JPS6258634B2 - - Google Patents
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- JPS6258634B2 JPS6258634B2 JP6166484A JP6166484A JPS6258634B2 JP S6258634 B2 JPS6258634 B2 JP S6258634B2 JP 6166484 A JP6166484 A JP 6166484A JP 6166484 A JP6166484 A JP 6166484A JP S6258634 B2 JPS6258634 B2 JP S6258634B2
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Description
技術分野
本発明は、反射防止効果を有する透明材料の製
造方法に関する。 従来技術 従来、反射防止のために屈折率が基材と異なる
物質を、真空着蒸法などにより基材上に被膜形成
させる方法が行なわれた。この場合反射防止効果
を最も高からしめるためには基材を被覆する物質
の厚みの選択が重要であることが知られている。
例えば単層被膜においては基材より低屈折率の物
質を光学的膜厚を対象とする光波長の1/4ないし
はその奇数倍に選択することが極小の反射率すな
わち極大の透過率を与えることが知られている。 ここで光学的膜厚とは、被覆形成材料の屈折率
と該被膜の膜厚の積で与えられるものである。 さらに被層の反射防止層の形成も可能であり、
この場合の膜厚の選択に関していくつかの提案が
されている(光学技術コンタクトVo19No.8,17
〜23(1971))。 この蒸着法により形成された反射防止膜は用途
によつて次のような問題点がある。 (1) 高度の真空度を要するために処理すべき基材
の大きさ、材料に制限を生ずる。又製造時間が
長くなり、生産性、経済性が低下する。 (2) 通常かなりの加熱を要し、基材によつては変
形・分解などの問題を生ずる。 (3) 使用される被膜形成材料は主として無機化合
物であり、緻密な膜を構成する反面、プラスチ
ツク基材の場合には線膨張係数の差による耐熱
性、付着性の低下を生じ易い。 (4) 透明基材を彩色するにあたつての有力な手段
である染色に必要な染料透過性がまつたく失わ
れる。 (5) 染色可能な材料を被覆したガラスにおいても
同様の染色性の喪失、耐熱性、付着性の低下が
生ずる。 また液状組成物による反射防止膜の製造法につ
いては、特開昭58−46301において透明基材の表
面に2層からなるそれぞれが液状で塗布されるこ
とによつて反射防止膜が得られることが示されて
いるが、得られる反射防止膜は耐久性に問題があ
る。 さらに特公昭52−39691号公報、特公昭56−
18625号公報においてメチルトリアルコキシシラ
ン加水分解物とコロイド状シリカからなる実質的
固形分が10重量%以上を有するコーテイング組成
物が開示されているが、得られるコーテイング膜
は十分な反射防止効果を有していないという問題
点がある。 発明の目的 本発明者らは、これらの問題点の解決および改
良とあわせて耐候性、耐汗性、耐光性、耐擦過性
に優れた反射防止効果を有する透明材料を提供す
べく鋭意検討した結果、以下に述べる本発明に到
達した。 発明の構成 すなわち、本発明は (A) 一般式
造方法に関する。 従来技術 従来、反射防止のために屈折率が基材と異なる
物質を、真空着蒸法などにより基材上に被膜形成
させる方法が行なわれた。この場合反射防止効果
を最も高からしめるためには基材を被覆する物質
の厚みの選択が重要であることが知られている。
例えば単層被膜においては基材より低屈折率の物
質を光学的膜厚を対象とする光波長の1/4ないし
はその奇数倍に選択することが極小の反射率すな
わち極大の透過率を与えることが知られている。 ここで光学的膜厚とは、被覆形成材料の屈折率
と該被膜の膜厚の積で与えられるものである。 さらに被層の反射防止層の形成も可能であり、
この場合の膜厚の選択に関していくつかの提案が
されている(光学技術コンタクトVo19No.8,17
〜23(1971))。 この蒸着法により形成された反射防止膜は用途
によつて次のような問題点がある。 (1) 高度の真空度を要するために処理すべき基材
の大きさ、材料に制限を生ずる。又製造時間が
長くなり、生産性、経済性が低下する。 (2) 通常かなりの加熱を要し、基材によつては変
形・分解などの問題を生ずる。 (3) 使用される被膜形成材料は主として無機化合
物であり、緻密な膜を構成する反面、プラスチ
ツク基材の場合には線膨張係数の差による耐熱
性、付着性の低下を生じ易い。 (4) 透明基材を彩色するにあたつての有力な手段
である染色に必要な染料透過性がまつたく失わ
れる。 (5) 染色可能な材料を被覆したガラスにおいても
同様の染色性の喪失、耐熱性、付着性の低下が
生ずる。 また液状組成物による反射防止膜の製造法につ
いては、特開昭58−46301において透明基材の表
面に2層からなるそれぞれが液状で塗布されるこ
とによつて反射防止膜が得られることが示されて
いるが、得られる反射防止膜は耐久性に問題があ
る。 さらに特公昭52−39691号公報、特公昭56−
18625号公報においてメチルトリアルコキシシラ
ン加水分解物とコロイド状シリカからなる実質的
固形分が10重量%以上を有するコーテイング組成
物が開示されているが、得られるコーテイング膜
は十分な反射防止効果を有していないという問題
点がある。 発明の目的 本発明者らは、これらの問題点の解決および改
良とあわせて耐候性、耐汗性、耐光性、耐擦過性
に優れた反射防止効果を有する透明材料を提供す
べく鋭意検討した結果、以下に述べる本発明に到
達した。 発明の構成 すなわち、本発明は (A) 一般式
【式】で表わされる有機ケ
イ素化合物の加水分解物 100重量部
ただし、(A)成分中50重量部以上がCH3Si
(OR2)3で表わされる有機ケイ素化合物の加水分
解物 (ここでR1は炭素数が1〜10のアルキル基、
アルケニル基、アリル基またはハロゲン基、エポ
キシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオ
キシ基ないしはシアノ基を有する炭化水素基、
R2は炭素数が1〜8のアルキル基、アルコキシ
アルキル基、アシル基であり、aは0または1で
ある。) (B) 平均粒子径1〜100mμの微粒子状シリカ
28〜350重量部 (C) 1種または2種以上の溶剤および/または分
散剤からなり実質的固形分濃度が2重量%以
上、10重量%未満であるコーテイング組成物を
コーテイング被膜の屈折率より0.03以上高い屈
折率を有する透明基材表面の少なくとも一部に
塗布したのち、加熱硬化させることを特徴とす
る反射防止性透明材料の製造方法に関するもの
である。 ここで透明材料とは下式により求められる曇価
が80%以下の透明性を有する透明基体であつて必
要に応じ、染料などで着色されているもの、模様
状に彩色されているものもこれに含めることがで
きる。また透明基体の上に、たとえば耐傷性など
を付与するために被覆材によつて被覆されたもの
も下式により曇価が80%以下であれば本発明の透
明基材に含めることができる。 曇価(パーセント)=拡散光線透過率/全光線透過率
×100 本発明の意図するところの光線反射率の低下お
よび光線透過率の向上効果をより有効に発揮させ
るためにはできるだけ透明性のあるものが好まし
い。さらに本発明における光線反射率の低下が基
体の一表面のみで十分である場合には、その反対
面が不透明なもので覆われた基材であつても、本
発明で言うところの透明基材として使用できる。
この場合には、曇価としては反対面における不透
明物質を除去したもので定義されなければならな
い。 さらに本発明に使用される透明基材はコーテイ
ング被膜の屈折率より0.03以上高いことが必要で
ある。またコーテイング被膜より屈折率が低い透
明基材、あるいは比較的屈折率が低い透明基材の
場合には、あらかじめ該基材上に屈折率の高い被
覆材を適用したものを透明基材として用いること
もできる。 透明基材は本発明コーテイング被膜よりも0.03
以上、好ましくは0.05以上高い屈折率を有するも
のが用いられる。また、比較的屈折率の高い被覆
材を適用した透明基材の場合には次の条件を満た
すことがより反射防止性を高める意味から好まし
い。 すなわち、屈折率の高い被覆材が一層のみ設け
られた透明基材の場合。 基材上への被覆材 m/4λ×0.7<n1d1<m/4λ×1.3 コーテイング被膜 n/4λ×0.7<n2d2<n/4λ×1.3 (ここで、n1,n2は各々基材上の被覆材、コー
テイング被膜の屈折率、d1,d2は各々基材上の被
覆材、コーテイング被膜(nm単位)、mは正整
数、nは奇の正整数、λは可視周辺領域内で選ば
れる任意の基準波長(nm単位)である。) また、屈折率の高い被覆材が二層の複層からな
る透明表材の場合。 基材上に直接設けられた層(A層) l/4λ×0.7<n1d1<l/4λ×1.3 A層上に設けられた層(B層) m/4λ×0.7<n2d2<m/4λ×1.3 コーテイング被膜 n/4λ×0.7<n3d3<n/4λ×1.3 (ここでn1,n2,n3は各々A層、B層、コーテ
イング被膜層の屈折率、d1,d2,d3は各々A層、
B層、コーテイング被膜の膜厚(nm単位)、lは
正整数、mは正整数、nは奇の正整数、λは可視
周辺領域内で選ばれる任意の基準波長(nm単
位)である。) 前記の比較的屈折率の高い被覆材を有する透明
基材の製造方法としては無機酸化物の真空蒸着
法、スパツタリング法、イオンプレーテイング
法、さらには液状組成物のコーテイングによる方
法などが知られている。蒸着法などに好ましく使
用される無機酸化物としては、TiO2,ZrO2,
Ta2O5,Sb2O5,Y2O3、Al2O3、MgO,Nd2O3,
Gd2O3,Sc2O3,La2O3,Pr6O11,HfO2,ZnO,
CeO2,PbOなどが挙げられる。液状組成物のコ
ーテイング法に好ましく使用されるものとしては
各種の有機化合物および無機化合物が挙げられる
が、有機化合物としては、例えばポリスチレン、
ポリスチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリ
スチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状基ま
たはフツ素以外のハロゲン基を有する各種重合体
組成物、メラミン樹脂、フエノール樹脂、ないし
エポキシ樹脂などを硬化剤を使用する各種熱硬化
性樹脂形成性組成物、脂環式ないしは芳香族イソ
シアネートおよびまたはこれらとポリオールから
なるウレタン形成性組成物、および上記の化合物
に2重結合を導入することにより、ラジカル硬化
を可能にした各種変性樹脂またはプレポリマを含
む組成物、また無機化合物としてはアルミニウ
ム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなど
の金属元素の酸化物が好ましく用いられる。これ
らは微粒子状で粉末ないしは水および/またはそ
の他の溶媒中へのコロイド状分散体として提供さ
れるものである。これら無機系微粒子を分散させ
た有機材料としては一般に無機系微粒子が高屈折
率を有するため有機材料単独で用いられる場合よ
りも低屈折率のものも用いられる。 上記に述べた有機材料の他アクリル系を含むビ
ニル系共重合体、ポリエステル(アルキドを含
む)系重合体、およびこれらを硬化せしめる各種
の硬化剤、硬化性官能基を有する組成物など透明
性があり無機系微粒子を安定に分散せしめる各種
の有機材料が使用可能である。さらに有機置換さ
れたケイ素系化合物は一般式 R3 bR4 cSiX4-(b+c) であらわされる化合物ないしはその加水分解生成
物である。ここでR3,R4は各々アルキル基、ア
ルケニル基、アリル基、またはハロゲン基、エポ
キシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオ
キシ基ないしシアノ基を有する炭化水素基、Xは
アルコキシル、アルコキシアルコキシル、ハロゲ
ンないしアシルオキシ基から選ばれた加水分解可
能な置換基、b,cは各々0,1または2で、か
つb+cが1または2である。 液状組成物として使用される他の好適な例とし
て挙げられるものに被膜形成性で溶剤に分散し得
るか、それ自身が液状である無機系材料としては
各種元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化
合物と結合した配位化合物があり、これらの具体
例としては、チタンテトラエトキシド、チタンテ
トラ―i―プロポキシド、チタンテトラ―n―プ
ロポキシド、チタンテトラ―n―ブトキシド、チ
タンテトラ―sec―ブトキシド、チタンテトラ―
tert―ブトキシド、アルミニウムトリエトキシ
ド、アルミニウムトリ―i―プロポキシド、アル
ミニウムトリブトキシド、アンチモントリエトキ
シド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウム
テトラエトキシド、ジルコニウムテトラ―i―プ
ロポキシド、ジルコニウムテトラ―n―プロポキ
シド、ジルコニウムテトラ―n―ブトキシド、ジ
ルコニウムテトラ―sec―ブトキシド、ジルコニ
ウムテトラ―tert―ブトキシドなどの金属アルコ
レート化合物、さらにはジ―イソプロポキシチタ
ニウムビスアセチルアセトネート、ジ―ブトキシ
チタニウムビスアセチルアセトネート、ジ―エト
キシチタニウムビスアセチルアセトネート、ビス
アセチルアセトンジルコニウム、アルミニウムア
セチルアセトネート、アルミニウムジn―ブトキ
シドモノエチルアセトアセテート、アルミニウム
ジ―i―プロポキシドモノメチルアセトアセテー
ト、トリ―n―ブトキシドジルコニウヘモノエチ
ルアセトアセテートなどのキレート化合物、さら
には炭酸ジルコニールアンモニウム、あるいはジ
ルコニウムを主成分とする活性無機ポリマーなど
を挙げることができる。上記に述べた他に、屈折
率が比較的低いが上記の化合物と併用できるもの
としてとくに各種のアルキルシリケート類もしく
はその加水分解物、微粒子状シリカとくにコロイ
ド状に分散したシリカゾルが用いられる。 これらの組成物は通常揮発性溶媒に希釈して塗
布される。溶媒として用いられるものは、とくに
限定されないが、使用にあたつては組成物の安定
性、透明基材に対する濡れ性、揮発性などを考慮
して決められるべきである。また溶媒は1種のみ
ならず2種以上の混合物として用いることも可能
である。 また、前記の高屈折率被覆は1層のみならず2
層以上の多層膜として、より反射防止効果を上げ
ることも可能である。 本発明におけるコーテイング組成物の成分(A)と
して使用される一般式CH3Si(OR2)3で表わされ
る有機ケイ素化合物の具体的な代表例としては、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メ
チルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシ
シラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルト
リアミロキシシラン、メチルトリフエノキシシラ
ン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルト
リフエネチルオキシシランがその例として挙げら
れる。 また本発明において使用される前述の有機ケイ
素化合物以外の一般式
(OR2)3で表わされる有機ケイ素化合物の加水分
解物 (ここでR1は炭素数が1〜10のアルキル基、
アルケニル基、アリル基またはハロゲン基、エポ
キシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオ
キシ基ないしはシアノ基を有する炭化水素基、
R2は炭素数が1〜8のアルキル基、アルコキシ
アルキル基、アシル基であり、aは0または1で
ある。) (B) 平均粒子径1〜100mμの微粒子状シリカ
28〜350重量部 (C) 1種または2種以上の溶剤および/または分
散剤からなり実質的固形分濃度が2重量%以
上、10重量%未満であるコーテイング組成物を
コーテイング被膜の屈折率より0.03以上高い屈
折率を有する透明基材表面の少なくとも一部に
塗布したのち、加熱硬化させることを特徴とす
る反射防止性透明材料の製造方法に関するもの
である。 ここで透明材料とは下式により求められる曇価
が80%以下の透明性を有する透明基体であつて必
要に応じ、染料などで着色されているもの、模様
状に彩色されているものもこれに含めることがで
きる。また透明基体の上に、たとえば耐傷性など
を付与するために被覆材によつて被覆されたもの
も下式により曇価が80%以下であれば本発明の透
明基材に含めることができる。 曇価(パーセント)=拡散光線透過率/全光線透過率
×100 本発明の意図するところの光線反射率の低下お
よび光線透過率の向上効果をより有効に発揮させ
るためにはできるだけ透明性のあるものが好まし
い。さらに本発明における光線反射率の低下が基
体の一表面のみで十分である場合には、その反対
面が不透明なもので覆われた基材であつても、本
発明で言うところの透明基材として使用できる。
この場合には、曇価としては反対面における不透
明物質を除去したもので定義されなければならな
い。 さらに本発明に使用される透明基材はコーテイ
ング被膜の屈折率より0.03以上高いことが必要で
ある。またコーテイング被膜より屈折率が低い透
明基材、あるいは比較的屈折率が低い透明基材の
場合には、あらかじめ該基材上に屈折率の高い被
覆材を適用したものを透明基材として用いること
もできる。 透明基材は本発明コーテイング被膜よりも0.03
以上、好ましくは0.05以上高い屈折率を有するも
のが用いられる。また、比較的屈折率の高い被覆
材を適用した透明基材の場合には次の条件を満た
すことがより反射防止性を高める意味から好まし
い。 すなわち、屈折率の高い被覆材が一層のみ設け
られた透明基材の場合。 基材上への被覆材 m/4λ×0.7<n1d1<m/4λ×1.3 コーテイング被膜 n/4λ×0.7<n2d2<n/4λ×1.3 (ここで、n1,n2は各々基材上の被覆材、コー
テイング被膜の屈折率、d1,d2は各々基材上の被
覆材、コーテイング被膜(nm単位)、mは正整
数、nは奇の正整数、λは可視周辺領域内で選ば
れる任意の基準波長(nm単位)である。) また、屈折率の高い被覆材が二層の複層からな
る透明表材の場合。 基材上に直接設けられた層(A層) l/4λ×0.7<n1d1<l/4λ×1.3 A層上に設けられた層(B層) m/4λ×0.7<n2d2<m/4λ×1.3 コーテイング被膜 n/4λ×0.7<n3d3<n/4λ×1.3 (ここでn1,n2,n3は各々A層、B層、コーテ
イング被膜層の屈折率、d1,d2,d3は各々A層、
B層、コーテイング被膜の膜厚(nm単位)、lは
正整数、mは正整数、nは奇の正整数、λは可視
周辺領域内で選ばれる任意の基準波長(nm単
位)である。) 前記の比較的屈折率の高い被覆材を有する透明
基材の製造方法としては無機酸化物の真空蒸着
法、スパツタリング法、イオンプレーテイング
法、さらには液状組成物のコーテイングによる方
法などが知られている。蒸着法などに好ましく使
用される無機酸化物としては、TiO2,ZrO2,
Ta2O5,Sb2O5,Y2O3、Al2O3、MgO,Nd2O3,
Gd2O3,Sc2O3,La2O3,Pr6O11,HfO2,ZnO,
CeO2,PbOなどが挙げられる。液状組成物のコ
ーテイング法に好ましく使用されるものとしては
各種の有機化合物および無機化合物が挙げられる
が、有機化合物としては、例えばポリスチレン、
ポリスチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリ
スチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状基ま
たはフツ素以外のハロゲン基を有する各種重合体
組成物、メラミン樹脂、フエノール樹脂、ないし
エポキシ樹脂などを硬化剤を使用する各種熱硬化
性樹脂形成性組成物、脂環式ないしは芳香族イソ
シアネートおよびまたはこれらとポリオールから
なるウレタン形成性組成物、および上記の化合物
に2重結合を導入することにより、ラジカル硬化
を可能にした各種変性樹脂またはプレポリマを含
む組成物、また無機化合物としてはアルミニウ
ム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなど
の金属元素の酸化物が好ましく用いられる。これ
らは微粒子状で粉末ないしは水および/またはそ
の他の溶媒中へのコロイド状分散体として提供さ
れるものである。これら無機系微粒子を分散させ
た有機材料としては一般に無機系微粒子が高屈折
率を有するため有機材料単独で用いられる場合よ
りも低屈折率のものも用いられる。 上記に述べた有機材料の他アクリル系を含むビ
ニル系共重合体、ポリエステル(アルキドを含
む)系重合体、およびこれらを硬化せしめる各種
の硬化剤、硬化性官能基を有する組成物など透明
性があり無機系微粒子を安定に分散せしめる各種
の有機材料が使用可能である。さらに有機置換さ
れたケイ素系化合物は一般式 R3 bR4 cSiX4-(b+c) であらわされる化合物ないしはその加水分解生成
物である。ここでR3,R4は各々アルキル基、ア
ルケニル基、アリル基、またはハロゲン基、エポ
キシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオ
キシ基ないしシアノ基を有する炭化水素基、Xは
アルコキシル、アルコキシアルコキシル、ハロゲ
ンないしアシルオキシ基から選ばれた加水分解可
能な置換基、b,cは各々0,1または2で、か
つb+cが1または2である。 液状組成物として使用される他の好適な例とし
て挙げられるものに被膜形成性で溶剤に分散し得
るか、それ自身が液状である無機系材料としては
各種元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化
合物と結合した配位化合物があり、これらの具体
例としては、チタンテトラエトキシド、チタンテ
トラ―i―プロポキシド、チタンテトラ―n―プ
ロポキシド、チタンテトラ―n―ブトキシド、チ
タンテトラ―sec―ブトキシド、チタンテトラ―
tert―ブトキシド、アルミニウムトリエトキシ
ド、アルミニウムトリ―i―プロポキシド、アル
ミニウムトリブトキシド、アンチモントリエトキ
シド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウム
テトラエトキシド、ジルコニウムテトラ―i―プ
ロポキシド、ジルコニウムテトラ―n―プロポキ
シド、ジルコニウムテトラ―n―ブトキシド、ジ
ルコニウムテトラ―sec―ブトキシド、ジルコニ
ウムテトラ―tert―ブトキシドなどの金属アルコ
レート化合物、さらにはジ―イソプロポキシチタ
ニウムビスアセチルアセトネート、ジ―ブトキシ
チタニウムビスアセチルアセトネート、ジ―エト
キシチタニウムビスアセチルアセトネート、ビス
アセチルアセトンジルコニウム、アルミニウムア
セチルアセトネート、アルミニウムジn―ブトキ
シドモノエチルアセトアセテート、アルミニウム
ジ―i―プロポキシドモノメチルアセトアセテー
ト、トリ―n―ブトキシドジルコニウヘモノエチ
ルアセトアセテートなどのキレート化合物、さら
には炭酸ジルコニールアンモニウム、あるいはジ
ルコニウムを主成分とする活性無機ポリマーなど
を挙げることができる。上記に述べた他に、屈折
率が比較的低いが上記の化合物と併用できるもの
としてとくに各種のアルキルシリケート類もしく
はその加水分解物、微粒子状シリカとくにコロイ
ド状に分散したシリカゾルが用いられる。 これらの組成物は通常揮発性溶媒に希釈して塗
布される。溶媒として用いられるものは、とくに
限定されないが、使用にあたつては組成物の安定
性、透明基材に対する濡れ性、揮発性などを考慮
して決められるべきである。また溶媒は1種のみ
ならず2種以上の混合物として用いることも可能
である。 また、前記の高屈折率被覆は1層のみならず2
層以上の多層膜として、より反射防止効果を上げ
ることも可能である。 本発明におけるコーテイング組成物の成分(A)と
して使用される一般式CH3Si(OR2)3で表わされ
る有機ケイ素化合物の具体的な代表例としては、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メ
チルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシ
シラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルト
リアミロキシシラン、メチルトリフエノキシシラ
ン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルト
リフエネチルオキシシランがその例として挙げら
れる。 また本発明において使用される前述の有機ケイ
素化合物以外の一般式
【式】で表わさ
れる有機ケイ素化合物の具体的な代表例としては
グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシ
ドキシメチルトリエトキシシラン、α―グリシド
キシエチルトリメトキシシラン、α―グリシドキ
シエチルトリエトキシシラン、β―グリシドキシ
エチルトリメトキシシラン、β―グリシドキシエ
チルトリエトキシシラン、α―グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、α―グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、β―グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、β―グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロ
ピルトリプロポキシシラン、γ―グリシドキシプ
ロピルトリブトキシシラン、γ―グリシドキシプ
ロピルトリメトキシエトキシシラン、γ―グリシ
ドキシプロピルトリフエノキシシラン、α―グリ
シドキシブチルトリメトキシシラン、α―グリシ
ドキシブチルトリエトキシシラン、β―グリシド
キシブチルトリメトキシシラン、β―グリシドキ
シブチルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシ
ブチルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシブ
チルトリエトキシシラン、δ―グリシドキシブチ
ルトリメトキシシラン、δ―グリシドキシブチル
トリエトキシシラン、(3,4―エポキシシクロ
ヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4
―エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシ
シラン、β―(3,4―エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β―(3,4―
エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシ
ラン、β―(3,4―エポキシシクロヘキシル)
エチルトリプロポキシシラン、β―(3,4―エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラ
ン、β―(3,4―エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシエトキシシラン、β―(3,4
―エポキシシクロヘキシル)エチルトリフエノキ
シシラン、γ―(3,4―エポキシシクロヘキシ
ル)プロピルトリメトキシシラン、γ―(3,4
―エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキ
シシラン、δ―(3,4―エポキシシクロヘキシ
ル)ブチルトリメトキシシラン、δ―(3,4―
エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシ
ラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラ
ン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラ
ン、α―グリシドキシエチルメチルジメトキシシ
ラン、α―グリシドキシエチルメチルジエトキシ
シラン、β―グリシドキシエチルメチルジメトキ
シシラン、β―グリシドキシエチルメチルジエト
キシシラン、α―グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、α―グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、β―グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、γ―グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ―グリシドキシ
プロピルメチルジプロポキシシラン、γ―グリシ
ドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ―グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシ
ラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジフエノ
キシシラン、γ―グリシドキシプロピルエチルジ
メトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルエチ
ルジエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピル
ビニルジメトキシシラン、γ―グリシドキシプロ
ピルビニルジエトキシシラン、γ―グリシドキシ
プロピルフエニルジメトキシシラン、γ―グリシ
ドキシプロピルフエニルジエトキシシランなどの
エポキシ基含有有機ケイ素化合物、エチルトリメ
トキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメ
トキシエトキシシラン、フエニルトリメトキシシ
ラン、フエニルトリエトキシシラン、フエニルト
リアセトキシシラン、γ―クロロプロピルトリメ
トキシシラン、γ―クロロプロピルトリエトキシ
シラン、γ―クロロプロピルトリアセトキシシラ
ン、3,3,3―トリフロロプロピルトリメトキ
シシラン、γ―メタクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ―メルカプトプロピルトリエトキ
シシラン、β―シアノエチルトリエトキシシラ
ン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメ
チルトリエトキシシラン、N―(β―アミノエチ
ル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N
―(β―アミノエチル)γ―アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、N―(β―アミノエチル)γ―アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N―(β―アミ
ノエチル)γ―アミノプロピルメチルトリエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、フエニル
メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、フエニルメチルジエトキシシラン、γ―ク
ロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ―クロ
ロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジ
アセトキシシラン、γ―メタクリルオキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ―メタクリルオキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、γ―メルカ
プトプロピルメチルジメトキシシラン、γ―メル
カプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチル
ビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキ
シシランなどがその例である。 とくに染料透過性および表面硬度の観点からは
γ―グリシドキシプロピルトリアルコキシシラ
ン、ビニルトリアルコキシシラン、γ―クロロプ
ロピルトリアルコキシシラン、γ―グリシドキシ
プロピルメチルジアルコキシシランが好ましく使
用される。 また本発明におけるコーテイング組成物の成分
(B)として使用される微粒子状シリカの効果的な例
としてはシリカゾルおよび粉末状シリカ微粒子が
ある。シリカゾルは高分子量無水ケイ酸の水およ
び/またはアルコールなどの有機溶媒中のコロイ
ド状分散体である。また粉末状シリカ微粒子はコ
ロイド状シリカの表面を疎水処理された粉末であ
り、いずれも市販されているものである。この発
明の目的のためには平均粒子径1〜100mμのも
のが使用されるが、好ましくは5〜30mμの径の
だのが使用される。粒子径がこれより小さくなる
と微粒子状シリカが安定に存在せず、一定した品
質が得られない。また粒子径がこれより大きくな
るとコーテイング被膜が濁るなどの問題が生じ
る。 上記一般式
グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシ
ドキシメチルトリエトキシシラン、α―グリシド
キシエチルトリメトキシシラン、α―グリシドキ
シエチルトリエトキシシラン、β―グリシドキシ
エチルトリメトキシシラン、β―グリシドキシエ
チルトリエトキシシラン、α―グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、α―グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、β―グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、β―グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロ
ピルトリプロポキシシラン、γ―グリシドキシプ
ロピルトリブトキシシラン、γ―グリシドキシプ
ロピルトリメトキシエトキシシラン、γ―グリシ
ドキシプロピルトリフエノキシシラン、α―グリ
シドキシブチルトリメトキシシラン、α―グリシ
ドキシブチルトリエトキシシラン、β―グリシド
キシブチルトリメトキシシラン、β―グリシドキ
シブチルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシ
ブチルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシブ
チルトリエトキシシラン、δ―グリシドキシブチ
ルトリメトキシシラン、δ―グリシドキシブチル
トリエトキシシラン、(3,4―エポキシシクロ
ヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4
―エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシ
シラン、β―(3,4―エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β―(3,4―
エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシ
ラン、β―(3,4―エポキシシクロヘキシル)
エチルトリプロポキシシラン、β―(3,4―エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラ
ン、β―(3,4―エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシエトキシシラン、β―(3,4
―エポキシシクロヘキシル)エチルトリフエノキ
シシラン、γ―(3,4―エポキシシクロヘキシ
ル)プロピルトリメトキシシラン、γ―(3,4
―エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキ
シシラン、δ―(3,4―エポキシシクロヘキシ
ル)ブチルトリメトキシシラン、δ―(3,4―
エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシ
ラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラ
ン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラ
ン、α―グリシドキシエチルメチルジメトキシシ
ラン、α―グリシドキシエチルメチルジエトキシ
シラン、β―グリシドキシエチルメチルジメトキ
シシラン、β―グリシドキシエチルメチルジエト
キシシラン、α―グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、α―グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、β―グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、γ―グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ―グリシドキシ
プロピルメチルジプロポキシシラン、γ―グリシ
ドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ―グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシ
ラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジフエノ
キシシラン、γ―グリシドキシプロピルエチルジ
メトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルエチ
ルジエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピル
ビニルジメトキシシラン、γ―グリシドキシプロ
ピルビニルジエトキシシラン、γ―グリシドキシ
プロピルフエニルジメトキシシラン、γ―グリシ
ドキシプロピルフエニルジエトキシシランなどの
エポキシ基含有有機ケイ素化合物、エチルトリメ
トキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメ
トキシエトキシシラン、フエニルトリメトキシシ
ラン、フエニルトリエトキシシラン、フエニルト
リアセトキシシラン、γ―クロロプロピルトリメ
トキシシラン、γ―クロロプロピルトリエトキシ
シラン、γ―クロロプロピルトリアセトキシシラ
ン、3,3,3―トリフロロプロピルトリメトキ
シシラン、γ―メタクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ―メルカプトプロピルトリエトキ
シシラン、β―シアノエチルトリエトキシシラ
ン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメ
チルトリエトキシシラン、N―(β―アミノエチ
ル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N
―(β―アミノエチル)γ―アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、N―(β―アミノエチル)γ―アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N―(β―アミ
ノエチル)γ―アミノプロピルメチルトリエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、フエニル
メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、フエニルメチルジエトキシシラン、γ―ク
ロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ―クロ
ロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジ
アセトキシシラン、γ―メタクリルオキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ―メタクリルオキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、γ―メルカ
プトプロピルメチルジメトキシシラン、γ―メル
カプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチル
ビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキ
シシランなどがその例である。 とくに染料透過性および表面硬度の観点からは
γ―グリシドキシプロピルトリアルコキシシラ
ン、ビニルトリアルコキシシラン、γ―クロロプ
ロピルトリアルコキシシラン、γ―グリシドキシ
プロピルメチルジアルコキシシランが好ましく使
用される。 また本発明におけるコーテイング組成物の成分
(B)として使用される微粒子状シリカの効果的な例
としてはシリカゾルおよび粉末状シリカ微粒子が
ある。シリカゾルは高分子量無水ケイ酸の水およ
び/またはアルコールなどの有機溶媒中のコロイ
ド状分散体である。また粉末状シリカ微粒子はコ
ロイド状シリカの表面を疎水処理された粉末であ
り、いずれも市販されているものである。この発
明の目的のためには平均粒子径1〜100mμのも
のが使用されるが、好ましくは5〜30mμの径の
だのが使用される。粒子径がこれより小さくなる
と微粒子状シリカが安定に存在せず、一定した品
質が得られない。また粒子径がこれより大きくな
るとコーテイング被膜が濁るなどの問題が生じ
る。 上記一般式
【式】で表わされる成分
(A)のうち、R1がメチル基、aが0であるCH3Si
(OR2)3で表わされる有機ケイ素化合物の加水分
解物が50重量部以上含まれることが必要である。
これより少ないと表面硬度、耐汗性、耐候性など
の耐久性が低下する。 また成分(B)は成分(A)100重量部に対し、350重量
部より少なく、28重量部より多いことが必要であ
る。成分(B)がこれより少なくなると表面硬度が低
下し、またこれより多いと透明基材との接着性不
良、クラツクが発生するなどの問題が生ずる。 本発明コーテイング組成物は実質的固形分が2
重量%以上、10重量%未満で使用される。すなわ
ち、これより固形分が高くても、低くても充分な
反射防止効果が得られず、本発明の目的が達せら
れない。なお、成分(A)の固形分重量は以下に定義
するものである。 加水分解物の計算固形分重量Wは、使用した加
水分解前のシラン化合物
(OR2)3で表わされる有機ケイ素化合物の加水分
解物が50重量部以上含まれることが必要である。
これより少ないと表面硬度、耐汗性、耐候性など
の耐久性が低下する。 また成分(B)は成分(A)100重量部に対し、350重量
部より少なく、28重量部より多いことが必要であ
る。成分(B)がこれより少なくなると表面硬度が低
下し、またこれより多いと透明基材との接着性不
良、クラツクが発生するなどの問題が生ずる。 本発明コーテイング組成物は実質的固形分が2
重量%以上、10重量%未満で使用される。すなわ
ち、これより固形分が高くても、低くても充分な
反射防止効果が得られず、本発明の目的が達せら
れない。なお、成分(A)の固形分重量は以下に定義
するものである。 加水分解物の計算固形分重量Wは、使用した加
水分解前のシラン化合物
【式】(分子
量をM0とする)の重量がW0である場合、次式に
よつて定義される量である。 W=W0×M1/M0 ここにM1は
よつて定義される量である。 W=W0×M1/M0 ここにM1は
【式】で表わされる式
量である。
なお、R1およびR2は先に説明した成分(A)で用
いる有機ケイ素化合物において対応する有機基を
意味し、aは0または1である。また実質的固形
分とはコーテイング組成物を塗布し、加熱硬化後
の被膜重量を塗布したコーテイング組成物重量で
除した値と定義される。通常実質的固形分は計算
固形分よりも高くなることが多い。 前記のコーテイング組成物において、実質的固
形分を所定の濃度にコントロールする目的におい
て成分(C)として各種の溶剤および/または分散剤
が使用される。この溶剤および/または分散剤は
使用する基材、塗装方法、加熱方法などによつて
適宜選択されるものである。通常使用される溶剤
および/または分散剤としては各種アルコール
類、エステル類、ケトン類、水、芳香族および脂
肪族(ハロゲン化)炭化水素類、エーテル類、有
機カルボン酸類などがあり、2種以上の混合溶剤
として使用することも可能である。特に作業性の
観点からメチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコール、ブチルアルコール、メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、ジアセトンアル
コール、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、水、ベンジルアルコール、メチルイソブチル
ケトン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチルな
どが好ましく使用される。また成分(A)の有機ケイ
素化合物の加水分解によつて生成するアルコー
ル、有機酸なども、本発明の成分(C)と見なされる
べきものである。 溶剤および/または分散剤の添加量は、被塗布
物、塗布条件さらには目的とする塗布膜厚などに
よつて選ばれるべきであり、実験的に決定される
べきものである。 成分(A)として使用される有機ケイ素化合物の加
水分解はこれらを単独または2種以上組み合せて
あるいはそれぞれ単独で行なつたのち、混合する
ことも可能である。また無溶剤あるいは適当な溶
剤の存在下で水を添加して行なわれる。この場合
塩酸、酢酸などの酸を少量併用すると加水分解が
効果的に進行することが多い。 本発明コーテイング組成物の硬化を促進する、
あるいは低温での硬化を可能ならしめる目的で各
種の硬化剤が使用可能であるが、触媒活性、組成
物中の溶解性、および安定性の観点から好ましい
化合物の例としては、アルミニウムアセチルアセ
トナート、アルミニウムエチルアセトアセテート
ビスアセチルアセトアセテートアセチルアセトナ
ート、アルミニウムジn―ブトキシドモノエチル
アセトアセテート、アルミニウムジ―i―プロポ
キシドモノメチルアセトアセテートなどのアルミ
ニウムキレート化合物、テトライソブトキシチタ
ン、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナー
ト)チタンなどのチタネート化合物、さらには有
機カルボン酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、
臭素酸、亜セレン酸、チオ硫酸、オルトケイ酸、
チオシアン酸、亜硝酸、アルミン酸、炭酸の金属
塩とくにアルカリ金属塩またはアンモニウム塩な
どが使用できる。 上記の中でも特に好ましい硬化触媒としては、
有機カルボン酸、アルミン酸、炭酸のアルカリ金
属塩、またはアルミニウムのアルコキシドあるい
はアセチルアセトネート塩が使用できる。これら
の硬化触媒は単独でも使用可能であるが、2種以
上を混合して使用することも可能である。 また、本発明の必須成分ではないが、硬度向
上、帯電防止効果の向上などの目的でメチルシリ
ケート、エチルシリケート、プロピルシリケー
ト、ブチルシリケートなどのテトラオルソシリケ
ートの加水分解物を添加使用することも可能であ
る。 また本発明のコーテイング組成物中には、塗布
時におけるフローを向上させる目的で各種の界面
活性剤を使用することも可能であり、とくにジメ
チルシロキサンとアルキレンオキシドとのブロツ
クまたはグラフト共重合体、さらにはフツ素系界
面活性剤などが有効である。 さらに耐候性を向上させる目的で各層中に紫外
線吸収剤、また耐熱劣化向上法として酸化防止剤
を添加することも可能である。 本発明のコーテイング組成物の塗布方法として
は、通常のコーテイング作業で用いられる方法が
可能であるが薄膜の膜厚コントロールの観点から
はカーテンフロー塗装、浸漬塗装、スピン塗装な
どが好ましい。 コーテイング組成物の塗布にあたつては、透明
基材を酸処理、アルカリ処理、湿熱処理、熱水処
理などの化学的処理、コロナ放電処理、プラズマ
処理、火焔処理などの物理的処理を単独あるいは
2種類の組合せで、付着性および耐久性等を向上
させることも出来る。 このようにして塗布されたコーテイング組成物
は加熱硬化および/または乾燥することによつて
硬化される。 加熱方法としては、熱風、赤外線などで行なう
ことが可能である。また加熱温度は適用される透
明基材および使用されるコーテイング組成物によ
つて決定されるべきであるが、通常は50〜250
℃、より好ましくは60〜200℃が使用される。こ
れより低温では硬化または乾燥が不十分であり、
またこれより高温になると熱分解などが起つて黄
変などの問題点が生ずる。 また本発明のコーテイング被覆層の膜厚はコー
テイング組成物の固形分およびコーテイング方法
さらにはコーテイング条件によつてコントロール
されるものである。 本発明の透明基材としては本発明目的を必要と
する場合には透明なものならば何でもよいのであ
るが、液状コーテイングの観点から、ガラス、プ
ラスチツク材料がとくに有効な結果を与える。上
記のプラスチツク材料としてはポリメチルメタク
リレートおよびその共重合体、ポリカーボネー
ト、ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト(CR―39)、ポリエステルとくにポリエチレン
テレフタレート、および不飽和ポリエステル、ア
クリロニトリルー(ハロゲン化)スチレン共重合
体、塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、
(ハロゲン化)ビスフエノールAのジ(メタ)ア
クリレートポリマーおよびその共重合体、(ハロ
ゲン化)ビスフエノールAのウレタン変性ジ(メ
タ)アクリレートポリマーおよびその共重合体な
どが好ましい。 また、ガラスにも好ましく用いることができ
る。さらに被覆材料で被覆された上記のプラスチ
ツク、ガラスなどの透明基材にも好ましく適用で
きる。 プラスチツクなどの表面硬度の低い透明基材に
は硬度向上を行なう目的で、これまでに知られる
表面高硬度化被膜を適用したものを用いることが
できる(特公昭50−28092、特公昭50−28446、特
公昭50−39449、特公昭51−24368、特開昭52−
112698、特公昭57−2735)。 とくに特公昭57−2735に記載の可染性高硬度化
被膜に関して本発明の反射防止性コーテイング被
膜を適用したものは染料透過性のある反射防止性
被膜という本発明の効果を最大に発揮し得るもの
として好ましく使用できる。 また、上述の表面高硬度化被膜が十分に高い屈
折率を有しない場合には、前述の高い屈折率を有
する被覆層を設けて透明基材とすることが好まし
い。 本発明の目的を達成する透明基材ないしは被覆
された透明基材と反射防止性コーテイング被膜に
は数多くの組合わせが考えられ、その最適な範囲
は実験的に定められるべきものである。 本発明によつて得られる反射防止効果を有する
透明材料は反射防止機能のほかに以下に記すよう
な特徴を有するものである。 (1) 表面硬度が高く、傷つきにくい。 (2) 耐候性にすぐれている。 (3) 耐汗性にすぐれている。 (4) 耐薬品性にすぐれている。 (5) 指紋あるいは汗などによる汚染がしにくく、
また容易に除去できる。 本発明の透明基材の形状については何ら限定さ
れるものではないが、通常は例えばフイルム状、
シート状、レンズなどによく用いられる。 以下実施例により本発明の内容を説明するが、
これに限定されるものではない。なお例中の固形
分はそれぞれ93℃、4時間加熱乾燥後の残分で測
定した。 実施例 1 (1) 透明基材の製造 (a) 高屈折率用コーテイング組成物の調製 回転子を備えたビーカ中にn―ブタノール
350.8g、酢酸12.2g、5%のシリコーン系
界面活性剤n―ブタノール溶液5.1gを添加
する。この混合溶液中に室温にて撹拌しなが
らメタノール分散コロイド状シリカ(平均粒
子径12±1mμ固形分30%)47.4g、さらに
テトラ―n―ブチルチタネート34.5gを添加
して、コーテイング組成物とした。 (b) 透明基材 前項(a)で調製したコーテイング組成物を用
いてカセイソーダ水溶液に浸漬後、洗浄した
ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト重合体レンズ(直径75mm、厚み2.1mm、CR
―39プラノレンズ)に下記の条件でスピンコ
ートした。コートしたレンズは93℃で45分加
熱乾燥を行なつた。 スピンコート条件 回転数:3500rpm 回転時間:30秒 加熱乾燥後、50℃の熱水に30分間浸漬し、
さらに110℃で1時間加熱乾燥し、透明基材
を製造した。この透明基材表面部分の屈折率
は1.55であつた。 (2) 反射防止加工 (a) シラン加水分解物の調製 メチルトリメトキシシラン13.4g、γ―ク
ロロプロピルトリメトキシシラン4.3g、n
―プロピルアルコール13.4gを添加し、10℃
に冷却したのち撹拌下で0.01規定塩酸水溶液
6.5gを滴下した。滴下終了後、室温にてさ
らに1時間撹拌を行ない、シラン加水分解物
を得た。 (b) コーテイング組成物の調製 上記シラン加水分解物32.4g、n―プロピ
ルアルコール142.7g、エチルセロソルブ
22.5g、水70.8g、5%シリコーン系界面活
性剤n―プロピルアルコール3.8gを加え、
よく混合した後、(1)で使用したと同じメタノ
ール分散コロイド状シリカ27.0g、さらにア
ルミニウムアセチルアセトナート0.80gを加
えて十分撹拌を行ないコーテイング組成物と
した。固形分は5.95%であつた。 (c) 塗布およびキユア 前項(1)で製造した透明基材の上に上記(2)、
(b)で調製したコーテイング組成物を前項(1)、
(b)と同じ条件でスピンコートし、コート後は
93℃の熱風乾燥機で4時間加熱硬化を行なつ
た。 (3) 試験結果 得られたレンズの全光線透過率は96.7%であ
り、赤紫色の反射光色を有する反射防止レンズで
あつた。なお反射防止加工前レンズの全光線透過
率は92.6%であつた。 なお、コーテイング被膜の屈折率は1.36であつ
た。 実施例 2 (1) 透明基材の製造 (a) シラン加水分解物の調製 γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン106.8gを10℃に冷却し、撹拌しな
がら0.05規定塩酸水溶液15.5gを徐々に滴下
し、滴下終了後、室温にてさらに1時間撹拌
をつづけてシラン加水分解物を得た。 (b) 高硬度用コーテイング組成物の調製 前記シラン加水分解物に、エポキシ樹脂
(“エピコート827”、シエル化学株式会社製
品)25g、エポキシ樹脂(“エポライト
3002”、共栄社油脂化学工業株式会社製品)
25g、ジアセトンアルコール58.9g、ベンジ
ルアルコール29.5g、メタノール310g、シ
リコーン系界面活性剤1.5gを添加混合し、
さらに実施例1で使用したメタノール分散コ
ロイド状シリカ416.7gとアルミニウムアセ
チルアセトネート12.5gを添加し、充分撹拌
した後、コーテイング組成物とした。 (c) アンダーコートの塗布、キユアおよび前処
理 前項高硬度用コーテイング組成物を使つ
て、実施例1で使用したジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネート重合体レンズに浸
漬法で塗布し、93℃で4時間加熱した。キユ
アされたレンズは前処理として表面処理用プ
ラズマ装置(PR501Aヤマト科学株式会社
製)を用い、酸素流量100ml/分、出力50W
で1分間処理を行なつた。 (d) 透明基材 前記(c)のアンダーコート処理レンズ上に実
施例1の(1)、(b)で行なつたと全く同様にして
高屈折率用コーテイング組成物を被覆し、透
明基材を製造した。この透明基材の表面部分
の屈折率は1.55であつた。 (2) 反射防止膜の製造および試験結果 前記(1)で製造した透明基材を使用する以外は、
すべて実施例1と同様に行なつた。 得られたレンズの全光線透過率は97.0%であ
り、反射光色は赤紫色を呈した。コーテイング被
膜の屈折率は実施例1とまつたく同じであつた。 得られた反射防止レンズの性能は下記(3)に示す
方法に従つて行ない、次のとおりであつた。 スチールウール硬度 A サンシヤインウエーザメーター 100hr後のスチールウール硬度 A 汗光サイクルテスト 41 (3) 試験方法 (3)―1 スチールウール硬度 #0000のスチールウールで塗面をこすり、
傷つき具合を判定する。判定基準は、 A…強く摩擦しても傷がつかない。 B…かなり強く摩擦すると少し傷がつく。 C…弱い摩擦でも傷がつく。 D…爪で容易に傷がつく。 (3)―2 汗光サイクルテスト JIS―L1047(染色物および染料の汗緊ろ
う試験法)で定められたアルカリ性人工汗液
に反射防止レンズを浸漬したまま紫外線を照
射した後、#00のスチールウール(日本スチ
ールウール(株)製)で表面をこすり外観観察を
行なう。これを1サイクルと称し表面に傷が
発生するまで繰返した。結果は傷発生直前の
サイクル数で表わした。サイクル数の多い方
が汗、光、水、摩耗などに対する耐久性の優
れていることを意味している。 実施例3〜5、比較例1〜3 (1) 透明基材 実施例2と全く同じ方法で製造したアンダーコ
ートおよび高屈折率用コーテイング被覆したレン
ズを透明基材として使用した。 (2) コーテイング組成物の調製 実施例1の(2)、(a)と全く同様にして調製したシ
ラン加水分解物を用い、シリカゾルとの混合比率
を第1表に示すとおりにして、実施例1の(2)、(b)
と全く同様にしてコーテイング組成物を調製し
た。 (3) 反射防止加工および試験結果 前記(1)の透明基材上に(2)のコーテイング組成物
を使用してそれぞれ実施例1と全く同様にしてコ
ーテイングおよび加熱硬化させた。得られたレン
ズは実施例2と同様に試験し、結果を第1表に示
す。 実施例 6 (1) 透明基材 実施例2と全く同じ方法で製造したアンダーコ
ートおよび高屈折率用コーテイング被覆したレン
ズを透明基材とした。 (2) コーテイング組成物の調製 (a) シラン加水分解物の調製 メチルトリメトキシシラン21.2g、n―プ
ロピルアルコール12.2gを添加し、10℃に冷
却したのち撹拌下で0.01規定塩酸水溶液8.4
gを滴下した。滴下終了後、室温にてさらに
1時間撹拌を行ない、シラン加水分解物を得
た。 (b) コーテイング組成物の調製 上記シラン加水分解物35.3g、n―プロピ
ルアルコール139.1g、エチルセロソルブ
22.5g、水69.0g、5%シリコーン系界面活
性剤n―プロピルアルコール3.9gを加えよ
く混合した後、(1)で使用したと同じメタノー
ル分散コロイド状シリカ29.3g、さらにアル
ミニウムアセチルアセトナート0.9を加えて
十分撹拌を行ないコーテイング組成物とし
た。固形分は5.93%であつた。 (c) 塗布およびキユア 前項(1)で製造した透明基材の上に上記(2)、
(b)で調製したコーテイング組成物を実施例1
と同じ条件でスピンコートし、コート後は93
℃の熱風乾燥機で4時間加熱硬化を行なつ
た。 (3) 試験結果 得られたレンズを実施例2と同様に試験した結
果、全光線透過率が97.2%、スチールウール硬度
がA、汗光サイクルテストは69サイクルであつ
た。また耐候性テスト後(サンシヤインウエザオ
メーター100hr)のスチールウール硬度もBと良
好なものであつた。 比較例 4 (1) 透明基材 実施例2と全く同じ方法で製造したアンダーコ
ートおよび高屈折率用コーテイング被覆したレン
ズを透明基材とした。 (2) コーテイング組成物の調製 (a) シラン加水分解物の調製 γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン12.0g、n―プロピルアルコール19.2g
を添加し、10℃に冷却したのち撹拌下で0.01
規定塩酸水溶液2.8を滴下した。滴下終了
後、室温にてさらに1時間撹拌を行ないシラ
ン加水分解物を得た。 (b) コーテイング組成物の調製 上記シラン加水分解物33.1g、n―プロピ
ルアルコール124g、エチルセロソルブ20.3
g水61.8g、5%シリコーン系界面活性剤n
―プロピルアルコール3.7gを加えよく混合
した後、(1)で使用したと同じメタノール分散
コロイド状シリカ27.5g、さらにアルミニウ
ムアセチルアセトナート0.9gを加えて十分
撹拌を行ないコーテイング組成物とした。固
形分は6.71%であつた。 (c) 塗布およびキユア 前項(1)で製造した透明基材の上に上記(2)、
(b)で調製したコーテイング組成物を前項(1)、
(b)と同じ条件でスピンコートし、コート後は
93℃の熱風乾燥機で4時間加熱硬化を行なつ
た。 (3) 試験結果 得られたレンズを実施例2と同様に試験した結
果、全光線透過率は96.6%、スチールウール硬度
はAであつたが、汗光サイクルテストが6サイク
ル、耐候性テスト後(サンシヤインウエザオメー
ター100hr)のスチールウール硬度がCと耐久性
が不良であつた。 実施例 7 (1) 透明基材 実施例2と全く同じ方法で製造したアンダーコ
ートおよび高屈折率用コーテイング被覆したレン
ズを透明基材とした。 (2) コーテイング組成物の調製 (a) シラン加水分解物の調製 メチルトリメトキシシラン43.0g、γ―グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン30.0
g、n―プロピルアルコール72.7を添加し、
10℃に冷却したのち撹拌下で0.01規定塩酸水
溶液23.9gを滴下した。滴下終了後、室温に
てさらに1時間撹拌を行ない、シラン加水分
解物を得た。 (b) コーテイング組成物の調製 上記シラン加水分解物33.1、n―プロピル
アルコール124.0g、エチルセロソルブ20.3
g、水61.8g、5%シリコーン系界面活性剤
n―プロピルアルコール3.7gを加えよく混
合した後、(1)で使用したと同じメタノール分
散コロイド状シリカ27.5g、さらにアルミニ
ウムアセチルアセトナート0.9gを加えて十
分撹拌を行ないコーテイング組成物とした。
固形分は6.83%であつた。 (c) 塗布およびキユア 前項(1)で製造した透明基材の上に上記(2)、
(b)で調製したコーテイング組成物を前項(1)、
(b)と同じ条件でスピンコートし、コート後は
93℃の熱風乾燥機で4時間加熱硬化を行なつ
た。 (3) 試験結果 得られたレンズを実施例2と同様に試験した結
果、全光線透過率が96.7%、スチールウール硬度
がA、汗光サイクルテストは35サイクル、また耐
候性テスト後(サンシヤインウエザオメーター
100hr)のスチールウール硬度もAと良好なもの
であつた。 実施例8〜11存比較例5〜6 (1) 透明基材 実施例2と全く同じ方法で製造したアンダーコ
ートおよび高屈折率用コーテイング被覆したレン
ズを透明基材とした。 (2) コーテイング組成物の調製 実施例1の(2)、(a),(b)において、希釈用溶媒で
あるn―プロピルアルコールと水の添加量を第2
表に示すとおりにする以外は全く同様にしてコー
テイング組成物を調製した。なお、n―プロピル
アルコールと水の混合比は67:33(重量比)であ
つた。 (3) 反射防止加工および試験結果 前記(1)の透明基材上に(2)のコーテイング組成物
を使用してそれぞれ実施例1と全く同様にして、
コーテイングおよび加熱硬化させた。得られたレ
ンズの全光線透過率の試験結果を第2表に示す。 実施例 12 (1) 透明基材 ブロム化ビスフエノールAのジメタクリレート
とスチレンの共重合体からなるレンズ(屈折率
1.593)を透明基材とした。 (2) 反射防止加工および試験結果 前記(1)の透明基材を使用する以外はすべて実施
例1と同様にして反射防止加工を行なつた。得ら
れたレンズは淡い赤紫色の反射光色を有し、全光
線透過率は95.3%の反射防止レンズであつた。な
お未処理レンズの全光線透過率は89.6%であつ
た。
いる有機ケイ素化合物において対応する有機基を
意味し、aは0または1である。また実質的固形
分とはコーテイング組成物を塗布し、加熱硬化後
の被膜重量を塗布したコーテイング組成物重量で
除した値と定義される。通常実質的固形分は計算
固形分よりも高くなることが多い。 前記のコーテイング組成物において、実質的固
形分を所定の濃度にコントロールする目的におい
て成分(C)として各種の溶剤および/または分散剤
が使用される。この溶剤および/または分散剤は
使用する基材、塗装方法、加熱方法などによつて
適宜選択されるものである。通常使用される溶剤
および/または分散剤としては各種アルコール
類、エステル類、ケトン類、水、芳香族および脂
肪族(ハロゲン化)炭化水素類、エーテル類、有
機カルボン酸類などがあり、2種以上の混合溶剤
として使用することも可能である。特に作業性の
観点からメチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコール、ブチルアルコール、メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、ジアセトンアル
コール、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、水、ベンジルアルコール、メチルイソブチル
ケトン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチルな
どが好ましく使用される。また成分(A)の有機ケイ
素化合物の加水分解によつて生成するアルコー
ル、有機酸なども、本発明の成分(C)と見なされる
べきものである。 溶剤および/または分散剤の添加量は、被塗布
物、塗布条件さらには目的とする塗布膜厚などに
よつて選ばれるべきであり、実験的に決定される
べきものである。 成分(A)として使用される有機ケイ素化合物の加
水分解はこれらを単独または2種以上組み合せて
あるいはそれぞれ単独で行なつたのち、混合する
ことも可能である。また無溶剤あるいは適当な溶
剤の存在下で水を添加して行なわれる。この場合
塩酸、酢酸などの酸を少量併用すると加水分解が
効果的に進行することが多い。 本発明コーテイング組成物の硬化を促進する、
あるいは低温での硬化を可能ならしめる目的で各
種の硬化剤が使用可能であるが、触媒活性、組成
物中の溶解性、および安定性の観点から好ましい
化合物の例としては、アルミニウムアセチルアセ
トナート、アルミニウムエチルアセトアセテート
ビスアセチルアセトアセテートアセチルアセトナ
ート、アルミニウムジn―ブトキシドモノエチル
アセトアセテート、アルミニウムジ―i―プロポ
キシドモノメチルアセトアセテートなどのアルミ
ニウムキレート化合物、テトライソブトキシチタ
ン、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナー
ト)チタンなどのチタネート化合物、さらには有
機カルボン酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、
臭素酸、亜セレン酸、チオ硫酸、オルトケイ酸、
チオシアン酸、亜硝酸、アルミン酸、炭酸の金属
塩とくにアルカリ金属塩またはアンモニウム塩な
どが使用できる。 上記の中でも特に好ましい硬化触媒としては、
有機カルボン酸、アルミン酸、炭酸のアルカリ金
属塩、またはアルミニウムのアルコキシドあるい
はアセチルアセトネート塩が使用できる。これら
の硬化触媒は単独でも使用可能であるが、2種以
上を混合して使用することも可能である。 また、本発明の必須成分ではないが、硬度向
上、帯電防止効果の向上などの目的でメチルシリ
ケート、エチルシリケート、プロピルシリケー
ト、ブチルシリケートなどのテトラオルソシリケ
ートの加水分解物を添加使用することも可能であ
る。 また本発明のコーテイング組成物中には、塗布
時におけるフローを向上させる目的で各種の界面
活性剤を使用することも可能であり、とくにジメ
チルシロキサンとアルキレンオキシドとのブロツ
クまたはグラフト共重合体、さらにはフツ素系界
面活性剤などが有効である。 さらに耐候性を向上させる目的で各層中に紫外
線吸収剤、また耐熱劣化向上法として酸化防止剤
を添加することも可能である。 本発明のコーテイング組成物の塗布方法として
は、通常のコーテイング作業で用いられる方法が
可能であるが薄膜の膜厚コントロールの観点から
はカーテンフロー塗装、浸漬塗装、スピン塗装な
どが好ましい。 コーテイング組成物の塗布にあたつては、透明
基材を酸処理、アルカリ処理、湿熱処理、熱水処
理などの化学的処理、コロナ放電処理、プラズマ
処理、火焔処理などの物理的処理を単独あるいは
2種類の組合せで、付着性および耐久性等を向上
させることも出来る。 このようにして塗布されたコーテイング組成物
は加熱硬化および/または乾燥することによつて
硬化される。 加熱方法としては、熱風、赤外線などで行なう
ことが可能である。また加熱温度は適用される透
明基材および使用されるコーテイング組成物によ
つて決定されるべきであるが、通常は50〜250
℃、より好ましくは60〜200℃が使用される。こ
れより低温では硬化または乾燥が不十分であり、
またこれより高温になると熱分解などが起つて黄
変などの問題点が生ずる。 また本発明のコーテイング被覆層の膜厚はコー
テイング組成物の固形分およびコーテイング方法
さらにはコーテイング条件によつてコントロール
されるものである。 本発明の透明基材としては本発明目的を必要と
する場合には透明なものならば何でもよいのであ
るが、液状コーテイングの観点から、ガラス、プ
ラスチツク材料がとくに有効な結果を与える。上
記のプラスチツク材料としてはポリメチルメタク
リレートおよびその共重合体、ポリカーボネー
ト、ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト(CR―39)、ポリエステルとくにポリエチレン
テレフタレート、および不飽和ポリエステル、ア
クリロニトリルー(ハロゲン化)スチレン共重合
体、塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、
(ハロゲン化)ビスフエノールAのジ(メタ)ア
クリレートポリマーおよびその共重合体、(ハロ
ゲン化)ビスフエノールAのウレタン変性ジ(メ
タ)アクリレートポリマーおよびその共重合体な
どが好ましい。 また、ガラスにも好ましく用いることができ
る。さらに被覆材料で被覆された上記のプラスチ
ツク、ガラスなどの透明基材にも好ましく適用で
きる。 プラスチツクなどの表面硬度の低い透明基材に
は硬度向上を行なう目的で、これまでに知られる
表面高硬度化被膜を適用したものを用いることが
できる(特公昭50−28092、特公昭50−28446、特
公昭50−39449、特公昭51−24368、特開昭52−
112698、特公昭57−2735)。 とくに特公昭57−2735に記載の可染性高硬度化
被膜に関して本発明の反射防止性コーテイング被
膜を適用したものは染料透過性のある反射防止性
被膜という本発明の効果を最大に発揮し得るもの
として好ましく使用できる。 また、上述の表面高硬度化被膜が十分に高い屈
折率を有しない場合には、前述の高い屈折率を有
する被覆層を設けて透明基材とすることが好まし
い。 本発明の目的を達成する透明基材ないしは被覆
された透明基材と反射防止性コーテイング被膜に
は数多くの組合わせが考えられ、その最適な範囲
は実験的に定められるべきものである。 本発明によつて得られる反射防止効果を有する
透明材料は反射防止機能のほかに以下に記すよう
な特徴を有するものである。 (1) 表面硬度が高く、傷つきにくい。 (2) 耐候性にすぐれている。 (3) 耐汗性にすぐれている。 (4) 耐薬品性にすぐれている。 (5) 指紋あるいは汗などによる汚染がしにくく、
また容易に除去できる。 本発明の透明基材の形状については何ら限定さ
れるものではないが、通常は例えばフイルム状、
シート状、レンズなどによく用いられる。 以下実施例により本発明の内容を説明するが、
これに限定されるものではない。なお例中の固形
分はそれぞれ93℃、4時間加熱乾燥後の残分で測
定した。 実施例 1 (1) 透明基材の製造 (a) 高屈折率用コーテイング組成物の調製 回転子を備えたビーカ中にn―ブタノール
350.8g、酢酸12.2g、5%のシリコーン系
界面活性剤n―ブタノール溶液5.1gを添加
する。この混合溶液中に室温にて撹拌しなが
らメタノール分散コロイド状シリカ(平均粒
子径12±1mμ固形分30%)47.4g、さらに
テトラ―n―ブチルチタネート34.5gを添加
して、コーテイング組成物とした。 (b) 透明基材 前項(a)で調製したコーテイング組成物を用
いてカセイソーダ水溶液に浸漬後、洗浄した
ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト重合体レンズ(直径75mm、厚み2.1mm、CR
―39プラノレンズ)に下記の条件でスピンコ
ートした。コートしたレンズは93℃で45分加
熱乾燥を行なつた。 スピンコート条件 回転数:3500rpm 回転時間:30秒 加熱乾燥後、50℃の熱水に30分間浸漬し、
さらに110℃で1時間加熱乾燥し、透明基材
を製造した。この透明基材表面部分の屈折率
は1.55であつた。 (2) 反射防止加工 (a) シラン加水分解物の調製 メチルトリメトキシシラン13.4g、γ―ク
ロロプロピルトリメトキシシラン4.3g、n
―プロピルアルコール13.4gを添加し、10℃
に冷却したのち撹拌下で0.01規定塩酸水溶液
6.5gを滴下した。滴下終了後、室温にてさ
らに1時間撹拌を行ない、シラン加水分解物
を得た。 (b) コーテイング組成物の調製 上記シラン加水分解物32.4g、n―プロピ
ルアルコール142.7g、エチルセロソルブ
22.5g、水70.8g、5%シリコーン系界面活
性剤n―プロピルアルコール3.8gを加え、
よく混合した後、(1)で使用したと同じメタノ
ール分散コロイド状シリカ27.0g、さらにア
ルミニウムアセチルアセトナート0.80gを加
えて十分撹拌を行ないコーテイング組成物と
した。固形分は5.95%であつた。 (c) 塗布およびキユア 前項(1)で製造した透明基材の上に上記(2)、
(b)で調製したコーテイング組成物を前項(1)、
(b)と同じ条件でスピンコートし、コート後は
93℃の熱風乾燥機で4時間加熱硬化を行なつ
た。 (3) 試験結果 得られたレンズの全光線透過率は96.7%であ
り、赤紫色の反射光色を有する反射防止レンズで
あつた。なお反射防止加工前レンズの全光線透過
率は92.6%であつた。 なお、コーテイング被膜の屈折率は1.36であつ
た。 実施例 2 (1) 透明基材の製造 (a) シラン加水分解物の調製 γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン106.8gを10℃に冷却し、撹拌しな
がら0.05規定塩酸水溶液15.5gを徐々に滴下
し、滴下終了後、室温にてさらに1時間撹拌
をつづけてシラン加水分解物を得た。 (b) 高硬度用コーテイング組成物の調製 前記シラン加水分解物に、エポキシ樹脂
(“エピコート827”、シエル化学株式会社製
品)25g、エポキシ樹脂(“エポライト
3002”、共栄社油脂化学工業株式会社製品)
25g、ジアセトンアルコール58.9g、ベンジ
ルアルコール29.5g、メタノール310g、シ
リコーン系界面活性剤1.5gを添加混合し、
さらに実施例1で使用したメタノール分散コ
ロイド状シリカ416.7gとアルミニウムアセ
チルアセトネート12.5gを添加し、充分撹拌
した後、コーテイング組成物とした。 (c) アンダーコートの塗布、キユアおよび前処
理 前項高硬度用コーテイング組成物を使つ
て、実施例1で使用したジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネート重合体レンズに浸
漬法で塗布し、93℃で4時間加熱した。キユ
アされたレンズは前処理として表面処理用プ
ラズマ装置(PR501Aヤマト科学株式会社
製)を用い、酸素流量100ml/分、出力50W
で1分間処理を行なつた。 (d) 透明基材 前記(c)のアンダーコート処理レンズ上に実
施例1の(1)、(b)で行なつたと全く同様にして
高屈折率用コーテイング組成物を被覆し、透
明基材を製造した。この透明基材の表面部分
の屈折率は1.55であつた。 (2) 反射防止膜の製造および試験結果 前記(1)で製造した透明基材を使用する以外は、
すべて実施例1と同様に行なつた。 得られたレンズの全光線透過率は97.0%であ
り、反射光色は赤紫色を呈した。コーテイング被
膜の屈折率は実施例1とまつたく同じであつた。 得られた反射防止レンズの性能は下記(3)に示す
方法に従つて行ない、次のとおりであつた。 スチールウール硬度 A サンシヤインウエーザメーター 100hr後のスチールウール硬度 A 汗光サイクルテスト 41 (3) 試験方法 (3)―1 スチールウール硬度 #0000のスチールウールで塗面をこすり、
傷つき具合を判定する。判定基準は、 A…強く摩擦しても傷がつかない。 B…かなり強く摩擦すると少し傷がつく。 C…弱い摩擦でも傷がつく。 D…爪で容易に傷がつく。 (3)―2 汗光サイクルテスト JIS―L1047(染色物および染料の汗緊ろ
う試験法)で定められたアルカリ性人工汗液
に反射防止レンズを浸漬したまま紫外線を照
射した後、#00のスチールウール(日本スチ
ールウール(株)製)で表面をこすり外観観察を
行なう。これを1サイクルと称し表面に傷が
発生するまで繰返した。結果は傷発生直前の
サイクル数で表わした。サイクル数の多い方
が汗、光、水、摩耗などに対する耐久性の優
れていることを意味している。 実施例3〜5、比較例1〜3 (1) 透明基材 実施例2と全く同じ方法で製造したアンダーコ
ートおよび高屈折率用コーテイング被覆したレン
ズを透明基材として使用した。 (2) コーテイング組成物の調製 実施例1の(2)、(a)と全く同様にして調製したシ
ラン加水分解物を用い、シリカゾルとの混合比率
を第1表に示すとおりにして、実施例1の(2)、(b)
と全く同様にしてコーテイング組成物を調製し
た。 (3) 反射防止加工および試験結果 前記(1)の透明基材上に(2)のコーテイング組成物
を使用してそれぞれ実施例1と全く同様にしてコ
ーテイングおよび加熱硬化させた。得られたレン
ズは実施例2と同様に試験し、結果を第1表に示
す。 実施例 6 (1) 透明基材 実施例2と全く同じ方法で製造したアンダーコ
ートおよび高屈折率用コーテイング被覆したレン
ズを透明基材とした。 (2) コーテイング組成物の調製 (a) シラン加水分解物の調製 メチルトリメトキシシラン21.2g、n―プ
ロピルアルコール12.2gを添加し、10℃に冷
却したのち撹拌下で0.01規定塩酸水溶液8.4
gを滴下した。滴下終了後、室温にてさらに
1時間撹拌を行ない、シラン加水分解物を得
た。 (b) コーテイング組成物の調製 上記シラン加水分解物35.3g、n―プロピ
ルアルコール139.1g、エチルセロソルブ
22.5g、水69.0g、5%シリコーン系界面活
性剤n―プロピルアルコール3.9gを加えよ
く混合した後、(1)で使用したと同じメタノー
ル分散コロイド状シリカ29.3g、さらにアル
ミニウムアセチルアセトナート0.9を加えて
十分撹拌を行ないコーテイング組成物とし
た。固形分は5.93%であつた。 (c) 塗布およびキユア 前項(1)で製造した透明基材の上に上記(2)、
(b)で調製したコーテイング組成物を実施例1
と同じ条件でスピンコートし、コート後は93
℃の熱風乾燥機で4時間加熱硬化を行なつ
た。 (3) 試験結果 得られたレンズを実施例2と同様に試験した結
果、全光線透過率が97.2%、スチールウール硬度
がA、汗光サイクルテストは69サイクルであつ
た。また耐候性テスト後(サンシヤインウエザオ
メーター100hr)のスチールウール硬度もBと良
好なものであつた。 比較例 4 (1) 透明基材 実施例2と全く同じ方法で製造したアンダーコ
ートおよび高屈折率用コーテイング被覆したレン
ズを透明基材とした。 (2) コーテイング組成物の調製 (a) シラン加水分解物の調製 γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン12.0g、n―プロピルアルコール19.2g
を添加し、10℃に冷却したのち撹拌下で0.01
規定塩酸水溶液2.8を滴下した。滴下終了
後、室温にてさらに1時間撹拌を行ないシラ
ン加水分解物を得た。 (b) コーテイング組成物の調製 上記シラン加水分解物33.1g、n―プロピ
ルアルコール124g、エチルセロソルブ20.3
g水61.8g、5%シリコーン系界面活性剤n
―プロピルアルコール3.7gを加えよく混合
した後、(1)で使用したと同じメタノール分散
コロイド状シリカ27.5g、さらにアルミニウ
ムアセチルアセトナート0.9gを加えて十分
撹拌を行ないコーテイング組成物とした。固
形分は6.71%であつた。 (c) 塗布およびキユア 前項(1)で製造した透明基材の上に上記(2)、
(b)で調製したコーテイング組成物を前項(1)、
(b)と同じ条件でスピンコートし、コート後は
93℃の熱風乾燥機で4時間加熱硬化を行なつ
た。 (3) 試験結果 得られたレンズを実施例2と同様に試験した結
果、全光線透過率は96.6%、スチールウール硬度
はAであつたが、汗光サイクルテストが6サイク
ル、耐候性テスト後(サンシヤインウエザオメー
ター100hr)のスチールウール硬度がCと耐久性
が不良であつた。 実施例 7 (1) 透明基材 実施例2と全く同じ方法で製造したアンダーコ
ートおよび高屈折率用コーテイング被覆したレン
ズを透明基材とした。 (2) コーテイング組成物の調製 (a) シラン加水分解物の調製 メチルトリメトキシシラン43.0g、γ―グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン30.0
g、n―プロピルアルコール72.7を添加し、
10℃に冷却したのち撹拌下で0.01規定塩酸水
溶液23.9gを滴下した。滴下終了後、室温に
てさらに1時間撹拌を行ない、シラン加水分
解物を得た。 (b) コーテイング組成物の調製 上記シラン加水分解物33.1、n―プロピル
アルコール124.0g、エチルセロソルブ20.3
g、水61.8g、5%シリコーン系界面活性剤
n―プロピルアルコール3.7gを加えよく混
合した後、(1)で使用したと同じメタノール分
散コロイド状シリカ27.5g、さらにアルミニ
ウムアセチルアセトナート0.9gを加えて十
分撹拌を行ないコーテイング組成物とした。
固形分は6.83%であつた。 (c) 塗布およびキユア 前項(1)で製造した透明基材の上に上記(2)、
(b)で調製したコーテイング組成物を前項(1)、
(b)と同じ条件でスピンコートし、コート後は
93℃の熱風乾燥機で4時間加熱硬化を行なつ
た。 (3) 試験結果 得られたレンズを実施例2と同様に試験した結
果、全光線透過率が96.7%、スチールウール硬度
がA、汗光サイクルテストは35サイクル、また耐
候性テスト後(サンシヤインウエザオメーター
100hr)のスチールウール硬度もAと良好なもの
であつた。 実施例8〜11存比較例5〜6 (1) 透明基材 実施例2と全く同じ方法で製造したアンダーコ
ートおよび高屈折率用コーテイング被覆したレン
ズを透明基材とした。 (2) コーテイング組成物の調製 実施例1の(2)、(a),(b)において、希釈用溶媒で
あるn―プロピルアルコールと水の添加量を第2
表に示すとおりにする以外は全く同様にしてコー
テイング組成物を調製した。なお、n―プロピル
アルコールと水の混合比は67:33(重量比)であ
つた。 (3) 反射防止加工および試験結果 前記(1)の透明基材上に(2)のコーテイング組成物
を使用してそれぞれ実施例1と全く同様にして、
コーテイングおよび加熱硬化させた。得られたレ
ンズの全光線透過率の試験結果を第2表に示す。 実施例 12 (1) 透明基材 ブロム化ビスフエノールAのジメタクリレート
とスチレンの共重合体からなるレンズ(屈折率
1.593)を透明基材とした。 (2) 反射防止加工および試験結果 前記(1)の透明基材を使用する以外はすべて実施
例1と同様にして反射防止加工を行なつた。得ら
れたレンズは淡い赤紫色の反射光色を有し、全光
線透過率は95.3%の反射防止レンズであつた。な
お未処理レンズの全光線透過率は89.6%であつ
た。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (A) 一般式【式】で表わされる有 機ケイ素化合物の加水分解物 100重量部 ただし、(A)成分中50重量部以上がCH3Si
(OR2)3で表わされる有機ケイ素化合物の加水分
解物 (ここで、R1は炭素数が1〜10のアルキル
基、アルケニル基、アリル基またはハロゲン基、
エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリ
ルオキシ基ないしはシアノ基を有する炭化水素
基、R2は炭素数が1〜8のアルキル基、アルコ
キシアルキル基、アシル基であり、aは0または
1である。) (B) 平均粒子径1〜100mμの微粒子状シリカ
28〜350重量部 (C) 1種または2種以上の溶剤および/または分
散剤からなり実質的固形分濃度が2重量%以上
10重量%未満であるコーテイング組成物をコー
テイング被膜の屈折率より0.03以上高い屈折率
を有する透明基材表面の少なくとも一部に塗布
したのち加熱硬化させることを特徴とする反射
防止性透明材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6166484A JPS60203679A (ja) | 1984-03-29 | 1984-03-29 | 反射防止性透明材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6166484A JPS60203679A (ja) | 1984-03-29 | 1984-03-29 | 反射防止性透明材料の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60203679A JPS60203679A (ja) | 1985-10-15 |
| JPS6258634B2 true JPS6258634B2 (ja) | 1987-12-07 |
Family
ID=13177719
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6166484A Granted JPS60203679A (ja) | 1984-03-29 | 1984-03-29 | 反射防止性透明材料の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60203679A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005343924A (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-15 | Tostem Corp | 建材用セルフクリーング剤及びセルフクリーニング塗膜を有する建材 |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61293270A (ja) * | 1985-06-22 | 1986-12-24 | Taiyo Bussan Kk | 防眩性被膜形成用組成物 |
| JPS62289279A (ja) * | 1986-06-09 | 1987-12-16 | Yoshio Ichikawa | 被膜形成方法 |
| JP4918743B2 (ja) * | 2001-02-16 | 2012-04-18 | 凸版印刷株式会社 | 反射防止フィルム |
| JPWO2005121265A1 (ja) * | 2004-06-11 | 2008-04-10 | 東レ株式会社 | シロキサン系塗料、光学物品およびシロキサン系塗料の製造方法 |
-
1984
- 1984-03-29 JP JP6166484A patent/JPS60203679A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005343924A (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-15 | Tostem Corp | 建材用セルフクリーング剤及びセルフクリーニング塗膜を有する建材 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60203679A (ja) | 1985-10-15 |
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