本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には、同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、膜の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
また、本明細書にて用いる第1、第2、第3などの用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、電気特性の優れたトランジスタの構造、及びそれを生産性高く作製する方法について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に示すトランジスタ100の上面図及び断面図である。図1(A)は、本実施の形態に示すトランジスタ100の上面図であり、図1(B)は、図1(A)の一点鎖線A−Bに対応する、トランジスタ100の断面図である。なお、図1(A)では、明瞭化のため、トランジスタ100の構成要素の一部(例えば、ゲート絶縁膜107等)を省略している。
図1(B)に示すトランジスタ100は、基板101上に設けられるゲート電極105と、少なくともゲート電極105を覆うゲート絶縁膜107と、ゲート絶縁膜107を介してゲート電極105の一部と重なる酸化物半導体膜109と、酸化物半導体膜109に接して形成される一対の電極111a、111bとを有する。また、トランジスタ100を覆う絶縁膜113を有してもよい。また、図示しないが、基板101及びゲート電極105の間に、下地絶縁膜を有してもよい。
本実施の形態に示すトランジスタ100は、図1(A)に示すように、一対の電極111a、111bは、電極111bの先端部及び側面部を電極111aが囲んでいる。即ち、電極111aが電極111bの一部を、一定間隔をあけて囲んでいる。なお、酸化物半導体膜109において、一対の電極111a、111bが対向する領域、即ち電極111aと電極111bで挟まれている領域であって、且つゲート電極105と重なる領域がチャネル領域109bとなる。
また、酸化物半導体膜109は、チャネル領域109bの端部から連続して延びる酸化物半導体膜の端部が、ゲート電極105と重ならない。即ち、図1(A)に示すように、チャネル領域109bの近傍にゲート電極105と重ならない領域109dが位置する。または、図4に示すように、チャネル領域109bに接して、ゲート電極105と重ならない領域109dを有する。
また、トランジスタ100のチャネル幅方向、即ち電極111a及び電極111bが対向する方向(即ち、チャネル長方向)と交差する方向、を延伸した方向108と交差する酸化物半導体膜109の端部が、ゲート電極105と重ならない。
また、酸化物半導体膜109は、電極111aと重なる領域109cと、電極111bと重なる端部109a_2との間に、ゲート電極105と重ならない領域、即ち領域109dの一部を有する。即ち、酸化物半導体膜109において、チャネル領域109bと酸化物半導体膜109の端部の間に、ゲート電極105と重ならない領域を有する。
また、酸化物半導体膜109において、チャネル領域109bの近傍に設けられる端部109a_1が、ゲート電極105と重なっていないことを特徴とする。即ち、ゲート電極105の端部105aの外側に、酸化物半導体膜109の端部109a_1が位置する。なお、端部109a_1は、電極111bと重なる酸化物半導体膜の端部109a_2と隣接し、且つチャネル領域109bと最短距離である端部である。
酸化物半導体膜のエッチング等で加工された端部においては、加工によるダメージや不純物付着などによる汚染に曝されるため、電界などのストレスが与えられることによって活性化しやすく、それによりn型化(低抵抗化)しやすくなる。そのため、ゲート電極と重なる酸化物半導体膜の端部において、酸化物半導体がn型化しやすくなる。当該n型化された端部が一対の電極111a、111bの間に設けられると、n型化された領域がキャリアのパスとなってしまい、寄生チャネルが形成される。しかしながら、チャネル領域近傍の酸化物半導体膜の端部がゲート電極と重なっていないと、即ち、ゲート電極の外側に酸化物半導体膜の端部が位置すると、酸化物半導体膜の端部に電界がかからず、酸化物半導体膜の端部がn型化されないため、リークパスが発生しない。この結果、トランジスタ100の電気特性において、しきい値電圧におけるドレイン電流の上昇が急峻である優れた電気特性となる。
また、酸化物半導体膜109において、チャネル領域109bの近傍のゲート電極105と重ならない領域109d以外は、電極111aと重なる領域109cである。このため、基板101側からの光が酸化物半導体膜109に照射される光量を最小限とすることができるため、光リーク電流によるオフ電流の上昇を抑制することができる。
ここで、トランジスタ100の構成の詳細について説明する。
基板101の材質などに大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有している必要がある。例えば、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板等を、基板101として用いてもよい。また、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を適用することも可能であり、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板101として用いてもよい。
また、基板101として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、トランジスタ100を形成してもよい。または、基板101とトランジスタ100の間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に半導体装置を一部あるいは全部完成させた後、基板101より分離し、他の基板に転載するのに用いることができる。その際、半導体装置は耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも転載できる。
ゲート電極105は、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、マンガン、ジルコニウムから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いて形成することができる。また、ゲート電極105は、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。
また、ゲート電極105は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属元素の積層構造とすることもできる。
また、ゲート電極105とゲート絶縁膜107との間に、In−Ga−Zn系酸窒化物半導体膜、In−Sn系酸窒化物半導体膜、In−Ga系酸窒化物半導体膜、In−Zn系酸窒化物半導体膜、Sn系酸窒化物半導体膜、In系酸窒化物半導体膜、金属窒化膜(InN、ZnN等)等を設けることが好ましい。これらの膜は5eV以上、好ましくは5.5eV以上の仕事関数を有し、酸化物半導体の電子親和力よりも大きい値であるため、酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のしきい値電圧をプラスにすることができ、所謂ノーマリーオフのスイッチング素子を実現できる。例えば、In−Ga−Zn系酸窒化物半導体膜を用いる場合、少なくとも酸化物半導体膜109より高い窒素濃度、具体的には7原子%以上のIn−Ga−Zn系酸窒化物半導体膜を用いる。
ゲート絶縁膜107は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、Ga−Zn系金属酸化物膜、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等を用いればよく、積層または単層で設ける。
ゲート絶縁膜107の厚さは、膜厚100nm以上350nm以下、代表的には100nm以上200nm以下とするとよい。
酸化物半導体膜109としては、少なくともインジウム(In)若しくは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。または、InとZnの双方を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすため、それらと共に、スタビライザーの一または複数を有することが好ましい。
スタビライザーとしては、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、またはジルコニウム(Zr)等がある。
また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等がある。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属酸化物であるIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、ここで、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、酸化物半導体として、InMO3(ZnO)m(m>0、且つ、mは整数でない)で表記される材料を用いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、Mn及びCoから選ばれた一の金属元素または複数の金属元素を示す。また、酸化物半導体として、In2SnO5(ZnO)n(n>0、且つ、nは整数)で表記される材料を用いてもよい。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Ga:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)、あるいはIn:Ga:Zn=3:1:2(=1/2:1/6:1/3)の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原子数比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
しかし、これらに限られず、必要とする半導体特性及び電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧、ばらつき等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とする半導体特性を得るために、キャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
例えば、In−Sn−Zn系酸化物では比較的容易に高い移動度が得られる。しかしながら、In−Ga−Zn系酸化物でも、バルク内欠陥密度を低くすることにより移動度を上げることができる。
また、酸化物半導体膜109に形成することが可能な金属酸化物は、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。このように、エネルギーギャップの広い酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
また、酸化物半導体膜109は、非晶質構造、単結晶構造、または多結晶構造であってもよい。
また、酸化物半導体膜109は、例えば非単結晶を有してもよい。非単結晶は、例えば、CAAC(C Axis Aligned Crystal)、多結晶、微結晶、非晶質部の一以上を有する。非晶質部は、微結晶、CAACよりも欠陥準位密度が高い。また、微結晶は、CAACよりも欠陥準位密度が高い。なお、CAACを有する酸化物半導体を、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)と呼ぶ。CAAC−OSは、例えば、c軸配向し、a軸または/およびb軸はマクロに揃っていない。
酸化物半導体膜109は、例えば微結晶を有してもよい。なお、微結晶を有する酸化物半導体を、微結晶酸化物半導体と呼ぶ。微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満のサイズの微結晶(ナノ結晶ともいう。)を膜中に含む。または、微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満の結晶部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体を有している。
酸化物半導体膜109は、例えば非晶質部を有してもよい。なお、非晶質部を有する酸化物半導体を、非晶質酸化物半導体と呼ぶ。非晶質酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質酸化物半導体膜は、例えば、完全な非晶質であり、結晶部を有さない。
なお、酸化物半導体膜109が、CAAC−OS、微結晶酸化物半導体、非晶質酸化物半導体の混合膜であってもよい。混合膜は、例えば、非晶質酸化物半導体の領域と、微結晶酸化物半導体の領域と、CAAC−OSの領域と、を有する。また、混合膜は、例えば、非晶質酸化物半導体の領域と、微結晶酸化物半導体の領域と、CAAC−OSの領域と、の積層構造を有してもよい。
なお、酸化物半導体膜109は、例えば、単結晶を有してもよい。
ここでCAAC−OS膜の詳細について説明する。CAAC−OS膜は、完全な非晶質ではない。CAAC−OS膜は、例えば、結晶部及び非晶質部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体を有している。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界、結晶部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には明確な粒界(グレインバウンダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、例えばc軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向になるように揃い、かつab面に垂直な方向から見て金属原子が三角形状または六角形状に配列し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸及びb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、80°以上100°以下、好ましくは85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−10°以上10°以下、好ましくは−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。なお、酸化物半導体膜を構成する酸素の一部は窒素で置換されてもよい。
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、被形成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶質化することもある。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向になるように揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。また、結晶部は、成膜したとき、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行ったときに形成される。従って、結晶部のc軸は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向になるように揃う。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
酸化物半導体膜109において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度は、1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは2×1016atoms/cm3以下であることが望ましい。アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流の上昇の原因となるためである。
酸化物半導体膜109には、5×1018atoms/cm3以下の窒素が含まれてもよい。
図1に示すトランジスタ100は、酸化物半導体膜109の上面形状が矩形状である。また、ゲート電極105において、酸化物半導体膜109と重なる領域は矩形状である。なお、酸化物半導体膜109の上面形状は、円形状、多角形状等の形状を適宜用いることができる。また、ゲート電極105において酸化物半導体膜109と重なる領域は、酸化物半導体膜109と類似する形状で形成すればよい。図3に、円形状の酸化物半導体膜119、及び酸化物半導体膜119と重なる領域が円形状のゲート電極115を有するトランジスタ110を示す。酸化物半導体膜119の上面形状を円形とすることで、酸化物半導体膜119の端部において角部が形成されず、酸化物半導体膜119の端部の膜の被覆率を高めることができる。
一対の電極111a、111bは導電材料として、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンからなる単体金属、またはこれを主成分とする合金を単層構造または積層構造として用いる。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。なお、一対の電極111a、111bは配線としても機能させてもよい。
図1(A)において、一対の電極111a、111bの一方の電極111aは、チャネル領域109b近傍の酸化物半導体膜109の端部と重ならず、電極111aの端部は酸化物半導体膜109上に位置しているが、図4の上面図で示すように、電極111cが酸化物半導体膜109の端部と重なり、電極111cの端部が酸化物半導体膜109の外側に位置してもよい。
絶縁膜113は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等を用いればよく、積層または単層で設ける。
次に、図1に示すトランジスタ100の作製方法について、図2を用いて説明する。
図2(A)に示すように、基板101上にゲート電極105を形成する。ゲート電極105の形成方法を以下に示す。はじめに、スパッタリング法、CVD法、蒸着法等により導電膜を形成し、導電膜上にフォトリソグラフィ工程によりマスクを形成する。次に、該マスクを用いて導電膜の一部をエッチングして、ゲート電極105を形成する。この後、マスクを除去する。
なお、ゲート電極105は、上記形成方法の代わりに、電解メッキ法、印刷法、インクジェット法等で形成してもよい。
ここでは、厚さ100nmのタングステン膜をスパッタリング法により形成する。次に、フォトリソグラフィ工程によりマスクを形成し、当該マスクを用いてタングステン膜をドライエッチングして、ゲート電極105を形成する。
次に、図2(B)に示すように、少なくともゲート電極105を覆うようにゲート絶縁膜107を形成し、ゲート絶縁膜107上であって、ゲート電極105の一部と重なるように酸化物半導体膜109を形成する。
ゲート絶縁膜107は、スパッタリング法、CVD法、蒸着法等で形成する。
ここでは、厚さ50nmの窒化シリコン膜をCVD法により形成した後、厚さ200nmの酸化窒化シリコン膜をCVD法により形成することで、ゲート絶縁膜107を形成する。
酸化物半導体膜109の形成方法を以下に示す。はじめに、スパッタリング法、塗布法、パルスレーザー蒸着法、レーザーアブレーション法等によりゲート絶縁膜107上に酸化物半導体膜を形成する。次に、該酸化物半導体膜上にフォトリソグラフィ工程によりマスクを形成した後、該マスクを用いて酸化物半導体膜の一部をエッチングすることで、素子分離された酸化物半導体膜109を形成することができる。
また、酸化物半導体膜109として印刷法を用いることで、素子分離された酸化物半導体膜109を直接的に形成することができる。
スパッタリング法で酸化物半導体膜を形成する場合、プラズマを発生させるための電源装置は、RF電源装置、AC電源装置、DC電源装置等を適宜用いることができる。
スパッタリングガスは、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気、酸素雰囲気、希ガス及び酸素の混合ガスを適宜用いる。なお、希ガス及び酸素の混合ガスの場合、希ガスに対して酸素のガス比を高めることが好ましい。
また、ターゲットは、形成する酸化物半導体膜の組成にあわせて、適宜選択すればよい。
ここでは、スパッタリング法により、厚さ35nmの酸化物半導体膜を形成した後、当該酸化物半導体膜上にマスクを形成し、酸化物半導体膜の一部を選択的にエッチングすることで、酸化物半導体膜109を形成する。
次に、図2(C)に示すように、一対の電極111a、111bを形成する。
一対の電極111a、111bの形成方法を以下に示す。はじめに、スパッタリング法、CVD法、蒸着法等で導電膜を形成する。次に、該導電膜上にフォトリソグラフィ工程によりマスクを形成する。次に、該マスクを用いて導電膜をエッチングして、一対の電極111a、111bを形成する。この後、マスクを除去する。
ここでは、スパッタリング法により厚さ50nmのタングステン膜、厚さ400nmのアルミニウム膜、及び厚さ100nmのチタン膜を順にスパッタリング法により積層する。次に、チタン膜上にフォトリソグラフィ工程によりマスクを形成し、当該マスクを用いてタングステン膜、アルミニウム膜、及びチタン膜をドライエッチングして、一対の電極111a、111bを形成する。
なお、一対の電極111a、111bを形成した後、エッチング残渣を除去するため、洗浄処理をすることが好ましい。この洗浄処理を行うことで、一対の電極111a、111bの短絡を抑制することができる。当該洗浄処理は、TMAH(Tetramethylammonium Hydroxide)溶液などのアルカリ性の溶液、希フッ酸、シュウ酸などの酸性の溶液、または水を用いて行うことができる。
次に、図2(D)に示すように、絶縁膜113を形成する。
絶縁膜113は、スパッタリング法、CVD法、塗布法、印刷法等により形成する。
ここでは、絶縁膜113として厚さ400nmの酸化窒化シリコン膜をCVD法により形成する。
以上の工程により、しきい値電圧におけるドレイン電流の上昇が急峻となる優れた電気特性を有するトランジスタ100を作製することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示すトランジスタと上面形状が異なるトランジスタについて、図5を用いて説明する。
図5は、本実施の形態に示すトランジスタ120の上面図である。なお、断面形状は、図1に示すトランジスタ100と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図5に示すトランジスタ120は、実施の形態1に示すトランジスタ100と比較して、酸化物半導体膜の形状と、酸化物半導体膜と重なるゲート電極の形状とが異なることを特徴とする。例えば、酸化物半導体膜の形状が、円形状、矩形状、及び多角形状の一であり、酸化物半導体膜と重なるゲート電極の形状が、円形状、矩形状、及び多角形状の他である。
図5では、代表的に、酸化物半導体膜129の上面形状が矩形状であり、酸化物半導体膜129と重なるゲート電極125の形状が曲線及び直線で囲まれた形状であるトランジスタの上面図を示す。
本実施の形態に示すトランジスタ120は、図5に示すように、一対の電極111a、111bの形状において、電極111bの先端部及び側面部を電極111aが囲んでいる。即ち、電極111aが電極111bの一部を、一定間隔をあけて囲んでいる。なお、酸化物半導体膜109において、一対の電極111a、111bが対向する領域、即ち電極111aと電極111bで挟まれている領域であって、且つゲート電極125と重なる領域がチャネル領域129bとなる。
また、酸化物半導体膜109は、チャネル領域129bの端部から連続して延びる酸化物半導体膜の端部が、ゲート電極125と重ならない。即ち、図5に示すように、チャネル領域129bの近傍にゲート電極125と重ならない領域が位置する。または、チャネル領域129bに接して、ゲート電極125と重ならない領域を有する。
また、トランジスタ120のチャネル幅方向、即ち電極111a及び電極111bが対向する方向(即ち、チャネル長方向)と交差する方向、を延伸した方向128と、酸化物半導体膜129の端部が、ゲート電極125と重ならない。
また、酸化物半導体膜129は、電極111aと重なる領域と、電極111bと重なる端部129a_2との間に、ゲート電極125と重ならない領域129dを有する。即ち、酸化物半導体膜129において、チャネル領域129bと酸化物半導体膜129の端部の間に、ゲート電極125と重ならない領域129dを有する。
また、酸化物半導体膜129において、チャネル領域129bの近傍に設けられる、直線状の端部129a_1が、ゲート電極125と重ならないことを特徴とする。即ち、ゲート電極125の端部125aの外側に、酸化物半導体膜129の端部129a_1が位置する。なお、端部129a_1は、電極111bと重なる酸化物半導体膜の端部129a_2と隣接し、且つチャネル領域129bと最短距離である端部である。
この結果、チャネル領域近傍の酸化物半導体膜の端部129a_1がゲート電極125と重ならないため、即ち、ゲート電極125の外側に酸化物半導体膜の端部129a_1が位置するため、酸化物半導体膜の端部129a_1に電界が印加されず、酸化物半導体膜の端部がn型化されず、リークパスが発生しない。この結果、トランジスタ120の電気特性を、しきい値電圧におけるドレイン電流の上昇が急峻となる優れた電気特性とすることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2に示すトランジスタにおいて、酸化物半導体膜中に含まれる水素濃度、及び酸素欠損を低減したトランジスタの作製方法について、図2を用いて説明する。なお、本実施の形態に示す工程の一以上と、実施の形態1に示すトランジスタの作製工程とが組み合わさればよく、全て組み合わせる必要はない。
酸化物半導体膜109は、水素濃度を5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、より好ましくは5×1017atoms/cm3以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm3以下とすることで、酸化物半導体膜109中に含まれる水素濃度を低減することができる。
酸化物半導体膜に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水となると共に、酸素が脱離した格子(あるいは酸素が脱理した部分)には欠損が形成されてしまう。また、水素の一部がドナーとなり、キャリアである電子が生じてしまう。これらのため、酸化物半導体膜の成膜工程において、水素を含む不純物を極めて減らすことにより、酸化物半導体膜の水素濃度を低減することが可能である。このため、水素をできるだけ除去し、高純度化させた酸化物半導体膜をチャネル領域とすることにより、しきい値電圧のマイナスシフトを低減することができ、またトランジスタのソース及びドレインにおけるリーク電流を、代表的には、オフ電流密度(オフ電流をトランジスタのチャネル幅で除した数値)を数yA/μm〜数zA/μmにまで低減することが可能であり、トランジスタの電気特性を向上させることができる。
酸化物半導体膜中の水素濃度を低減する第1の方法として、ゲート電極125を形成する前に、加熱処理またはプラズマ処理により、基板101に含まれる水素または水を脱離させる方法がある。この結果、後の加熱処理において、基板101に付着する水素若しくは水が、酸化物半導体膜109中に拡散することを防ぐことができる。なお、加熱処理は、不活性雰囲気、減圧雰囲気または乾燥空気雰囲気にて、100℃以上基板の歪み点未満の温度で行う。また、プラズマ処理は、希ガス、酸素、窒素または酸化窒素(亜酸化窒素、一酸化窒素、二酸化窒素等)を用いる。
加熱処理は、電気炉、RTA装置等を用いることができる。RTAを用いることで、短時間に限り、基板の歪み点以上の温度で熱処理を行うことができる。そのため、基板からの水素または水の放出の時間を短縮することができる。
酸化物半導体膜109中の水素濃度を低減する第2の方法として、酸化物半導体膜をスパッタリング装置で成膜する前に、スパッタリング装置にダミー基板を搬入し、ダミー基板上に酸化物半導体膜を成膜して、ターゲット表面、または防着板に付着した水素、水等を取り除く方法がある。この結果、酸化物半導体膜中への水素または水等の混入を低減することが可能である。
酸化物半導体膜109中の水素濃度を低減する第3の方法として、酸化物半導体膜を形成する際に、例えば、スパッタリング法を用いる場合、基板温度を150℃以上750℃以下、好ましくは150℃以上450℃以下、さらに好ましくは200℃以上350℃以下として、酸化物半導体膜を成膜する方法がある。この方法により、酸化物半導体膜中への水素または水等の混入を低減することが可能である。
ここで、酸化物半導体膜中に含まれる水素濃度を低減することが可能なスパッタリング装置について、以下に詳細を説明する。
酸化物半導体膜を成膜する処理室は、リークレートを1×10−10Pa・m3/秒以下とすることが好ましく、それによりスパッタリング法により成膜する際、膜中への水素または水等の混入を低減することができる。
また、スパッタリング装置の処理室の排気として、ドライポンプ等の粗引きポンプと、スパッタイオンポンプ、ターボ分子ポンプ及びクライオポンプ等の高真空ポンプとを適宜組み合わせて行うとよい。ターボ分子ポンプは大きいサイズの分子の排気が優れる一方、水素及び水の排気能力が低い。さらに、水素の排気能力の高いスパッタイオンポンプまたは水の排気能力の高いクライオポンプを組み合わせることが有効となる。
処理室の内側に存在する吸着物は、内壁に吸着しているために処理室の圧力に影響しないが、処理室を排気した際のガス放出の原因となる。そのため、リークレートと排気速度に相関はないが、排気能力の高いポンプを用いて、処理室に存在する吸着物をできる限り脱離し、予め排気しておくことが重要である。なお、吸着物の脱離を促すために、処理室をベーキングしてもよい。ベーキングすることで吸着物の脱離速度を10倍程度大きくすることができる。ベーキングは100℃以上450℃以下で行えばよい。このとき、不活性ガスを導入しながら吸着物の除去を行うと、排気するだけでは脱離しにくい水などの脱離速度をさらに大きくすることができる。
このように、酸化物半導体膜の成膜工程において、処理室の圧力、処理室のリークレートなどにおいて、不純物の混入を極力抑えることによって、酸化物半導体膜に含まれる水素または水等の混入を低減することができる。
酸化物半導体膜109中の水素濃度を低減する第4の方法として、水素を含む不純物が除去された高純度ガスを用いる方法がある。この結果、酸化物半導体膜中への水素または水等の混入を低減することが可能である。
酸化物半導体膜109中の水素濃度を低減する第5の方法として、基板101にゲート電極105及びゲート絶縁膜107を順に形成し、ゲート絶縁膜107上に酸化物半導体膜を形成した後、加熱処理を行う方法がある。当該加熱処理により、酸化物半導体膜の脱水素化または脱水化をすることができる。
加熱処理の温度は、代表的には、150℃以上基板歪み点未満、好ましくは250℃以上450℃以下、更に好ましくは300℃以上450℃以下とする。
加熱処理は、電気炉、RTA装置等を用いることができる。RTAを用いることで、短時間に限り、基板の歪み点以上の温度で熱処理を行うことができる。そのため、酸化物半導体膜からの水素または水の放出時間を短縮することができる。
加熱処理は、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン等の希ガス、または窒素を含む不活性ガス雰囲気で行う。または、不活性ガス雰囲気で加熱した後、酸素雰囲気で加熱してもよい。なお、上記不活性雰囲気及び酸素雰囲気に水素、水などが含まれないことが好ましい。処理時間は3分〜24時間とする。
なお、ゲート絶縁膜107上に酸化物半導体膜を形成し、該酸化物半導体膜の一部をエッチングして、素子分離した酸化物半導体膜109を形成した後、上記脱水素化または脱水化のための加熱処理を行ってもよい。このような工程を経ることで、脱水素化または脱水化のための加熱処理において、ゲート絶縁膜107に含まれる水素または水等を効率よく放出させることができる。
また、脱水化または脱水素化のための加熱処理は、複数回行ってもよく、他の加熱処理と兼ねてもよい。
酸化物半導体膜109中の水素濃度を低減する第6の方法として、絶縁膜113を形成した後、加熱処理を行う方法がある。当該加熱処理により、酸化物半導体膜の脱水素化または脱水化が可能である。加熱処理の条件は、上記第5の方法と同様に行うことができる。なお、絶縁膜113として、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム等の外部からの水素、水等の侵入を防ぐ絶縁膜を用いることで、外部から酸化物半導体膜への水素、水等の侵入を低減することが可能である。
以上の酸化物半導体膜109中の水素濃度を低減する第1の方法乃至第6の方法の一以上を実施の形態1に示すトランジスタの作製方法に組み合わせることで、水素または水等をできるだけ除去し、高純度化させた酸化物半導体膜をチャネル領域に有するトランジスタを作製することができる。この結果、しきい値電圧のマイナスシフトを低減することができ、またトランジスタのソース及びドレインにおけるリーク電流を、代表的には、オフ電流密度(オフ電流をトランジスタのチャネル幅で除した数値)を数yA/μm〜数zA/μmにまで低減することが可能であり、トランジスタの電気特性を向上させることができる。また、チャネル領域近傍の酸化物半導体膜の端部がゲート電極と重ならないため、酸化物半導体膜の端部に電界がかからず、酸化物半導体膜の端部がn型化されず、リークパスが発生しない。以上のことから、本実施の形態により、しきい値電圧のマイナスシフトが低減され、リーク電流が低く、且つしきい値電圧におけるドレイン電流の上昇が急峻となる優れた電気特性を有するトランジスタを作製することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態3に示すトランジスタにおいて、酸化物半導体膜中に含まれる酸素欠損を低減したトランジスタの作製方法について、図2を用いて説明する。なお、本実施の形態に示す工程の一以上と、実施の形態1及び実施の形態3に示すトランジスタの作製工程とが組み合わさればよく、全て組み合わせる必要はない。
酸化物半導体膜に含まれる酸素は、加熱処理により脱離されてしまう。そこで、酸化物半導体膜に酸素を添加することで、酸素欠損に起因するトランジスタの電気特性の変動を低減することができ、信頼性を高めることができる。酸素が添加された酸化物半導体膜は、化学量論比を満たす酸素よりも多くの酸素を含むことが好ましい。
酸化物半導体膜中の酸素欠損を低減する第1の方法として、図2(B)に示すゲート絶縁膜107を形成した後、ゲート絶縁膜107に酸素を添加する。次に、ゲート絶縁膜107上に酸化物半導体膜109を形成した後、加熱処理を行い、ゲート絶縁膜107に含まれる酸素を酸化物半導体膜109に拡散させる方法がある。
ゲート絶縁膜107に酸素を添加する方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマ処理等がある。
酸化物半導体膜109を形成した後に行う加熱処理は、実施の形態3に示す酸化物半導体膜109中の水素濃度を低減する第5の方法と同様の条件を適宜用いればよい。または、酸化物半導体膜109中の水素濃度を低減する第5の方法と、酸化物半導体膜中の酸素欠損を低減する加熱処理とを兼ねてもよい。
酸化物半導体膜中の酸素欠損を低減する第2の方法として、図2(B)に示す酸化物半導体膜109を形成した後、酸化物半導体膜109に酸素を添加する方法がある。酸化物半導体膜109に酸素を添加する方法としては、酸化物半導体膜中の酸素欠損を低減する第1の方法に示した、ゲート絶縁膜107に酸素を添加する方法を適宜用いることができる。
酸化物半導体膜中の酸素欠損を低減する第3の方法として、図2(D)に示す絶縁膜113を形成した後、絶縁膜113を介して酸化物半導体膜109に酸素を添加する方法がある。酸化物半導体膜109に酸素を添加する方法としては、酸化物半導体膜中の酸素欠損を低減する第1の方法に示した、ゲート絶縁膜107に酸素を添加する方法を適宜用いることができる。
酸化物半導体膜中の酸素欠損を低減する第4の方法として、図2(D)に示す絶縁膜113を形成した後、絶縁膜113に酸素を添加する。次に、加熱処理を行い、絶縁膜113に含まれる酸素を酸化物半導体膜109に拡散させる方法がある。絶縁膜113に酸素を添加する方法としては、酸化物半導体膜中の酸素欠損を低減する第1の方法に示した、ゲート絶縁膜107に酸素を添加する方法を適宜用いることができる。酸素を添加した後行う加熱処理は、実施の形態3に示す、酸化物半導体膜109中の水素濃度を低減する第6の方法と同様の条件を用いればよい。または、酸化物半導体膜109中の水素濃度を低減する第6の方法と、絶縁膜113に含まれる酸素を酸化物半導体膜109に拡散させる加熱処理とを兼ねてもよい。
なお、絶縁膜113として、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム等の外部への酸素の拡散を防ぐ絶縁膜を用いることで、ゲート絶縁膜107から脱離する酸素を酸化物半導体膜109に効率よく供給することができる。また、酸化物半導体膜109からの酸素脱離を抑制することができる。
また、絶縁膜113を積層構造とし、酸化物半導体膜109に接する側に、加熱により酸素の一部が脱離する絶縁膜を設け、当該絶縁膜上に、酸素の拡散を防ぐ絶縁膜を設けることで、加熱により酸素の一部が脱離する絶縁膜に含まれる酸素を酸化物半導体膜109に効率よく供給することができる。加熱により酸素の一部が脱離する絶縁膜として、化学量論比を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁膜を用いる。
第1の方法及び第4の方法は、酸化物半導体膜109に直接酸素を添加するのではなく、酸素が添加されたゲート絶縁膜107または絶縁膜113からの固相拡散により、ダメージが少なく、酸化物半導体膜109に酸素を添加することができる。
以上の酸化物半導体膜109中の酸素欠損を低減する第1の方法乃至第4の方法の一以上を実施の形態1に示すトランジスタの作製方法に組み合わせることで、酸素欠損を低減させた酸化物半導体膜をチャネル領域に有するトランジスタを作製することができる。また、本実施の形態に示すトランジスタは、チャネル領域近傍の酸化物半導体膜の端部がゲート電極と重ならないため、酸化物半導体膜の端部に電界がかからず、酸化物半導体膜の端部がn型化されず、リークパスが発生しない。以上のことから、本実施の形態により、電気特性の変動が低減され、且つしきい値電圧におけるドレイン電流の上昇が急峻となる優れた電気特性を有するトランジスタを作製することができる。
また、以上の酸化物半導体膜109中の酸素欠損を低減する第1の方法乃至第4の方法の一以上、及び実施の形態3に示す水素濃度を低減する第1の方法乃至第6の方法の一以上を実施の形態1に示すトランジスタの作製方法に組み合わせることで、水素、水などをできるだけ除去し、高純度化させ、酸素欠損が低減された酸化物半導体膜をチャネル領域に有するトランジスタを作製することができる。また、本実施の形態に示すトランジスタは、チャネル領域近傍の酸化物半導体膜の端部がゲート電極と重なっていないため、酸化物半導体膜の端部に電界がかからず、酸化物半導体膜の端部がn型化されず、リークパスが発生しない。以上のことから、しきい値電圧のマイナスシフトが低減され、リーク電流が低く、トランジスタの電気特性の変動が低減され、且つしきい値電圧におけるドレイン電流の上昇が急峻である優れた電気特性を有するトランジスタを作製することができる。
(実施の形態5)
上記実施の形態で一例を示したトランジスタを用いて表示機能を有する半導体装置(表示装置ともいう。)を作製することができる。また、トランジスタを含む駆動回路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。本実施の形態では、上記実施の形態で一例を示したトランジスタを用いた表示装置の例について、図6及び図7を用いて説明する。なお、図7(A)及び図7(B)は、図6(B)中でM−Nの一点鎖線で示した部位の断面構成を示す断面図である。
図6(A)において、第1の基板901上に設けられた画素部902を囲むようにして、シール材905が設けられ、第2の基板906によって封止されている。図6(A)においては、第1の基板901上のシール材905によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体又は多結晶半導体で形成された信号線駆動回路903、及び走査線駆動回路904が実装されている。また、信号線駆動回路903、走査線駆動回路904、または画素部902に与えられる各種信号及び電位は、FPC(Flexible printed circuit)918a、FPC918bから供給されている。
図6(B)及び図6(C)において、第1の基板901上に設けられた画素部902と、走査線駆動回路904とを囲むようにして、シール材905が設けられている。また画素部902と、走査線駆動回路904の上に第2の基板906が設けられている。よって画素部902と、走査線駆動回路904とは、第1の基板901とシール材905と第2の基板906とによって、表示素子と共に封止されている。図6(B)及び図6(C)においては、第1の基板901上のシール材905によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体又は多結晶半導体で形成された信号線駆動回路903が実装されている。図6(B)及び図6(C)においては、信号線駆動回路903、走査線駆動回路904、または画素部902に与えられる各種信号及び電位は、FPC918から供給されている。
また図6(B)及び図6(C)においては、信号線駆動回路903を別途形成し、第1の基板901に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG(Chip On Glass)方法、ワイヤボンディング方法、或いはTAB(Tape Automated Bonding)方法などを用いることができる。図6(A)は、COG方法により信号線駆動回路903、走査線駆動回路904を実装する例であり、図6(B)は、COG方法により信号線駆動回路903を実装する例であり、図6(C)は、TAB方法により信号線駆動回路903を実装する例である。
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。
なお、本明細書中における表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしくは光源(照明装置含む。)を指す。また、コネクター、例えばFPCもしくはTCPが取り付けられたモジュール、TCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
また第1の基板上に設けられた画素部及び走査線駆動回路は、トランジスタを複数有しており、上記実施の形態で示したトランジスタを適用することができる。
表示装置に設けられる表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう。)、発光素子(発光表示素子ともいう。)、を用いることができる。発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electro Luminescence)素子、有機EL素子等が含まれる。また、電子インクなど、電気的作用によりコントラストが変化する表示媒体も適用することができる。
図7(A)及び図7(B)で示すように、半導体装置は接続端子電極915及び端子電極916を有しており、接続端子電極915及び端子電極916はFPC918が有する端子と異方性導電剤919を介して、電気的に接続されている。
接続端子電極915は、第1の電極930と同じ導電膜から形成され、端子電極916は、トランジスタ910、911の一対の電極と同じ導電膜で形成されている。
また、第1の基板901上に設けられた画素部902と、走査線駆動回路904は、トランジスタを複数有しており、図7(A)及び図7(B)では、画素部902に含まれるトランジスタ910と、走査線駆動回路904に含まれるトランジスタ911とを例示している。図7(A)では、トランジスタ910、トランジスタ911上には絶縁膜920が設けられ、図7(B)では、絶縁膜924の上にさらに平坦化膜921が設けられている。なお、絶縁膜923は下地膜として機能する絶縁膜である。
本実施の形態では、トランジスタ910、トランジスタ911として、上記実施の形態で示したトランジスタを適用することができる。
また、図7(B)では、絶縁膜924上において、駆動回路用のトランジスタ911の酸化物半導体膜のチャネル形成領域と重なる位置に導電膜917が設けられている例を示している。本実施の形態では、導電膜917を第1の電極930と同じ導電膜で形成する。導電膜917を酸化物半導体膜のチャネル形成領域と重なる位置に設けることによって、BT試験前後におけるトランジスタ911のしきい値電圧の変化量をさらに低減することができる。また、導電膜917の電位は、トランジスタ911のゲート電極と同じでもよいし、異なっていても良く、導電膜を第2のゲート電極として機能させることもできる。また、導電膜917の電位は、GND、0V、或いはフローティング状態であってもよい。
また、導電膜917は外部の電場を遮蔽する機能も有する。すなわち外部の電場が内部(薄膜トランジスタを含む回路部)に作用しないようにする機能(特に静電気に対する静電遮蔽機能)も有する。導電膜917の遮蔽機能により、静電気などの外部の電場の影響によりトランジスタの電気的な特性が変動することを防止することができる。導電膜917は、上記実施の形態で示した、いずれのトランジスタにも適用可能である。
画素部902に設けられたトランジスタ910は表示素子と電気的に接続し、表示パネルを構成する。表示素子は表示を行うことができれば特に限定されず、様々な表示素子を用いることができる。
図7(A)に表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の例を示す。図7(A)において、表示素子である液晶素子913は、第1の電極930、第2の電極931、及び液晶層908を含む。なお、液晶層908を挟持するように配向膜として機能する絶縁膜932、絶縁膜933が設けられている。第2の電極931は第2の基板906側に設けられ、第1の電極930と第2の電極931とは液晶層908を介して重なる構成となっている。
またスペーサ935は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の電極930と第2の電極931との間隔(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。
表示素子として、液晶素子を用いる場合、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するためにカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。よって液晶表示装置の生産性を向上させることが可能となる。
また、上記実施の形態で用いる酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、ドレイン電流の立ち上がりが段階的になる不良の無い電気特性を有する。このため、スイッチング特性が優れている。また、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。よって、表示機能を有する半導体装置の画素部に上記トランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。また、同一基板上に駆動回路部または画素部を作り分けて作製することが可能となるため、半導体装置の部品点数を削減することができる。
液晶表示装置に設けられる保持容量の大きさは、画素部に配置されるトランジスタのリーク電流等を考慮して、所定の期間の間電荷を保持できるように設定される。高純度の酸化物半導体膜を有するトランジスタを用いることにより、各画素における液晶容量に対して1/3以下、好ましくは1/5以下の容量の大きさを有する保持容量を設ければ充分であるため、画素における開口率を高めることができる。
また、表示装置において、ブラックマトリクス(遮光膜)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などは適宜設ける。例えば、偏光基板及び位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
また、画素部における表示方式は、プログレッシブ方式やインターレース方式等を用いることができる。また、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(Rは赤、Gは緑、Bは青を表す。)の三色に限定されない。例えば、RGBW(Wは白を表す。)、又はRGBに、イエロー、シアン、マゼンタ等を一色以上追加したものがある。なお、色要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。ただし、本発明はカラー表示の表示装置に限定されるものではなく、モノクロ表示の表示装置に適用することもできる。
また、表示装置に含まれる表示素子として、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子を適用することができる。エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。
発光素子は発光を取り出すために少なくとも一対の電極の一方が透明であればよい。そして、基板上にトランジスタ及び発光素子を形成し、基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出や、基板側の面から発光を取り出す下面射出や、基板側及び基板とは反対側の面から発光を取り出す両面射出構造の発光素子があり、どの射出構造の発光素子も適用することができる。
図7(B)に表示素子として発光素子を用いた発光装置の例を示す。表示素子である発光素子963は、画素部902に設けられたトランジスタ910と電気的に接続している。なお発光素子963の構成は、第1の電極930、発光層961、第2の電極931の積層構造であるが、示した構成に限定されない。発光素子963から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子963の構成は適宜変えることができる。
隔壁960は、有機絶縁材料、又は無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極930上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
発光層961は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
発光素子963に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極931及び隔壁960上に保護層を形成してもよい。保護層としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、DLC膜等を形成することができる。また、第1の基板901、第2の基板906、及びシール材905によって封止された空間には充填材964が設けられ密封されている。このように外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
充填材964としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。例えば充填材として窒素を用いればよい。
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
表示素子に電圧を印加する第1の電極及び第2の電極(画素電極、共通電極、対向電極などともいう)においては、取り出す光の方向、電極が設けられる場所、及び電極のパターン構造によって透光性、反射性を選択すればよい。
第1の電極930、第2の電極931は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
また、第1の電極930、第2の電極931はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、若しくはその金属窒化物から一つ、又は複数種を用いて形成することができる。
また、第1の電極930、第2の電極931として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、またはアニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体若しくはその誘導体等が挙げられる。
また、トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
以上のように上記実施の形態で示したトランジスタを適用することで、表示機能を有する信頼性のよい半導体装置を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。