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JP2002533389A - mRNA安定性に影響する化合物およびそのための使用 - Google Patents

mRNA安定性に影響する化合物およびそのための使用

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JP2002533389A
JP2002533389A JP2000590628A JP2000590628A JP2002533389A JP 2002533389 A JP2002533389 A JP 2002533389A JP 2000590628 A JP2000590628 A JP 2000590628A JP 2000590628 A JP2000590628 A JP 2000590628A JP 2002533389 A JP2002533389 A JP 2002533389A
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mrna
radicicol
disease
degradation
compound
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JP2000590628A
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タニア カステリック,
ドミニク シェヌヴァル,
ステファン ルエツ,
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ノーベーション ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 1種または2種以上のmRNA不安定配列を含むmRNAの分解を誘導する化合物が、医薬として用いるために、例えば一般的に1つまたは2つ以上のmRNA不安定配列を含み、延長されたかまたは不適切な発現において代表的に所望でない効果、例えば癌細胞成長または所望でない炎症応答を生じるmRNAの増大されたかまたは延長された安定性と関連する病因を有する疾患および医学的症状の予防または治療において用いるために提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、生物学的に活性な化合物並びに疾患の治療および予防におけるこの
使用に関する。特に、本発明は、1つまたは2つ以上のmRNA不安定配列を含
むmRNAの安定性に影響する化合物に関する。
【0002】 近年、RNA半減期の調節が、遺伝子発現の厳密な制御において臨界的に重要
な役割を有すること、およびmRNA分解が、高度に制御されたプロセスである
ことが、ますます明らかになっている。RNA不安定性は、転写速度の変化に対
するmRNA転写レベルの迅速な上方調節または下方調節を可能にする。多くの
臨界的に重要な細胞因子、例えば転写因子、例えばc−mycまたはホスト免疫
応答に関連する遺伝子産物、例えばサイトカインは、これらの通常の機能を遂行
するために、一時的にのみ存在することが求められる。これらの因子をコードす
るmRNAの一時的な安定化は、これらのメッセージの蓄積および翻訳が、所要
に応じて所望の細胞因子を発現するのを可能にし、一方非安定化正常条件の下で
は、これらのmRNAの迅速な変化速度は、細胞因子の発現を効率的に制限し、
「スイッチオフ」する。しかし、mRNA安定性の異常な調節は、所望でない細
胞変形、例えば腫瘍変形に至る細胞因子の所望でない確立または不適切および組
織損傷炎症応答に至り得る。
【0003】 mRNA安定性を制御する機構が、理解からは程遠い一方、配列領域は、多く
のmRNAにおいて同定されており、これは、これらを含むmRNAに不安定性
を付与すると考えられる。これらの配列領域を、本明細書中では「mRNA不安
定配列(instability sequence)」と呼ぶ。例えば、代表的なmRNA不安定領域
は、ARE(AUに富む要素)であり、これは、多くの前初期遺伝子および炎症
サイトカイン、例えばIL−1βおよびTNFαをコードする遺伝子を含むある
遺伝子の3’UTR(3’非翻訳領域)において見出される。
【0004】 Kastelic et al. (CYTOKINE, Vol. 8, No. 10(10月), 1996: pp 751-761)
は、ラジシコール(radicicol)類似体Aが、IFN−γおよびLPSにより活性
化されたTHP−1細胞に加えられた場合、IL−1βの分泌を阻害したのみな
らず、IL−1β、IL−6およびTNF−α mRNAの5〜8時間における
検出不能なレベルへの極めて迅速な分解を誘導したという発見およびこのmRN
A分解は、これらのサイトカインをコードするRNAの3’非翻訳領域に存在す
るAUに富む領域により媒介されると考えられるという発見を報告した。
【0005】 以前、新規なラジシコール類似体(ラジシコール類似体Aを含む)、この製造
方法およびこの薬理学的使用が、ラジシコール、O−メチルラジシコールおよび
関連化合物ゼアレレノン(zearelenone)およびゼアレレノンのある類似体を含む
既知の化合物と共に、欧州特許出願EP 0606044 Aに記載された。ラ
ジシコール類似体および既知の化合物は、EP 0606044 Aにおいて、
過剰のサイトカイン放出、特にIL−1β放出に関連するかまたはこれを含む病
因を有する疾患、例えば慢性関節リウマチ、変形性関節症、細菌性ショック、乾
癬、アテローム硬化症、炎症性腸疾患、クローン病および喘息の治療に有用であ
ると記載されている。
【0006】 本発明者等はここで、mRNAの分解を誘導するラジシコール類似体Aに加え
て他の化合物があることおよびこのような化合物は、このようなmRNAの増大
したかまたは延長された安定性および発現を伴う疾患および医学的症状を治療す
るために用いることができることを見出した。さらに、本発明者等は、ラジシコ
ール類似体Aを、一般的に、IL−1β、IL−6およびTNF−α mRNA
に加えて、mRNAの分解を誘導するために用いることができることを見出した
【0007】 従って、本発明は、医薬として用いるための、1つまたは2つ以上のmRNA
不安定配列を含むmRNAの分解を誘導するラジシコール類似体Aではない化合
物を提供する。
【0008】 他の観点において、本発明は、1つまたは2つ以上のmRNA不安定配列を有
するmRNAの増大した安定性に関連する病因を有する疾患または医学的症状を
予防または治療する方法において、該疾患または医学的症状が過剰のサイトカイ
ン放出、特にIL−1β放出に関連する病因を有するもの、例えば慢性関節リウ
マチ、変形性関節症、細菌性ショック、乾癬、アテローム硬化症、炎症性腸疾患
、クローン病および喘息であるとき、ヒトまたは動物患者に、mRNAの分解を
誘導する有効量のラジシコール類似体Aではない化合物を投与することを含む、
前記方法を提供する。
【0009】 尚他の観点において、本発明は、1つまたは2つ以上のmRNA不安定配列を
有するmRNAの分解を誘導するラジシコール類似体Aではない化合物の使用に
おいて、疾患または医学的症状が過剰のサイトカイン放出に関連する病因を有す
るもの、特にIL−1β放出、例えば慢性関節リウマチ、変形性関節症、細菌性
ショック、乾癬、アテローム硬化症、炎症性腸疾患、クローン病および喘息であ
るとき、1つまたは2つ以上のmRNA不安定配列を有するmRNAの増大した
安定性に関連する病因を有する疾患または医学的症状の治療または予防における
使用のための医薬の製造のための、前記化合物の使用を提供する。
【0010】 本発明はまた、患者中のmRNAの分解を誘導する方法において、mRNA分
解を患者に対して誘導するラジシコール類似体Aではない化合物の有効量を投与
し、ここでmRNAが、IL−1β、IL−6またはTNF−αをコードするm
RNAであるときに、mRNAがmRNA不安定配列を含む、前記方法を提供す
る。 さらに、本発明は、mRNAが、IL−1β、IL−6またはTNF−αをコ
ードするmRNAであるときに、患者のmRNA分解配列を含むmRNAの分解
の誘導における使用のための、医薬の製造においてmRNA分解を誘導するラジ
シコール類似体Aではない化合物の使用を提供する。
【0011】 本発明はさらに、癌および/または悪性疾患の治療のための医薬の製造のため
のラジシコール類似体の使用を提供する。 本発明はまた、癌および/または悪性疾患の予防または治療方法において、患
者に有効量のラジシコール類似体を投与することを含む、前記方法を提供する。 mRNA不安定配列を含むmRNAの分解を誘導するすべての化合物は、本発
明において用いるのに潜在的に関連する。mRNA不安定配列を含むmRNAの
分解を誘導する化合物は、以下で、本発明において用いる化合物と呼ぶ。このよ
うな化合物は、ラジシコール類似体、特に、例えばEP 0606044に記載
された、ラジシコール類似体Aまたはラジシコールを含む。
【0012】 本発明者等の係属中の英国特許出願第9828709.7号には、mRNAを
不安定化する化合物の同定のためのレポーター遺伝子アッセイが記載されている
。このアッセイにおいて、試験化合物は、化合物の不存在において検出可能なシ
グナルを有するタンパク質を発現することができ、ここでタンパク質をコードし
、発現系から転写されるmRNAが少なくとも1つのmRNA不安定配列のコピ
ーを含むDNA発現系と接触する。検出可能なシグナルは、試験化合物の存在下
で測定され、得られた結果は、対照と比較される。mRNAを不安定化する化合
物は、レポーター遺伝子アッセイにおいて得られた検出可能なシグナルの規模の
低下に至る、検出可能なシグナルをコードするmRNAの分解を誘導する。
【0013】 本発明において用いるのに好ましい化合物は、前に記載し、前述の英国特許出
願第9828709.7号に一層詳細に記載し、以下の例に記載するレポーター
遺伝子アッセイを用いてmRNA不安定性の誘導物質として同定することができ
る化合物を含む。本発明において用いるための化合物の特定の例は、ラジシコー
ルおよびラジシコール類似体を含む。
【0014】 式I
【化2】 で表される化合物であるラジシコールは、長年、天然の化合物、例えば微生物モ
ノスポリウム・ボノルデン(Monosporium bonorden)の代謝物として知られており
、最初は抗生特性を有するものとして記載された(Delmotte, Nature 171, 344 (
1953))。
【0015】 本発明において用いるための化合物を含むラジシコール類似体の特定の群は、
式II
【化3】 式中、 Rは、H、OH、ハロゲン、C〜C低級アルコキシまたはC〜C
級アルキル−COO−であり; Rは、OH、C〜C低級アルコキシまたはC〜C低級アルキル−C
OO−であり; Rは、H、OH、C〜C低級アルコキシまたはC〜C低級アルキル
−COO−であり; −a−b−は、−CHR−CHR−またはシスまたはトランス−CR=C
−であり、ここでRおよびRは、同一であるかまたは異なっており、H
、OH、C〜C低級アルコキシまたはC〜C低級アルキル−COO−で
あり、または −a−b−は、−CHR−CHR−であり、RおよびRは、Oと共に
、エポキシド架橋を形成し; cは、>CH−OH−、>C=Oまたは>CHであり; −d−e−は、−CHR−CHR−またはシスまたはトランス−CR
CR−であり、ここでRおよびRは、同一であるかまたは異なっており、
H、OH、C〜C低級アルコキシまたはC〜C低級アルキル−COO−
であり、 −f−g−は、−CH−CH−、シスまたはトランス−CH=CH−また
は−C(O)−CH−である、 で表される化合物およびこの薬学的に許容し得る塩およびこの生理学的に加水分
解可能なおよび生理学的に許容可能なエステルである。
【0016】 式IIにおいてアステアリスク()でマークした炭素原子は、不斉炭素原子
である。a、b、cまたはdにおける炭素原子はまた、これらの位置において存
在する特定の置換基に依存して不斉炭素原子であってもよい。これらの位置にお
ける不斉炭素原子は、RまたはS形態を有していてもよいか、またはラジシコー
ル類似体は、この光学異性体の任意の混合物を含んでいてもよい。好ましい異性
体は、以下に特定的に記載するものを含む。 本明細書において用いるハロゲンまたはハロは、他に指示しなければF、Cl
、BrまたはI、好ましくはClを意味する。
【0017】 式IIの化合物の特定の従属群は、−a−b−または−d−e−の一方が−C
HR−CHR−であり、他方がシスまたはトランス−CR=CR−であ
るものであり、ここで、RおよびRは、同一であるかまたは異なっており、
H、OH、C〜C低級アルコキシまたはC〜C低級アルキル−COO−
であり、cは、>CH−OH−または>C=Oであり、ここで、R、R、R および−f−g−は、前に定義した通りである。 式IIのラジシコール類似体の種々の置換基および部分についての特定の意味
は、以下の通りである:
【0018】 好ましくは、RおよびRは、同一であるかまたは異なっており、H、−O
H、MeO−またはMe−COO−である。好ましくは、Rは、−OH、Me
O−またはMeCOO−である。最も好ましくは、Rは、HまたはMeOであ
り;Rは、MeOであり、Rは、OHまたはMeOである。 好ましくは、−a−b−は、シスまたはトランス−CR’=CR’−であ
り、ここでR’およびR’は、同一であるかまたは異なっており、H、OH
、MeO−またはMe−COO−である。一層好ましくは、−a−b−は、シス
または特にトランス−CH=CH−である。
【0019】 好ましくは、−d−e−は、−CHR’−CHR’−であり、ここで、R ’およびR’は、前に定義した通りである。一層好ましくは、−d−e−は
、−CH−CH−または特に−CHOH−CHOH−であり、ここで、OH
基は、遊離または保護された形態であってもよい。 最も好ましくは、−f−g−は、トランス−CH=CH−である。 好ましくは、本発明の化合物の不斉炭素原子はすべて、S形態を有する。
【0020】 本発明において用いるための式IIの特定のラジシコール類似体は、式II(
ここで、Rは、Hまたはメトキシであり、Rは、メトキシであり、Rは、
OHであり、−a−b−は、シスまたはトランス−CH=CH−であり、cはC
HOHまたはC=Oであり、−d−e−は、−CHOH−CHOH−であり、−
f−g−は、−CH=CH−である)の、遊離形態または塩基性塩形態または生
理学的に加水分解可能および許容し得るエステルの形態である、類似体である。
【0021】 本発明において用いるための特定のラジシコール類似体は、ラジシコールおよ
びO−低級アルキルラジシコール、即ち式I’
【化4】 式中、RはHまたはC〜C低級アルキル、例えばメチルである、 で表される化合物、およびこの薬学的に許容し得る塩およびこの生理学的に加水
分解可能および許容し得るエステルを含む。
【0022】 本明細書中での記載の目的で、ラジシコール類似体は、特徴的なラジシコール
の二環式環構造、即ち式I”
【化5】 式中、X基は個別にHまたは置換基であり、14員環ラクラム環はさらに、1つ
または2つ以上、例えば2つのエチレン系不飽和結合を含んでいてもよく、ラク
タム環のX置換基の少なくとも1つは、オキシ(=O)または(隣接するX置換
基と共に)エポキシド置換基を含んでいてもよい、 で表される構造を有する化合物およびこの薬学的に許容し得る塩および生理学的
に加水分解可能および許容し得るエステルである。
【0023】 −OH置換基を含むラジシコール類似体はまた、薬学的に許容し得るエステル
の形態で存在することができ、この使用は、本発明の範囲内に包含される。薬学
的に許容し得るエステルは、好ましくは、プロドラッグエステル誘導体であり、
これは、ソルボリシスにより、または生理学的条件下で遊離ラジシコール類似体
に転換可能である。好ましい薬学的に許容し得るプロドラッグエステルは、カル
ボン酸、炭酸モノエステルまたはカルバミン酸から誘導されたもの、有利には随
意に置換された低級アルカン酸またはアリールカルボン酸から誘導されたエステ
ルである。
【0024】 ラジシコール類似体はまた、薬学的に許容し得る塩の形態で存在することがで
き、この使用は、本発明の範囲内に包含される。薬学的に許容し得る塩は、従来
の酸、例えば鉱酸、例えば塩酸、硫酸またはリン酸、あるいは有機酸、例えば脂
肪族または芳香族カルボン酸またはスルホン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、コ
ハク酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、
マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシマレイン酸、ピルビン酸、パモイック(pamoi
c)酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルフ
ァニル酸またはシクロヘキシルスルファミン酸;またアミノ酸、例えばアルギニ
ンおよびリシンとの酸付加塩を表す。酸性基、例えば酸性−OH基を有する化合
物、薬学的に許容し得る塩はまた、金属またはアンモニウム塩、例えばアルカリ
金属またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウムま
たはカルシウム塩を表す。
【0025】 EP 0606044 Aには、以下でラジシコール類似体Aと呼ぶ式III
【化6】 で表されるラジシコール類似体の単離および特徴づけが記載されており、これは
第1に、1991年11月6日にARS Patent Culture Collection, US Dept. of
Agriculture, Northern Regional Research Centre, Peoria, Illinois, USAに
ブダペスト条約の規定の下に寄託NRRL 18919として寄託されたピクニ
ジア(pycnidia)不完全菌類(F/87−250904)の菌株から単離された天
然の生成物として同定された。
【0026】 ラジシコール類似体Aは、本発明において用いるのに特に好ましいラジシコー
ル類似体である。ラジシコール類似体Aはまた、本発明において用いるための他
のラジシコール類似体の合成のための有用な出発物質として作用する。あるいは
また、EP 0606044 Aには、容易に入手できる出発物質から出発する
ラジシコール誘導体の新規な合成が記載されている。
【0027】 新規なラジシコール類似体、この製造方法およびこの薬学的使用は、ラジシコー
ル、O−メチルラジシコールおよび関連化合物ゼアレレノンおよびゼアレレノン
のある類似体を含む既知の化合物と共に、欧州特許出願EP 0606044
Aに記載されている。ラジシコール類似体および既知の化合物は、EP 060
6044 Aにおいて、過剰のサイトカイン放出、特にIL−1β放出に関連す
るかまたはこれを含む病因を有する疾患、例えば慢性関節リウマチ、変形性関節
症、細菌性ショック、乾癬、アテローム硬化症、炎症性腸疾患、クローン病およ
び喘息の治療に有用であると記載されている。
【0028】 ラジシコール類似体Aの菌株F/87−250904からの単離、ラジシコー
ル類似体Aからの半合成ラジシコール類似体の合成およびラジシコール類似体の
新規な合成に関連するEP 0606044の開示を、特定的に本出願の教示中
に参照として加入する。 驚くことに、ここで、ラジシコール、ラジシコール類似体、ゼアレレノンおよ
びゼアレレノン類似体(以下で集合的にラジシコール類似体と呼ぶ)、例えばE
P 0606044 Aに記載されているものは、ある形態の癌および悪性疾患
の治療に有用であることが見出された。
【0029】 本発明において用いるのに特に好ましいラジシコール類似体は、式II(式中
、−a−b−はトランス−CH=CH−である)で表される化合物、例えば式I
V、VおよびVI
【化7】 で表される化合物を含む。
【0030】 本発明において用いるのに特に好ましいラジシコール類似体は、式II(式中
、−a−b−はトランス−CH=CH−である)で表される化合物、例えば式I
II、VIIおよびVIII
【化8】 で表される化合物を含む。
【0031】 本発明は、一般的に、1つまたは2つ以上のmRNA不安定配列を含み、延長
されたかまたは不適切な発現において、代表的に所望でない効果、例えば癌細胞
の成長または所望でない炎症応答を生じるmRNAの増大されたかまたは延長さ
れた安定性に関連する病因を有する疾患および医学的症状の予防または治療にお
いて用いることができる。
【0032】 mRNA不安定配列は、サイトカイン、ケモカインのための遺伝子、核転写因
子、プロトオンコジーン、前初期遺伝子、細胞サイクル制御遺伝子、オキシゲナ
ーゼ並びにアポトーシスに関連するかまたはこれを制御する遺伝子を含む多数の
一時的に発現された遺伝子のUTR、特に3’UTRにおいて同定された。mR
NA不安定配列を含む天然のRNA配列は、あるいはまたアデニレート/ウリジ
レート(AU)に富む要素、またはAREと呼ばれる。mRNA不安定配列を含
む一時的に発現された遺伝子は、例えば、GM−CSF、c−fos、c−my
c、c−jun、krox−20、nur−77、zif268、β−IFN、
uPA、IL−1、IL−3、TNF−α、MCP1、syn1、β−AR、
E−セレクチン、VCAM−1、ICAM−1、P−糖タンパク質(MDR)、
MRP、Pγh1(pf mdr)、COX II、メタロプロテナーゼ(MM
P)、bcl−2およびMIP−2αをコードする遺伝子を含む。
【0033】 以下の刊行物は、mRNA不安定配列およびARE、これらが含む配列モチー
フおよびmRNA不安定化に対する(最小)配列要求並びに多くのmRNA不安
定配列およびこれらを含む遺伝子の同定の広範囲な討議を含む:
【外1】
【0034】 前述の刊行物に記載されたように、mRNA不安定配列はしばしば、例えばA
UUUA、UAUUUAU、UUAUUUA(U/A)(U/A)およびAUU
UAUUUAから成る群から選択された配列モチーフの1つまたは2つ以上のコ
ピーを含む。このような配列モチーフは、代表的には終止コドンとポリAシグナ
ルとの間の遺伝子中にあり、適切な側面配列と関連してもよく、例えば5’UT
R中に存在する他の配列およびコード領域中に存在する不安定モチーフと組み合
わせて相互作用してもよい。
【0035】 本発明は、mRNA不安定配列を含む、前に述べたかまたは列挙した刊行物中
に記載されたすべての遺伝子と関連する疾患および医学的症状について用いるこ
とができる。 本発明を用いることにより治療するかまたは防止することができる疾患および
医学的症状の例には、以下のものが含まれる:例えば結腸、胸、肺等の癌、急性
および慢性炎症、自己免疫疾患、呼吸器疾患、感染性疾患および移植拒絶。
【0036】 本発明において用いるための化合物は、有用な薬理学的特性を有する。特に、
本発明において用いる化合物は、mRNA不安定配列を含むmRNAの分解の誘
導物質として有用な特性を有する。mRNAの分解の誘導物質として本発明にお
いて用いられる化合物の活性を、以下に例において記載するかまたは本発明者等
の係属中の英国特許出願第9828709.7号中に一層詳細に記載したレポー
ター遺伝子アッセイにより例示することができる。
【0037】 mRNA不安定配列を含むmRNAの分解の誘導物質としてのこれらの活性の
観点において、ラジシコール類似体は、mRNA不安定配列を含み、癌および悪
性疾患の開始、進行または持続に関連するタンパク質をコードするmRNAの不
適切な構築および発現を伴う癌または悪性疾患の予防および治療に有用である。
mRNA不安定化配列を含むmRNAを有する癌関連遺伝子の例は、種々の腫瘍
遺伝子および転写因子、例えばc−myc、c−fos、Spl、bcl−2お
よび同様の遺伝子を含む。このような腫瘍遺伝子の不適切または延長された発現
は、癌、例えば結腸癌、乳癌、肺癌等のある形態の開始に関連する。mRNA不
安定配列を含むmRNAを有する癌関連遺伝子の他の例は、腫瘍成長および転移
侵入に必要な組織再モデル化に関連する、メタロプロテナーゼ酵素についての遺
伝子、例えばMMP−1、MMP−2、コラゲナーゼ等;細胞サイクル関連遺伝
子、例えばp45/SKIP2等およびいくつかの癌細胞の先天性または後天性
多剤耐性に関連する多剤耐性遺伝子、例えばmdr−1、MRP等である。
【0038】 ラジシコール類似体での治療は、このような遺伝子のmRNAの分解に有利に
至り、遺伝子発現の下方調節または「スイッチオフ」を生じる。従って、例えば
、ラジシコール類似体は、腫瘍遺伝子媒介癌および悪性疾患を治療および防止す
るために、一般的に腫瘍成長および転移侵入を治療および防止するために、並び
に多剤耐性を防止または逆転させてこれにより従来の、例えば細胞毒性、抗癌剤
での癌および腫瘍治療を促進するために用いることができる。 ラジシコール類似体は、細胞中または実質的に以下に記載するインビボアッセ
イまたは適切な細胞系および条件を用いるこのようなアッセイの変法において、
これらの抗癌剤としての活性について試験することができる。
【0039】 ラジシコール類似体は、例えば、EGF依存性上皮細胞の有用な標準的給源と
して認識されている(Carpenter, G., およびZendegni, J. Anal. Biochem. 153
, 279-282 (1985)参照)EGF依存性細胞系、例えば類表皮BALB/cマウス
角化細胞細胞系(Weissmann, B.A., およびAaronson, S.A., Cell 32, 599 (198
3)参照)またはA431細胞系の細胞成長の阻害を示す。既知の試験方法におい
て(Meyer et al., Int. J. Cancer 43, 851 (1989)参照)、ラジシコール類似
体の阻害活性は、短く、以下のように決定されている:BALB/MK細胞(1
0 000/マイクロタイタープレートウェル)を、96ウェルマイクロタイタ
ープレートに移送する。試験化合物(DMSOに溶解した)を、一連の濃度(希
釈系列)で、DMSOの最終濃度が1%(v/v)を超えないように加える。添
加後、プレートを3日間インキュベートし、この間試験化合物を含まない対照培
養は、少なくとも3つの細胞分割サイクルを経ることができる。MK細胞の成長
は、メチレンブルー染色により測定される:インキュベーションの後、細胞を、
グルタルアルデヒドで固定し、水で洗浄し、0.05%のメチレンブルーで染色
する。洗浄工程の後、染色を3%HClで溶出し、マイクロタイタープレートの
ウェルあたりの光学密度を、タイターテック(Titertek)マルチスキャン(multisk
an)を用いて665nmにおいて測定する。IC50値を、コンピューターによ
り補助されたシステムにより、以下の式: IC50=[(ODtest−ODstart)/(ODcontrol−OD start )]×100 を用いて決定する。
【0040】 該実験におけるIC50値は、阻害剤を含まない対照を用いて得られたものよ
り50%低い細胞計数に至る当該試験化合物の濃度として与えられる。ラジシコ
ール類似体は、マイクロモル範囲の阻害活性、例えば約0.1〜10mM、特に
0.4〜4mMのIC50において阻害活性を示す。
【0041】 ラジシコール類似体は、例えば以下に示す試験により示されるように、インビ
ボにおいても腫瘍細胞の成長の阻害を示す:試験は、ヒト類表皮癌腫A431(
ATCC No. CRL 1555; American Type Culture Collection, Rockville, Maryland
, USA; Santon, J.B., et al., Cancer Research 46, 4701-4705 (1986)およびO
zawa, S., et al., Int J. Cancer 40, 706-710 (1987)参照)の成長の阻害に基
づき、これを、雌BALB/cヌードマウス(Bomholtgard, Denmark)中に移植す
る。当該癌腫は、EGF−受容体発現の程度と相関する成長を示す。実験におい
て、インビボで培養された約1cmの容積を有する腫瘍を、実験動物から無菌
条件の下で外科的に除去した。腫瘍を細かくし、10容量(w/v)のリン酸緩
衝生理的食塩水中に懸濁させる。懸濁液を、動物の左側中に皮下注射する(リン
酸緩衝生理的食塩水中で0.2ml/マウス)。あるいはまた、インビトロ培養
からの1×10個の細胞を、0.2mlのリン酸緩衝生理的食塩水中に注入す
ることができる。試験化合物での処理を、腫瘍が4〜5mmの直径に達した際、
移植後5または7日において開始する。当該試験化合物を、15日間連続で1日
1回投与する(異なる動物群において異なる用量で)。腫瘍成長を、互いに垂直
である3つの軸に沿って腫瘍の直径を測定することにより決定する。腫瘍容積を
、既知の式p×L×D/6を用いて計算する(Evans, B.D., et al., Brit. J
. Cancer 45, 466-468 (1982)参照)。結果を、処理/対照百分率(T/C×1
00=T/C%)として示す。3〜50mg/kgの活性成分の用量において、
腫瘍成長の明らかな阻害が、例えば10より小さいT/C%値で見出され、これ
は、腫瘍成長の強力な阻害を示す。
【0042】 本発明において用いるラジシコール類似体を、単独でおよび他の薬理学的に活
性な化合物と組み合わせて、例えばポリアミン合成の酵素の阻害剤、プロテイン
キナーゼCの阻害剤、他のチロシンキナーゼの阻害剤、サイトカイン、負の成長
レギュレーター、例えばTGF−βまたはIFN−β、アロマターゼ阻害剤、抗
エストロゲンおよび/または細胞分裂停止剤と共に、用いることができる。
【0043】 特徴的に、ラジシコール類似体を用いて腫瘍および他の悪性細胞の多剤耐性を
防止するかまたは逆転させる際に、これらを、細胞分裂停止剤または細胞毒性剤
と組み合わせて用いる。インビトロでの抗腫瘍性/細胞毒性薬剤物質に対する癌
細胞の感受性の回復における有用性を評価するための適切な細胞に基づくアッセ
イは、以下の通りである。
【0044】 例えば、ダウノルビシン(DR);ビンクリスチン(VC);アドリアマイシ
ン(AM);エトポシド(ET);テノポシド(TE);コルヒチン(CC);
およびタキソールから成る群から選択された1種または2種以上の癌治療薬剤物
質(CTDS)に耐性の肺のヒト小細胞癌腫からの癌細胞系列(CCL)は、Tw
entyman et al., Br. J. Cancer, 54, 253 (1986)により記載された方法に従っ
て開発される。
【0045】 耐性亜系(CCL−R)の感受性を、例えばDR耐性系(CCL−DRR)の
場合にCCL−DRSとCCL−DRR系との成長を最初から成長媒体中に含有
されたDRの存在において比較することにより、連続的CTDS暴露の間に細胞
成長の阻害をアッセイすることにより、親の感受性系(CCL−S)と比較する
。このために、細胞増殖を、電子的細胞カウンターを用いた細胞計数により測定
し、計数は、指数関数的成長相の終了近くに実施する。CCL−R系を、IC (薬剤濃度、例えば最終的細胞数を非CTDS(例えばDR)処理対照につい
てのものの20%に減少させるのに必要なDR濃度)が、親CCL−S系のもの
よりも>80X、好ましくは>100X大きいものについて選択する。
【0046】 次に、試験ラジシコール類似体の存在または不存在における、選択されたCC
L−R系のCTDS(例えばDR)に対する感受性を、前述のように細胞計数を
増殖の基準として用いて実施する。このために、細胞を、変化する濃度のCTD
Sと試験ラジシコール類似体との両方の存在下で、最初から培養する。スクリー
ニングのために、これら自体増殖の顕著な減少を生じない後者の濃度を、選択す
る。適切な濃度を、CTDSの不存在下で変化する濃度のラジシコール類似体の
存在下で、CCL−SおよびCCL−Rを培養することにより確立する。ラジシ
コール類似体を、0.01〜50μg/ml、特に0.1〜10μg/ml、例
えば0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0
、5.0、10.0および50μg/mlの濃度において、ルーチンに試験する
。試験ラジシコール類似体の不存在下で細胞増殖を50%だけ阻害するのに必要
なCTDS(例えばDR)(IC50−CS)の、試験ラジシコール類似体の存
在下において得られたもの(IC50+CS)と比較した比率を、ラジシコール
類似体により誘導されたCTDSに対するCCL−R系の増大した感受性の基準
として採用する。用いるCCL−R系の感受性を、このCTDSに対する感受性
を前に確立したものと交差チェックすることにより、確実にする。
【0047】 インビボ手順を含む抗腫瘍性/細胞毒性薬剤物質に対する癌細胞の感受性の回
復における有用性を評価するための追加の手順は、EP 0296122 Bに
記載されており、この関連する開示を、本出願の教示中に、参照として加入する
。 本発明において用いる化合物を、単独で、および他の薬理学的活性化合物と組
み合わせて、例えば化合物を、ポリアミン合成の酵素の阻害剤、プロテインキナ
ーゼCの阻害剤、他のチロシンキナーゼの阻害剤、サイトカイン、負の成長レギ
ュレーター、例えばTGF−βまたはIFN−β、アロマターゼ阻害剤、抗エス
トロゲンおよび/または細胞分裂停止剤と共に用いることができる癌治療におい
て用いることができる。
【0048】 本発明において活性成分として用いる化合物を含み、特に前述の疾患の治療に
おいて用いることができる適切な薬学的組成物は、腸内、例えば鼻腔内、頬内、
直腸内または特に経口投与、および非経口投与、例えば温血動物、特にヒトへの
静脈内、筋肉内または皮下投与のための組成物を含む。組成物は、活性成分を単
独で、または好ましくは薬学的に許容し得る担体と共に含む。活性成分の投与量
は、治療される疾患、並びに種、年齢、体重および個別の症状、個別の薬物動態
的症状、並びに投与の様式に依存する。
【0049】 薬学的組成物は、約1%〜約95%の活性成分、好ましくは約20%〜約90
%の活性成分を含む単一投与形態での投与の形態および好ましくは約5%〜約2
0%の活性成分を含む単一投与形態ではない投与の形態を含むことができる。単
位投与形態は、例えば、糖衣錠、錠剤、アンプル、ビン、座剤またはカプセルで
ある。投与の他の形態は、例えば、軟膏、クリーム、ペースト、フォーム、チン
キ剤、リップスティック、点滴薬、スプレー、分散体等である。例は、約0.0
5g〜約1.0gの活性成分を含むカプセルである。
【0050】 薬学的組成物は、それ自体知られている方法、例えば従来の混合、造粒、調合
、溶解または凍結乾燥手順により調製する。
【0051】 活性成分の溶液、およびまた懸濁液または分散体、特に等張水性溶液、分散体
または懸濁液を好ましく用い、このような溶液、懸濁液または分散体を使用前に
構成するために、例えば凍結乾燥した組成物の場合において、活性成分を、単独
でまたは担体、例えばマンニトールと共に含むことができる。薬学的組成物を滅
菌することができ、および/またはこれは、賦形剤、例えば保存剤、安定剤、湿
潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節するための塩および/また
は緩衝液を含むことができ、およびそれ自体知られている方法、例えば従来の溶
解または凍結乾燥手順により製造される。前述の溶液または懸濁液は、粘度上昇
物質、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニ
ルピロリドンまたはゼラチンを含むことができる。
【0052】 油中の懸濁液は、油成分として、注入目的で一般的な植物油、合成油または半
合成油を含む。このようなものとして、特に、酸成分として、8〜22個、特に
12〜22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸、例えばラウリル酸、トリデシル酸
、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸
、アラキドン酸、ベヘン酸または対応する不飽和酸、例えばオレイン酸、エライ
ジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸またはリノール酸を、所望により、抗酸化剤、
例えばビタミンE、β−カロテンまたは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシトルエンと共に含む液体脂肪酸エステルを挙げることができる。該脂肪
酸エステルのアルコール成分は、最大6個の炭素原子を有し、1価または多価、
例えば1価、2価または3価のアルコール、例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノールまたはペンタノールあるいはこの異性体であるが、特に
グリコールおよびグリセロールである。従って、脂肪酸エステルの以下の例が挙
げられる:オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプ
ロピル、「ラブラフィル(Labrafil)M 2375」(ポリオキシエチレングリセ
ロールトリオレエート、Gattefosse, Paris)、「ラブラフィルM 1944
CS」(アプリコット穀粒油のアルコール分解により製造され、グリセリドおよ
びポリエチレングリコールエステルから成る不飽和ポリグリコール化グリセリド
、Gattefosse, France)、「ラブラゾール(Labrasol)」(TCMのアルコール分
解により製造され、グリセリドおよびポリエチレングリコールエステルから成る
飽和ポリグリコール化グリセリド、Gattefosse, France)および/または「ミグ
リオール(Miglyol)812」(C〜C12の鎖長を有する飽和脂肪酸のトリグ
リセリド、Huis AG, Germany)、しかし特に植物油、例えば綿実油、アーモンド
油、オリーブ油、ひまし油、ごま油、大豆油および一層特に落花生油。
【0053】 注入組成物は、無菌条件下で通常の方法により製造される;また、同一のこと
が、組成物の、例えばアンプルまたはビン中への導入および容器の密封に該当す
る。 経口投与用の薬学的組成物を、例えば、活性成分を1種または2種以上の固体
担体と、所望により得られた混合物を粉砕し、混合物または顆粒を所望により加
工し、所要に応じて追加の賦形剤を加えて、錠剤または糖衣錠核を形成すること
により、得ることができる。
【0054】 適切な担体は、特に、充填剤、例えば糖、例えばラクトース、サッカロース、
マンニトールまたはソルビトール、セルロース調製物および/またはリン酸カル
シウム、例えばリン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム、並びにまた結
合剤、例えばデンプン、例えばコーンスターチ、小麦デンプン、米デンプンまた
はトウモロコシデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリ
ドン、および/または所望により崩壊剤、例えば前述のデンプン、またカルボキ
シメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドンあるいはアルギン酸またはこの塩
、例えばアルギン酸ナトリウムである。追加の賦形剤は、特に、流動調整剤およ
び潤滑剤、例えばケイ酸、タルク、ステアリン酸またはこの塩、例えばステアリ
ン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレン
グリコールまたはこの誘導体である。
【0055】 糖衣錠核に、適切な、随意に腸溶性である被覆剤を提供することができ、ここ
で、特に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコ
ールおよび/または二酸化チタン、あるいは適切な有機溶媒または溶媒混合物中
のコーティング溶液、あるいは腸溶性被覆剤を製造するために、適切なセルロー
ス調製物、例えばアセチルセルロースフタレートまたはヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースフタレートの溶液を含むことができる濃糖溶液を用いる。着色剤ま
たは顔料を、例えば識別する目的または活性成分の異なる用量を示すために、錠
剤または糖衣錠被覆剤に加えることができる。
【0056】 経口投与可能な薬学的組成物はまた、ゼラチンから成る乾燥充填カプセル、ま
たゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールから成る柔軟
密封カプセルを含む。乾燥充填カプセルは、活性成分を、顆粒の形態で、例えば
充填剤、例えばコーンスターチ、結合剤および/またはグリダント(glidant)、
例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウム、および随意に安定剤との混合物
で含むことができる。柔軟カプセルにおいて、活性成分を、好ましくは、適切な
液体賦形剤、例えば脂肪酸、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールあ
るいはエチレングリコールまたはプロピレングリコールの脂肪酸エステル中に溶
解または懸濁し、またこれに、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル型の安定剤および洗浄剤を加えることができる。
【0057】 投与のための他の経口形態は、例えば懸濁形態であり、約5%〜20%、好ま
しくは約10%の濃度の、または例えば5または10mlの基準で投与する際に
適切な単一形態を提供する同様の濃度の活性成分を含む、一般的な方法で調製さ
れる、例えばシロップである。また適切なものは、例えば、セーキ、例えばミル
クの調製のための粉末または液体濃縮物である。このような濃縮物はまた、単一
投与量で包装することができる。
【0058】 適切な直腸内に投与可能な薬学的組成物は、例えば、活性成分と座剤ベースと
の組み合わせから成る座剤である。適切な座剤ベースは、例えば、天然または合
成トリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコールまたは高級ア
ルカノールである。
【0059】 非経口投与のために、特に水溶性形態、例えば水溶性塩、または粘度上昇物質
、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールおよび/または
デキストランおよび所望により安定剤を含む水性注射懸濁液の形態の活性成分の
適切な水溶液がある。随意に賦形剤と組み合わされた活性成分はまた、凍結乾燥
物(lyophilisate)の形態であることができ、非経口投与の前に、適切な溶媒を加
えることにより、溶液とすることができる。
【0060】 本発明において用いるための化合物を、単独で、または薬学的組成物の形態で
、好ましくは前述の疾患に対して有効な量で、温血動物、例えばこのような治療
を要するヒトに予防的または治療的に投与することができ、化合物は特に、薬学
的組成物の形態で用いられる。このような治療において、体重が約70kgの個
体に、約0.1g〜約5g、好ましくは約0.5g〜約2gの式IIの化合物を
毎日の用量として投与する。
【0061】 以下の例は、本発明を例示するためのものであり、添付した図面に言及する。
【0062】 例1:mRNAを不安定化する化合物についてのレポーター遺伝子アッセイ A.pGL2 neo30の構成 THP−1細胞中への安定な統合のためのベクターを得るために、pMCIn
eo(Stratagene)から得られたneo耐性遺伝子(アミノグリコシド3’ホスホ
トランスフェラーゼを発現する)のXhoI−SalIフラグメントを、pCL
−2対照(Promega)のSalI部位中にサブクローン化した。この得られたプラ
スミドを、pGL2_Neoと呼んだ。2つの相補的な合成オリゴヌクレオチド
(図1参照)をアニーリングすることにより得られた30bpフラグメント(I
L−1β3’UTR配列に基づく3つのタンデムAUUUAモチーフを含む)を
、pCL2_Neo中に、PflM1制限部位を用いてサブクローン化した。こ
の結果、ルシフェラーゼ発現ベクターpGL2_Neo30が得られた(図2)
。図1は、pGL2_NeoのPflMI部位中につなぐのに用いる3つのタン
デムAUUUAモチーフを含むIL−1β3’UTR配列を示す。
【0063】B.安定細胞系のトランスフェクションおよび選択 得られたベクターpGL2_Neo30およびpGL2_Neoを、THP−
1細胞中に、エレクトロポレーションによりトランスフェクトした。1.3mM
のKHPO、7.36mMのNaHPO、2.44mMのKCl、12
4mMのNaCl、5mMのグルコース、9.6μMのMgClおよび16μ
MのCaCl、pH7.2中の10個の細胞/mlを、バイオラッドジーン
パルサー(Bio-Rad Gene Pulser)(250V、690μFおよび不定の抵抗)中
の20μgのDNAで、0.4cmのキュベットを用いてトランスフェクトした
。細胞をその後、10%FBS、2mMのL−Gln(L−グルタミン)、50
μMの2−メルカプトエタノールおよび600μg/mlのG418(ジェネテ
ィシン(geneticin))を含むRPMI培地中で培養した。pGL2_Neo30
およびpGL2_NeoのTHP−1細胞中へのトランスフェクションの後、安
定な細胞系を、G418耐性についての選択により得、ルシフェラーゼ活性につ
いてアッセイした。各トランスフェクションの1つの細胞系を、さらなる分析の
ために選択した;pGL2_Neo30細胞系を、クローン番号63と呼び、p
GL2_Neo細胞系を、クローン番号53と呼ぶ。外因性ルシフェラーゼ活性
は、通常のTHP−1細胞においては検出できなかった。 組織培養およびルシフェラーゼ活性測定を、以下のようにして実施した。
【0064】C.組織培養 トランスフェクトしたヒト単球白血病細胞系、クローン番号53および63を
、110U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、2m
MのL−Glnおよび2g/lのNaHCOを補足したRPMI培地中で成長
させた。熱処理FBS(5%)を、使用前に加えた。細胞を、5×10/ml
の密度に成長させ、100U/ml(最終濃度)のγIFNでの分化を誘導した
。3時間後、10μlのLPS(5μg/mlの最終濃度)を加えた。この時点
を、時間0とした。示したように、LPSの添加後、化合物を、種々の時間にお
いて加えた。
【0065】D.ルシフェラーゼ活性測定 系を96ウェルプレートの使用に適合させるために、細胞を、フェノールレッ
ド(AMIMED)を欠くRPMI培地中のパッカード(Packard)平坦底白色ポ
リスチレンマイクロプレート(Cat.No.6005180)中で成長させた
。細胞を、5×10/ウェルで蒔いた。細胞の処理後、ルシフェラーゼを、パ
ッカードルクライト (Packard Luc Lite) システム(Cat.No.60169
1 1)を用いて、製造者の指示に従って205μlの最終容積に計量した。要
するに、5×10細胞/mlの細胞懸濁に、γIFN(1000U/mlベー
リンガーマンハイム(Boehringer Mannheim)No.1050494)を最終濃度
100U/mlに、および0.25%(v/v)のルクライトエンハンサー(Luc
Lite Enhancer)を加えた。3時間のインキュベーションの後、LPS(50μ
g/mlのSIGMA L−8274)を加えて、5μg/mlの最終濃度を得
た。次に、細胞を、5×10/100μl/ウェルにおいて平坦底白色ポリス
チレンマイクロプレート(Packard, Cat. No. 6005180)中に蒔き、16時間イン
キュベートした。次に、5μlの化合物溶液または対照ビヒクルを加え、細胞を
、示したようにさらにインキュベートした。100μlのルシフェラーゼ基質溶
液を加え、プレートを、トップシール(Top-Seal)−Aプレスオン接着密封フィル
ム(Packard, Cat. No. 6005185)で覆い、その後22℃でパッカードトップカウ
ントシンチレーションカウンター(Packard Top Count Scintillation Counter)
でルミネセンスを測定した。ルシフェラーゼシグナルは、少なくとも90分間安
定であった。
【0066】例2:ラジシコール類似体Aの効果 THP−1細胞系、クローン番号63(pGL2_Neo30を含む)および
クローン番号53(pGL2−対照を含む)を成長させ、分化させ、通常のTH
P−1細胞と同一のγIFNおよびLPSで刺激した。ラジシコール類似体Aを
、LPSの添加の16時間後に加え、次に抽出物を、8時間後に示したように採
取した。ルシフェラーゼ活性は、平均で50%+/−17%だけ1μMラジシコ
ール類似体Aにより阻害され、若干の場合において阻害は93%程度に大きく、
一方5×10−6Mまでのラジシコール類似体Aは、対照のクローン番号53に
対して効果を有しなかった、図3(黒色棒はクローン番号53を示し、白色棒は
クローン番号63を示す)。
【0067】例3:レポーター遺伝子アッセイの多くのラジシコール類似体への適用 多くのラジシコール類似体を、これらの活性について、実質的に前の例に記載
したようにレポーター遺伝子アッセイにおいて試験した。得られた結果を、以下
の表に示す。
【0068】
【表1】
【表2】
【0069】例4: 各々例えば50mgのラジシコール類似体Aまたは薬学的に許容し得る塩
を含む錠剤を、以下のようにして製造した:組成物(10000個の錠剤) 活性成分 500.0g ラクトース 500.0g ジャガイモデンプン 352.0g ゼラチン 8.0g タルク 60.0g ステアリン酸マグネシウム 10.0g 二酸化ケイ素(高度に分散した) 20.0g エタノール 十分量
【0070】 活性成分を、ラクトースおよび292gのジャガイモデンプンと混合し、混合
物を、ゼラチンのエタノール性溶液で湿潤させ、ふるいにより顆粒化した。乾燥
後、残りのジャガイモデンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルクおよび二酸
化ケイ素を混合し、混合物を圧縮して、各々重量が145.0mgであり、50
.0mgの活性成分を含む錠剤を形成した;所望により、錠剤に、用量の一層精
密な適合のための破壊刻み目を設けることができる。
【0071】例5: 各々100mgのラジシコール類似体Aまたは薬学的に許容し得る塩を含
むフィルムで被覆した錠剤を、以下のようにして製造した:組成(1000個のフィルムで被覆した錠剤について) 活性成分 100.0g ラクトース 100.0g コーンスターチ 70.0g タルク 60.0g ステアリン酸カルシウム 1.5g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.36g シェラック 0.64g 水 十分量 塩化メチレン 十分量
【0072】 活性成分、ラクトースおよび40gのコーンスターチを混合し、15gのコー
ンスターチおよび水(加熱した)から調製したペーストで湿潤させ、粉砕した。
顆粒を乾燥し、残りのコーンスターチ、タルクおよびステアリン酸カルシウムを
加え、顆粒と混合した。混合物を圧縮して、錠剤(重量:280mg)を形成し
、これを次にヒドロキシプロピルメチルセルロースの溶液および塩化メチレン中
のシェラックでフィルム被覆し;フィルム被覆した錠剤の最終的な重量は283
mgであった。
【0073】例6: 100mgの活性成分、例えばラジシコール類似体Aまたは薬学的に許容
し得る塩を含む硬質ゼラチンカプセルを、例えば以下のようにして製造した:組成(1000個のカプセルについて) 活性成分 100.0g ラクトース 250.0g 微晶質セルロース 30.0g ラウリル硫酸ナトリウム 2.0g ステアリン酸マグネシウム 8.0g
【0074】 ラウリル硫酸ナトリウムを、凍結乾燥した活性成分に0.2mmのメッシュサ
イズのふるいを通して加えた。2種の成分を、十分に混合した。次に、先ず、ラ
クトースを、0.6mmのメッシュサイズのふるいを通して加え、次に微晶質セ
ルロースを、0.9mmのメッシュサイズのふるいを通して加えた。次に混合物
を、再び10分間十分に混合した。最後に、ステアリン酸マグネシウムを、0.
8mmのメッシュサイズのふるいを通して加えた。さらに3分間混合した後、大
きさ0の硬質ゼラチンカプセルに、各々390mgの得られた配合物を充填した
。軟質ゼラチンカプセルを、同様の成分および方法を用いて製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 例1のレポーター遺伝子アッセイにおけるmRNA不安定配列と
して用いられる30bpフラグメントを示す図である。
【図2】 pGL2_Neo30およびpGL2−対照についてのプラスミ
ド図を示す図である。
【図3】 種々の濃度のラジシコール類似体A(SDZ216−732)で
処理したクローン53(黒色棒)および63(白色棒)からのルシフェラーゼ活
性のグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/06 A61P 17/06 19/02 19/02 29/00 101 29/00 101 31/00 31/00 35/00 35/00 // C07D 313/00 C07D 313/00 493/04 111 493/04 111 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 シェヌヴァル, ドミニク カナダ、ブリティッシュ コロンビア ブ イ3ジェイ 3ビー6、コキトラム、リー ガン アベニュー 1323 (72)発明者 ルエツ, ステファン スイス連邦 シーエイチー4125 リーヘ ン、ウンホルツガッス 4 Fターム(参考) 4C062 JJ70 4C071 AA01 AA07 BB01 CC12 EE02 FF18 GG01 HH08 HH09 LL01 4C084 AA17 NA14 ZA45 ZA59 ZA68 ZA89 ZA96 ZB15 ZB26 ZB35 4C086 AA01 AA02 BA01 CA01 MA01 MA04 NA14 ZA45 ZA59 ZA68 ZA89 ZA96 ZB15 ZB26 ZB35

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医薬として用いる1つまたは2つ以上のmRNA不安定配列
    を含む、mRNAの分解を誘導する化合物であって、ラジシコール類似体Aでは
    ない、前記化合物。
  2. 【請求項2】 1つまたは2つ以上のmRNA不安定配列を有するmRNA
    の増大した安定性に関連する病因を有する疾患または医学的症状を予防または治
    療する方法において、該疾患または医学的症状が過剰のサイトカイン放出に関連
    する病因を有するもの、特にIL−1β放出、例えば慢性関節リウマチ、変形性
    関節症、細菌性ショック、乾癬、アテローム硬化症、炎症性腸疾患、クローン病
    および喘息であるとき、ヒトまたは動物患者に、mRNAの分解を誘導する有効
    量のラジシコール類似体Aではない化合物を投与することを含む、前記方法。
  3. 【請求項3】 1つまたは2つ以上のmRNA不安定配列を有するmRNA
    の分解を誘導するラジシコール類似体Aではない化合物の使用において、疾患ま
    たは医学的症状が過剰のサイトカイン放出に関連する病因を有するもの、特にI
    L−1β放出、例えば慢性関節リウマチ、変形性関節症、細菌性ショック、乾癬
    、アテローム硬化症、炎症性腸疾患、クローン病および喘息であるとき、1つま
    たは2つ以上のmRNA不安定配列を有するmRNAの増大した安定性に関連す
    る病因を有する疾患または医学的症状の治療または予防における使用のための医
    薬の製造のための、前記化合物の使用。
  4. 【請求項4】 患者にmRNAの分解を誘導する方法において、患者に対し
    てmRNA分解を誘導するラジシコール類似体Aではない化合物の有効量を投与
    し、ここでmRNAがIL−1β、IL−6またはTNF−αをコードするmR
    NAであるとき、mRNAがmRNA不安定配列を含む、前記方法。
  5. 【請求項5】 mRNAがIL−1β、IL−6またはTNF−αをコード
    するmRNAであるとき、患者のmRNA分解配列を含むmRNAの分解の誘導
    における使用のための、医薬の製造においてmRNA分解を誘導するラジシコー
    ル類似体Aではない化合物の使用。
  6. 【請求項6】 癌および/または悪性疾患の治療のための医薬の製造のため
    のラジシコール類似体の使用。
  7. 【請求項7】 癌および/または悪性疾患の予防または治療方法において、
    患者に有効量のラジシコール類似体を投与することを含む、前記方法。
  8. 【請求項8】 化合物またはラジシコール類似体が、式II 【化1】 式中、 Rは、H、OH、ハロゲン、C〜C低級アルコキシまたはC〜C
    級アルキル−COO−であり; Rは、OH、C〜C低級アルコキシまたはC〜C低級アルキル−C
    OO−であり; Rは、H、OH、C〜C低級アルコキシまたはC〜C低級アルキル
    −COO−であり; −a−b−は、−CHR−CHR−またはシスまたはトランス−CR=C
    −であり、ここでRおよびRは、同一であるかまたは異なっており、H
    、OH、C〜C低級アルコキシまたはC〜C低級アルキル−COO−で
    あり、または −a−b−は、−CHR−CHR−であり、RおよびRは、Oと共に
    、エポキシド架橋を形成し; cは、>CH−OH−、>C=Oまたは>CHであり; −d−e−は、−CHR−CHR−またはシスまたはトランス−CR
    CR−であり、ここでRおよびRは、同一であるかまたは異なっており、
    H、OH、C〜C低級アルコキシまたはC〜C低級アルキル−COO−
    であり、 −f−g−は、−CH−CH−またはシスまたはトランス−CH=CH−
    である、 で表される化合物またはこの薬学的に許容し得る塩またはこの生理学的に加水分
    解可能なおよび生理学的に許容可能なエステルである、請求項3、5または6に
    記載の使用または請求項2、4または7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 腫瘍遺伝子媒介性癌および悪性疾患の治療または防止、一般
    的に腫瘍成長および転移侵入の治療または防止、あるいは多剤耐性を防止するか
    、または逆転するための請求項6または8に記載の使用または請求項7または8
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 明細書および例を特に参照して実質的に前記したすべての
    新規な化合物、方法および使用。
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