このドキュメントでは、Gemini for Google Cloud に送信するプロンプトを最適化する方法と、 Google Cloud のプロダクトとサービスを使用して生産性を高めるために提供されるアシスタンスの種類について説明します。
使用しているGoogle Cloud プロダクトに応じて、Gemini for Google Cloud に対してさまざまな方法で指示できます。一部のプロダクトでは、会話型インターフェースで Gemini for Google Cloud に指示し、別のプロダクトでは、コードまたはクエリエディタで指示します。プロンプトの入力方法の説明については、ご使用のプロダクトのドキュメントをご覧ください。
Google Cloudの AI 搭載のコラボレーターである Gemini for Google Cloudの詳細については、Gemini for Google Cloud の概要をご覧ください。
プロンプトにコンテキストと詳細情報を提供する
Gemini for Google Cloudに尋ねる質問(入力情報、Gemini によって分析または完成されるコードなど)は、プロンプトと呼ばれます。Gemini から受け取る回答やコード補完は、レスポンスと呼ばれます。
Gemini for Google Cloud にサポートを依頼する場合は、できるだけ多くのコンテキストと具体的な詳細情報を提示する必要があります。AI 生成のレスポンスはさまざまな可能性に基づいているため、正確であることが重要です。最適な結果を得るには、プロンプトは 4,000 文字以内にしてください。
プロンプトに有用なコンテキストと詳細情報を提供するいくつかの方法を以下に示します。
誰かと話しているようなプロンプトを作成します。オンラインでドキュメントを検索する場合のようにキーワードだけを入力するのではなく、誰かに問題を説明する場合に含めるような詳細情報を含めます。たとえば、「ワークロード GKE」という語句を入力するのではなく、「GKE はどのような種類のワークロードをサポートしていますか?」という完全な 1 文で質問します。
タスクを遂行しようとしている理由を説明します。実現しようとしている事項の詳細によって、Gemini for Google Cloud がより有用な回答を提示することを支援できます。たとえば、Gemini for Google Cloud で「ブログをホストするためのシンプルで安全な Google Cloud サイトを設定」したいことを伝えると、「ウェブサイトのデプロイ方法」とだけ質問する場合よりも有益な詳細情報を提示できます。多くの場合、技術的目標を達成するための適切な方法は複数あるため、Gemini for Google Cloud に十分なコンテキストを提供することは、良い回答を得るうえで有効です。
コマンドにすべてのパラメータを配置するよう指示します。たとえば、Gemini Code Assist にコード関数を生成するように指示する場合は、「すべてのメソッドが必要な引数を使用するようにする」と伝えることで、より有用で詳細なレスポンスが得られる可能性があります。
専門知識のレベルを含ます。提案をリクエストする際に、プロンプトのリクエストと専門知識のレベルを一致させることは特に役立ちます。エキスパートのプログラマー、または初心者のプログラマーであるかのように、Gemini for Google Cloud にコンセプトやコードを説明してもらうことで、異なるより適切な結果を得ることができます。
たとえば、エキスパート コンテキストから応答するように Gemini に指示するには、Gemini に対して「すべての Compute Engine インスタンスを一覧表示する Python コードを作成します。あなたはGoogle Cloudを使用するエキスパート ソフトウェア デベロッパーです。同様に、Gemini forGoogle Cloud に「Kubernetes とそのメリットを、可能な限り最も簡単な方法で説明する」よう指示することもできます。
プロダクトとテクノロジーの詳細を含めます。特定のプロダクト、テクノロジー、技術力に関する回答を探している場合は、プロンプトにそれを含めます。同様に、プログラミング言語を指定すると、より適切なレスポンスを得るのに役立ちます。検討すべきテクノロジーやプロダクトが不明な場合は、Gemini にさまざまなオプションの比較を指示します。
複雑な問題を複数のリクエストに分割します。個別のプロンプトを作成することで、Gemini が提示する回答を絞り込むことができ、ソリューションに向けて進むことができます。
Gemini ではどのようなアシスタンスが受けられますか?
Gemini for Google Cloudで言語とコードの機能を使用する方法は多数ありますが、以下の各セクションでは、Gemini のアシスタンスが最も役立つ領域について説明します。
Gemini for Google Cloud は、アシスタンスを依頼された場合に、予期しない、不完全な、または誤った結果を生成する可能性があります。詳細については、Gemini for Google Cloud と責任ある AI をご覧ください。
情報と参照のプロンプト
Google Cloud のプロダクトとサービス、一般的なテクノロジー、定義、これらのコンセプトとテクノロジーの相互関係に関する情報について Gemini for Google Cloud に質問できます。たとえば、次のような質問をします。
- 「 Google Cloudでの「サーバーレス アーキテクチャ」とはどういう意味ですか?
- 「マネージド Kubernetes クラスタをサポートする Google Cloud プロダクトは何ですか?」
- 「BigQuery の主な技術的な特長は何ですか?」
- 「どんな場合に App Engine の代わりに Compute Engine を使用すべきですか?」
- 「Vertex AI はどのようなモデルテストをサポートしていますか?」
- 「Google の Security Command Center にはどのような脆弱性スキャンが行われますか?」
分析と運用に関するプロンプト
Gemini for Google Cloud に対してコード関数を要約して簡素化し、運用上の提案を行うよう指示できます。次に例を示します。
- 「選択したコードを単純化してください」(たとえば、IDE で Python コードを選択した後で)。
- 「この関数の動作を要約してください」(たとえば、IDE で C コード関数を選択した後で)。
- 「IAM 権限を最適化するにはどうすればよいですか?」
タスク プロンプト
特定のタスクまたは一連のタスクの実行をサポートするよう Gemini for Google Cloud に指示できます。複雑なタスクの場合は、プロンプトを個別のステップに分割してみてください。たとえば、プロシージャやタスクの情報は、次のような質問で得ることができます。
- 「 Google Cloud アカウントを設定するにはどうすればよいですか?」
- 「バケットを公開するにはどうすればよいですか?」
- 「Pub/Sub サブスクリプションからメッセージを pull するにはどうすればよいですか?」
- 「Vertex AI を使用してモデルをデプロイするにはどうすればよいですか?」
生成のプロンプト
IDE または Google Cloud コンソールからリクエストを入力すると、Gemini for Google Cloud でコード構造を生成して完成させることができます。Gemini for Google Cloud は、コードの設計と開発に関するプロセス ドキュメントの生成も支援できます。
たとえば、Gemini for Google Cloud に次のようなことを支援するよう指示できます。
- 「C で特定の変数を持つ関数を作成する」
- 「 Google Cloudでウェブアプリを設計、構築、デプロイするための概略的な計画を作成する」
- 「デフォルトの IP アドレスを使用してベアメタル Kubernetes クラスタの YAML ファイルを作成する」
- 「プルダウン メニューの JavaScript コードを作成する」
- 「Kim という Vertex AI モデルを設計するデータ サイエンティストに関する、簡潔で理解しやすいユーザー ストーリーを作成する」
- 「デベロッパーの Google グループに Google Cloud プロジェクトを表示するためのアクセス権を付与する gcloud コマンドを作成する」
アプリケーション関連のプロンプト
フォルダに Gemini Cloud Assist を設定して、Google Cloud コンソールでフォルダレベルの [Cloud Assist] パネルを使用している場合、アシスタンスとレスポンスは、アプリケーションをサポートするプロダクトのフォルダに関連するアプリケーションに限定されます。次のリストに、フォルダレベルでサポートされている Google Cloud プロダクトを示します。
Google Cloud コンソールでフォルダにスコープが設定されている場合、これらの Google Cloudプロダクトではアプリケーションに関連するプロンプトのみがサポートされます。この範囲内のアプリに関連しない質問を送信すると、Gemini Cloud Assist は、フォルダがアプリケーション関連のプロンプト用であることを示す一般的な回答を提供します。次のリストに、アプリケーション関連のプロンプトの例を示します。
- 「本番環境にあるアプリケーションの数はいくつですか?」
- 「アプリケーション「example-application」のトラブルシューティングをサポートしてください。」
他のプロダクトとリソースに関する特定のアシスタンスを受けるには、Google Cloud コンソール ページの上部にあるプロジェクト選択ツールを使用して、プロジェクト リソースを選択します。
また、フォルダレベルで [Cloud Assist] パネルを使用するには、フォルダでアプリケーション管理を有効にする必要があります。
フィードバックを送信
Gemini for Google Cloudの会話エクスペリエンスについてポジティブまたはネガティブなフィードバックを提供いただけると、Google がレスポンスを提供するために使用する基盤となるサービスの改善につながります。フィードバック、および明示的な承認により、Gemini for Google Cloud を改善して、間違いを減らしてより良い提案を行うことができ、優れたレスポンスが確実に強化されます。詳細については、Gemini for Google Cloud に関するフィードバックを送信するをご覧ください。
次のステップ
- 大規模言語モデル(LLM)プロンプトの設計の詳細については、プロンプト設計の概要をご覧ください。
- 生成 AI の詳細については、生成 AI の学習プログラムをご覧ください。
- Gemini モデルと LLM モデルの詳細については、Gemini for Google Cloud と責任ある AI をご覧ください。
- Google がお客様の許可を得た場合にのみフィードバック データを使用する仕組みについては、Gemini for Google Cloud がデータを使用する方法をご覧ください。