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JP2025513312A - 高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液及び高電圧アルミ電解コンデンサ - Google Patents

高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液及び高電圧アルミ電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

本願は、従来のアルミ電解コンデンサが高電圧下で腐食して故障しやすく、寿命が低下するという問題を克服するため、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液及び高電圧アルミ電解コンデンサを提供する。電解液は、主溶質B、防食材A、溶媒を含む。前記電解液は、0.1≦10×(σ×m×p)/(r×η)≦1.5、且つ1%≦m≦5%、80mPa・s≦η≦400mPa・sの関係式を満たす。製造して得られた電解液は、高い導電率、フラッシュ電圧を有し、コンデンサの破壊、弁の液漏れ、腐食などの故障現象の発生を回避する。また、製造して得られたアルミ電解コンデンサは、500V以上の高電圧に耐えることができ、高い導電率、高耐圧性と良好な耐腐食性能を有し、且つ使用寿命が105℃ 5000Hを達成するなどの効果を奏する。

Description

本発明は、アルミ(「アルミニウム」の略称)電解コンデンサ用電解液の技術分野に属し、具体的には、500V以上で適用される高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液及び高電圧アルミ電解コンデンサに関する。
アルミ電解コンデンサは、応用分野が広く、工業、家電や航空宇宙などの重要な産業で利用されており、かけがえのない重要な役割を果たしている。アルミ電解コンデンサは、その使用範囲が広がるに伴い、耐電圧に対する要求も徐々に高まっている。現在、市販の500~600Vの電圧範囲のアルミ電解コンデンサ製品は、製品の耐電圧を確保するために、導電率の低いアルミ電解コンデンサを使用することが多く、例えば、市場で使用される500Vアルミ電解コンデンサ製品に使用されるアルミニウム電解液の導電率は1.2mS/cmであり、550Vアルミ電解コンデンサ製品に使用されるアルミニウム電解液の導電率は1.0mS/cmであり、600Vアルミ電解コンデンサ製品に使用されるアルミニウム電解液の導電率は0.6mS/cmである。導電率の低いアルミニウム電解液は、高耐電圧の要求には十分対応できるが、アルミ電解コンデンサに適用された場合、アルミ電解コンデンサ製品のDF(誘電損失、DF=損失エネルギー/蓄積エネルギー)値が相対的に大きくなり、アルミ電解コンデンサの使用時の発熱量が大きくなり、製品寿命の低下を招きやすい。
また、アルミ電解コンデンサは、高電圧環境では、電界強度が大きくなり、不純物イオンの移動速度が速くなりやすく、アルミニウム母材の結晶格子中の不純物イオンが外に移動する可能性もあり、アルミニウム箔の腐食を促進し、コンデンサのパラメータに影響を与え、ひどい場合にはコンデンサの故障を引き起こす。現在、市販のアルミ電解コンデンサの高電圧製品の寿命は基本的に、105℃ 2000Hと表示されているが、その最も主な理由は、アルミ電解コンデンサは使用後期に腐食による故障が発生しやすくなるからである。
本願は、従来のアルミ電解コンデンサが高電圧下で腐食して故障しやすく、寿命が低下するという問題に鑑みて、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液及び高電圧アルミ電解コンデンサを提供する。
本発明は、上記の技術的問題を解決するために、以下の技術的解決策を提供する。
一方面では、本発明は、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を提供する。前記電解液は、溶媒と、溶質と、添加剤とを含み、前記溶質は、主溶質B及び防食材Aを含み、前記主溶質Bは、構造式1で示される化合物である。
ここで、Rは、炭素主鎖と、炭素主鎖上に位置する分岐鎖とを含み、Rの炭素主鎖の長さは10~26個の炭素原子であり、Rの分岐鎖の数は1~10個であり、且つRの分岐鎖は、それぞれ独立して、炭素数1~10の直鎖又は分岐の炭化水素基、炭素数1~10の直鎖又は分岐の含酸素炭化水素基から選択される。
前記電解液は、
0.1≦10×(σ×m×p)/(r×η)≦1.5、且つ
1%≦m≦5%,80mPa・s≦η≦400mPa・sの関係式を満たし、
ここで、σは前記電解液の25℃の導電率(mS/cm)であり、
mは前記電解液の含水量(%)であり、
pは主溶質Bの前記電解液中の質量含有率(%)であり、
rは食材Aの前記電解液中の防質量含有率(%)であり、
ηは前記電解液の粘度(mPa・s)である。
前記酸素含有炭化水素基は、カルボニル基、エステル基又はカルボキシ基を含むことが好ましい。
前記電解液の含水量mは、2%~4%であることが好ましい。
前記電解液の粘度ηは、80mPa・s≦η≦300mPa・sであることが好ましい。
前記主溶質Bの電解液中の質量含有率は、電解液の総質量100%に対し、10%~25%であることが好ましい。
前記防食材Aは、無機酸とポリオールをエチレングリコール溶媒中で反応させることによって得られる複合体であり、
前記無機酸は、ホウ酸、モリブデン酸及びケイ酸のうちの1種又は複数種を含み、前記ポリオールは、マンニトール、キシリトール、ソルビトール及びケルセチンのうちの1種又は複数種を含み、
前記防食材Aの電解液中の質量含有率は、電解液の総質量100%に対し、8%~15%であることが好ましい。
前記防食材Aは、ホウ酸とマンニトールをエチレングリコール溶媒中で反応させることによって得られる複合体であることが好ましい。
前記溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンのうちの1種又は複数種を含む主溶媒と、
N,N-ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレンクリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、γ-ブチロラクトン、スルホラン、n-ブタノールのうちの1種又は複数種を含む共溶媒とを含み、
電解液の総質量100%に対し、前記主溶媒の電解液中の質量含有率は26%~65.49%であり、前記共溶媒の電解液中の質量含有率は8%~15%であることが好ましい。
前記電解液は、セバシン酸及びそのアンモニウム塩、アゼライン酸及びそのアンモニウム塩、ドデカン二酸及びそのアンモニウム塩、ホウ酸、五ホウ酸アンモニウムのうちの1種又は複数種を含む補助溶質をさらに含み、
前記補助溶質の電解液中の質量含有率は、電解液の総質量100%に対し、1%~3%であることが好ましい。
前記添加剤は、
p-ニトロベンジルアルコール、3-ニトロアセトフェノン、o-ニトロアニソール、p-ニトロフェノール、p-ニトロ安息香酸アンモニウム、p-ニトロ安息香酸のうちの1種又は複数種を含む水素除去剤と、
次亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸、ソルビトール、マンニトール、ケイ酸化合物、ケイ酸アルミニウム塩のうちの1種又は複数種を含む防水混合物と、
分子量が600~6000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコールブロックポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、無機ナノシリカのうちの1種又は複数種を含む着火促進剤とを含み、
電解液の総質量100%に対し、前記水素除去剤の電解液中の質量含有率は0.5%~2%であり、前記防水混合物の電解液中の質量含有率は0.01%~2%であり、前記着火促進剤の電解液中の質量含有率は7%~12%であることが好ましい。
他の一方面では、本願は、陽極箔と、陰極箔と、陽極箔及び陰極箔と同じ側に設けられ、上記の高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液が含侵された電解紙とを含む、高電圧アルミ電解コンデンサを提供する。
電解液中の水分含有率が1%~5%であることにより、十分な量の酸素負イオンを提供し、陽極箔の酸化効率を高め、適時に酸化膜を修復して、アルミ電解コンデンサの使用寿命を延ばすことができる。電解液の水分含有率が1%~5%に制御され、電解液の粘度が80mPa・s~400mPa・sの範囲内であることにより、イオン移動速度を高め、電解液が高い導電率を有することを維持し、セルパッケージがよく含浸される浸潤効果を確保する。本願に係る高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液は、電解液中の含水量m、主溶質Bの含有率p、防食材Aの含有率rを制御することで、電解液の導電率と粘度を、関係式0.1≦10×(σ×m×p)/(r×η)≦1.5、且つ1%≦m≦5%、80mPa・s≦η≦400mPa・sを満たすように、調整する。製造して得られた電解液は高い導電率、フラッシュ電圧を有し、コンデンサの破壊、弁の液漏れ、腐食などの故障現象の発生を回避する。製造して得られたアルミ電解コンデンサは500V以上の高電圧に耐えることができ、且つ使用寿命が105℃ 5000Hを達成するなどの効果を奏する。
以下、本発明の解決すべき課題、技術的解決策及び有益な効果をより明らかにするために、実施例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。ここで説明する具体的な実施例は、本発明を説明するものに過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本願の一実施例は、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を提供する。前記電解液は、溶媒と、構造式1で示される化合物である主溶質B及び防食材Aを含む溶質と、添加剤とを含む。
ここで、Rは、炭素主鎖と、炭素主鎖上に位置する分岐鎖とを含み、Rの炭素主鎖の長さは10~26個の炭素原子であり、Rの分岐鎖の数は1~10であり、且つRの分岐鎖は、それぞれ独立して、炭素数1~10の直鎖又は分岐の炭化水素基、炭素数1~10の直鎖又は分岐の含酸素炭化水素基から選択される。
前記電解液は、
0.1≦10×(σ×m×p)/(r×η)≦1.5、且つ
1%≦m≦5%,80mPa・s≦η≦400mPa・sの関係式を満たす。
ここで、σは前記電解液の25℃の導電率(ms/cm)であり、
mは前記電解液の含水量(%)であり、
pは前記電解液中の主溶質Bの質量含有率(%)であり、
rは前記電解液中の防食材Aの質量含有率(%)であり、
ηは前記電解液の粘度(mPa・s)である。
具体的には、主溶質BにおけるRの分岐鎖は、C1~C10の直鎖炭化水素基から選択されてもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基などであってもよく、Rの分岐鎖は、炭素数1~10の分岐炭化水素基であってもよく、例えば、イソプロピル基、イソブチル基などであってもよい。主溶質BにおけるRの分岐鎖は、炭素数1~10の直鎖又は分岐の酸素含有炭化水素基から選択されてもよく、例えば、酢酸メチル基、プロピオン酸メチル基などであってもよい。
いくつかの好ましい実施例では、酸素含有炭化水素基は、カルボキシ基、カルボニル基、又はエステル基を含み、例えば、カルボキシ基は、酢酸基、プロピオン酸基等のカルボキシ基を1個含む基であってもよく、2個以上含むカルボキシ基であってもよく、カルボニル基は、ホルミル基、アセチル基、イソブチリル基などであってもよく、エステル基は、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸プロピルなどであってもよい。
主溶質Bは、以下の化合物のうちの1種又は複数種であってもよい。
主溶質Bは、高電圧電解質として機能する。構造式1で示される化合物のRの炭素主鎖の長さは10~26個の炭素原子の範囲内であり、炭素鎖が長くなるにつれて、長い炭素鎖のカルボン酸アンモニウム塩が酸化皮膜表面に付着し、酸化皮膜の耐電圧の弱い箇所をより効果的に保護し、炭素鎖が長くなるにつれて電解液のフラッシュ電圧が徐々に高くなる。主溶質Bは、電解液の溶媒への溶解性がよく、電解液の導電率を高める作用を有するとともに、コンデンサの電気化学反応に有利である。ただし、主溶質Bの添加量は電解液の粘度に大きく影響し、電解液の粘度が高すぎるとイオン移動速度が小さくなり、コンデンサ製造中の含浸動作にも不利になるので、主溶質Bの電解液中の含有率は必要な導電率の大きさに依存する。また、電解液の粘度が80mPa・s≦η≦400mPa・sの範囲内であることを確保する必要があり、より好ましくは80mPa・s≦η≦300mPa・sである。
いくつかの好ましい実施例では、前記主溶質Bの電解液中の質量含有率は、電解液の総質量100%に対し、10%~25%である。
電解液には一定量の水が含まれることによって、電解液中の主溶質の電離に寄与し、電解液の導電率をある程度向上させ、また、水が電解液の酸素供与能力を向上させ、誘電体層の修復に寄与することもできる。この観点から、電解液中の水分含有率が1%以上であることが好適である。また、電解液に水を多く含む場合、箔表面に水和膜Al(OH)が生成しやすく、それによってコンデンサ容量が低下し、また、水の沸点が低いため、コンデンサを高温条件下で使用すると、内部の圧力上昇により、弁の液漏れにより故障し、さらに、電解液中に水を多く含みすぎると、硫酸イオンや塩素イオンの析出が容易になり、コンデンサの腐食リスクが高くなる。したがって、電解液中の含水量は高くても5%を超えてなならず、1%、1.5%、2%、2.5%、2.8%、3.2%、3.6%、4.2%、4.5%、5.0%であってもよく、2%~4%が好ましい。
いくつかの好ましい実施例では、前記防食材Aは、無機酸とポリオールをエチレングリコール溶媒中で反応させることによって得られる複合体であり、
前記無機酸は、ホウ酸、モリブデン酸及びケイ酸のうちの1種又は複数種を含み、前記ポリオールは、マンニトール、キシリトール、ソルビトール及びケルセチンのうちの1種又は複数種を含み、
電解液中の前記防食材Aの質量含有率は、電解液の総質量100%に対し、8%~15%である。
防食材Aの電解液への添加量は、8%、8.5%、9.0%、9.6%、10.4%、10.9%、11.5%、12%、12.6%、13%、13.8%、14%、14.3%、15%であってもよい。防食材Aは、電解液に適用された場合、腐食防止作用を有する。電解液を作動電解液として高電圧アルミ電解コンデンサに適用することにより、不純物イオンのアルミニウム箔への腐食を防止し、コンデンサの耐腐食性能を高めることができる。また、防食材Aは、水と反応して電解液の水分含有率を調整し、コンデンサの水分含有率の上昇による安定性の問題をより適切に解決することができる。
いくつかの好ましい実施例では、前記防食材Aは、ホウ酸とマンニトールをエチレングリコール溶媒中で反応させることによって得られる複合体である。
本願に係る高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液は、関係式0.1≦10×(σ×m×p)/(r×η)≦1.5(ここで、σは電解液の導電率、mは電解液中の水分含有率、pは主溶質Bの含有率、rは防食材Aの含有率、ηは電解液の粘度である。)、且つ1%≦m≦5%、80mPa・s≦η≦400mPa・sを満たし、優れた導電率、高いフラッシュ電圧を有し、コンデンサの最大作動電圧が500Vであるという要求を満足し、且つ製造して得られたコンデンサは良好な耐腐食性能を有し、寿命試験が105℃ 5000Hに達し、高い信頼性を有する。
いくつかの好ましい実施例では、前記溶媒は、主溶媒及び共溶媒を含む。前記主溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンのうちの1種又は複数種を含む。主溶媒は、アルコール系化合物から選択することことにより、主溶質B、防食材A、補助溶質、添加剤に対する良好な溶解性を確保することができる。
前記共溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレンクリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、γ-ブチロラクトン、スルホラン、n-ブタノールのうちの1種又は複数種を含む。共溶媒は、主溶媒との協働により、主溶質B、防食材A、添加剤などの溶解度を高め、溶媒を安定化させる機能を果たす。
いくつかの好ましい実施例では、電解液の総質量100%に対し、電解液中の前記主溶媒の質量含有率は26%~65.49%であり、電解液中の前記共溶媒の質量含有率は8%~15%である。
主溶媒は添加量の割合が大きく、主に主溶質B、防食材A、補助溶質、添加剤などの溶質を溶解する機能を果たし、補共溶媒は添加量が主溶媒の添加量よりも少なく、主溶媒による溶質の溶解を補助する機能を果たし、両者は互いに協働して溶媒の溶解性と安定性を高める。
いくつかの好ましい実施例では、前記電解液は、補助溶質をさらに含み、前記補助溶質は、セバシン酸及びそのアンモニウム塩、アゼライン酸及びそのアンモニウム塩、ドデカン二酸及びそのアンモニウム塩、ホウ酸、五ホウ酸アンモニウムのうちの1種又は複数種を含み、
電解液中の前記補助溶質の質量含有率は、電解液の総質量100%に対し、1%~3%である。
補助溶質の添加量は1%、1.5%、1.7%、2.0%、2.3%、2.5%、2.7%、3.0%であってもよい。補助溶質の添加量は1%~3.0%であり、補助溶質は電解液の導電率の向上のために用いられる。
いくつかの好ましい実施例では、電解液は、添加剤をさらに含む。前記添加剤は、水素除去剤、防水混合物、着火促進剤を含む。
前記水素除去剤は、p-ニトロベンジルアルコール、3-ニトロアセトフェノン、o-ニトロアニソール、p-ニトロフェノール、p-ニトロ安息香酸アンモニウム、p-ニトロ安息香酸のうちの1種又は複数種を含む。電解液は陽極箔上の酸化膜を修復して、水素ガスが発生するので、水素除去剤は、主に、水素除去化合物が水素ガスと反応することにより、アルミ電解コンデンサ内の水素ガスを低減し、過剰な水素ガスによる爆発を防止する。
前記防水混合物は、次亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸、ソルビトール、マンニトール、ケイ酸化合物、ケイ酸アルミニウム塩のうちの1種又は複数種を含む。アルミコンデンサの電解液に、リン酸イオン、ケイ酸イオンなどの物質を添加した防水混合物を添加する。これらの物質が電解液に存在すると、酸化アルミニウム膜の表面にパッシベーション層を形成し、水和反応を効果的に抑制する機能を果たす。
前記着火促進剤は、分子量が600~6000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコールブロックポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、無機ナノシリカのうちの1種又は複数種を含む。着火促進剤は、電解液のフラッシュ電圧を高めることにより、コンデンサが過電圧になった場合、電解液での火花発生による電解紙が破壊しないことを確保することができる。
前記水素除去剤の電解液中の質量含有率は、電解液の総質量100%に対し、0.5%~2%である。水素除去剤の添加量は、0.5%、1%、1.5%、2%であってもよい。水素除去剤の添加量が0.5%~2%であれば、コンデンサで発生した水素ガスを効果的に除去し、コンデンサの安全性を高めることができる。電解液中の前記防水混合物の質量含有率は、電解液の総質量100%に対し、0.01%~2%である。防水混合物の添加量は、0.01%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%であってもよい。防水混合物の添加量が0.01%~2%であれば、水和反応を抑制する機能を十分に発揮できる。着火促進剤の電解液中の前記質量含有率は、電解液の総質量100%に対し、7%、8%、9%、10%、11%、12%であってもよい。着火促進剤の添加量が7%~12%であれば、電解液のフラッシュ電圧を高めることにより、コンデンサが過電圧になった場合、電解液でのフラッシュ発生による電解紙が破壊しないことを確保することができる。
また、本願は、陽極箔と、陰極箔と、陽極箔及び陰極箔と同じ側に設けられ、上記の高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液が含侵された電解紙とを含む高電圧アルミ電解コンデンサを提供する。
高電圧アルミ電解コンデンサには、上記の電解液を使用する。製造して得られたアルミ電解コンデンサは、高電気伝導性、高耐圧性を有し、且つ耐腐食性能に優れる特徴を有する。
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。
実施例1
高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液の製造方法は、以下のステップを含む。
主溶媒を質量含有率が55.5%のエチレングリコール、補共溶媒を質量含有率が8%のγ-ブチロラクトン、主溶質Bを質量含有率が15%のB1化合物、補助溶質を質量含有率が1.5%の五ホウ酸アンモニウム、着火促進剤を質量含有率が2%のポリビニルアルコール105、質量含有率が6%のナノシリカ、添加する水を質量含有率が1.0%の水、防食材Aを質量含有率が10%のA1化合物、水素除去剤を質量含有率が0.5%のp-ニトロベンジルアルコール、防水混合物を質量含有率が0.5%の次亜リン酸アンモニウムとするステップと、そして、これらを均一に混合し、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を形成するステップ。
実施例2
高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液の製造方法は、以下のステップを含む。
主溶媒を質量含有率が35.5%のジエチレングリコール、補共溶媒を質量含有率が15%のN,N-ジメチルホルムアミド、主溶質Bを質量含有率が20%のB2化合物、補助溶質を質量含有率が2.3%のドデカン二酸アンモニウム、着火促進剤を質量含有率が2.5%のポリビニルアルコール2000、質量含有率が6%のナノシリカ、添加する水を質量含有率が2.3%の水、防食材Aを質量含有率が15%のA2化合物、水素除去剤を質量含有率が1.2%のp-ニトロ安息香酸、防水混合物を質量含有率が0.2%のソルビトールとするステップと、そして、これらを均一に混合し、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を形成するステップ。
実施例3
高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液の製造方法は、以下のステップを含む。
主溶媒を質量含有率が40%のグリセリン、補共溶媒を質量含有率が10%のジエチレングリコールモノブチルエーテル、主溶質Bを質量含有率が18%のB3化合物、補助溶質を質量含有率が2.8%のアゼライン酸、着火促進剤を質量含有率が2.1%のポリアクリルアミド、質量含有率が6.6%のポリエチレングリコール1000、添加する水を質量含有率が2.8%の水、防食材Aを質量含有率が15%のA3化合物、水素除去剤を質量含有率が1.6%の3-ニトロアセトフェノン、防水混合物を質量含有率が1.1%のケイ酸アルミニウム塩とするステップと、そして、これらを均一に混合し、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を形成するステップ。
実施例4
高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液の製造方法は、以下のステップを含む。
主溶媒を質量含有率が55%のエチレングリコール、補共溶媒を質量含有率が12.5%のブチロラクトン、主溶質Bを質量含有率が10%のB1化合物、補助溶質を質量含有率が1%のセバシン酸アンモニウム、着火促進剤を質量含有率が10%のポリエチレングリコール2000、添加する水を質量含有率が4.2%の水、防食材Aを質量含有率が20%のA1化合物、水素除去剤を質量含有率が2%のp-ニトロフェノール、防水混合物を質量含有率が1.8%のマンニトールとするステップと、そして、これらを均一に混合し、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を形成するステップ。
実施例5
高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液の製造方法は、以下のステップを含む。
主溶媒を質量含有率が40%のジエチレングリコール、補共溶媒を質量含有率が8%のn-ブタノール、主溶質Bを質量含有率が10%のB2化合物、補助溶質を質量含有率が1.5%のアゼライン酸、着火促進剤を質量含有率が4%のポリビニルアルコール105、質量含有率が4%のナノシリカ、添加する水を質量含有率が5.0%の水、防食材Aを質量含有率が25%のA1化合物、水素除去剤を質量含有率が1.1%のp-ニトロ安息香酸アンモニウム、防水混合物を質量含有率が1.4%の次亜リン酸とするステップと、そして、これらを均一に混合し、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を形成するステップ。
実施例6
高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液の製造方法は、以下のステップを含む。
主溶媒を質量含有率が49.3%のエチレングリコール、補共溶媒を質量含有率が14%のスルホラン、主溶質Bを質量含有率が11%のB1化合物、着火促進剤を質量含有率が6%のポリビニルアルコール105、質量含有率が5%のポリエチレングリコール2000、添加する水を質量含有率が1.2%の水、防食材Aを質量含有率が10%のA2化合物、水素除去剤を質量含有率が2%のp-ニトロフェノール、防水混合物を質量含有率が1.5%の次亜リン酸アンモニウムとするステップと、そして、これらを均一に混合し、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を形成するステップ。
実施例7
高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液の製造方法は、以下のステップを含む。
主溶媒を質量含有率が41.9%のエチレングリコール、補共溶媒を質量含有率が11%のブチロラクトン、主溶質Bを質量含有率が13%のB3化合物、着火促進剤を質量含有率が10%のポリビニルアルコール105、添加する水を質量含有率が2.1%の水、防食材Aを質量含有率が20%のA3化合物、水素除去剤を質量含有率が2%の3-ニトロアセトフェノンとするステップと、そして、これらを均一に混合し、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を形成するステップ。
比較例1
高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液の製造方法は、以下のステップを含む。
主溶媒を質量含有率が47.5%のエチレングリコール、補共溶媒を質量含有率が8%のγ-ブチロラクトン、主溶質Bを質量含有率が15%のB1化合物、補助溶質を質量含有率が2.5%のラウリン酸アンモニウム、着火促進剤を質量含有率が2.5%のポリエチレングリコール2000、質量含有率が6%のナノシリカ、添加する水を質量含有率が0.5%の水、防食材Aを質量含有率が17%のA1化合物、水素除去剤を質量含有率が0.5%のp-ニトロベンジルアルコール、防水混合物を質量含有率が0.5%の次亜リン酸アンモニウムとするステップと、そして、これらを均一に混合し、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を形成するステップ。
比較例2
高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液の製造方法は、以下のステップを含む。
主溶媒を質量含有率が63%のエチレングリコール、補共溶媒を質量含有率が8%のγ-ブチロラクトン、主溶質Bを質量含有率が10%のB1化合物、補助溶質を質量含有率が2.5%のドデカン二酸アンモニウム、着火促進剤を質量含有率が2.5%のポリエチレングリコール2000、質量含有率が6%のナノシリカ、添加する水を質量含有率が2%の水、防食材Aを質量含有率が5%のA1化合物、水素除去剤を質量含有率が0.5%のp-ニトロベンジルアルコール、防水混合物を質量含有率が0.5%の次亜リン酸アンモニウムとするステップと、そして、これらを均一に混合し、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を形成するステップ。
比較例3
高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液の製造方法は、以下のステップを含む。
主溶媒を質量含有率が29.5%のエチレングリコール、補共溶媒を質量含有率が8%のγ-ブチロラクトン、主溶質Bを質量含有率が15%のB1化合物、補助溶質を質量含有率が2.5%のドデカン二酸アンモニウム、着火促進剤を質量含有率が2.5%のポリエチレングリコール2000、質量含有率が6%のナノシリカ、添加する水を質量含有率が5.5%の水、防食材Aを質量含有率が30%のA2化合物、水素除去剤を質量含有率が0.5%のp-ニトロベンジルアルコール、防水混合物を質量含有率が0.5%の次亜リン酸アンモニウムとするステップと、そして、これらを均一に混合し、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を形成するステップ。
比較例4
高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液の製造方法は、以下のステップを含む。
主溶媒を質量含有率が62%のエチレングリコール、補共溶媒を質量含有率が12%のγ-ブチロラクトン、主溶質Bを質量含有率が5%のB1化合物、補助溶質を質量含有率が2.5%のドデカン二酸アンモニウム、着火促進剤を質量含有率が2.5%のポリエチレングリコール2000、質量含有率が6%のナノシリカ、添加する水を質量含有率が1.0%の水、防食材Aを質量含有率が8%のA1化合物、水素除去剤を質量含有率が0.5%のp-ニトロベンジルアルコール、防水混合物を質量含有率が0.5%の次亜リン酸アンモニウムとするステップと、そして、これらを均一に混合し、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液を形成するステップ。
実施例1~7及び比較例1~4で製造して得られた電解液の25℃における粘度、導電率、水分含有率、フラッシュ電圧を測定する。具体的な測定結果を表2に示す。
実施例1~7及び比較例1~4の電解液を作動電解液として使用して、アルミ電解コンデンサを製造することは、以上の実施例1~7及び比較例1~4の電解液にそれぞれ、アルミニウム箔製の陽極箔、陰極箔、電解紙を含むセルを浸し、アルミケースとコロイド粒子で組立封口し、高電圧アルミ電解コンデンサを得るステップを含む。
実施例1~7及び比較例1~4で製造して得られた電解液を作動電解液としてアルミ電解コンデンサに使用して、アルミ電解コンデンサを製造した。コンデンサについて105℃の高温負荷寿命試験を行った。具体的な試験は以下の通りである。
実施例1~7及び比較例1~4ごとに10個ずつのコンデンサを製造し、500V 470μF、35×50仕様のセルパッケージを用いて寿命試験を行った。測定結果を表3に示す。
測定結果を表3に示す。ここで、Capはコンデンサの容量、ΔCは直流負荷寿命試験前後のコンデンサ容量減衰率、DFは誘電損失、LCはリーク電流である。
アルミニウム電解液コンデンサの寿命試験のパラメータ合格基準は、ΔCが±20%以内、DF誘電損失が40%以下である。
表1~3から分かるように、比較例1では、電解液の水分含有率が不足し、電解液の粘度が高すぎるため、電解液の導電率が低いことに繋がり、よって製造したコンデンサは容量が低く、損失が大きすぎ、以後の寿命実験で発熱量が大きすぎるため、コンデンサの弁の液漏れによる重大な故障につながった。電解液中の水分含有率を調整して、実施例1~7のように、電解液中の水分含有率を増加させると、電解液の粘度が低下し、電解液のフラッシュ電圧が増加した。製造して得られたコンデンサの105℃の寿命実験を行ったところ、コンデンサに液漏れの異常は認められなかった。比較例2は、比較例1に対して、電解液の防食材Aの含有率が減少したため、電解液のフラッシュ電圧が低下した。比較例2で水分含有率を増加して電解液の導電率を向上させたが、添加された防食材Aの含有率が不足するため、電解液の関係式10×(σ×m×p)/(r×η)の値が大きくなってしまい、製造したコンデンサは寿命実験で腐食や破壊により故障した。比較例3は、比較例2に対して、過剰量の水を添加するとともに、十分な量の防食材Aを添加して電解液の関係式10×(σ×m×p)/(r×η)が0.1~1.5の範囲内であるようにしたが、電解液の導電率は依然として低かった。これは、溶媒の電解液中の含有比率が低すぎることにより、電解液の導電率が低下したためである。コンデンサは寿命実験時に弁の液漏れにより故障し、寿命時間が短いことは、電解液中の水分含有率が高く、電解液中の水分の存在により誘電体膜層が劣化し、電解液コンデンサ内の蒸気圧が高くなり、及び封口部分の破損と電解液の蒸発による蒸散により寿命が短くなり、長時間の安定性を維持することができなかったと推測される。比較例4は、比較例3に対して、溶媒の含有率を増加させたが、主溶質Bの電解液中の含有率が低すぎたため、電解液に水分を加えても、電解液の導電率が向上せず、電解液の粘度も低いため、コンデンサは寿命実験時に弁の液漏れや破壊により故障した。
上記の比較例1~4及び実施例1~7から分かるように、電解液は、水分含有率が1%~5%である条件、粘度が80~400mPa・sである条件を満たすだけでなく、電解液中の導電率σ、含水量m、主溶質Bの含有率p、防食材Aの含有率r、電解液η粘度が関係式0.1≦10×(σ×m×p)/(r×η)≦1.5を満たす必要があり、この3つの条件を同時に満たすときにのみ、製造して得られた電解液は高い導電率、フラッシュ電圧を有し、コンデンサの破壊、弁の液漏れ、腐食などの故障現象の発生を回避することができる。また、製造して得られたアルミ電解コンデンサは500V以上の高電圧に耐えることができ、高い導電率、高耐圧性と良好な耐腐食性能を有し、且つ寿命が105℃ 5000Hを達成するなどの効果を奏する。
上記は本発明の好適な実施例にすぎず、本発明を限定するものではない。本発明の精神および原理の範囲内で行われたあらゆる修正、同等の置換および改良は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。

Claims (11)

  1. 高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液であって、
    前記電解液は、溶媒と、防食材A及び構造式1で示される化合物である主溶質Bを含む溶質と、添加剤とを含み、
    ここで、Rは、炭素主鎖と、炭素主鎖上に位置する分岐鎖とを含み、Rの炭素主鎖の長さは10~26個の炭素原子であり、Rの分岐鎖の数は1~10個であり、且つRの分岐鎖は、それぞれ独立して、炭素数1~10の直鎖又は分岐の炭化水素基、炭素数1~10の直鎖又は分岐の含酸素炭化水素基から選択され、
    前記電解液は、
    0.1≦10×(σ×m×p)/(r×η)≦1.5、且つ
    1%≦m≦5%,80mPa・s≦η≦400mPa・sの関係式を満たし、
    ここで、σは前記電解液の25℃の導電率(mS/cm)であり、
    mは前記電解液の含水量(%)であり、
    pは前記電解液中の主溶質Bの質量含有率(%)であり、
    rは前記電解液中の防食材Aの質量含有率(%)であり、
    ηは前記電解液の粘度(mPa・s)である
    ことを特徴とする、高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液。
  2. 前記酸素含有炭化水素基は、カルボニル基、エステル基又はカルボキシ基を含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液。
  3. 前記電解液の含水量mは、2%~4%である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液。
  4. 前記電解液の粘度ηは、80mPa・s≦η≦300mPa・sである
    ことを特徴とする、請求項1に記載の高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液。
  5. 電解液中の前記主溶質Bの質量含有率は、電解液の総質量100%に対し、10%~25%である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液。
  6. 前記防食材Aは、無機酸とポリオールをエチレングリコール溶媒中で反応させることによって得られる複合体であり、
    前記無機酸は、ホウ酸、モリブデン酸及びケイ酸のうちの1種又は複数種を含み、前記ポリオールは、マンニトール、キシリトール、ソルビトール及びケルセチンのうちの1種又は複数種を含み、
    前記防食材Aの電解液中の質量含有率は、電解液の総質量100%に対し、8%~15%である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液。
  7. 前記防食材Aは、ホウ酸とマンニトールをエチレングリコール溶媒中で反応させることによって得られる複合体である
    ことを特徴とする、請求項6に記載の高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液。
  8. 前記溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンのうちの1種又は複数種を含む主溶媒と、
    N,N-ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレンクリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、γ-ブチロラクトン、スルホラン、n-ブタノールのうちの1種又は複数種を含む共溶媒とを含み、
    電解液の総質量100%に対し、前記主溶媒の電解液中の質量含有率は26%~65.49%であり、前記共溶媒の電解液中の質量含有率は8%~15%である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液。
  9. 前記電解液は、セバシン酸及びそのアンモニウム塩、アゼライン酸及びそのアンモニウム塩、ドデカン二酸及びそのアンモニウム塩、ホウ酸、五ホウ酸アンモニウムのうちの1種又は複数種を含む補助溶質をさらに含み、
    前記補助溶質の電解液中の質量含有率は、電解液の総質量100%に対し、1%~3%である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液。
  10. 前記添加剤は、
    p-ニトロベンジルアルコール、3-ニトロアセトフェノン、o-ニトロアニソール、p-ニトロフェノール、p-ニトロ安息香酸アンモニウム、p-ニトロ安息香酸のうちの1種又は複数種を含む水素除去剤と、
    次亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸、ソルビトール、マンニトール、ケイ酸化合物、ケイ酸アルミニウム塩のうちの1種又は複数種を含む防水混合物と、
    分子量が600~6000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコールブロックポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、無機ナノシリカのうちの1種又は複数種を含む着火促進剤とを含み、
    電解液の総質量100%に対し、前記水素除去剤の電解液中の質量含有率は0.5%~2%であり、前記防水混合物の電解液中の質量含有率は0.01%~2%であり、前記着火促進剤の電解液中の質量含有率は7%~12%である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液。
  11. 陽極箔と、陰極箔と、陽極箔及び陰極箔と同じ側に設けられ、請求項1~10のいずれか一項に記載の高電圧アルミ電解コンデンサ用電解液が含侵された電解紙とを含む
    ことを特徴とする、高電圧アルミ電解コンデンサ。
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