JP3733180B2 - 投影露光装置及びそれを用いたデバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は投影露光装置及びそれを用いたデバイスの製造方法に関し、特に半導体製造用の投影露光装置において第1物体としてのマスク面やレチクル面(以下「レチクル面」という。)上に形成されているIC,LSI等の微細な電子回路パターンを第2物体としてのウエハ面上に投影するときの双方の相対的な位置合わせ(アライメント)を行う際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より半導体製造用の投影露光装置においては、集積回路の高密度化に伴いレチクル面上の回路パターンをウエハ面上に高い解像力で投影露光できることが要求されている。回路パターンの投影解像力を向上させる方法としては、例えば露光光の波長を固定にして投影光学系のNAを大きくする方法や露光波長をg線からi線へと短波長の光束を用い、又はエキシマレーザーから発振される波長248nm,193nm等の短波長の光を用いる方法等が多くとられている。
【0003】
一方、回路パターンの微細化に伴い電子回路パターンの形成されているレチクルやマスクとウエハを高精度にアライメントすることが要求されてきている。レチクルとウエハの位置合わせを行う際にウエハ面上に塗布されたレジストを感光させる光(露光光)と感光させない光(以下「非露光光」という。)、例えばHe−Neレーザーからの波長633nmの光を用いる方法がある。
【0004】
本出願人は非露光光を用いた位置合わせ装置を、例えば特開昭63−32303号公報や特開平2−130908号公報等で提案している。
【0005】
半導体素子製造用の露光装置に使用されているアライメント方法の1つとしてウエハ上のアライメントマークの光学像を観察系(アライメント光学系)でCCDカメラ等の撮像素子上に結像し、その光学像の電気信号を画像処理しウエハの位置を検出する方法がある。このようなアライメントマークの検出方法を、本出願人は例えば特開平8−115873号公報で提案している。
【0006】
同公報においては、ウエハの平面性のばらつきに影響されずに多くの半導体プロセスウエハに対して高精度なアライメントを可能としている。又、同公報においては、投影光学系の結像面の検出、所謂フォーカス検出を位置合わせ検出系のウエハ画像を使用して行っている(よって、このフォーカス検出系は位置合わせ検出系が兼ねている)。即ち、露光の為のフォーカス検出系とは異なる検出系で行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般にウエハ面上に設けたアライメントマークの位置情報を観察手段で観察し、そのアライメントマークの位置情報を検出手段で検出して、ウエハとレチクル(又は観察手段の基準点)との位置合わせ(アライメント)を行う方法においてはウエハ面が局所的に形状変化をしているとアライメントマークの位置情報の高精度な検出が難しくなり、位置合わせ精度が低下してくる。
【0008】
又ウエハ面が所定の位置、例えば投影光学系を介して位置合わせを行うTTLアライメント方法を用いるときには投影光学系の光軸方向のベストピント面に位置していないとデフォーカス特性の影響を受けて位置合わせ精度が低下してくるという問題点がある。
【0009】
特に半導体プロセスにおいてはオフセット発生やアライメント精度が低下してくる。具体的な問題点としてはアライメントマークのフォーカス面を正しくアライメントマークの段差面に合わせたにもかかわらず、実際には段差面からずれた面で観察される像のコントラストが最良となり、このずれた面でアライメントを行わなければならない場合がある。ずれた面でアライメント検出を行う場合には、そのときのアライメント検出系のテレセンシティ(デフォーカスさせたときの計測値の変化度、以後「デフォーカス特性」という。)が悪いと、検出したフォーカス量にデフォーカス特性の係数を掛けた量だけ計測のずれが発生し、この値がウエハ面で一定の場合にはシフト成分といったオフセットとなり、ウエハ面で変化する場合にはアライメント精度劣化(3σが大きくなる)の原因となってくる。
【0010】
この他の具体的な問題点としては、アライメントマークのフォーカス検出がウエハにより種々とばらつき、このことによりアライメントにおけるオフセットが発生してくる。このようなプロセスウエハではアライメントマークのフォーカス検出の為の評価量(例えばコントラストとかパターンマッチング等)が図9のようにダブルのピークを持つようになる。このとき例えばピーク値の大きい右側(+フォーカス方向)のピーク位置のウエハでオフセット確認を行い、それ以降のウエハをアライメント、露光を行うとする。アライメントマークのフォーカス検出は、毎ウエハで行うとすると、何枚目のウエハのフォーカス検出の為の評価量が、図10に示すように左側(−フォーカス方向)のピーク値が大きくなると、この2つのピークのフォーカス量Dにデフォーカス特性分だけ掛けた量、位置計測にオフセットが発生することになる。
【0011】
もちろんデフォーカス特性を零になるように調整することでこの問題は発生しなくなるが、
(イ)検出系のコマ収差
(ロ)照明系の均一性
といった項目について、非常に厳しい仕様を要求することになり、
(ハ)複雑な構成
(ニ)コスト高
といった問題点が生じてくる。
【0012】
本発明は、プロセスウエハ面の局所的な形状変化又は/及びデフォーカス特性の悪影響を受けることなくアライメントマークを適切に検出し、レチクルとウエハとを高精度に位置合わせをすることのできる位置合わせ装置及びそれを用いたデバイスの製造方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の投影露光装置は、第1物体のパターンの像をレジストが塗布された第2物体に投影する投影光学系を備える投影露光装置において、
前記第2物体に形成されたアライメントマークの前記投影光学系の光軸と垂直な方向の位置を検出するアライメント検出系を有し、
前記アライメント検出系のピント位置と前記投影光学系に対する前記第1物体の像面位置との位置関係は既知であり、
第1フォーカス検出系で得られる、前記投影光学系に対する前記第1物体の像面位置に配置された前記レジストの表面のフォーカス原点に対する前記光軸の方向の位置情報F1、
前記アライメント検出系で得られる、前記アライメント検出系のピント位置に配置された前記アライメントマークのフォーカス原点に対する前記光軸の方向の位置情報F2、
入力手段から入力される前記レジストの表面と前記アライメントマークとの距離に基づく距離情報F3、
そして、前記アライメントマークが前記光軸の方向に移動したときに前記アライメント検出系で得られる前記光軸の方向と垂直な方向の位置情報の変化率Kより、
前記アライメント検出系により検出された前記光軸の方向と垂直な方向の前記アライメントマークの位置の検出結果に対するオフセット量(F2−F1−F3)×Kを求め、該オフセット量を用いて前記検出結果を補正することを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記変化率は前記アライメントマークを前記光軸の方向に前記投影光学系に対して近づける方向と遠ざける方向に移動させたときでは異なった値となっていることを特徴としている。
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において、前記距離情報F3は前記レジストの表面から前記アライメントマークに対向する前記レジストの凹部までの空気中の距離と前記レジストの凹部から前記アライメントマークまでの距離を前記レジストの屈折率で割った値との和であることを特徴としている。
請求項4の発明は請求項1〜3のいずれか1項の発明において、前記第1フォーカス検出系は前記レジストの表面に斜方向から光束を投射する投光系と前記レジストの表面からの反射光を受光する受光系とを有することを特徴としている。
【0015】
請求項5の発明のデバイスの製造方法は、請求項1〜4のいずれか一項記載の投影露光装置を用いてレチクルのパターンでウエハを露光した後、該ウエハを現像してデバイスを製造することを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態1の要部概略図である。同図はウエハ(第2物体)上に塗布したレジストを感光させない光(以下「非露光光」という。)、例えばHe−Neレーザーからの633nmの波長の光を用いて投影レンズ(投影光学系)を介し(TTL方式)、ウエハ上のアライメントターゲット(アライメントマーク)を検出する方法を用いた投影露光装置の要部概略図を示している。
【0017】
同図において、4は照明系であり、露光光で回路パターンが形成されているレチクル(第1物体)3を照明している。投影レンズ2はレチクル3面上の回路パターンをウエハ1面上に1/10又は1/5に縮小投影している。1aはウエハ1面上のアライメントマークである。
【0018】
次にアライメントマーク1aの位置情報を検出し、レチクル3又は観察手段との相対的な位置合わせ(アライメント)を行う方法について説明する。
【0019】
40はアライメント検出系としての位置合わせ顕微鏡(顕微鏡)であり、ウエハ1面上のアライメントマーク1aの投影光学系2の光軸方向と該光軸の垂直面内(x,y面内)での位置情報を検出している。即ち、アライメントマークの光軸方向の位置を検出する第2フォーカス検出系としての機能を合せもっている。
【0020】
光源を含む照明光学系11から出射した光束はビームスプリッター7で反射し、順に補正光学系6、ミラー5、縮小型の投影レンズ2を経てウエハ1上にあるアライメントマーク1aを照明する。ウエハ1上のアライメントマーク1aによって反射した信号光は、再び順に投影レンズ2、ミラー5、補正光学系6を経てビームスプリッター7に入射する。
【0021】
ビームスプリッター7に入射した信号光はビームスプリッター7を透過し、ミラー8、リレー光学系9を経て撮像素子、例えばCCDカメラ10の撮像面10aに入射し、その面上にウエハ1上のアライメントマーク1aの像を結像する。CCDカメラ10からのアライメントマーク像に基づく画像信号を回線を通じコンピューター(演算手段)51に入力している。コンピューター51はアライメントマーク像の位置情報を計測している。このときアライメントマーク1aの位置を顕微鏡40内にある基準マーク(不図示)との相対ずれ量として計測している。
【0022】
ウエハ1はウエハチャック21上に載置されている。ウエハチャック21はθ−Zステージ(駆動手段)22上に載置され、ウエハ1をチャック表面に吸着することにより、各種振動に対しウエハ1の位置がずれないようにしている。θ−Zステージ22はチルトステージ23上に載置され、ウエハ1をフォーカス方向(投影レンズ2の光軸方向)に上下動させている。
【0023】
チルトステージ23はXYステージ24上に載置され、ウエハ1の反りを投影レンズ2の像面に対し、最小になるように補正している。又チルトステージ23独自でフォーカス方向に駆動することも可能となっている。チルトステージ23上に載置したバーミラー25とレーザー干渉計26によりXYステージ24の駆動量をモニターしている。レーザー干渉計26は回線を通じコンピューター51に駆動量に関する計測値を転送している。
【0024】
フィデューシャルマーク27はθ−Zステージ22上に載置され、θ−Zステージ22又はチルトステージ23を駆動して、フィデューシャルマーク27のパターン面を投影光学系2のウエハ1側のピント面に合わせるように調整している。投影レンズ2に対するウエハ1面の光軸方向の位置の計測系、即ち投影レンズ2に対するアライメントフォーカス用のフォーカス計測系(第1フォーカス検出系)は、光束を放射する投光系31及びウエハ1からの反射光の位置情報を検出する検出系32から構成されている。投光系31と検出系32とも全体として5個ずつ搭載されている。これら5つの投光系と検出系(不図示)は、例えば図2に示すようにショット内の5つの領域110〜114でフォーカス方向の位置を検出している。
【0025】
これにより投影レンズ2のフォーカス以外に投影レンズ2の像面に対するショットの面の傾きを検出し、該検出結果を用いてチルトステージ23でその量を補正している。ウエハ1面のフォーカス測定後、検出系32から回線を通じコンピューター51に計測値を転送している。尚フォーカスの測定点は図2に示すショット中心の領域110(投影レンズ2の光軸上の点)である。
【0026】
本実施形態ではレチクル3とウエハ1との位置合わせ方法としては、精度及びスループットの面からグローバルアライメントを用いている。即ちウエハ1内の数ショットのアライメントマークを計測し、ショットの配列格子の倍率、直交度を求め、その算出した配列格子に基づきXYステージ24を駆動し、レチクルパターン3aをウエハ1上に露光していく方法を用いている。
【0027】
図3はウエハ1上に形成されているショットの配列格子の説明図である。同図において黒色で示してあるショット101,102,103,104はアライメント計測ショットの一例である。一般の投影露光装置においてはグローバルアライメントを次のようにして行っている。
【0028】
プリアライメント実施後、投影レンズ2の下に送り込まれたウエハ1はショット配列格子の算出の為のアライメント計測に入る前に、計測ショット内の数ショットで位置合わせ顕微鏡40に対するベストピント面の検出を行う。その際、ベストピント面は位置合わせ顕微鏡40におけるアライメントマーク1aの見えのコントラストをフォーカスを振りながら計測し、そのうち一番高いところ、あるいはコントラストカーブの重心、スライス等で求める。そのベストピント面におけるθ−Zステージ22のZ位置をフォーカス計測系(31,32)でモニターする。このとき使用するフォーカス計測系は5個のフォーカス計測系中ショット中心を計測する図2の領域110を計測するものである。
【0029】
その後アライメント計測用の角ショット101,102,103,104中に配置されているアライメントマークの位置を位置合わせ顕微鏡40にてX,Y両方向に関し計測する。そしてこの各ショットにおける計測値に、後述する例えば(F1−F2−F3)×Kaをオフセットとしてアライメント計測値としている。
【0030】
アライメント計測の終了後、そのオフセットした各計測値は回線を通じコンピューター51に転送する。そこにおいて被計測のウエハにおけるショットの配列格子のウエハ倍率、直交度等を算出する。レチクル3面上の電子回路パターンをウエハ1に転写する際、算出されたウエハ倍率及び直交度とシフト成分に応じてウエハステージ21あるいはレチクルステージを駆動し、逐次露光を行っていく。
【0031】
尚、上記アライメントシーケンスはグローバルアライメントについて述べてきたが、本発明はそれに限定する必要はなく、例えばダイバイダイアライメントにおいても、その計測値にオフセット補正した値で各ショットを位置合せすることにより本発明の効果を適用できる。
【0032】
又、上記までのアライメント方式の説明にTTLオフアキスアライメント方式で説明を行ってきたが、本発明はそれに限定する必要はなく、例えばTTLオンアキスアライメント方式やNON−TTLオフアキスアライメント方式においても同じように効果を適用できる。
【0033】
次に本実施形態におけるアライメント方法の具体例について説明する。本実施形態においては、ウエハ1とレチクル3との相対的な位置合わせをウエハの位置検出によって行っている。このとき図6に示すように、事前にアライメント検出系40のデフォーカス特性とフォトレジスト表面42からアライメントマーク45の位置までの幾何光学的な距離情報F3を入力している。ここで距離情報F3はフォトレジスト表面42からアライメントマーク45に対向するフォトレジスト47の凹部42aまでの空気中の距離L1とフォトレジスト47の凹部42aからアライメントマーク45までの距離L2、フォトレジストの屈折率Nとしたとき、
F3=L1+L2/N
より求められるものである。
【0034】
そしてウエハアライメントの際に、フォトレジスト表面のフォーカス原点46に対する光軸の方向の位置情報F1を第1フォーカス検出系(31,32)で求め、アライメントマーク45のフォーカス原点46に対する光軸の方向の位置情報F2を第2フォーカス検出系40で計測し、その(F2−F1−F3)値にデフォーカス特性Kを掛けた値(F2−F1−F3)×Kをアライメントのオフセットとして使用している。
【0035】
まずデフォーカス特性の説明を行う。ここでデフォーカス特性とはアライメント検出系40においてウエハ1をアライメント検出系に対してフォーカス方向に所定量変化させた時に得られるアライメント計測値の変化量のことである。このデフォーカス特性を定量化するにアライメント検出系40の残存コマ収差も同時に表現するために2つの係数を用いている。今、この係数としてフォーカス方向のうちプラス方向の1ミクロン当たりの計測の変化率をKa、マイナス方向の1ミクロン当たりの計測の変化率をKbと定義する。
【0036】
図4に縦方向にフォーカス、横方向に変化量の計測値を示した。アライメント検出系の+方向へD+デフォーカスすると、計測値はΔ1、マイナス方向へD−デフォーカスすると計測値はΔ2だけ変化する。このときの変化率KaとKbは前述の定義から以下の式で表現できる。
【0037】
Ka=Δ1/D+
Kb=Δ2/D−
ここでデフォーカスさせても計測値が変化しないことがテレセントリックなアライメント検出系であるといえ、そのとき変化率KaとKbは零となる。この2つの係数(変化率)Ka,Kbを装置の駆動をコントロールするコンピュータ内に構成しておき、アライメント時に使用する。尚、これらの係数はショット内の座標、具体的には投影レンズに対する像高に応じて変化しうるので、テーブル化しておくことが良い。又このアライメント検出系40にコマ収差がなければ、係数KaとKbは等しい値となる。
【0038】
この係数Ka,Kbを算出する為に測定する為のデフォーカス量D+,D−は、デフォーカス変化に対する計測値の変化が精度的に許容できうる1次の線形変化の領域にすることが高精度化の為には必要である。もし1次の線形変化の領域以外でも検出する場合には、上記の3点で係数Ka,Kbを算出する代わりに3点以上の複数点で計測し、スプライン関数等で係数化するのが良い。
【0039】
次に露光の為のフォーカスとアライメントの為のフォーカスとフォトレジスト表面からアライメントマークまでの幾何光学的な距離F3について、図5,図6を使用して説明する。
【0040】
図5に示すようにウエハ1をレチクル3上のパターンを転写する為に、投影光学系2のウエハ1側のレチクル像面41に合わせる必要がある。この投影光学系2のフォーカスの原点46からレチクル像面41までのフォーカスの距離F1はパターンのないSiウエハ上にフォトレジストを塗布したものを使用して、第1フォーカス検出系(31,32)で事前に求めている。即ち、この計測のときにも第1フォーカス検出系31,32によりウエハ1のフォーカスを検出している。
【0041】
図6にウエハに設けたアライメントする場合のアライメントマーク45とフォトレジスト47の断面図を示す。現在使用しているフォトレジスト47の場合、フォトレジスト表面42が図5の投影光学系2のウエハ1側のレチクル像面41と一致する場合が露光の為のベストピント面となっている。このフォーカス値をフォーカスF1とする。露光の為にウエハ上面(=フォトレジスト表面42付近)のフォーカス位置を検出し、フォーカス原点46からウエハ上面までの距離がフォーカスF1となるよう露光時にウエハ1を光軸方向に駆動する。
【0042】
アライメントを行う場合には、アライメントマーク1aのベストピント面43を別の第2フォーカス検出系(例えばアライメント検出系40を使用して、その画像コントラスト値やパターンマッチングの割合を評価量とする検出系)で検出する。もしSiエッチングウエハのようにフォトレジストが塗布されていなくてアライメントマークの段差量が少ない場合には、アライメントマークのベストピント面までの距離F2がフォーカスF1と等しくなるように第2フォーカス検出系のピント調整を行う。もしこの追い込みに誤差がある(追い込めないとか)場合には、その量を計測し、コンピュータ上に入力しオフセットとして使用する。
【0043】
次に実際にアライメントを行いたいアライメントマークのフォーカス位置(マーク段差面)とフォトレジスト表面との幾何光学的な距離情報F3を各プロセスウエハ毎にコンピュータ入力し、アライメント時に使用する。この幾何光学的な距離情報F3は、図6に示したようにスクライブ内のアライメントマーク45からフォトレジスト表面42aまでの距離L2をフォトレジストのアライメント(中心)波長での屈折率Nで割った値とフォトレジスト表面42からアライメントマーク45に対向するフォトレジスト47の凹部42aまでの空気中の距離L1との和である。
【0044】
アライメントマークの位置を上部にするか下部にするかはアライメントしたい方を使用すれば良い(図6では中間となっている)。例えばF2−F1がプラスの場合には、アライメント計測結果に、
(F2−F3−F1)×Ka
の量だけオフセットとして補正してアライメントすることにより高精度の位置合わせを可能としている。
【0045】
アライメント検出系のピントと露光のピントの合わせは事前に調整されているか、その差分は分かっているものとしたが、これを求める為の使用ウエハとしてはSiウエハのλ/8程度(アライメントの使用波長をλとして)の低段差のウエハを使用すれば、段差以上のオフセットは発生しない。一方、露光のピントはフォトレジストを0.2μm程度の薄く塗布したウエハで計測することで、実際のピント面がフォトレジストの表面でも中でも誤差の範囲で無視できうる値となる。
【0046】
本実施形態では以上のように、アライメント終了後、そのオフセット処理した計測値の元にコンピュータ51により、被計測のウエハにおけるショットの配列格子のウエハ倍率、直交度等を算出している。そしてレチクル3面上の電子回路パターンをウエハ1に転写する際、算出されたウエハ倍率、直交度とシフト成分を考慮してウエハステージ21或いはレチクルステージを駆動して逐次露光を行っている。
【0047】
次に上記説明した投影露光装置を利用した半導体デバイスの製造方法の実施形態を説明する。
【0048】
図7は半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、或いは液晶パネルやCCD等)の製造のフローを示す。
【0049】
ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、前記用意したマスクとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。
【0050】
次のステップ5(組立)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0051】
図8は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。
【0052】
ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では前記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。
【0053】
ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングがすんで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0054】
本実施形態の製造方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを容易に製造することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば以上のように各要素を設定することにより、プロセスウエハ面の局所的な形状変化又は/及びデフォーカス特性の悪影響を受けることなくアライメントマークを適切に検出し、レチクルとウエハとを高精度に位置合わせをすることのできる位置合わせ装置及びそれを用いたデバイスの製造方法を達成することができる。
【0056】
特に、本発明によればアライメント検出系の構成を該アライメント検出系のコマ収差をなくしたり、照明系の均一性を良くする為に複雑な構成やコスト高にすることなく、アライメントフォーカスの実際のアライメントマークの高さよりずれて計測した分にデフォーカス特性分掛けた量発生するオフセットを発生させることなく高精度にウエハの位置合わせを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の要部概略図
【図2】 図1の一部分の説明図
【図3】 図1の一部分の説明図
【図4】 ディフォーカス特性の説明図
【図5】 露光ピント面とアライメントピント面の説明図
【図6】 フォトレジストとアライメントマークまでの距離の説明図
【図7】 本発明のデバイス製造方法のフローチャート
【図8】 本発明のデバイス製造方法のフローチャート
【図9】 アライメントフォーカスの評価値がダブルピークになった場合の説明図
【図10】 アライメントフォーカスの評価値がダブルピークになった場合の説明図
【符号の説明】
1 ウエハ
2 縮小投影光学系
3 レチクル
4 照明光学系
5,8 ミラー
6 補正光学系
7 ビームスプリッタ
9 リレーレンズ
10 CCDカメラ
11 光源及に照明光学系
21 ウエハチャック
22 θ−Zステージ
23 チルトステージ
24 XYステージ
25 バーミラー
26 レーザー干渉計
31 フォーカス計測系(投光系)
32 フォーカス計測系(検出系)
40 位置合わせ顕微鏡(アライメント検出系)
41 露光ピント面
42 フォトレジスト表面
43 実素子ウエハでのアライメントピント面
51 コンピュータ
Claims (5)
- 第1物体のパターンの像をレジストが塗布された第2物体に投影する投影光学系を備える投影露光装置において、
前記第2物体に形成されたアライメントマークの前記投影光学系の光軸と垂直な方向の位置を検出するアライメント検出系を有し、
前記アライメント検出系のピント位置と前記投影光学系に対する前記第1物体の像面位置との位置関係は既知であり、
第1フォーカス検出系で得られる、前記投影光学系に対する前記第1物体の像面位置に配置された前記レジストの表面のフォーカス原点に対する前記光軸の方向の位置情報F1、
前記アライメント検出系で得られる、前記アライメント検出系のピント位置に配置された前記アライメントマークのフォーカス原点に対する前記光軸の方向の位置情報F2、
入力手段から入力される前記レジストの表面と前記アライメントマークとの距離に基づく距離情報F3、
そして、前記アライメントマークが前記光軸の方向に移動したときに前記アライメント検出系で得られる前記光軸の方向と垂直な方向の位置情報の変化率Kより、
前記アライメント検出系により検出された前記光軸の方向と垂直な方向の前記アライメントマークの位置の検出結果に対するオフセット量(F2−F1−F3)×Kを求め、該オフセット量を用いて前記検出結果を補正することを特徴とする投影露光装置。 - 前記変化率は前記アライメントマークを前記光軸の方向に前記投影光学系に対して近づける方向と遠ざける方向に移動させたときでは異なった値となっていることを特徴とする請求項1の投影露光装置。
- 前記距離情報F3は前記レジストの表面から前記アライメントマークに対向する前記レジストの凹部までの空気中の距離と前記レジストの凹部から前記アライメントマークまでの距離を前記レジストの屈折率で割った値との和であることを特徴とする請求項1又は2の投影露光装置。
- 前記第1フォーカス検出系は前記レジストの表面に斜方向から光束を投射する投光系と前記レジストの表面からの反射光を受光する受光系とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の投影露光装置。
- 請求項1〜4のいずれか一項記載の投影露光装置を用いてレチクルのパターンでウエハを露光した後、該ウエハを現像してデバイスを製造することを特徴とするデバイスの製造方法。
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