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JP2006525340A - カルバセフェムβ−ラクタム系抗生物質 - Google Patents

カルバセフェムβ−ラクタム系抗生物質 Download PDF

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Abstract

本発明は、細菌感染、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌による感染の治療に有用である、カルバセフェム系抗生物質とその塩に関する。

Description

〈関連出願の相互参照〉
本出願は、本願の開示として参照により援用される2003年4月30日出願の仮出願No.60/466982の、アメリカ特許法119条(e)に基づく利益を主張する。
〈技術分野〉
本発明は有機化学、医化学、生化学、生物学及び医学に関する。特に、カルバセフェムβ−ラクタム系抗生物質、医学的に許容できるその塩、及び細菌感染、とりわけ従来のβ−ラクタム系に耐性のある細菌を原因とする感染の治療のための当該化合物及びその塩の使用に関する。
以下は背景の情報としてのみ提供されるのであって、本発明の先行技術として解釈されるものではない。
過去30年の間に、様々な抗生物質が臨床用途に利用できるようになってきた。β−ラクタムはその中でも著しい成長が見られた抗生物質の系統であり、1965年以来70種以上が臨床用途に供されている。残念ながら、これらの抗生物質が広範囲に用いられた結果、耐性系統、特にサルモネラ菌、腸内細菌、緑膿菌及びブドウ球菌などの臨床的に重要な細菌の耐性系統の種類が増加している。
セファロスポリン系に対する細菌の耐性は主に以下の3つのメカニズムにより生じる。(a)β−ラクタマーゼによる抗生物質の破壊、(b)細菌外膜の構成物質の変化による浸透力の低下、及び(c)ペニシリン結合タンパク(PBPs)の変化によるβ−ラクタムの結合阻害。ペプチドグリカン(細菌細胞壁に必要な構成物質)の生合成を阻害するには、β−ラクタムがPBPsへ結合することが不可欠であることから、後者の経路が特に重要である。メチシリン耐性ブドウ球菌(“MRSA”)及び種々の腸球菌などのある種のグラム陰性菌は、β−ラクタム系抗生物質に強い耐性を持つ。MRSAの耐性は、PBP2aと呼ばれるβ−ラクタム系抗生物質への結合が非常に弱いPBPの存在に起因している。MRSAによる感染症に対する治療の選択肢は限られており、これらの系統に対する活性を持つ新たな抗生物質が必要とされている。
近年、β−ラクタム抗生物質の新規な系統であるカルバセファム(1)が、MRSAやその他の耐性種に対する効果を約束するものとして、時折売り込まれるようになっている。化合物(1)において、R及びRとしては、広範囲にわたる芳香族及びヘテロ芳香族の様々な構成物質が知られている。Rとしては、任意に置換可能なアルキル基が一般的に報告されている。
Figure 2006525340
例えば、Ternansky et al., J. Med. Chem., 1993, 1971では、Rが2−アミノ−4−チアゾリル、Rが2−フルオロエチル、及びRが1,3,4−チアジアゾイル−2−イル(2)、6−ニトロベンゾチアゾイル−2−イル(3)またはピリジノ[3,4−d]チアゾイル−2−イル(4)、である一般構造式(1)の化合物が開示されている。
Figure 2006525340
Figure 2006525340
Figure 2006525340
上記の化合物及び一般的なカルバセフェム類の問題点は、この系統を調査した研究者が、おそらくMRSAに対する有効性と血清タンパクとの結合性との間で許容可能なバランスを見いだすことができなかった点である。つまり、MRSAへの活性が親油性と関連していることはかなり以前に示されており、カルバセフェムが親油性であればあるほどその有効性も高いということである。残念ながら、化合物はその親油性が高いほど、高いタンパク結合性を持つ傾向があり、そうした結合性は化合物の生物学的利用能を低下させるものであり望ましくない。例えば、化合物(2)、(3)及び(4)において、周縁フッ化エチル基は、中核分子における低い親油性を保ちながら全体としては親油性を付与することよってそうした問題を回避する、という目的で用いられているのであろう。こうした努力は成功していないようである。なぜなら、化合物(2)のMIC(2μg/mL)は良好だが血清結合性は悪く(>99.2%)、また化合物(3)はかなりのMIC(4μg/mL)だが同様に血清結合性が悪く(99.6%)、化合物(4)は非常に低い36%という血清結合性を示すがMIC(64μg/mL)は極端に悪い。
上記にもかかわらず、MRSA及びその他の耐性菌種の治療において、カルバセフェムは興味深い対象である。しかしながら、必要なのは、MRSAへの有効性とタンパク結合性との必須なバランスが実現されたカルバセフェムの系統である。本発明は、そのような化合物の系統を提供するものである。
従って、本発明の側面の1つは以下の化学式を有する化合物、又はその塩に関する。
Figure 2006525340
ここで、nは0または1であり、
nが0の場合、Aは酸素及び硫黄からなる群から選択され、Rは存在せず、A,A及びAは炭素及び窒素からなる群から選択されて芳香族の5員環となり、Rは水素、−NH及び−CHS(CHNHからなる群から選択され、
nが1の場合、Aは炭素であり、A,A,A及びAの少なくとも1つは窒素、残りは炭素であり、Rは−CHS(CHNHであり、Aが炭素の場合、Rは水素であり、Aが窒素の場合、Rは存在しない。
また、Rは水素、−CH、−CHCH、−CHF、及び−CHCHFからなる群から選択される。
本発明の側面の1つでは、nは0、Aは硫黄、A,A及びAのうち2つが窒素でのこる“A”は炭素、及びRは水素である。
本発明の側面の1つでは、nは0、Aは硫黄、A,A及びAのうち2つが窒素でのこる“A”は炭素、及びRは−NHである。
本発明の側面の1つでは、nは0、Aは硫黄、Aは炭素、A及びAは窒素、及びRは水素である。
本発明の側面の1つでは、nは0、Aは硫黄、Aは炭素、A及びAは窒素、及びRは−NHである。
本発明の側面の1つは、以下の化学式を有する化合物である。
Figure 2006525340
本発明の側面の1つは、以下の化学式を有する化合物である。
Figure 2006525340
本発明の側面の1つでは、nは1、A、A、A及びAの1つは窒素で残りは炭素である。
本発明の側面の1つでは、nは1、Aは窒素、その他の“A”基は炭素である。
本発明の側面の1つでは、nは1、Aは窒素、その他の“A”基は炭素である。
本発明の側面の1つは、以下の化学式を有する化合物である。
Figure 2006525340
本発明の側面の1つは、以下の化学式を有する化合物である。
Figure 2006525340
本発明の側面の1つは、薬学的に効果のある量の本発明の化合物またはその塩を、それを必要とする患者に投与すること、を有する細菌感染の治療または予防法である。
本発明の側面の1つでは、前記細菌感染はβ−ラクタム抗生物質耐性の細菌により引き起こされる。
本発明の側面の1つでは、前記β−ラクタム抗生物質耐性の細菌はメチシリン耐性ブドウ球菌である。
本発明の側面の1つは、本発明の化合物またはその塩と、1以上の医学的に許容される賦形剤とを有する医薬組成物である。
〈表の簡単な説明〉
表1は、本発明の代表的な化合物のMIC及び血清結合値を示すものである。
〈定義〉
“方法”という語句は、課題を解決するための手法、手段、技法及び手順であり、化学、薬学、生物学、生化学及び医学分野の当業者にとって公知な手法、手段、技法及び手順、またはこれらから容易に成し得る手法、手段、技法及び手順を含むものであるが、それらに限定されるものではない。
“医薬組成物”は、1以上の本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される賦形剤との混合物である。医薬組成物の目的は、化合物の生体への投与を容易にすることである。
“薬学的に許容される塩”とは、本件の議論においては、獣医学的または農学的に許容される塩を含み、本発明の化合物としては、陽イオンまたは陰イオンとして荷電した形態であって対イオンを伴い、当該対イオンが化合物の活性及び患者の健康に反する作用を持たないものである。本発明の化合物が負に帯電している場合、正に帯電した対イオンはナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、アンモニウムまたはその他のあらゆる薬学的に許容される公知の陽イオンであって良い。本発明の化合物が正に帯電している場合、負に帯電した対イオンは塩素、臭素、ヨウ素、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、ブチル酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−水酸エチルスルホン酸塩、n−プロピルスルホン酸塩、イソプロピルスルホン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、またはその他のあらゆる薬学的に許容される公知の陰イオンであって良い。塩は、本発明の化合物と無機または有機の酸または塩基との反応により調製される。有用な酸としては、限定するものではないが、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸及びエタンスルホン酸が挙げられる。有用な塩基としては、限定するものではないが、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、プロカイン、及び以下の金属陽イオン:リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム及び亜鉛の、水酸化物、アルコキシド、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、アミド、アルキルアミドあるいはジアルキルアミド塩が挙げられる。このような塩は、化合物あたり等価の1以上の酸または塩基、あるいは酸または塩基あたり等価の1以上の化合物として存在しても良い。本発明の化合物は、分子内でアルカリ性基が酸性基からプロトンを引き抜き塩を形成している、両性イオンと呼ばれる中間塩(internal salt)として存在しても良い。当然ながら、本発明の化合物は、薬学的に許容できない塩として調製されるものであっても良く、そうした塩もまた、本発明の範囲内である。
本願で用いられる“薬学的に許容される賦形剤”とは、本件の議論において獣医学的または農学的に許容される塩を含み、担体、希釈剤、または患者に重大な刺激を与えたり生物活性や投与化合物の特性を損なったりせずに化合物の患者への投与を容易にするその他の不活性物質である。
“In vitro(インビトロ)”とは、人工的な環境下で行われる処理であり、例えば、限定されるものでないが、試験管内または培地を含むペトリ皿における処理である。
“In vivo(インビボ)”とは、生体組織内で行われる処置であり、生体組織として例えば、限定されるものではないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ及びヒトである。
本願において用いられる“細菌感染”とは、患者の健康に有害な影響をもたらす、または特定の細菌に伴う認識可能な症状を引き起こすのに、十分量の病原細菌が患者において確立されることである。
本願において用いられる“MIC”という語句は、最低阻害濃度の略語であり、ある系統の細菌の成長及び/または増殖を、非処理のコントロールと比較して少なくとも80%阻害する、本発明の化合物のμg/mL濃度である。
本願において用いられる“治療する”“治療すること”及び“治療”とは、感染症に罹患した患者において、細菌感染及び/またはそれに伴う症状を軽減または排除する方法である。
本願において用いられる“予防する”“予防すること”及び“予防”とは、患者が初めて細菌感染する、または一度治療したあとに再度感染するのを防ぐ方法である。
本願において用いられる“投与する”“投与すること”または“投与”とは、細菌感染を治療または予防する目的のための本発明の化合物、その塩、または当該化合物もしくはその塩を含む医薬組成物の送達である。
“患者”とは、細菌に感染しうるあらゆる生物である。従って、“患者”は植物、樹木、魚、貝や甲殻類、鳥、爬虫類または哺乳動物であって良い。現時点で好ましい患者としては、限定されるものではないが、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ウサギ、ヤギ及びヒツジなどの哺乳類が挙げられる。最も好ましくは、“患者”とはヒトである。
本願において用いられる“治療上有効な量”という語句は、感染症の1以上の症状をある程度緩和するような化合物の投与量である。すなわち、治療上有効な量とは、(1)患者体内の病原菌数を減少、好ましくは除去すること、(2)患者体内における細菌の増殖を阻害する(すなわち遅くする、好ましくは止める)、(3)細菌感染の蔓延を阻害する(すなわち遅くする、好ましくは止める)、及び/または(4)細菌感染に伴う1以上の症状をある程度緩和する(好ましくは除去する)、といった効果のある本発明の化合物の量である。
“予防上有効な量”とは、治療上有効な量の本発明の化合物またはその他の抗生物質の投与に続いて投与した場合において(1)治療上有効な量により得られた細菌の減少レベルを維持すること、(2)治療上有効な量により得られた細菌増殖の阻害レベルを維持すること、(3)治療上有効な量により得られた蔓延の阻害レベルを維持すること、(4)本発明の化合物またはその他の抗生物質の治療上有効な量の投与によって得られた1以上の症状の緩和レベルを維持すること、もしくは症状が消失したのであれば症状が存在しないことを維持すること、または(5)病原菌が患者に感染するのを防ぐこと、特に免疫系の疾患(例えばAIDS)の患者、もしくは拒絶反応を抑えるために免疫系を抑制された非移植患者(レシピエント)などの免疫抑制治療を受けた患者に病原菌が感染するのを防ぐこと、といった効果のある本発明の化合物の量である。
“β−ラクタム耐性菌”とは、β−ラクタム抗生物質の最低阻害濃度(MIC)が8μg/mL以上を示す細菌である。
〈考察〉
本発明は、細菌感染、特に従来のβ−ラクタム抗生物質に対する耐性を獲得した細菌による感染の治療に効果的な化合物、方法及び組成物を提供するものである。
β−ラクタム抗生物質の効果が、フリー(非結合)の薬剤の濃度がMICを上回っている時間量と相関していることがよく解明されている。どのような実際的な処方においても、患者における血清タンパク結合値が>97%というのは、十分なフリーの薬剤濃度を得るには高すぎる値である。また、70%のヒト血清結合を示す化合物は97%の血清結合を示す化合物よりも10倍のフリーの薬剤量を有する(30%vs3%)。本発明の化合物は、優れた(すなわち比較的低い)血清結合と、メチシリン耐性ブドウ球菌に対して2μg/mL以下のMICとを併せ持つものである。
〈合成〉
ここに挙げる合成は例示にすぎず、どのような意味においても本発明の範囲を限定することを意図したものではなく、またそのように解釈されるものでもない。例えば、個々に挙げる化合物の合成には、非常に多くの方法があり、それらすべての方法は本発明の範囲内である。
実施例1:
Figure 2006525340
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ]−アセトアミド]−3−クロロ−8−オキソ−1−アザ−ジシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸トリエチルアミン塩
ビス−(2−ベンゾチアゾイル)−ジスルフィド(4.3g、0.013モル)のジクロロメタン溶液(100mL)に、トリフェニルホスフィン(3.4g、0.013mol)を加えた。混合物を15分間撹拌した後、(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)酢酸(4.9g、0.010mol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、0℃まで冷却した。別のフラスコにて、(7R)−7−アミノ−3−クロロ−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(2.6g、0.008モル)を、ジクロロメタン(50mL)及びトリエチルアミン(4.0g、0.04mol)中に懸濁させた。懸濁液を室温にて0.5時間撹拌した後、7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4)−2−トリチロキシアミノ]カルボン酸の活性エステルを含むフラスコへと移した。得られた透明溶液を室温まで暖め、48時間撹拌した。反応混合物を100mLの水で2度洗浄し、有機層を分離し、無水MgSOで乾燥させてろ過し、約50mLに濃縮した。油質分をジエチルエーテル(250ml)で処理し、得られた固体をろ過、乾燥して6.5gの粗生成物を得た。HPLC分析により、約3.0g(0.004mol)の所望の物質がトリエチルアミン塩として含むことが示された。
1H NMR 400 MHz, (DMSO-d6)d 1.63-1.77 (m, 2H), 2.21-2.41 (m, 2H), 3.77-3.82 (m, 1H), 5.47 (dd, J=9Hz, J=5Hz, 1H), 7.11-7.41 (m, 15 H), 9.44 (d, J=9 Hz, 1H)
実施例2:
Figure 2006525340
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)−アセトアミド]−3−クロロ−8−オキソ−1−アザ−ジシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)−アセトアミド]−3−クロロ−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸トリメチルアミン塩の粗生成物を(6.5g)をジクロロメタン(200ml)に溶解し、50%HPO/HOで2度、続いて水で洗浄した。有機層を無水MgSOで乾燥させてろ過し、ジフェニルジアゾメタンのジクロロメタン溶液(0.5mol/L溶液40mL、0.02mol)で処理し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を乾燥状態まで濃縮して、残渣を酢酸エチル(20mL)に溶解させた。酢酸エチル溶液をシリカゲル(200g)でクロマトグラフした。無極性の副産物は酢酸エチル:ヘキサンで(1:6)溶出させ、産生物は酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で溶出させた。蒸留乾固して、標記のエステル(3.7g)を得た。HPLC分析により、約3.5g(0.004mol)の所望の産物を含むことが示された。
1H NMR 400 MHz, (DMSO-d6)d 1.71-1.82 (m, 2H), 2.56-2.66 (m, 2H), 3.96-4.00 (m, 1H), 5.68 (dd, J=9Hz, J=5Hz,1H), 6.94 (s, 1H), 7.28-7.36 (m, 21H), 7.44 (d, J=7Hz, 2H), 7.54 (d, j=7Hz, 2H), 9.50 (d, J=9Hz, 1H).
実施例3:
Figure 2006525340
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)−アセトアミド]−3−[5−アミノ−1,3,4−チアジアゾイル−2−イルチオ]−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル
5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール(0.6g、0.0045mol)のジメチルホルムアミド(25mL)に炭酸カリウム(1.0g、0.0076mol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した後、(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)−アセトアミド]−3−クロロ−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル(3.2g、0.0039mol)を加えた。18時間連続して撹拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)と水(50mL)で分離した。有機層を分離し、水(30mL)で洗浄し、無水MgSOで洗浄して、溶媒をロータリーエバポレータで除去した。得られた濃い油状物をジエチルエーテル(50mL)で処理し、形成された固体をろ過、乾燥して2.6gの粗生成物を得た。
1H NMR 400 MHz, (DMSO-d6)d 1.53-1.71 (m, 2H), 2.18-2.21 (m, 2H), 3.88-3.93 (m, 1H), 5.65 (dd, J=9Hz, J=5 Hz, 1H), 6.90 (s, 1H), 7.20-7.40 (m, 21H), 7.52 (d, J=7Hz, 2H), 7. 68 (d, j=7Hz, 2H), 7.72 (s, 2H), 9.48 (d, J=9Hz, 1H).
実施例4:
Figure 2006525340
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(ヒドロキシイミノ)−アセトアミド]−3−[5−アミノ−1,3,4−チアジアゾイル−2−イルチオ]−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸
トリフルオロ酢酸(10mL)、トリエチルシラン(5mL)及びジクロロメタン(10mL)の溶液を0℃に冷却し、前段の(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)−アセトアミド]−3−[5−アミノ−1,3,4−チアジアゾイル−2−イルチオ]−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル(2.3g)を少しずつ加えた。反応混合物を0℃で3時間撹拌し、室温まで暖め、乾燥状態までエバポレートした。残渣をジエチルエーテル(50mL)で処理し、形成された固体をろ過、乾燥して2.4gの粗生成物を得た。粗生成物をHP20で精製した。先ずpHが中性となるまで水で溶出させ、続いて生成物をアセトニトリル:水=80:20で溶出させた。溶媒をエバポレートし、0.65gの標記化合物を得た。
1H NMR 400 MHz, (DMSO-d6)d 1.53-1.56 (m, 1H), 1.89-1.92 (m, 1H), 2.28-2.34 (m, 2H), 3.80-3.85 (m, 1H), 5.44 (dd, J=9Hz, J=5Hz,1H), 7.28 (s, 2H), 7.63 (s, 2H), 9.12 (d, J=9Hz, 1H), 11.70 (s, lH), 13.55 (br s, 1H).
実施例5:
Figure 2006525340
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)−アセトアミド]−3−[1,3,4−チアジアゾイル−2−イルチオ]−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル
1,3,4−チアジアゾイル−2−チオール(0.5g、0.004mol)のアセトニトリル(40mL)懸濁液に水酸化ナトリウム(0.2g、0.0043mol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。得られた懸濁液に(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)−アセトアミド]−3−クロロ−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル(2.6g、0.003mol)を加え、混合物を48時間撹拌した。溶媒をエバポレートし、残渣を水(50mL)及び酢酸エチル(50mL)で分画した。有機層を無水MgSOで乾燥させ、ろ過してエバポレートした。得られた固体をジエチルエーテル(50mL)で処理し、形成された固体をろ過、乾燥して2.1gの粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルでクロマトグラフし、酢酸エチル:ヘキサン=1:2から純酢酸エチルまでのグラジエントで溶出させた。標記の産物(1.1g)を得た。
1H NMR 400 MHz, (DMSO-d6)d 1.66-1.72 (m, 2H), 2.18- 2.40 (m, 2H), 3.96-4.02 (m, 1H), 5.71 (dd, J=9Hz, J=5Hz, 1H), 6.94 (s, 1H), 7.20-7.40 (m, 21H), 7.45 (d, J=7Hz, 2H), 7.57 (d, J=7Hz, 2H), 9.50 (d, J=9Hz, 1H), 9.73 (s, 1H)
実施例6:
Figure 2006525340
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(ヒドロキシイミノ)アセトアミド]−3−[1,3,4−チアジアゾイル−2−イルチオ]−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸
トリフルオロ酢酸(5mL)、トリエチルシラン(3mL)及びジクロロメタン(8mL)の溶液を0℃に冷却し、(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)アセトアミド]−3−[1,3,4−チアジアゾイル−2−イルチオ]−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル(1.5g)を少量ずつ加えた。反応混合物を0℃で3時間撹拌し、室温まで暖め、エバポレートして乾燥状態とした。残渣をジエチルエーテル(50mL)で処理し、形成された固体をろ過、乾燥して粗生成物を得た。粗生成物をHP20で精製した。先ずpHが中性となるまで水で溶出させ、続いて生成物をアセトニトリル:水=80:20で溶出させて、標記の化合物(0.63g)を得た。
1H NMR 400 MHz, (DMSO-d6)d 1.63-1.73 (m, 1H), 1.88-1.91(m, 1H), 2.33-2.48 (m, 2H), 3.89-3.94(m, 1H), 5.50 (dd, J=9Hz, J=5Hz, 1H), 7.28 (br s, 2H), 9.18 (d, J=9 Hz, 1H), 9.70 (d, J=9Hz, 1H), 11.71 (s, lH), 13.46 (br s, 1H)
実施例7:
Figure 2006525340
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)−アセトアミド]−3−メルカプト−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)−アセトアミド]−3−クロロ−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル(3.0g、0.0036mol)のジメチルホルムアミド(40mL)溶液を−20℃に冷却し硫安溶液(20%、5.7mL)を滴下した。混合物を−20℃で4時間撹拌した後、pH3のリン酸バッファー(100mL)に注加した。得られた固体をろ過し、水で洗浄し、乾燥させて粗製の標記化合物(5.4g)を得た。
1H NMR 400 MHz,(DMSO-d6)d 1.64-1.82 (m, 2H), 2.24-2.32 (m, 2H), 3.87-3.92 (m, 1H), 5.73 (dd, J=9Hz, J=5Hz, 1H), 6.90 (s, 1H), 7.28-7.32 (m, 21H), 7.50 (d, J=7Hz, 2H), 7.65 (d, J=7Hz, 2H), 7.95 (s, 1H), 9.48 (d, J=9Hz, 1H).
実施例8:
Figure 2006525340
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)アセトアミド]−3−[3−(N−tert−ブトキシカルボニルアミノエチルチオメトキシル)ピリド−4−イルチオ]−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ)−アセトアミド]−3−メルカプト−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル(3.0g、0.0036mol)のジメチルホルムアミド(30mL)溶液に、3−(N−tert−ブトキシカルボニルアミノエチルチオメチル)−4−クロロピリジン(1.3g、0.0043mol)を室温で加えた。一晩撹拌した後、反応混合物を水(200mL)で処理し、形成された固体をろ過、乾燥して、粗製の標記化合物(2.9g)を得た。
1H NMR 400 MHz,(DMSO-d6)d 1. 38 (s, 9H), 1.60-1.82 (m, 2H), 2.27-2.35 (m, 2H), 2.43 (t, J=7 Hz, 2H), 3.11 (q, J=7 Hz, 2H), 3.75 (s,2H), 3.98-4. 00 (m, 1H), 5.77 (dd, J=9Hz, J=5Hz, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.89 (d, J=7Hz, 1H), 6.94 (q, J=7 Hz, 1H), 7.18 (d, J=7 Hz, 1H), 7. 20-7.60 (m, 26H), 8.36 (d, J=5 Hz, 1H), 8.46 (s, 1H), 9.42 (d, J=9Hz, 1H)
実施例9:
Figure 2006525340
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(ヒドロキシイミノ)アセトアミド]−3−[3−(アミノエチルチオメチル)ピリド−4−イルチオ]−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸塩、トリフルオロ酢酸塩
トリフルオロ酢酸(10mL)、トリエチルシラン(5mL)及びジクロロメタン(10mL)の溶液を0℃に冷却し、(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ]アセトアミド]−3−[3−(N−tert−ブトキシカルボニルアミノエチルチオメトキシル)−ピリド−4−イルチオ]−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル(2.9g、前段よりの粗生成物)を少量ずつ加えた。反応混合物を0℃で6時間撹拌し、室温まで暖め、エバポレートして乾燥状態とした。残渣をジエチルエーテル(50mL)で処理し、形成された固体をろ過、乾燥して2.0gの粗生成物を得た。粗生成物をHP20で精製した。先ずpHが中性となるまで水で溶出させ、続いて生成物をアセトニトリル:水=80:20で溶出させて、化合物(0.12g)を得た。
1H NMR 400 MHz, (DMSO-d6)d 1.75-1.90(m, 2H), 2.23-2.34 (m, 2H), 2.65 (t, J=7 Hz,2H), 3.04 (q, J=7Hz, 2H), 3.87 (d, J=Hz,2H), 3.95-4.00 (m, 1H), 5.53 (dd, J=9Hz, J=5Hz, 1H), 7.23 (d, J=6Hz, 1H), 7.30 (br s, 2H), 7.80 (br s, 2H), 8.43 (d, J=5Hz, 1H), 8.49 (s, 1H), 9.14 (d, J=9Hz, 1H), 11.75 (s, lH)
実施例10:
Figure 2006525340
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ]アセトアミド]−3−[2−(N−tert−ブトキシカルボニルアミノエチルチオメチル)ピリド−3−イルチオ]−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル
(2−{3−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエチルスルファニルメチル)−ピリジン−3−イルジスルファニル}エチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.3g、0.0022mol)のアセトニトリル(120mL)溶液にほう化水素ナトリウム(0.12g、0.003mol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。、(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ]−アセトアミド]−3−クロロ−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル(3.6g、0.0043mol)を少量ずつ加え、混合物を還流器で6時間加熱した。溶媒をエバポレートし、残渣を酢酸エチル(50mL)と水(50mL)で分画した。有機層を無水MgSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をジエチルエーテル(50mL)で処理し、形成された固体をろ過、乾燥して3.6gの粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲル(100g)のカラムクロマトグラフィーで精製した。ヘキサン:酢酸エチル1:1で溶出させ、標記化合物(1.15g)を得た。
1H NMR 400 MHz, (DMSO-d6)d 1.36 (s, 9H), 1.55-1.60(m, 2H), 2.40-2.51 (m, 2H), 3.08 (q, J=7Hz, 2H), 3.86-3.90 (m, 1H), 3.91 (s, 2H), 5.69 (dd, J=9Hz, J=5Hz, 1H), 6.90 (s, 2H), 7.20-7.60 (m, 28 H), 7.85 (dd, J=8Hz, J=2Hz, 1H), 8.51 (dd, J=5Hz, J=2Hz, 1H), 9.44 (d, J=9Hz, 1H)
実施例11:
Figure 2006525340
(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(ヒドロキシルイミノ]アセトアミド]−3−[2−(アミノエチルチオメチル)ピリド−3−イルチオ]−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸、トリフルオロ酢酸塩
トリフルオロ酢酸(5mL)、トリエチルシラン(3mL)及びジクロロメタン(5mL)の溶液を0℃に冷却し、(7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−5−クロロチアゾイル−4−イル)−2−(トリフェニルメトキシイミノ]アセトアミド]−3−[2−(N−tert−ブトキシカルボニルアミノエチルチオメトキシル)−ピリド−3−イルチオ]−8−オキソ−1−アザ−ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル(1.0g、0.9mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、室温まで暖め、エバポレートして乾燥状態とした。残渣をジエチルエーテル(50mL)で処理し、形成された固体をろ過、乾燥して0.65gの標記化合物を得た。
1H NMR 400 MHz, (DMSO-d6)d 1.56-1.66 (m, 1H), 1.78-1.86 (m, 1H), 2.08-2.18 (m, 2H), 2.73 (t, J=7Hz, 2H), 3.03 (q, J=7Hz, 2H), 3.81-3.86 (m, 1H), 4.01 (dd, J=17Hz, J=14Hz, 2H), 5.45 (dd, J=9Hz, J=5Hz, 1H), 7.37 (dd, J=8Hz, J=5Hz, 2H), 7.84 (br s, 2H), 7.86 (dd, J= 8Hz, J=2Hz, 2H) 8.47 (dd, J=5Hz, J=2Hz, 1H), 9.12 (d, J=9Hz, 1H), 11.70 (s, lH).
〈送達の経路〉
本発明の化合物の送達経路としては、限定するものではないが、経口、直腸、経粘膜、筋内、皮下、髄内、鞘内、脳室内、静脈、硝子体内、腹膜内、鼻腔内、耳内、または眼内が挙げられる。経口及び経腸管が好ましい送達系路である。
もしくは、例えば軟膏として調製して直接感染部分に塗布、または感染組織に直接注射することによって、全身ではなく局所的に化合物を投与しても良い。どちらの場合も、持続的に放出される処方を用いても良い。
送達系路によって、使用される化合物の構成/処方が決まる。以下は、本発明の化合物に有用な、適当な状況下における医薬組成物の、簡単で限定とならない議論である。
〈医薬組成物〉
本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩は、そのまま、または1以上の賦形剤を有する医薬組成物として患者に投与することができる。種々の投与法に用いるための薬剤の処方技術については、Remington's Pharmacological Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PAの最新版に記載されている。Remingtonに記載される処方及び技術は、主にヒトの患者に対する使用に関連するものであるが、畜産学及び農学分野の当業者にとって周知の技術を用いればヒト以外の患者に対する使用にも、容易に変更することができるであろう。
本発明の医薬組成物は、公知の方法、例えば公知である種々の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠化、糊状化(levigating)、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥などにより製造して良い。本発明の組成物は、活性のある化合物を薬学的に使用可能な製剤とするのを容易にする賦形剤及び補助剤を含む、1以上の生理学的に許容可能な担体と共に処方されても良い。選択される投与の経路によって適切な処方が決まる。
例えば限定するものではないが、静脈、筋肉及び皮下注射などの注射用としては、本発明の組成物は、生理学的に適合性のある緩衝液、例えば限定するものではないが、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、その他のピロリドン類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトンおよびグリセリン溶液を含むハンクス溶液、リンガー溶液、生理食塩水または極性溶媒に混合して処方して良い。
経粘膜投与用としては、バリアへの浸透に適した浸透剤を処方に用いて良い。当該浸透剤は公知である。
経口投与用としては、本発明の化合物を、公知の薬学的に許容される担体と活性のある化合物とを結合させて処方することができる。当該担体を用いることで、本発明の化合物を患者が経口摂取するための錠剤(tablet)、ピル、トローチ、カプセル、液体、ゲル、シロップ、ペースト、スラリー、溶液、懸濁液、患者の飲料水に希釈する濃縮液及び懸濁液、患者の食餌に希釈する予混合剤などに加工することができる。経口用の調剤処方としては、固体の賦形剤を用い、適宜混合物を粉砕し、必要に応じて他の好適な補助剤を加えた後に、顆粒の混合物を加工して、錠剤または糖衣錠の核を得ることができる。特に有用な賦形剤は、乳糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、例えばトウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン及びジャガイモデンプンなどのセルロース製剤、並びにゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、水酸プロピルメチルセルロース、カルボオキシメチルセルロースナトリウム及び/またはポリビニルピロリドン(PVP)等の他の材料、である。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸などの崩壊剤を加えても良い。アルギン酸ナトリウム等の塩を用いても良い。
糖衣錠の核は、好適なコーティング剤と共に供される。この目的のために、濃縮糖溶液が用いられるが、当該溶液は適宜アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポル(carbopol)ゲル、ポリエチレングリコール及び/または二酸化チタン、ラッカー溶液及び好適な有機溶媒または混合溶媒を含むものであって良い。識別のため、または活性のある化合物の処方の組み合わせを示すために、染料または顔料を錠剤や糖衣錠のコーティング剤に加えても良い。
経口で用いることのできる医薬組成物としては、ゼラチンとグリセロールやソルビトールなどの柔軟剤とで作られた柔らかい封入型のカプセルだけでなく、ゼラチンで作られた押し込み型のカプセルが挙げられる。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの増量剤、デンプンなどのバインダー及び/またはタルクやステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、及び適宜安定剤とを混合した、活性のある成分を含有しても良い。柔軟カプセルにおいて、活性のある化合物は、油脂、液体パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解または懸濁されるものであって良い。当該処方には、安定剤を加えても良い。
吸入投与用としては、本発明の化合物は、加圧容器または噴霧器と、限定するものではないがジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタンまたは二酸化炭素などの好適な高圧ガスとを用いたエアロゾルとして簡便に送達することができる。加圧したエアロゾルの場合、用量は所定量を送達するためのバルブを設けることで調節して良い。吸入器または吹き入れ器に用いる例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、本発明の化合物と、乳糖やデンプンなどの粉末基剤との混合粉末を含むように処方されて良い。
本発明の化合物は、限定するものではないがボーラス注入や点滴などの非経口送達用に処方されても良い。注射用の処方は、例えばアンプルや複数投与型の容器などの形状で、単位処方毎に供されても良い。有用な組成物としては、限定するものではないが、油性または水性の賦形剤を含む懸濁液、溶液または乳液が挙げられ、懸濁剤、安定剤及び/または分散剤などの添加物を含んでいても良い。非経口投与用の医薬組成物としては、水溶性の水溶液が挙げられ、例えば限定するものではないが、活性化合物の塩が挙げられる。また、活性化合物の懸濁液は、脂質の賦形剤で調製しても良い。好適な脂質の賦形剤としては、ごま油などの油脂、オレイン酸エチルやトリグリセリドなどの合成油脂エステル、またはリポソームなどの材料が挙げられる。水性の注射懸濁液は、カルボオキシメチルセルロース、ソルビトールまたはデキストランなどの懸濁液の粘性を増加させる物質を含むものであって良い。また、懸濁液は、安定剤及び/または適宜化合物の溶解性を高めて高濃縮溶液の調製を可能にする試薬を適宜含むものであって良い。あるいは、活性成分は、使用前に無菌の発熱物質を含まない水である好適な賦形剤と共に構成するための粉末状であってよい。
本発明の化合物は、直腸用の組成物として処方されるものであって良く、例えばカカオバターやその他のグリセリドなどの従来の坐薬基剤を用いた坐薬や浣腸剤などであって良い。
前述した処方に加えて、本発明の化合物は持続性製剤として処方されても良い。そのような長期間作用する処方は、インプラント(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉注射による投与であって良い。本発明の化合物は、この経路で投与することを目的として、イオン交換樹脂と好適な高分子または疎水性材料(例えば、薬理学的に許容される油脂との乳剤)、または限定するものではないが難溶性の塩などの難溶性の誘導剤として処方しても良い。
比較的疎水性の医薬組成物のための他の送達系を用いても良い。リポソーム及び乳剤は、疎水性の薬剤の送達手段または担体として公知例である。また、毒性が高い危険性があるものの、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒を用いても良い。
また、本発明の化合物は徐放系を用いて送達されるものであっても良く、例えば治療薬を含む固体の疎水性高分子からなる準透水性のマトリクスでも良い。種々の徐放性材料が確立されており、当業者に公知である。持続性放出カプセルは、その化学的性質によって、数日から100日以上化合物を放出する。特定の化合物の化学的性質及び生物学的な安定性によっては、更に安定化のための方策を講じても良い。
本発明の有用な医薬組成物は、固体またはゲル相の担体または賦形剤を有するものであって良い。そのような担体または賦形剤の例としては、限定するものではないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン及びポリエチレングリコールなどの高分子が挙げられる。
治療上有効な量の本発明の化合物を、抗生物質耐性菌の感染症を患った患者に用いることができる。当該感染症とは、MRSAもしくは他のメチシリン耐性系統、バンコマイシン耐性系統、またはアンピシリン耐性系統による感染症などである。特に、耐性黄色ブドウ球菌による感染症の治療に本発明の化合物を用いることができる。治療することのできる黄色ブドウ球菌の系統の例としては、限定するものではないが、S. aureus Col(MethR) (bla-), S. aureus 76(MethR) (bla+), S. Aureus ATCC 29213, S. Aureus ATCC 25913, S. Aureus ATCC 32432 and S. AureusCol8Aが挙げられる。
また、限定するものではないが、E.faecium ATCC35667 and E. faecalis ATCC 29212等の腸球菌系統についても効果的に治療される。
本発明の化合物を含む組成物は、予防または治療の処置のために投与することができる。治療の用途において、本発明の化合物は、上述したように治療に十分な量または少なくとも部分的に感染による症状を抑える量が、感染症を患った患者に投与される。必要な用量は、治療上有効な量または用量とされる。用量は、感染症の激しさや進行程度、薬歴、患者の健康状態や薬物への応答、及び医師の判断によって決まる。
予防の用途において、本発明の化合物は、感染していないが特に感染の危険のある患者、例えば拒絶反応を抑えるために免疫抑制を受けている患者に投与される。用いられる用量は予防上有効な量または用量とされる。この使用において、適切な量は患者の健康状態や体重その他によって決まる。また、前述したように、薬歴において得られた患者の健康や快適さの改善レベルを維持するように投与することもできる。
一旦治療のための投薬を受けた患者の状態が改善すれば、維持用量(予防の用量と類似)を必要に応じて投与しても良い。この用量または投与の頻度、あるいはその双方は、症状に応じて改善された状態を維持できるレベルまで減らすことができる。患者によっては、感染を確実にコントロールするために長期にわたる断続的な治療を要する。
〈用量〉
治療上または予防上有効な量を実現する適切な用量は、感染の激しさや進行程度、薬歴、患者の全体的な健康状態、薬物への応答などによって決まるが、これらすべては医師の知識、専門技術及び判断の範疇である。
一般的には、本発明の化合物の好適で効果的な用量は、患者1日あたり0.1〜10000mgであり、好ましくは1日あたり20〜2000mgである。所望の用量は、好ましくは1,2,3,4またはそれ以上の回数の準用量を1日の間に適当な間隔をおいて投与することで投与される。こうした準用量は単位用量を投与することができ、例えば、1回の投薬につき5〜1000mg、好ましくは10〜100mgの活性成分である。好ましくは、本発明の化合物は、患者の体重あたり2.0mg/kg〜250mg/kgの間で1日あたり約1〜4回投与されるであろう。
一旦患者の状態の改善が見られれば、医者の要望に応じて維持的または予防的な用量を投与しても良い。用量、頻度またはその双方は、患者の応答作用に応じて、改善状態が維持できるレベルまで減らすことができる。症状が所望の程度にまで改善されれば、治療を終了しても良いが、患者によっては症状の再発に応じた長期間の断続的な治療を要する。
〈生物学的評価〉
本願で提示されるどの化合物であっても、当然ながら生物活性のスペクトルが調査される。最も好ましい実施例において、本発明の化合物は、従来のβ−ラクタム系抗生物質であるメチシリンやアンピシリンなどに耐性のある感染症において、バンコマイシンまたはセフォタキシムよりも優れた活性を示す。限定するものではないが、以下の手法を本発明の化合物の評価に用いても良い。
細菌分離株に対するin vitro MICは以下の手順により求めることができる。試験化合物を2倍希釈系列として、液状のMuller-hinton寒天培地に加える。寒天の固化させ、種々の細菌系統を寒天の表面にスポット状に植菌する。寒天を一晩インキュベートし、成長を完全に抑制する最も低い薬剤濃度からMICのブレークポイントを決定する。これらの実験系で用いる手順は、一般的には臨床研究所規格委員会(NCCLS)により標準化された手順であり、NCCLSの刊行物であるMethods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests(1991)においてにより説明されている。当該出版物は、本願に参照により組み込まれ、その内容は本願において完全に説明されてるもの見なす。以下は手順を例示するものであるが、当然ながら必要に応じて改良しても良いと解されるものである。
所定量の試験化合物を含む、pH約7.2のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を調製する。必要に応じて化合物を溶解させるためにTween20またはジメチルスルホキシド(DMSO)を加えるほか、撹拌、超音波処理及び緩やかな加熱処理を施す。典型的には、原液の濃度は、最大の使用濃度の10倍である。試験を行う最低濃度までの2倍希釈系列を調製する。それぞれの化合物濃度を測定する。セフォタキシム、バンコマイシンまたはイミペネムなどの参照薬剤を用いた培養皿をポジティブコントロールとして用いる。また、薬剤や化合物を含まないネガティブコントロールを調製する。
寒天培養皿で純粋培養された培養物から数個の孤立コロニーを採取して栄養培地の試験管に移し、通常4〜6時間、対数成長が完了するまで35〜36℃で成長させる。Mcfarland懸濁単位で0.5、おおよそ10cfu/mlとなるまで培地をPBSに滴下する。
化合物の希釈系列を含む試験培養皿及びコントロール培養皿に、PBS懸濁液を植え付ける。培養皿を35〜36℃で16〜20時間培養する。培養皿を観察し、試験化合物のMICを決定する。
in vitroの試験で優れた活性を示した化合物は、更にラット及びネズミのモデル動物で評価することができる。以下はそのような試験の例であるが、以下の例はどのような場合でも本発明の範囲を限定するものではないと認識されるものである。
黄色ブドウ球菌のSmith系統(ATCC 13709、ペニシリン耐性) または76系統(メチシリン耐性)をウシ心臓肉水(BHIB)にて37℃で一晩培養する。翌朝、新しいBHIBに継代し、37℃で4〜5時間培養する。細胞を遠心分離で採取し、PBSで2度洗浄し、所望の接種原に加工する。細胞懸濁液を等量のブタ胃ムチンと混合する (ComberIL. R.9 Osborne C. D. ; Sutherland R., "Comparative effects of amoxicillin and ampicillin in the treatment of experimental mouseinfections,"Antimicrobial Agents and Chemot7zerapy, 1995,7 (2): 179-185)。接種原は、使用するまでアイスバス中で保存する(好ましくは1時間未満)。
Swiss-Webster種の雄マウスの腹腔内に0.5mLの上記黄色ブドウ球菌Smith系統(LD50)を接種する。0.1mLの試験化合物を接種後すぐ及び2時間後に皮下投与する。マウスをその後72時間観察する。50%生存率(ED50)となる用量を、プロビット法を用いて決定する(Pasiello, A. P.,J. M. Essigmann, and G. N. Wogan, "Rapid and accurate determination of median lethal dose (LD50) and its error with a small computer, "J. Toxicol. Environ. Health,1977, 3: 797-809)。
前述したように、抗MRSA化合物としての効果を得るには、カルバセファムが有効性とタンパク結合との適切なバランスを示さなければならない。以下の手順を血清結合の評価に用いても良い。化合物を血清中にて37度の撹拌ウォーターバスで10分インキュベートする。続いて限外ろ過キット(Amicon Centrifree)を用いた遠心分離(例えば25℃、20分)により、血清の限外濾過液を得る。限外濾過液中の化合物量を、同様の工程により得た未処理の限外濾過液を基準として、HPLCにより定量する。
本発明の代表的な化合物を、現行のβ−ラクタム抗生物質が効かず、16μg/mL以上のMICを示す、MRSA COL及びMRSA 76の2種のMRSAについて試験した。また、当該化合物のヒト血清結合値についても測定した。結果を表1に示す。試験した化合物はすべて2μg/mL以上のMICと89.4%以下の血清結合を示した。これらの数値は、化合物が上記の系統を原因とする感染症の治療に非常に有効であることを示唆するものである。本発明の化合物は、現行の臨床用抗生物質が効く細菌だけでなく、他の耐性系統の細菌についても、少なくとも同等の効果があると予想される。本出願での開示とあらゆる細菌を用いれば当業者により容易に確立されるような、本発明の化合物の実施の範囲は、本発明の範囲内である。
Figure 2006525340
〈結論〉
以上の詳細な説明では、本発明を説明する特定の実施例が記載されるが、当業者であれば本発明がその他の種々の方法により実施されることを認めるであろう。例えば、本発明の化合物は、数多くの異なる経路により合成しても良い。そうしたバリエーションもまた本発明の範囲内である。
本発明のその他の実施例は、請求項に含まれる。

Claims (16)

  1. 以下の化学構造を有する化合物、又はその塩であって、
    Figure 2006525340
    ここで、nは0または1であり、
    nが0の場合、Aは酸素及び硫黄からなる群から選択され、
    は存在せず、
    ,A及びAは炭素及び窒素からなる群から選択されて芳香族の5員環となり、及び
    は水素、−NH及び−CHS(CHNHからなる群から選択され、
    nが1の場合、
    は炭素であり、
    ,A,A及びAのうち1または2つは窒素、残りは炭素であり、
    は−CHS(CHNHであり、及び
    が炭素の場合においてRは水素であり、Aが窒素の場合においてRは存在せず、
    は水素、−CH、−CHCH、−CHF、及び−CHCHFからなる群から選択される、化合物。
  2. 請求項1に記載の化合物または塩であって、
    nは0、
    は硫黄、
    ,A及びAのうち2つが窒素で残る“A”は炭素、及び
    は水素である、化合物。
  3. 請求項1に記載の化合物または塩であって、
    nは0、
    は硫黄、
    ,A及びAのうち2つが窒素で残る“A”は炭素、及び
    は−NHである、化合物。
  4. 請求項1に記載の化合物または塩であって、
    nは0、
    は硫黄、
    は炭素、
    及びAは窒素、及び
    は水素である、化合物。
  5. 請求項1に記載の化合物または塩であって、
    nは0、
    は硫黄、
    は炭素、
    及びAは窒素、及び
    は−NHである、化合物。
  6. 以下の化学構造を有する、請求項1に記載の化合物または塩。
    Figure 2006525340
  7. 以下の化学構造を有する、請求項1に記載の化合物または塩。
    Figure 2006525340
  8. 請求項1に記載の化合物または塩であって、
    nは1、及び
    、A、A及びAのうち1つは窒素で残りは炭素である、化合物。
  9. は窒素である、請求項8に記載の化合物または塩。
  10. は窒素である、請求項8に記載の化合物または塩。
  11. 以下の化学構造を有する、請求項1に記載の化合物または塩。
    Figure 2006525340
  12. 以下の化学構造を有する、請求項1に記載の化合物または塩。
    Figure 2006525340
  13. 細菌感染の治療または予防の方法であって、薬学的に有効な量の請求項1に記載の化合物または塩を、それを必要とする患者に投与すること、を有する方法。
  14. 前記細菌感染はβ−ラクタム抗生物質耐性の細菌により引き起こされる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記β−ラクタム抗生物質耐性の細菌はメチシリン耐性ブドウ球菌である、請求項13に記載の方法。
  16. 医薬組成物であって、請求項1に記載の化合物またはその塩と、1以上の薬学的に許容される賦形剤とを有する、医薬組成物。
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