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JPH09267015A - 活性炭素繊維を用いたフィルタ− - Google Patents

活性炭素繊維を用いたフィルタ−

Info

Publication number
JPH09267015A
JPH09267015A JP8103310A JP10331096A JPH09267015A JP H09267015 A JPH09267015 A JP H09267015A JP 8103310 A JP8103310 A JP 8103310A JP 10331096 A JP10331096 A JP 10331096A JP H09267015 A JPH09267015 A JP H09267015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activated carbon
filter
carbon fiber
honeycomb
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8103310A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Maeda
武士 前田
Takahiro Ikeda
孝博 池田
Katsumi Okawa
勝美 大川
Tatsuya Ito
龍哉 伊藤
Kazutaka Masuda
一隆 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP8103310A priority Critical patent/JPH09267015A/ja
Publication of JPH09267015A publication Critical patent/JPH09267015A/ja
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  • Filtering Materials (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造でありながら、圧力損失(濾過抵
抗)の少ない状態で優れた臭気除去機能を発揮できると
ころの活性炭素繊維を用いたフィルターを提供するこ
と。 【解決手段】 活性炭素繊維を主構成要素として用いた
フィルター。フィルターの本体がハニカム構造に構成さ
れ、各ハニカム孔2の内面2aに活性炭素繊維3が電気
植毛されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、活性炭素繊維を用いた
フィルターに関し、詳しくは、活性炭素繊維の活性炭の
吸着機能を利用して、例えば、煙草煙中のNH3 やCH
3 CHO等の悪臭成分或いは有害物質を吸着除去すると
ころの活性炭素繊維を用いたフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】活性炭の吸着性能が優れているのを利用
し、空気清浄機、エアーコンディショナー等のフィルタ
ーとして付設され、空気中の悪臭成分を除去することが
行われている。この活性炭の使用態様としては、大別す
ると、 活性炭をそのまま用いて、発泡ウレタン等の多孔質
基材に接着剤により粉末状或いは粒状で付着させてフィ
ルターとするか、或いは 活性炭を使用し易い活性炭素繊維(以下本文中では
単にACFという)とし、これをペーパー(活性炭素
紙)としたり、フェルト(不織布)としてフィルターに
用いる、という方法が採られている。
【0003】このACFの実用例としては、そのまま濾
過体(フィルター)として用いるのではなく、構造的な
工夫、例えば、より多くの接触面積を得るように活性炭
素紙をハニカム加工し、これを積層したハニカムダンボ
ールを薄くスライスして薄肉のフィルターとして用いる
といったことが既に知られている。
【0004】上述した粉末炭(平均粒径0.03〜0.
1mm程度)が、発泡ウレタンなどの多孔質基材に接着
剤を用いて接着固定し、エアーコンディショナーのフィ
ルターとして用いられているが、この場合には、活性炭
の粒径が小さいために、ベースに対する目付け量を増大
させようとすると接着剤量も必然的に増加することにな
り、その結果、接着剤によって活性炭の細孔が塞がれて
吸着容量を一定値以上に増大させることが出来なくな
る。反対に、接着剤の量を減らすと活性炭の脱落が非常
に多くなり、実用に供し得ないこととなる。
【0005】そして、こうした粉末炭に代えて粒状炭
(平均粒径0.5〜2mm程度)を用いる場合もある
が、この粒状炭では粒径が大きくなり、表面積が減少す
ることになるので吸着速度が低下するという欠点がある
し、ベースからの脱落もし易く、また、多孔質基材に多
層に付着させようとすると、非常に多量の接着剤を必要
とするので、活性炭の細孔が塞がれてしまう。
【0006】これに対し、活性炭をペーパー(活性炭素
紙)やフェルトとして用いる場合には、密度が高いため
に濾過時の圧力損失が高くなり、通常の脱臭フィルター
として使用し難いという欠点がある。また、このように
単にペーパー(活性炭素紙)やフェルトをそのまま用い
るのではなく、ハニカム加工する等して圧力損失を抑え
る方法を採ると共に目付け量も多くすることもできる
が、加工工程が多くなって製造コストが高くつくという
問題がある。
【0007】また、活性炭は、それ自体では例えばタバ
コ臭の基であるアルデヒド類の吸着特性が低いので、こ
れにアミン及びアミンの誘導体を添着させる等して吸着
性能を高め、また、尿臭のアンモニアについては、脂肪
酸のような酸性物質を添着する等して吸着性能を高めて
用いることが既に広く行われている。従って、こうした
添着剤が上述したハニカム加工時に剥離したりすること
がないように配慮しなけばならない。
【0008】こうした現状に鑑み、本発明者らは、特願
平6ー38545号(特開平7ー136502号)の中
において、ACFを多孔質基材に電気植毛する考えを提
案している。この技術は、細孔直径10〜100Åの細
孔の容積が0.25〜1.1cc/gであり、アミノベ
ンゼンスルホン酸を3〜50重量%添着させたACFを
多孔質基材に電気植毛してなる空気浄化フィルターユニ
ットに関する。前記多孔質基材としては、0.5〜50
mm程度のシート状材料で、例えば、発泡ポリウレタ
ン、発泡ホリプロピレン等の発泡樹脂や金属及び樹脂の
網状或いは孔明きシートが用いられ、また、ACFとし
ては、その平均長さが0.05〜5mm程度のものであ
る。
【0009】そして、電気植毛は、静電植毛法などの電
気植毛法を用い、それにはダウン法またはアップ法或い
はその両方を併用する方法を採っている。この方法は、
表面の接着剤を塗布した多孔質基材を、高電圧発生器に
接続された電極(金網)の上に配置され、且つ、高電圧
発生器は、上部電極及び下部電極に接続され、コロナ放
電中の強い電場の中でACFを落下させ、前記多孔質基
材に直立状態で植毛させている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この新規の技術は、前
述した粉末、粒状活性炭の接着固定方式の欠点や、活性
炭素繊維をペーパー或いはフェルトとして利用する場合
の欠点或いは活性炭素紙をハニカム加工して積層し、ス
ライスした薄肉の吸着材を用いる場合の問題点などを略
解消できるという点において一歩前進したものである
が、次の問題を孕んでいる。 多孔質基材の持つ濾過機能は、それ自体がフィルタ
ーとして機能できるという利点がある反面、発泡樹脂の
微細孔は濾過に際しての圧力損失が比較的に大きいこと
に加え、新たに電気植毛したACFが微細孔の断面積を
小さくすることとなって、その圧力損失を増大させるの
であり、優れた吸着性能を発揮するものの、空調フィル
ターとして利用する場合の電力消費上の問題がある。
【0011】 また、発泡樹脂の微細孔が濾過方向に
対して必ずしも一定(平行)方向に向いているものでは
ないので、それ故に圧力損失を増大させる一因となって
いるが、同時にACFの電気植毛に際して微細孔に対す
る直立性を確保し難い状態が発生しており、このことも
圧力損失を増大に繋がっていると推測される。
【0012】本発明は、かかる現状に鑑み、簡単な構造
でありながら、圧力損失(濾過抵抗)の少ない状態で優
れた臭気除去機能を発揮できるところの活性炭素繊維を
用いたフィルターを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる請求項1
の活性炭素繊維を用いたフィルターは、活性炭素繊維を
主構成要素として用いたフィルターであって、フィルタ
ーの本体1がハニカム構造に構成され、各ハニカム孔2
の内面2aに活性炭素繊維3が電気植毛されている、こ
とを特徴とする。本発明に言うハニカム構造とは、所謂
ハニカムとされる形状(断面八角形の蜂の巣)以外に、
三角、四角等の多角形状、楕円、長円、真円等の円形
状、波形或いはこれらを組み合わせたものも含まれるも
のである。また、活性炭素繊維の電気植毛は、全てのハ
ニカム孔2に行われるのが好ましいが、必ずしも全ての
ハニカム孔2に行われなくても本発明の目的を達成でき
るものである。従って、ここに言う各ハニカム孔2と
は、ハニカム構造の全ての孔2を意図して用いたもので
はない。
【0014】請求項2の発明は、請求項1に於いて、上
記フィルターの本体1が導電性材料又は帯電できる材料
で構成され、活性炭素繊維3が、各ハニカム孔2の内面
2aに、該内面2aに略起立する状態に植毛されてい
る、ことを特徴とする。
【0015】請求項3の発明は、請求項1に於いて、上
記活性炭素繊維3が各ハニカム孔2の内面2aに略倒伏
状態で植毛されている、ことを特徴とする。
【0016】請求項4の発明は、請求項1,2又は3に
於いて、上記フィルターの本体1が脱臭機能を有しない
シート素材で構成されている、ことを特徴とする。
【0017】請求項5の発明は、請求項1,2又は3に
於いて、上記フィルターの本体1が脱臭機能を有するシ
ート素材で構成されている、ことを特徴とする。
【0018】請求項6の発明は、請求項1,2,4又は
5に於いて、上記活性炭素繊維3の活性炭が、細孔直径
10〜100Åで、細孔容積が0.25〜1.1cc/
gである、ことを特徴とする。
【0019】請求項7の発明は、請求項1,2,4,5
又は6に於いて、上記活性炭素繊維の平均長さが、0.
01〜4mmである、ことを特徴とする。
【0020】請求項8の発明は、請求項1,2,4,
5,6又は7に於いて、上記活性炭素繊維3の活性炭
に、アミン類及び鉱酸が3〜50重量部添着されてい
る、ことを特徴とする。
【0021】請求項9の発明は、請求項1,2,4,
5,6又は7に於いて、上記活性炭素繊維3の活性炭
に、鉱酸、塩基、酸化剤又は柿果汁液の何れか一つ又は
組み合わせたものが3〜50重量部添着されている、こ
とを特徴とする。
【0022】
【作用】本発明にかかる請求項1の活性炭素繊維を用い
たフィルターによれば、活性炭素繊維を主構成要素とし
て用いたフィルターであって、フィルターの本体1がハ
ニカム構造に構成され、各ハニカム孔2の内面2aに活
性炭素繊維3が電気植毛されているので、ハニカム構造
のもつ一定方向の濾過方向性と発泡樹脂等の多孔質基材
に比較して大きい通気性を採ることができるのを利用し
て、圧力損失の極めて少ない状態で、このハニカム孔2
に植毛した活性炭素繊維3の吸着性能を最大限に発揮さ
せることができる。
【0023】そして、ハニカム構造そのものは製作容易
な構造であり、例えば、既存の段ボールのようなハニカ
ム構造素材を用いる方法、パンチングによる方法、射出
成形等の適宜の方法で製作できる。また、ハニカム構造
に対して電気植毛するもので、従来技術の一つである活
性炭素紙をハニカム加工して積層したハニカム段ボール
をスライスするのに較べて製作工程が非常に簡単であ
り、コストがかからない。また、電気植毛してからハニ
カム構造に加工するものではないので、接着された活性
炭素繊維3がそうした加工に際しての変形、衝撃、圧力
によって脱落するといった恐れも無い。
【0024】請求項2の発明によれば、上記フィルター
の本体1が導電性材料又は帯電できる材料で構成され、
活性炭素繊維3が、各ハニカム孔2の内面2aに、該内
面2aに略起立する状態に植毛されているので、本体1
の素材がある程度の制限を受けるものの、電気植毛に際
してその活性炭素繊維3を濾過方向に略直交させて植毛
することができ、以て、活性炭素繊維3の全体を、恰も
腸壁の繊毛の如く、浄化対象空気に全面接触させること
ができて、吸着性能を最大限に発揮できる。
【0025】即ち、本体1を電極とすることによって、
活性炭素繊維3の繊維の長手方向が垂直に向くように電
場中を落下して着た活性炭素繊維3が、その向きを水平
に変え、そのハニカム孔2の内面2aに対して略起立す
る方向で吸引されることになり、従って、内面2aに対
して略直角方向での植毛が可能となる。これによって、
繊毛の如くハニカム孔2の中心(軸芯)方向に林立する
如き植毛が得られ、活性炭素繊維3の全面が浄化対象空
気に接触することが出来る。また、各ハニカム孔2の内
面2aに略起立する状態であるので、活性炭素繊維3が
各ハニカム孔2の内面2aに倒伏する状態で固定される
のに較べ、圧力損失を最小限にしながら所定面積当たり
の活性炭素繊維3の植毛量を増大させることができ、一
層吸着性能を向上できる。
【0026】請求項3の発明によれば、請求項1に於い
て、上記活性炭素繊維3が各ハニカム孔2の内面2aに
略倒伏状態で植毛されているので、活性炭素繊維3の全
面活用という点において上記請求項2に較べ吸着性能が
劣るものの、従来の発泡樹脂等の多孔質基材に較べて圧
力損失を充分に減少させて吸着性能を発揮できると共に
本体1の構成素材を導電性或いは帯電可能な素材に制限
されることがなく、電気植毛も既存のダウン法或いはア
ップ法等で簡単に行い得る。
【0027】請求項4の発明によれば、請求項1,2又
は3に於いて、上記フィルターの本体1が脱臭機能を有
しないシート素材で構成されているので、上述したよう
に、段ボール等の紙製、合成樹脂シート等の素材をその
まま適用して簡単に製造でき、コスト低減を図ることが
できる。
【0028】請求項5の発明によれば、請求項1,2又
は3に於いて、上記フィルターの本体1が脱臭機能を有
するシート素材で構成されているので、例えば、活性炭
(粉、粒状)を混在(混練)させた紙製のシートを用い
れば、各ハニカム孔2の表面が吸着性能を持つことにな
り、上記活性炭素繊維3による吸着性能に加え、圧力損
失を最小限に食い止めながら一層の吸着性能向上を期待
できる。
【0029】請求項6の発明によれば、請求項1,2,
4又は5に於いて、上記活性炭素繊維3の活性炭が、細
孔直径10〜100Åで、細孔容積が0.25〜1.1
cc/gであるのは、活性炭の細孔直径が10〜100
Åで、細孔容積が0.25〜1.1cc/g未満の場合
には、アミノベンゼンスルホン酸の添着効果が充分でな
くなり、細孔直径が10Å未満である場合にはアミノベ
ンゼンスルホン酸が添着されても平面的な表面しか形成
されず、吸着除去効率が良くない。また、前記細孔直径
が100Åを超える場合は、活性炭素の表面積が減少す
るので好ましくない。
【0030】請求項7の発明によれば、請求項1,2,
4,5又は6に於いて、上記活性炭素繊維の平均長さ
が、0.01〜4mmであるのは、0.01mm未満の
場合には接着材に覆われる割合が多くなり、細孔が塞が
れる傾向にあるためで、反対に4mm以上の場合は、各
ハニカム孔2への植毛が行い難く、目付け量を大きくで
きず、特に起立状態での植毛が行い難くなるためであ
る。また、各ハニカム孔2を閉塞してしまう割合いが増
え、圧力圧力の増大を招くことになる。
【0031】請求項8の発明によれば、請求項1,2,
4,5,6又は7に於いて、上記活性炭素繊維3の活性
炭に、アミン類及び鉱酸が3〜50重量部添着されてい
るので、活性炭が単独で吸着し難いところのアセトアル
デヒド及びアンモニアを含む煙草臭、尿臭等の悪臭成分
を化学吸着することができる。
【0032】請求項9の発明によれば、請求項1,2,
4,5,6又は7に於いて、上記活性炭素繊維3の活性
炭に、鉱酸、塩基、酸化剤又は柿果汁液の何れか一つ又
は組み合わせたものが3〜50重量部添着されているの
で、これら薬剤に化学反応可能な浄化対象空気中の各種
の悪臭成分を化学吸着することが可能であり、このフィ
ルターの適用範囲を拡げることができる。こうした化学
薬剤によって、大気中のNO2 、SO2 のような酸性物
質、NH3 やトリメチルアミンのよな塩基物質を吸着で
きる。上記酸化剤としては、H2 Sやメチルカプタン等
の含イオウ物質を吸着除去するものとして、ニクロム酸
カリウム、臭素、過マンガン酸カリウム等が用いられ
る。
【0033】
【発明の実施の態様】本発明に於いて、ハニカム構造の
本体1としては、特に形状、寸法に制限を受けるもので
はないが、厚みとしては、3〜10mm程度が好まし
い。その厚みが3mm以下では、ハニカム構造のスライ
スが困難で、10mm以上では電気植毛に適合し難い。
また、圧力損失を最小限にするために、図1に示す如き
波形の場合には、その山間距離が2〜10mm程度、山
高さが1〜8mm程度が好ましい。その山間距離や山高
さが小さ過ぎると圧力損失も高くなり、逆に大き過ぎる
と単位容積あたりの吸着材料が少なくなり、脱臭効果が
落ちる。
【0034】上記活性炭素繊維3としては、特に制限さ
れないが、ピッチ系、アクリル系、セルロース系、フェ
ノール系等を用いることができる。その活性炭素繊維の
平均長さは、上述したように、0.01〜4mmであ
る。因みに、その繊維直径は5〜30μm程度が好まし
い。前記活性炭素繊維3の長さが、0.01mm未満の
場合には接着材に覆われる割合が多くなり、細孔が塞が
れる傾向にあるためで、反対に4mm以上の場合は、各
ハニカム孔2への植毛が行い難く、目付け量を大きくで
きず、特に起立状態での植毛が行い難くなるためであ
る。また、各ハニカム孔2を閉塞してしまう割合いが増
え、圧力圧力の増大を招くことになるためである。従っ
て、平均繊維長は0.1〜2mm程度が好ましく、特
に、平均繊維長が0.3〜0.7mm程度であって、且
つ、繊維長の分布が±0.2mm以内であることが好ま
しい。
【0035】本発明の本体1の導電性素材としては、通
常の紙であっても不純物の混在によて少なからず導電性
を有すると共に段ボール等の製造で強化を目的としてカ
ーボン繊維等の適宜の導電物質を混練している場合や着
色顔料等の混練により導電性を備える場合もあり、特に
導電性に優れた素材を準備或いは選択する迄もない。ま
た、帯電可能な素材しては、静電気の帯電性が良い通常
の合成樹脂シートが用い得ると共に紙製の段ボールシー
トに防水目的で合成樹脂フィルムシートを被覆させたも
のでも同じ帯電作用が期待できる。
【0036】本発明の電気植毛の方法としては、それ自
体公知であるダウン法、アップ法或いはその組み合わせ
を用いるのが好ましい。これについては、組み合わせと
なるアップ・ダウン法を実施例で用いているので、そこ
で詳述する。
【0037】
【実施例】以下、本発明にかかる活性炭素繊維を用いた
フィルターの好適実施例について、図面に基づいて詳述
する。 第1実施例 図1に拡大して示すように、ここでは、フィルターの本
体1を、それ自体脱臭機能を有しない導電性の良いカー
ボンファイバー含有の紙製のシート(段ボール状)で、
波形のハニカム構造(断面が波形でコルゲートタイプ)
として構成されているが、図2にも示すように、その厚
み(奥行き)Tとしては、ここでは5mmとされてい
る。
【0038】また、上記ハニカム構造の圧力損失を最小
限にするために、図1及び図2に示すように、そのハニ
カム孔2の形成として、山間距離Pが3.4mm、山高
さHが1.9mmとされている。このハニカム構造(コ
ルゲート)自体の圧力損失は、図5にP3で示す如くで
ある。但し、この場合には、その厚み(奥行き)が20
mm、カラム径が100mmとした場合である。因み
に、ハニカムの山間距離と山高さが次のように変わる
と、それぞれ、図5に示す通り変化する。 P1・・・P=2.4mm、H=1.2mm P2・・・P=2.6mm、H=1.4mm P3・・・P=3.4mm、H=1.9mm P4・・・P=4.2mm、H=2.5mm P5・・・P=6.1mm、H=3.8mm P6・・・P=8.5mm、H=5.8mm
【0039】ここに用いた活性炭素繊維3は、その平均
繊維長が0.3〜0.7mm程度で、その繊維長分布が
±0.2mmのものを用いている。この活性炭素繊維3
は、平均細孔直径18Å(細孔系の分布10〜50Å)
で、細孔容積が0.5cc/g、比表面積1000m2
/gのピッチ系の活性炭素繊維3(商品名:アドールA
ー10(株)アドール製で、長さ0.3〜0.7mm、
その繊維長分布が±0.2mm)のものを用いた。
【0040】上記活性炭素繊維3の電気植毛について、
図3に基づいて詳述すると、此の実施例では、アップ法
とダウン法との併用方法を採っている。4は、活性炭素
繊維3を収容するホッパーであり、このホッパー4を振
動させることにより活性炭素繊維3を落下させるよう構
成されている。前記ホッパー4の下方には、高電圧発生
器5に接続された上部電極6が設けら下方に設けたられ
た下部電極7とが設けられている。そして、前記上下電
極6,7間に、各ハニカム孔2の内面に接着剤、ここで
は水性ウレタン樹脂液をスプレーガンにより薄く塗布し
た上記ハニカム構造の本体1を、そのハニカム孔2の軸
芯が上下の方向に向くようにしてセットし、これに中間
電極8を接続して前記高電圧発生器5に接続する構成と
した。
【0041】電極6と本体1の中間電極8との間の電位
差は、ここでは、5000KVに設定された。しかし、
1000〜7000KVであればよく、好ましくは、3
000〜10000KVとするのがよい。上記電圧が印
加され、コロナ放電中の強い電場の中で活性炭素繊維3
が落下してくると、本体1の各ハニカム孔2を通過して
落下する間に電極となった各ハニカム孔2の内面2aに
吸引され、そこの接着剤に接着される。
【0042】この際、本体1が電極となっているため
に、活性炭素繊維3の繊維の長手方向が垂直に向くよう
に電場中を落下して着た活性炭素繊維3が、その向きを
水平に変え、そのハニカム孔2の内面2aに対して略起
立する方向で吸引されることになり、従って、内面2a
に対して略直角方向での植毛が可能となる。これによっ
て、繊毛の如くハニカム孔2の中心(軸芯)方向に林立
する如き植毛が得られ、活性炭素繊維3の全面が浄化対
象空気に接触することが出来る。尚、図1及び図2に示
す活性炭素繊維3の植毛は、想像で示したものあって、
図示のサイズ及び配列が現実に則しているという意味で
はない。
【0043】上記ハニカム孔2を通過して下方に落下し
た活性炭素繊維3は、上記電極6,7の極性を変えるこ
とで、上方の電極6に向けて上方へ浮上することなり、
再び各ハニカム孔2を通過することになって、再度、内
面2aに対する機会を得ることになり、植毛効率を上げ
るようにされている。尚、本体1を導電性材で構成しな
い場合には、上記中間電極8に金網を配し、この上に本
体1を載置して実施する従来一般の方法を採ればよい。
同様に、静電気を帯電させる素材で本体1を構成する場
合には、別途本体1に適宜の手段で静電気を帯電させて
おいてから実施するこようにしてもよい。
【0044】上記電気植毛によって得られたフィルター
の活性炭素繊維3の坪量は、20g/m2 であり、トル
エンの吸着量は1000ppm基準で6g/m2 であっ
た。そして、このフィルターの圧力損失ついて25°C
における比較テストを行った結果、図4及び図5に示す
グラフ通りの結果を得た。図4中、Aは、本発明による
フィルター、Bは、発泡樹脂(ウレタン発泡材)の多孔
質基材に活性炭素繊維を電気植毛したフィルター、C
は、活性炭素繊維をフェルト化したものである。この従
来技術のフィルターBは、本発明のフィルターの構成と
の比較において、そのベースとなる多孔質基材が、本発
明にあっては導電性を備えたシート材からなるハニカム
構造であるという点以外は同じとされており、フィルタ
ーCは、実施例1で用いたピッチ系の活性炭素繊維をフ
ェルト化したもので、目付け量150g/m2 のもので
ある。
【0045】上記図4のグラフから明らかなように、相
対的に見て、本発明のフィルターが、従来フィルターに
比して、圧力損失について優れた性能を有するものであ
ることが判る。また、図5のグラフから明らかなよう
に、実際の数値としても、基材のハニカム構造体の圧力
損失から僅かに増大しているだけに過ぎないことが判
る。
【0046】第2実施例 この実施例では、第1実施例と同じ構造の本体1を構成
し、その活性炭素繊維3の100重量部に対して、Pー
トルイジン15重量部、リン酸10重量部を添着したも
のを用いた。勿論、この活性炭素繊維3の細目について
も第1実施例と同じである。この本体1に電気植毛によ
って活性炭素繊維3を植毛して得たフィルターの吸着テ
ストでは、アセトアルデヒトの吸着量は、10ppm基
準で、0.5g/m 2 、NH3 の吸着量は、0.15g
/m2 であった。そして、圧力損失のテストは、図4に
A’として示す通りの優れた透過性を得た。尚、図5に
おいては、グラフ線Aと近似しているので、表示を省略
した。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、製造簡単或いは既存の
ハニカム構造素材を用いることが出来るものでありなが
ら、従来のフェルト状活性炭素繊維のフィルター或いは
発泡樹脂等の多孔質基材への活性炭素繊維の電気植毛に
較べ、圧力損失(濾過抵抗)を最小限に抑えながら優れ
た臭気除去機能を発揮できるに至り、製造コストの低減
を図りながら空調機器等での適用に際してエネルギー節
約を果たせる等の顕著な効果を奏すると共にその結果と
してその適用範囲を拡げることができる利点がある。
【0048】特に、ハニカム孔の内面への略起立状態で
の活性炭素繊維の電気植毛によれば、活性炭素繊維を、
繊毛の如くその全面積を浄化対象空気に接触させること
ができ、圧力損失の少ない状態で吸着効率を高めること
が出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる活性炭素繊維を用いたフィルタ
ーの要部の拡大横断面図である。
【図2】本発明にかかる活性炭素繊維を用いたフィルタ
ーの要部の図1のAーA線断面図である。
【図3】本発明にかかる活性炭素繊維を用いたフィルタ
ーの製造工程を示す概略図である。
【図4】本発明にかかる活性炭素繊維を用いたフィルタ
ーの圧力損失を示すグラフである。
【図5】本発明にかかる活性炭素繊維を用いたフィルタ
ーの圧力損失及び基材となるハニカム構造体の圧力損失
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 フィルターの本体 2 ハニカム孔 2a ハニカム孔の内面 3 活性炭素繊維
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/38 (72)発明者 伊藤 龍哉 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 増田 一隆 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性炭素繊維を主構成要素として用いたフ
    ィルターであって、 フィルターの本体1がハニカム構造に構成され、 各ハニカム孔2の内面2aに活性炭素繊維3が電気植毛
    されている、活性炭素繊維を用いたフィルター。
  2. 【請求項2】上記フィルターの本体1が導電性材料又は
    帯電できる材料で構成され、活性炭素繊維3が、各ハニ
    カム孔2の内面2aに、該内面2aに略起立する状態に
    植毛されている、請求項1の活性炭素繊維を用いたフィ
    ルター。
  3. 【請求項3】上記活性炭素繊維3が各ハニカム孔2の内
    面2aに略倒伏状態で植毛されている、請求項1の活性
    炭素繊維を用いたフィルター。
  4. 【請求項4】上記フィルターの本体1が脱臭機能を有し
    ないシート素材で構成されている、請求項1,2又は3
    の活性炭素繊維を用いたフィルター。
  5. 【請求項5】上記フィルターの本体1が脱臭機能を有す
    るシート素材で構成されている、請求項1,2又は3の
    活性炭素繊維を用いたフィルター。
  6. 【請求項6】上記活性炭素繊維3の活性炭が、細孔直径
    10〜100Åで、細孔容積が0.25〜1.1cc/
    gである。請求項1,2,3,4又は5の活性炭素繊維
    を用いたフィルター。
  7. 【請求項7】上記活性炭素繊維の平均長さが、0.01
    〜4mmである、請求項1,2,3,4,5又は6の活
    性炭素繊維を用いたフィルター。
  8. 【請求項8】上記活性炭素繊維3の活性炭に、アミン類
    及び鉱酸が3〜50重量部添着されている、請求項1,
    2,3,4,5,6又は7の活性炭素繊維を用いたフィ
    ルター。
  9. 【請求項9】上記活性炭素繊維3の活性炭に、鉱酸、塩
    基、酸化剤又は柿果汁液の何れか一つ又は組み合わせた
    ものが3〜50重量部添着されている、請求項1,2,
    3,4,5,6又は7の活性炭素繊維を用いたフィルタ
    ー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005532163A (ja) * 2002-07-10 2005-10-27 ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド 縦溝流路濾過媒体とその製造工程

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005532163A (ja) * 2002-07-10 2005-10-27 ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド 縦溝流路濾過媒体とその製造工程
US8512499B2 (en) 2002-07-10 2013-08-20 Donaldson Company, Inc. Fluted filter medium and process for its manufacture

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