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JP3750552B2 - ガラス繊維巻糸体の製造方法およびガラス繊維織物の製造方法 - Google Patents

ガラス繊維巻糸体の製造方法およびガラス繊維織物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス繊維巻糸体の製造方法およびガラス繊維織物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス繊維織物は、一般に、溶融ガラスを延伸して得られたガラス繊維フィラメントを複数本集束したガラス繊維束をエアージェット織機等により製織することにより製造される。ガラス繊維フィラメントからガラス繊維束を得る場合においては、ガラス繊維フィラメントに集束剤を塗布して複数のフィラメントを束ねる。集束剤としては、皮膜形成剤(澱粉等)や潤滑剤等を水に溶解または分散させたものが一般に用いられており、集束剤でガラス繊維を被覆することにより、ガラス繊維織物製造工程における摩擦に起因するソゲや毛羽立ちを低減させることができる。しかしながら、製織後、ガラス繊維織物を例えば強化樹脂の補強材として用いられる時には、集束剤の存在は却って補強材としての性能を損なう場合があるため、高温(例えば350〜450℃)で焼却することにより集束剤を除去する(これを一般に「脱油」と呼ぶ)。
【0003】
したがって、集束剤には、ガラス繊維を束ねる能力(集束性)や、ソゲや毛羽立ちの防止性能(被膜性)、脱油により燃え残りなく燃焼する性質(脱油性)が要求され、この要求に応えることのできる集束剤の配合が様々研究なされてきた(例えば、特開平8−104548号公報、特開2000−191341号公報)。
【0004】
ところで、集束剤が塗布されたガラス繊維束は、通常、製織に先立って2度巻き取られる。すなわち、集束剤が塗布されたガラス繊維束を、巻取りコレットに装着された巻取りチューブの周囲に綾振り装置により巻き取って巻糸体(これを一般に「ケーキ」と呼ぶ。)とし、次いで、このケーキからガラス繊維束を解舒して撚りをかけながらボビンへ巻き返して新たな巻糸体とする(撚りをかけられたガラス繊維束を一般に「ツイステッドヤーン」と呼ぶ。)。そして、この巻糸体を製織機にかけガラス繊維織物を得る。ボビンへ巻き返す前のケーキの状態では、ガラス繊維束に塗布された集束剤には通常揮発成分(水等)が残存しているが、この多くはボビンへの巻き返し時に揮発し、巻き返し終了後、風乾されることによりさらに揮発が進んで、集束剤の不揮発成分からなる皮膜がガラス繊維束表面に形成される。
【0005】
ケーキとしては、従来より図4の正面図(a)および側面図(b)に示されるような形状を有したものが用いられている。すなわち、巻取りチューブ11の長手方向の中央部分ではガラス繊維束の巻き量が多く、両末端側では巻き量が少く、全体として樽状の形状(以下「ダブルテーパー状」という。)を有したガラス繊維巻糸体12が用いられている。
【0006】
ところが、近年、ボビンへ巻き返しを行わず、撚りをかけていないガラス繊維束(これを一般に「ノンツイステッドヤーン」と呼ぶ。)を用いて製織することが行われるようになっており、この製織法においては別形状に巻き取ったケーキが用いられる。すなわち、図3の正面図(a)および側面図(b)に示されるように、集束剤が塗布されたガラス繊維束を、巻取りチューブ11の周囲に等しい巻き量で巻き取って、全体として円筒状(以下「スクエアエンド状」という。)としたガラス繊維巻糸体12が用いられる。スクエアエンド状のケーキは、巻き返しを行わないためケーキの形状のまま熱風乾燥(110〜130℃、40時間程度)して集束剤の揮発成分を除去し乾燥させる。
【0007】
しかしながら、このようにスクエアエンド状のケーキをそのまま乾燥を行うと、乾燥が進むにしたがって水分が巻糸体の内側から外側へ向けて拡散するために、それにともなってガラス繊維束上の集束剤が内側から外側へと移行し、乾燥後の巻糸体においては、両端面と外周付近において特に集束剤の付着量が多くなる。このため、巻糸体を解舒して得られたガラス繊維束には集束剤の付着量が多い箇所や少ない箇所が生じる。
【0008】
したがって、エアージェット織機を用いて、このようなガラス繊維束を製織した場合に飛走性が悪化し、ソゲや毛羽立ちが発生するという問題があった。
【0009】
巻糸体の最外周部分のみ多くの集束剤量が存在するのであれば、最外周部分を廃棄し、残りのガラス繊維束を製織することにより、飛走性の悪化や、ソゲ及び毛羽立ちの発生をある程度防止することができるものの、スクエアエンド状のケーキでは移行による集束剤が端面にも多く存在し、端面に該当する部分だけガラス繊維束を廃棄することは事実上不可能なため、廃棄による対応をとることができないという不都合もあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、スクエアエンド状のガラス繊維巻糸体(ケーキ)の製造方法であって、乾燥時における集束剤の移行を充分に低減することが可能な方法、更にガラス繊維織物の製造方法であって、エアージェット織機を用いた場合に飛走性に優れ、ソゲや毛羽立ちを充分に低減することのできる方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有したガラス繊維用集束剤を用い、特定の工程を経てスクエアエンド状のガラス繊維巻糸体を製造することにより、乾燥時におけるガラス繊維用集束剤の移行を充分に低減することが可能であることを見出した。また、かかる方法で得られた巻糸体を用いてガラス繊維織物を製造することにより、エアージェット織機を用いた場合に飛走性に優れ、ソゲや毛羽立ちを充分に低減することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち、本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法は、(1)溶融ガラスを延伸して複数のガラス繊維フィラメントを得るフィラメント形成工程と、(2)前記複数のガラス繊維フィラメントにガラス繊維用集束剤を塗布する塗布工程と、(3)前記塗布工程で得られた複数のガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維束を得る集束工程と、(4)前記ガラス繊維束を加撚することなく巻取りチューブにスクエアエンド状に巻き取って巻糸体を得る巻取り工程と、(5)前記巻糸体を乾燥することにより前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたガラス繊維束の巻糸体を得る乾燥工程とを含む方法であって、前記ガラス繊維用集束剤は、澱粉と硫酸アンモニウム系化合物と潤滑剤と乳化剤と水とを含む集束剤であり、前記潤滑剤がゴマ油を含むものであり、該ゴマ油の重量が、前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、3〜15重量%であることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明のガラス繊維織物の製造方法は、前記ガラス繊維巻糸体の製造方法における乾燥工程の後に、(6)該乾燥工程で得られた巻糸体からガラス繊維束を解舒して製織し、前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分を有するガラス繊維織物を得る製織工程と、(7)前記製織工程で得られたガラス繊維織物を加熱することにより前記不揮発成分を除去する脱油工程とを実施することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法は、上述したように、フィラメント形成工程と、塗布工程と、集束工程と、巻取り工程と、乾燥工程とを含むものであり、かかる工程のうち、フィラメント形成工程から巻取り工程までは、例えば、図1および図2に示す装置により実施することが可能である。
【0015】
先ず、図1および図2に示す装置について説明する。図1は本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法の実施に好適な装置の正面図であり、図2は該装置の側面図である。図1および図2に示される装置は、ガラスを溶融するための溶融槽1と、溶融槽1の底面に備えられ溶融ガラスを引き出すための孔を多数有したブッシング2と、ガラス繊維用集束剤4を貯蔵するための集束剤貯蔵槽5と、集束剤貯蔵槽5中のガラス繊維用集束剤4をブッシング2から引き出されたガラス繊維フィラメント3に塗布するための集束剤塗布装置6と、ガラス繊維用集束剤4が塗布されたガラス繊維フィラメント3を束ねて(集束して)ガラス繊維束8を得るための集束器7と、得られたガラス繊維束8を一定振幅で振らせるチップ13を有した綾振り装置9と、綾振り装置9により綾振られたガラス繊維束8を巻き取る巻取りチューブ11を装着するための巻取りコレット10と、を有している。
【0016】
かかる装置を用いて、巻取りチューブ11の周囲にガラス繊維束8がスクエアエンド状に巻き取られたガラス繊維巻糸体12(乾燥工程で乾燥すべきガラス繊維巻糸体)を得ることが可能である。
【0017】
本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法におけるフィラメント形成工程においては、ガラスを溶融して得られた溶融ガラスを延伸して複数のガラス繊維フィラメントを得る。溶融させるガラスとしては、Eガラス、Sガラス、Cガラス等公知のガラスが例示でき、溶融状態のガラスを引き伸ばすことによりガラス繊維フィラメントが得られる。図1および2に示された装置を用いる場合においては、ガラスを溶融槽1中で溶融状態で保持し、ブッシング2から引き出すことでガラス繊維フィラメントを得ることができる。ガラスの溶融温度は1000℃以上とすることが通常であるが、1000ポイズ温度(溶融粘度が1000ポイズとなる温度)とすることが紡糸性の観点から好ましい。また、ブッシング2からは、数百〜数千のガラス繊維フィラメントを一度に引き出すことが好ましく、引き出されたガラス繊維フィラメントを、巻取りスピードを変化させることにより、また、集束器7と綾振り装置9の間に設置することの可能なテンション緩化装置(図示せず)を駆動させることにより、適度なテンションで延伸することが好ましい。かかる延伸により、ガラス繊維フィラメントの繊維径を、例えば、3〜23μmとすることができる。なお、ブッシング2から引き出されたガラス繊維フィラメントは、次工程に移る前に、水噴霧等により冷却してもよい。
【0018】
塗布工程においては、フィラメント形成工程で得られた複数のガラス繊維フィラメントにガラス繊維用集束剤を塗布し、ガラス繊維用集束剤が塗布された複数のガラス繊維フィラメントを得る。本工程においては、澱粉と硫酸アンモニウム系化合物と潤滑剤と乳化剤と水とを含むガラス繊維用集束剤を用いるが、かかるガラス繊維用集束剤については後述する。ガラス繊維用集束剤は、ローラー型またはベルト型のアプリケータ(集束剤塗布装置)等により塗布が可能である。図1および2に示された装置を用いる場合においては、ガラス繊維用集束剤を集束剤貯蔵槽5に貯えておき、集束剤塗布装置6を用いて塗布することが可能である。ガラス繊維用集束剤の塗布量(不揮発成分)は、ガラス繊維フィラメント100重量部に対して、0.2〜10重量部が好ましく、0.5〜4重量部がより好ましい。
【0019】
集束工程においては、塗布工程で得られた複数のガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維束を得る。集束するガラス繊維フィラメントの数は、例えば、50〜800本とすることができる。集束の方法は特に制限されず、図1および2に示された装置においては、複数のガラス繊維フィラメントを束ねる機能を有する集束器7が用いられる。
【0020】
巻取り工程においては、集束工程で得られたガラス繊維束を加撚することなく巻取りチューブにスクエアエンド状に巻き取って巻糸体を得る。ここで、加撚とはガラス繊維を撚ることをいい、本発明においては加撚を施さないためノンツイステッドヤーンが得られる。スクエアエンド状に巻き取られた巻糸体(図3参照)は、例えば、図1および2に示された装置を用いて得ることができる。すなわち、綾振り装置9におけるチップ13を一定振幅で振らせることにより、巻取りコレット10に装着した巻取りチューブ11に等しい巻量でガラス繊維束を巻き取ることができる。巻取りチューブ11としては、外径15〜40cm、長さ10〜60cmの紙またはプラスチック製の円筒状チューブが通常用いられ、かかる巻取りチューブ11の周囲に、ガラス繊維束を10〜200km巻き付けることが一般的である。
【0021】
巻取り工程で得られた巻糸体(以下「乾燥前ガラス繊維巻糸体」という。)におけるガラス繊維用集束剤の乾燥を進めるために、乾燥前ガラス繊維巻糸体を乾燥させ、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたガラス繊維束の巻糸体(以下「乾燥後ガラス繊維巻糸体」という。)を得る。乾燥前ガラス繊維巻糸体の乾燥温度は特に制限されないが、室温〜150℃とすることが好ましく、110〜130℃で熱風乾燥させることがより好ましい。なお、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分は連続皮膜である必要はない。
【0022】
本発明においては、塗布工程において、澱粉と硫酸アンモニウム系化合物と潤滑剤と乳化剤と水とを含むガラス繊維用集束剤を用いることを特徴としている。かかる組成のガラス繊維用集束剤を用いることにより、乾燥前ガラス繊維巻糸体を乾燥する場合におけるガラス繊維用集束剤の移行を充分に低減することが可能となり、得られた乾燥後ガラス繊維巻糸体から解舒されたガラス繊維束は、エアージェット織機を用いて製織した場合に飛走性に優れ、ソゲや毛羽立ちが充分に低減される。かかる特性が得られる理由は必ずしも明らかではないが、必須成分である、澱粉、硫酸アンモニウム系化合物、潤滑剤および乳化剤の相互作用によるものと推測され、特に、澱粉および硫酸アンモニウム系化合物とが組み合わされたことによる相乗効果が大きく寄与しているものと考えられる。
【0023】
ガラス繊維用集束剤の澱粉成分としては、コーン澱粉(コーンスターチ)、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、ハイアミロースコーン澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等がいずれも使用可能である。また、馬鈴薯澱粉のアミロース抽出物や、酵素により合成された特殊な澱粉も使用することができる。これらの澱粉は、エーテル化、エステル化、グラフト化、架橋等の加工が施されたものであってもよい。
【0024】
エーテル化された澱粉としては、カルボキシメチルエーテル化澱粉、ヒドロキシアルキルエーテル化澱粉、アルキルエーテル化澱粉、ベンジルエーテル化澱粉、カチオンエーテル化澱粉等が挙げられる。エステル化された澱粉としては、酢酸エステル化澱粉、燐酸エステル化澱粉、硫酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、キサントゲン酸エステル化澱粉等が挙げられる。このエーテル化およびエステル化のいずれにおいても、澱粉の置換度には特に制限はない。
【0025】
グラフト化された澱粉としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、スチレン、マレイン酸等の不飽和二重結合を有するモノマーの少なくとも1種を澱粉にグラフト重合させたものが挙げられる。
【0026】
澱粉としては、さらに、未加工の澱粉に対して架橋を導入したもの、または上記のエーテル化、エステル化、グラフト化が施された澱粉に対して架橋を導入したものを挙げることができる。架橋を導入する場合においては、澱粉中の水酸基に反応性の官能基を2以上有する化合物や、澱粉中の水酸基との反応により水酸基反応性の官能基を新たに生じるような化合物が架橋剤として用いられる。このような架橋剤としては、エピクロルヒドリン、ホルムアルデヒド、ジエポキシド化合物、ジアルデヒド化合物等を挙げることができる。
【0027】
本発明において用いられる澱粉におけるアミロース成分の量およびアミロペクチン成分の量は、特に制限されない。アミロース成分が50重量%未満の通常型澱粉(典型的にはアミロース成分を約30重量%、アミロペクチン成分を約70重量%含む)、および、アミロース成分を50重量%以上含むハイアミロース型澱粉(典型的にはアミロース成分を約70重量%、アミロペクチン成分を約30重量%含む)のいずれも使用可能である。通常型澱粉を含有するガラス繊維用集束剤は接着性に優れ、ハイアミロース型澱粉を含有する澱粉は皮膜形成性に優れると一般的にいわれている。本発明においては、用いる澱粉の少なくとも一部は、ハイアミロース型澱粉であることが好ましく、通常型澱粉とハイアミロース型澱粉を組み合わせて使用することがより好ましい。
【0028】
本発明においては、澱粉の重量は、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として30〜65重量%であることが好ましく、40〜60重量%であることがより好ましい。なお、本発明において不揮発成分とは、ガラス繊維用集束剤を120℃で乾燥したときに揮発しない成分をいう。
【0029】
ガラス繊維用集束剤の潤滑剤成分としては、変性シリコーンオイル、動植物油に水素添加した硬化油、高級飽和脂肪酸と高級飽和アルコールの縮合物等の合成油等を用いることができ、具体的には、牛脂油、ゴマ油、パラフィンワックスが例示可能である。ガラス繊維用集束剤における潤滑剤は、ガラス繊維束に滑りを与え、機械上での摩擦を減少させガラス繊維を保護する機能を有する。本発明においては、潤滑剤の重量は、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、20〜50重量%であることが好ましく、25〜45重量%であることがより好ましい。また、潤滑剤がゴマ油を含むものであり、該ゴマ油の重量が、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、3〜15重量%であることが好ましい。潤滑剤成分の一部としてゴマ油を使用することにより、ガラス繊維束が柔軟になり、より一層毛羽やソゲの発生を抑制し、飛走性を向上することができる。
【0030】
ガラス繊維用集束剤の乳化剤成分としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンポリアルキルエーテル等のノニオン性界面活性剤等を用いることができる。ガラス繊維用集束剤における乳化剤は、上記潤滑剤やその他のガラス繊維用集束剤の構成成分を分散・乳化する機能を有する。本発明においては、乳化剤の重量は、潤滑剤100重量部に対して10〜40重量部であることが好ましく、20〜30重量部であることがより好ましい。
【0031】
本発明のガラス繊維用集束剤は硫酸アンモニウム系化合物を含有するが、本発明において硫酸アンモニウム系化合物とは、下記一般式(1)で示される化合物をいう。
1−O−SO2−O−R2 …(1)
【0032】
式中、R1はアンモニウムまたは置換アンモニウムであり、R2はアンモニウム、置換アンモニウム、または1価有機基である。R1、R2における置換アンモニウムは、水素原子の少なくとも1つが1価の基で置換されたアンモニウムを意味し、具体的には、トリエチルアンモニウム、オクチルトリエチルアンモニウム、オレイルアミドプロピルジメチルアンモニウム、ステアリルジアセチルメチルアンモニウム等を例示することができる。R2における1価有機基としては、アリキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基などを例示することができる。
【0033】
硫酸アンモニウム系化合物の具体例としては、硫酸トリメチルアンモニウム、硫酸トリエチルアンモニウム、硫酸トリブチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウムエトサルフェート、ラウリルアミドプロピルトリエチルアンモニウムメトサルフェート、ステアリルアミドジヒドロオキシエチルメチルアンモニウムメトサルフェート、ステアリルジアセチルメチルアンモニウムメトサルフェート等が挙げられる。
【0034】
本発明における硫酸アンモニウム系化合物は、酸素含有量が5〜40重量%の硫酸アンモニウム系化合物であることが好ましい。また、本発明においては、硫酸アンモニウム系化合物の重量は、潤滑剤100重量部に対して3〜30重量部であることが好ましく、3〜20重量部であることがより好ましい。
【0035】
ガラス繊維用集束剤は上記成分の他、水を必須成分とするが、さらに柔軟剤、防腐剤等を含んでいてもよい。柔軟剤としては、ガラス繊維表面に選択的に吸着し、ある程度の潤滑性を示す材料を用いることが好ましい。かかる柔軟剤としては、テトラエチレンペンタミンとステアリン酸の縮合物に酢酸を加えpHを4.5〜5.5に調整した調整物(以下、該調整物における固形分を「TEPA/SA」と記す。)が挙げられる。TEPA/SAにおけるテトラエチレンペンタミンとステアリン酸の反応比率はモル比として、前者/後者=1/1〜1/2が一般的である。ガラス繊維用集束剤における柔軟剤は、ガラス繊維束に柔軟性を付与し、ガラス繊維束中のフィラメント同士の摩擦を減少させる働きを有する。
【0036】
防腐剤は、澱粉等の黴や細菌等により分解を受けやすい成分を保護できるものであればよく、その種類は特に制限されない。好適な防腐剤としては、ホルムアルデヒドを挙げることができる。
【0037】
本発明におけるガラス繊維用集束剤が、必須成分である澱粉、硫酸アンモニウム系化合物、潤滑剤、乳化剤および水のみからなる場合は、ガラス繊維用集束剤の全重量を基準として、澱粉の含有量を2〜5重量%、硫酸アンモニウム系化合物の含有量を0.1〜0.5重量%、潤滑剤の含有量を1.5〜3.5重量%、乳化剤の含有量を0.2〜1.0重量%、残余は水とすることが好ましい。
【0038】
本発明におけるガラス繊維用集束剤の製造方法は特に制限されず、例えば、澱粉を水に分散させた後、90〜98℃に加熱し糊化させ、これに、硫酸アンモニウム系化合物の水溶液(または水分散物)、潤滑剤と乳化剤とを含む水分散物(または水溶液)を添加する方法が採用可能である。上記必須成分以外の柔軟剤や防腐剤等を添加する場合も、これらを単独で、または水溶液(または水分散物)として、糊化した澱粉溶液に加えればよい。
【0039】
次に、本発明のガラス繊維織物の製造方法について説明する。
本発明のガラス繊維織物の製造方法は、上述したガラス繊維巻糸体の製造方法における乾燥工程の後に、該乾燥工程で得られた巻糸体からガラス繊維束を解舒して製織し、前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分を有するガラス繊維織物を得る製織工程と、前記製織工程で得られたガラス繊維織物を加熱することにより前記不揮発成分を除去する脱油工程とを実施することを特徴とするものである。
【0040】
製織工程における製織方法としては、別途作製したツイステッドヤーンまたはノンツイステッドヤーンを整経機により整経して得られた経糸に、乾燥後ガラス繊維巻糸体から解舒されたガラス繊維束を緯糸として通すことにより製織する方法が挙げられる。この場合においてエアージェット織機を用いることが好ましい。製織工程においては、本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法により得られたガラス繊維巻糸体(乾燥後ガラス繊維巻糸体)を用いるために、エアージェット織機による飛走性が特に優れ、ソゲや毛羽立ちが充分に低減される
【0041】
脱油工程においては、製織工程において得られた、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分を有するガラス繊維織物から該不揮発成分を加熱により除去する。この場合の加熱温度は、350〜450℃とすることが好ましい。
【0042】
本発明においては、上記脱油工程において得られたガラス繊維織物にシランカップリング剤を付着させるシランカップリング剤付着工程を更に実施してもよい。かかる工程においては、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分が除去されたガラス繊維織物に、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン等のエポシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン等のシランカップリング剤を付着させることが好ましい。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0044】
ガラス繊維用集束剤の製造
(実施例1)
エーテル化ハイアミロースコーンスターチ1.62kg及びエーテル化コーンスターチ1.62kgに70kgの水を加え分散させた。これを加熱昇温し95℃で30分間糊化した後、65℃まで冷却した(得られた液をA液とする)。これとは別に、あらかじめ加熱溶解しておいた牛脂油1.76kg、ゴマ油0.88kg、ポリエチレンポリプロピレンエーテル(HLB=16、以下「PO/EO」と略す。)110g及びポリオキシエチレンラウリルステアレート(HLB=9)490gに熱湯を加えながらミキサーで攪拌した。攪拌を5分間継続した後に熱湯で希釈し総重量を5kgとした(得られた液をB液とする)。
また、TEPA/ST(テトラエチレンペンタミンとステアリン酸とのモル比:前者/後者=1/2)33gに熱湯を加えて総重量を2kgとした(得られた液をC液とする)。更に、オクチルトリメチルアンモニウムエトサルフェート150gを温水300gに溶解し(得られた液をD液とする)、ホルマリン液(ホルムアルデヒド30重量%水溶液)100gを水で10倍に希釈した(得られた液をE液とする)。
次いで、65℃のA液に、B液、C液、D液及びE液を順次全量添加した後、総重量100kgになるように湯を加えて、60℃で保温し、ガラス繊維用集束剤を得た。
【0045】
参考例2)
ゴマ油を用いず、牛脂油の重量を2.64kgとした他は実施例1と同様にして、ガラス繊維用集束剤を得た。
参考例3)
オクチルトリメチルアンモニウムエトサルフェートの重量を100gとした他は参考例2と同様にしてガラス繊維用集束剤を得た。
参考例4)
オクチルトリメチルアンモニウムエトサルフェートの重量を500gとした他は参考例2と同様にしてガラス繊維用集束剤を得た。
【0046】
参考例5)
エーテル化ハイアミロースコーンスターチの重量を2.03kg、エーテル化コーンスターチの重量を2.03kg、牛脂油の重量を1.97kg、PO/EOの重量を80g、ポリオキシエチレンラウリルステアレートの重量を370gとした他は参考例2と同様にしてガラス繊維用集束剤を得た。
(比較例1)
D液を用いなかった他は参考例2と同様にしてガラス繊維用集束剤を得た。
【0047】
実施例1,参考例2〜5及び比較例1の組成(重量%)と、該実施例、参考例及び比較例における不揮発成分の全重量を基準とした澱粉の重量%(以下「澱粉/不揮発成分」と記す。)、不揮発成分の全重量を基準とした潤滑剤の重量%(以下「潤滑剤/不揮発成分」と記す。)、潤滑剤100重量部に対する硫酸アンモニウム系化合物の重量部(以下「硫酸アンモニウム系化合物/潤滑剤」と記す。)、潤滑剤100重量部に対する乳化剤の重量部(以下「乳化剤/潤滑剤」と記す。)を表1に示す。
【表1】
Figure 0003750552
【0048】
ガラス繊維束及びガラス繊維巻糸体の製造
(実施例6,参考例7〜10及び比較例2)
図1および図2に示す装置と同様の装置を用いて、Eガラスのガラス繊維フィラメント(フィラメント径9μm)に、実施例1,参考例2〜5及び比較例1で得られたガラス繊維用集束剤それぞれを塗布し400本集束して、外径8.5cm、長さ45cmの巻取りチューブにスクエアエンド状に100km巻き取った。これにより、ガラス繊維束(ガラス繊維ストランド)が巻き取られた巻糸体(乾燥前ガラス繊維巻糸体)を得た。この巻糸体を120℃で25時間乾燥させ、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたガラス繊維束のガラス繊維巻糸体(乾燥後ガラス繊維巻糸体)を得た。なお、乾燥後ガラス繊維巻糸体におけるガラス繊維用集束剤の不揮発成分の付着量は、ガラス繊維フィラメント100重量部に対して、1.0重量部であった。また、実施例1,参考例2〜5及び比較例1で得られたガラス繊維用集束剤を用いたものが、それぞれ実施例6,参考例7〜10及び比較例2に該当する。
【0049】
ガラス繊維織物の製造
(実施例11,参考例12〜15及び比較例3)
実施例6,参考例7〜10及び比較例2で得られた乾燥後ガラス繊維巻糸体から解舒したガラス繊維束に以下の表2に示す組成のサイズ剤を塗布した後、揮発成分を除去させた(乾燥後のガラス繊維束100重量部に対するサイズ剤の被覆量は不揮発分として1.0重量部)。このガラス繊維束を経糸として用い、実施例6,参考例7〜10及び比較例2で得られた乾燥後ガラス繊維巻糸体から解舒したガラス繊維束を緯糸として用い、高速エアージェット織機(津田駒工業社製、ZA)にて製織を行い、IPCスペック7628タイプのガラス繊維織物を得た。なお、実施例1,参考例2〜5及び比較例1のガラス繊維用集束剤が塗布された経糸に対して、それぞれ実施例1,参考例2〜5及び比較例1のガラス繊維用集束剤が塗布された緯糸を用いた。そして、実施例1,参考例2〜5及び比較例1のガラス繊維用集束剤塗布された経糸及び緯糸を用いたものが、それぞれ実施例11,参考例12〜15及び比較例3に該当する。
【0050】
【表2】
Figure 0003750552
【0051】
ガラス繊維束及びガラス繊維織物の評価
(ガラス繊維用集束剤の移行性)
実施例6,参考例7〜10及び比較例2において、乾燥前ガラス繊維巻糸体を120℃で25時間乾燥させたときのガラス繊維用集束剤の移行性を以下のように評価した。
すなわち、乾燥後ガラス繊維巻糸体の巻き終り(末端)から長さ500mのガラス繊維束(以下「ガラス繊維束1」という。)を採取し、更に、巻き終りから5km〜5.5kmの長さ500mのガラス繊維束(以下「ガラス繊維束2」という。)を採取した。これらのガラス繊維束を625℃で30分加熱しガラス繊維用集束剤の不揮発成分の付着量を求めた。そして、ガラス繊維束1における不揮発成分の付着量(Xとする。)を基準とした、ガラス繊維束2における不揮発性成分の付着量(Yとする。)の増減の割合(100×(X−Y)/X)を求めた。そして、増減の割合が±25%である場合は、ガラス繊維用集束剤の移行が問題のないレベルであると判断した(評価:◎)。一方、増減の割合が±25%の範囲内にない場合はガラス繊維用集束剤の移行が生じたと判断した(評価:×)。
【0052】
(ガラス繊維束の毛羽立ちの評価)
実施例6,参考例7〜10及び比較例2で得られた乾燥後ガラス繊維巻糸体から解舒したガラス繊維束を、20gの錘を載せたワッシャーコンペンに通し、発生した毛羽をシキボウ社製毛羽カウンター機で測定し、以下の表3に示す基準で評価した。
【0053】
【表3】
Figure 0003750552
【0054】
(ガラス繊維束の飛走性の評価)
実施例6,参考例7〜10及び比較例2で得られた乾燥後ガラス繊維巻糸体のガラス繊維束を、高速エアージェット織機(津田駒工業社製、ZA)のエアーノズルを1.5kg/cm2の圧力にして4分間吹出させ、吹出されたガラス繊維束の重量(吹出し量)を測定し、以下の表4に示す基準で評価した。なお、飛走性は吹出し量が多いほど優れる。
【0055】
【表4】
Figure 0003750552
【0056】
(製織性の評価)
実施例11,参考例12〜15及び比較例3の方法でガラス繊維織物を100m作製し、織長50cmあたりに発生した毛羽(又はソゲ)による突起物発生数を測定し、以下の表5に示す基準で評価した。
【0057】
【表5】
Figure 0003750552
【0058】
上記評価の結果をまとめて以下の表6に示す。なお、結果は塗布されたガラス繊維用集束剤の種類に基づいて表した(実施例1,参考例2〜5及び比較例1と表記した)。
【0059】
【表6】
Figure 0003750552
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法によれば、乾燥時におけるガラス繊維用集束剤の移行を充分に低減することが可能となり、更に本発明のガラス繊維織物の製造方法によれば、エアージェット織機を用いた場合に飛走性に優れ、ソゲや毛羽立ちを充分に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法の実施に好適な装置の正面図である。
【図2】本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法の実施に好適な装置の側面図である。
【図3】(a)は本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法により得られるガラス繊維巻糸体の正面図であり、(b)は該巻糸体の側面図である。
【図4】(a)は従来技術によるガラス繊維巻糸体の正面図であり、(b)は該巻糸体の側面図である。
【符号の説明】
1…溶融槽、2…ブッシング、3…ガラス繊維フィラメント、4…ガラス繊維用集束剤、5…集束剤貯蔵槽、6…集束剤塗布装置、7…集束器、8…ガラス繊維束、9…綾振り装置、10…巻取りコレット、11…巻取りチューブ、12…ガラス繊維巻糸体、13…チップ。

Claims (6)

  1. 溶融ガラスを延伸して複数のガラス繊維フィラメントを得るフィラメント形成工程と、
    前記複数のガラス繊維フィラメントにガラス繊維用集束剤を塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程で得られた複数のガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維束を得る集束工程と、
    前記ガラス繊維束を加撚することなく巻取りチューブにスクエアエンド状に巻き取って巻糸体を得る巻取り工程と、
    前記巻糸体を乾燥することにより前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたガラス繊維束の巻糸体を得る乾燥工程とを含むガラス繊維巻糸体の製造方法であって、
    前記ガラス繊維用集束剤は、澱粉と硫酸アンモニウム系化合物と潤滑剤と乳化剤と水とを含む集束剤であり、
    前記潤滑剤がゴマ油を含むものであり、該ゴマ油の重量が、前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、3〜15重量%であることを特徴とする方法。
  2. 前記澱粉の重量が、前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、30〜65重量%であることを特徴とする請求項1記載のガラス繊維巻糸体の製造方法。
  3. 前記潤滑剤の重量が、前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、20〜50重量%であることを特徴とする請求項1または2記載のガラス繊維巻糸体の製造方法。
  4. 前記硫酸アンモニウム系化合物の重量が、前記潤滑剤100重量部に対して3〜30重量部であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス繊維巻糸体の製造方法。
  5. 前記硫酸アンモニウム系化合物が、酸素含有量が5〜40重量%の硫酸アンモニウム系化合物であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス繊維巻糸体の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス繊維巻糸体の製造方法における乾燥工程の後に、
    該乾燥工程で得られた巻糸体からガラス繊維束を解舒して製織し、前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分を有するガラス繊維織物を得る製織工程と、
    前記製織工程で得られたガラス繊維織物を加熱することにより前記不揮発成分を除去する脱油工程と、を実施することを特徴とするガラス繊維織物の製造方法。
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