H)、3.63(dd、1H)、3.29-3.20(m、1H)、2.44-2.31(m、1H)、2.21-2.04(m、2H)、1.97-1.87(m、1H)、1.89-1.61(m、3H)、1.39(s、9H)。
調製173:rac-tert-ブチル (1S,2S,3S,5R)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
rac-tert-ブチル (1S,2S,3S,5R)-3-(ベンジルアミノ)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(27.8g、79mmol)および10%Pd/C(JMタイプ39、水分57.3%)(6g、2.407mmol)を、酢酸/エタノール(1:3、260mL)に溶解し、水素雰囲気下、1barで18時間撹拌した。触媒を濾過により除去し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を飽和NaHCO3水溶液(500mL)で処理し、次いで、クロロホルム/IPA(9:1、200mL、3回)で抽出した。合わせた有機相を減圧下で濃縮して、標題化合物(19.6g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):4.53(dt、1H)、4.13-4.03(m、1H)、4.03-3.91(m、1H)、3.64-3.53(m、1H)、2.50-2.40(m、1H)、2.22-2.05(m、1H))、1.97-1.49(m、6H)、1.39(d、9H)。
調製174:rac-tert-ブチル (1S,2S,3S,5R)-3-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
クロロギ酸ベンジル(12mL、84mmol)を、rac-tert-ブチル (1S,2S,3S,5R)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(19.6g、76mmol)およびDIPEA(30mL、172mmol)の氷浴冷DCM(150mL)/THF(50mL)溶液に加え、次いで室温で18時間撹拌した。水(300mL)を加え、混合物をDCM(300mL、3回)で抽出し、合わせた有機相を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~25%、アセトン/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(28.4g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:7.41-7.35(m、4H)、7.35-7.28(m、1H)、7.14-6.93(m、1H)、5.23-4.89(m、2H)、4.85-4.65(m、1H)、4.22-4.07(m、2H)、4.07-3.97(m、1H)、2.29-2.17(m、1H)、2.08-2.02(m、1H)、1.99-1.79(m、2H)、1.80-1.64(m、2H)、1.40(s、9H)。
調製175:rac-ベンジル N-[(1S,2R,3S,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート塩酸塩
rac-tert-ブチル (1S,2S,3S,5R)-3-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(28.4g、71.3mmol)をDCM(100mL)に溶解し、次いで、HCl(3M/シクロペンチルメチルエーテル、200mL、600mmol)およびDCM(100mL)の撹拌した混合物に滴下した。混合物を室温で3時間撹拌し、次いでtert-ブチルメチルエーテル(500mL)を滴下して希釈した。アセトニトリル(50mL)を加え、混合物を1時間激しく撹拌した。得られた固体を濾過により収集し、tert-ブチルメチルエーテル(50mL)、次いでイソヘキサン(50mL)で洗浄して、標題化合物(21.9g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):10.08-9.28(m、2H)、7.46-7.14(m、6H)、5.21-5.00(m、3H)、4.27-4.15(m、1H)、4.13-4.04(m、1H)、3.96-3.88(m、1H)、2.42(ddd、1H)、2.36-2.26(m、1H)、2.16(ddd、1H)、2.04-1.90(m、2H)、1.89-1.78(m、1H)。
調製176:ベンジル N-[(1S,2R,3S,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート塩酸塩(速い溶出異性体)
rac-ベンジル N-[(1S,2R,3S,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート塩酸塩(21.9g)を、メタノール(50mg/mL)に溶解し、キラル分取超臨界流体クロマトグラフィー(Lux A1(4.6mm×250mm、5μm)、40℃、流量50mL/分、BPR125 BarG、210nmで検出、注入量1000μL(50mg)、50:50 MeOH:CO2(0.7%v/v DEA))で精製した。純粋な画分を合わせ、蒸発させた。次いで、残留物をDCM(5mL)に溶解し、tert-ブチルメチルエーテル(20mL)、イソヘキサン(20mL)およびHCl(シクロペンチルメチルエーテル中3M、2mL、6.00mmol)の撹拌した混合物に滴下した。アセトニトリル(15mL)中で再結晶化により固体を得て、標題化合物(8.7g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:9.82-9.29(m、2H)、7.62-6.86(m、6H)、5.25-4.87(m、3H)、4.29-4.13(m、1H)、4.13-4.00(m、1H)、3.98-3.85(m、1H)、2.42(ddd、J=14.1、9.7、4.7Hz、1H)、2.33-2.23(m、1H)、2.22-2.11(m、1H)、2.03-1.86(m、2H)、1.87-1.73(m、1H)。
調製177:ベンジル N-[(1R,2S,3R,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート塩酸塩(遅い溶出異性体)
調製176に記載された同一のクロマトグラフィー実験から、標題化合物を遅い溶出異性体として得た。次いで、残留物をDCM(5mL)に溶解し、次いで、tert-ブチルメチルエーテル(20mL)で希釈し、HCl(シクロペンチルメチルエーテル中3M、2mL、6.00mmol)で処理して、粘着性のある懸濁液を得た。懸濁液をイソヘキサン(30mL)で希釈し、18時間撹拌し、濾過により収集して、標題化合物(7.5g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ:9.82-9.29(m、2H)、7.62-6.86(m、6H)、5.25-4.87(m、3H)、4.29-4.13(m、1H)、4.13-4.00(m、1H)、3.98-3.85(m、1H)、2.42(ddd、J=14.1、9.7、4.7Hz、1H)、2.33-2.23(m、1H)、2.22-2.11(m、1H)、2.03-1.86(m、2H)、1.87-1.73(m、1H)。
以下の表6の化合物は、適切な置換ハロゲン化アリール(示された調製により記載されたように合成された)から出発し、調製43に記載されたものと類似の手順を用いて調製した。尚、手順からの重要な変法を示した。
調製178:6-クロロ-3-ヨード-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン
水素化ナトリウム(60%/鉱油、3.14g、78mmol)を、6-クロロ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン(20g、71.3mmol)のTHF(300mL)溶液に0℃で5分かけて添加した。0℃で45分間撹拌した後、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(15.2mL、86mmol)を2分かけて加えた。混合物を室温でさらに3時間撹拌し、飽和NH4Cl(150mL)水溶液でクエンチし、水(200mL)で希釈、EtOAc(150mL、2回)で抽出した。合わせた有機相を相分離器に通過させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~25%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(24.2g)を得た。MS:[M+H]+=411。
調製179:(6-クロロ-3-ヨード-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル)メタノール
6-クロロ-3-ヨード-1-(((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン(11.5g、26.2mmol)のMeOH(91mL)/DMSO(100mL)溶液に、N2を15分間吹き込み、次いで硝酸銀(1.78g、10.5mmol)およびTFA(2.02mL、26.2mmol)を順次加えた。混合物を70℃に加熱し、過硫酸アンモニウム(15.0g、65.5mmol)の水(33mL)溶液を45分かけて滴下した。混合物を70℃でさらに2時間撹拌し、次いで室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、セライトで濾過し、EtOAc(50mL、2回)で洗浄した。濾液を飽和NaHCO3水溶液(75mL)および水(300mL)で希釈し、分配した。水相をEtOAc(150mL、2回)で抽出し、合わせた有機相を乾燥(Na2SO4)させ、濾過して濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、5~40%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(5.9g)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3):5.83(2H、s)、5.02(2H、s)、3.76-3.66(2H、m)、1.02-0.88(2H、m)、-0.01(s、9H)。
調製180:tert-ブチル N-[(1R,2R,3S,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
ステップ1:ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-2-フルオロ-8-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
ベンジル N-[(1R,2R,3S,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(1.0g、3.6mmol)およびEt3N(1.0mL、7.2mmol)のDCM(15mL)溶液に、無水トリフルオロ酢酸(0.53mL、3.78mmol)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応液をDCMで希釈し、飽和NaHCO3水溶液を加えた。水層をDCMで抽出し、有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過して濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~60%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(1.32g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):7.47(1H、d)、7.42-7.25(5H、m)、5.05(2H、s)、4.88-4.60(2H、m)、4.59-4.33(1H、m)、4.01-3.85(1H、m)、3.35(1H、s)、2.13-2.01(1H、m)、1.99-1.68(5H、m)。
ステップ2:tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-2-フルオロ-8-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-2-フルオロ-8-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(1.32g、3.53mmol)のエタノール(15mL)溶液に、ジ-tert-ブチルジカーボネート(1.0g、4.58mmol)およびPd/C(10%、0.13g)を加え、混合物を6時間水素化した。反応液を濾過し、濾液を蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~40%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(1.04g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):6.98(1H、d)、4.89-4.21(3H、m)、3.86(1H、d)、2.19-1.53(6H、m)、1.39(9H、s)。
ステップ3:tert-ブチル N-[(1R,2R,3S,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-2-フルオロ-8-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(1.04g、3.07mmol)のMeOH(15mL)/H2O(3mL)溶液に、K2CO3(2.11g、15.35mmol)を加え、混合物を一晩撹拌した。MeOHを蒸発させ、H2Oを加え、生成物をDCMで抽出した。有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、蒸発させて、標題化合物(0.733g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):6.75(1H、d)、4.34(1H、d)、3.72-3.52(1H、m)、3.46(1H、s)、3.35(1H、s)、2.14(1H、s)、1.69(2H、d)、1.60-1.25(13H、m)。
調製181:tert-ブチル N-[(1S,2R,3S,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
標題化合物は、ベンジル N-[(1S,2R,3S,5R)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートをベンジル N-[(1R,2R,3S,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートの代わりに使用して、調製180と同様の方法を使用して調製し、標題化合物、1H NMR(400MHz、DMSO-d6):6.02(1H、s)、4.96-4.44(1H、m)、4.11-3.85(1H、m)、3.40(1H、q)、3.27(1H、d)、2.35(1H、s)、2.18-1.97(1H、m)、1.97-1.83(1H、m)、1.83-1.68(1H、m)、1.68-1.48(3H、m)、1.39(9H、s)を得た。
以下の表7の化合物は、置換され、保護された適切なピロロピラジンまたはピラゾロピラジンから出発し、アミンを変化させて、一般手順1に記載のものと類似の手順を使用して調製した。尚、手順からの重要な変更を示した。
調製182:3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)ボロン酸
5-ブロモ-3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール(30.0g、107mmol)のTHF(450mL)溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体溶液(1.3M/THF、200mL、260mmol)を0℃で加え、1.5時間撹拌した。反応液を-20℃に冷却し、ホウ酸トリイソプロピル(125mL、544mmol)を加えた。0℃に温めた後、反応液を1.5時間撹拌した。酢酸(123mL、2.1mol)、水(300mL)および2-メチルテトラヒドロフラン(150mL)を反応混合物に加え、室温で2時間撹拌した。5M NaOH(500mL)および水(300mL)を0℃で加え、有機層を3M NaOH(150mL)で抽出した。合わせた水層を室温で6M HCl(約400mL、pH4)で酸性化し、同じ温度で1時間撹拌した。沈殿物を収集し、希HCl(pH3)および水で洗浄し、減圧下50℃で一晩乾燥させて、標題化合物(19.8g)を得た。MS:[M+H]+=246、248。
調製183:3-ブロモ-2-クロロ-6-ヨードアニリン
亜ジチオン酸ナトリウム(8.65g、49.7mmol)の水(30mL)溶液を、2-クロロ-3-ブロモ-6-ヨードニトロベンゼン(3.00g、0.276mmol)のTHF(30mL)/MeOH(30mL)氷浴冷却溶液に加えた。混合物を室温で3時間撹拌してから、EtOAcおよび飽和NaHCO3水溶液の間で分配した。相を分離し、水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機相を乾燥(MgSO4)させ、濃縮して、標題化合物(1.76g)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):7.42(1H、d)、6.78(1H、d)、4.73(2H、br.s)。
調製184:2-エチルヘキシル 3-[(2-アミノ-4-ブロモ-3-クロロフェニル)スルファニル]プロパノエート
3-ブロモ-2-クロロ-6-ヨードアニリンを使用すること以外は、調製23と同様に調製し、標題化合物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):7.19(1H、d)、6.96(1H、d)、5.04(2H、s)、4.03(2H、dd)、3.00(2H、t)、2.57(2H、t)、1.65-1.53(1H、m)、1.44-1.25(9H、m)、0.98-0.85(6H、m)。
調製185:5-ブロモ-4-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-オン
2-エチルヘキシル 3-[(2-アミノ-4-ブロモ-3-クロロフェニル)スルファニル]プロパノエートを使用すること以外は、調製24と同様に調製し、標題化合物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):8.61-8.43(1H、m)、7.47-7.41(1H、m)、7.20(1H、d)。
調製186:5-ブロモ-4-クロロ-3-メチル-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-オン
ヨウ化メチル(0.128mL、2.05mmol)を、5-ブロモ-4-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-オン(291mg、1.02mmol)およびK2CO3(425mg、3.07mmol)のDMSO(3mL)溶液に加えた。混合物を室温で3日間撹拌してから、EtOAcと水に分配した。相を分離し、水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(208mg)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):7.47(1H、d)、7.20(1H、d)、3.90(3H、s)。
調製187:4-ブロモ-3-クロロ-2-ニトロアニリンおよび6-ブロモ-3-クロロ-2-ニトロアニリン
3-クロロ-2-ニトロアニリン(25g、145mmol)およびN-ブロモスクシンイミド(25.5g、143mmol)のAcOH(600mL)溶液を、45分間還流した。室温に冷却した後、反応混合物を氷冷水(2L)に注いだ。沈殿物を濾過により収集し、氷冷水(200mL、2回)で洗浄し、真空オーブンで一晩乾燥させ、異性体の混合物(4-ブロモ/6-ブロモ、9:1の比率)として標題化合物(36g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):7.56(1H、d)、6.84(1H、d)、6.40(2H、s)。
調製188:2-[(4-ブロモ-3-クロロ-2-ニトロフェニル)アミノ]酢酸エチルおよび2-[(6-ブロモ-3-クロロ-2-ニトロフェニル)アミノ]酢酸エチル
4-ブロモ-3-クロロ-2-ニトロアニリンおよび6-ブロモ-3-クロロ-2-ニトロアニリンを9:1の比率(30g、119mmol)、ブロモ酢酸エチル(133mL、119mmol)ならびにK2CO3(26.4g、191mmol)の混合物を、窒素下において30時間140℃で加熱した。混合物を室温に冷却し、次いで、1M NaOH水溶液(250mL)を10分かけて加えた。混合物をさらに10分間撹拌し、次いでDCM(30mL、3回)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過して、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、5~30%、EtOAc/イソヘキサン)により精製した。精製した混合物を沸騰IPA(70mL)から再結晶させた。固体を濾過し、シクロヘキサン(50mL、2回)で洗浄し、真空オーブンで一晩乾燥させて、標題化合物(4g)を異性体の混合物(4-ブロモ/6-ブロモ、9:1の比率)として得た。MS:[M+H]+=337。
調製189:7-ブロモ-8-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン-2-オンおよび8-ブロモ-5-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン-2-オン
2-[(4-ブロモ-3-クロロ-2-ニトロフェニル)アミノ]酢酸エチルおよび2-[(6-ブロモ-3-クロロ-2-ニトロフェニル)アミノ]酢酸エチルを9:1の比率(3.5g、10.4mmol)、鉄(3.5g、62.7mmol)およびNH4Cl(0.555g、10.4mmol)のEtOH(75mL)混合物を、30分間還流した。AcOH(30mL)を加え、30分間加熱を続けた。反応混合物を水(300mL)で希釈し、DCM(100mL、3回)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、異性体の混合物(7-ブロモ/8-ブロモ、9:1の比率)として標題化合物(2.8g)を得た。MS:[M+H]+=261。
調製190:7-ブロモ-8-クロロキノキサリン-2-オール
7-ブロモ-8-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン-2-オンおよび8-ブロモ-5-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン-2-オンを9:1の比率(3.2g、12.2mmol)で50重量%NaOH(1.5mL、29.3mmol)水溶液/3重量%H2O2(32mL、28.1mmol)水溶液に懸濁した。反応混合物を3時間還流した。混合物を室温に冷却し、生成物を沈殿させた。AcOH(1.6mL)を加えた。沈殿物を濾過により回収し、水(5mL、2回)で洗浄した。固体をアセトニトリル(20mL、2回)と共沸させて、標題化合物(2.8g)を得た。MS:[M+H]+=259。
調製191:7-ブロモ-8-クロロ-2-メトキシキノキサリン
7-ブロモ-8-クロロキノキサリン-2-オール(2.8g、10.8mmol)およびK2CO3(2.24g、16.2mmol)のDMF(33mL)懸濁液を、ヨードメタン(0.74mL、11.9mmol)で処理し、室温で3時間撹拌した。水(300mL)を加え、沈殿物を濾過により収集した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~100%、EtOAc/イソヘキサン)により精製して、標題化合物(1.8g)を得た。MS:[M+H]+=275。
調製192:7-ブロモ-2,8-ジクロロキノキサリン
7-ブロモ-8-クロロキノキサリン-2-オール(3g、11.6mmol)のトルエン(23mL)溶液に、オキシ塩化リン(V)(4.85mL、52.0mmol)を加え、反応混合物を70℃で一晩撹拌した。反応混合物を氷冷した飽和NaHCO3水溶液(200mL)に滴下することによりクエンチし、室温で2時間撹拌した。次いで混合物をDCM(80mL、3回)で抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(2.5g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):9.13(1H、s)、8.22(1H、d)、8.07(1H、d)。
調製193:7-ブロモ-8-クロロ-2-フルオロキノキサリン
7-ブロモ-2,8-ジクロロキノキサリン(2.5g、8.99mmol)のDMSO(19mL)溶液に、TBAF(1M THF)(10.8mL、10.8mmol)を加えた。反応混合物を50℃で3時間撹拌し、水(150mL)に注いだ。沈殿物を濾過により収集し、水で洗浄し、風乾した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~15%、EtOAc/イソヘキサン)により精製して、標題化合物(0.85g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):9.09(1H、s)、8.19(1H、d)、8.10(1H、d)。19F NMR(471MHz、DMSO-d6):-71.22。
調製194:7-ブロモ-8-クロロ-N,N-ジメチルキノキサリン-2-アミン
7-ブロモ-8-クロロ-2-フルオロキノキサリン(0.85g、3.25mmol)のDMSO(8.5mL)溶液に、ジメチルアミン(2M THF)(34mL、68mmol)を加え、反応混合物を室温で5時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、DMSO溶液を飽和NaHCO3(30mL)水溶液で希釈し、DCM(20mL、2回)で抽出した。合わせた有機層を相分離器に通過させ、減圧下で濃縮して、標題化合物(0.84g)を得た。MS:[M+H]+=288。
調製195:tert-ブチル N-[(3R,4S)-1-(6-クロロ-5-ホルミル-3-メチルピラジン-2-イル)-3-フルオロピペリジン-4-イル]カルバメート
3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-カルボアルデヒド(0.497g、2.6mmol)を、NMP(5mL)に溶解し、0℃に冷却した。トリエチルアミン(1.1mL、7.8mmol)を加え、次いでtert-ブチル N-[(3R,4S)-3-フルオロピペリジン-4-イル]カルバメート(0.68g、3.12mmol)を加えた。反応物を室温に温め、一晩撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を加え、混合物をEtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物を相分離器に通過させ、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~60%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(0.494g)を得た。MS:[M+H]+=317。
調製196:tert-ブチル N-[(3R,4S)-3-フルオロ-1-{5-メチル1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル}ピペリジン-4-イル]カルバメート
ヒドラジン水和物(50-60%、1.3mL、14.6mmol)を、tert-ブチル N-[(3R,4S)-1-(6-クロロ-5-ホルミル-3-メチルピラジン-2-イル)-3-フルオロピペリジン-4-イル]カルバメート(0.49g、1.31mmol)のNMP(3mL)溶液に加え、反応混合物を一晩100℃で加熱した。反応混合物を冷却し、水を加え、混合物をEtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濾過して、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~60%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(0.212g)を得た。MS:[M+H]+=351。
調製197:tert-ブチル N-[(3R,4S)-3-フルオロ-1-{3-ヨード-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル}ピペリジン-4-イル]カルバメート
N-ヨードスクシンイミド(0.2g、0.9mmol)を、tert-ブチル N-[(3R,4S)-3-フルオロ-1-{5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル}ピペリジン-4-イル]カルバメート(0.212g、0.6mmol)のDMF(3mL)溶液に加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。さらにN-ヨードスクシンイミド(0.1g、0.45mmol)を加え、3時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和Na2S2O3水溶液、飽和NaHCO3水溶液、次いでブラインで洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、真空中で濃縮して、標題化合物(0.25g)を得た、MS:[M+H]+=477。
調製198:tert-ブチル N-[(3R,4S)-3-フルオロ-1-[3-ヨード-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]ピペリジン-4-イル]カルバメート
3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(0.14mL、1.57mmol)をtert-ブチル N-[(3R,4S)-3-フルオロ-1-{3-ヨード-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル}ピペリジン-4-イル]カルバメート(0.25g、0.52mmol)およびパラ-トルエンスルホン酸(0.01g、0.05mmol)のDCM(5mL)溶液に0℃で加えた。反応液を室温に温め、一晩撹拌し、次いでDCMで希釈し、飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を、相分離器を通過させることにより乾燥させ、次いで濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/石油エーテル)によって精製して、標題化合物(0.183g)を得た。MS:[M+H]+=561。
調製199:6-クロロ-3-ヨード-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン
3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(9.76mL、107mmol)を、6-クロロ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン(10g、35.7mmol)およびパラトルエンスルホン酸(0.614g、3.57mmol)のDCM(100mL)溶液に0℃で加えた。反応液を室温に温め、一晩撹拌し、次いでDCMで希釈し、飽和NaHCO3水溶液、次いでブラインで洗浄した。有機層を、相分離器を通過させることにより乾燥させ、次いで濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%、酢酸エチル/石油エーテル)により精製して、標題化合物(7g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):8.79(1H、s)、5.92(1H、dd)、3.94(1H、d)、3.80-3.67(1H、m)、2.45-2.17(1H、m)、2.15-1.91(2H、m)、1.91-1.68(1H、m)、1.59(1H、s)、1.54-1.41(1H、m)。
調製200:[6-クロロ-3-ヨード-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル]メタノール
6-クロロ-3-ヨード-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン(0.191g、0.525mmol)およびテトラキス(9H-カルバゾール-9-イル)ベンゼン-1,3-ジカルボニトリル(0.004g、0.00525mmol)を、マイクロ波バイアルに秤量した。20分間窒素を通気することにより脱酸素化されたメタノール(4mL)およびDMSO(2mL)を添加し、次いで過酢酸tert-ブチル(ミネラルスピリット中50重量%、0.75mL、2.36mmol)およびTFA(0.4mL、5.25mmol)を添加した。反応容器を窒素でパージし、クリンプキャップで密閉し、青色LEDライトで一晩照射した。反応液を濃縮し、次いで、EtOAcで希釈し、飽和Na2CO3水溶液、次いでブラインで洗浄した。有機相を相分離器に通すことにより乾燥させ、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~30%、酢酸エチル/石油エーテル)により精製して、標題化合物(0.082g)を得た。MS:[M+H]+=394。
調製201:4-クロロ-2-エチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール
イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体溶液(1.3M/THF)(5.93mL、7.71mmol)を、5-ブロモ-4-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール(1.00g、3.85mmol)のTHF(10mL)溶液に0℃で加え、反応液を4時間撹拌した。アセトン-氷浴を使用して-10℃に冷却した後、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(2.36mL、11.6mmol)を加え、-10℃で30分間撹拌を続けた。反応を飽和NH4Cl水溶液およびH2Oでクエンチし、EtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、蒸発させた。残留物をIPAに懸濁し、蒸発させ、最小量のIPA(3mL)中に再懸濁して0℃に冷却した。撹拌しながら、H2O(25mL)を滴下し、得られた懸濁液を0℃で1時間撹拌した。固体を濾過により収集し、最初に最小量の8:1 H2O:IPA(5mL)で洗浄し、次いで、石油エーテル(3回)で洗浄した。固体を真空で乾燥させて、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=307。
以下に示す表8の化合物は、対応するハロゲン化アリールおよびボロネートまたはボロン酸を使用して、一般手順2と類似の方法で調製した。尚、手順からの重要な変法を示した。
以下に示す表9の化合物は、対応するハロゲン化アリールを使用して、一般手順3と類似の方法で調製した。尚、手順からの重要な変法を示した。
調製202:5-ブロモ-3-クロロ-4-フルオロ-2-メチル-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-フルオロ-2-メチル-2H-インダゾール(2.6g、11.4mmol)を、DMF(22.7mL、11.4mmol)に溶解し、N-クロロスクシンイミド(1.67g、12.5mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(10mg)を加えた。反応混合物を室温で60時間撹拌した。水(100mL)を反応液に加え、得られた沈殿物を濾過した。粗固体をシリカゲルにドライロードし、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%のヘキサン/EtOAc)により精製して、標題化合物(0.972g)を得た。MS:[M+H]+=263。
式(I)の化合物調製の一般手順
以下の手順は、以下の表10および表11~17に記載されている実施例1~44および実施例45~150の調製で使用される一般的な方法を例示したものである。
方法1:endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
DCM(2.5mL)に溶解したtert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(261mg、0.45mmol)にトリフルオロ酢酸(2.5mL)を加え、混合物を1.0時間撹拌した。追加のトリフルオロ酢酸(1.0mL)を加え、反応液を30分間撹拌した。反応液を真空で濃縮し、残留物をメタノール(2.0mL)に溶解して、エチレンジアミン(2.0mL)を加えた。反応液を18時間撹拌し、形成された固体を濾過し、メタノールで2回洗浄し、真空オーブンで乾燥させて、標題化合物(0.09g)を得た。
方法2:endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-2-メチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
tert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ジメチルスルファモイル)-2-メチル-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートを、水(0.1mL)を含むTFA(2mL)に注意深く溶解した。トリフルオロメタンスルホン酸(2mL)を反応混合物に注意深く加え、次いで、マイクロ波で90℃に2時間加熱した。反応液をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、酸を除去した。有機層を相分離カートリッジに通すことにより乾燥させ、次いで減圧下で濃縮した。残留物をKP-NHカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~10%、EtOAc/メタノール)によって精製して、標題化合物(0.02g)を得た。
方法3:7-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-1,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン
tert-ブチル 7-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-1,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-1-カルボキシレート(130mg、0.26mmol)、2,6-ルチジン(0.089mL、0.77mmol)、およびDCM(2.6mL)の混合物に、TMSOTf(0.091mL、0.51mmol)を1.5時間かけて0℃で加えた。反応混合物に0℃で2,6-ルチジン(0.089mL、0.77mmol)およびTMSOTf(0.091mL、0.51mmol)を追加した。混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応混合物に0℃で2,6-ルチジン(0.089mL、0.77mmol)およびTMSOTf(0.091mL、0.51mmol)を追加した。混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液でクエンチし、濾過した。固体をKP-NHカラム(EtOAc-MeOH=1:0~4:1)により精製し、そしてDCMでトリチュレートして、標題化合物(64mg)を得た。
方法4:rac-(1S,2R,3R,5R)-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
Pd(OAc)2(7mg、0.03mmol)の無水DCM(0.66mL)中の撹拌懸濁液に、トリエチルアミン(37μL、0.26mmol)およびEt3SiH(0.211mL、1.32mmol)をN2下、室温で加えた。室温で5分間撹拌した後、rac-ベンジル N-[(1S,2R,3R,5R)-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(37mg、0.07mmol)のDCM(0.4mL)溶液をN2下、室温で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。残留物をKP-NHカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~5%、メタノール/EtOAc)により精製して、標題化合物(15mg)を得た。
方法5:5-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-3-イル)メタノール、メタンスルホン酸塩
tert-ブチル N-[endo-8-[7-(3-{[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]メチル}-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートをTFA/DCM(1:1、3.89mL)に溶解し、2時間撹拌した。反応液を真空で濃縮し、残留物をメタノール(1.0mL)に溶解した。エチレンジアミン(1.0mL)を0℃(氷浴)で加えた。1時間撹拌した後、水を滴下し、形成された固体を濾過し、水および少量のメタノールで洗浄した。固体を真空オーブンで18時間乾燥させた。固体(83mg)をTHF(0.75mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウムのTHF(1M、0.20mL)溶液を室温で加えた。1時間撹拌した後、追加のフッ化テトラブチルアンモニウムのTHF(1M、0.3mL)溶液を加えた。30分間撹拌した後、反応液を氷水上に注ぎ、EtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン溶液(2回)で洗浄し、真空で濃縮した。残留物をTHFでスラリー化し、濾過した。固体を真空オーブンで乾燥させて、5-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-3-イル)メタノール(16mg)を得た。固体をメタノール(0.37mL)でスラリー化し、メタンスルホン酸のメタノール(1M、37μL)溶液を加え、5分間撹拌し、真空で濃縮して、標題化合物(20mg)を得た。
方法6:(6-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-7-クロロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)メタノール、塩酸塩
tert-ブチル N-[endo-8-{7-[7-クロロ-2-(メトキシメチル)-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル]-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(40mg、0.06mmol)をDCM(2mL)に溶解し、TFA(1mL)を加え、反応液を窒素下、室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、反応液をトルエン(3回)と共沸させて、すべてのTFAを除去した。残留物をMeOH(2mL)に再溶解してエチレンジアミン(1mL)を0℃で滴下し、反応液を3時間撹拌した。反応液を蒸発させ、残留物をEtOAcおよびH2Oに分配した。分離された水層をEtOAc(2回)で抽出し、合わせた有機物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、蒸発させた。残留物をDCM(2mL)に再溶解し、BBr3溶液(1M/DCM、0.26mL、0.26mmol)を2時間かけて0℃で滴下および少しずつ添加し、反応液を室温で16時間撹拌した。反応をH2Oでクエンチし、次いで蒸発させた。残留物を、逆相C18シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、5~95%、MeCN/H2O+0.1%ギ酸)により精製した。生成物画分を過剰の2M HCl水溶液で処理し、蒸発させて、標題化合物(4mg)を得た。
方法7:(1R,2S,3R,5S)-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
TFA/トリフルオロメタンスルホン酸(1:1、1.06mL)中のベンジル N-[(1R,2S,3R,5S)-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ジメチルスルファモイル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(141mg、0.21mmol)を90~100℃に1時間加熱した。反応液を室温に冷却して氷に注ぎ、固体K2CO3でpH10に塩基性化した。懸濁液をEtOAc(2回)で抽出し、濾過して、真空で濃縮した。残留物をC18シリカゲル逆相カラムクロマトグラフィー(勾配溶離、5~95%、(0.1%、TFA/MeCN)/(0.1%、TFA/水))により精製して、標題化合物(19mg)を得た。
方法8:(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1-H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(0.097g、0.18mmol)のメタンスルホン酸(0.776mL)混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を、急速に撹拌された飽和Na2CO3水溶液、水およびCHCl3/IPA(3:1)の混合物に注意深く加えて相を分離し、水相をCHCl3/IPA(3:1)(2回)で抽出した。有機抽出物を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過して濃縮した。粗製物をtert-ブチルメチルエーテルおよび石油エーテルの1:1混合物でトリチュレートし、次いでEtOHに溶解し、次いで過剰のHCl(2M)のEt2O溶液を加え、混合物を濃縮して、標題化合物をHCl塩(0.0681g)として得た。
方法9:endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
tert-ブチル N-[endo-8-[7-(4-クロロ-2-メチル-2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(38.0mg、0.0594mmol)のCHCl3(1.00mL)溶液に室温でTFA(0.500mL、6mmol)を加えた。混合物を60℃で1時間撹拌した。反応液を真空で濃縮し、得られた残留物をMeOH(1.00mL)に溶解して、エチレンジアミン(0.200mL、3mmol)を加えた。反応液を室温で18時間撹拌し、形成された固体を濾過し、MeOHで2回洗浄し、真空オーブンで乾燥させて、標題化合物(22mg)を得た。
方法10:{6-[(1R,2S,3S,5S)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル}メタノール(実施例80)
tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ヒドロキシメチル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(0.184g、0.26mmol)をDCM(1.28mL)に溶解し、TFA(1.28mL)を滴下した。反応液を室温で1.5時間撹拌した。水溶液が塩基性pHに達するまで、飽和NaHCO3水溶液をゆっくりと加えた。水相をDCMおよびEtOAcで希釈した。水層および有機層の両方を、形成された粘性物質から分離した。粘性物質をIPAに溶解し、アンモニア水溶液(2.0mL)を加えた。その溶液を10分間撹拌し、沈殿が形成されるまで濃縮した。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空オーブン中40℃で乾燥させて、標題化合物(0.095g)を得た。
方法11:(3R,4S)-1-[3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-3-フルオロピペリジン-4-アミン
tert-ブチル N-[(3R,4S)-1-[3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-3-フルオロピペリジン-4-イル]カルバメート(0.066g、0.11mmol)のMeOH(3mL)/HCl(4M 1,4-ジオキサン、3mL)溶液を2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をEt2Oでトリチュレートして、標題化合物(0.037g)を得た。
方法12:{6-[(1S,2S,3S,5R)-3-アミノ-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル}メタノール
tert-ブチル N-[(1S,2S,3S,5R)-8-[3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ヒドロキシメチル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(0.4g、0.554mmol)のDCM(6mL)/水(0.24mL)溶液に、室温でメタンスルホン酸(0.72mL、11.1mmol)を加えた。混合物を30分間急速撹拌した。反応混合物を、飽和Na2CO3水溶液およびCHCl3/IPA(3:1)の急速撹拌した混合物に注意深く加えた。相を分離し、水相をさらにCHCl3/IPA(3:1)(2回)で抽出した。このCHCl3/IPA溶液を5mLのアンモニア水溶液と一緒に1.5時間撹拌し、次いで、30%のブライン溶液を加えた。相を分離し、有機抽出物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過して濃縮した。tert-ブチルメチルエーテル(10mL)を加え、エバポレーター(減圧なし)上で、53℃で30分間回転させた後、冷却した溶媒をピペットで除去した。このプロセス(1回)を繰り返した。固体をn-PrOH(15vol)に懸濁し、100℃で1時間加熱した後、冷却し、固体生成物を濾過により収集し、n-PrOH(10vol)で洗浄した。固体を真空下50℃で乾燥させて、標題化合物(198mg)を得た。
実施例1~44
式(I)の化合物の調製についての一般手順(例えば、方法1~12)について記載されたものと同様および/または類似の方法に従うことにより、表10に示される化合物を、対応するN-Boc、N-CBz、N-SO2NMe2、SEMまたは2-オキサニル保護誘導体から調製した。尚、手順からの重要な変法を示した。標題化合物は、さらに精製することなく、遊離塩基として、または適切な塩として直接単離する、あるいは、例えば、質量分析分取HPLC、クロマトグラフィー、結晶化またはトリチュレーションを使用して精製し、適切な塩に変換した。
実施例45
endo-8-{7-[4-クロロ-2-(2-メトキシエチル)-2H-インダゾール-5-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
5-ブロモ-4-クロロ-2-(2-メトキシエチル)-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-1H-インダゾール(1.0g、4.7mmol)および炭酸カリウム(1.79g、13mmol)のDMSO(5mL)懸濁液に、室温で1-ブロモ-2-メトキシ-エタン(0.83mL、8.6401mmol)を加えた。週末にわたって同じ温度で撹拌した後、混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SNAP Ultra 50g、勾配溶離、0~100%EtOAc/ヘキサン)により、褐色の固体として標題化合物(0.45g、1.5mmol、36%)を得た。MS:[M+H]+=289、291、293。
4-クロロ-2-(2-メトキシエチル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-2-(2-メトキシエチル)-2H-インダゾール(0.45g、1.5mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)懸濁液に、酢酸カリウム(0.30g、3.13mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(0.59g、2.3mmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(0.12g、0.15mmol)を室温で加えた。120℃で4時間撹拌した後、混合物をEtOAcで希釈し、Hyflo Super-Celのパッドを通して濾過した。濾液を真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SNAP Ultra 25g、勾配溶離、0~100%EtOAc/ヘキサン)により、標題化合物(0.68g)を淡褐色油として得た。得られた物質は純粋ではなかったが、さらに精製することなく使用した。MS:[M+H]+=337、339。
tert-ブチル (endo-8-(7-(4-クロロ-2-(2-メトキシエチル)-2H-インダゾール-5-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート
tert-ブチル (endo-8-(7-ヨード-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(500mg、0.83mmol)および4-フルオロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン)-2-イル)-2H-インダゾール(680mg)の1,4-ジオキサン(8.0mL)/水(2.0mL)懸濁液に炭酸カリウム(340mg、2.5mmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(68mg、0.083mmol)を室温で加えた。70℃で8時間撹拌した後、混合物を水およびEtOAcで希釈し、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SNAP Ultra 50g、勾配溶離、0~100%EtOAc/ヘキサン)により粗製物を得た。次いで、粗製物をSANP Isolute-Flash-NH2 55g(0~100%EtOAc/Hex)で再精製した。画分の濃縮により、標題化合物(530mg、0.77mmol、93%)を淡黄色のアモルファスとして得た。MS:[M+H]+=682、684。
endo-8-(7-(4-クロロ-2-(2-メトキシエチル)-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
tert-ブチル (endo-8-(7-(4-クロロ-2-(2-メトキシエチル)-2H-インダゾール-5-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(530mg、0.77mmol)のクロロホルム(2.0mL)溶液に、室温でTFA(2mL)を加えた。室温で一晩撹拌した後、混合物を真空で濃縮した。残留物をEtOAc-MeOHで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。分離した有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をMeOH(4.0mL)に溶解した。次いで、エチレンジアミン(0.4mL)を室温で混合物に加えた。80℃で2時間撹拌した後、混合物を真空で濃縮した。残留物をRP-HPLC(SHISEIDO C18AQ、0~50%MeCN/0.1%ギ酸を含むH2O)で精製した。画分を飽和NaHCO3水溶液で塩基性化し、次いで、CHCl3-MeOHで抽出し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をヘキサン-EtOAcに懸濁した。沈殿物を濾過により収集し、ヘキサンですすぎ、真空中60℃で乾燥させて、黄色の固体として標題化合物(98mg、0.21mmol、27%)を得た。MS:[M+H]+=452、454 1H-NMR(DMSO-D6)δ:11.64(1H、brs)、8.41(1H、s)、8.06(1H、s)、7.92(1H、d)、7.65(1H、s)、7.59(1H、d)、4.59(2H、t)、4.50-4.48(2H、brm)、3.82(2H、t)、3.22(3H、s)、3.15-3.10(1H、m)、2.38-2.31(2H、m)、2.09-2.02(2H、m)、1.96-1.92(2H、m)、1.71-1.57(2H、brm)、1.40(2H、d)。
実施例46
endo-8-{7-[4-クロロ-2-(オキセタン-3-イル)-2H-インダゾール-5-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
5-ブロモ-4-クロロ-2-(オキセタン-3-イル)-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-1H-インダゾール(1.0g、4.3mmol)および炭酸カリウム(1.79g、13mmol)のDMSO(5mL)懸濁液に、3-ヨードオキセタン(0.74mL、8.6mmol)を室温で加えた。80℃で12時間撹拌した後、混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。分離した有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SNAP Ultra 50g、勾配溶離、0~100%EtOAc/ヘキサン)により、褐色固体として標題化合物(0.43g、1.5mmol、34%)を得た。MS:[M+H]+=287、289、291。
4-クロロ-2-(オキセタン-3-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール
5-ブロモ-4-クロロ-2-(オキセタン-3-イル)-2H-インダゾール(0.43g、1.5mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)懸濁液に、酢酸カリウム(0.29g、3.0mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(0.57g、2.2mmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(0.12g、0.15mmol)を室温で加えた。120℃で2時間撹拌した後、混合物をEtOAcで希釈し、Hyflo Super-Celのパッドを通して濾過した。濾液を真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SNAP Ultra 50g、勾配溶離、0~100%EtOAc/ヘキサン)により、無色の固体として標題化合物(0.36g)を得た。得られた物質は純粋ではなかったが、それ以上精製せずに使用した。MS:[M+H]+=335、337。
tert-ブチル (endo-8-(7-(4-クロロ-2-(オキセタン-3-イル)-2H-インダゾール-5-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート
tert-ブチル (endo-8-(7-ヨード-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(400mg、0.66mmol)および4-フルオロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン)-2-イル)-2H-インダゾール(360mg)の1,4-ジオキサン(8.0mL)/水(2.0mL)懸濁液に炭酸カリウム(270mg、2.0mmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(54mg、0.066mmol)を室温で加えた。70℃で8時間撹拌した後、混合物を水およびEtOAcで希釈し、EtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SNAP Ultra 50g、勾配溶離、0~100%EtOAc/ヘキサン)により、淡黄色アモルファスとして標題化合物(380mg、0.56mmol、83%)を得た。MS:[M+H]+=680、682。
endo-8-(7-(4-クロロ-2-(オキセタン-3-イル)-2H-インダゾール-5-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン
tert-ブチル (endo-8-(7-(4-クロロ-2-(オキセタン-3-イル)-2H-インダゾール-5-イル)-5-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメート(380mg、0.55mmol)のクロロホルム(3.0mL)溶液に室温でTFA(3mL)を添加した。室温で一晩撹拌した後、TFA(3mL)を混合物に室温で加えた。60℃で1時間撹拌した後、混合物を真空で濃縮した。残留物をMeOH(4mL)に溶解し、エチレンジアミン(0.6mL)を混合物に室温で加えた。60℃で1時間撹拌した後、混合物を真空で濃縮した。残留物をRP-HPLC(SHISEIDO C18AQ、0~50%MeCN/0.1%ギ酸を含むH2O)で精製した。画分を飽和NaHCO3水溶液で塩基性化し、次いでCHCl3-MeOHで抽出し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をヘキサン-EtOAcに懸濁した。沈殿物を濾過により収集し、ヘキサンですすぎ、真空中60℃で乾燥させて、黄色の固体として標題化合物(78mg、0.17mmol、31%)を得た。MS:[M+H]+=450、452。1H-NMR(DMSO-D6)δ:11.67(1H、s)、8.58(1H、s)、8.07(1H、s)、7.99(1H、d)、7.68(1H、s)、7.67(1H、d)、5.94-5.87(1H、m)、5.06-4.97(4H、m)、4.50-4.48(2H、br m)、3.13-3.12(1H、m)、2.39-2.31(2H、m)、2.10-2.03(2H、m)、1.98-1.88(2H、m)、1.76-1.56(2H、br m)、1.40(2H、d)。
実施例47
6-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-5-クロロ-2-メチル-1,2-ジヒドロイソキノリン-1-オン、二塩酸塩
tert-ブチル N-[endo-8-[7-(5-クロロ-2-メチル-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[endo-8-(7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(0.500g、0.83mmol)、5-クロロ-2-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,2-ジヒドロイソキノリン-1-オン(157mg、0.491mmol)、[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(33.9mg、0.042mmol)およびNa2CO3(132mg、1.246mmol)の1,4-ジオキサン(6mL)/水(1mL)混合物をN2気流下で脱気した。反応液を100℃に1時間加熱した。反応物を室温に冷却し、セライトで濾過し、DCM(10mL)およびMeOH(10mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~100%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、標題化合物(193mg)を得た。MS:[M+H]+=665。
tert-ブチル N-[endo-8-[7-(5-クロロ-2-メチル-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-イル)-5-(ヒドロキシメチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートおよびtert-ブチル N-[endo-8-[7-(5-クロロ-2-メチル-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[endo-8-[7-(5-クロロ-2-メチル-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(177mg、0.266mmol)のTHF(3mL)溶液へTBAF(1M/THF)(0.8mL、0.800mmol)を加えた。溶液を50℃で1時間撹拌した。反応物をこの温度でさらに1時間撹拌した。TBAF(1M/THF)(0.8mL、0.800mmol)を追加し、反応物を50℃で1時間撹拌した後、TBAF(1M/THF)(0.8mL、0.800mmol)を追加して50℃でさらに1時間撹拌した。反応物を45℃に冷却し、一晩撹拌した。反応物を室温に冷却し、DCM(40mL)で希釈し、水(30mL、2回)で洗浄した。水相をDCM(40mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO4)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~5%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物の1:1混合物(70mg)を得た。反応混合物をさらに精製することなく次へ進めた。
6-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-5-クロロ-2-メチル-1,2-ジヒドロイソキノリン-1-オン、二塩酸塩
tert-ブチル N[endo-8-[7-(5-クロロ-2-メチル-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-イル)-5-(ヒドロキシメチル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートおよびtert-ブチル N-[endo-8-[7-(5-クロロ-2-メチル-1-オキソ-1,2-ジヒドロイソキノリン-6-イル)-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル] カルバメート(1:1混合物、70mg、0.13mmol)のTHF(1.5mL)溶液に、NaOH(2M、0.1mL)を加えた。30分後、HCl(4M/ジオキサン、1mL)を加え、反応液を室温で2時間撹拌した。反応物をSCXイオン交換カラムに通し、MeOHで洗浄し、NH3/MeOH(0.7M)で溶出した。得られた物質をNaOH(2M、0.05mL)を含むTHF(1mL)溶液中で30分間撹拌した後、MeOHで希釈し、SCXイオン交換カラムに通し、MeOHで洗浄し、NH3/MeOH(0.7M)で溶出して、減圧下で濃縮した。得られた物質をMeCN(5mL)でトリチュレートし、濾過により収集した。残留物を1,4-ジオキサン(1mL)に入れ、HCl(4N/ジオキサン、1mL)を加えてから、30分間撹拌した。沈殿物を濾過により収集し、減圧下で濃縮して、標題化合物(23mg)を得た。MS:[M+H]+=435。1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ11.98(1H、d)、8.26-8.20(2H、m)、8.19(1H、d)、7.99(2H、d)、7.95(1H、d)、7.64(1H、d)、6.88(1H、d)、4.67-4.58(2H、m)、3.54(3H、s)、3.24-3.11(1H、m)、2.46-2.35(2H、m)、2.15-2.09(2H、m)、2.02-1.94(2H、m)、1.67(2H、dd)。
実施例47の化合物も、塩酸塩、すなわち6-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-5-クロロ-2-メチル-1,2-ジヒドロイソキノリン-1-オン、塩酸塩として本明細書に開示される。
実施例48
endo-8-[3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン、塩酸塩
tert-ブチル N-[endo-8-[3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-(endo-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)カルバメートを用いること以外は、tert-ブチル N-[exo-8-[3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート、と類似の手順を用いて調製した。
実施例48は、脱保護方法1を使用して、式(I)の化合物を調製するための一般手順に従って得られた。
実施例49~57
式(I)の化合物の調製の一般手順(例えば、方法1~12)について記載されたものと同様および/または類似の方法に従うことにより、表12に示される化合物を、対応するN-Boc、N-Cbz、N-SO2NMe2、2-オキサニルまたはSEMの保護誘導体から調製した。尚、手順からの重要な変法を示した。標題化合物を、遊離塩基として、またはさらに精製することなく適切な塩として直接単離する、あるいは、例えば、質量分析分取HPLC、クロマトグラフィー、結晶化またはトリチュレーションを使用して精製し、適切な塩に変換した。
実施例58
3-(5-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)-N,N-ジメチルプロパンアミド
3-(5-{3-[endo-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-7-イル}-4-クロロ-2H-インダゾール-2-イル)プロパン酸(10mg、0.0215mmol)のDMSO(1.00mL)溶液に、Et3N(0.0299mL、0.215mmol)、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-トリオキシド(1.6M/THF、0.0270mL、0.0429mmol)、およびジメチルアミン(2.0M/THF、0.210mL、0.429mmol)を室温で加えた。混合物を室温で3日間撹拌した。次いで、反応溶液を真空濃縮し、残留物をRP-HPLC(SHISEIDO C18AQ、0~50%MeCN/0.1%ギ酸を含むH2O)で精製した。得られた画分を飽和NaHCO3水溶液で塩基性化し、次いでCHCl3-MeOHで抽出し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、標題化合物(1.32mg)を得た。MS:[M+H]+=493。
実施例59~74
式(I)の化合物の調製の一般手順(例えば、方法1~12)について記載されたものと同様および/または類似の方法に従うことにより、表13に示される化合物を、対応するN-Boc、N-Cbz、N-SO2NMe2、2-オキサニルまたはSEM保護誘導体から調製した。尚、手順からの重要な変法を示した。標題化合物を、さらに精製することなく遊離塩基として、または適切な塩として直接単離する、あるいは、例えば、質量分析分取HPLC、クロマトグラフィー、結晶化またはトリチュレーションを使用して精製し、適切な塩に変換した。
実施例75~89
式(I)の化合物の調製のための一般手順(例えば、方法1~12)について記載されたものと類似および/または類似の方法に従うことにより、表14に示される化合物を、対応するN-Boc、N-CBz、N-SO2NMe2、2オキサニルまたはSEM保護誘導体から調製した。尚、手順からの重要な変法を示した。標題化合物を、さらに精製することなく遊離塩基として、または適切な塩として直接単離する、あるいは、例えば、質量分析分取HPLC、クロマトグラフィー、結晶化またはトリチュレーションを使用して精製し、適切な塩に変換した。
実施例90
rac-(1S,2S,3S,5R)-3-アミノ-8-[3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-オール
3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルバルデヒド
イソプロピルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体(1.3M/THF)(5.50mL、7.14mmol)の溶液を、5-ブロモ-3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール(1.0g、3.57mmol、トルエンから共沸乾燥3回)/乾燥THF(8.78mL)溶液へ0℃で滴下し、3時間撹拌した。DMF(1.11mL、14.3mmol)を滴下し、反応液を室温に温め、1時間撹拌した。反応を飽和NH4Cl水溶液(20mL)でクエンチし、EtOAc(20mL、3回)で抽出した。合わせた有機物をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。得られた固体(0.83g)を石油エーテル(50mL、2回)でトリチュレートし、THF(20mL、3回)で共沸乾燥させて、標題化合物(0.71g)を得た。MS:[M+H]+=229/231。
rac-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-イル)メタノール
2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルマグネシウムクロリド塩化リチウム錯体の溶液(1M/THF/トルエン、3.10mL、3.10mmol)を、3,5-ジクロロ-2-メチルピラジン(0.421g、2.58mmol)の乾燥THF(5.02mL)溶液へ-78℃で滴下し、深紅の混合物を2.5時間撹拌した。3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルバルデヒド(0.71g、3.10mmol)の乾燥THF(6mL)溶液を一度に加え、反応液を室温まで温めて30分間撹拌した。反応液を室温で一晩撹拌してから、飽和NH4Cl水溶液(20mL)でクエンチし、EtOAc(20mL、3回)で抽出した。合わせた有機物を乾燥(MgSO4)させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~100%、EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(330mg)を得た。MS:[M+H]+=391/393/395。
3,4-ジクロロ-5-(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-カルボニル)-2-メチル-2H-インダゾール
二酸化マンガン(1.46g、16.8mmol)を、rac-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-イル)メタノール(330mg、0.842mmol)のDCM(8.23mL)溶液へ加え、反応液を室温で18時間撹拌した。反応液をセライトで濾過し、DCMで洗浄し、濾液を蒸発させて、標題化合物(0.28g)を得た。MS:[M+H]+=389/391。
rac-tert-ブチル (1S,2R,5R)-2-ヒドロキシ-3,3-ジメトキシ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
水酸化カリウム(43g、766mmol)の無水メタノール(300mL)氷浴冷却溶液へ、内部温度を0~3℃に維持しながらN-Boc-ノルトロピノン(38g、169mmol)/MeOH(200mL)を25分かけて滴下した。混合物を20分間撹拌した。ヨードベンゼンジアセテート(83g、258mmol)を少しずつ加えた後、混合物を室温まで温め、2時間撹拌した。混合物を水(1L)で希釈し、次いで、イソヘキサン(500mL、3回)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮して、61重量%のヨードベンゼンを含む標題化合物(85g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):4.89(1H、d)、3.96(1H、br.s)、3.79(1H、br.s)、3.61(1H、br.s)、3.20(3H、s)、3.19(3H、s)、2.18-1.94(2H、m)、1.80-1.51(3H、m)、1.39(10H、m)。
rac-tert-ブチル (1S,2R,5R)-2-(ベンジルオキシ)-3,3-ジメトキシ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
rac-tert-ブチル (1S,2R,5R)-2-ヒドロキシ-3,3-ジメトキシ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(85g、115mmol)のTHF(100mL)溶液を、水素化ナトリウム(60%/鉱油、5g、125mmol)のTHF(200mL)氷浴冷却懸濁液に滴下し、0℃で20分間撹拌した。臭化ベンジル(17.4mL、146mmol)を滴下し、混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を水(1L)で希釈し、次いで、イソヘキサン(500mL、3回)で抽出した。有機相をシリカゲル(1kg)にロードし、カラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、EtOAc/イソヘキサン)により精製して、標題化合物(47g)を得た。MS:[M+Na]+=400。
rac-tert-ブチル (1S,2R,5R)-2-(ベンジルオキシ)-3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
rac-tert-ブチル (1S,2R,5R)-2-(ベンジルオキシ)-3,3-ジメトキシ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(47g、100mmol)のアセトン(400mL)/水(3mL、167mmol)の撹拌した溶液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(1g、5.26mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで飽和NaHCO3水溶液(220mL)で希釈し、DCM(300mL、2回)で抽出した。合わせた有機相を濃縮した。一晩かけて生成物が結晶化し、黄色の油をデカントで取り除き、標題化合物(31.5g)を得た。1H NMR(500MHz、90℃/363K、DMSO-d6):7.38-7.25(5H、m)、4.80(1H、d)、4.60(1H、d)、4.38-4.29(2H、m)、4.02(1H、d)、2.69(1H、ddt)、2.27(1H、dd)、2.03-1.84(2H、m)、1.81-1.72(1H、m)、1.56-1.47(1H、m)、1.42(9H、s)。
rac-tert-ブチル (1S,2S,3S,5R)-3-(ベンジルアミノ)-2-(ベンジルオキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(30g、142mmol)を、rac-tert-ブチル (1S,2R,5R)-2-(ベンジルオキシ)-3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(30.5g、92mmol)およびベンジルアミン(13mL、119mmol)のDCM(300mL)氷浴冷却溶液に加え、室温に温め、2日間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液(25g)および水(250mL)で希釈し、DCM(200mL、3回)で抽出した。合わせた有機相を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、5~50%、アセトン/イソヘキサン)で精製して、標題化合物(30.5g)を得た。1H NMR(500MHz、90℃/363K、DMSO-d6):7.42-7.20(10H、m)、4.58-4.48(2H、m)、4.11-3.98(2H、m)、3.83(1H、d)、3.63(1H、t)、3.55(1H、d)、3.16(1H、t)、2.24(2H、td)、2.13(1H、s)、1.91-1.58(4H、m)、1.38(9H、s)。
rac-tert-ブチル (1S,2S,3S,5R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート
rac-tert-ブチル (1S,2S,3S,5R)-3-(ベンジルアミノ)-2-(ベンジルオキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(7g、15.7mmol)のエタノール(150mL)/シクロヘキセン(50mL、494mmol)溶液を、5%Pd/C(4g、0.801mmol)で処理し、次いで75℃で一晩加熱した。ギ酸アンモニウム(10g、159mmol)を少しずつ加えた後、加熱を1時間続けた。混合物を濾過し、次いで濃縮した。残留物をギ酸アンモニウム(10g、159mmol)および5%Pd/C(4g、0.801mmol)/IPA(150mL)中で65℃に1時間加熱した。ギ酸アンモニウム(10g、159mmol)をさらに4回、5時間かけて加えた。混合物を冷却し、セライトで濾過し、濃縮した。残留物をMCI Gel CHP20Pカラム(100g)にロードした。生成物をMeCN/H2O(10~50%)で溶出して、標題化合物(2.25g)を得た。1H NMR(500MHz、90℃/363K、DMSO-d6):4.03-3.96(1H、m)、3.88(1H、dd)、3.61(1H、dd)、3.26(1H、t)、2.32(1H、ddd)、2.08(1H、ddd)、1.98-1.87(1H、m)、1.77(1H、tddd)、1.66-1.57(2H、m)、1.42(9H、s)、1.14(1H、s)。2つの交換可能なプロトンは観測されなかった。
rac-(1S,2S,3S,5R)-3-アミノ-8-[6-クロロ-5-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルボニル)-3-メチルピラジン-2-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-オール
HCl(3M/シクロペンチルメチルエーテル、657μL、1.970mmol)を、rac-tert-ブチル (1S,2S,3S,5R)-3-アミノ-2-ヒドロキシ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(75mg、0.310mmol)のDCM(199μL)溶液にゆっくり加え、3時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、rac-(1S,2S,3S,5R)-3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-オール二塩酸塩を得た。この化合物を、3,4-ジクロロ-5-(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-カルボニル)-2-メチル-2H-インダゾール(110mg、0.281mmol)およびDIPEA(197μL、1.126mmol)のNMP(1.33mL)溶液へ0℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、次いで飽和NH4Cl水溶液(5mL、3回)および水(5mL、3回)で順次洗浄した。有機相を乾燥(MgSO4)させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~10%、(0.7%NH3/MeOH)/DCM)によって精製して、標題化合物を得た(33mg)。MS:[M+H]+=495/497/499。
rac-(1S,2S,3S,5R)-3-アミノ-8-[3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-オール
ヒドラジン一水和物(6.68μL、0.211mmol)を、rac-(1S,2S,3S,5R)-3-アミノ-8-[6-クロロ-5-(3,4-ジクロロ)-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルボニル)-3-メチルピラジン-2-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-オール(20.9mg、0.042mmol)のEtOH(0.829mL)溶液に加え、混合物を80℃に5時間加熱し、次いで真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~10%、(0.7%NH3/MeOH)/DCM)によって精製して、標題化合物(5.5mg)を得た。MS:[M+H]+=473/475。1H NMR(500MHz、メタノール-d4):7.62(1H、d)、7.53(1H、d)、4.46-4.41(1H、m)、4.36(1H、dd)、4.20(3H、s)、4.05(1H、dd)、3.35-3.32(1H、m)、2.64(3H、s)、2.47-2.35(2H、m2H)、2.13-1.95(3H、m)、1.90-1.85(1H、m)。
実施例91-96
4-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール-5-カルバルデヒド
3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルバルデヒドと同様に調製して、標題化合物を得た。
rac-(4-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール-5-イル)(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-イル)メタノール
rac-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-イル)メタノールと同様に調製して、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=371、373。
4-クロロ-5-(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-カルボニル)-2-エチル-2H-インダゾール
3,4-ジクロロ-5-(3,5-ジクロロ-6-メチルピラジン-2-カルボニル)-2-メチル-2H-インダゾールと同様に調製して、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=369、371。
ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[6-クロロ-5-(4-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール-5-カルボニル)-3-メチルピラジン-2-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
調製125:ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[6-クロロ-5-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルボニル)-3-メチルピラジン-2-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートと同様に調製し、標題化合物(253mg)を得た。MS:[M+H]+=611、613。
tert-ブチル 9-[6-クロロ-5-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルボニル)-3-メチルピラジン-2-イル]-3,9-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-カルボキシレート
室温で2時間撹拌したことを除いて、調製125:ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[6-クロロ-5-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルボニル)-3-メチルピラジン-2-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートと同様に調製した。次いで、混合物を60℃で一晩撹拌した。混合物を80℃で2時間さらに撹拌し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=545、547
ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[6-クロロ-5-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルボニル)-3-メチルピラジン-2-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
室温で3日間撹拌したことを除いて、調製125:ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[6-クロロ-5-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルボニル)-3-メチルピラジン-2-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートと同様に調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=631、633。
ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[6-クロロ-5-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルボニル)-3-メチルピラジン-2-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(154mg、0.24mmol)のTHF(2.0mL)溶液に、ヒドラジン水和物(0.059mL、1.22mmol)を室温で加えた。混合物を70℃で2時間撹拌した。次いで、反応溶液を真空下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、20~100%、EtOAc/ヘキサン)により精製した。粗混合物を1,2-ジメトキシエタン(2.0mL)に溶解した。その溶液に、HCl溶液(4M/ジオキサン、1.0mL)を室温で加えた。その溶液を80℃で1時間撹拌した。次いで、反応溶液を真空下で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、20~100%、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(40mg)を得た。MS:[M+H]+=609、611。
tert-ブチル 9-[3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-3、9-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-カルボキシラート
混合物を80℃で8時間撹拌したことを除いて、ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートと同様に調製した。次いで混合物を4日間室温で撹拌し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=523。
ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(4-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
混合物を90℃で2時間撹拌し、真空で濃縮したことを除いて、ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートと同様に調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=589、591。
tert-ブチル 7-[3-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2、7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート
ベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[6-クロロ-5-(4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-カルボニル)-3-メチルピラジン-2-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートおよびベンジル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートと同様に調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=523、525。
6-クロロ-1H-4λ
5-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-4-オン
6-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン(17.4g)のアセトニトリル(174mL)懸濁液に、過酸化水素尿素(22.2g、236mmol)および無水トリフルオロ酢酸(31.3mL、225mmol)を0℃で加え、混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を水(200mL)で希釈し、沈殿物を濾過により収集し、真空下60℃で乾燥させて、標題化合物(10.4g)を得た。MS:[M+H]+=171、173。
6-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-4λ
5-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-4-オン
6-クロロ-1H-4λ5-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-4-オン(10.4g、61.4mmol)のTHF(200mL)懸濁液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(16.7mL、184mmol)、およびp-トルエンスルホン酸一水和物(0.58g、3.06mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応液を真空で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~30%、EtOAc/CHCl3)で精製し、標題化合物(12.9g)を得た。MS:[M+H]+=255、257。
6-クロロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン
6-クロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-4λ5-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-4-オン(12.9g、50.5mmol)のトルエン(260mL)溶液に、塩化メチルマグネシウム(3M/THF、50.5mL)を0℃で加えた。同じ温度で10分間撹拌した後、混合物を飽和NH4Cl水溶液および水でクエンチし、分離した有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、次いで真空で濃縮した。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~40%、EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(5.20g)を得た。MS:[M+H]+=253、255。
6-クロロ-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン
6-クロロ-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン(5.20g)のMeOH(100mL)懸濁液に、HCl(4M/ジオキサン、20mL)を加え、次いで混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮した後、残留物をMeOH-CHCl3に溶解し、次いで飽和NaHCO3水溶液で塩基性化した。分離した有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、次いで真空で濃縮した。物質をヘキサンに懸濁し、濾過により収集し、真空下60℃で乾燥させて、標題化合物(3.26g)を得た。MS:[M+H]+=169、171。
6-クロロ-3-ヨード-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン
6-クロロ-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン(3.26g)のDMF(65mL)溶液に、N-ヨードスクシンイミド(8.70g、38.7mmol)を加え、次いで混合物を50℃で8時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAcおよび水で希釈した。分離した有機層を、水(2回)、飽和Na2S2O3水溶液、次いでブラインで洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥し、濾過して濃縮した。粗製物をヘキサン-CHCl3に懸濁し、濾過により収集し、真空下60℃で乾燥して、標題化合物(5.35g)を得た。MS:[M+H]+=295、297。
6-クロロ-3-ヨード-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン
6-クロロ-3-ヨード-5-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン(4.90g)のTHF(98mL)溶液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(7.55mL、83.2mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(0.317g、1.66mmol)を加え、混合物を室温で週末を通して撹拌した。混合物を真空で濃縮した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~25%、EtOAc/ヘキサン)で精製して、粗製物をヘキサンに懸濁し、濾過により収集し、真空下60℃で乾燥させ、標題化合物(3.6g)を得た。MS:[M+H]+=379、381。
tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-2-フルオロ-8-[3-ヨード-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
6-クロロ-3-ヨード-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン(400mg、1.98mmol)、tert-ブチル [(1R,2R,3S,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(387mg、1.59mmol)、DIPEA(0.552mL、3.17mmol)およびNMP(4.0mL)の混合物を120℃で6時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、50~100%、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、標題化合物(330mg)を得た。MS:[M+H]+=587。
tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(5-クロロ-3-メトキシキノキサリン-6-イル)-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-2-フルオロ-8-[3-ヨード-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(75.0mg、0.13mmol)、8-クロロ-2-メトキシ-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノキサリン(49.2mg、0.15mmol)、K3PO4(40.7mg、0.19mmol)、ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(9.06mg、0.01mmol)、1,4-ジオキサン(0.75mL)および水(0.075mL)の混合物を、80℃で2時間撹拌し、室温に冷却して、水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~100%のヘキサン/EtOAc)によって精製して、標題化合物(100mg)を得た。MS:[M+H]+=653、655。
tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-{3-[5-クロロ-3-(ジメチルアミノ)キノキサリン-6-イル]-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル}-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-2-フルオロ-8-[3-ヨード-5-メチル-1-(オキサン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(75.0mg、0.13mmol)、8-クロロ-N,N-ジメチル-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノキサリン-2-アミン(51.1mg、0.15mmol)、K3PO4(40.7mg、0.19mmol)、ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(9.06mg、0.01mmol)、1,4-ジオキサン(0.75mL)および水(0.08mL)の混合物を80℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~100%のヘキサン/EtOAc)によって精製して、標題化合物(160mg)を得た。MS:[M+H]+=666、668。
実施例91~96
式(I)の化合物の調製のための一般手順(例えば、方法1~12)について記載されたものと同様および/または類似の方法に従うことにより、表15に示される化合物を、対応するN-Boc、N-CBz、N-SO2NMe2、2オキサニルまたはSEM保護誘導体から調製した。尚、手順からの重要な変法を示した。標題化合物を、さらに精製することなく遊離塩基として、または適切な塩として直接単離する、あるいは、例えば、質量分析分取HPLC、クロマトグラフィー、結晶化またはトリチュレーションを使用して精製し、適切な塩に変換した。
実施例97~123
5-ブロモ-2-エチル-4-フルオロ-2H-インダゾール
トリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート(6.23g、32.8mmol)を、5-ブロモ-4-フルオロ-1H-インダゾール(4.75g、21.9mmol)のEtOAc(300mL)溶液に加え、室温で18時間撹拌した。追加のトリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート(2g、10.5mmol)を加え、撹拌を2時間続けた。混合物を飽和NaHCO3(150mL)水溶液で洗浄し、水層をさらなるEtOAc(125mL)で抽出した。合わせた有機相をルースシリカゲル(loose silica gel)で濃縮した。ケイ酸塩をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、5~50%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、標題化合物(3.17g)を得た。MS:[M+H]+=243/245。
5-ブロモ-3-クロロ-2-エチル-4-フルオロ-2H-インダゾール
N-クロロスクシンイミド(1.09g、8.15mmol)を、5-ブロモ-2-エチル-4-フルオロ-2H-インダゾール(1.5g、5.43mmol)のDMF(20mL)溶液に10℃で少しずつ加えた。次いで、混合物を室温で1時間撹拌したが、変換は見られなかった。p-トルエンスルホン酸一水和物(10mg)を加え、撹拌を3時間続け、次いで、水(90mL)およびチオ硫酸ナトリウム(5g)でクエンチした。得られた混合物を30分間撹拌し、30分間静置し、次いで濾過して乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、5~25%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、標題化合物(1.5g)を得た。MS:[M+H]+=279/281。
5-ブロモ-4-クロロ-2,3-ジメチル-2H-インダゾール
N-ブチルリチウム(2.5M/ヘキサン、4mL、10.0mmol)を、ジイソプロピルアミン(1.5mL、10.5mmol)のTHF(10mL)冷却(-10℃)溶液に加えた。混合物を10分間撹拌してから、-78℃に冷却した。この溶液に、5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール(2.0g、8.15mmol)のTHF(10mL)溶液を加えた。混合物を0℃に10分間温め、次いで、-78℃に再冷却した。ヨードメタン(0.66mL、10.6mmol)を加え、混合物を-78℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl(30mL)水溶液でクエンチし、EtOAc(30mL、3回)で抽出した。合わせた有機相を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、15~75%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、標題化合物(1.7g)を得た。MS:[M+H]+=259/261/263。
5-ブロモ-3,4-ジクロロ-2-エチル-2H-インダゾール
調製35:5-ブロモ-3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾールと類似の方法で調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=293。
調製33:5-ブロモ-4-フルオロ-2-メチル-2H-インダゾールと類似の方法で調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=225。
5-ブロモ-3-クロロ-2,4-ジメチル-2H-インダゾール
5-ブロモ-3-クロロ-2-エチル-4-フルオロ-2H-インダゾールの調製と類似の方法で調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=259。
3-クロロ-2,4-ジメチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール
調製43:4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾールと類似の方法で調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=307。
5-ブロモ-4-クロロ-2-(プロパン-2-イル)-2H-インダゾール
カリウムtert-ブトキシド(3.64g、32.4mmol)を、5-ブロモ-4-クロロ-2H-インダゾール(7.5g、32.4mmol)および2-ブロモプロパン(3.05mL、32.4mmol)のDMF(20mL)溶液に室温で加えた。次いで、得られた混合物を一晩16時間撹拌し、tert-ブチルメチルエーテル/EtOAc(300mL、5:1)で希釈し、次いで水(400mL)を加えた。層を分離し、水層をtert-ブチルメチルエーテル(100mL)でさらに抽出した。合わせた有機物を水(100mL、3回)で洗浄し、相分離器を通過させることにより乾燥させ、ルースシリカゲルで濃縮した。ケイ酸塩をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、標題化合物(2.17g)を得た。MS:[M+H]+=273。
4-クロロ-2-(プロパン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール
調製43:4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾールと類似の方法で調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=321。
tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-2-フルオロ-8-[3-(4-フルオロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ヒドロキシメチル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-2-フルオロ-8-[5-(ヒドロキシメチル)-3-ヨード-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートおよび4-フルオロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾールを使用し、60℃2時間の加熱し、NHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%、アセトン/石油エーテル)により精製したことを除いて、一般手順2と同様に調製し、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=671。
tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[3-(3-ブロモ-4-フルオロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ヒドロキシメチル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート
N-ブロモスクシンイミド(73mg、0.41mmol)を、tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-2-フルオロ-8-[3-(4-フルオロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-(ヒドロキシメチル)-1-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-6-イル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(250mg、0.37mmol)のDMF(6mL)溶液に加え、反応液を室温で1時間撹拌した。N-ブロモスクシンイミド(13mg、0.074mmol)をさらに加え、撹拌を30分間続けた。再度、N-ブロモスクシンイミド(13mg、0.074mmol)をさらに加え、撹拌をさらに1時間続けた。H2Oを加え、得られた沈殿物を濾過により収集し、H2Oで洗浄した。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、5~30%、アセトン/石油エーテル)で精製して、標題化合物を得た。MS:[M+H]+=749。
2-ブロモ-3-クロロ-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン
2-ブロモ-3-クロロ-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(3.7g、15.9mmol)の0℃のDMF(111mL)混合物に、NaH(0.76g、19.1mmol)を20分かけて少しずつ加えた。反応液を0℃で30分間撹拌した。同じ温度で、塩化2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(3.39mL、19.1mmol)を滴下した。反応物を氷浴中でゆっくりと室温に温めた後、一晩撹拌した。反応混合物を0℃で飽和NH4Cl(200mL)水溶液を用いて注意深くクエンチし、DCM(70mL、3回)で抽出した。合わせた有機抽出物を減圧下で濃縮した。油性残留物をDCM(50mL)で希釈し、1M塩化リチウム(100mL)水溶液、次いで、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%DCM/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(3.8g)を得た。1H NMR(500MHz、DMSO-d6):8.19(1H、d)、6.80(1H、d)、5.60(2H、s)、3.61-3.49(2H、m)、0.91-0.80(2H、m)、-0.09(9H、s)。
メチル 3-クロロ-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-2-カルボキシレート
2-ブロモ-3-クロロ-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン(3.40g、9.37mmol)のトルエン(40mL)/メタノール(10mL)溶液へ、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.077g、0.11mmol)およびトリエチルアミン(1mL、7.17mmol)を加えた。混合物を圧力ボンベに移し、窒素で3回パージした後、一酸化炭素雰囲気(5bar)下に置き、80℃で48時間加熱した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮してMeOHを除去し、0.5M HCl(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(1.5g)を得た。MS:[M+H]+=342。
メチル 3-クロロ-7-ヨード-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-2-カルボキシレート
メチル 3-クロロ-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-2-カルボキシレート(1.80g、5.27mmol)および1-ヨードピロリジン-2,5-ジオン(2.50g、11.1mmol)のDMF(14.3mL、184mmol)混合物を、室温で22時間撹拌した。反応混合物を50℃でさらに5時間加熱し、室温に冷却し、次いで、NH4Cl(5g/150mL)水溶液および10%Na2S2O3(20mL)水溶液の混合物に滴下してクエンチした。混合物をDCM(20mL、3回)で抽出した。合わせた有機物を水(30mL、2回)で洗浄し、相分離器を通過させ、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~50%EtOAc/イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(1.2g)を得た。MS:[M+H]+=468。
メチル 3-[(1R,2S,3S,5S)-3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-7-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-2-カルボキシレート
ステップ1:tert-ブチル N-[(1R,2R,3S,5S)-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメートを使用し、120℃で5時間加熱して、ステップ1を、一般手順1に記載の方法と同様の方法で実施した。MS:[M+H]+=676
ステップ2:(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)ボロン酸を使用して、一般手順2に記載の方法と同様の方法を使用して、標題化合物を調製した。ただしK2CO3および1,2-ジメトキシエタンそれぞれの代わりに、K3PO4および1,4-ジオキサンを50℃で使用した。MS:[M+H]+=748。
ステップ3:メチル 3-[(1R,2S,3S,5S)-3-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル]-7-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-2-カルボキシレート(0.25g、0.334mmol)の0℃のTHF(2.67mL)溶液へ、水素化アルミニウムリチウム溶液(1.0M/THF)(0.668mL、0.668mmol)を滴下した。反応液を0℃で10分間撹拌した。10%のロッシェル塩溶液、次いで、EtOAcを添加することにより反応をクエンチした。相を分離し、水相をEtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、濃縮した。Biotageカラム(25g)から、15%~50%アセトン/石油エーテルで溶出して、tert-ブチル N-[(1R,2S,3S,5S)-8-[7-(3,4-ジクロロ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-2-(ヒドロキシメチル)-5-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-3-イル]-2-フルオロ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]カルバメート(220mg)を得た。MS:[M+H]+=720。
実施例97~123
式(I)の化合物の調製のための一般手順(例えば、方法1~12)について記載されたものと同様および/または類似の方法により、表16に示される化合物を調製した。尚、手順からの重要な変法を示した。標題化合物を、さらに精製することなく遊離塩基として、または適切な塩として直接単離する、あるいは、例えば、質量分析分取HPLC、クロマトグラフィー、結晶化またはトリチュレーションを使用して精製し、適切な塩に変換した。
実施例124~150
5-ブロモ-4-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール-3-カルバルデヒド
5-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-3-カルバルデヒドの調製(調製40)と類似の方法を使用して調製した。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):10.66(1H、s)、7.83(1H、d)、7.72(1H、d)、4.84(2H、q)、1.47(3H、t)。
4-ブロモ-5-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール-3-カルボニトリル
ヒドロキシルアミン塩酸塩(943mg、13.6mmol)およびNa2CO3(1.44g、13.6mmol)を、5-ブロモ-4-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール-3-カルバルデヒド(2.60g、9.04mmol)のIPA(40mL)/MeOH(40mL)/H2O(10mL)混合懸濁液に加え、反応液を50℃で一晩撹拌した。冷却後、ほとんどの溶媒を蒸発させ、残りの水性懸濁液にさらにH2Oを加えた。固体沈殿物を吸引下で収集し、フィルター上で、H2Oで洗浄し、次いで真空乾燥して、淡黄色固体として中間体オキシム(2.52g)を得た。この物質のMeCN(80mL)溶液に、酢酸銅(II)(753mg、4.15mmol)を加え、反応液を85℃で2時間撹拌した。冷却後、溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶離、0~20%、EtOAc/石油エーテル)で精製して、標題化合物(2.30g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):7.86(1H、d)、7.72(1H、d)、4.68(2H、q)、1.58(3H、t)。
4-ブロモ-5-クロロ-2-メチル-2H-インダゾール-3-カルボニトリル
4-ブロモ-5-クロロ-2-エチル-2H-インダゾール-3-カルボニトリルの調製と類似の方法を使用して調製した。MS:[M+H]+=270。
4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾール-3-カルボニトリル
4-クロロ-2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-インダゾールの調製と類似の方法を使用して調製した。MS:[M+H]+=318。
7-ブロモ-2,8-ジクロロキノキサリン(650mg、2.34mmol)およびK2CO3(1.29g、9.36mmol)のEtOH(6mL)懸濁液を3時間加熱還流した後、室温に冷却し、EtOAcおよび水に分配した。相を分離し、水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4+疎水性フリット)させ、濃縮して、標題化合物(598mg)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):8.66(1H、s)、7.94(1H、d)、7.91(1H、d)、4.57(2H、q)、1.45(3H、t)。
7-ブロモ-8-クロロ-2-(プロパン-2-イルオキシ)キノキサリン
7-ブロモ-8-クロロ-2-エトキシキノキサリンの調製と類似の方法を使用して調製した。MS:[M+H]+=301。
2-(アゼチジン-1-イル)-7-ブロモ-8-クロロキノキサリン
7-ブロモ-2,8-ジクロロキノキサリン(1.00g、3.60mmol)およびトリエチルアミン(1.00mL、7.20mmol)のTHF(5mL)溶液に、アゼチジン(0.49mL、7.20mmol)を添加すると、混合物はすぐに黄色になった。室温で80時間撹拌してから、EtOAcおよび飽和NaHCO3水溶液に分配した。相を分離し、水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4+疎水性フリット)させ、濃縮して、標題化合物(1.05g)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):8.36(1H、s)、7.71(1H、d)、7.64(1H、d)、4.28(4H、t)、2.49-2.41(2H、m)。
実施例124~150
式(I)の化合物の調製の一般手順(例えば、方法1~12)について記載されたものと同様および/または類似の方法に従い、表17に示される化合物を調製した。尚、手順からの重要な変法を示した。標題化合物をさらに精製することなく、遊離塩基として、または適切な塩として直接単離する、あるいは、例えば、質量分析分取HPLC、クロマトグラフィー、結晶化またはトリチュレーションを使用して精製し、適切な塩に変換した。
生物学的アッセイ
SHP2生化学アッセイ
代用基質であるリン酸6,8-ジフルオロメチルウンベリフェリル(DiFMUP)の蛍光生成物である6,8-ジフルオロメチルウンベリフェロン(DiFMU)への変換を測定することにより、SHP2活性をモニターした。
リン酸6,8-ジフルオロメチルウンベリフェリル(DiFMUP)(Thermo Fisher D6567)を添加する前に、SHP2をテスト化合物および活性化ペプチドpIRS1(H2N-LN(pY)IDLDLV-(PEG)8-LST(pY)ASINFQK-アミド)と30分間プレインキュベートした。アッセイ終濃度は、10pM SHP2、0.25μM pIRS1ペプチド、50μM DiFMUP、25mM ビス-トリスプロパン、pH7.0、150mM NaCl、0.05%(v/v)Tween-20、0.5mM TCEPおよび5%(v/v)DMSOであった。次いで、BMG Pherastarリーダーで励起360nm/発光450nmで蛍光をモニタリングすることにより、反応速度を30分間測定した。4パラメーターロジスティック曲線フィットを使用して、正規化された用量反応プロットからIC50値を計算した。
細胞性pERK阻害アッセイ
HCC827細胞(ATCC、Manassas、USA)を、10%FBSを補充したRPMI培地中で1x105細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種し、24時間インキュベートした。化合物を、最初にDMSOで希釈し、次いで無血清培地に希釈して、0.1%DMSOの終濃度にした後に、化合物を細胞にトリプリケートで添加した。空気中5%CO2の加湿雰囲気内において37℃で0.5時間、プレートをインキュベートした。
化合物処理後、培地を除去し、各ウェルに50μLの溶解バッファー(Cell Signaling Technology、Beverly、USA)を加えて細胞を溶解した。次いで、プレートを振とうしながら室温で25分間インキュベートした。PathScan(登録商標)リン酸化P44/42MAPK(Thr202/Tyr204)サンドイッチELISA(Cell Signalling Technology,Beverly,USA)を使用し、キットの説明書に従って、pERKのレベルを溶解物中で測定した。手短に言うと、96ウェルELISAプレート内で、50μLの細胞溶解液を50μLのELISAサンプルの希釈液に添加し、4℃で一晩インキュベートした。洗浄後、ウェルあたり100μLの検出抗体を加え、プレートを37℃で1時間インキュベートした。プレートを再度洗浄し、ウェルあたり100μLのHRP結合二次抗体と共に37℃で30分間インキュベートした。最終洗浄後、TMB基質をウェルあたり100μL加え、プレートを37℃でインキュベートして発色させた。ウェルあたり100μLの停止液を加えることで発色を停止した。SpectraMax Geminiリーダー(Molecular Devices、Uckfield、UK)で450nmにて、プレートを読み取った。
ブランクウェル(細胞無添加)からの平均シグナルを、各サンプルウェルのシグナルから差し引いた。次いで、DMSO処理したサンプルをコントロールとして使用して、pERKのレベルを「コントロールのパーセント」として表現した。用量反応曲線を、GraphPad Prismバージョン6(GraphPad Software,La Jolla,USA)を使用して作成し、4パラメーターロジスティック曲線フィットを使用してフィットさせた。
複数のデータポイントが取得された場合、上の表は、これらのデータポイントの平均(例えば、幾何平均または算術平均)を示している。
もちろん、本発明は上記の実施形態の詳細に限定されるものではなく、これらは例として記述されるのみであることを理解すべきである。
医薬製剤の実施例
(i)錠剤製剤
式(I)の化合物を含有する錠剤組成物は、適切な量の式(I)の化合物(例えば、50~250mg)を適切な希釈剤、崩壊剤、圧縮剤および/または流動促進剤と混合することにより調製される。1つの錠剤として、50mgの式(I)の化合物、希釈剤として197mgのラクトース(BP)、および潤滑剤として3mgのステアリン酸マグネシウムを含み、既知の方法で圧縮して錠剤を形成することができる。圧縮錠剤は、フィルムコーティングされていてもよい。
(ii)カプセル製剤
カプセル製剤は、100~250mgの式(I)の化合物を同量のラクトースおよび充填剤と混合し、得られた混合物を標準の硬ゼラチンカプセルに充填することにより調製される。適切な崩壊剤および/または流動促進剤を、必要に応じて適切な量で含めることができる。
(iii)注射製剤I
注射投与用の非経口組成物は、式(I)の化合物(例えば、塩の形態)を、活性化合物の濃度が1.5重量%になるように10%プロピレングリコールを含有する水に溶解し調製することができる。次いで、溶液を等張にし、濾過または最終滅菌によって滅菌し、アンプルまたはバイアルまたはプレフィルドシリンジに充填し、密封する。
(iv)注射製剤II
注射用非経口組成物は、式(I)の化合物(例えば、塩の形態)(2mg/mL)およびマンニトール(50mg/mL)を水に溶解し、溶液を滅菌濾過するか、または最終滅菌することにより調製される。密閉可能な1mLバイアルまたはアンプルまたはプレフィルドシリンジに充填する。
(v)注射製剤III
注射または点滴による静脈内送達のための製剤は、式(I)の化合物(例えば、塩の形態)を20mg/mLで水に溶解し、次いで等張に調整することにより調製することができる。次いで、バイアルを密封し、オートクレーブで滅菌する、あるいは、アンプルまたはバイアルまたはプレフィルドシリンジに充填し、濾過滅菌して密封する。
(vi)注射製剤IV
注射または点滴による静脈内送達のための製剤は、式(I)の化合物(例えば、塩の形態)を20mg/mLで、緩衝液(例えば、0.2M酢酸塩 pH4.6)を含む水に溶解することにより調製できる。次いで、バイアル、アンプル、またはプレフィルドシリンジを密封して、オートクレーブで滅菌する、あるいは、濾過滅菌して密封する。
(vii)皮下または筋肉内注射製剤
皮下または筋肉内投与用の組成物は、式(I)の化合物を医薬グレードのコーン油と混合して5~50mg/mLの濃度にすることにより調製される。組成物は滅菌され、適切な容器に充填される。
(viii)凍結乾燥製剤I
製剤化された式(I)の化合物の一定分量を50mLのバイアルに入れ、凍結乾燥する。凍結乾燥中、組成物を(-45℃)でワンステップの凍結プロトコルを使用して凍結する。アニーリングのために温度を-10℃に上げてから-45℃に下げて凍結し、次いで、+25℃で約3400分間、一次乾燥し、次いで、温度を50℃まで上げる場合はステップを増やして二次乾燥を行う。一次および二次乾燥中の圧力は80ミリトールに設定される。
(ix)凍結乾燥製剤II
製剤化された式(I)の化合物または本明細書で定義されるその塩の一定分量を50mLのバイアルに入れ、凍結乾燥する。凍結乾燥中、組成物を(-45℃)でワンステップの凍結プロトコルを使用して凍結する。アニーリングのために温度を-10℃に上げてから-45℃に下げて凍結し、次いで、+25℃で約3400分間、一次乾燥し、次いで、温度を50℃まで上げる場合はステップを増やして二次乾燥を行う。一次および二次乾燥中の圧力は80ミリトールに設定される。
(x)i.v.投与に使用するための凍結乾燥製剤III
緩衝水溶液は、式Iの化合物を緩衝液に溶解することにより調製される。緩衝溶液は、濾過により粒子状物質を除去され、容器(例えば、タイプ1ガラスバイアル)に充填され、次いで部分的に密封される(例えば、フルオロテックストッパーによって)。化合物および製剤が十分に安定である場合は、製剤を121℃で適切な時間オートクレーブ滅菌する。製剤がオートクレーブに対して安定でない場合は、適切なフィルターを使用して滅菌し、滅菌条件下で滅菌バイアルに充填できる。溶液は、適切なサイクルで凍結乾燥される。凍結乾燥サイクルが完了すると、バイアルは大気圧まで窒素で再充填され、栓がされて固定される(例えば、アルミニウムクリンプで)。静脈内投与の場合、凍結乾燥固体は、薬学的に許容される希釈剤、例えば、0.9%生理食塩水または5%デキストロースで再構成できる。溶液はそのまま投与する、あるいは、さらに希釈して点滴バッグ(薬学的に許容される希釈剤、例えば、0.9%生理食塩水または5%デキストロースを含む)に入れて投与することができる。
(xii)ボトルに入った粉末
経口投与用の組成物は、ボトルまたはバイアルに式(I)の化合物を充填することにより調製される。次いで、組成物は、適切な希釈剤、例えば、水、フルーツジュース、またはOraSweetもしくはSyrspendなどの市販の溶媒で再構成される。再構成された溶液は、投与のために投薬カップまたは経口注射器に注入されてもよい。