
一体何杯飲んだんだっけ?
厳選された銘酒の数々が飲み放題。その中には、ぼくが大好きな「伯楽星」や「寒北斗」もある。どれも、スッキリしていて飲みやすく、どんな料理にも合うものばかり。
いや、違う。日本酒を楽しめるよう、料理を合わせてきているのだ。いつまでも食べていたい鮑の塩辛に始まり。コリコリになるまで塩で揉んだイカゲソ、秋刀魚の炙りにはカボスと和芥子。目の前でゆで卵を向いて、その場で作ったタルタルソースを鰆のカツと一緒にいただく。いぶりがっこを混ぜ込んだ鯛のなめろう。どれも感動的な味だった。
これで終わりじゃない。これらに握りが5貫つく。出されたら即食べないと身がほぐれる鰯の炙りや、5日間熟成させた鯵、カボスとの相性が抜群の春子(かすご)。
これだけ飲んで食べて1万円。なんと良心的。それなのに、ああそれなのに。この店、あと1か月ほどで閉店するという。
今まで本当にお世話になりました。店主の新たな活躍を楽しみにしています。